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災害発生マニュアル 災害は時と場所を選びません。園児の在園時に災害が発 生又は災害の影響を受けた場合には、災害発生の時間帯、 季節等によって、引率者が行うべき避難誘導などの行動が 変わるとともに、その行動により、園児の身の安全等を大き く左右します。 従って、マニュアルに固執するのではなく、その時と場合 によって、臨機応変な対応を行う必要がありますので、幼稚 園や保育園等にあった対策を講じましょう。 しっかりん りすきゅー    くうたん    きっきー 札幌市消防局 http://www.city.sapporo.jp/shobo/pamphlet/top.html

災害発生マニュアル...災害発生マニュアル 災害は時と場所を選びません。園児の在園時に災害が発 生又は災害の影響を受けた場合には、災害発生の時間帯、

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災害発生マニュアル 災害は時と場所を選びません。園児の在園時に災害が発

生又は災害の影響を受けた場合には、災害発生の時間帯、

季節等によって、引率者が行うべき避難誘導などの行動が

変わるとともに、その行動により、園児の身の安全等を大き

く左右します。

 従って、マニュアルに固執するのではなく、その時と場合

によって、臨機応変な対応を行う必要がありますので、幼稚

園や保育園等にあった対策を講じましょう。

しっかりん りすきゅー      くうたん    きっきー

札幌市消防局http://www.city.sapporo.jp/shobo/pamphlet/top.html

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1 災害発生時マニュアル (1)火災発生時マニュアル  ① 火災発生時フローチャート ………………………1  ② 火災発生時マニュアル詳細 ………………… 2~5 (2)地震発生時マニュアル  ① 地震発生時フローチャート ………………………6  ② 地震発生時マニュアル詳細 ………………… 6~8 (3)風水害発生時マニュアル …………………… 9~10

2 教育マニュアル (1)火災編  ① 視聴前 指導方法 ………………………11~12  ② 視聴後 指導方法 ………………………13~14 (2)地震・風水害編  ① 視聴前 指導方法 …………………………… 15  ② 視聴後 指導方法 ………………………16~17

3 災害の発生に備えて ……………………………18~20

 このページは、ご家庭における防火・防災

教育のためのページです。ご家庭における

防火・防災教育に活用して下さい。

4 ご家庭における防火・防災教育のお願い ……21~22

も く じ

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火災発生時マニュアル火災発生時

  マニュアル

1

フローチャート

① 火災発見● 館内の職員に火災の発生を周知する。

② 119番通報● 火災の規模に限らず必ず通報する。

③ 初期消火● 初期消火はできる限り行い、危険を感じた時は避難を優先する。● 出火室から避難する場合は、出火室のドアを閉めて避難する。

④ 避難● クラス毎に園児を集合させ人員確認を行う。● 園児を落ち着かせ、「お・は・し・も」を守るよう指導する。● 姿勢を低くして煙を吸わないように皆で避難する。

⑤ 避難後● 園児落ち着かせるとともに、体調管理をする。● 避難状況を確認する(逃げ遅れがいないか、負傷者がいないか)。● 一度、屋外に避難したら戻らない。

⑥ 消防隊への報告● 避難状況(逃げ遅れの有無)● 負傷者状況(負傷者の人数、負傷の状況)● 火災発生状況(出火場所、出火状況、初期消火状況)

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火災発生時

  マニュアル

2

 火災を発見したら、大きな声で周りの職員に知らせる。「●●(教室名など)で火事だー!」

 ⇒知らせを受けた職員は、消防計画に基づき、それぞれが次の行動をする。

(1) 事務所にいる職員 ア 管内放送で職員に対し、火災の発生と避難を指示する。その

後、119番通報する。   「●●で火事が発生したので、○○(屋外避難場所名)に避難して下さい。」

 イ 避難順路も指示できるのであれば行う。   「●●で火事が発生したので、○○(クラス名)は、建物西側屋

外階段を利用して避難して下さい。」  ※ 二人以上いる場合は、館内放送する職員と119通報する職

員を分ける。その他にも職員がいる場合は、避難誘導を行う。

(2) 担任 避難のために自分のクラスの人員確認を行い避難の準備をする。

火事

だー!

