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Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

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Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害 現病歴:来院数日前から37 ℃ 台の発熱、全身倦怠感有り。来院2日前に近医受診し、点滴施行されるも改善せず、当日朝より意識レベル低下したため、救急車にて来院。 既往歴:なし、生活歴:喫煙(ー)、飲酒(ー)、アレルギーなし、家族歴:両親が糖尿病。 現症:意識状態: JCS100 、身長: 159cm 、体重 65kg 、血圧 98/53 、脈拍数 113/ 分、体温 36. 5、呼吸数 14/ 分. まず何を考えるか?. Japan Coma Scale. 入院時一般検査所見 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

Case 138歳女性。主訴:意識障害現病歴:来院数日前から37℃台の発熱、全身倦怠感有り。来院2日前に近医受診し、点滴施行されるも改善せず、当日朝より意識レベル低下したため、救急車にて来院。既往歴:なし、生活歴:喫煙(ー)、飲酒(ー)、アレルギーなし、家族歴:両親が糖尿病。現症:意識状態: JCS100、身長: 159cm、体重 65kg、血圧 98/53 、脈拍数 113/分、体温 36.5、呼吸数 14/分 まず何を考えるか?

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Japan Coma Scale

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入院時一般検査所見Na 124mEq/l, K 5 mEq/l, Cl 91mEq/l, UA 15.4 mg/dl,

Glucose 429mg/dl, BUN 17mg/dl, Cr 0.54mg/dl, WBC

9600/microl, Hb 19.5 g/dl, Ht 51.7%, Plt 27.4万 /microl

(血液ガス) PaO2 93.7 torr, PaCo2 20.9 torr

(一般尿検査)ケトン(3+)、蛋白(+)、潜血( ±)、糖(2+)(心電図)洞性頻拍、(胸部 X線)異常なし

どのような異常所見があるのか?検査所見から何を考えるか?

Page 4: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

検査所見

1.低ナトリウム血症

2.高血糖

3.白血球増加、Hb高値

4.低 2酸化炭素分圧

5.尿中ケトン体陽性

6.高尿酸血症

それぞれについて何を考えるのか?

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意識障害の鑑別診断

アイウエオチップスで覚える。

Aア:急性アルコール中毒Iイ:インスリンUウ: Uremia(尿毒症)Eエ: Endocrine(内分泌)Oオ: Oxygen, opiate(低酸素血症、麻薬)Tチ: Trauma,Temperature(外傷、体温異常)Iイ: Infection(感染症)Pプ: Psychiatric, porphyria(精神疾患、ポルフィリア)Sス: Syncope, stroke(失神、脳卒中)

少なくとも低血糖症の否定をまず行う。

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意識障害の鑑別診断中年以上では脳卒中(脳出血、脳梗塞〔脳血栓〕、くも膜下出血など)、一過性脳虚血発作、子どもではけいれんといっしょに起こるてんかん、高熱の出たときに起こる熱性けいれんを伴う意識障害などを考える。まれな重病としては、心臓病からくる意識消失(徐脈によるアダムス・ストークス症候群やショック)、糖尿病・腎臓病・肝臓病などが悪化して起こる昏睡、外傷や内臓からの大出血(吐血など)によるショックなどがみられる。

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意識障害患者における鑑別診断

参考でしかないが、バイタルサインの重要性が分かる。血圧が高い場合には脳病変がある可能性が高い。

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診断:糖尿病性ケトアシドーシス    (高血糖、脱水、アシドーシス、尿ケトン陽性)

治療はどうするのか?

