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早稲⽥⼤学図書館の新しい試み 図書館⻑ 深澤 良彰 静岡高校図書館ボランティアの会研修 2018年11⽉9⽇ 1

早稲田大学 深澤研究室 - 早稲⽥⼤学図書館の新しい試みfuka.info.waseda.ac.jp/~fukazawa/Material/fukazawa.pdf · 2018-11-08 · –⼤学におけるさまざまなプロジェクトへの協⼒

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早稲⽥⼤学図書館の新しい試み

図書館⻑

深澤 良彰

静岡高校図書館ボランティアの会研修

2018年11⽉9⽇ 1

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本⽇のアジェンダ

• 簡単な⾃⼰紹介

• 図書館におけるラーニングコモンズの実現

• 早慶図書館共同プロジェクトの推進

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⾃⼰紹介• 1953年︓静岡県静岡市⽣まれ• 1969年〜1972年︓静岡県⽴静岡⾼等学校• 1972年〜1976年︓早稲⽥⼤学 理⼯学部 電気⼯学科• 1976年〜1983年︓早稲⽥⼤学 ⼤学院 理⼯学研究科 修⼠課程・博

⼠課程 電気⼯学専攻• 1983年〜1987年︓相模⼯業⼤学(現 湘南⼯科⼤学) 情報⼯学科 専

任講師• 1987年〜1991年︓早稲⽥⼤学 理⼯学部 助教授• 1992年9⽉〜︓早稲⽥⼤学 理⼯学部 教授• 2002年11⽉〜2006年11⽉︓早稲⽥⼤学 教務部⻑• 2007年7⽉〜2010年11⽉︓早稲⽥⼤学 情報化推進担当部⻑• 2007年9⽉〜2008年9⽉︓早稲⽥⼤学 理⼯学部 情報理⼯学科 主任• 2009年1⽉〜2010年11⽉︓ 早稲⽥⼤学 研究推進部⻑• 2010年11⽉〜2014年11⽉︓早稲⽥⼤学 理事(研究推進総括、情

報化推進)• 2014年9⽉21⽇〜︓早稲⽥⼤学 図書館⻑• 2016年9⽉〜︓早稲⽥⼤学 漕艇部⻑

実は、某国⽴⼤学医学部を落ちました

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私の興味「⼈は何を考えて、何を使って、

モノをつくっているのだろうか︖」

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研究上の興味︓⼈は何を考えて、何を使って、ソフトウェアを作っているのだろうか︖

より良い⼿法・ツールを考える

開発

⼿法・ツール ソフトウェア

開発ソフトウェア

ソフトウェア⼯学良いソフトウエアを簡単に作るための⽅法論・技術・考え⽅

私の専⾨分野

歌川広重「東海道五⼗三次」三島(朝霧)

「駕籠に乗る⼈、担ぐ⼈、そのまた草鞋を作る⼈」 5

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図書館の新しい役割り

• 授業と図書館– リエゾン制度の普及

• ⾃学⾃習と図書館– アクティブラーニングとラーニングコモンズ

• 研究と図書館– ⼤学におけるさまざまなプロジェクトへの協⼒

6「図書館」から⾶び出た図書館の実現

所蔵数、書籍の貸出/返却、WINEの機能等については、海外の有名⼤学に引けを取らない

国内⼤学だけでなく、海外⼤学とも可能

書誌データの形式は国際規格準拠

⼗分にグローバル化対応

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リエゾン制度とその評価「リエゾン」︓利⽤者(主に学⽣)と直接接する機会が多い図書館職員

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学生等参加者数(人)

図書館職員講師数(人)

図書館職員サポート員数(人)

開催数(回)

1.学部新入生向けオリエンテーション 5,365 17 17 17

2.大学院新入生向けオリエンテーション 1,155 16 13 18

3.教員向け各種講習会(オリエンテーションも含む) - - - -4-1.授業支援:

学部・研究科単位 4,991 79 186 1484-2.授業支援:

個別授業・ゼミ対応 1,417 71 89 665.就職支援 - - - -6.図書館主催企画など 455 46 81 64

合計 13,383 229 386 313

2013年度 15,818 247 511 334

政経・⽂「基礎演習」等

法「導⼊演習」の⼀部、理⼯での「SciFinder講習」など

これ以外に、・セルフツアー(通年、参加者2,097⼈)・Library Week(春・秋開催、参加者1,402⼈)・ビブリオバトル(8、11⽉開催、参加者94⼈)・図書館ボランティアスタッフLIVS企画(7件)など

