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CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グに よる溶 鉄 の脱 りん速度 168 1 C 1984 ISIJ CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の りん速 度 治*・ 岩 哉*2 Rate of Dephosphorization of Liquid Iron by the Slag of CaO-SiO2-FeO System Kyoji KUNISADA and Hikoya IWAI Synopsis: The rate of dephosphorization of liquid iron by the slag of CaO-SiO2—FeO system was investigated at temperatures of 1 570, 1 610 and 1 650•Ž. The rate of dephosphorization was analysed as a first order reaction equation. On the basis of the dis- cussion on the effect of slag composition on the rate of dephosphorization, it was found that the reaction- rate constant was expressed as function of CaO and FeO content in the slag and temperature as follow: It was obvious from this expression that the optimum composition of slag for the rate of dephosphoriza- tion is 47% CaO-53% FeO. The discussion was made on the rate determining step of the reaction, and it was considered that the dif- fusion of phosphorus from slag-liquid iron interface to slag phase controlls the rate of reaction. On the basis of the discussion on the rate determining step, the value of D(p)ƒÂ was obtained to be 1. 緒 現 在,製 鋼 法 はLD転 炉 法 か らQ-BOP法あ るい は 複 合 吹錬 法 へ と進 展 し,ま た溶 銑 の 予備 処 理,溶 鋼 の 二 次 精 錬 も取 り入 れ られ て きて い る が,こ れ らの新 しい 精 錬 プ ロセ ス に お いて も脱 りん の 問題 は常 に重 要 な課 題 の 一つとなつている .従 来,脱 りん 反応 は平 炉 あ るい は 転 炉 にお い て ス ラ グ-メタル 間 で ほ ぼ平 衡 関係 を 保 ちな が ら推 移 す る と され,そ の 平 衡 関 係 の 解 明 に多 大 な努 力 が 払われてきたが,上記の新しいプロセスにおいては省エ ネルギーや生産性の点から精錬反応の高効率化,高 速化 が 希求 され て お り,脱 りん 反 応 の 反 応速 度,反 応 機 構 の 解 明 もさ らに 重要 な も の とな つ て きた. 一方 ,CaO系 ス ラ グに よる 脱 りん反 応 速 度,反 応 機 構 に 関す る報 告 は比 較 的 少 な く,ま た これ らの基 礎 的 研 究においては反応の次数,律 速過程などに種々の見解が あ り一致 していない。す なわ ち,従 来報告 され たCaO- SiO2-FeO系 ス ラ グに よる溶 鉄 の 脱 りん速 度 の研 究 にお いて,荒 谷 ら1)は脱 りん速度は一次反応に従 いその律速 過程を化学反応 としているのに対 し,川 合 ら2)は一次反 応には従わず律速過程をスラグ側境界層のりんの移動 と している.ま たESINら3)は,これ を化学反応速度 に よ り律速される二次反応 であるとしている.一 方,藤 井 ら4)は酸素吹 き込みを伴 つた脱 りん速度 の実験 を行 い, 脱 りん速度が りん濃度に依 存す る ことか ら溶鉄 中の りん の反応界面への拡散が反応の進行に最大の影響を及ぼす と して い る.ま た 竹 之 内 ら5)は,種々 の フ ラ ッ クス成 分 を 含 む ス ラ グを 用 い た 脱 りん 速 度 の 研 究 に お い て 律速 段 階については明らかにしていないが一次反応で整理 して い る.こ の よ うな 見 解 の 相 違 は,そ れ ぞ れ 実験 方 法 あ る いは実験条件の設定の差異にもとづくものもあるが,脱 りん反応が基本的にまだ十分明確にされていないことに 基 因 す る もの と考 え られ る.た だ し,こ れ らの 研 究 に お い て 脱 りん速 度 が ス ラ グの 脱 りん 能1)やりん分 配 比2),あ るい はCaOの 活量5)などに大 き く依存す ることが 指摘 され て お り,こ れ らか ら反 応 速 度 に ス ラ グ組 成 が 重 要 な 因 子 と なつ て い る こ とは 明 らか で あ る.こ の よ うな 点 か ら本 研 究 で は,広 い組 成 範 囲 にわ た つ てCaO-SiO2-FeO 系 ス ラ グに よ る溶 鉄 の 脱 りん 実 験 を 行 い,脱 りん速度に 及 ぼす ス ラ グ組 成 の 影 響 を 定 量 的 に 明 らか に す る と と も に反 応 の次 数,律 速 過 程 に つ い て 検 討 した. 和54年4月 和58年12月27日 付(Received Dec.27,1983) * 学(Iron and Steel Technical College ,1-1 Ishida Nishikoya Amagasaki 661) *2 鉄 博(Iron and Steel Technical College) 5 1

CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 1 C …...CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 3 いる脱りん平衡の実験結果と同様な傾向を示している

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Page 1: CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 1 C …...CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 3 いる脱りん平衡の実験結果と同様な傾向を示している

CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グに よる溶 鉄 の脱 りん速 度 168 1

C 1984 ISIJ

論 文CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グ に よ る溶 鉄 の

脱 りん速 度

国 定 京 治*・ 岩 井 彦 哉*2

Rate of Dephosphorization of Liquid Iron by the Slag of

CaO-SiO2-FeO System

Kyoji KUNISADA and Hikoya IWAI

Synopsis:

The rate of dephosphorization of liquid iron by the slag of CaO-SiO2—FeO system was investigated at

temperatures of 1 570, 1 610 and 1 650•Ž.

The rate of dephosphorization was analysed as a first order reaction equation. On the basis of the dis-

cussion on the effect of slag composition on the rate of dephosphorization, it was found that the reaction-

rate constant was expressed as function of CaO and FeO content in the slag and temperature as follow:

It was obvious from this expression that the optimum composition of slag for the rate of dephosphoriza-

tion is 47% CaO-53% FeO.

The discussion was made on the rate determining step of the reaction, and it was considered that the dif-

fusion of phosphorus from slag-liquid iron interface to slag phase controlls the rate of reaction. On the

basis of the discussion on the rate determining step, the value of D(p)ƒÂ was obtained to be

1. 緒 言

現在,製 鋼法はLD転 炉法か らQ-BOP法 あ るいは

複合吹錬 法へと進展 し,ま た溶銑 の予備処理,溶 鋼の二

次精錬 も取 り入れ られて きているが,こ れ らの新 しい精

錬 プロセスにおいて も脱 りんの問題 は常 に重要 な課題の

一 つとなつている.従 来,脱 りん反応 は平炉あ るいは転

炉 において ス ラグ-メタル間でほぼ平衡 関係 を保 ちなが

ら推移す るとされ,そ の平衡関係の解明に多大 な努力が

払われて きたが,上 記の新 しい プロセスにおいては省エ

ネルギーや生産性 の点か ら精錬反応の高効率化,高 速化

が希求 されてお り,脱 りん反応の反応速度,反 応機構の

解明 もさらに重要 なものとなつて きた.

一方,CaO系 スラグに よる脱 りん反応速度,反 応機

構に関す る報告は比較的少 な く,ま た これ らの基礎的研

究においては反応の次数,律 速過程な どに種 々の見解が

あ り一致 していない。す なわ ち,従 来報告 され たCaO-

SiO2-FeO系 ス ラグに よる溶鉄の脱 りん速度 の研究 にお

いて,荒 谷 ら1)は脱 りん速度は一次反応に従 いその律速

過程を化学反応 としているのに対 し,川 合 ら2)は一次反

応には従わず律速過程 をスラグ側境界層の りんの移動 と

している.ま たESINら3)は,こ れ を化学反応速度 に よ

り律速 され る二 次反応 である としている.一 方,藤 井

ら4)は 酸素吹 き込みを伴 つた脱 りん速度 の実験 を行 い,

脱 りん速度が りん濃度に依 存す る ことか ら溶鉄 中の りん

の反応界面への拡散が反応の進行 に最大 の影響 を及 ぼす

としてい る.ま た竹之内 ら5)は,種 々のフ ラックス成分

を含む スラグを用いた脱 りん速度の研究において律速段

階については明 らかに していないが一次反応で整理 して

い る.こ の よ うな見解の相違は,そ れぞれ実験 方法ある

いは実験条件の設定の差異に もとづ くもの もあ るが,脱

りん反応が基本的に まだ十分 明確に されていない ことに

基因す るもの と考え られ る.た だ し,こ れ らの研究にお

いて脱 りん速度が スラグの脱 りん能1)や りん分配比2),あ

るいはCaOの 活量5)な どに大 き く依存す ることが 指摘

されてお り,こ れ らか ら反応速度にス ラグ組成 が重要な

因子 となつてい ることは 明らかであ る.こ の よ うな点か

ら本研究では,広 い組成範 囲にわたつてCaO-SiO2-FeO

系 スラグに よる溶鉄の脱 りん実験を行い,脱 りん速度に

及 ぼす スラ グ組成の影響を定量的に 明らかにする ととも

に反応 の次数,律 速過程について検討 した.

