16
第4章 環境要因及び環境要素の抽出

第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

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第4章 環境要因及び環境要素の抽出

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4-1

4 章 計画段階配慮事項並びに調査、予測及び評価の手法

4.1 計画段階配慮事項の選定

4.1.1 環境要因及び環境要素の抽出

当該対象事業に伴う環境影響要因は、表 4.1.1-1 に示すとおりである。工事の実施では、

造成等の施工による一時的な影響、建設機械の稼働、資機材の運搬車両の走行とし、施設等

の存在及び供用では、土地の形状の変更、施設等の存在、利用車両の走行とした。

表 4.1.1-1 当該対象事業に伴う環境影響要因

影響要因の区分 影響要因

工事の実施

造成等の施工による一時的な影響

建設機械の稼働

資機材の運搬車両の走行

施設等の存在及び供用

土地の形状の変更(ゴルフ場の存在)

施設等の存在

利用車両の走行

当該対象事業に伴う影響要因から影響を受けるおそれのある環境要素は、表 4.1.1-2 に示

すとおりとした。

表 4.1.1-2 影響を受けるおそれがある環境要素

区 分 環境要素

環境の自然環境的構成要素の良好な状態

の保持を旨として調査、予測及び評価さ

れるべき環境要素

大気質、騒音、振動、風害、赤土等による水

の濁り、水の汚れ、地下水の水質、底質、水

象、土壌汚染、地質・地形

生物の多様性の確保及び自然環境の体系

的保全を旨として調査、予測及び評価さ

れるべき環境要素

陸域生物、海域生物、生態系

人と自然との豊かな触れ合いの確保を旨

として調査、予測及び評価されるべき環

境要素

景観、人と自然との触れ合い活動の場、

歴史的文化的環境

環境への負荷の量の程度により調査、予

測及び評価されるべき環境要素

廃棄物等

4.1.2 事業特性及び地域特性

1) 事業特性

○事業の内容は 18 ホールのゴルフ場建設である。

○開発想定区域は 119.74ha である。

○造成等の工事に伴い、建設機械の稼働がある。

○造成等の工事に伴い、資材及び機械の運搬に用いる車両の走行がある。

○施設等の供用に伴う排水については浄化槽設備を設置し排水の処理を行う。

○排水計画において新規の排水路を設置する可能性がある。

○施設等の供用に伴い、利用者による車両の走行がある。

○土地の改変において、樹木の伐採、切土、盛土がある。

○計 12 か所程の池を設置する。

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4-2

2) 地域特性

○対象事業実施想定区域の北から北西側には西表石垣国立公園(石垣区域)における、第

1種特別地域及び第 2種特別地域が存在する。

○対象事業実施想定区域周辺では、対象事業実施想定区域の北から北西側の名蔵アンパル

が鳥獣保護区、特別保護地区における国指定希少鳥獣生息地として指定されている。

○対象事業実施想定区域周辺では、対象事業実施想定区域の北から北西側の国指定鳥獣保

護区、特別保護地区として登録されている名蔵アンパルが、特に水鳥の生息地として国

際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)登録湿地に登録されている。

○石垣都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針では、風致地区・緑地保全地域

検討地域が対象事業実施想定区域の南側に存在する。

○沖縄県の自然環境の保全に関する指針では、対象事業実施想定区域は、評価ランクⅡ:

