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第一章 難燃剤とは
平成28年10月20日
主婦会館
臭素科学・環境フォーラム日本
代表・プログラムディレクター
(環境・難燃コンサルタント)
上林山 博文
平成28年10月24日 難燃学入門フォーラム
1
本日の講演内容
1.1 はじめに(「難燃学入門」執筆における活動の背景・経緯) BSEF Japanの取組と執筆への思い 1.2 難燃剤の種類と用途 1.3 難燃剤の必要性 1.4 難燃剤の歴史 1.5 H26年版消防白書データの紹介 1. 6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
2
1.1 はじめに(「難燃学入門」執筆における活動の背景・経緯)
1)BSEF Japan の取組
有識者講演と懇親の集い (2013-2015)
1) 第1回講演者 :明治大学 北野教授
「化学物質管理の最近の動向-----SAICM及びPOPs条約について」
2) 第2回講演者 :産総研 恒見グループ長
「化学物質管理:リスクトレードオフの手法と事例について」
3) 第3回講演者 :英国政府 Mr.Steven Andrews
「Update on EU RoHS, WEEE & other Related Issues 」
4) 第4回講演者 :淑徳大学 北野教授
「POPRCにおけるAnnexDの適用とDecaBDEの議論
及び今後の見通し」
5) 第5回講演者: Dr. Jurgen Troitzsch
「Updates on Fire Safety Regulations, Standards and Tests for
Bus, Coach and E&E External Ignition ]
6) 第6回有識者(各団体話題提供者)意見交換第
7) 第7回有識者講演とパネルディスカッションについて (2015年4月実施)
建物、自動車や船舶、家電製品等の火災事故統計データを基に、難燃剤の機能と役割・重要性等を議論
↓
火災から生命と財産を守る難燃剤について (環境情報科学へ総括論文として投稿し、本年3月25日発行掲載)
↓
「難燃学入門」執筆へ
3
・プラスチックは燃えにくい?
・ハロゲンは本当に悪か?
・火災が発生した場合に失うものは?
・火災の原因は?
・難燃剤も化学物質であり、その人・環境へのリスクは?
火災による人的・経済的な損失を防止し、その尊い財産や命を守っているのが、難燃剤(火災安全)
また、一方では、難燃剤は化学物質であり、その化学物質が もたらす人や環境へのリスクは?(化学物質リスク)
火災安全と難燃剤・化学物質リスクのトレードオフの議論も必要。
本書籍「難燃学入門」から理解できることを願っている。
1.1 はじめに(「難燃学入門」執筆における活動の背景・経緯)
2)「難燃学入門」に向けた執筆への思いについて
4
1)構成成分による分類
有機難燃剤
ハロゲン系
リン系
その他(複合型等)
無機系難燃剤
金属水酸化物
アンチモン系
その他(赤リン系を含む)
2)使用法による分類
添加型難燃剤
有機系
無機系
反応型難燃剤
ビニル基含有系
エポキシ基含有系
水酸基含有系
カルボン酸含有系
その他
1.2 難燃剤の種類と用途
5
1.3 難燃剤の必要性
6
1.4 難燃剤の歴史と今後
1786年 フランス劇場火災事故 繊維の難燃化開始 18世紀 硫酸アンモニウム処理の発見 19世紀 アンモニウム塩に錫酸塩とタングステン酸塩の耐水性コーティング 1826 A. J. バラール(仏)臭素発見 臭素系難燃剤の開発へ 20世紀 1970年前後から難燃化技術の進歩 塩素化パラフィンと酸化アンチモンの組み合わせ発見(米空軍) 1980年頃 縮合リン酸エステル開発 1990年代 臭素系難燃剤の急速な普及とダイオキシン問題発生 1990年代後半 リン系難燃剤への一部代替へ 2000年代- POPs条約での議論・規制 2020年- WSSD 2020 年目標である科学的根拠に基づくリスク評価手順 を用いて、人健康・環境への影響を最小化する方法で利用される 難燃剤の開発
7
1.5 H26年版消防白書データの紹介
1) 火災の状況
1) Situation of fire
年度 平成15年 平成24年 平成25年 増減 増減率
Year 2003 2012 2013 Increase and decrease
Rate of Change
区分 Classification (A) (B) (B)-(A) (B/ A)×100
(C) (%)
建物火災 Building fire 32,534 25,583 25,053 △530 △2.1
林野火災 Forest fires 1,810 1,178 2,020 842 71.5
車両火災 Vehicle fire 7,366 4,549 4,586 37 0.8
船舶火災 Ship fire 136 87 91 4 4.6
航空機火災 Aircraft fire 3 1 3 2 200
その他の火災 Other fire 14,484 12,791 16,342 3,551 27.8
出火件数 Total Fire number 56,333 44,189 48,095 3,906 8.8
死者 Death 2,248 1,721 1,625 △96 △5.6
負傷者 Injury 8,605 6,826 6,858 32 0.5
8
1.5 H26年版消防白書データの紹介
2) 主な出火原因別の出火件数 2013年
2) Number of Fire by the main cause of the fire in 2013
Origine(Cause) of Fire Number of Fire
放火 Arson 5,093
たばこ Cigarette 4,454
たき火 Bonfire 3,739
こんろ Stove 3,717
放火の疑い Suspicion of arson 3,693
火入れ Fire pan 2,095
