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文部科学省委託事業 平成 26 年度 「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロジェクト (職域プロジェクト) 成果報告書 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター

植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

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Page 1: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

文部科学省委託事業 平成 26 年度

「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業

植物工場における中核的専門人材養成

カリキュラム開発実証プロジェクト

(職域プロジェクト)

成果報告書

公立大学法人 大阪府立大学

植物工場研究センター

文部科学省委託事業 

平成26年度

「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 

(職域プロジェクト)      

成果報告書     

公立大学法人

大阪府立大学

1502-0904_ 大阪府立大学 _報告書②職域事業 H1-4

Page 2: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

はじめに

2008 年(平成 20 年 9 月閣議決定)の新経済成長戦略の改訂とフォローアップにおいて、

「農商工連携」の具体案の一つとして植物工場の普及と拡大を図ることが提案された。そ

の内容は、季節や天候に左右されない計画的な野菜の生産による需要と価格安定等ととも

に高度な環境制御技術、適正な品種、低コスト、省エネルギー化等がうたわれ、人工光型

に特化した植物工場の優位性を髣髴する内容であった。その後、2009 年(平成 21 年)に植

物工場を展開普及させるための補正予算が打ち出された。本学の植物工場研究センターは、

学内の教員同士が学部・研究科・学科さらには研究分野の垣根を越えて連携し、共同研究

を推進することを支援する目的で設置された「21 世紀科学研究機構」の中の 1つの研究所

であった。この研究所が母体となり準備を進め、2009 年度補正予算で、経済産業省の「先

進的植物工場施設整備事業」および農林水産省の「モデルハウス型植物工場実証・展示・

研修事業」の両方に公募し採択されることになった。これらの採択を受け、新たに「植物

工場研究センター」として体制を強化し、農学系、工学系、経済系、総合リハビリテーシ

ョン学系等の多くの教員からなる植物工場運営幹事委員会を設置して、全学的な取り組み

としてスタートした。

経済産業省の支援により 2011 年 4 月に完成した C20 棟の研究施設においては、完全人工

光型に特化した植物工場の生産コスト 30%削減を目的に、教員と参画していただいた企業コ

ンソーシアム(表 2に企業コンソーシアムメンバー)の連携で、要素技術としての空調、

照明、自動化等に関する低コスト化の要素技術の開発研究に着手することになった。一方、

農林水産省の支援で同時に完成した C21 棟の研究施設においては、農学系の教員を中心に、

ハーブ、アイスプラント、レタス、コケ 4種類の植物の水耕栽培技術の確立と栽培実証・

展示・研修事業を展開することになった。特に、「モデルハウス型植物工場実証・展示・

研修事業」では、植物工場の展開に興味を持たれている多くの企業からの参加者(多い時、

120 社以上参加)を対象に、植物工場に関する人材育成のための研修事業を展開してきた。

C20 棟の研修施設での完全人工光型植物工場の植物生産の低コスト化に不可欠な基盤要

素技術の開発研究は順調に展開することができ、多くの新しい技術が生まれることになっ

た。これまで使用してきた蛍光灯による照明から LED(赤系と青系)の活用へ、高速で優良な

苗を選別できる体内時計を活用した技術、コスト削減と栽培室(生産室)への雑菌を持ち

込まないための自動化、ロボット化技術の確立など。一方、C21 棟では、葉菜類を中心に水

耕栽培技術の確立が進み、日産 250 株のレタス生産を実証・展示することができ、多くの

メディアに取り上げられ報道され、毎日、多くの見学者が訪れるようになった。C20 棟の開

設以来の約 3年半の期間に、15,000 名もの多くの方々に見学をして頂いた。

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表 1 <植物工場運営幹事委員>

氏名 所属・職名 役割等

安保 正一 植物工場研究センター長、学長顧問 運営幹事委員

大門 弘幸 副センター長、生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

青木 考 副センター長、生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

吉田 篤正 副センター長、工学研究科 教授 運営幹事委員

福田 弘和 工学研究科 准教授 運営幹事委員

岩村 幸治 工学研究科 准教授 運営幹事委員

内海 ゆづ子 工学研究科 助教 運営幹事委員

小泉 望 生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

今堀 義洋 生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