昭 和54年4月 本 会 講 演 大 会 に て 発 表 昭 和58年12月27日 受 付(Received Dec.27,1983)* 鉄 鋼 短 期 大 学(Iron and Steel Technical College

,1-1 Ishida Nishikoya Amagasaki 661)*2 鉄 鋼 短 期 大 学 工 博(Iron and Steel Technical College)

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168 2 鉄 と 鋼 第70年 (1984) 第14号

2. 実 験 方 法

本実験は,底 付 きのアル ミナ反応管を有す るタ ンマ ン

炉を用いて行つた.実 験 の手順は,あ らか じめ電解鉄 と

りん鉄を真空溶解 して作成 したFe-P合 金(0.4~0.5

%P)約200gを アル ミナ反応管内に設置 した電融 マ グ

ネシアるつぼ(40mmφ ×60mmH.)中 に装入 し,ア ル

ゴ ン雰囲気下で加熱溶解 した.な お アル ゴンガスは,五

酸化 りんで脱湿 した後Mgチ ップ(500℃)を 通 して脱

酸 した.測 温は初め上部に設け た 熱電対(Pt-6%Rh/

Pt-30%Rh)に よ りるつぼ 内の溶鉄温度を測定 し,所 定

温度(1570,1610,1650℃)に 到達後は上部熱電対を

取 り除き下部 に設 けた熱電対 に より温度制御(±5℃)を

行 つた.ス ラグはFeO(電 解鉄粉 とFe2O3を 等 モル混

合 し,ア ル ゴン雰 囲気下鉄製 るつ ぼ中で加熱後粉砕 した

もの)お よび試 薬の無水 けい酸,酸 化 カルシ ウムを 目的

組成 に調合 した もの40gを 混 合プ レス して 鉄製 ス ラグ

ホル ダに装入 した.こ れをあ らか じめ反 応管上部 にMo

線でつ るしてお き,溶 鉄試 料が所 定温度に到 達 した後 ゆ

つ くり下げてホル ダ中のス ラグを加熱溶 解 し,そ の底面

を溶鉄に接触溶解 させ ることに よ りス ラグを溶鉄上部に

添加 した.そ の後所定時間間隔で溶鉄を石英管に よ り吸

引採取 した.ま た実験 の最終段階で溶融 スラグを数本の

鉄棒に よ り採取 し分析に供 した.分 析については,鉄 試

料 中の りん濃度を モ リブデ ン青吸光光度法,酸 素濃度を

不活性 ガス溶融熱伝導度測定法 に より,ま た スラグは,

ガ ラス ビー ドに よる蛍光X線 分析法 に より分析 した.な

お,実 験 に使用 したス ラグの組成 をFig.1に 示す.

3. 実 験 結 果

温 度1610℃,ス ラ グ塩 基 度(CaO/SiO2)を1.22

一 定 と してFeO濃 度 を 変 化 させ た 場 合(slag E ,G,

I,K)の りん 濃 度 の 経 時 変 化 をFig.2に,FeO濃 度

を60%一 定 として塩基度を変化 させた場合(slag C,

D,E,F)をFig.3に 示す.な お,両 図中にはOの 変

化 もあわせて 示 した.ま た,slag Gを 用 いて 温度を

1570,1610,1650℃ と変えた場合の結果をFig.4

に示す.こ れ らの結果の最終 りん濃度は,温 度が低 く,

ス ラグ塩基度が大 き く,FeO濃 度のあ る程度 高い スラ

グを用 いた場合に低 くなつてお り,従 来か ら報 告されて

Fig . 1. Composition of slag used on this

experiment.

Fig . 2. Variations of [%P] and [%O] with time

by the slag of various FeO content; slag E : wt% FeO = 60, G : 40, I : 20, K : 0.

Fig . 3. Variations of [%P] and [%O] with time by the slag of various basicity; slag C : wt%CaO/ wt%SiO = 40/0, D : 30/10, E : 22/18, F : 10/30.

Fig . 4. Variations of [%P] and [%O] with

time at 1 570, 1 610 and 1 650•Ž.

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CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グに よる 溶 鉄 の脱 りん 速 度 168 3

いる脱 りん平衡 の実験結果 と同様な傾 向を示 してい る.

なおslag Kに っいては,脱 りんが全 く起 こ らなかつた

(Fig. 2) ので以後の検討か ら除外 した.

添加 したス ラグは,実 験中に脱 りん反応 に基づ く組成

変化に加えて,FeO→O+Feの 反応に よるFeOの 減

少,る つぼの溶解に よるMgOの 混 入,試 料採取 の 際

の石英管の溶 解および スラグの付着 な どが起 こ り,最 終

段階でのス ラグ組成は添加時のス ラグ組成 と相違 してい

た.と くに,SiO2濃 度 の高い低塩基度 スラグ(slag F,

H,Jな ど)の 場合は るつぼの溶 解に よるMgOの 混入

量 が多 くな り,最 終的にはMgOが 飽和濃度6)に達 して

いた.た だ し,実 験前後の スラグのCaO濃 度 はそれほ

ど変化 していないことか ら,実 験中のス ラグ量 はほ ぼ一

定 に保たれていた ものと考え られ る.