 自動火災報知設備が鳴動したら、どこで火災が発生

しているか、受信機を確認する。

① 発見

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 いち早く119番通報すれば、その分消防隊が早く到着するので、できるだけ早く119番通報する。

② 119番通報

● 初期消火はできる限り行い、天井まで火が上がっている場合や、危険を感じた場合は、消火をあきらめ避難を優先する。

● 消火できない時は、出火室のドアや窓を閉めて延焼の防止を図る。

③ 初期消火

指令員に聞かれること

①火事か、救急か?

②場所はどこですか?

③何が燃えていますか。

④職員と園児は、何名いますか ⑤怪我人はいますか、また、避難済みですか。

⑥あなたの名前とお使いの電話の番号を教えて下さい。

回答(各園で記載すること。)

火事です。

     区             園

例 2階教室のストーブの火がカーテンに燃え移っています。

今日登園しているのは、園児   名、 職員   名です。

名前は、「            」で、電話番号は、「  -   -   」です。

① 安全ピン(黄色)を上に抜きます。

② ホースの先を火元に向けます。

③ レバーを握ります。

消火器の使い方

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4

⑤ 避難後

 園児の避難誘導を行う先生が動揺していると、園児も動揺するので、落ち着いて冷静に行動する。

(1) 担任 人員確認(全員いるか、負傷者はいないか)後、園児に「お・は・し・も」を指導の上、屋外に避難する。 避難時は、延焼の防止や煙の流入防止のために、ドアを閉めて避難する。

(2) 責任者 ● 情報収集 ①避難状況、②負傷者の状況、③火災発生場所、④出火状況、⑤初期消火状況、⑥通報状況、について逐次情報収集を行う。 ● 避難誘導 出火場所から離れている避難経路を使って避難するよう放送設備等で指示する。 ● その他 その日登園した園児が分かる出席簿や非常持出袋を持ち、事前に決めている避難場所に避難する。

● 園児の体調管理 園児は、災害にあったことで動揺しているので、まずは落ち着かせる。また、風雨にあたらないような措置をとり、体調管理をする。● 情報収集 ①避難状況、②負傷者の状況、③火災発生場所、④出火状況(発見時の状況)、⑤初期消火状況、⑥通報状況の情報収集を行う。● 一度、屋外に避難したら、消防隊が現場を確認し、安全が確保されるまで、施設内に戻らない。

④ 避 難

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 逃げ遅れや負傷者がいる場合、消防隊への適切な報告が、人命救助に繋がるので、避難後は、次のことについて情報収集し、消防隊に報告する。

⑥ 消防隊への報告

報告事項

①避難状況逃げ遅れがいる場合、どこにいるか(最後に見た時はどこにいたかなど)

②負傷者の状況

③火災発生場所

④出火状況(発見時の状況)

⑤初期消火状況

⑥通報状況

回答(各園で記載すること。)

今日登園しているのは、園児   名、

職員   名

逃げ遅れは、   名で、   

にいるかもしれない

(最後に見た時は、        にいた)

名前     年齢   性別

負傷状況

既往歴(                )

教室名など

何から燃えたのか

何を使って消火したか

誰が通報したか

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地震発生時マニュアル

フローチャート

6

◆ 地震発生① 身を守る。 転倒物や落下物から身を守る。

◆ 揺れがおさまったら…② 火の元の確認及び避難路の確保③ 避難 園児の状況を確認し、安全を確保して屋外に避難する。

④ 避難状況の確認及び情報収集 避難状況、負傷者の発生状況等を確認し、園児の家族への連絡や必要に応じて消防機関に通報する。

① 身を守る

 地震が発生したら、揺れがおさまるまで、まずは、園児と職員の身の安全を優先します。落下物や転倒物に巻き込まれる可能性があるので、あわてて外に出てはいけません。● 机やテーブルの下に隠れる。無い場合は、物が倒れてきたり、照明が落ちてきたりしない場所に集まり、頭を守って待機する。● 壁や柱の近くに身を寄せる。(窓や棚の付近は避ける。)

