20
1 児童ポルノ排除対策公開シンポジウム テーマ:児童を性的搾取の被害から守るために 平成28年11月22日 パネルディスカッション 「児童の性的搾取等の現状と対策について」 警察庁生活安全局少年課長 小西 康弘 児童の性的搾取等の現状と 対策について 警察庁生活安全局少年課 課長 小西 康弘 警察庁の小西でございます。よろしくお願い申し上げます。

児童の性的搾取等の現状と 対策について · 児童ポルノ排除対策公開シンポジウム テーマ:児童を性的搾取の被害から守るために

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

1

児童ポルノ排除対策公開シンポジウム

テーマ:児童を性的搾取の被害から守るために

平成 28 年 11 月 22 日

パネルディスカッション

「児童の性的搾取等の現状と対策について」

警察庁生活安全局少年課長 小西 康弘

児童の性的搾取等の現状と対策について

警察庁生活安全局少年課

課長 小西 康弘

警察庁の小西でございます。よろしくお願い申し上げます。

2

本日の流れ

■ 児童の性的搾取等とは

■ 児童ポルノ事犯の現状と対策

■ 児童買春事犯の現状と対策

■ 児童の性に着目した営業の現状と対策

(いわゆる「JKビジネス」を例に)

■ 児童の性的搾取等に係る対策の基本計画の策定

本日の流れですが、児童の性的搾取等とは何かという話をご案内して、その後、この分野の総合調整

事務を国家公安委員会(警察庁)がつかさどることになりましたので、児童の性的搾取等の現状と対策

について、児童ポルノ事犯、児童買春事犯、児童の性に着目した営業(いわゆるJKビジネスを例に)

の順で取り上げ、最後に政府全体の新たな基本計画の策定についてお話をしたいと思います。

なお、説明の中で意見にわたる部分は、私見であることをあらかじめ申し添えます。

3

児童の性的搾取等とは

児童(18歳未満の者)

自己の性的好奇心を満たす目的

又は

自己又は第三者の利益を図る目的

児童買春、児童ポルノの製造等

児童の性に着目した営業による児童福祉法違反

これらに類する行為

これらの助長行為を含めて「性的搾取等」と呼称

(平成28年3月29日付け閣議決定から)

まずはじめに、児童の性的搾取等についてご説明します。

政府では、内閣の重要政策として児童の性的搾取等に係る対策に総力を挙げて取り組むべく、いわゆ

る内閣官房・内閣府の機能見直し法に基づき本年3月の閣議決定により、児童の性的搾取等に係る予

防、取締り、撲滅に向けた啓発及び被害児童の保護等の対策に関し、国家公安委員会(警察庁)が総合

調整事務を行うことになりました。

この「児童の性的搾取等」についですが、自己の性的好奇心を満たす目的又は自己若しくは第三者の

利益を図る目的で、「児童買春、児童ポルノの製造その他の児童に性的な被害を与える犯罪行為をする

こと」及び「児童の性に着目した形態の営業を行うことにより児童福祉法第 60 条に該当する行為をす

ること」並びに「これらに類する行為をすること」を児童に対する性的搾取と定義し、さらに、これら

の助長行為を含めて、性的搾取等と定義しています。例えば、児童買春の周旋、児童買春目的の人身売

買、児童の性に着目した営業のための場所の提供あるいは児童ポルノの提供を目的としたウェブサイト

の開設なども性的搾取の助長行為として、幅広く性的搾取等の視野に入れています。

4

「第三次児童ポルノ排除総合対策」(平成28年7月犯罪対策閣僚会議決定)

・低年齢児童ポルノ愛好者グループの徹底検挙、関連事業者に対する責任追及等

・警察庁ウェブサイト「NO!!児童ポルノ」、政府広報等による広報・啓発活動等

・フィルタリングの普及、インターネットの危険性及び適切な利用に関する広報・啓発活動等

悪質な児童ポルノ 事犯の取締りの強化

インターネッ ト 上の児童ポルノ 画像等の流通・ 閲覧防止対策の推進

被害児童の早期発見・保護及び支援活動の推進

児童ポルノ排除総合対策における警察の取組

児童ポルノ の排除に向けた広報・ 啓発活動の推進

・違法情報の排除、ブロッキングの支援、広報・啓発活動等

国際連携の強化

・外国捜査機関等との連携による国外犯の取締り、世界的連携への積極的な参画等

被害防止対策の推進

・サイバー補導、少年相談、継続的支援、協同面接(警察・検察・児童相談所)