自然環境の保護・保全を図る区域及び評価ランクⅢ:自然環境の保全を図る区域に指定

されている。

○文化財保護法による国指定の史跡、名勝、天然記念物としては、特別天然記念物のカン

ムリワシが対象事業実施想定区域及びその周辺に生息する可能性があり、また埋蔵文化

財が対象事業実施想定区域内に存在する。

○水質汚濁に係る環境基準に基づく類型指定状況では、名蔵川がA類型に指定されてい

る。

4.1.3 計画段階配慮事項の選定

本事業に係る環境影響評価の項目については、「沖縄県環境影響評価条例」第 4条第 1項

の規定に基づき、環境影響評価等が適切に行われるために必要な技術的事項を定めた「沖縄

県環境影響評価技術指針」を基本とし、以下の表 4.1.3-1 のように選定した。

なお、項目の選定にあたっては、4.1.2 に示す事業特性及び地域特性に配慮した。

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4-3

表 4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分

環境要素の区分

工事の実施 施設等の存在

及び供用

造成等の施工による

一時的な影響

建設機械の稼働

資機材の運搬車両の

走行

ゴルフ場の存在

施設等の供用

利用車両の走行

環境の自然環境的構成

要素の良好な状態の保

持を旨として調査、予

測及び評価されるべき

環境要素

大気環境 大気質

二酸化窒素 - - - 浮遊粒子状物質 - - - 二酸化硫黄 - - - 粉じん等 - - -

騒音 建設作業騒音 - - 道路交通騒音 - - -

振動 建設作業振動 - - 道路交通振動 - - -

低周波音 悪臭 風害 風害 -

水環境 赤土等によ

る水の濁り

水の濁り -

水の汚れ 水の汚れ - 地下水の

水質

水の汚れ、有害物質 -

底質 河川、水路の底質 - 水象 河川、水路の水象 - - -

土壌に係る

環境

土壌汚染 土壌の汚染 - 地盤沈下 地形・地質 重要な地形及び地質 -

その他 電波障害 日照阻害

生物の多様性の確保及

び自然環境の体系的保

全を旨として調査、予

測及び評価されるべき

環境要素

陸域生物 重要な植物種及び植生の分布状況

重要な動物種及び生息環境 ○ ○ ○ ○ ○ ○

海域生物 重要な植物種及び植生の分布状況

重要な動物種及び生息環境 - - -

生態系 地域を特徴づける生態系 ○ ○ ○ ○ - - 人と自然との豊かな触

れ合いの確保を旨とし

て調査、予測及び評価

されるべき環境要素

景観 主要な眺望点及び景観資源並びに主

要な眺望景観 ○

人と自然と

の触れ合い

活動の場

主要な人と自然との触れ合い活動の

場 ○ -

歴史的・文

化的環境

文化財、天然記念物、歴史的街並み ○ ○

環境への負荷の量の程

度により調査、予測及

び評価されるべき環境

要素

廃棄物等

発生土及び廃棄物等 - -

温室効果ガ

温室効果ガスの排出 - - -

注1)“○”は重大な環境影響のおそれがあることから配慮事項の項目として選定した項目。

“―”は影響が軽微であり、重大な環境影響のおそれはないと予測されることから配慮

事項の項目として選定しなかった項目。

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4-4

4.1.4 環境影響評価の項目の選定理由

選定した環境影響評価の項目について、表 4.1.4-1 及び表 4.1.4-2 に「工事の実施」と

「施設等の存在及び供用」に分けて、選定または非選定の理由を示す。

表 4.1.4-1 環境要素と項目の選定(工事の実施) 環境要素 選定 評価項目 影響要因 選定または非選定の理由

大気環境

大気質 - 二酸化窒素

浮遊粒子状物質

二酸化硫黄

粉じん等

物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

により影響を受けるおそれがあるが、環境保

全についての配慮が特に必要な施設(学校、

福祉施設等)に対する影響は軽微であると予

測されるため、選定しない。

騒音 - 建設作業騒音

道路交通騒音

物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

により影響を受けるおそれがあるが、環境保

全についての配慮が特に必要な施設(学校、

福祉施設等)に対する影響は軽微であると予

測されるため、選定しない。

振動 - 建設作業振動

道路交通振動