● 頭部を、かばんなどで落下物や転倒物から守る。

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地震・風水害発生時

   マニュアル

7

③ 避難

② 火の元の確認及び避難路の確保

 揺れがおさまったら、火の元の確認及び避難路の確保を行う。

(1) 火の元の確認● 使用中の火を消し、ガスの元栓を閉める。● 電化製品などからの火災を防ぐため、ブレーカーを切る。

(2) 避難路の確保 地震によりドアや窓が歪み開かなくなる場合があるので、避難路となるドア及び窓を開放する。※ 火災が発生した場合は、避難を最優先し、全員の避難が確認できた場合には、延焼防止のためにできる限りドアや窓を閉めて避難する。(詳細にあっては、火災発生時マニュアル参照)

 職員は、園児が動揺しないように落ち着いた行動を心掛ける。また、責任者は、状況を判断し、館内の職員及び園児に避難場所、避難経路を周知する。● クラス毎に園児を避難しやすい場所で一時集合させ、人員確認を行い、責任者からの避難指示を待つ。

● 避難のために、頭を保護するかばんやクッション等を用意するとともに、「お・は・し・も」を守り避難するよう指導する。● 責任者からの避難指示を受けたら、ガラスや看板などの落下物に注意し避難する。避難時は、かばんなどで頭を保護するとともに、足を保護するために室内でも履物を履いて避難する。● 傾いた建物や電柱、自動販売機など倒壊の恐れのあるものには近づかない。

● 一度、屋外に避難したら安全が確認できるまで、建物の中には戻らない。

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地震・風水害発生時

   マニュアル

8

 避難後は、次のことを確認する。● 職員及び園児の避難状況を確認する。● 負傷者がいる場合は、負傷状況を確認し消防機関に通報する。 また、負傷者等を救出できなかった場合は、その場所、状況を確認し、近隣住民と協力し救出を図る。● 倒壊危険がある場合には、広域避難場所や収容避難場所に避難する。● 地震による被害状況等をテレビ、ラジオ等から収集する。● 園児の家族に連絡を行う。

④ 避難状況の確認及び情報収集

 大きな地震が発生すると、建物の倒壊や家具の下敷きになるなどの被害が生じます。また、道路や電気、水道などのライフラインの寸断や火災が発生します。特に冬季には積雪や寒さで、より大きな被害が出る恐れがあります。

 地震防災マップは、第3次地震被害想定(最新の知見等を基に札幌で発生する可能性があり最大級の被害をもたらす地震を想定して被害を予測したものです。)で想定された揺れの強さや液状化の危険性などを図示し、あわせて地震災害に対する日頃の備えや災害時の行動などの情報を掲載しています。災害時はもとより、日頃の防災対策に活用しましょう。地震防災マップは、地域の区役所等で入手することができます。

⑤ 地震防災マップの活用

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風水害発生時マニュアル

① 避難する時の目安

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事象・状況

台風情報大雨・洪水注意報

大雨・洪水警報

危険な予兆があったら【降雨がさらに強まる/河川が増水する/道路の冠水/地下駐車場等への浸水】

避難勧告《災害危険大》

避難指示《災害危険切迫》

避難状況

ラジオやテレビ等で、今後の気象情報、災害情報、避難情報に注意しましょう。雨の降り方や浸水の状況に注意し、危険を感じたら保護者に連絡し、場合によって、最寄りの避難場所に避難しましょう。

