32
この章では、前章で示した将来都市像や将来都市構造の実現に向けて、 「土地利用」、「交通体系」、「自然環境」、「環境共生」、「住宅・住環境」、 「都市景観」、「福祉」、「防災・防犯」、「観光・文化・スポーツ・レクリ エーション」の各視点からまちづくりの方針を整理しています。 3-1 都市と自然が調和したまちづくり ~土地利用の方針~ 3-2 安全で快適な交通環境づくり ~交通体系整備の方針~ 3-3 水やみどりを大切にしたまちづくり ~自然環境保全・活用の方針~ 3-4 環境にやさしいまちづくり ~環境共生型まちづくりの方針~ 3-5 ゆとりある生活を送れる環境づくり ~住宅・住環境整備の方針~ 3-6 資源をいかした風景づくり ~都市景観形成の方針~ 3-7 安心して暮らせるまちづくり ~福祉のまちづくりの方針~ 3-8 災害に強い安全なまちづくり ~防災・防犯まちづくりの方針~ 3-9 野田市を満喫できる環境づくり ~観光・文化・スポーツ・レクリエーション環境整備の方針~ 第3章 部門別方針

第3章 部門別方針...第3 章 部門別方針 29 【一般商業地】 地域サービス核として、川間駅周辺、梅郷駅周辺及び関宿中央ターミナル・ 関宿支所周辺は、市街地整備を行うとともに、住民の要望や利便性を考慮し

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Page 1: 第3章 部門別方針...第3 章 部門別方針 29 【一般商業地】 地域サービス核として、川間駅周辺、梅郷駅周辺及び関宿中央ターミナル・ 関宿支所周辺は、市街地整備を行うとともに、住民の要望や利便性を考慮し