物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

により影響を受けるおそれがあるが、環境保

全についての配慮が特に必要な施設(学校、

福祉施設等)に対する影響は軽微であると予

測されるため、選定しない。

低周波音 × 低周波音 物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

ついて、低周波音が発生するような建設機械

及び関係車両の使用は予定していないため選

定しない。

悪臭 × 悪臭 物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

について、悪臭を発生させる建設機械及び関

係車両の使用は予定していないため選定しな

い。

風害 × 風向・風速の変化 土地の形状

の変更

工事中における土地の形状の変更は一時的で

あり、影響はほとんどないと予測されるため

選定しない。

水環境

赤土等によ

る水の濁り

- 水の濁り及び赤土

等の堆積

物質の排出 工事の実施により赤土等の水の濁りが発生す

るおそれがあるが、沈砂池の設置など赤土流

出対策を実施して工事を行うため、影響は軽

微であると予測されるため、選定しない。

水の汚れ × 水の汚れ 物質の排出 工事中の排水は、簡易浄化槽または回収する

予定であるため工事の実施により水の汚れが

発生するおそれはないため選定しない。

地下水の

水質

× 水の汚れ 物質の排出 工事の実施により水の汚れが発生するおそれ

はないため、地下水の水質に影響を及ぼさな

いため選定しない。

底質 × 底質の変化 物質の排出 工事の実施により水の汚れが発生するおそれ

はないため、底質に影響を及ぼさないため選

定しない。

水象 - 河川や水路の変化

地下水涵養量の変

土地の形状

の変更

工事の実施により河川や水路の変化あるいは

地下水涵養量の変化に影響を及ぼすおそれが

あるが、影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

土壌に係る環境

土壌汚染

× 土壌の汚染 物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両につい

て、汚染物質の流出がないよう対策を実施す

るため、土壌に影響を及ぼすおそれはないた

め選定しない。

地盤沈下

× 地盤沈下 物質の排出 工事の実施において地盤沈下を引き起こすお

それのある事象は想定しないため選定しな

い。

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4-5

地形・地質

× 重要な地形、地質

土地の形状

の変更

対象事業実施想定区域周辺に重要な地形、

地質は存在せず、影響は軽微であると予測

されるため選定しない。

その他の環境

電波障害 × 電波障害 工作物(資

機材等)の

設置

電波障害を引き起こす可能性のある高い建物

等を建設する予定がないため選定しない。

日照阻害

× 日照の変化 工作物(資

機材等)の

設置

日照障害を引き起こす可能性のある高い建物

等を建設する予定がないため選定しない。

陸域生物

植物 ○ 重要な種及び植生

の分布状況

土地の形状

の変更

工作物の

設置

工事の実施による土地の形状の変更あるいは

建設機械または関係車両の走行により、陸域

生物及びその生息地に影響を及ぼすおそれが

あるため選定する。 動物 重要な動物種及び

重要な動物種の生

息環境

海域生物

植物 - 重要な種及び植生

の分布状況

土地の形状

の変更

造成範囲に河川や水路が存在しないため、工

事の実施による土地の形状の変更により、赤

土等が流出し河口周辺の海域生物及びその生

息地に影響を及ぼすおそれは非常に低いと予

測され、また、海域の改変工事は行わないた

め選定しない。

動物 重要な動物種及び

重要な動物種の生

息環境

生態系(陸域) ○ 基盤環境と生物群

集との関係、注目

種、生態系の構造

と機能

土地の形状

の変更

陸域生物に影響を及ぼす可能性があるため、

生態系についても影響を及ぼすおそれがある

ため選定する。

景観 × 眺望景観の価値、

囲繞景観の価値

土地の形状

の変更

造成等の工事中の影響は一時的なものである

ため選定しない。

(施設の存在及び供用にて選定)

人と自然との触れ合

い活動の場

× 人と自然との触れ

合い活動の場の分

布、利用状況、ア

クセス特性

土地の形状

の変更

造成等の工事中の影響は一時的なものであた

め選定しない。

(施設の存在及び供用にて選定)