更なる⽀援の模索

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新しい教育法• 学部教育の新たなパラダイムシフト

– 学習理論が、知の伝達から、知識の創出・⾃主的学習へ移⾏

– 「アクティブラーニング」の強調• 「反転学習」、「プロジェクトベース学修」、

「対話型学習」などにより実現

• 図書館資料の積極的な活⽤も含め、学⽣、研究者が⾃ら課題を発⾒し、相互に⾃由闊達な議論を展開できるような学習空間を早急に拡充していく必要性

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新しい学修環境(学術情報基盤)の構成要素

• コンテンツ• ⼈的⽀援• 学修空間

– 多様な学習活動に対応可能な空間を⽤意– 各空間の開放性、透明性を⾼くすることが重要

– 新しいタイプの教室の整備• 机や椅⼦を⾃由に移動• 電源、LAN,⼤型ディスプレイ等の利⽤

– ラーニングコモンズの整備

9⽂部科学省「学修環境充実のための学術情報基盤の整備について(審議まとめ)」から引⽤

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学修用コンテンツ

• 電⼦媒体、印刷媒体にかかわらず、学⽣のニーズに応じて、迅速な利⽤が必要不可⽋

• コンテンツの電⼦化の状況– 洋雑誌や洋書については電⼦化が進展– 和書の電⼦書籍での提供はビジネスモデル構築の

必要性などにより未発達

– OCWの活⽤やMOOC等のオンライン教育は、授業の質的改善がメリットの⼀つ

– 機関リポジトリを活⽤• 成果として発表された論⽂や書籍等の元となるデータを

直接利活⽤– 教材・授業等の電⼦的利活⽤

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⼈的⽀援• 「⼈」による⽀援が不可⽋

– 教員や⼤学院学⽣等による学⽣を⽀援する体制の構築– 図書館職員︓様々な学修を⽀援する活動の企画・実施

を担当する専⾨職として、教員や他の職員とも異なる中間職的な⼈材として位置付け

– 学⽣同⼠が⽀援し合うピアチュータリングも有効

• 最も難しく、最も⾼価

• ITによる、できるだけの代替– 各種ソフトウェアの導⼊

• 例︓学術情報・研究成果の収集と管理、共有、情報発信を⽀援サービスRefWorks

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ラーニングコモンズ• 様々な学習スタイルに対応できる活動スペース

• 学習のためのワンストップサービス– ITに関するヘルプデスク– レポート/論⽂作成⽀援デスク– 図書館のサービス

• 新しい図書館のあるべき姿の⼀形態

• 空室に什器を置くだけでは、ラーニングコモンズとは⾔えない︕

• どのような機能をもたせるのかが最重要 12

学⽣ラウンジとの差別化が必要

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同志社⼤学 良⼼館• クリエイティブコモンズ(2F)

– インフォメーションカウンター︓受付– プレゼンテーションコート︓柔軟なイベント開催場所– インフォダイナー︓プロジェクターとホワイトボード– グループワークエリア︓台形、四⾓、勾⽟型の机– グローバルビレッジ︓多⽂化交流

• リサーチコモンズ(3F)– アカデミックサポートエリア︓個⼈・グループ対象– グループスタディールーム︓電⼦⿊板、ホワイトボー

ド、可動式机・椅⼦– ワークショップルーム︓クローズド/オープンタイプ– マルチメディアラウンジ︓映像の編集・加⼯スタジオ– プリントステーション︓印刷物全般の作成 13

国内最⼤級2F・3F合わせて、約2550㎡

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同志社⼤学 良⼼館のスタッフ• アカデミック・インストラクター(専属教員3名)

– 社会学・教育社会学、図書館情報学、⽇本語学• 情報探索アシスタント(図書館員)

– 専⾨データベース等により学習に必要な情報の探し⽅を⽀援• ラーニング・アシスタント(さまざまな分野の院⽣)

– 勤務シフト表の公表• 学習⽀援コーディネーター

– 設置されている先進的ICT機器の活⽤法のアドバイス• 留学コーディネーター/留学アシスタント• 学⽣スタッフ• ICTサポートスタッフ

– 基礎的な操作、動画編集やフォトレタッチなどのアドバイス• プリントステーションスタッフ

– デザインや著作権に関する相談も• 受付オペレータ(各ブースの予約や機械の貸出・返却等)

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本学のラーニングコモンズのあるべき姿• ラーニングコモンズは、