この章では、前章で示した将来都市像や将来都市構造の実現に向けて、

「土地利用」、「交通体系」、「自然環境」、「環境共生」、「住宅・住環境」、

「都市景観」、「福祉」、「防災・防犯」、「観光・文化・スポーツ・レクリ

エーション」の各視点からまちづくりの方針を整理しています。

3-1 都市と自然が調和したまちづくり

~土地利用の方針~

3-2 安全で快適な交通環境づくり

~交通体系整備の方針~

3-3 水やみどりを大切にしたまちづくり

~自然環境保全・活用の方針~

3-4 環境にやさしいまちづくり

~環境共生型まちづくりの方針~

3-5 ゆとりある生活を送れる環境づくり

~住宅・住環境整備の方針~

3-6 資源をいかした風景づくり

~都市景観形成の方針~

3-7 安心して暮らせるまちづくり

~福祉のまちづくりの方針~

3-8 災害に強い安全なまちづくり

~防災・防犯まちづくりの方針~

3-9 野田市を満喫できる環境づくり

~観光・文化・スポーツ・レクリエーション環境整備の方針~

第3章 部門別方針

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第 3章 部門別方針

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第3章 部門別方針

都市と自然が調和したまちづくり

~土地利用の方針~

1)基本方針

(1)自然環境と調和したコンパクトな市街地の形成

野田市を取り囲む河川や市街地を囲む山林や農地を保全するとともに、こ

れらの自然環境と調和したコンパクトな市街地の形成を図ります。

(2)ゆとりと落ち着きのある住宅地の形成

道路を始めとした都市施設の整備改善や、住宅地としての街並み景観の向

上により、ゆとりと落ち着きある住宅地の形成を図ります。

(3)にぎわいと趣のある商業地の形成

歴史的街並みを活用し、商業・業務施設を集積することで、歴史的な街並

みと調和したにぎわいのある商業地の形成を図ります。

(4)新たなインパクトの活用によるにぎわいや魅力を創出する土地利用の推進

東京直結鉄道(地下鉄8号線)や千葉柏道路による新たなインパクトの活

用により、野田市の広域的なポテンシャル(*21)を高めるとともに、活力

ある都市の育成を図るため、製造業を中心とした工業団地を整備し、にぎわ

いや魅力を生み出す土地利用の推進を図ります。

2)土地利用の体系

主な土地利用を以下のとおり体系化し、方針を掲げます。

都 市 的

土地利用

住宅系土地利用 住環境の向上を図る地域

ゆとりある住宅地を保全する地域

商業・業務系土地利用 中心商業地

一般商業地

工業系土地利用 工業地

商業・工業系土地利用 伝統的な工業地と商業・業務が共存する地域

業務・研究系土地利用 先端技術の研究・開発と人材育成の場となる地域

自 然 的

土地利用

緑地系

農地系 優良な農地を保全する地域

農地等と集落が共存する地域

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第 3章 部門別方針

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3)主な土地利用ごとの具体的な方針

(1)都市的土地利用

①住宅系土地利用

【住環境の向上を図る地域】

既成市街地は、他用途との混在、敷地の狭小化、狭隘(きょうあい)道路(*

22)などの問題を解消し、良好な住環境の形成に努めます。また、市街地内

において計画的な面的整備に努めるとともに、宅地開発などに対する適切な

規制、誘導により、良好な市街地の形成を図ります。

【ゆとりある住宅地を保全する地域】

みずき地区、桜の里地区を始めとした土地区画整理事業などにより計画的

に整備された住宅地や、今後整備される住宅地については、ゆとりある住宅

地として、地区計画制度(*23)の積極的な導入などによる、良好な住環

境の形成及び保全を図ります。

②商業・業務系土地利用

【中心商業地】

本町通り周辺の商業地は、歴史的資源と調和した魅力ある街並み景観を形

成するとともに、市街地環境の整備に努め商業機能の充実を図ります。

また、中心サービス核として広域的な性格をもった野田市駅・愛宕駅周辺

は、東武野田線連続立体交差事業と一体となった駅前広場や駅前線等の市街

地整備を推進し、中心市街地にふさわしい商業・業務系の土地利用を誘導し、

商業機能の充実を図ります。あわせて、土地の高度利用を促進し、商業環境

の充実及び魅力ある都市空間の形成を図ります。

■清水公園東地区 ■光葉町地区

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第 3章 部門別方針

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【一般商業地】

地域サービス核として、川間駅周辺、梅郷駅周辺及び関宿中央ターミナル・

関宿支所周辺は、市街地整備を行うとともに、住民の要望や利便性を考慮し

た商業集積を図り、できるだけ多様な都市機能の集積を誘導し、充実を図り

ます。

③工業系土地利用

【工業地】

野田橋周辺から江戸川沿いに連なる工業地は、野田市の産業活動に大きな

役割を果たしている醤油醸造業が営まれているため、今後も産業用地として

の土地利用を促進するとともに、歴史的な景観の形成を図ります。

野田橋周辺の比較的小規模な工場が点在する工業地については、今後も周

辺の住環境に配慮した産業用地としての土地利用を促進するとともに、周辺

住宅地との共生に努めます。

中里地区、泉地区、南部地区、西高野地区、桐ケ作地区及び古布内地区の

各地区については、今後も工業地として配置し、職住近接の実現を図るとと

もに、今後成長が見込まれる産業の誘致を促進します。

さらに、定住促進と雇用確保のため、製造業を中心とした工業団地の整備

を図ります。

④商業・工業系土地利用

【伝統的な工業地と商業・業務が共存する地域】

野田市駅周辺では、駅の西側において、東武野田線連続立体交差事業にあ

わせ土地区画整理事業により駅前広場や駅前線等の都市施設を整備し、土地

利用の再編及び高度利用への転換を図るとともに、野田市の伝統的な産業と

商業・業務機能が共存するまちづくりを進めます。

⑤業務・研究系土地利用

【先端技術の研究・開発と人材育成の場となる地域】

桜の里一丁目の業務研究施設地区においては、先端技術の研究や開発を中

心とした業務・研究系の土地利用を促進します。

■梅郷駅西口 ■川間駅南口

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第 3章 部門別方針

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(2)自然的土地利用

①緑地系

中央の杜、野田市総合公園、野田市関宿総合公園、関宿にこにこ水辺公園、

野田市スポーツ公園、こうのとりの里周辺など、市民が身近に野田市の自然

とふれあうことができる緑地を保全します。また、利根川、江戸川及び利根

運河の河川などとその周辺並びに江川地区などでは生物多様性を育む自然環

境を保全するとともに、自然とふれあうことができるレクリエーション施設

の整備充実を推進します。さらに、座生川やくり堀川などの河川においても、

生活に身近な自然環境資源として保全に努めます。

②農地系

【優良な農地を保全する地域】

一団となった農地を形成する中里地区、小山地区、船形地区、福田地区、

目吹地区、今上地区、関宿台町地区、新田戸地区及び木間ケ瀬地区などを中

心とした優良な農地は、農業振興の拠点として農業生産基盤の整備や高度化

などによる効率的な土地利用を促進します。

【農地等と集落が共存する地域】

農地等と集落が共存する地域については、良好な生産及び生活環境の一体

的な形成を進め、適正な土地利用を図り、屋敷林をはじめとする樹林地や生