歴史的・文化的環境 ○ 文化財等、歴史的

町並み、風土・伝

統的行事及び祭礼

の場

土地の形状

の変更

既存資料より、文化財、歴史的町並み風土・

伝統的行事及び祭礼の場はないが、埋蔵文化

財が対象事業実施想定区域内に 1か所存在す

るため選定する。

廃棄物等

- 発生する廃棄物 土地の形状

の変更

工事の実施に伴い発生する建設発生土などの

廃棄物等の影響を受けるおそれがあるが、建

設発生土は対象事業実施想定区域内で処理す

る予定であり、影響は軽微であると予測され

るため、選定しない。

温室効果ガス等 - 発生する温室効果

ガス等

物質の排出 工事中の建設機械の稼働及び関係車両の走行

による影響については、多量の温室効果ガス

を発生させる建設機械や資機材の運搬車両は

想定しておらず、影響は軽微であると予測さ

れるため、選定しない。

注1)“○”は重大な環境影響のおそれがあることから配慮事項の項目として選定した項目。

“―”は影響が軽微であり、重大な環境影響のおそれはないと予測されることから配慮事

項の項目として選定しなかった項目。

“×”は影響がないと予測される項目。

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4-6

表 4.1.4-2 環境要素と項目の選定(施設等の存在及び供用) 環境要素 選定 評価項目 影響要因 選定または非選定の理由

大気環境

大気質 - 二酸化窒素

浮遊粒子状物質

二酸化硫黄

粉じん等

物質の排出 施設等の供用及び利用車両からの排ガス

等により影響を受けるおそれがあるが、

環境保全についての配慮が特に必要な施

設(学校、福祉施設等)に対する影響は

軽微であると予測されるため、選定しな

い。

騒音 - 道路交通騒音 物質の排出 利用車両の走行から騒音が発生するおそ

れがあるが、環境保全についての配慮が

特に必要な施設(学校、福祉施設等)に

対する影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

振動 - 道路交通振動 物質の排出 利用車両の走行から振動が発生するおそ

れがあるが、環境保全についての配慮が

特に必要な施設(学校、福祉施設等)に

対する影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

低周波音 × 低周波音 物質の排出 施設等の供用並びに利用車両の走行につ

いて、低周波音が発生するような事象は

想定していないため選定しない。

悪臭 × 悪臭 物質の排出 施設等の供用については、悪臭を発生す

る施設の設置の予定はなく、利用車両の

走行から悪臭は発生しないため、選定し

ない。

風害 - 風向・風速の変化 土地の形状

の変更

樹木の伐採等の土地の形状の変更によ

り、周辺地域の風況が変化するおそれが

あるが、近傍に環境保全についての配慮

が特に必要な施設(学校、福祉施設等)