いつでも避難できるように避難の準備をして、テレビやラジオの放送、市役所や消防署等からの呼びかけにも注意しましょう。子どもは早めの避難が必要なので、避難を開始しましょう。

最寄りの指定された避難場所に速やかに避難しましょう。

最寄りの指定された避難場所に直ちに避難しましょう。

 洪水は、地震と比較し被害の拡大まで時間を要します。そのため、避難のタイミングを逃すことも考えられますので、テレビやラジオ等からの情報を怠らず、早めの避難を開始しましょう。

 安全に避難できるよう、浸水が始まらないうちに行動しましょう。避難する前に浸水してしまった時には、外に出ず、2階や屋根、あるいは、近くの堅牢な高い建物の上の階に緊急避難しましょう。

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② 洪水ハザードマップや土砂災害避難地図の活用

 洪水ハザードマップには、想定される浸水の深さと、避難場所が記載されています。自分の職場の地域の想定される浸水深を確認するとともに、気象情報を確認し、ハザードマップの被害想定にとらわれることなく、早めに避難することが必要です。 また、土砂災害避難地図は、土砂災害警戒区域や避難所、老人ホームなどの要配慮者利用施設の位置、気象や避難に関する知識を掲載したもので、土砂災害警戒区域等が指定された連合町内会単位で、札幌市が作成するものです。 居住する地域や職場のマップは、地域の区役所等で入手することができるので、災害時はもとより、日頃の防災対策に活用しましょう。

③ 過去の風水害

 昭和56年(1981年)8月、樺太(サハリン)中部に発達した低気圧から南にのびる前線が北海道中部に停滞し、これに北上した台風12号の影響が加わって豪雨となりました。石狩川流域では、3日夕方から6日朝まで雨が降り続いた結果、その総雨量は、札幌で294mmを記録し、大洪水を引き起こしました。さらに、その約2週間後の23日、追い打ちをかけるように台風15号が北海道を襲い、総雨量229mmもの豪雨が再び発生したことによって、二度目の記録的な豪雨をもたらしました。 これらの大洪水は、観測史上最大の降雨量、流量を記録し、北海道全域で死者3名、氾濫面積614k㎡、被害家屋30,991戸もの甚大な被害をおよぼしました。

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教育マニュアル

(火災編)

教育マニュアル(火災編)

① 視聴前における園児に対する指導

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 問題提起を行い、園児に火災の怖さを意識づけるとともに、対応方法を考えさせましょう。

(1) 火の利用方法 単に「火遊びは危ないからダメ!」では、適切な指導とは言えず、火災の未然防止につながりません。子どもは、好奇心が旺盛であり、大人の行動を真似する傾向があります。子どもが火遊びをしないよう、大人が率先して火の正しい取扱いや利用方法を手取り足取り教えることが、園児に火の大切さや重要性を伝えることになり、火遊びの予防につながります。● 家庭でどのように火を使っているか。例 台所、ストーブ、花火、ケーキやお供えなどに使うろうそくなど。 

● お店など家庭以外で火を使う所を知っているか。

例 飲食店、お祭りの屋台、焼き芋、ごみ焼却場、キャンプファイヤーなど。

 教育マニュアルは、防火・防災DVD「おしえて!りすきゅー《とってもこわいかじ》」の視聴前後の指導手順及び行動手順を掲載するとともに、災害発生時の園児及び先生が取るべき行動を掲載しています。

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教育マニュアル

(火災編)

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(2) 火災について 園児に、火災の発生原因や対応方法を考えさせる。● 火事が起きたらどうなるか?● 火事を見つけたらどうすればいいか?

● 火事はどうして起きるのか? DVDに併せて、ライターやマッチ、花火などで行う火遊びが火災の原因になることを伝える。

(3) 避難について● どこに避難するか? 各園の避難経路及び避難場所を聞く。

● どのように避難するか? 各園での「お・は・し・も」(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない)などの避難方法を確認する。

● 煙は上にいくか、下にいくか? 低い姿勢で逃げること。

(4) その他● 服に火が着いてしまったらどのように消すのか?