垣など、みどり豊かな土地利用を促進します。

また、都市の緑地環境として維持保全するとともに、市民の余暇の場とし

て活用できるように促進します。

江川地区は、自然環境保護対策基本計画に基づいた自然と共生する地域づ

くりを進めます。

■野田市総合公園 ■利根運河

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第 3章 部門別方針

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(3)その他

都市の活性化を担う市街化調整区域の都市的土地利用

市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域ですが、幹線道路沿道などで一定規

模以上の土地における流通業務、観光、レクリエーション等を主体とする非住居

系の開発地、または、既存の工業地周辺の一定規模以上の土地における製造業等

の工業系の土地利用で、地域の振興又は発展に寄与し、必要な公共公益施設を整

備しつつ、周辺の自然環境、景観と調和する良好な開発を誘導する場合などにお

いては地区計画を定め、市街化調整区域の適正な土地利用の形成を図ります。

【幹線道路沿道開発誘導ゾーン】

広域交通の特性を活かし、流通業務施設や沿道施設、観光振興施設等の立地を

誘導することで、広域幹線道路の沿道に相応しい土地利用を図ります。

【観光商業整備誘導ゾーン】

観光・商業・レクリエーションなどを主体とする施設の立地を誘導することに

より、交流人口の拡大や地域振興を図ります。

【非住居系開発誘導ゾーン】

工場、研究所、流通業務施設及び観光振興施設などの立地を周辺環境と調和し

た計画のもと誘導し、持続可能な地域振興を図ります。

【既存工業団地連携誘導ゾーン】

既存の産業集積との連携性を活かした産業関連施設の立地を誘導し、産業拠点

としての更なる機能向上を図ります。

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第 3章 部門別方針

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凡 例

口住環境の向上を図る地域

口ゆとりある住宅地を保全する地域

■中心商業地

ロー般商業地

■工業地田・・・… 幹線道路沿道開発誘導ゾーン

m’t‘““’ 既存工業団地連携誘導ゾーン

□聾罐工業地と麟業務が共存巨i・Maヒ軸

□顧膿地を保全する繊  回公共交通軸[:コ農地等と集落が共存する地域   E≡ヨ河川

* 観光商業整備誘導ゾーン

* 非住居系開発誘導ゾーン

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第 3章 部門別方針

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安全で快適な交通環境づくり

~交通体系整備の方針~

1)基本方針

(1)他都市へ自由にアクセスできる広域的な交通体系の整備

多様な交通需要に対応し、都市間での広域的な交流を円滑にするため、東

京直結鉄道(地下鉄8号線)の整備促進や東武野田線の複線化、千葉柏道路

や県道等の整備促進により、活力ある都市の交通体系の確立を図ります。

(2)日常でのアクセスを便利にする交通体系の整備

コミュニティバス(まめバス)の運行の充実や路線バスの継続的な運行に

よる交通体系の維持を図ります。

また、道路ネットワークの整備により、通勤、通学、買物など、日常生活

の移動の利便性を高め、快適な交通環境の創出を図ります。

(3)交通処理能力を高める交通機関相互の連携強化

重要な交通結節点(*24)である鉄道駅への交通ネットワークの改善を図

るため、駅前広場等を整備し、バス、一般車両、自転車などが円滑にアクセ

スできるよう努めます。

(4)人や自然にやさしい安全で快適な道路整備

歩道などのバリアフリー化を推進し、だれもが快適に移動できる空間のネ

ットワーク化を図るとともに、環境に配慮した道路整備に努めます。

2)具体的な方針

(1)公共交通の充実

①東京直結鉄道(地下鉄8号線)の整備促進

市民の通勤、通学など日常生活の利便性の向上と東京、埼玉への連絡機能

の強化に向けて、東京直結鉄道(地下鉄8号線)の整備を促進します。その

ため、補助獲得等に関して国、県に対する要請に努めるとともに、関係機関

と連携して事業主体、建設費、財政負担等について鉄道事業計画の策定など

を進めます。

②東武野田線の複線化の促進

市民の通勤、通学などの日常生活の利便性の向上を図るため、東武野田線

の複線化について、関係機関に対する要請に努め、その整備を促進します。

そのため、将来の全線区間の複線化を念頭に置きつつ、その第一歩として、

「梅郷駅-運河駅間の複線化」を目指します。

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第 3章 部門別方針

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③連続立体交差事業の促進

東武野田線の清水公園駅から梅郷駅間については、踏切による事故の防止

や踏切遮断による交通渋滞を緩和するため、鉄道の高架化を促進します。

④バス路線の維持・整備・充実

民間バス路線については、現況バス路線を基本としながら、市民の日常生

活の利便性の向上や交通渋滞の緩和のため、市民にとって利用しやすいバス

交通の在り方などについて検討を行うとともに、関係機関に路線の維持・整

備を要請します。また、合併を機に運行を開始したコミュニティバス(まめ

バス)については、抜本的見直しを行い更なる利便性の向上を図ります。

(2)交通結節点の機能強化

①交通結節点の機能強化

野田市駅及び愛宕駅は、野田市の交通結節点として、広域的な交通需要に対応

した駅前広場などの都市施設の整備を推進します。

②自動車駐車場

既成市街地の商業地及び駅周辺の駐車場需要の高い地区については、公・

■鉄道の高架化

■まめバス ■関宿中央ターミナル

■進みつつある鉄道高架化工事

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第 3章 部門別方針

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民の適切な役割分担の下に、駐車施設の整備を総合的・計画的に促進します。

また、空洞化が進む中心市街地については、にぎわいを取り戻すため、駐車

場等の共同施設整備等についても支援を行います。

③自転車等駐車場(駐輪場)

駅周辺の放置自転車等の解消を図るため、駅前広場などの整備にあわせて、

駐輪場の整備を推進します。

(3)骨格的な幹線道路の整備

①広域幹線道路

南北軸の広域幹線道路である国道16号の混雑緩和のため、周辺の自然環

境などに配慮しつつ、千葉柏道路の早期整備を促進します。あわせて、主要

地方道結城野田線、我孫子関宿線の整備を促進します。また、東西軸の広域

幹線道路である主要地方道つくば野田線及び越谷野田線(一部の区間)の混

雑緩和のため、駅周辺の拡幅整備・芽吹大橋及び野田橋付近の4車線化を促

進します。

関宿地域については、主要地方道境杉戸線バイパス(都市計画道路台町元

町線)の整備を促進するとともに、首都圏中央連絡自動車道の整備とあわせ

て、隣接する他県と連絡する道路の整備を促進します。

②外郭環状道路

市街地内の通過交通を排除するため、都市計画道路山崎吉春線、今上木野

崎線、市道船形吉春線、主要地方道松戸野田線、我孫子関宿線により構成さ

れる外郭環状道路(*25)の早期整備を図ります。

③主要な道路等

市内各地区での交通の利便性を高める道路の整備とともに、市外との連携

を強化する道路の整備に努めます。また、鉄道の高架化とあわせて、市内の

都市計画道路を梯子状(*26)に整備します。

■野田橋 ■芽吹大橋

騨w再.