山口 夕 生命環境科学研究科 准教授 運営幹事委員

和田 光生 生命環境科学研究科 講師 運営幹事委員

吉良 徹 生命環境科学研究科 附属教育研究フィルード 技師 運営幹事委員

奥田 邦晴 総合リハビリテーション学研究科 教授 運営幹事委員

伊能 利郎 ダイキン工業株式会社コンソーシアム運営幹事 運営幹事委員

木村 一貫 GCN プロジェクト室 事務局長 運営幹事委員

浅野 幸治 理事長補佐 運営幹事委員

柳 嘉夫 企画調整監兼地域連携・研究支援課長 運営幹事委員

横山 浩生 地域連携・研究支援課 研究支援グループ長 運営幹事委員

小倉 東一 植物工場研究センター統括コーディネーター 運営幹事委員

これらの実績を踏まえ、平成 26 年(2014 年)9月、経済産業省のイノベーション拠点立

地推進事業で 2/3 補助を受けた「次世代大規模植物工場」、C22 棟を開設するに至った。こ

の植物工場は、上記した新しい先進的な新しい技術が取り込まれた完全人工光型植物工場

では世界最大規模を誇り、日産 5,000 株のレタスを生産し販売している。企業コンソーシ

アムとしての株式会社グリーンクロックス(企業体)が管理運営を行っている。

この様に商業レベルで植物工場の展開が可能になってきたことを機に、また、これまで

基盤技術の開発研究と栽培の実証・展示に使ってきた C20 棟と C21 棟をフルに活用しての

座学と実習が可能になってきたこともあって、植物工場を管理運営できる専門人材養成を

始めることになった。1つは、本学の学生を対象に、最初、学士課程において副専攻を開

設し、農学系の学生と工学系の学生が希望すれば「植物工場科学」を履修できるようにな

り、平成 27 年 4 月にスタートすることになった。一方、社会人を対象にした人材養成とし

て、平成 25 年から始まった文部科学省の「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦

略的推進」事業へ申請し、採択されることになり、本事業を展開することになった。

まだ初年度ということで、当初の目的・事業規模から見ますと、その緒についたばかり

の活動ではありますが、関係者はできる限りの人材養成活動を進めてまいりました。ここ

に、初年度の活動内容を著しましたので、報告書として提出させていただきます。

今、報告書を作成するに当たり、本事業の受託に関して数々のご指導をいただきました

文部科学省の担当者の皆様に、また、事業カリキュラムの計画・実施・事後評価等でご協

力とご指導をいただきました大阪府と堺市の教育担当部局の皆様ならびにコンソーシアム

会員企業の皆様に、厚くお礼申しあげます。この人材養成の活動は、多くの皆様方と受講

生のご意見やコメントを取り入れ、より成果が期待できる内容で、継続して展開して行く

積りでございます。今後とも、皆様のご指導とご鞭撻をお願いして申しあげまして、報告

書のまえがきとさせていただきます。ありがとうございます。

プログラム実施代表者

植物工場研究センター長(学長顧問) 安保 正一

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表 1 <植物工場運営幹事委員>

氏名 所属・職名 役割等

安保 正一 植物工場研究センター長、学長顧問 運営幹事委員

大門 弘幸 副センター長、生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

青木 考 副センター長、生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

吉田 篤正 副センター長、工学研究科 教授 運営幹事委員

福田 弘和 工学研究科 准教授 運営幹事委員

岩村 幸治 工学研究科 准教授 運営幹事委員

内海 ゆづ子 工学研究科 助教 運営幹事委員

小泉 望 生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

今堀 義洋 生命環境科学研究科 教授 運営幹事委員

山口 夕 生命環境科学研究科 准教授 運営幹事委員

和田 光生 生命環境科学研究科 講師 運営幹事委員

吉良 徹 生命環境科学研究科 附属教育研究フィルード 技師 運営幹事委員

奥田 邦晴 総合リハビリテーション学研究科 教授 運営幹事委員

伊能 利郎 ダイキン工業株式会社コンソーシアム運営幹事 運営幹事委員

木村 一貫 GCN プロジェクト室 事務局長 運営幹事委員

浅野 幸治 理事長補佐 運営幹事委員

柳 嘉夫 企画調整監兼地域連携・研究支援課長 運営幹事委員

横山 浩生 地域連携・研究支援課 研究支援グループ長 運営幹事委員

小倉 東一 植物工場研究センター統括コーディネーター 運営幹事委員

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表 3 <外部アドバイザリーボードメンバー>

氏名 所属・職名 役割等

伊藤 彰 日本サブウェイ株式会社 代表取締役社長 アドバイザリーボード

伊藤 潤子 生活協同組合コープこうべ 参与 アドバイザリーボード

伊藤 澄夫 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 取締役 アドバイザリーボード

江面 浩 筑波大学 大学院生命環境科学研究科 教授 アドバイザリーボード

亀岡 孝治 三重大学 大学院生物資源学研究科 教授 アドバイザリーボード

更家 悠介 サラヤ株式会社 代表取締役社長 アドバイザリーボード

清水 浩 京都大学 大学院農学研究科 教授 アドバイザリーボード

炭谷 茂 社会福祉法人恩賜財団済生会 理事長 アドバイザリーボード

中原 光久 九州電力株式会社 技術本部総合研究所

