渋谷センター街（東京）

犯罪を防ぐ環境デザイン

アイゴー団地の失敗

1956年完成1972年爆破解体http://www.defensiblespace.com/book/illustrations.htm

（11階建て2,764戸）

http://www.umsl.edu/~keelr/010/pruitt-igoe.htm

Pruitt-Igoe in the 1960s (photo: U.S. Geological Survey)

The architect's vision of how the 3rd floor

communal corridor in Pruitt Igoe would be used

The 3rd floor communal corridor as it actually turned out,

and the vandalism that ensued.

アイゴー団地の問題点

・オープンスペースと 住居スペースの境界が明確でない→ 第三者が立ち入りやすい

・死角の多い共用スペースや外廊下の存在など→犯罪を助長させかねない 等

1) 領域性 (territory)

・テリトリーの階層化(public---private)

・分節化、マーカーの明確化・メンテナンス、空間に対する支配

2) 自然監視 (natural surveillance)

・住民の視線・高層化の問題 (EV、Open Space)

（ 3) 建物のイメージと場所柄 ）

１－１ 守りやすい空間Ｏ．ニューマン（Newman, 1972）

１．環境の防犯設計理論

階数

犯罪件数

犯罪件数と建物高さ（1969）

多

少

低層

高層

高層ビルでは知らない人と屋内パブリックスペースで会う機会が多い

低層では同じ屋内パブリックスペースを共有する人が限られる

不審者に対する注意

パブリック（表通り）

プライベート（住戸内）

セミパブリック（敷地内）

セミプライベート(玄関ホール、廊下)

集合住宅におけるテリトリーの階層化

1) 領域性 (territory)

ゲートによる境界線の明確化

■境界の明示：分節化、マーカーの明確化

メンテナンス、空間に対する支配⇒領域性の強化

屋外から見通せるエレベータホール

2) 自然監視 (natural surveillance)

アパート

公園

遊び場にあるベンチからの自然監視

犯罪被害の多い公園の例①、犯罪被害の少ない公園の例②／朝日新聞1997年4月17日（一部改変）

道路

道路

ワンルームマンション

公園

植栽が伸びて見通しが悪い

アパート

アパート

住棟の南開口部が面しているが、昼は留守が多い

アパートアパート

植栽が手入れがされていて見通しが良い

N住棟の南開口部に面していて、住民からよく見えるN

■公園や街路の安全性

① ②

住宅からの明かりが不安を和らげる

１－２ 環境デザインを通した防犯（C. Jeffrey, 1971）

防災センター（中国老人センター）防犯カメラと設置の立札

Ｃ．ジェフレイ（Jeffrey, 1971）の著書「環境デザインを通した防犯」（Crime Prevention Through Environmental Design）を原点とする考え方はCEPTED（セプテッド）と呼ばれ、欧米で広く知られ実践されている。

環境のメンテナンスや組織的・機械的な監視、アクセスの制限、孤立を避けるコミュニケーションの重要性

１．環境の防犯設計理論

●合理的選択理論犯罪者は犯行で得られる利益とコストとを天秤に掛けて判断する

● .犯行が成功する可能性● .犯罪が失敗し、かつ逮捕される可能性● .犯罪の成功による利得● 失敗時における刑罰の重さ

①犯行で得る利益を減らす電子マネー、②犯行に必要な労力を増やす

１－３ 「状況的犯罪予防」（Clarke, 1992）

① ②

１．環境の防犯設計理論

自然監視・機械監視によるプライバシーの侵害に対する批判

住民のプライバシーの侵害プライバシーに配慮して、同意を得て監視カメラを設置することが必要

自然監視の妨げ

公園や街路の樹木を伐採⇒景観破壊

→ アメニティとは両立しないトレードオフの関係

犯罪転移の問題

ある建物や町が防犯的になる→犯罪者は別のターゲットを探す

⇒総量としての犯罪数は減らないという批判

２．環境の防犯設計理論に対する疑問

3．日本の犯罪統計と体感不安

体感不安の増加

高層住宅

低層住宅 タウンハウス

中層住宅

4．集合住宅および戸建住宅の防犯性評価

集合住宅の屋外空間の住民による防犯性評価①と視線量の分布図②の関係

① ②

視線量計測画面

視線量による防犯性評価

戸建住宅の防犯安全性

防犯性が高いのはどっち？

③低い生垣＋フェンス ④低い生垣

どちらの住宅が 泥棒が入りにくいと思いますか？

①高い塀 ②高い生垣

自然監視 ＞ 接近制御

5． コミュニティの防犯活動

＋

ハード面とソフト面のコンビネーションが重要

物理的な環境の設計 人的な活動

安全・安心な環境 ＝

6．環境デザインへの適用例⇒プロジェクト案

(on line では見られません）

犯罪を防ぐ環境デザイン

まとめ

１．環境の防犯設計理論

2. 防犯設計理論に対する疑問

3．日本の犯罪統計と体感不安

4．集合住宅および戸建住宅の防犯性評価

5． コミュニティの防犯活動

6．環境デザインへの適用例