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第 3章 部門別方針

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④長期未着手道路の検証 長期未着手の都市計画道路については、社会情勢等の変化を踏まえ、その

必要性や既存道路による機能代替可能性等を検証します。 (4)生活道路の整備

だれもが安心して快適に移動できるよう、人へのやさしさ、環境へのやさ

しさに配慮しながら、身近な生活道路の整備・点検を推進し、自動車と歩行

者が安全に共存できる道路環境の整備を推進します。

(5)歩行者・自転車ネットワークの整備

高齢者や障がい者などにも配慮した歩道の整備、安全な通行が可能となる

ような自転車通行帯等の整備を推進するとともに、気軽に野田市の豊かな自

然や歴史とふれあいながら移動できるサイクリング道路などの整備に努め、

だれもが安心して快適に移動できる都市空間の実現を目指します。

(6)人や環境にやさしい道路の整備 ①高齢者や障がい者などにやさしい交通環境の実現

視覚障がい者誘導用ブロック(*27)の整備、歩道勾配の緩和などによ

り、高齢者や障がい者などにやさしい道路整備を推進します。

②環境や景観に配慮した道路整備の推進

環境に配慮し、施設整備などに当たっては、透水性舗装(*28)や街路

樹などの整備を推進します。

■都市計画道路山崎吉春線 ■都市計画道路清水公園駅前線

■都市計画道路親野井羽貫線 ■工事中の外郭環状道路(市道船形吉春線)

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第 3章 部門別方針

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第 3章 部門別方針

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水やみどりを大切にしたまちづくり

~自然環境保全・活用の方針~

1)基本方針

(1)市民の愛着を生み出すみどりの保全

利根川、江戸川及び利根運河の骨格的な自然環境や、みどりの拠点となる

中央の杜を始めとした、多様なみどりの保全、整備を進め、市民共有の財産

となる質の高いみどりのまちづくりを進め、さらに江川地区の周辺斜面林等

の保全にも努めます。

(2)身近な自然とふれあうことができる都市環境の創出

みどりの拠点となる野田市総合公園、野田市関宿総合公園、関宿にこにこ

水辺公園、野田市スポーツ公園や、身近な都市公園などの市街地内における

公園・緑地の整備とともに、河川、農地など既存の自然環境の保全・活用に

より、市民のニーズに対応したみどりの創出を図ります。

(3)水やみどりのネットワーク化

都市内の水やみどりをネットワーク化することにより、自然を身近に感じ

られる都市空間の形成を図り、水とみどりの質の向上に努めます。

2)具体的な方針

(1)市民共有の財産となる、身近なみどりの保全と適正な管理

利根川、江戸川、利根運河や、みどりの拠点となる中央の杜、市民の森な

どの貴重な自然環境要素を身近なみどりとしてとらえ、市民との協働作業に

おける緑化活動の促進・管理などを積極的に進め、郷土に愛着をもてるまち

づくりを進めます。

(2)身近な自然とふれあうことができる緑地の創出

市民の多様なニーズに対応するため、みどりの拠点的な役割を果たしてい

る野田市総合公園、野田市関宿総合公園、関宿にこにこ水辺公園、野田市ス

ポーツ公園において、その周辺の自然環境の保全を図るとともに、施設の整

備・充実を推進します。その他、日常生活に密着した市民の憩いの場やコミ

ュニケーションの場としての都市公園などの機能を充実させ、豊かな自然環

境を身近に感じ、自然と親しめるふれあいの場の創出を図ります。また、既

存の農地についても都市内の貴重な緑地としてとらえ、その保全・活用に努

めます。

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第 3章 部門別方針

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(3)水とみどりのネットワークの形成

豊かな自然と共生する都市を目指すため、河川や山林などの大小様々な自

然環境要素を、市民が日常生活において身近な自然と親しむことができるよ

う、次世代に引き継ぐまちづくりを推進するため、水とみどりのネットワー

クの形成を図ります。

①水の軸の形成

利根川、江戸川及び利根運河の水辺空間を大きな骨格として、「水の軸」

を形成することにより、市民が、水の持つ潤いややすらぎを実感できる、水

辺環境づくりを進めます。

②みどりの軸の形成

利根川、江戸川及び利根運河沿いの豊かな自然環境を始めとした大規模な

緑地を大きな骨格として、中央の杜、野田市総合公園、野田市スポーツ公園

や国道16号沿道の山林などを相互に結びつける「みどりの軸」を形成し、

みどりの保全や創出を図ります。

また、市民の森や都市公園(*29)などの市民に身近な自然環境要素を、

幹線道路などの植樹帯のみどりにより結びつけることで、連続したみどりの

空間を形成します。

■利根川

■関宿にこにこ水辺公園

■江戸川

■野田市総合公園

t

,  直φ

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第 3章 部門別方針

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凡 例

   市街地ゾーン

ロ   (身近なみどりを創出するゾーン)

   農業振興ゾーン

ロ   (多様なみどりを保全・活用するゾーン)