生物資源研究センター 副主幹研究員 アドバイザリーボード

山本 絹子 株式会社パソナグループ 取締役専務執行役員 アドバイザリーボード

表 2 <企業コンソーシアム主要メンバー>

氏名 法人・団体名称 役割等

伊能 利郎 ダイキン工業株式会社 幹事

高見 浩志 IDEC 株式会社 副幹事

中村 謙治 エスペックミック株式会社 副幹事

大原 均 株式会社椿本チエイン 副幹事

中谷 泰明 大阪南部合同青果株式会社 副幹事

岡本 洋二 有限会社瑞龍 監事

西口 正幸 株式会社大和真空 監事

仲井 章一 ダイダン株式会社 委員

井上 繁人 大和ハウス工業株式会社 委員

田野 寛治 三進金属工業株式会社 委員

上田 保司 株式会社精研 委員

木村 一貫 株式会社グリーンクロックス 委員

時政 稔 株式会社伊東電機 委員

岡 寛 株式会社デンソー 委員

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表 3 <外部アドバイザリーボードメンバー>

氏名 所属・職名 役割等

伊藤 彰 日本サブウェイ株式会社 代表取締役社長 アドバイザリーボード

伊藤 潤子 生活協同組合コープこうべ 参与 アドバイザリーボード

伊藤 澄夫 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 取締役 アドバイザリーボード

江面 浩 筑波大学 大学院生命環境科学研究科 教授 アドバイザリーボード

亀岡 孝治 三重大学 大学院生物資源学研究科 教授 アドバイザリーボード

更家 悠介 サラヤ株式会社 代表取締役社長 アドバイザリーボード

清水 浩 京都大学 大学院農学研究科 教授 アドバイザリーボード

炭谷 茂 社会福祉法人恩賜財団済生会 理事長 アドバイザリーボード

中原 光久 九州電力株式会社 技術本部総合研究所

生物資源研究センター 副主幹研究員 アドバイザリーボード

山本 絹子 株式会社パソナグループ 取締役専務執行役員 アドバイザリーボード

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職域プロジェクト 成果報告書 目次 はじめに 1.本事業の目的と受託までの経緯

目的 経緯

2.本事業に対する大阪府立大学の当初計画

3.事業推進のための会議開催と実施体制 準備会議 職域プロジェクト(開発実証委員会)会議

4.本事業での実施事項とその成果と課題 ① 人材養成講座開催 受講生募集と応募状況 座学 実習 ビジネスプラン発表会

見学会(養父調査視察)

② 人材養成講座におけるアンケートの集計結果 ③ 国内視察調査(福島県・千葉県)

5.成果と課題の来年度への反映 成果の反映 課題の反映 6.付録

新聞掲載記事(受講生募集) 写真(授業風景など)

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職域プロジェクト 成果報告書 目次 はじめに 1.本事業の目的と受託までの経緯 ···································································· 1

目的 ········································································································ 1 経緯 ········································································································ 2

2.本事業に対する大阪府立大学の当初計画 ························································ 3

3.事業推進のための会議開催と実施体制 ··························································· 9 準備会議 ·································································································· 11 職域プロジェクト(開発実証委員会)会議 ····················································· 18

4.本事業での実施事項とその成果と課題 ··························································· 27 ① 人材養成講座開催 ················································································· 27 受講生募集と応募状況 ·········································································· 27 座学 ·································································································· 27 実習 ·································································································· 27 ビジネスプラン発表会 ·········································································· 28

