微粉炭焚きボイラの灰付着障害とその対策

若林信行

平成30年12月15日（土）

平成30年度 火原協大学講座

中富 仁

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内容

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はじめに（日本の微粉炭火力について）

微粉炭焚きボイラの灰付着障害

• 灰付着に関する基礎• 実機における灰付着障害

微粉炭焚きボイラの灰付着障害対策

• 灰付着対策に関する特許状況• 回避技術• 抑制技術• 除去技術• 監視技術

スラッギング（Slagging）ファウリング(Fouling)

ボイラ

スラッギング

低温ファウリング

ファウリング

微粉炭焚きボイラ灰付着障害概略図

スラッギング（Slagging）

溶融した灰分が伝熱面に付着し、冷却され固化堆積する現象※1

火炉水冷壁、ふく射型過熱器、バーナ出口部、ボイラ下部ホッパなど、輻射伝熱面で生じやすい。※2

※クリンカ：塊状となった灰

ファウリング（Fouling）

灰分が伝熱部に付着堆積する現象※1

過熱器や再熱器などの対流伝熱面で生じやすい。ガス温度が高い領域（約900℃以上）とガス温度が低い領域（約900℃未満）で分けられることがある。※2

例えば※1 日本機械学会. 燃焼工学ハンドブック. 初版, 丸善, 1995※2 辻博文,日恵井佳子,若林信行,白井裕三. 微粉炭燃焼時のスラッギングとファウリングの発生機構 評価法と研究展望. 日本エネルギー学会誌. 2010, Vol.89, No.9, 893-902.

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微粉炭焚きボイラ主な灰付着障害事例

© CRIEPI 24吉田匡秀, 若林信行, 森永雅彦, 泰中一樹. 微粉炭焚きボイラ炉内クリンカ観察技術の構築-ボイラ炉内撮影手法の基礎検討-. 電力中央研究所, 2015, M15002.

電中研報告M15002より

主な灰付着障害対策技術（概要）（特許以外も含む）

（回避）灰付着障害の発生を予測し事前に回避する技術• 炭種選定による回避（問題となる炭種を使用しない）

（抑制）灰の付着・成長を抑制する技術• 石炭燃料添加剤による付着抑制• 灰付着抑制コーティング• 燃焼調整

（除去）付着灰を除去する技術○運転中 ・ スートブロア

・ 負荷変動による除去・ （海外事例）On-line Blast Cleaning Service

○停止中 ・ ピッチングマシンを用いたクリンカ落とし工法・ 高圧水噴射・ クリンカ除去器具

（監視）灰の付着状況を監視する技術• ボイラ汚れ状態による灰付着状況の把握• 運転中における灰付着状況の可視観察• その他

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燃料添加剤 注入方式

注入タイミング• 連続注入（常時注入）• 間欠注入（1日の内の特定の時間のみ注入）• （定期検査前のみ注入）

注入方法

ミルからの注入（イメージ図） 火炉内への噴霧（イメージ図）

石炭

貯炭場

微粉炭機

ボイラ

添加剤

石炭

貯炭場

微粉炭機

ボイラ

添加剤

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