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② 視聴後における園児に対する指導

(1) DVD視聴前に問題提起した内容について、「資料1~5」のイラストを活用しながら再確認する。● 火事がおきたらどうなったか(資料1)  大切な物を失ってしまい、場合によっては死んでしまうこともあるということを伝える。

● 火事を起きた原因は何だったか。(資料2) 火遊びが原因ということを再確認し、火遊び禁止を徹底する。

● 火事を見つけたらどうすればいいか?(資料3) 大きな声で、「周囲の大人に火災の発生を知らせること」を確認する。⇒ いち早い119番通報は、被害の軽減につながります。

● 煙はどのように広がるか?どのように避難するか?(資料4) 火災で最も恐ろしいのは、煙であり、煙は高い所から溜まっていくので、煙を吸わないよう「低い姿勢」で、「ハンカチなどで口を押さえて」避難する。 また、「お・は・し・も」についても再確認する。

おさない はしらない しゃべらない もどらない

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(2) 体験型の授業を行う● 自分の服に火が付いた時の消火方法(資料5) もしも自分の服に火が着いてしまった時に消火する方法として、「ぴたっ!」っと止まって、「ばたっ!」と倒れて、「ごろごろん」と転がるという方法を教える。

● 煙の再現  シーツ等により煙を再現し、「低い姿勢による避難」を教える。

(3) 日頃からの防火・防災の意識付け 日頃の授業や遊びの時間を利用し、園児に対し、防火・防災の意識付けを行いましょう。

例1 園庭を使う時に、次のように伝える。   「これから園庭に行くけど、ここは、火事の時に皆が避難する場所だよ。」「火事が起きた時のことを考えて、みんなで『おはしも』を守って園庭に行ってみよう。」など。

例2 消防用設備等の説明をする。   クラスで移動している時に、近くの消火器や誘導灯をみて、「火事が起きた時に火を消す『消火器』という道具だよ」や、「火事が起きた時は、この『誘導灯』がある出口から避難するんだよ。」など。

ぴたっ! ばたっ! ごろごろん

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教育マニュアル(地震・風水害編)

教育マニュアル

(地震・風水害編)

15

 問題提起を行い、園児に地震や台風の怖さを意識づけるとともに、対応方法を考えさせましょう。

(1) 地震について ● 地震が起きたらどうなるか。 ● 地震が起きたらどうすればいいか。 ● どこに、どのように避難するか。 ● 避難した場所(園庭など)で危険なことは何か。

(2) 風水害について ● 台風はどういうものか。 ● 台風がきたらどうなるか。 ● 台風がきたらどうすればいいか。

① 視聴前における園児に対する指導

② 視聴後における園児に対する指導

(1) DVD視聴前に問題提起した内容について、「資料6~10」のイラストを活用しながら再確認する。 ● 地震が起きたらどうなるか。(資料6) 揺れにより電灯が落下したり、本棚が転倒したりする。また、屋外では、看板や、割れた窓ガラスが落下したり、自動販売機や電柱が倒れたりすることもある。

 教育マニュアルは、防火・防災DVD「おしえて!りすきゅー《とってもいこわいじしんとたいふう》」の視聴前後の指導手順及び行動手順を掲載するとともに、災害発生時の園児及び先生が取るべき行動を掲載しています。

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教育マニュアル

(地震・風水害編)

16

● 地震が起きたらどうすればいいか?(資料7)  揺れが収まるまで、身を守る行動をする。机に隠れる。かばんやクッションで頭を守る。窓から離れる。● どこに、どのように避難するか?(資料8)  屋外の安全な場所に避難すること、避難時は、落下物や割れたガラスで怪我をしないよう頭を守り、屋内でも履物を履いて避難すること、そして、各園における避難場所及び避難経路を指導する。