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糖尿病性昏睡の機序

1.糖尿病性ケトアシドーシスグルコース代謝の代わりに脂肪酸代謝が働いて、ケトン体が生成され、アシドーシスとなる。2.高血糖のために浸透圧利尿となり、尿中への水分と電解質の喪失が起こり、脱水、血漿浸透圧の増加がおこる。

Page 10: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

高血糖昏睡時の電解質不足

電解質 (特に K)は全体としては大量に喪失しているが、脱水の程度、細胞内移行等により血中レベルは必ずしも喪失の程度を反映しない。 NKHCでは血中 Naの上昇が著しい。脱水を反映して BUN, Cr

が上昇する。

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糖尿病性昏睡の治療1.インスリンの投与速効型インスリンを輸液ライン側管より持続的に注入する。一例として、治療開始時に 5〜 10単位靜注、次いで生理食塩水に溶解したインスリンを毎時 5単位持続投与を基本としている。初期治療では血糖値を 250-300以下に下げない。2.脱水の治療末梢静脈点滴靜注で最初の 1時間で 1000ml輸液するのが基本である。これは通常の末梢静脈点滴セットを全開にした際の輸液速度にほぼ相当する。血管内ボリュームを補正し、急激な浸透圧降下 (脳浮腫を起こす危険がある )を避けるために、最初の輸液内容としては生理食塩水が適している。3.電解質の補正血中 K値はアシドーシスによる影響、インスリン作用欠乏による細胞内への取り込み低下、腎不全等により上昇するので、大量の体外喪失にもかかわらず受診時には血中濃度が必ずしも低値を示さず、治療に伴い急速に低下することが多い。血中 K値を頻回にチェックし、毎時 25mEqを最大として適宜補正しなければならない。

Page 12: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

Case65歳男性。身長 158cmで体重 83kgと太っていたが、 60歳まで健診で高血圧などの指摘を受けることなく生活していた。半年ほど前から次第に口が渇くために水分摂取量が多くなり、また排尿回数も多くなったため、糖尿病が心配となって受診した。血圧 132/84、胸部聴診所見等に異常なかった。検査所見:検尿:糖(3+)、蛋白(+)、 GOT 28、 GPT30、 BUN32.8、 Cr1.24、 RBC 480万 /l、 Hb 11.8g/dl、血糖 324mg/dl、 HbA1C7.8であった。 次にどうするのか?

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Ⅰ. 1型糖尿病  A.自己免疫性  B.特発性Ⅱ. 2型糖尿病Ⅲ.その他の特定機序、疾患によるもの  A.遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの   ①膵島 β細胞機能にかかわる遺伝子異常   ②インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子異常  B.ほかの疾患、条件に伴うもの   ①膵外分泌疾患   ②内分泌疾患   ③肝疾患   ④薬剤や化学物質によるもの   ⑤感染症   ⑥免疫機序によるまれな病態   ⑦その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことの多いものⅣ .妊娠糖尿病

糖尿病の分類

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I 型糖尿病 II 型糖尿病

ウイルスや細菌から自分の体を守るはずの免疫反応が、すい臓にあるインスリンを出す β細胞を壊して、インスリンがほとんど出なくなってインスリン分泌不足、高血糖となる。

食べ過ぎや運動不足といった生活習慣などが原因で高血糖になっていき、この高血糖状態が、すい臓のインスリン分泌不足、筋肉などの組織でのインスリン抵抗性を誘導して、さらに高血糖となる。

糖尿病発症のメカニズム

Page 15: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

I 型糖尿病1.インスリン依存型糖尿病とも呼ぶ2.比較的急激に発病する事が多い。(急に多尿、のどの渇き、やせが出現する。)3.幼児期から青年期に発症することが多いとされるが、高齢者も含めあらゆる年齢で発症する。4.日本人の糖尿病患者のうち約 3~ 5%が1型と言われている。5.膵臓のインスリンをつくっている細胞がこわされ、最終的にはインスリンがほとんどつくられない状態になる。6.インスリン注射をしないと昏睡に陥る。

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II 型糖尿病1.インスリン非依存型糖尿病とも呼ぶ2.徐々に血糖があがり、無症状の時期が長い糖尿病。3.成人に多い糖尿病だが、食生活の変化に伴い最近では小児にも見かける。4.日本人の糖尿病患者のうち約 95%が、2型糖尿病です。5.糖尿病になりやすい素質をもっている人に肥満、アルコール、精神的ストレス、加齢などの誘因が加わって発症する。6.治療の基本は食事療法と運動療法。7.内服薬により治療出来ますが、インスリン療法を必要とする場合もある。(内服薬で血糖値の下がらない人は、インスリン治療が必要。)