がなく影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

水環境

赤土等によ

る水の濁り

× 水の濁り及び赤土等

の堆積

物質の排出 施設等の供用並びに利用車両の走行によ

り赤土等の水の濁りが発生するおそれは

ないため、選定しない。

水の汚れ - 水の汚れ 物質の排出 施設等を供用するにあたり、農薬に関し

ては環境省の定める指針の指針値以下で

の最低限の使用、排出をし、施設排水は

浄化槽設備により処理し排水する予定の

ため、水の汚れが発生するおそれがある

が、排水基準値以下で排水するため影響

は軽微であると予測されるため、選定し

ない。

地下水の

水質

- 水の汚れ 物質の排出 施設等を供用するにあたり、農薬に関し

ては環境省の定める指針の指針値以下で

の最低限の使用、排出をし、施設排水は

浄化槽設備により処理し排水する予定の

ため、地下水の水質に影響を及ぼすおそ

れがあるが、排水基準値以下で排水する

ため影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

底質 - 底質の変化 物質の排出 施設等を供用するにあたり、農薬に関し

ては環境省の定める指針の指針値以下で

の最低限の使用、排出をし、施設排水は

浄化槽設備により処理し排水する予定の

ため、地下水の水質に影響を及ぼすおそ

れがあるが、排水基準値以下で排水する

ため影響は軽微であると予測されるた

め、選定しない。

水象 - 河川や水路の変化

地下水涵養量の変化

土地の形状

の変更

ゴルフ場の供用後、大きな土地の改変は

ないと予測される。施設の共用において

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4-7

施設排水等の影響が考えられるが、浄化

槽で適切に処理するため影響が軽微であ

ると予測されるため選定しない。

土壌に係る環境

土壌汚染

- 土壌の汚染 物質の排出 ゴルフ場の存在、施設等の供用によって

汚染物質の流出がないよう対策を実施す

るため、影響は軽微であると予測される

ため、選定しない。

地盤沈下

× 地盤沈下 物質の排出 施設等の供用並びに利用車両の走行によ

って、地盤沈下を引き起こすおそれはな

いため、選定しない。

地形・地質

- 重要な地形、地質等 土地の形状

の変更

対象事業実施想定区域に重要な地形、地

質は存在せず影響はほとんどないと予測

されるため選定しない。

その他

の環境

電波障害 × 電波障害 工作物の

設置

電波障害を引き起こす可能性のある高い

建物等を建設する予定がないため。

日照阻害

× 日照の変化 工作物の

設置

日照障害を引き起こす可能性のある高い

建物等を建設する予定がないため。

陸域

生物

植物 ○ 重要な種及び植生の

分布状況

土地の形状

の変更

工作物の

設置

施設等の存在及び供用により、陸域生物

及びその生息地に影響を及ぼすおそれが

あるため選定する。 動物 重要な動物種及び重

要な動物種の生息環

海域

生物

植物 - 重要な種及び植生の

分布状況

物質の排出 施設等を供用するにあたり、排水は浄化

槽設備により処理し排水する予定のた

め、水の汚れが発生するおそれがある

が、排水基準値以下で排水するため、水

の汚れにより河口周辺の海域生物及びそ

の生息地に影響を及ぼすおそれは非常に

低いと予測されるため選定しない。

動物 重要な動物種及び重

要な動物種の生息環

生態系(陸域) ○ 基盤環境と生物群集

との関係、注目種、

生態系の構造と機能

土地の形状

の変更

工作物の

設置

生態系を構成する陸域生物に影響を及ぼ

す可能性があるため、生態系についても

選定する。

景観 ○ 眺望景観の価値、囲

繞景観の価値

土地の形状

の変更

工作物の

設置

施設等の存在及び供用により、眺望景観

及び囲繞景観に影響を及ぼすおそれがあ

るため選定する。

人と自然との触れ合

い活動の場

○ 人と自然との触れ合

い活動の場の分布、

利用状況、アクセス

特性

土地の形状

の変更

工作物の

設置

施設等の供用または利用車両の走行によ

り、人と自然との触れ合い活動の場に影

響を及ぼすおそれがあるため選定する。

歴史的・文化的環境 ○ 文化財等、歴史的町

並み、風土・伝統的

行事及び祭礼の場

土地の形状

の変更

工作物の

設置

既存資料より、文化財、歴史的町並み風

土・伝統的行事及び祭礼の場はないが、