口緑地レクリエーションゾーン

巨夏]緑地レクリエーション拠点

[亜]水の軸

匡ヨみどりの軸

=南北軸

=東西軸巨ヨ環状軸

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第 3章 部門別方針

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環境にやさしいまちづくり

~環境共生型まちづくりの方針~

1)基本方針

(1)自然との共生

都市に残る自然は、動植物の保護及び育成、快適な都市空間の形成、さら

には人々にやすらぎを与える大切な資源であるため、適正な保全・管理を図

るとともに、コウノトリをシンボルとした生物多様性の保全・再生に取り組

み、自然と共生したまちづくりを進めます。

(2)環境にやさしい実践活動があるまちづくりの推進

公害防止のための規制基準を守ることはもとより、生活環境への影響を考

えた環境保全を通して、大気、水質、土壌などを健全な状態に保持し、人の

健康の保護及び生活環境の保全を図るとともに、環境負荷の少ない製品の利

用などの促進や、省資源・省エネルギー対策などの生活の中での実践活動を

促進します。

2)具体的な方針

(1)自然との共生に向けた環境整備

① 環境保全の推進

多様な動植物とその生態系が良好に保全されるよう、豊かな自然環境を保

全し、みどりや水辺環境及び動植物とふれあえる場の整備を図り、それらを

活用することでみどりや生物を大切にする意識の醸成が図られるよう、市民

の森や都市公園、都市緑地(*30)、座生川やくり堀川などの水辺環境の

整備とともに、街路樹の植栽など

による緑化の推進を図ります。

また、水路に環境用水(*31)

を導入することで、水質の改善や

多様な水生生物等の自然環境の維

持、保全を推進します。

■座生川

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第 3章 部門別方針

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②コウノトリの野生復帰

コウノトリの棲める環境は、多く

の生物を育むとともに、人にとって

も安心安全に暮らせる環境と言える

ため、野生復帰の推進により、自然

再生・生物多様性の取り組みを広げ、

自然と共生したまちづくりを進めま

す。

(2)環境への負荷の少ないまちづくり

①廃棄物の減量・リサイクルの推進

循環型社会(*32)を目指して、ごみの分別収集の徹底や資源回収の推進

に取り組むことにより、ごみの減量化・リサイクルの推進を図ります。

また、ごみ問題に関する啓発などを図るとともに、再生品利用の推進、事

業系ごみの再資源化ルートの構築などに取り組みます。

②廃棄物処理施設の整備

現在、一般廃棄物の最終処分場がないため、廃棄物の処分は市外に依存し

ており、その残余容量も逼迫(ひっぱく)しているため、今後も引き続き施

設整備の在り方など対応策を幅広く検討します。

また、新清掃工場については、建設地周辺の環境保全に十分配慮するため、

施設のコンパクト化と公害防止等の環境対策を徹底するとともに、市民に対

し健康な生活を支える重要な基盤施設であることの理解を得ることに努め、

施設整備を行います。

不燃物処理施設については、適切な維持補修を行い、安定的な運用を図り

ます。

(3)次世代に引き継ぐ良好な環境の保全と創出

①水資源・エネルギーの有効利用

省資源・省エネルギーに関する知識の普及を図り、これらが有効利用され

るよう、雨水地下浸透の推進、省エネルギーの推進及び省資源・省エネルギ

ーに関する意識の啓発などに取り組みます。

②水質環境の保全

豊かな水辺環境の水質を保全するための都市施設として、公共下水道の整

備を進めるとともに、下水道区域以外については、合併処理浄化槽(*33)

の設置を促進し、また使用されている合併処理浄化槽について、保守点検と

清掃など適切な管理に努めるよう啓発を推進します。

■こうのとりの里

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第 3章 部門別方針

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(4) 市民参加の取組

① 環境学習の推進

野田市スポーツ公園内の三ツ堀里

山自然園の活用や、座生川の水辺空間

整備計画(*34)を推進し、環境学

習の機会の提供や場の整備及び環境

学習の機会や環境の現状についての

情報の提供などに取り組みます。

② 自主的な環境保全行動の促進

地域の環境保全活動の促進(地域の環境美化運動など)、環境保全活動団

体などへの支援、環境に配慮した生活様式への誘導及び環境に配慮した事業

活動への誘導などに取り組みます。

さらに、環境教育への協力等企業のCSR活動(*35)を促進します。

■三ツ堀里山自然園

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第 3章 部門別方針

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ゆとりある生活を送れる環境づくり

~住宅・住環境整備の方針~

1)基本方針

(1)良質な住宅の供給

様々な世代構成、収入階層が安心してゆとりある生活ができるよう、持家

や借家及び公的住宅、民間住宅などの多様な住宅の供給を図ります。

(2)高齢者、障がい者及び働く女性が住みやすい住環境の創出

ノーマライゼーション社会の構築に向け、高齢者や障がい者などの居住環

境に対しても幅広く考えるとともに、働く女性の居住に対する支援を推進し

ます。

(3)定住意識に対応したみどり豊かな住環境の整備

土地区画整理事業などにおける住環境整備の方針と連動した住宅施策を考

えることで、強い定住意識に対応した住環境の整備を推進します。

2)具体的な方針

(1)住まい方に応じた適切な水準の住宅の確保

①公的住宅供給の促進

既存の市営住宅の長期的、計画的な維持管理により長寿命化を図るととも

に、県及び公社などとの公的住宅確保に向けた連携・協力に努めるとともに、

入居希望の多い所得層や世代の居住条件を整備し、生活支援や生活環境の整

備とあわせた良質な住宅供給を図ります。

②民間住宅の供給支援

良質な民間賃貸住宅建設への支援や、老朽住宅の建て替え誘導・支援、不

燃住宅の誘導・支援、住宅に関する相談窓口体制の整備など、良質な民間住

宅の供給に向けた総合的な支援を図ります。

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第 3章 部門別方針

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(2)高齢者、障がい者及び働く女性が住み続けられる住宅の供給・支援