児童ポルノ対策についてご説明します。

今年の7月に、犯罪対策閣僚会議で「第三次児童ポルノ排除総合対策」が決定されました。この中で

警察による主な取組として6本柱が挙げられています。児童ポルノ事犯の取り締まりから、被害児童の

発見・保護、支援活動、あるいは児童ポルノ画像等の流通、閲覧防止対策等々と、幅広い内容が記載さ

れています。

5

検挙事例を一つご紹介したいと思います。これはICPOから寄せられた、日本が犯行場所と思われ

る児童ポルノに関する情報に基づき、京都府警が被疑者を検挙した事例になります。寄せられた情報の

内容が、京都市内で撮影されたと推測される、男児が被害者である児童ポルノであったことから、京都

府警が捜査を開始しました。捜査の結果、被害児童を特定・保護し、その後の被害児童の事情聴取結果

などから被疑者を特定し、逮捕しました。

押収したパソコンのデータを解析したところ、児童ポルノとみられる動画、写真が大量に発見されま

した。被疑者は児童ポルノ画像を一人で楽しむだけではなく、インターネットの掲示板等で知り合った

他の男性との間で、児童ポルノ画像を交換しあうグループを形成していたことから、今年の9月までに

5人の被疑者を検挙し、被害児童 47 人を特定・保護しました。

6

児童ポルノ事犯の送致状況

H23 H24 H25 H26 H27 H27上 H28上1455 1596 1644 1828 1938 831 1023676 645 797 909 1063 461 622676 834 796 887 825 354 375103 117 51 32 50 16 261016 1268 1252 1380 1483 658 742600 531 646 746 905 384 781被 害 児 童 数

送 致 件 数製 造 事 犯

提 供 ・ 公 然 陳 列 事 犯

送 致 人 員

所 持 等 事 犯

(件、人)

(暫定値)

児童ポルノ事犯の現状をご説明します。

児童ポルノ事犯につきましては、児童買春・児童ポルノ禁止法が平成 11 年に施行され、平成 12 年か

ら統計を取り始めていますが、基本的には右肩上がりで増えています。この中で赤の折れ線グラフで記

載してある被害児童数とは、「児童ポルノ事犯の検挙を通じて、新たに特定された被害児童の数」で

す。毎年これだけの数の被害児童が純増で増えているというのが現状です。

7

児童ポルノの製造手段別内訳(H27)

※1 「自画撮り」形態は、だましたり、脅したりして児童に自分の裸体を撮影させた上、メール等で送らせる形態をいう。※2 「淫行行為」は、「青少年育成条例違反(淫行行為)」をいう。

被害児童総数905人

被害児童について、平成 27 年の製造手段別内訳を見ると、自画撮りによる製造が一番多く、全体の

約4割を占めています。自画撮りによる製造とは、児童をだましたり、脅したり、言葉巧みに子ども自

身に、自分の裸体を撮らせ、それを携帯電話等のメール等で送らせることをいいます。ここ数年これが

非常に増えてきています。

他にも強姦、強制わいせつといったそれ自体が性犯罪である手段により児童ポルノを製造している児

童ポルノ事犯も依然としてあります。

8

自画撮り被害に遭った児童の推移

(暫定値)

自画撮り被害の児童数についてですが、右肩上がりの状態です。ここでお伝えしたいのは、SNS等

のコミュニティサイトを利用した中で被害に遭った児童数が右肩上がりであり、その中でスマートフォ

ンを使用して被害に遭った児童数も右肩上がりの状態であるということです。自画撮り被害の対策とし

て、コミュニティサイト対策というのが極めて大事であると認識しています。

9

自画撮り被害に遭った児童と加害者との関係別の割合(H28上半期【暫定値】)