埋蔵文化財が対象事業実施想定区域内に 1

か所存在するため選定する。

廃棄物等

- 発生する廃棄物 土地の形状

の変更

施設等の供用により発生する廃棄物等の

影響を受けるおそれがあるが、適切に処

理する予定であり影響はほとんどないと

予測されるため選定しない。

温室効果ガス等 - 発生する温室効果ガ

ス等

物質の排出 施設等の供用については、多量の温室効

果ガスを排出する施設は想定しておら

ず、または利用車両の走行において、多

量の温室効果ガスが発生するおそれは非

常に低いと考えられるため選定しない。

注1)“○”は重大な環境影響のおそれがあることから配慮事項の項目として選定した項目。

“―”は影響が軽微であり、重大な環境影響のおそれはないと予測されることから配慮事

項の項目として選定しなかった項目。

“×”は影響がないと予測される項目。

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4-8

4.2 調査、予測及び評価の手法

4.2.1 選定した配慮事項の調査、予測及び評価の手法

前述の 4.1.4 で選定した計画段階配慮事項の項目について、調査、予測及び評価の手法を

表 4.2.1-1、表 4.2.1-2、さらに、沖縄県が定める環境保全指針の目標等を表 4.2.1-3~表

4.2.1-7 に示した。

表 4.2.1- 1 選定した計画段階配慮事項の調査、予測及び評価の手法

環境要素 影響要因 調査の手法 予測の手法 評価の手法

生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全

陸域生物

土地の形状の変更

工作物の設置

【調査項目】

「植物」

・重要な種及び植物

群落の状況

・植生の状況

「動物」

・重要な種及び生息

環境の状況

【調査手法】

・既存資料の整理

【手法の選定理由】

調査項目について、

対象事業実施想定区

域及びその周辺の情

報が既存資料の整理

で把握できると考え

られるため。

【予測手法】

調査結果と計画原案

との重ね合わせによ

る動植物の生育・生

息環境への変化の程

度を予測する。

【手法の選定理由】

複数案の重ね合わせ

により、重要な動植

物種の保全、消失、

生育・生息環境の保

全、消失の程度が適

切に予測できると考

えられる。

【評価手法】

複数案を比較するこ

とにより、影響の程

度を評価する。

沖縄県で策定されて

いる自然環境の保全

指針の目標等との整

合性を評価する。

【手法の選定理由】

施設等配置に違いを

持たせた複数案で適

切に評価できると考

えられる。

生態系

土地の形状の変更

工作物の設置

【調査項目】

・動植物の生息・生

育環境

・生態系の分類、分

布状況

【調査手法】

・既存資料の整理

【手法の選定理由】

調査項目について、

対象事業実施想定区

域及びその周辺の情

報が既存資料の整理

で把握できると考え

られるため。

【予測手法】

調査結果と計画原案

との重ね合わせによ

る生態系への影響の

程度を予測する。

【手法の選定理由】

複数案の重ね合わせ

により、生態系の保

全上重要な自然環

境、生態系の機能の

保全、消失の程度が

適切に予測できると

考えられる。

【評価手法】

複数案を比較するこ

とにより、影響の程

度を評価する。

沖縄県で策定されて

いる自然環境の保全

指針の目標等との整

合性を評価する。

【手法の選定理由】

施設等配置に違いを

持たせた複数案で適

切に評価できると考

えられる。

Page 11: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

4-9

表 4.2.1- 2 選定した計画段階配慮事項の調査、予測及び評価の手法

環境要素 影響要因 調査の手法 予測の手法 評価の手法

人と自然との豊かな触れ合いの確保

景観

土地の形状の変更

工作物の設置

【調査項目】

・景観資源の状況

・主要な眺望点及び

眺望資源の状況

【調査手法】

・既存資料の整理

【手法の選定理由】

計画地及び周辺の環

境情報が現地調査及

び 既存資料の整理

で把握できると考え

られるため。

【予測手法】

景観資源、眺望点へ

の影響から、景観へ

の影響の程度を予測

する。

【手法の選定理由】

複数案の重ね合わせ

により、景観資源の

状況及び主要な眺望

点から眺望資源の変

化の程度が適切に予

測できると考えられ

る。

【評価手法】

複数案を比較するこ