高齢者や障がい者等については、住宅の段差解消等の住宅のバリアフリー

化を図り、住みやすい環境づくりを推進します。

また、共働き世帯の増加などによる働く女性のために、福祉サービス(子

供の保育など)を考慮した住宅供給・支援を推進します。

(3)まちづくりと合わせた住宅・住環境の保全と創出

①良好な住環境の維持・充実

土地区画整理事業により整備された住宅地は、既に良好な住環境が形成さ

れており、その維持・充実を図ります。

②地区計画制度による良好な住環境の誘導

土地区画整理事業によるまちづくりが行われる地区などについては、地区

計画制度などの導入により、みどり豊かで良好な住環境を誘導します。

③既成市街地における住環境の向上

建物が密集した既成市街地においては、まちづくりと合わせた狭隘(きょ

うあい)道路などの整備・改善に努めるとともに、日照、通風の確保を促進

し、良好な住環境の創出を図ります。

■つつみ野地区 ■清水公園東地区

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第 3章 部門別方針

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資源をいかした風景づくり

~都市景観形成の方針~

1)基本方針

(1)自然・地形をいかした景観形成

多様な自然・地形などの自然環境をいかした野田市の原風景を大切にした

景観形成を図ります。

(2)歴史・文化、産業の蓄積をいかした景観形成

野田市の長い歴史の中で育まれた歴史的な街並みなどを活用し、これらと

調和した景観形成を図ります。

(3)まちづくりと合わせた新たな景観形成

今後の土地区画整理事業などによるまちづくりでは、野田市の歴史的特性

や豊かなみどり、潤いある水辺環境などとの調和に配慮しつつ、個性ある景

観形成を図ります。

2)具体的な方針

(1)自然・地形をいかした景観形成

①水辺景観や田園景観の保全

利根川、江戸川及び利根運河の流れは、本市の自然の基調となっているば

かりではなく、利根川、江戸川の両河川は、本市の骨格形成に大きく寄与し

てきた醤油産業の発達の源泉でもあります。また、川辺の湿地や水田は、本

市の原風景として多くの市民にも親しまれていることから、これら河川及び

川辺の湿地や、水田の自然景観の保全を図ります。

②斜面緑地や山林の景観の保全と活用

台地と谷津の境界部に残された斜面緑地は、視覚的に低湿地を取り巻く樹

林のようにとらえられ、野田市の自然環境の代表的な景観が形成されていま

す。また、国道16号沿道に残されている山林は来訪者にみどり豊かな野田

市を印象付ける重要な景観要素になっていることから、これらの斜面緑地や

山林の景観の保全とともに、野田市らしい景観を形成するため斜面林や山林

の景観を活用した街並みの形成を図ります。

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第 3章 部門別方針

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(2)歴史・文化、産業の蓄積をいかした景観形成

①野田市の歴史を伝える中心的な空間の形成

野田市の代表的な歴史・文化資源を保全・活用し、市民が誇れ、来訪者に

野田市の歴史・文化を発信する景観形成を図ります。

②歴史的街並みの保存

長い歴史の中で育まれた歴史的な街並みについて、市民が主となった街並

み保存のための活動を支援し、歴史的な景観形成を図ります。

③点在する身近な歴史的資源の保全と活用

本市には、古代からの歴史を伝える貝塚や古墳、城跡などが点在していま

す。こうした歴史資源は、身近にある先人の生活の証として、市民が自分た

ちのまちの成り立ちを知り、地域への愛着を深める上では重要な資源となる

ことから、地域住民にとっての郷土意識を育てる景観形成を推進します。

(3)まちづくりと合わせた新たな景観形成

土地区画整理事業による市街地形成や道路、公園整備などの公共事業と合

わせた今後の街並みの検討に当たっては、野田市の景観特性を踏まえ、その

景観に調和した適切なデザイン・色彩などの誘導や生垣などの促進により、

個性豊かな街並みの形成を図ります。特に桜の里地区などは、色彩景観形成

のモデルとなるような景観の誘導を図ります。

また、公共施設の新設・改良の際においても、周辺の街並みとの調和に配

慮した景観形成を図ります。

(4)景観形成の誘導方針

景観計画を策定し、景観法をはじめとする各種法令に基づく規制、誘導策

を活用し、景観形成を図ります。また、市民の理解のもと、地域の自主的な

取り組みを基本として、野田市らしい良好な景観や風景を守りいかすための

条例等のルールや制度を策定します。

■岩名古墳 ■関宿城跡

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第 3章 部門別方針

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安心して暮らせるまちづくり

~福祉のまちづくりの方針~

1)基本方針

(1)ノーマライゼーションの思想に基づくまちづくりの推進

高齢者や障がい者などを取り巻く生活環境の変化、社会参加への意欲の高

まりの中で、様々な人々が混在できる地域社会こそがノーマルな状態である

という認識を持ち、高齢者や障がい者などの社会的・心身的に弱い立場にあ

る人たちの主体性を尊重し、できる限り住み慣れた地域社会の中で自立した