本実験で得 られた ス ラグ-溶鉄間の りん分 配につ い て

(1 ) 式に示すHEALYの 分配平衡式7)を 用 い,

( 1 )

実験終了時の(%CaO),(%T.Fe)か ら求めた計算値

log Lp(calc.)と スラグ分 析値(%P2O5)お よび最終 り

ん濃度か ら求めた実験値log Lp(exp.)と の対応 を調べ

た.そ の結果をFig.5に 示す.分 配比 の大 きい場合,

計算値 は実験値 よりも大 き くなる傾向にあるが,一 部 の

結果(slag Cの 場合,図 中の ●印)を 除いて計算 値 と

実験値 は(1)式 の許容範囲(図 中の破線)内 でほぼ一致

してお り,本 実験における りんの分配比は(1)式 に より

表現できるもの と判 断され る.な おslag Cを 用 いた場

合については,脱 りんの進行が極めて速かつた ことか ら

実験終了時点で平衡 に達 していなかつた とは考 え難 い.

したがつて(%CaO),(%FeO)が ともに高 い ス ラ グ

(slagC)の 場合は(1)式 の適用に問題が あるもの と 思

われ る.

4. 考 察

4・1 脱 りん速 度

溶 鉄か らス ラグへの りんの移 動速度 が溶鉄 中の りん濃

度 に比例 する と仮定す る と脱 りん速 度は(2)式 の ように

表 される.

(2 )

ここで,Aは 溶鉄-ス ラグ界面積(cm2),ρmは 溶鉄密

度(g/cm3),Wmは 溶 鉄重量(g),ん は見かけの反 応速

度定数(cm/s)で ある.本 実験 の場合,Wmは 実験初期

において約200gと 小 さいた め試 料採取 に よる重量 減少

の影響を無視で きず,こ れを考慮す る必要 がある.そ こ

で,WmがWm,n(nは 試料採取 の順序 を示す)に お い

て溶鉄中の りん濃 度が時間tnか らtn+1の 間に[%P]n

か ら[%P]n+1ま で変化 す る と考 え,(2)式 をnか ら

(n+1)ま で定積分 し,こ れをnに ついて総 和の形 で(3)

式 の よ うに表 した.

(3 )

試 料採取 順序nに 従つて(3)式 の左 辺の値 と右 辺 の ゐ

以外の項の値 を求め,こ れ らの関係をFig.6に プ ロッ

トして示 した.た だ し計算に際 して,Aは 実験初期 の値

を,ρmは 斉藤 ら8)の ものを用 いた.

Fig. 6 において,ど のス ラグの場合 もほぼ直線 関 係

が得 られてお り,本 実験における脱 りん速 度は一次反応

Fig . 5. Relation between distribution ratio of

phosphorus determined experimentaly and from calculation.

Fig . 6. Relation between Σ log [%P]n/[%P]n+1

and Aρm/2.303× Σ(tn+1-tn)/Wm,n on the

equation(3).

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168 4 鉄 と 鋼 第 70年 (1984) 第14号

として整理す るこ とが できる.た だ し,同 図におけ る

プ ロッ トはス ラグ添加か ら約600s後 までの も の で あ

り,[%P]が 最終 りん濃度 に近づ くに したがい,す なわ

ちnの 大 きい場 合のプ ロッ トは これ らの直線か らはずれ

る傾向にあつた.こ れは,ス ラグの組成 変化 に起因す る

もの と考え られ る.実 験中のス ラグは,脱 りんに伴 う組

成変化以外にFeOの 解離 減少やるつぼの溶 解 に よ る

MgOの 増加な どに よつて も組成 変化 が生 じ る た め,

[%P]が 最終 りん濃度に近づ く実験末期 においては脱 り

ん速度に及ぼす これ ら組成変化の影響が無視で きな くな

るか らである.ま た(3)式 に よる解析では,Fig.6中

の各直線 は原点 を通 ることが予想 され るが,本 結果では

必ず しもその ように なつてい ない.原 点か ら最初の プロ

ッ トまでの間は,ス ラ グ添加か ら最初 の試料採取(60s

後)の 間に起 こる反 応に対応 してお り,こ の間 の反応が

ス ラグ添 加時に生 じる溶鉄,ス ラグ両相 の乱れや温度不

均 一な どの非定常 な現象 に基 づ く要因 を含 んでい ること

か ら,原 点を通る直線 関係が得 られ なかつた ものと思わ

れ る.

