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第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編 私たちの生活と経済 1.消費生活と経済のしくみ 2.単元を貫くテーマ 消費に関する様々な事象を切り口にして、賢い消費者になるための知識や見方・考え方を身につ ける。 3.単元について ①生徒について 本学級の生徒は、より深く本質的な理解をめざして、社会的事象に対する自分の考えをまとめ、 発言し合うことで、社会的事象を多面的・多角的に考える学習を 1 年時より継続的に行ってきた。 本学級の生徒でいえば、約半数の生徒は自分の考えを自分の表現で常時発言することができる。た だ、出された意見を検討しながらテーマについて深めていく力はまだまだ弱く、授業構成やテーマ の設定などの工夫が必要である。 経済の消費単元で扱う内容は、日常的な消費活動に関するものが多いため、中学生にとっても学 習内容的には身近なものであると言える。しかし、表面的な知識としては理解していても、様々な 事象が持つ意味や意義などの本質的な部分まで理解できている生徒はほとんどいないであろうと 予測される。2年次に学習済みの家庭科の学習内容も活用させながら、深い学びが生まれるように 指導していきたい。 ②単元構成について 単元の構成としては、自立した消費者を育てるという視点で単元を貫く問いを設定し、そのもと で、広告、家計簿、各種価格などの消費に関する様々な事象の学習を通して自分の認識を深めなが ら、生徒一人一人が、単元を貫く問いへの各自の考えを単元の最後にまとめることができるように と考えて構成した。 ③指導について 単元を貫く問いを毎時間意識させるとともに、単元の各授業において、生徒にとって身近な題材 を切り口にして、その事象の持つ意味や意義をできるだけ深く考えさせ、理解させていくことが重 要と考えている。そのためには、生徒の発言を絡ませながらテーマについて深めていく話し合いの 学習を設定したり、身近なことから生徒の持つ知識や体験を引き出したりしながら、それがより本 質的な理解へとつながるような指導が必要である。

第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

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Page 1: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案

日 時:平成29年11月22日(水)5限

1.単元名 第3編 私たちの生活と経済 1.消費生活と経済のしくみ

2.単元を貫くテーマ

消費に関する様々な事象を切り口にして、賢い消費者になるための知識や見方・考え方を身につ

ける。

3.単元について

①生徒について

本学級の生徒は、より深く本質的な理解をめざして、社会的事象に対する自分の考えをまとめ、

発言し合うことで、社会的事象を多面的・多角的に考える学習を 1 年時より継続的に行ってきた。

本学級の生徒でいえば、約半数の生徒は自分の考えを自分の表現で常時発言することができる。た

だ、出された意見を検討しながらテーマについて深めていく力はまだまだ弱く、授業構成やテーマ

の設定などの工夫が必要である。

経済の消費単元で扱う内容は、日常的な消費活動に関するものが多いため、中学生にとっても学

習内容的には身近なものであると言える。しかし、表面的な知識としては理解していても、様々な

事象が持つ意味や意義などの本質的な部分まで理解できている生徒はほとんどいないであろうと

予測される。2年次に学習済みの家庭科の学習内容も活用させながら、深い学びが生まれるように

指導していきたい。

②単元構成について

単元の構成としては、自立した消費者を育てるという視点で単元を貫く問いを設定し、そのもと

で、広告、家計簿、各種価格などの消費に関する様々な事象の学習を通して自分の認識を深めなが

ら、生徒一人一人が、単元を貫く問いへの各自の考えを単元の最後にまとめることができるように

と考えて構成した。

③指導について

単元を貫く問いを毎時間意識させるとともに、単元の各授業において、生徒にとって身近な題材

を切り口にして、その事象の持つ意味や意義をできるだけ深く考えさせ、理解させていくことが重

要と考えている。そのためには、生徒の発言を絡ませながらテーマについて深めていく話し合いの

学習を設定したり、身近なことから生徒の持つ知識や体験を引き出したりしながら、それがより本

質的な理解へとつながるような指導が必要である。

Page 2: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

4.指導の系統(「小中一貫カリキュラム」より)

5.単元の目標

〇消費活動に興味・関心を持ち、賢い消費者になるために必要なことを理解し、実践しようとして

いる。(関心・意欲・態度)

〇課題に対して自分の考えをまとめ、他人の意見と対比させながら、わかりやすく伝えることがで

きる。(思考・判断・表現)

〇新聞広告や家計簿を読み取って情報を引き出したり、需要・供給曲線を読み取ったりして、市場

価格の説明に使うことができる。(技能)

〇経済のしくみ、賢い消費活動、政府の消費者保護、様々な価格の決まり方などについて、わかり

やすく説明できる。(知識・理解)

6.単元の評価規準

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解

・消費活動に興味・関心

を持ち、賢い消費者

になるために必要な

ことを理解し、まと

めている。

・課題に対して自分の

考えをまとめ、他人

の意見と対比させな

がら、わかりやすく

伝えようとしてい

る。

・家計簿を読み取って

情報を引き出した

り、需要・供給曲線を

読み取ったりして、

市場価格の説明に使

おうとしている。

・経済のしくみ、賢い消

費活動、政府の消費

者保護、様々な価格

の決まり方などにつ

いて、わかりやすく

説明しようとしてい

る。

Page 3: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

7.指導と評価の計画(全8時間)