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外来患者に占める糖尿病患者の割合

41

40

15

上記の結果は、富山県の開業医 1600人ほどを対象に調査した結果であるが、全患者中〜 20%位の糖尿病患者がいることを示している。日本では約 1300万人が糖尿病もしくは予備軍とされている。

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糖尿病はなぜいけないのか?回答1.糖が蛋白に結合して蛋白の機能を阻害する。例えばヘモグ  ロビンに糖が結合すると、酸素運搬能が低下する。その結  果、全身の細胞が酸素欠乏状態に陥る。

2.糖の細胞内への輸送が低下して細胞内でのエネルギー代  謝が低下する。その結果全身の細胞機能の低下が認めら  れる。

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糖尿病の診断基準は?1. 早朝空腹時血糖値  126mg/dl以上2. 75g経口ブドウ糖負荷試験 2時間値  200mg/dl以上3. 随時血糖値  200mg/dl以上1~ 3のいずれかの血糖値が確認された場合は「糖尿病型」と判定される。

別の日にもう一度行った検査でやはり「糖尿病型」が再確認できれば糖尿病と診断される。ただし、高血糖の典型的な症状の口渇、多飲、多尿、体重減少などがあれば、 1回の検査でも「糖尿病型」の場合は糖尿病と診断される。同様に過去 2カ月の平均血糖値を表わす HbA1Cが 6.5%以上の場合や、確実な糖尿病網膜症が認められる場合、過去にも糖尿病型を示した資料がある場合なども 1回の検査で糖尿病型を示せば糖尿病と診断される。

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糖尿病の治療目標

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糖尿病初回治療時の注意点と手順

1.1型糖尿病2.糖尿病昏睡3.重症の肝障害、腎障害4.重症感染症、中等度以上の外科手術5.糖尿病を合併した妊娠

インスリンの絶対的適応か?

NO

空腹時血糖 250mg/ dl以上 or随時血糖値 350mg/ dl以上 or尿ケトン体(+)以上

インスリンの相対的適応(著明な高血糖)か?

HbA1c8.0%以上 or空腹時血糖 160mg/ dl以上 or食後2時間血糖値 220mg/ dl以上

血糖コントロール評価が不可?

NO

新規糖尿病患者

新規糖尿病患者

NO

食後高血糖がある時は-glucosidase阻害剤速効型インスリン分泌促進薬

食事・運動療法

yes専門医に紹介

入院してインスリン

専門医に紹介入院してインスリ

yes

1ー2 kg/ 月以上の体重減少があるか?

生理食塩水の点滴などを考慮する。

1ー2 kg/ 月以上の体重減少があるか?

生理食塩水の点滴などを考慮する。

yes

NO

食事・運動療法に加えて

食事・運動療法に加えて

グリメピリドグリベンクラミドなど

グリメピリドグリベンクラミドなど

薬剤に対する反応がなければインスリン治療

食事・運動療法に加えて

食事・運動療法に加えて

グリメピリド、グリベンクラミドビオグリタゾン(アクトス)、メトホルミン

グリメピリド、グリベンクラミドビオグリタゾン(アクトス)、メトホルミン

yes

コントロール不良・不可の状態が改善されない時( HbA1c 7.0%以上、空腹時血糖 140mg/dl以上、食後2時間血糖値 200mg/dl

以上)

hbA1c6.5%以下を目指して薬剤の変更、増量、併用

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2型糖尿病の病態による経口血糖降下剤の選択

経口糖尿病薬は大きく 4 種類に分けられ、合計 6 種類がある。

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スルフォニルウレア剤( SU)の作用機序

通常は糖が細胞内に入って ATPを産生し、 ATPによってカリウムチャンネルが閉鎖する。すると細胞は脱分極し、カルシウムチャンネルが活性化してカルシウムが流入する。その結果インスリンが分泌される。SUはカリウムチャンネルの一部を構成する SU受容体と結合して ATPに関係なくカリウムチャンネルを閉鎖してインスリン分泌へ導く。