ストーブ Stove 1,455
電灯電話等の配線 Wiring of electric light phones, etc. 1,301
配線器具 Wiring accessories 1,219
火あそび Fire play 1,185
電気機器 Electric equipment 994
マッチ・ライター Match Lighter 811
排気管 Exhaust pipe 740
電気装置 Electrical device 653
灯火 Lamplight 521
焼却炉 Incinerator 483
Unknown 15,942
Total 48,095
9
1.5 H26年版消防白書データの紹介
CEATEC Japan 2016 (7年連続出展)の意識調査(火災発生原因について)結果
【質問4】火災の発生原因の第一位についてお答えください。
たばこ 186
放火 49
焚き火 41
コンロ 84
52%
14%
11%
23%
【質問4】火災の発生原因の第一位調査結果グラフ
たばこ 放火 焚き火 コンロ
10
2415 2559
2709 2786 2931
3102 3159 2935
2741 2622
2414 2183
1949 1779 1763
1558 1761
1651
505 558 519 472 554 567 530 444 415 414 368 327 263 251 247 220 214 219
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
車両火災件数 車両火災のうち衝突により発火した火災件数
件
(3)-1 自動車火災の統計データの紹介 (1995-2012)
1.5 H26年版消防白書データの紹介
11
800
333
228 145 141
77 40 7
644
449
133 208
64 62 46 12 5
522
0
200
400
600
800
1000
自動車本体が第一着火物になった場合の
着火物別自動車火災件数(1995年と2012年)
(消防庁火災報告データから作成)
1995年 2012年 件
(3)-2 自動車火災の自動車本体の第一着火物要因と件数
1.5 H26年版消防白書データの紹介
12
1.6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
13
FR Market Statistical Data (1986-2014) in Japan (Data Source ; The Chemical Daily)
1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
BFR (t) 20,000 27,610 40,650 45,900
51,450
59,930 62,825 67,250 63,300 73,900 71,650 60,500 53,790 44,320 43,850
PFR (t) 8,600 8,950 9,150 9,310
10,810
9,100 28,000 28,500 26,500 30,500 31,000 28,500 28,500 29,000 29,000
CFR (t) 4,750 5,350 5,200 5,400 5,200 5,260 5,200 5,200 5,200 4,900 4,900 4,900 4,600 4,600 4,600
Inorganic FR (t)
63,500 56,340 61,400 69,500 68,000 70,000 69,000 68,500 69,000 79,000 77,000 71,500 67,200 67,530 67,837
All FR total 96,850 98,250 116,400 130,110 135,460 144,290 165,025 169,450 164,000 188,300 184,550 165,400 154,090 145,450 145,287
1.6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
14
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
180,000
200,000
1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
FR Market Statistical Data in Japan
BFR (t)
PFR (t)
CFR (t)
Inorganic FR (t)
All FR total
1.6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
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1.6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
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1.6 難燃剤種類別の推定需要量と今後の見通し
<難燃剤活用3要素> 1.パフォーマンス(難燃性) 2.製品の品質(化学物質管理と物性含む) 3.コスト(製造・物流・廃棄までのトータルコスト) <今後の見通し・ポイント> 1.消防白書の解析 2.火災原因第一位 放火への対応 3.自動車の軽量化(CFRP) 4.センサー技術の進歩・活用 5.環境配慮 特に、難燃メカニズムから、難燃性能の卓越した難燃剤の開発を!
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• ビデオの紹介
アニメーションビデオ ・火災安全と臭素系難燃剤 ・臭素の効用(1) ・臭素の効用(2)
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