見学会(養父調査視察) ······································································· 28

② 人材養成講座におけるアンケートの集計結果············································· 128 ③ 国内視察調査(福島県・千葉県) ···························································· 172

5.成果と課題の来年度への反映 ······································································· 184 成果の反映 ···························································································· 184 課題の反映 ···························································································· 184 6.付録 ········································································································ 187

新聞掲載記事(受講生募集) ···································································· 188 写真(授業風景など) ············································································· 190

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1.本事業の目的と受託までの経緯

①時代背景

植物工場の考えと構想は、最初は、1957 年頃にデンマークのクリステンセン農場で始まっ

たとされている。その後、米国の GE 社が 1970 年前半に植物工場を手がけている。我が国で

は、1985 年の筑波万博で、回転式レタス生産工場が展示されるなどしたため、1980 年代に第

一次の植物工場ブームが起こった。その後、1990 年に入って、キューピーTS ファームが完全

人工光で空調設備を施し水耕栽培として、特徴的なV字型の斜面の内側にサラダ菜を育成す

る方式を、名古屋での園芸関係の展示会で提案したことを機に、第二次の植物工場ブームが

起こることになった。

この様な中、日本政府は、2008 年(平成 20 年 9 月閣議決定)の新経済成長戦略の改訂と

フォローアップにおいて、地域の農家と商工業が連携して新たな事業に取り組む「農商工連

携」の具体案の一つとして植物工場の普及と拡大を図ることを提案した。そこでは、季節や

天候に左右されない計画的な植物の生産による需要と価格安定等とともに高度な環境制御技

術、適正な品種、低コスト、省エネルギー化等、人工光型の植物工場の優位性を考慮したよ

うな内容であった。そして、2009 年(平成 21 年)、日本政府による植物工場を展開普及させ

るための補正予算の支援策が打ち出され、第三次植物工場ブームの到来へと繋がっていった。

その後、第 4 次科学技術基本計画に続き、安部内閣による成長戦略第 2 弾に植物工場が明記

され、産業界からのも注目されることになり、新たな展開へと続いている。

②目的

一方、本学は、公立大学という立場から早くから地域の企業との産学連携を進めてきてい

たが、2006 年の教育基本法の改定により、大学のミッションとして、従来の研究と教育に加

え、新たに、それらの成果を社会、地域へ還元することが加えられたのを機に、より一層、

産学官連携を推進する目的で、産学官連携機構を設置した。また、学内で教員同士が学部・

研究科・学科さらには研究分野の垣根を越えてお互い連携し、共同研究を推進することを支

援する目的で、21 世紀科学研究機構を設置し、学内教員間の連携と共同研究の推進を後押し

てきた。この様な大学内の動きの中で、農学系の教員と工学系等の教員の間で「植物工場研

究所」を設置する動きとなった。この研究所が母体となって、2009 年度の国が進める「農商

工連携」の動きに乗るため、補正予算の中の経済産業省の「先進的植物工場施設整備事業」