(1人)

(19人)

自画撮り被害に遭った児童と加害者との関係についてご説明します。自画撮り被害に遭った児童と加

害者との関係は、面識のない者が約8割を占めました。面識のない人とコミュニティサイトを通じて、

知り合いになり、仲良くなって、児童ポルノを送ってしまっているというのが現状です。

10

警察庁ウェブサイト~広報啓発

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/no_cp/index.html

広報啓発についてご説明します。広報啓発については、警察庁だけでなく、他省庁も行っていると思

います。警察庁では「NO!!児童ポルノ」というウェブサイトを作成し、被害の実態や被害防止のための

対策に関する情報提供を行っています。

11

児童ポルノ流通・閲覧防止対策

インターネット・ホットラインセンター

警察庁

● 平成23年4月21日から一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会に加盟している一部プロバイダ等によるブロッキングが開始され、その後も順次プロバイダ等が参加している。● ブロッキングには、プロバイダのほか、検索サービス事業者、フィルタリングサービス事業者も参加しており、検索結果からの非表示措置なども講じられている。

インターネット上の児童ポルノ情報を把握

サイト管理者等

・プロバイダ・検索サービス事業者・フィルタリンングサービス事業者

・児童ポルノ該当性判断・児童ポルノアドレスリストの作成・プロバイダ等へのアドレスリストの提供

など

アドレスリスト作成管理団体

提供

提供

加盟事業者

削除依頼

ブロッキング

ICSA

情報提供

捜査→被疑者検挙被害児童保護

都道府県警察削除依頼

サイト管理者等

報告情報提供

また、警察ではインターネット上の児童ポルノの流通・閲覧を防止するため、民間の事業者の方々と

協力して取組を進めています。

12

児童買春事犯の送致状況

(暫定値)

H23 H24 H25 H26 H27 H27上 H28上842 695 709 661 728 360 399662 579 641 587 630 313 339619 471 462 466 518 262 317

送 致 件 数送 致 人 員被 害 児 童 数

(件、人)

ここから児童買春事犯の現状と対策についてご説明します。グラフは、平成 17 年以降の児童買春事

犯の送致状況を示しています。毎年、送致人員、送致件数が減っていましたが、平成 24 年ごろが底に

なり、平成 26 年以降はまた増加傾向を示してきています。今年の上半期も昨年よりも多いペースで推

移しており、憂慮すべき状況と考えております。

13

出会い系サイト・コミュニティサイトに起因する児童買春事犯の現状

(出典)「平成27年における出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」(警察庁情報技術犯罪対策課)

160 117

71 74 43

176 182 226

260

359

0

50

100

150

200

250

300

350

400

H23 H24 H25 H26 H27

児童買春(出会い系サイト起因) 児童買春(コミュニティサイト起因)(人)