Fig. 6 における各直線 の傾 きは反応速度定数kを 表

してお り,こ れ らの値 をTable 1に 示 す.こ こ で,

slag Gを 用い,初 期 りん濃 度を変動 させた場合 に得 ら

れたk値(Table 1中*,**印)は,初 期 りん濃 度に

依存せずほぼ一致 した値 となつてお り,本 実験における

脱 りん速度が一次反応で整理で きることを裏 付 け て い

る.

つ ぎに ん値 のスラグ組成依存性を示すために,塩 基度

一定(CaO/SiO2=1.22)の スラ グお よびCaO-FeO系

のスラ グに ついてFeO濃 度の影響をFig.7に,さ ら

にFeO量 一定(60,40,20%)の 場合 のCaO濃 度の

影響 をFig.8に 示す.ん はFeO,CaOの 増加に伴つ

て大 き くなるが,FeOが60%以 上では逆 に小 さ く な

つてい る.従 来,り んの分配比LPに 対 して もCaO,

FeO濃 度依存性に ピー クがあることが報 告 さ れ てお

り9)~11),その傾 向はkに 対す る本結果 と類 似 し て い

る.し たがつて反応速度定数kはLPの 場合 と同様 ス

ラグ組成 に強い依存性がある もの と考え る.ま た んに対

してLPが 重要 な因子の一つ となつてい ることも考 えら

れ る.

4・2 k に及ぼすス ラグ組成の影響

HEALY7)は,ス ラグの イオ ン説 に立脚 した 考 え よ り

Lpを 温度お よび(CaO),(T.Fe)濃 度の関数 として

前掲の(1)式 を導 出 してい るが,本 実験 において もFig.

7,8か ら明 らかな ように,ん に及ぼす(CaO),(FeO)

濃度の影響にあ る種の傾 向が 見出せ ることか ら,(1)式

と同様 これ らの因子を含む んの実験式の導 出を試みた.

まずkに 対す る(CaO)の 影響を定量的 に求め るた

めに,(FeO)が60%の ス ラグを用いた場合の ん値 と

(%CaO)と の関係を両対数 グラフで示す とFig.9と

なる.こ れ らの間に直線関係が成 り立つてい る とみ な

し,こ の関係を(4)式 で表 した.

(4 )

また ん に 対 す る(FeO)の 影 響 を定 量 的 に 求 め る た

め に,(CaO)が30%の ス ラ グを用 い た 場 合 に つい て

同=様な 検 討 を行 つた.こ の関 係 もFig.9に 示 し,(5)

Table 1. Value of reaction-rate constant.

Fig . 7. Effect of FeO content in slag on the

reaction-rate constant.

Fig . 8. Effect of CaO content in slag on the

reaction-rate constant.

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CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グに よ る溶 鉄 の脱 りん 速 度 168 5

式 で表 した.

(5 )

ただ し,(4),(5)式 に お い てa,bは そ れ ぞ れ 温 度 に

よつ て 異 な る定 数 で あ る.ま た,両 式 の傾 きに つ い て は

1570,1610,1650℃ の各 温 度 に つ いて ほ ぼ平 行 線 で

表す こ とが で き る こ とか ら,傾 きに対 す る温 度 依 存 性 は

小 さい と考 え,(4),(5)両 式 と もそ の傾 き は1610℃

に おけ る プ ロ ッ トか ら最 少 自乗法 に よ り求 め た 値 を 用 い

た.つ ぎに,kに 及 ぼ す(CaO),(FeO)両 方 の 影 響 を

それ ぞ れ(4),(5)式 の 傾 きの項 だ け 考 慮 し,(6)式 の

よ うな単 一式 で表 す こ とが で きる と考 えた.

(6 )

ここで定数6が 一定値 とな らなければkを(6)式 の形

で表す ことは無意味であ るが,各 実験値を(6)式 に代入

して`値 を求め,log kに 対 して プロ ッ トす るとFig.

10の よ うになる.若 干 のぼ らつ きはあるが,log kに

対す る依存性 は認め られず,各 温度 とも一定値 となつて

いる.し たがつて(6)式 に よる表示は妥当な もの と考え

られ,6値 をつ ぎの よ うに決定 した.

(7 )

そ こで(6),(7)式 を用 いて求めた計算値 をFig.7中

に曲線 で示 し,ま たFig.8中 には(FeO)が60,40,

20%の 各場合 についてそれ ぞれ の計算値 を実線,一 点鎖

線,破 線 で併記 した.こ れ らの図において各計算値 はそ

れ ぞれ実験値 のプ ロッ トと比較的 に良 く一致 して お り,

(6),(7)式 は実験式 として妥 当なものと判断 され る.