および農林水産省の「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」の両方に公募し、採

択されることになった。これらの採択を受けて、新たに「植物工場研究センター」として体

制を強化し、農学系、工学系、経済系、総合リハビリテーション学系等の多くの教員を、植

物工場運営幹事委員として集結し(表1)、新たな展開に対応することになった。経済産業省

の支援により 2011 年 4 月に完成した C20 棟の研究施設においては、完全人工光に特化した植

物工場の生産コスト 30%削減を目指し、これらの教員と参画していただいた企業コンソーシ

アム(表 2 に企業コンソーシアムメンバーのリスト)の連携で、完全人工光型植物工場の要

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1.本事業の目的と受託までの経緯

①時代背景

植物工場の考えと構想は、最初は、1957 年頃にデンマークのクリステンセン農場で始まっ

たとされている。その後、米国の GE 社が 1970 年前半に植物工場を手がけている。我が国で

は、1985 年の筑波万博で、回転式レタス生産工場が展示されるなどしたため、1980 年代に第

一次の植物工場ブームが起こった。その後、1990 年に入って、キューピーTS ファームが完全

人工光で空調設備を施し水耕栽培として、特徴的なV字型の斜面の内側にサラダ菜を育成す

る方式を、名古屋での園芸関係の展示会で提案したことを機に、第二次の植物工場ブームが

起こることになった。

この様な中、日本政府は、2008 年(平成 20 年 9 月閣議決定)の新経済成長戦略の改訂と

フォローアップにおいて、地域の農家と商工業が連携して新たな事業に取り組む「農商工連

携」の具体案の一つとして植物工場の普及と拡大を図ることを提案した。そこでは、季節や

天候に左右されない計画的な植物の生産による需要と価格安定等とともに高度な環境制御技

術、適正な品種、低コスト、省エネルギー化等、人工光型の植物工場の優位性を考慮したよ

うな内容であった。そして、2009 年(平成 21 年)、日本政府による植物工場を展開普及させ

るための補正予算の支援策が打ち出され、第三次植物工場ブームの到来へと繋がっていった。

その後、第 4 次科学技術基本計画に続き、安部内閣による成長戦略第 2 弾に植物工場が明記

され、産業界からのも注目されることになり、新たな展開へと続いている。

②目的

一方、本学は、公立大学という立場から早くから地域の企業との産学連携を進めてきてい

たが、2006 年の教育基本法の改定により、大学のミッションとして、従来の研究と教育に加

え、新たに、それらの成果を社会、地域へ還元することが加えられたのを機に、より一層、

産学官連携を推進する目的で、産学官連携機構を設置した。また、学内で教員同士が学部・

研究科・学科さらには研究分野の垣根を越えてお互い連携し、共同研究を推進することを支

援する目的で、21 世紀科学研究機構を設置し、学内教員間の連携と共同研究の推進を後押し

てきた。この様な大学内の動きの中で、農学系の教員と工学系等の教員の間で「植物工場研

究所」を設置する動きとなった。この研究所が母体となって、2009 年度の国が進める「農商

工連携」の動きに乗るため、補正予算の中の経済産業省の「先進的植物工場施設整備事業」

および農林水産省の「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」の両方に公募し、採

択されることになった。これらの採択を受けて、新たに「植物工場研究センター」として体

制を強化し、農学系、工学系、経済系、総合リハビリテーション学系等の多くの教員を、植

物工場運営幹事委員として集結し(表1)、新たな展開に対応することになった。経済産業省

の支援により 2011 年 4 月に完成した C20 棟の研究施設においては、完全人工光に特化した植

物工場の生産コスト 30%削減を目指し、これらの教員と参画していただいた企業コンソーシ

アム(表 2 に企業コンソーシアムメンバーのリスト)の連携で、完全人工光型植物工場の要

- 1-

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素技術としての空調、照明、自動化等に関する低コスト化の要素技術の開発研究に着手した。