このグラフは、出会い系サイト・コミュニティサイトに起因する児童買春事犯の被害児童数のグラフ

です。

出会い系サイトに関しては、平成 20 年の出会い系サイト規制法の改正により、届出制になり、被害

防止義務が事業者の方に課されるという中で、被害児童数はずっと減少傾向を示しています。他方で、

コミュニティサイトについては増加傾向をずっと示しています。

14

インターネットに起因する犯罪から児童を保護するためのサイバー補導の推進

インターネット空間

書き込み

概 要

割り切りで会える人いませんか(^0^)/

売春組織

背 景

児童の福祉犯等被害増加

パソコン スマ

急速に普及するスマートフォン 児童による援助交際等の書き込み多発

援助交際を求める児童を狙った売春組織の出現

街頭補導による被害防止困難 新たな対策

の必要性

サイバー補導

連 携

サイバーパトロール

検 挙

インターネットに起因する犯罪から児童を保護

児童が援助交際を求める等のインターネット上の不適切な書き込みをサイバーパトロールによって発見

し、書き込みを行った児童と接触して直接に注意・指導等を実施 → サ イ バ ー 補 導

交信 交信

会いましょう

買春客

児童

接触

福祉犯被害捜査部門

警察では、インターネットに起因する児童買春等の犯罪から児童を保護するため、平成 25 年からサ

イバー補導を行っています。コミュニティサイトへの書き込みを発端として児童買春等の被害が発生し

ているということがありますので、その書き込みを警察が発見し、児童が被害に遭わないように補導し

ようという取組です。昨年は 600 人を超える人数を補導しました。この取組においては、警察が児童と

SNS 等のコミュニティサイト上でやり取りをするわけですが、補導に至るまでに大変なやり取りがあり

ます。警察が子供とのやり取りに慣れていないことなど様々な要因によって、警察であることを見抜か

れてしまい補導に至らないなど、サイバー補導は隘路に差し掛かっていると考えられ、非常に工夫を要

する状況です。

15

いわゆる「JKビジネス」の類型

○ JKビジネスについての法令上の定義はない。

○ 営業実態に鑑みて、主に以下の8つの類型が認められる。

①リフレ

女子従業員に制服やパジャマ等を着用させ、個室においてマッサージ、添い寝等を行う形態の営業

②散歩

女子従業員が「散歩」と呼ばれる屋外デート等のサービスを提供する営業

③リフレ・散歩複合

営業形態は「リフレ」と同じだが、オプションに「散歩」が含まれる形態の営業

④喫茶

カウンター、テーブル等を設置した店内において、飲食物を提供し、女子従業員が接客する形態の営業

⑤見学

制服姿の女子従業員や客の注文に応じてポーズを取った女子従業員をマジックミラー越しにのぞき見させる形態の営業

⑦撮影

個室又は屋外において、制服姿や水着姿等の女子従業員を撮影させる形態の営業

⑥ガールズ居酒屋女子従業員に肌の露出の多い水着や下着を着用させ、酒肴を運んだ際に客の面前で卑猥なダンスをさせる等のサービスを提供する形態の営業

⑧コミュ

女子従業員との会話を主体とするサービスを提供する形態の営業

○ 警察の取締り等に応じて、新たな形態が現れている。

児童の性に着目した営業の現状と対策についていわゆるJKビジネスを例にご説明します。

いわゆるJKビジネスは、女子高校生、女子中学生等の児童の性に着目した営業であり、風適法等の

適用対象にならないような業態で、児童によるサービスをうたい文句にしているというものです。いわ

ゆるJKビジネスについては、平成 22~23 年ごろから大都市圏を中心に増えてきています。

サービスの内容については、児童が添い寝をするようなものから、一緒に散歩をするようなものま

で、いろいろな形態があります。

16

いわゆる「JKビジネス」に対する対策

取締り等の推進

○ 労働基準法(有害業務の就業制限)、児童福祉法(有害支配)等を適用した取締り

○ 業務に従事している女子高校生等に対する補導、立直り支援、カウンセリング

検挙・補導事例

○ 女子高生を雇い入れ、店内の個室において、客の求めに応じて体を接触させるなどのサービス(「リフレ」)を行わせていた事例 → H27年1月、労働基準法違反により検挙

○ 女子高生を雇い入れ、カウンセリングと称し店内の個室において、客を相手にわいせつな

行為をさせていた事例→ H28年9月、児童福祉法違反(淫行させる行為)により検挙

○ H25年12月、H26年11月、東京都秋葉原において稼働する少年に対する一斉補導を実施

条例による規制の例

○ 愛知県青少年保護育成条例において「有害役務営業」を新設(H27年7月施行)