また,こ の実験式 を用 いてCaO-SiO2-FeO三 元系 ス

ラグに 対 して 求 めた等速度定数 曲線 をFig.11に 実線

で示す.な お同図中には,HEALY7)の(1)式 よ り求めた

等分配比 の曲線 を破線 で示 した.両 曲線は 同様 な傾 向を

示 してお り,前 述 した ように脱 りん速度に対 して分配比

が 主 要 な 因子 となつてい ることは 明 らかであ る.た だ

し,こ れ らの曲線 の ピー ク位置(組 成)に ついては,分

配比 の方 が低(FeO),高(CaO)濃 度側にずれてい る.

k値 の ピー クは高(FeO)濃 度側(CaO/FeO=47/53,

wt%)に 位置 して いる.こ のよ うな不一致は,分 配比以

外に も反応速度 に係 る因子が存在 してい ることを示唆 し

てお り,そ の 一つ として スラグの粘度が 考え られ る.

す なわ ち,CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グにおいて,ス ラグ

粘度 はFeO濃 度 の増加に伴つて低下す る傾向にあ るこ

と12)から,脱 りん速度はLPの ピー ク組成 より高(FeO)

濃度側 で有利 とな り,上 記の組成比で ピークが現れた も

の と考 え られ る.

一方,脱 りん速度に対す る最適 スラグ組成について,

荒谷 ら1)は固体石灰の スラグ中への溶解速度 も 考 慮 し

て,2CaO・SiO2飽 和面 のnoseな らびにCaO飽 和面

におけ る組成(Fig.11中 のP,Q点 近 傍)と してい

る.本 結果 ではFig.11よ り明 らか なよ うに,SiO2を

含 まない47%CaO-53%FeOの ス ラグ組成 の時脱 りん

速度は最 も大 き く,SiO2を 含む場合 でもCaO/FeOの

比が47/53の スラグ組成が望 ましい もの となつている.

これ らの組成が図中のP,Q点 に近い組成 である ことを

考慮す ると,本 結果は荒谷 ら1)の結 果 とほぼ一致 して い

る.

Fig . 9. Relation between log k and log (%CaO) or log (%FeO) .

Fig . 10. Value of c against log k.

Fig . 11. Reaction-rate constant k (cm/s) and distribution ratio of phosphorus LP for CaO-SiO2-FeO slag.

5 5

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168 6 鉄 と 鋼 第 70年 (1984) 第14号

4・3 温度の影響

組成 の異 なる8種 のスラ グについて,脱 りん速度に及

ぼす温度 の影響 を調べた.得 られた ん 値をlog kと

1/Tの 関係 としてFig.12に 示す.1570~1650℃ の

温度範囲ではア レニ ウスの式 を満足 している とみ なす こ

とがで き,こ れ ら直線 の傾 きか ら求めた脱 りん反応 のみ

かけの活性化エネルギ ーEaの 値 をFig.12中 に示 し

た.本 結果では,Eaは16~41kcal/molと なつた.ま

たス ラグ組成に よる著 しい変化 は認 め られなかつた.

4・4 律速過程の検討

脱 りん反応は溶鉄-ス ラグ異相間の反応であ り,次の三

つ の素過程を経て進行 してい るもの と考え られ る.

(1 ) 溶鉄中 りんの溶鉄-ス ラグ界面への拡散過程

(2 ) 溶鉄-ス ラ グ界面での化学反応

(3 ) 溶鉄-ス ラ グ界面か らスラグ中への りんの拡散過程

なお,本 実験 におけ る脱 りん反応は酸化反応であ り,反

応 に必要 な酸素 の 供給過程 が 問題 となるが,Fig.2~4

に示 した ようにOは 早期 に 上昇 して お り,ス ラ グ中 の

FeOが 溶鉄-ス ラグ界面 にその量 に応 じた 高い酸素 ポテ

ンシャルを与えてい ることが明 らかである.ま たFig.

13に 示す よ うに 脱 りん 速 度がス ラグ中のFeOの 活量

αFeOに 直接影 響を受けていない ことか ら,本 実験 にお

いて酸素の供給が脱 りん反応を律速 してい るとは考え ら

れ ない.な お αFeOは 初期 のス ラグ組成 について1600

℃ におけ る等活量線図13)から求めた.

上記(1)~(3)のうち(1)の過程については,本 実験で得 ら

れた反応速度定数が(6)式 に示 した よ うにス ラグ組成 に

依存す ることか ら律速過程 とはな り得ない.ま た,(2)の

化学反応については,一 般に高温での化学反応は速い こ

と,ま た本結果か ら得 られた反応の見かけの活性化エネ

ルギーが化学反応律速を支持す るほ ど大 きな値ではない

こ とか ら(2)が律速過程 とは考え難い.し たがつて(3)が律

速過程 となつて いる可能性が強い.こ れについて以下の

検 討 を行 つ た.