● 台風はどういうものか。台風がきたらどうなるか。(資料9)  風雨が強くなる。川の水があふれたり、側溝の水があふれて道路が冠水したりする。また、風で木が折れたり、屋根が飛ばされたりする。

● 台風がきたらどうすればいいか。(資料10)  避難所へ早めに避難する。家に居る場合で、水が浸水してきた場合は、屋外への避難はせず、屋内の高い所(2階など)に避難する。

(2) 日頃からの防火・防災に係る意識付け。 日頃の授業や遊びの時間を利用し、園児に対し、防火・防災の意識付けを行いましょう。

例1 地震の発生時に落ちてきそうなもの、倒れてしまいそうなものを園内の中を移動する時に園児と共に探すなど。

例2 地震によって避難が難しくなることを教える。   倒れた物がドアを塞ぐことを再現するために、避難経路上のドア前に物品を置いて、ドアが開かなくなることを教えるなど。

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避難体験

消火体験

(3) 体験型の授業を行うために。 園児にとっては、災害がどのようなものかイメージすることが難しいことから、体験型の授業を盛り込むことによって、災害をイメージすることができやすくなります。 札幌市民防災センターでは、防火・防災に関する知識や災害が発生した際にとるべき行動を楽しみながら学ぶことができる体験型の施設です。ここでは、無料で次の体験ができますので、積極的に活用しましょう。

ア 地震体験 阪神淡路大震災や東日本大震災など、過去の地震を模擬体験できます。

イ 暴風体験 10mから30mの暴風が体験できます。

ウ 災害バーチャル体験 津波や土砂災害、都市型水害を3D映像により視聴できます。

エ その他 煙からの避難体験、消火体験コーナーなどがあります。

17

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災害の発生に備えて

18

(1) 自衛消防隊(消防計画に記載)における火災発生時の役割分担を把握するとともに、地震発生時の役割分担も決めて把握する。

(2) 消火器や自動火災報知設備、放送設備等の設置場所及び使用方法を確認する。

(3) 避難経路(廊下、階段、避難口前)には、避難の妨げになるような物品を置かない。

(4) すべての教室から二つの別な方向への避難経路を決めておく。

(5) 日頃から、使用しない時にはガスの元栓を閉めるとともに、電気機器は、コンセントから抜く。

(6) 非常時の持出物品に何が用意されているか把握するとともに、設置場所を確認する。

(7) 非常時の持出物品は、冬期の避難を考慮し、暖房ための物品も併せて用意する。

(8) 地震に備え、棚、照明などの電化製品は、固定し転倒及び落下防止を図る。また、棚やロッカーの上に物を置かない。

(9) 園児の家族と災害時の緊急連絡先や避難場所など、非常時の連絡体制について確認する。

① 火災及び地震の発生に備えて

◎毎日必ず確認その日登園した園児を職員一人ひとりが把握する。 

〔          〕災害発生時、避難誘導等のために必ず必要となるので、毎日必ず確認し把握する。

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災害の発生に備え

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② 風水害の発生に備えて

(1) 日頃からの心掛け。ア 排水溝(下水溝)のごみや泥を取り除き、水はけを良くする。イ 屋根、外壁、窓ガラス、ブロック塀などは普段から点検し、不備な箇所は補修する。

ウ 看板やアンテナなどは、針金等を用いて補強する。

エ 各園付近の地形、道路、施設などの状況から危険箇所((2)エ及びオ)を把握する。

(2) 台風が接近してきたら。ア テレビやラジオで台風情報や防災上の注意事項を確認する。

イ 停電などに備えて、懐中電灯やラジオなどの非常持出品をあらかじめ確認し用意する。

ウ 屋外にある物品で飛散しやすい物は、屋内に収容する。エ がけ地付近の施設は、大雨の影響で地盤がゆるみ、がけ崩れの危険があるので、避難場所や避難経路を確認する。

オ 川の近くの施設は、川の水かさの上昇により浸水の恐れがあるので、避難場所や避難経路を確認する。

③ 幼稚園や保育園等でマニュアルに添付する書類

 各園の①平面図、②配置図、③避難場所(一次、収容、広域)までの図面に、消防用設備等の設置場所、避難場所及び避難場所までの経路や、山、川などの危険情報を記載して添付するとともに、非常時の連絡体制(保護者、消防署などの関係機関の連絡先)を定め、併せて添付する。