– 学内に分散して設置すべきである– 学部・⼤学院など学⽣のレベルであるべき

姿が異なるべきである– 社会科学系・⼈⽂科学系・⾃然科学系など

⼤まかな専⾨分野で異なるべきである– 多分野にまたがる学⽣の共同学習を推進す

べきである– さまざまな機能をラーニングコモンズに展

開すべきである

15学内にさまざまなラーニングコモンズを実現

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今後考えていくべきこと• ラーニングコモンズにおける学習・研究⽀援環境

の実現– どんな機能を持たせるべきか

• 飲⾷、各種相談(ライティングセンター、留学、カウンセリング等)、英語スペース等

– 更なる図書館としてのサポート– 各学術院、研究科等との連携、協⼒体制の構築

• 助⼿・助教の活⽤– 什器、ハードウェアの追求

• 協同学修を⽀援するハードウェアのあるべき姿– ⽀援ソフトウェアの実現・選定– ⼤学院学⽣等をどのように利⽤していくか

• ⾮常に質の良いスチューデントジョブ– 学⽣・教員等への周知 16

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部局予算の減少

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運営費補助金の合計

人件費・奨学金・個人研究費・収入見合・外部資金を原資とする経費を除く経常予算すべて

早稲田大学 全国立大学法人の合計

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考え⽅の道筋• 予算が減少

• やりたいこと/やれていたことができなくなる

• 他⼤学と部分的に組んで、マスメリットを活かせないか

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早慶図書館システム共同運⽤

仮想的な早慶⼤学図書館利⽤者︓約9万6千⼈所蔵冊数︓1000万冊以上

早稲⽥⼤学図書館利⽤者︓約5万8千⼈所蔵冊数︓約580万冊

慶應義塾⼤学メディアセンター利⽤者︓約3万8千⼈所蔵冊数︓約490万冊

ヘタをすると、「1法⼈2⼤学」とか、「吸収合併」などと⾔われかねない

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早稲⽥⼤学図書館の課題1. 現⾏の図書館システムは、既製(開発ではなく購⼊)

のシステム(⽶国製)を20年近く使⽤ 紙媒体資料の処理を前提にしており、現在資料費の6割をも占

める電⼦資料に⼗分な対応不可能 国内では唯⼀のユーザであり、⽇本語処理の不具合、⽇本語に

よるサポートが受けられない等、厳しい状況 現在のソフトのサポートが2019年9⽉末で終了となる予定

2. 書誌データ作成(委託︓完成品購⼊)費⽤は、度重なる予算削減に対応するため、業務を⾒直しつつ削減してきたが、現在の仕組みではほぼ限界

新しいシステム・抜本的な仕組みの改善が望まれる

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(偶然なことも含む)早慶図書館の関係• 早慶図書館は、1986年より図書館間で相互利⽤協定

を締結– 図書の貸し借り(ILL)などで協⼒– 各種業務・サービスの共同化の可能性を継続的に検討– 海外における図書館システムの複数館(コンソーシアム)

での共同利⽤事例の増加も研究(⽇本では皆無)• 新システム導⼊時期の⼀致• 極めて類似した書誌の保存形式の採⽤

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早慶で図書館業務の共同化ができないか︖

「⾃分の⼤学で購⼊した書籍は、⾃分の⼤学の教職員・学⽣だけのものである」という概念を捨てよう︕

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共同利⽤の概要

① 紙資源・電⼦資源を統合管理できる新図書館システムの共同利⽤

② 書誌データの共同調達体制の確⽴

★ Vision150 -- 対応する核⼼戦略 ★12. 進化する⼤学の仕組みの創設本提案の実現により、他⼤学と競争するだけでなく、協⼒できる部分は積極的に⼿を結び、共同化により双⽅でコスト削減を達成

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書誌データ共同調達のイメージ

早稲⽥ 慶應

◆現状・早慶で別々に書誌データを調達(作成)・重複するものが多い(早稲⽥側の約50%)

◆共同化達成後早慶で共同調達することにより• 重複部分の費⽤削減(半減)• スケールメリットによる調達

コスト⾃体の削減が期待

早稲⽥

固有

慶應固有

重複部分約18,000件

*書誌作成数(2013~15年度の平均)

約42,000書誌/年約36,000書誌/年

早慶で全体約60,000件/年

早慶合計で約78,000件/年

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「吾輩は猫である」(書誌データ)

図書館システムの構造

「吾輩は猫である」(書誌データ)

夏⽬漱⽯「吾輩は猫である」

岩波書店, 1980

Y 図書館にあり

X 図書館にあり

リンク

書誌データ(どのような本か︖)

所蔵データ(どこが持っているか︖)

利⽤者データ(誰が借りられるか/借りてい

るか︖)

Bさん

Cさん 貸借

Aさん

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リンク

A先⽣

B君

C君

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書誌データ作成(業者)