生活を送れるようにするといった、ノーマライゼーションの思想に基づいて、

まちづくりを進めていきます。

(2)パートナーシップの推進

行政、社会を構成している個人、家庭、地域団体、各種ボランティアグル

ープ、民間企業などの協働関係によるまちづくりを進めます。

2)具体的な方針

(1)バリアフリーのまちづくり

高齢者や障がい者などが安全で、快適に日常生活を営み、社会からのサー

ビスを平等に享受し、生活に関連した施設をだれもが利用できるように整備

するなど、日常生活及び社会生活における物理的な障壁、心理的な障壁、情

報に関する障壁などの様々な障壁を取り除いていく、バリアフリーのまちづ

くりを推進します。

また、ハードの整備だけでなく、一人一人がバリアを理解し、市民が互い

に認め合う「心のバリアフリー」を推進します。

①歩行者空間の確保

高齢者や障がい者などが快適に通行できるよう、歩道幅員の確保、視覚障

がい者誘導用ブロックの設置、歩道勾配の緩和、段差の解消などにより、す

べての人にやさしい歩道整備を推進します。

②交通環境の整備

駅などにおけるエレベーターの設置など、公共交通機関を利用した移動の

利便性の向上を図るため、野田市移動円滑化基本構想(*36)に基づき、

より一層のバリアフリー化を促進します。

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第 3章 部門別方針

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③公共施設のバリアフリー化

だれもが安心で快適に利用できるような公共施設のバリアフリー化を推進

します。

(2)だれもが安心して住み続けられる福祉環境づくり

①総合福祉会館の利用

民間福祉の総合的なサービスを提供する活動の拠点である総合福祉会館に

おいて、NPO(*37)及び福祉を推進するボランティア団体等に対し、

施設及び設備の提供並びに活動の支援を行います。また、高年齢退職者の臨

時的かつ短期的な就業の機会を確保・提供するための支援についても検討し

ます。

②福祉施設の機能充実

高齢者や障がい者などが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域包

括支援センターや日常生活上の支援、機能訓練などを行う場としての高齢者

のための福祉施設や、障がい者の医療的ケアや生活介護、自立訓練、就労訓

練などを行う場としての障がい者支援施設の整備・機能充実を図ります。

また、保育需要の増大に対応するため、民間活力を利用しながら、保育所・

学童保育所などの施設整備、機能充実を図ります。

③地域ぐるみ福祉ネットワークの推進

地域福祉活動のための福祉コミュニティ形成を図るため、市内全域を基本

福祉圏とし、社会福祉協議会(*38)を母体とした地区社会福祉協議会や、

民間福祉団体と市の協働により、地域ぐるみ福祉ネットワークづくりを推進

します。

④子ども館・老人福祉センターの整備

子どもたちと子育て世代を支援する拠点として、また、世代の枠組みを超

えた交流の拠点として、施設整備を推進します。

■障がい者支援施設 ■総合福祉会館

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第 3章 部門別方針

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災害に強い安全なまちづくり

~防災・防犯まちづくりの方針~

1)基本方針

(1)防災まちづくりの推進

災害時における市民の生命、身体及び財産の保護を図るため、安心して暮

らせる都市を実現する総合的な防災対策を進めるに当たり、「自助・共助・公

助」により地域の防災力向上に取り組みます。また、自然災害に強い都市構

造の形成を進め、安全な避難対策の充実等を図ります。

(2)地域自立型の防犯体制の確立

市民が安全で安心した生活を送れるようにするため、犯罪を未然に防止す

るよう努めるとともに、市、警察、地域の防犯組合が連携した防犯対策が重

要です。そのため、防犯に役立つハード面の整備を進めるとともに、市民一

人一人の防犯意識の向上、地域の防犯組合と連携したパトロールの実施や空

家の適正管理の指導等のソフト面での対策を推進します。

2)具体的な方針

(1)治水対策の推進

①河川改修の促進

利根川、江戸川及び利根運河については、流域の浸水被害の軽減を図るた

め、河川改修を促進します。特に江戸川については、利根川水系 利根川・江

戸川河川整備計画[大臣管理区間]による整備を促進します。

また、くり堀川については、自然を保全しながら河川改修により治水機能

の整備を図ります。

②公共下水道(雨水)の整備

公共下水道全体計画区域において、大雨などによる浸水常襲地区の解消を

図るため、公共下水道の雨水整備を推進します。

③浸水区域の改修・整備

阿部沼落堀の関宿中央小学校以北において、豪雨時に浸水による被害が発

生しており、排水不良地区の改善を図るため、親野井地区から木間ケ瀬地区

において、雨水幹線、調整池等の整備を推進します。また、桜木地区におい

ても雨水幹線の整備を促進します。

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第 3章 部門別方針

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④雨水流出抑制施策の推進

集中豪雨など洪水時の河川への流出軽減を図るため、引き続き調節池(*39)