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災害の発生に備え

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非常時の防災用品チェック

参考例ですので、各園にあった非常時の持出品を用意しましょう。

1 初動対応時の必要物品 □ 手袋(革製など) □ ヘルメット(ライト付) □ 懐中電灯(手回し式が良い) □ 携帯ラジオ(手回し式が良い) □ マスク □ ゴーグル □ 長靴(鉄板入りなど) □ ロープ □ ジャッキ □ スコップ □ バール □ 台車 □ 貴重品

2 食糧 □ 水 □ 乾パンやレトルト食品 □ インスタント食品 □ お菓子類 □ 離乳食

3 応急手当て用品 □ 包帯 □ 三角巾 □ 滅菌ガーゼ □ 消毒液

4 衛生用品 □ 災害用トイレ □ トイレットペーパー

 □ 消臭剤 □ 除菌剤 □ 口腔ケア用品(歯ブラシ等) □ 下着、着替え □ ウェットタオル □ タオル □ 携帯ウォシュレット

5 日用品 □ ウォータータンク □ 携帯充電器 □ ライター □ 新聞紙 □ ビニール袋 □ ブルーシート □ 寝袋 □ らんたん □ 油性ペンと手帳 □ ガムテープ □ 万能ばさみ □ かっぱ □ バケツ □ カセットこんろ □ ラップフィルム

6 暖房用品 □ ポータブルストーブ □ アルミブランケット □ 毛布

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ご家庭における防火・

防災教育のお願い

1 指導内容(1) 火災編

● 火災が起きたらどうなるか● 火災はどうして起きるのか 火遊び防止を目的とした指導をしています。ご家庭では、マッチやライターを子どもの手が届かない場所に置くことを徹底してください。

● 火災を発見したらどうすればいいか  「周囲の大人に知らせること」が最も重要であること。

● 火災からの避難方法及び避難場所 煙は高い所から溜まっていくので、低い姿勢

で、避難すること。 避難時は、「お・は・し・も」(おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない)を守って避難すること。

 園児に防火・防災DVD「おしえて!りすきゅー」を視聴させ、以下の内容について指導しています。 ご家庭においても、ご家族から、火の大切さや適正な使用方法を指導するとともに、火災を含めた災害に対する対処方法を教えるなど、子どもへの指導を日頃から行い、園児の防火・防災意識の向上を図って下さい。

ご家庭における防火・防災教育のお願い

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ご家庭における防火・

防災教育のお願い

ぴたっ! ばたっ! ごろごろん

● 服に火が着いてしまった時の対処方法

 水をかけたり、濡れたタオルでたたいたりする方法の他、 「ぴたっ!」「ばたっ!」「ごろごろん」という消火方法を指導

(2) 地震・風水害編● 地震が起きたらどうなるか● 地震が起きたらどうすればいいか 自分の身を守る方法(机の下にかくれる、頭を守る、窓から離れる、など。)を指導。

● 地震が起きたらどこに、どのように避難すればいいか  頭を保護しながら避難すること。そして、避難時は、倒壊の恐れがあるものには近づかないこと。

● 台風による水害が発生した場合の対処方法  台風情報を確認し、早期の避難を心掛け、台風により家屋に浸水した場合は、無理に避難場所への避難はせず、屋内の高い所に避難すること。

2 指導内容を確認するために  DVD映像は、札幌市公式ホームページ「広報資料の公開」のページに掲載されていますので、併せて御確認ください

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