また、農林水産省の支援で同時に完成した C21 棟の研究施設においては、農学系の教員を中

心に、ハーブ、アイスプラント、レタス、コケの水耕栽培技術の確立と栽培実証・展示・研

修事業を展開することになった。特に、後者の「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修

事業」の中では、植物工場の展開に興味を示される企業からの参加者(多い時は 120 社以上

参加)を対象に、植物工場に関する人材育成のための研修事業を展開してきた。しかし、そ

こでは、専門スタッフの不足と資金面からも、思うように十分な座学と実習に関する教育が

出来ない状況にあった。

③経緯

第三次の植物工場の設置や注目が集まる中、不幸にして 3.11 の東日本大震災が起こり、農

地があっても農産物を作ることができない事態が生じた。日本政府による復興支援事業とし

て、植物工場の展開も組み入れられので、本学としても東北地方での植物工場の設置に関し

て、連携し協力することになった。こうした中、本学方式の植物工場を展開したいとの国内

外からの依頼も出て来たので、植物工場研究センターの運営幹事委員会の会議の中でも、何

とかして植物工場を管理運営できる専門人材の育成を行っていかなければとの危機感が大き

くなって行った。この人材育成に関しては、植物工場研究センター外部アドバイザリーボー

ドメンバーの先生方(表 3 に外部アドバイザリーボードメンバー)からも、ご意見やコメン

トの頂き、準備を始めることになった。まず、本学の学生を対象にしては、最初、学士課程

に副専攻を開設し、農学系の学生も工学系の学生もが希望すれば「植物工場科学」を履修で

きる環境を整備し、学内での審議を経て、平成27年4月に新たにスタートすることになった。

一方、社会人を対象にした人材養成としては、平成 25 年から始まった文部科学省の「成長分

野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業へ申請するべきと、体制の整備と強

化等を行い、準備を進め、平成 26 年度の事業に応募し、採択されることになり、本事業を展

開することになった。

2.本事業に対する大阪府立大学の当初計画 当初計画の実施体制図には養成内容に関連して、人材像、企画開発内容、展開、連

携、委員会開催等の計画をおこなった。そして、そのコンソ-シアムの大方針の下

に職域プロジェクトの活動も明示した。

- 2-

Page 12: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

2.本事業に対する大阪府立大学の当初計画 当初計画の実施体制図には養成内容に関連して、人材像、企画開発内容、展開、連

携、委員会開催等の計画をおこなった。そして、そのコンソ-シアムの大方針の下

に職域プロジェクトの活動も明示した。

- 3-

Page 13: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

国内完全人工光型植物工場の運営事業市場規模予測 (矢野経済研究所推計)

(1) 事業目的・概要

大阪府立大学は、平成 23 年 4 月、経済産業省と農林水産省の補正予算に採択され、完

全人工光型に特化した植物工場研究センターを設立し、そこでの 3年間の研究成果を踏ま

え、平成 26 年 9 月に日産 5,000 株のレタスを栽培する新世代大規模植物工場を開設(経

済産業省 2/3 補助)。 完全人工光型植物工場は、最適な植物生育環境を制御するため、

設置場所、気象変動、季節等に左右されず、何処でも野菜の周年・計画生産を可能にする。

研究は日本が先行しているが、世界をリードし産業化するには、植物工場の管理・運営を

担う高度専門人材の育成が緊急の課題である。本事業は、植物工場の運営・管理ができる

高度専門人材育成のためのカリキュラムの調査、開発、実証、評価を行い、国内外で適用

できるカリキュラムの標準化を目指すものである。

(2)事業実施意義や必要性について

①当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

【政府・関連省庁の方針について】

平成 21 年度より、農林水産省および経済産業省において、植物工場実用化のための大型

事業(両省合せて約 150 億円)が開始され、平成 23 年の震災復興事業の一部としても継続

され、近年ではTPP(環太平洋経済協定)の検討の中で、成長戦略の項目に指定され、

今後、輸出産業としての植物工場に大きな期待が寄せられている。

また、文部科学省でも、高度職業人育成の国際化拠点事業の中で、植物工場関連への補

助(千葉大学)が行われるなど、植物工場関連教育の推進が進められている。そのような

中、5月初旬欧州を訪問された安部首相がオランダで植物工場を見学されるなど、今、成長

戦略の一翼として、我が国の植物工場の産業化へ大きな期待が寄せられている。

【業界動向について】

植物工場は、A:完全人工光型と、B:太陽光利用型、C:人工光・太陽光併用型に大別さ

れるが、生産品目や目的により、市場としては、A(完全人工光型市場)と、B+C(太陽光

利用型、人工光併用型市場)に分類される。

大阪府立大学で進める完全人工光型植物工場の市場は、平成 25 年度は 40 億円であるが、

光源に電力の消費が少ない LED を利用した植物工場の本格的な普及により飛躍期を迎えて

おり、平成 27 年には 132 億円、平成 29 年には 303 億円、平成 32 年には 440 億円と急成長

することが予測されている。さらに、医薬品原料やサプリメント原料など超高付加価値な

植物生産が進展すれば、市場は更に大きく拡大すると予測されている。

一方、太陽光利用型、人工光・太陽光併用型の市場は、平成 25 年に 200 億円、平成 27

年は 270 億円と、35%程度の増加が見込まれている。(矢野経済研究所推計による)

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Page 14: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