図書館システム

システム初期イメージ図

早稲⽥⼤学図書館

慶應義塾⼤学メディアセンター

早慶の書誌データ(共有) クラウド環境

委託(購⼊)

委託(購⼊)

ローカルデータ(利⽤者・所蔵)

ローカルデータ(利⽤者・所蔵)

データ

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現在開発中のシステムの構成(利⽤者⽬線)

仮想的な早慶共同図書館システム

早稲⽥⼤学図書館

慶應義塾⼤学メディアセンター

検索

25Copyright ⓒWaseda University 2018. All rights reserved.早慶の教職員・学⽣など

貸出し/返却 貸出し/返却

トラック便

約580万冊 約490万冊

約1070万冊

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現在開発中のシステムの構成(図書館員⽬線)

仮想的な早慶共同図書館システム

早稲⽥⼤学図書館システム

慶應義塾⼤学図書館システム

26Copyright ⓒWaseda University 2018. All rights reserved.

早稲⽥の図書館員

書誌データ作成センター

①購入した書籍

②購入した書籍+書誌データ

③書誌データ登録

④即時自動反映

慶應の図書館員

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期待される効果

サービスの向上 書誌データ統合による

検索の利便性向上 資料相互利⽤(ILL)

の拡⼤

早慶で重複する資料は共同でデータを購⼊

既存の書誌データ作成環境(場所)の再活⽤

早慶での共同選定(調達)によるディスカウント

早慶での共同利⽤による運⽤経費の削減

国内での先進事例 他⼤学への影響

(システム共同利⽤への参加校の増加)

書誌データ調達コストの削減

システム調達・運⽤コストの削減

影響⼒強化

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⼤まかなスケジュール⽇程 イベント2017年5⽉ 早慶プロジェクト設置・覚書締結(プレスリリース)2017年8⽉ RFPを国内外図書館システムメーカー8社へ提⽰2017年11⽉ 提案を絞り込み、Ex Libris社の製品を選定2018年2⽉ 早慶双⽅でEx Libris社と契約締結(翌3⽉︓プレスリ

リース)2018年3⽉ 新システム導⼊に向けた準備作業を本格化2018年10⽉~翌7⽉ 利⽤規定などのルール改定作業2018年10⽉ 新システム導⼊に向けたプロジェクトを正式稼働2019年1⽉、5⽉ データ移⾏テスト実施(2回)2019年1⽉〜翌7⽉ 本番環境を使った準備作業(システム設定、スタッフ

教育等)2019年8⽉ 本番データの移⾏2019年9⽉(予定) 新システム・⽬録センターの稼働

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プロジェクト体制・早慶で合同の会議体を設置・その下に各役割別のサブグループを設置

総務 発注/⽬録/配送 電⼦資料 閲覧/ILL システム

早稲⽥⼤学図書館

慶應義塾⼤学メディアセンター

早慶図書館システム共同運⽤検討会議

29Copyright ⓒWaseda University 2018. All rights reserved.

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海外におけるシステム共同化の事例コンソーシアム名 参加数 地域

BIBSYS 100以上 ノルウェー

Orbis Cascade Alliance 37 ワシントン州

オレゴン

Washington Research Library

Consortium (WRLC)

9 ワシントンDC

Special Libraries of

Saskatchewan (CASLS)

7以上 カナダ

Swedish Library Consortium

(GSLG)3 スウェーデン

⾹港主要8⼤学(JULAC) 8 中国(⾹港)

1. システムの共同利⽤を⽬的としたコンソーシアムが世界的に増えつつある(国内にはまだない)

2. ここに上げた事例はすべてAlmaシステムを利⽤

3. ⾹港の事例は、漢字圏での⼤規模な例である。移⾏前は早稲⽥と同じIII社システムを採⽤

早慶での共同化、そして更なる拡⼤へ

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まとめ〜現時点までの感想〜

• 初めての組織的な早慶協⼒– いつもは「早慶戦」

• 早稲⽥⼤学から⾒て43勝1分13敗(2017年度)• ゴルフから⿇雀まで、さまざまなOB会の「早慶戦」

• 相⼿が慶應だから可能だった– ⽇頃から、深い協⼒関係

• 1986年に協⼒協定締結• 館⻑同⼠も、職員同⼠も、以前からの顔なじみ

– 同じ書誌形式– 規模がほぼ同じで、Win-Winの関係に

• これを機に、業務の⼤きな⾒直し– ある意味「外圧」

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Thank you...

ご質問・ご意⾒等は[email protected] まで

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