の整備に努めるとともに、雨水の一時貯留施設を配置するなど公共施設を

雨水流出抑制施設として積極的に活用します。また、道路の舗装、公共施設

駐車場の整備に際しては、雨水浸透対策のため、透水性舗装などの導入に努

めます。なお、大規模工場や大規模店舗、レストランなどの駐車場や個人の住

宅についても雨水浸透対策に対する積極的な協力を求めます。

(2)計画的な土地利用と市街地整備の推進

市街地の都市基盤整備事業及び土地区画整理事業などの施行の際には、都

市空間の整備・強化を図り、災害に強いまちづくりを進めます。また、木造

密集市街地などの防災上危険な市街地は、狭い道路の拡幅整備や空地整備、

建物の不燃化の促進などにより延焼防止に努め、良好な環境を維持している

低層住宅地においては、宅地内におけるみどりの保全、緑化の促進などによ

り防災面の維持向上を図ります。

(3)避難路等の整備

避難場所に指定されている公園や学校などにつながる避難路としての道路

における歩道整備と、火災の延焼防止効果のある街路樹などの整備を推進し

ます。

また災害時における緊急輸送に必要となる路線の機能確保のため安全性を

高めます。

(4)避難場所等の整備

避難場所に指定されている公園や学校などについて、その機能を確保する

とともに、火災の延焼防止効果のある植栽や防災施設などの設置による機能

強化を推進します。

(5)建築物等の安全対策

建築物などの耐震性の強化、不燃性の誘導に努めます。特に、既存建築物

については、野田市耐震改修促進計画に基づき耐震化を促進します。道路に

面した塀は、倒壊しにくい生垣などの設置を促進します。

(6)防犯対策の推進

安心して住むことができる住環境づくりは「自分たちのまちは、自分たち

で守る」という意識のもと、市と防犯組合等の地域が連携し、防犯まちづく

りを推進します。あわせて、防犯灯や防犯カメラの整備と機能管理を行い、

防犯力の向上を図ります。

また、防犯に関する情報を配信することで、市民と情報を共有し、安全に

対する意識の高揚や安心安全な社会環境を推進します。

空家については、適正管理を指導するとともに、空家バンク制度の周知を

行い、空家の有効活用を推進します。

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第 3章 部門別方針

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野田市を満喫できる環境づくり

~観光・文化・スポーツ・レクリエーション環境整備の方針~

1)基本方針

(1)野田市の文化を支える歴史や自然資源の保全・活用

市内に点在する歴史、文化資源や、豊かな自然資源などは、野田市の文化

を伝承し、新しい文化を創造する貴重な資源として積極的に保全・活用を図

ります。

(2)観光資源の充実とネットワーク化

身近な観光資源の潜在的な魅力を再確認し、観光ポイントの充実を図ると

ともに、観光資源間のネットワーク化を推進します。

(3)多様なニーズに対応した観光・文化・スポーツ・レクリエーション環境の

充実

多様化した市民のニーズに対応するため、市民活動の拠点となる生涯学習

の場や、スポーツ・レクリエーション活動の場づくりを進めます。

また、野田市の地域資源をアピールし、地域の魅力を伝え、訪れる人々が

喜び楽しむことができる観光拠点として、さらに地域の人々も集い交流する

活動拠点となるような道の駅の整備を図ります。

2)具体的な方針

(1)歴史や文化、自然資源とふれあうための環境整備

①歴史、文化遺産の保存・活用

市民が主体となった街並み保存のための組織活動を支援するとともに、地

理案内や文化財に至る経路を示すための標識や解説板の設置による、歴史的

遺産や文化財の保存・活用を図ります。

また、中心市街地に多く残る歴史的街並みの観光資源としての魅力を高め、

中心市街地の活性化を図ります。

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第 3章 部門別方針

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②みどりや川とふれあう場の整備

利根川、江戸川及び利根運河の広大な緑地や市街地内におけるみどりにつ

いて、サイクリング道路の活用やレンタサイクルなどの気軽にみどりや水に

親しむことができるふれあいの場の整備を推進します。

(2)新たな観光文化の創出とネットワーク化

野田市を訪れる人々にやすらぎを与える貴重な歴史・文化遺産、水とみど

りの豊かさをいかしながら、新しい魅力を付け加えた観光資源としてのネッ

トワーク化を図ります。

また、市外から快適に観光に来ることができる交通網の整備とともに、散

策コースとなる道路の機能強化を図ります。

(3)市民活動を支える文化施設の充実

①文化センターの機能充実

地域文化の向上を図るため、様々な芸術文化に触れる機会を提供し、積極

的な文化事業の展開により、優れた芸術文化活動への啓発や市民参加型事業

等創造性のある事業を行うとともに、鑑賞能力の向上、文化を創造する人材

の育成に努め、文化センターの機能充実を図ります。

②公民館の機能充実

身近な生涯学習の場となる公民館の機能充実に努めます。

③博物館の機能充実

地域の歴史や文化を学び、愛着や誇りを持つために、市民が直接参加しな

がら学び、研究し交流する場に転換した博物館機能のさらなる充実を図りま

す。また、郷土資料の収集、整理・保管、調査・研究により、野田市の文化

的資源を再評価するとともに、鈴木貫太郎記念館における展示方法や、博物

館の在り方について検討し、博物館サービスの充実に努めます。

■野田市市民会館 ■興風会館

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第 3章 部門別方針

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④図書館の機能充実

生涯にわたる学習意欲の高まりに対応するため、興風図書館の保存機能の

拡充を図り、図書貸出機能を有する他の機関と連携・協力して、豊富な資料

の提供、検索システムの拡充等、資料・情報提供の充実に努めます。

(4)スポーツ、レクリエーション環境の充実

野田市の広大な自然空間をいかした市民の多様なスポーツ・レクリエーシ

ョンニーズに対応するため、野田市総合公園、野田市関宿総合公園、野田市

スポーツ公園、各種スポーツ施設及びサイクリング道路などの整備を図り、

さらに、地域スポーツ活動の推進及び関宿あおぞら広場等のレクリエーショ

ン施設の利用促進に努めます。

■野田市関宿総合公園

■郷土博物館 ■欅のホール

■野田市総合公園

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第 3章 部門別方針

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(5)道の駅の整備

野田市の地域資源をアピールし、地域の魅力を伝え、訪れる人々が喜び

楽しむことができる観光拠点として、さらに地域の人々も集い交流する活

動拠点となるような道の駅の早期整備に向けて、基本構想を策定し、国と

協議を進めます。

■野田市スポーツ公園 ■サイクリング道路

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