・青少年を営業所で接客業務に従事させることを禁止・青少年を接客業務に従事するよう勧誘する行為を禁止(※)・違反行為に対する罰則、営業停止命令 等

※ H27年8月、有害役務営業の勧誘禁止規定を初適用

いわゆるJKビジネスは、児童に売春行為のようなことをさせている事例もあり、児童の健全育成に

支障があると思われます。いわゆるJKビジネスの営業を行っている事業者の中には風適法の脱法行為

と認められるような営業を行っている者もいるため、労働基準法あるいは児童福祉法等を適用して取り

締まりを行っています。

また、業者は性的サービスを容認していないが、従業員である児童が性的サービスをしてしまった

り、性的サービスを期待する客から性的サービスを強いられてしまうという性的被害も発生していま

す。警察では、このような事案についても検挙を進めているところです。さらに、いわゆるJKビジネ

スに従事する女子高校生を補導し、学校や親御さんに連絡する等の対応をとっております。

いわゆるJKビジネスを規制する条例については、平成 27 年に愛知県が先んじて制定しています。

また、最近の報道のとおり、警視庁が 18 日から新たな規制条例についてパブリックコメントを始めて

おります。これはいわゆるJKビジネスを届出制にした上で、児童が従事したり、客になることを規制

するというものです。そして、それを罰則で担保するというような内容になっており、来年の制定に向

けて準備検討されていると承知しています。

17

保護者 被害児童

○ 支援体制・ 少年サポートセンター・ 少年補導職員 等

○ 相談窓口・ 少年相談室 等

連携 カウンセリング環境の調整等

相談

連携

関係機関・団体

被害少年サポーター(地域ボランティア)

被害少年カウンセリングアドバイザー

(臨床心理士、精神科医等)捜 査 部 門

被害の申告

連絡指導・助言

被害児童の支援

被害児童に対する支援の取組についてご説明します。

スライドは、被害児童に対する支援の流れを示したチャートになります。

18

東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取犯罪捜査官会議

● 東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取犯罪捜査官会議(Conference of Investigators on Commercial Sexual Exploitation of Children in Southeast Asia)

・第14回(平成27年度)開 催 日 :平成28年2月2日及び3日招へい者:カンボジア、インドネシア、フィリピン及びタイの国家警察の担当者 等

国際的な取組についてご説明します。

警察庁では、平成 14 年から、「東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取犯罪捜査官会議」を開催

し、東南アジア4カ国と捜査官レベルでの情報交換を行い、連携関係を構築しています。

この会議については、来年には捜査官会議ではなく、国内の民間団体の方、関係省庁の方、外国機関

の方をお招きし、児童の性的搾取等に関する対策のセミナーを開催する予定で作業を進めています。

19

国家公安委員会(警察庁)

【関係府省庁連絡会議・WG】○ 議長:国家公安委員会委員長○ 内閣官房、内閣府、警察庁、総務省、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の局長級・課長級職員

政府内総合調整

児童の性的搾取等に係る対策の基本計画の策定

平成29年3月を目途に、政府の基本計画を策定予定(第三次児童ポルノ排除総合対策の内容も吸収)

① 児童の性的搾取等の撲滅に向けた国民意識の向上及び国民運動の展開並びに国際社会との連携の強化

基本計画骨子(平成28年9月7日関係府省庁連絡会議決定)

② 児童が性的搾取等の被害に遭うことなく健やかに成長するための児童及び家庭の支援

③ 児童の性的搾取等に使用されるツール等に着目した被害の予防・拡大防止対策の推進

④ 被害児童の迅速な保護と被害からの立ち直り支援

⑤ 被害情勢に即した取締りの強化と加害者の更生

⑥ 児童が性的搾取等の被害に遭わない社会の実現のための基盤の強化

最後に、現在、警察庁では、関係府省庁との間で局長級と課長級の2つの会議を設け、児童ポルノを

含む児童の性的搾取等対策全般に係る初めての政府計画となる、児童の性的搾取等に係る対策の基本計

画の策定作業を行っています。

これまでご説明した児童の性的搾取等をめぐる厳しい情勢に対応して、その撲滅を図るためには、取

締りはもとよりですが、児童、児童の保護者、加害者、性的搾取等に用いられるツール等のそれぞれに

着目して、包括的かつ多角的に取り組んでいく必要があると考え、このような考え方に沿って、先般、

基本計画の骨子となる6項目を決定したところです。

現在、関係省庁において、これらの骨子事項を踏まえ、具体的な施策について検討を進めているとこ

ろでありますが、パブリックコメントというかたちで皆様からもご意見を頂き、真に実行ある計画を策

定できるよう努力する所存です。

20

私からの説明は以上です。ご静聴ありがとうございました。