Page 25: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

グルコシダーゼ阻害剤の作用機序

グルコシダーゼ阻害剤は α -グルコシダーゼ(腸管において二糖類から単糖への分解を担う二糖類水解酵素)を阻害して糖の吸収を遅延させる。

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ビグアナイド剤の作用機序

主として肝臓での糖新生抑制、他に末梢での糖利用促進、消化管からの糖吸収抑制等体重増加を来しにくく、肥満型の糖尿病に使いやすい

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速効型インスリン分泌刺激薬の作用機序

速効型インスリン分泌促進薬も SU剤と同様に SU受容体と結合してインスリン分泌を促進するが、血中半減期も短く、作用時間も短い。服用後 2時間もすると効果はなくなる。

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DPP4阻害薬の作用機序

インクレチンとは、食事の摂取により消化管から分泌される消化管ホルモンで、小腸上部から分泌される GIP( glucose-dependent insulinotropic polypeptide)と、小腸下部から分泌される GLP-1( glucagon-like peptide-1)の 2つが知られている。消化管内に炭水化物や脂肪が流入すると、インクレチンが速やかに分泌され、血糖値の上昇とともに膵 β細胞からのインスリン分泌を増加させ、膵 α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖低下に働く。血中で、インクレチンはDPP-4( dipeptidyl peptidase-Ⅳ)で速やかに分解され、血中半減期は GLP-1 2

分、 GIP 5分と非常に短いことが知られている。 DPP4阻害薬はインクレチン分解を阻害し、インスリン分泌を亢進させる。

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薬のテーラーメイド使用法

指標インスリン依存性か否か?1. CPR Index空腹時血中 CRP /空腹時血糖値 X100

インスリン抵抗性あり?2. HOMA-IR(空腹時インスリン X空腹時血糖)/405

CRP: C ペプチドはプロインスリンが分解されてできるペプチドで、インスリン使用時でも内因性インスリン分泌を測定できる。

Page 30: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

薬のテーラーメイド使用法インスリン依存性か否か?1. CPR Index ( CPI)空腹時血中 CPR /空腹時血糖値 X100

1) CPI<0.8血糖コントロールにインスリンが絶対に必要

2) 0.8≦CPI<1.2血糖コントロールにインスリンが経口剤より有用

3)  1.2≦CPI<1.5血糖コントロールに SU剤が有用

4)  1.5≦CPI<2.0血糖コントロールに SU剤 or非 SU剤が有用

5) 2.0<CPI血糖コントロールに非 SU剤が有用

インスリン抵抗性あり?2. HOMA-IR(空腹時インスリン X空腹時血糖)/405

1.6以下;インスリン抵抗性なし2.5以上:インスリン抵抗性あり

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スルフォニル尿素阻害剤1.通常最少量から開始し、血糖値、 HbA1cをみながら  徐々に増量していく。2.肥満を伴い、中等度以上の高血糖(空腹時血糖   200mg/dl以上)があり、インスリン分泌能が低下して  いる場合、アマリールを用いる。3.血糖コントロールが不良の場合、最大量まで使用せ  ず、オイグルコンでは 5mg/日、アマリールなら 4mg/日  までにとどめる。運動、食事を確認しながら、他の薬剤  との併用を考慮する。

Page 32: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

速効型インスリン分泌促進薬

1.必ず食直前に投与する。食前 30分くらい前に服用す  ると、低血糖となる。2.インスリン非依存性で、食事療法、運動療法で十分な  コントロールが得られない場合に単独で用いる。3. SU剤との併用は意味がない。4.本薬剤で効果がない場合にはグルコシダーゼ阻害  剤の併用を考慮する。

Page 33: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

グルコシダーゼ阻害剤

1.食後高血糖が心血管系の危険因子であることから、糖  尿病の初期や耐糖能異常の時期からの血糖上昇のコ  ントロールが重要である。2.空腹時血糖は軽度上昇のみで、食後高血糖の見られ  る発症初期の糖尿病に単独で用いられる。3.単独投与では低血糖の副作用も心配ない。4.他剤との併用で、他剤の使用量を減量できる。