とにより、影響の程

度を評価する 沖縄

県景観形成基本計画

や 石垣風景計画で

目標等 との整合性

を評価する。

【手法の選定理由】

施設等配置に違いを

持たせた複数案で適

切に評価できると考

えられる。

人と自然との触れ合い活動の場

土地の形状の変更

工作物の設置

【調査項目】

・主要な人と自然と

の触れ合い活動の場

の状況

【調査手法】

・既存資料の整理

【手法の選定理由】

計画地及び周辺の環

境情報が既存資料の

整理で把握できると

考えられるため。

【予測手法】

調査結果と計画原案

との重ね合わせによ

る人と自然との触れ

合いの場への影響の

程度を予測する。

【手法の選定理由】

複数案の重ね合わせ

により、人と自然と

の触れ合い活動の場

の保全の程度が適切

に予測できると考え

られる。

【評価手法】

複数案を比較するこ

とにより、影響の程

度を評価する。

第二次沖縄県環境基

本計画で目標等との

整合性を評価する。

【手法の選定理由】

施設等配置に違いを

持たせた複数案で適

切に評価できると考

えられる。

歴史的・文化的環境

土地の形状の変更

工作物の設置

【調査項目】

・埋蔵文化財包蔵地

の状況

【調査手法】

・既存資料の整理

【手法の選定理由】

計画地及び周辺の環

境情報が既存資料の

整理で把握できると

考えられるため。

【予測手法】

調査結果と計画原案

との重ね合わせによ

る歴史的・文化的環

境への影響の程度を

予測する。

【手法の選定理由】

複数案の重ね合わせ

により、歴史的・文

化的環境の保全の程

度が適切に予測でき

ると考えられる。

【評価手法】

複数案を比較するこ

とにより、影響の程

度を評価する。

第二次沖縄県環境基

本計画で目標等との

整合性を評価する。

【手法の選定理由】

施設等配置に違いを

持たせた複数案で適

切に評価できると考

えられる。

Page 12: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

4-10

表 4.2.1- 3 県が策定している自然環境の保全指針の目標等(1)

出典)「自然環境の保全に関する指針のあらまし」(平成 10 年 3月策定)」(沖縄県環境部 自然保護課)

http://www.pref.okinawa.jp/okinawa_kankyo/shizen_hogo/hozen_chiiki/shishin/shishin_aramashi/

aramashi_riku_kuikikubun.html

表 4.2.1- 4 県が策定している自然環境の保全指針の目標等(2)

出典) 「第 2 次沖縄県環境基本計画(平成 25 年 4月)」(沖縄県環境部 環境政策課)

http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/kikaku/3518.html

評価ランク II (自然環境の保護・保全を図る区域)自然の均衡を維持する上で重要な役割を果たす自然地域、すぐれた風景、貴重な野生生物の生息地など、良好な自然地域であり、適正な保護・保全を図る必要のある区域。

評価ランクIII (自然環境の保全を図る区域)貴重な野生生物の生息可能な地域、豊かで身近な自然を有する地域など、自然環境の保全を図る必要のある区域。

県土利用にあたっての環境配慮指針

⑥その他(公用・公共施設用地、レクリエーション用地等)・造成などによる自然地形の改変を最小限にとどめ、野生生物の生息・生育環境を確保する ため、可能な限り残置森林の保全に務める。・自然景観との調和を図り、緩衝地帯の設置や農薬の適正使用など周辺の自然環境に十分 配慮する。・歴史的・文化的背景により散在化している個人墓地については、周辺地域の土地利用や自 然環境との調和に配慮しつつ、可能な限り集約化を図る。

Page 13: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

4-11

表 4.2.1- 5 県が策定している自然環境の保全指針の目標等(3)

出典) 「第 2 次沖縄県環境基本計画(平成 25 年 4月)」(沖縄県環境部 環境政策課)

http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/kikaku/3518.html

表 4.2.1- 6 沖縄県景観形成基本計画の基本目標

出典)「沖縄県景観形成基本計画(平成 23 年 1月)」 (沖縄県土木建築部 都市計画・モノレール課)