(3 ) を律 速 過 程 とす る と,溶 鉄-ス ラ グ界 面 か らス ラ グ

中 へ移 動 す る りん の拡 散 流 量JP(mol/cm2・s)は(8)式

で 表 され る.

(8 )

こ こでD(P)は ス ラ グ中 りん の 拡散 係 数(cm2/s),δ は

ス ラ グ側 境膜 厚 さ(cm),CPは ス ラ グ中 の り ん 濃 度

(mol/cm3)を 表 し,添 字iは 界 面 を示 す.(8)式 を重

量 パ ーセ ン ト表示 に書 き換 え る と(9)式 とな る.

(9 )

ここ でWsは ス ラ グ重 量(g),ρsは ス ラ グ密 度(g/

cm3)を 表 す.り ん の物 質 収 支Wsd(%P)=-Wmd[%

P]の 関 係 を 用 い て 溶 鉄 中 りん の濃 度 変 化 で 表 す と(10)

式 とな る.な お(%P)i=LP[%P]と おい た.

(10 )

実 験 初 期 に お いて(%P)〓0と み なす と(10)式 は(10)'

式 とな る.

(10 ) '

この式は前掲の一次反応の速度式((2)式)と 式 の意味

は異な るが形の上で同 じであ り,両 式を対 比す ることに

よ り次 の関係が得 られる.

(11 )

す なわ ち反応速度定数kがLPお よびD(p)に 依存す

る ことにな り,前 述 したkとLPと の相関性,お よび ス

ラグ粘度 に よる影響 と考え られたk値 とLP値 との ピー

ク位置 のずれ など矛盾な く説明す る ことがで きる.

また本実験 のスラグ系についてス ラグ中の りんの拡散

に関す るデータは不 明であ るが,CaO-SiO2-Al2O3系 ス

ラグにおける値14)から求めた拡散の活性化 エネルギー約

41 kcal/molを 参考にす ると,こ の値 は本実験で得 られ

Fig . 12. Relation between log k and 1/T.

Fig . 13. Relation between k and ƒ¿FeO of the

initial slag.

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Page 7: CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 1 C …...CaO-SiO2-FeO系 スラグによる溶鉄の脱りん速度 168 3 いる脱りん平衡の実験結果と同様な傾向を示している

CaO-SiO2-FeO系 ス ラ グに よる溶 鉄 の脱 りん速 度 168 7

た脱 りん反応の見かけの活性化 エネルギーの値℃近い.

以上 の点か ら考えて,(3)の 過程 が律速段階 となつてい る

可能性が強 い.

ここでD(P)/δ の値は(11)式 か ら算 出で きるが,実 際

には実験中に(FeO)が 減少す るためLPは 時間 ととも

℃低下する ことに な り,こ の式か ら正確 な値を求め るこ

とはで きない.そ こで,こ のLPの 変動 を考慮 して(10)

式か らD(P)/δ 値の導出を試 みた.す な わ ち,前 述の

(2)式 の取 り扱 い と同様に,(10)式 を試料採取 の順序n

℃従つてnか ら(n+1)ま で定積分 し,総 和 の形 で整理

する と(12)式 となる.な お(10)式 中の(%P)は,(13)

式の りんの物質収支か ら求めて代入 した.ま た ス ラグ重

量Wsを 一定 として,wn=Wm,n/Wsと おいた.

(12 )

(13 )

ここでLPに ついては,Fig.5に 示 した よ うに(1)式

が本結果に十分適用で きることか ら,各 試料採取時にお

けるP,Oの 分析値か ら酸素についての物 質収支((14)

式)よ り求めた(%Fe)を(1)式 に代 入して各時間の

LPを 算 出し,(12)式 に適用 した.た だ し(%CaO)は

一定 として,実 験初期 の値を用いた.

(14 )

(14 ) 式 中Mは,そ れ ぞれ 添 字 元 素 の原 子 量 を 表す.

以 上 の よ うな取 り扱 い に よ り各 試 料 採 取 時 に お け る

(12)式 の左 辺 の値(ΣF(t)を 求 め,こ の値 を そ の 時 間

((12)式 の右 辺 中 Σ(tn+1-tn)に 相 当)に 対 して プ ロ

ッ トす る と,Fig.14に 示 す よ うに きわ め て 良 好 な 直 線

性 が 得 られた.し た が つ て この 直線 の傾 きか らD(P)/δ

の値 を 求 め る こ とが で き る.こ の よ う に し て 得 た 値 を

Table 2に 示 す.な お,こ こで界 面 積Aお よび ス ラ グ

重量Wsは 実 験 初 期 の 値 を 用 い,ρsは 高 温 に お け る詳

細 な デ ー タが 無 いた めHENDERSON15)の1410℃ に お け

る値 を用 い た.