時 ねらい 評価規準

重点

関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解

・経済のしくみにつ

いて説明できる。

・消費活動での失敗

例をまとめる。

・経済のしくみ

についてわか

りやすく説明し

ている。

主に習得

・買った消費者、買

わせた企業、どち

らがより悪いか、

考える。

・課題への自

分 の 考 え を

まとめ、伝え

よ う と し て

いる

主に活用

・政府の消費者保護

についてまとめ、

説明できる。

・ 政 府 の 消 費

者保護につい

てわかりやす

く 説 明 し て い

る。

主に習得

・家計の収入・支出

から、家計の経済

状態を予測する。

・課題への自

分 の 考 え を

まとめ、伝え

よ う と し て

いる。

・家計簿から情

報 を 読 み 取

り、引き出して

いる。

主に活用

・流通が、商品の価

格に与える影響を

説明できる。

・流通と商品の

価格の関係を

わかりやすく

説 明 し て い

る。

主に習得

・市場価格の決まり

方と価格決定のし

くみを説明するこ

とができる。

・ 市 場 価 格 の

決まり方、しく

みについて説

明している。

主に習得

・独占価格、公共料

金の決まり方を説

明できる。

・独占価格、公

共料金の決ま

り方を説明し

ている。

主に習得

・賢い消費者になる

ために必要なこと

をまとめることが

できる。

・賢い消費者に

な る た め に 必

要なことをまと

めている。

・賢い消費者に

な る た め に 必

要なことを伝え

ている。

主に活用

賢い消費者になるために必要なこととは?

Page 4: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

8.本時の学習指導

①本時の目標

広告を検討し、話し合うことを通して、「買った消費者、買わせた企業、どちらがより悪いか」につ

いて自分の考えを持つことができる。[社会的な思考・判断・表現]

②学習課題

(1)習得させること ・商品広告には、消費者に買わせようとするしかけが、多数凝らしてあることがわかる。

(2)予想される生徒のつまずき ・理解確認で、友だちの気づきをまとめて発言することができない。

(3)深化課題 ・買った消費者、買わせた企業、どちらがより悪いか?

③予習について

・教科書 P.123~125 を読んで、該当のワークページを作業する。

・広告について、気づいたことをまとめ、発言できるようにしておく。

④展開

教師からの説明・課題提示 主な発問と

予想される生徒の反応

教師の働きかけ(・)

と評価(※)

入 2分

○単元の学習テーマ確認

○本時めあて、授業の流れ確認

・画紙に書いて掲示す

る。

・全員参加で学習に取

り組むことを確認す

る。

る 10分

1.説明(予習課題の発表)

<予想される生徒の反応>

・商品の良さだけ強調されて

いる

・「鳥取の方だけ」特別感演出

・3人のコメントは本物か?

・感想の但し書きは小文字?

・全体的になんか怪しい感じ

・できている生徒を立

たせ確認する。

・できていない生徒に

は、他人の意見を参

考にさせる。

・発表者から座らせて

いく。

・根拠が曖昧な発言は、

根拠を確認する。

めあて:広告を読み取り、買った側、売った側の責任について自

分なりに判断する。

指示:広告から気づいたことを発表しよう。

Page 5: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

考 え さ せ る

33分

2.理解確認

<予想される生徒の反応>

・怪しい商品は買うべきでない

・実際に手に取って確かめる

べき

・無理に買わせようとしている

・広告の裏まで読むことが大事

・隣同士ペアで確認さ

せ、その後何人かに

確認する。

・買わせるためのしか

けについての観点が

弱い場合には、補足

説明を行う。

3.理解深化

○「本商品を購入し思った効果が

出なかった」と場面設定をする。

<消費者>

・買おうと判断したのは消費者

・怪しいものを見分ける目を養

わなくてはならない。

<企業>

・消費者は大げさな広告を見抜

くこと実際には難しい。

・商品のマイナスの情報もきち

んと知らせる責任あり。

・4分時間をとって考

えをまとめさせる。

※課題に対し、自分な

りの意見をまとめる

ことができたか。

(観察、ノート)

【思考・判断・表現】

・全員の結論を確認し、

少数意見から挙手発

表させる。教師は要

点を板書する。

・双方の意見が出揃っ

たら、反対・付け足し

意見を出させる。

己 評

5分

4.自己評価 ・まとめの視点を 2点示す。

①印象的な友だちの意見につい

て、自分の意見を書く。

②深化課題について自分の最終

的な結論をわかりやすくまと

める。

・最初に本時の学習を、

板書を使ってふり返

らせた上で、シラバ

スに要点をまとめさ

せる。授業ノートに

は、詳しくまとめて

次時に提出させる。

深化課題

「商品を買った消費者、買わせた企業、どちらがより悪いか?」

発問:みんなの発言を聞いて、何が言えますか、わかりますか?

Page 6: 第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案第3学年 社会科(公民的分野)学習指導案 日 時:平成29年11月22日(水)5限 1.単元名 第3編

⑤板書計画

「悪いのはどっち?」(P.123~125)

(め)広告を読み取り、買った側、売った側の責任について自分なりに判断する。

<広告からの気づき>

・何とか買わせようというしかけ

・広告の「裏」を読む

・+-を考えて購入検討する

(消費者) (企業)

・買おうと判断したのは消費者 ・消費者が仕掛けを見抜くのは難しい

・消費者は慎重に考えないと ・商品の(-)情報も知らせる必要あり

・売る方は何とか売りたい→見抜く目必要 ・売る企業は消費者のことを考えるべき

深化課題:商品を買った消費者、買わせた企業、どちらがより悪いか?