http://www.pref.okinawa.jp/site/doboku/toshimono/23750.html

各種事業の実施における環境配慮指針⑪ゴルフ場、スポーツ・レクリエーション施設、海浜リゾート施設等の建設又は変更の事業・事業計画地の選定にあたっては、事業地の環境特性を十分に把握し、周辺の土地利用の 状況との整合を図る。・野生生物の生息・生育環境の確保など地域の健全な生態系の保全や景観に配慮する。・良好な樹林地を可能な限り保全するとともに、造成緑地や親水施設の整備に努める。・農薬や肥料の使用に関しては、極力使用を低減するように努めるとともに水質汚濁の要因 とならないよう配慮する。・夜間照明による野生生物の影響の低減に努める。・利用客による周辺交通量の増加や周辺環境への影響に配慮する。・公園・緑地の緑がもつ環境保全機能に留意し、大気浄化、ヒートアイランドなどの都市気 象や騒音の緩和に努める。・雨水の利用や中水道の導入などにより、水の循環利用に努める。・緑地や親水施設の整備に努める。・自然環境や歴史的遺産を活用した景観など、施設の整備にあたっては、本来有している環 境に配慮する。・オープンスペースの確保や良好な都市景観の形成に努める。・自然との触れ合いや環境教育に資するような施設とするよう配慮する。・地域の生産活動や地域住民の自然との触れ合いに支障をきたさないようにするとともに、 地域の人々に開かれた空間として利用できるよう配慮する。・その他、当該事業の実施にあたり、周辺環境への影響について把握し、環境への影響を最 小限にとどめるよう十分配慮する。

・美しい山並みや緑の稜線の風景の保全・回復等を図る

・亜熱帯地域の美しい自然海岸の風景の保全・回復等を図る

・自然豊かな山並みや島々をとりまく海などへの眺望景観の保全等を図る

・世界遺産からの眺望や周辺地域の風景の保全・回復を図る

・伝統集落・歴史的まちなみの風景の形成・育成等を図る

・緑豊かで統一感のある市街地風景の形成・創出等を図る

・農地・緑地をいかした農村風景の保全・育成等を図る

・季節のうつろいや生活を感じさせる風景づくりを図る

・地域の魅力を高める夜景の創出・演出を図る

・歴史・文化が息づく伝統の風景の保全・創出等を図る

・望ましい県土構造の姿をみすえた風景の創造等を図る

・自然景観や歴史的風土に配慮した風景の創造等を図る

・沖縄らしさや亜熱帯海洋性の風土を感じせる風景の創造等を図る

・地域に不調和な屋外広告物を再構築し、地域の魅力の向上を図る

Page 14: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

4-12

表 4.2.1- 7 石垣市風景計画の基本方針

出典)「石垣市風景計画(平成 19 年 4月)」 (石垣市土木建築部 都市建設課)

http://www.city.ishigaki.okinawa.jp/home/kensetsubu/toshikensetsu/pdf/1302.pdf

1 石垣島の美しい風景は、現在及び将来の市民共有の財産であることから、その責任と自覚に基 づいて行動するとともに、風景を保全し、次代に継承することを最大の前提とします。2 美しい風景の恩恵を受ける権利は、市民一人ひとりに平等に与えられた権利であり、何人と言 えども市民共有の財産である風景を占有し、かつ支配しようとしてはなりません。3 この美しい風景は、先人が長い年月をかけて築いてきたものです。その歴史や文化を理解し、 まちづくりの規範として継承します。4 この美しい風景は、豊かな自然環境と多様な生態系に支えられ、同時に私たち市民の生活の営 みや、生産活動によって形成されています。従って、自然環境と生態系保全を最優先として、生 産活動などはこれと調和しなければなりません。5 この美しい風景は、市民の暮らしの様々な場面に存在し、その空間の質が高いほど、物理的に も安らぎや心地よさを感じることができます。私たちは、石垣島全域が質の高い空間となるよう 保全、継承し、あるいは新たに創造していきます。

Page 15: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

4-13

4.2.2 選定した配慮事項の調査地域及び予測地域

選定した配慮事項の調査地域及び予測地域を図 4.2.2-1 に示す。

Page 16: 第4章 環境要因及び環境要素の抽出4-3 表4.1.3-1 計画段階配慮事項の選定結果 環境要因の区分 環境要素の区分 工事の実施 施設等の存在

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図 4.2.2-1 選定した配慮事項の調査地域及び予測地域