本実 験 で 得 られた 値 は,0.1~7.0×10-4cm/s(1570

~1650℃)で あ る.こ れ につ い て 川 合 ら2)の 求 めた 値

(物 質 移動 係 数)は,0.47~4.3×10-3cm/s(1540~

1680℃)で あ るが,本 実験 結果の うち,と くに彼 らの

用いた スラグ組成に近いslag E,G,Iを 用 いた場合 の

値 と比較 してみ ると,本 結果では0.3~3.8×10-4cm/s

とな り,お よそ一桁小 さい値 となつてい る.こ の不一 致

の原因については現在 のところ不明であ るが,D(P)値 と

してCaO-SiO2-Al2O3系 ス ラグにおけ る値14)を参考に

し,δ として平炉 におけ る推定値(0.012cm)16)を 用い

て この値 を 見積 る と10-4cm/s程 度の 値 とな ることか

ら,本 結果 は妥 当な値 であると考え られ る.

なお,Fig.14に おいて ΣF(t)と 時間tの 間に良好

な直線 関係が得 られた ことは,(10)式 の妥 当性を示す も

のであ り,本 実験 における脱 りん反応 の律速過程は,前

記(3)の溶 鉄-ス ラグ界面 か らス ラグ中へ の りんの拡散過

程であ ることを裏 付けている.

5. 結 言

1570~1650℃ に お い てCaO-SiO2-FeO系 ス ラ グ

に よ る溶 鉄 の 脱 りん 速 度 を 測 定 し,つ ぎの よ うな 結 果 を

得 た.

Fig . 14. Relation between ƒ° F (t) and time.

Table 2. Value of D(P)/ ƒÂ .

5 7

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168 8 鉄 と 鋼 第 70年 (1984) 第14号

(1 ) 本実験における脱 りん速度 は,脱 りん反応が一

次反応で進行す るもの として解析,整 理す る ことができ

た.

(2 ) 脱 りん速度に及ぼすCaOお よびFeOの 影響

を定量的 に検討 し,反 応速度定数 の実験式 と して次式を

得た.

また,こ の式か ら脱 りん速度 に対す る最適 ス ラ グ組 成

は,47%CaO-53%FeOで あ ることがわかつた.

(3 ) 脱 りん反応 の律速過程 は,溶 鉄-ス ラ グ界 面 か

らス ラグ中へ の りんの拡散過程 である と判断 された.ま

た,こ れを律速 過程 として求めたD(P)/δ の値は,0.1

~7.0×10-4cm/sと なつた.

終わ りに,本 研究 の遂行に あた り試料 の分析に御協力

いただいた大阪大学工学部森 田善一郎教授,上 田 満氏

お よび住友電気工業研究開発本部の関係者各位に深 く感

謝 いた します.

文 献

1 ) 荒 谷 復夫,三 本 木 貢 治:鉄 と鋼,58(1972),

p.1225

2 ) 川合 保 治,土 居 定 雄,森 克 巳;鉄 と鋼,63

(1977),p.391

3 ) O . A. ESIN and V. N. SHIKHOV : IZV. AN SSSR. Otd. Tekh. Nauk (1955), p. 79

4 ) 藤 井 毅 彦,荒 木 泰 治,丸 川雄 浄:鉄 と鋼,54

(1968),p.1515 ) 竹 之 内 朋 夫,鈴 木 是 明:鉄 と鋼,64(1978),

p.1133

6 ) 沈  載 東,萬 谷 志 郎:鉄 と鋼,67(1981),

p,1735

7 ) G.W.HEALY:JISI,208(1970),p.664

8 ) 斉 藤 恒 三,天 辰 正 義,渡 辺 俊 六:東 北 大学 選 鉱 製

錬 研 究 所 彙 報,25(1969),p.67

9 ) 野 中  浩,香 月 淳一:鉄 と鋼,49(1963),

p.137510 ) 中 島 長 久,土 肥 正 治,堀 川  晃,桑 原達 朗,古 崎

宣:鉄 と鋼,53(1967),p.317

11 ) F. BARDENHEUER and P. G. OBERHAUSER : Stahl Eisen, 89 (1969), p. 988

12 ) P. KOZAKEVICH: Rev. Metall., 46 (1949), p. 505

13 ) J. F. ELLIOTT: Trans. Metall. Soc. AIME, 203 (1955), p. 485

14 ) E. S. VORONTSOV and O. A. ESIN : IZV. AN SSSR. Otd. Tekh. Nauk (1958), p. 152

15 ) J. HENDERSON : Trans. Metall. Soc. AIME, 230 (1964), p.501

16 ) L. S. DARKEN : The Physical Chemistry of Steelmaking (1958), p. 106 [Chapman Hall]

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