Page 34: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

ビグアナイド剤

1. SU剤の効果が不十分な場合に併用したり、インスリンに  も併用可能である。2.副作用として乳酸アシドーシスがあるが、まれである。

Page 35: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

2型糖尿病治療アルゴリズム

診断時生活習慣是正

+メトホルミン

診断時生活習慣是正

+メトホルミン

生活習慣是正+メトホルミン+

基礎インスリン補充

生活習慣是正+メトホルミン+

SU薬(アマリール推奨)

生活習慣是正+メトホルミン+

強化インスリン補充

第 1 段階:十分に実証された中心的な治療

第2段階:      十分に実証されていない治療生活習慣是正+メトホルミ

ン+

ビオグリタゾン低血糖がない浮腫・心不全

骨量低下生活習慣是正+メトホルミ

ン+

GLP-1アゴニスト低血糖が少ない体重低下悪心・嘔吐

生活習慣是正+メトホルミン+

ビオグリタゾン+

SU剤

生活習慣是正+メトホルミン+

基礎インスリン補充

Page 36: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病の合併症

Page 37: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症の診断は、尿中アルブミン排泄量で行う。具体的には、随時尿でアルブミン(mg / dl)とクレアチニン(g/ dl)の測定を行い、その比(アルブミン/クレアチニン)が30~300mg /g・Crの範囲にあることを「微量アルブミン尿」と呼ぶ。腎機能はクレアチニンクリアランスで測定する。正常では80~110ml /分。

Page 38: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性腎症の治療●血糖コントロール 食事療法と運動療法が基本となり、必要に応じて糖尿病薬を使用する。第4 期以降では、原則として経口薬は使用せず、インスリン注射を使用する。ま た運動療法は、第3期B以降は制限が必要。血糖コントロールの目標は、食 前血糖値 120mg / dl 未満、食後2時間血糖値 180mg / dl 未満、HbA 1c 6.5% 未満。●血圧コントロール アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬   を用いることが推奨されている。血圧コントロールの目標は 130/80 mmHg 未満だが、可能ならば 120/70 mmHg未満を目標にする。●蛋白質摂取 食事中の蛋白質摂取量に関しては、第3期〜第4期にかけては制限したほ うがよい。具体的には、標準体重1 kgあたり 0.8〜 1.0g/日あるいは 0.6〜 0.8g/日まで段階的に制限していく。●塩分摂取 塩分に関しては、高血圧が存在する場合は第1期から7〜8g/日の制限が必要だが、第3期以降は高血圧の有無にかかわらず5〜6g/日の制限が推奨されている。

Page 39: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性網膜症

出血などが眼底検査で認められるが、これでも視力は 1.0。糖尿病性網膜症の早期発見のためには、定期的な眼底検査が必要。

悪化してきている傾向があるときには、造影剤を使って血管からの造影剤の漏れや、血液が通っていない部分がないかを調べる。

Page 40: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性網膜症の治療

新生血管が網膜や硝子体に向かって伸びてくる。新生血管の壁が破れると、硝子体に出血することがある。

増殖組織といわれる線維性の膜が出現し、これが網膜を引っ張って網膜剥離(牽引性網膜剥離)を起こすことがある。

網膜光凝固術にはレーザーが用いられ、通常は通院で行う。網膜光凝固術は主に網膜の酸素不足を解消し、新生血管の発生を予防したり、すでに出現してしまった新生血管を減らしたりすることを目的として行う。

Page 41: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性神経障害

糖尿病壊疽

末梢神経障害自律神経障害

Page 42: Case  1 38歳女性。 主訴:意識障害

糖尿病性神経障害のメカニズムと治療

アルドース還元酵素は、細胞内の糖代謝経路の一つであるポリオール代謝経路が異常亢進して神経障害などの糖尿病合併症を引き起こすプロセスに深く関係している。

糖尿病性神経症治療薬・キネダック(エパルレスタット)

 アルドース還元酵素を阻害し、疼痛、しびれ を抑える。 1日 3回毎食前・メキシチール(メキシレチン) 疼痛性神経障害、 1日 3回。効果発現速い。