(1) 事業目的・概要

大阪府立大学は、平成 23 年 4 月、経済産業省と農林水産省の補正予算に採択され、完

全人工光型に特化した植物工場研究センターを設立し、そこでの 3年間の研究成果を踏ま

え、平成 26 年 9 月に日産 5,000 株のレタスを栽培する新世代大規模植物工場を開設(経

済産業省 2/3 補助)。 完全人工光型植物工場は、最適な植物生育環境を制御するため、

設置場所、気象変動、季節等に左右されず、何処でも野菜の周年・計画生産を可能にする。

研究は日本が先行しているが、世界をリードし産業化するには、植物工場の管理・運営を

担う高度専門人材の育成が緊急の課題である。本事業は、植物工場の運営・管理ができる

高度専門人材育成のためのカリキュラムの調査、開発、実証、評価を行い、国内外で適用

できるカリキュラムの標準化を目指すものである。

(2)事業実施意義や必要性について

①当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義

【政府・関連省庁の方針について】

平成 21 年度より、農林水産省および経済産業省において、植物工場実用化のための大型

事業(両省合せて約 150 億円)が開始され、平成 23 年の震災復興事業の一部としても継続

され、近年ではTPP(環太平洋経済協定)の検討の中で、成長戦略の項目に指定され、

今後、輸出産業としての植物工場に大きな期待が寄せられている。

また、文部科学省でも、高度職業人育成の国際化拠点事業の中で、植物工場関連への補

助(千葉大学)が行われるなど、植物工場関連教育の推進が進められている。そのような

中、5月初旬欧州を訪問された安部首相がオランダで植物工場を見学されるなど、今、成長

戦略の一翼として、我が国の植物工場の産業化へ大きな期待が寄せられている。

【業界動向について】

植物工場は、A:完全人工光型と、B:太陽光利用型、C:人工光・太陽光併用型に大別さ

れるが、生産品目や目的により、市場としては、A(完全人工光型市場)と、B+C(太陽光

利用型、人工光併用型市場)に分類される。

大阪府立大学で進める完全人工光型植物工場の市場は、平成 25 年度は 40 億円であるが、

光源に電力の消費が少ない LED を利用した植物工場の本格的な普及により飛躍期を迎えて

おり、平成 27 年には 132 億円、平成 29 年には 303 億円、平成 32 年には 440 億円と急成長

することが予測されている。さらに、医薬品原料やサプリメント原料など超高付加価値な

植物生産が進展すれば、市場は更に大きく拡大すると予測されている。

一方、太陽光利用型、人工光・太陽光併用型の市場は、平成 25 年に 200 億円、平成 27

年は 270 億円と、35%程度の増加が見込まれている。(矢野経済研究所推計による)

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Page 15: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

【人材需要の状況と本事業の実施意義】

完全人工光型植物工場は、太陽光・併用型に比べ、植物生産に高度な管理スキルが要求

される。従来のハウス栽培の延長線上では対応できない、優良な苗選別、照明、空調、自

動化の管理・運営について、理論と実践を習得した高度な専門人材の育成が不可欠となる。

1) 平成 27 年に植物工場の市場規模が現在の 3 倍になることを考慮すれば、その管理・運

営を担う高度な専門人材は数百人規模で必要となるが、現時点では充足されていない。

2) 国内だけでなく、海外でも植物工場事業が、国内以上に拡大が期待されていることを

視野に入れれば、高度に専門的に管理・運営が可能な人材の不足は、産業としての植物工

場の国際競争上も不利となることが危惧される。(植物工場の国際スタンダード化を他国に

押えられるリスクも出てくる)

3) 植物工場の人材教育については、各所で散発的に実施されているが、系統的な人材育成

教育はなされていない。生物学、植物生理学、工学など多くの科学技術の融合で成り立っ

ている植物工場を管理・運営する人材を育てるには、実習を含めた系統だったカリキュラ

ムとその標準化および評価指標等の構築が必要であり、今、それを確立することが急務と

考えている。

以上の通り、本事業により、植物工場を高度に管理・運営できる人材育成プログラムを開

発し、実証評価と標準化により、高度な専門人材を輩出することは、国内はもとより、国

際的な事業戦略上重要な意義を持つと考える。

② 取組が求められている状況、本事業により推進する必要性

【大阪府立大学の状況】

大阪府立大学は、文部科学省による基礎研究支援(科研費、JST事業等)を基盤とし

て、平成 23 年に、経済産業省「先進的植物工場施設整備事業」、農林水産省「モデルハウ

ス型植物工場実証・展示・研修事業」の両方の採択を受け、完全人工光型植物工場に特化

した国内最大規模の研究施設として、研究開発、実証、展示、研修等の事業を展開してき

た。

3 年間の事業展開の結果、・LED 照明技術、・植物工場に適した空調システム技術、・植物

の体内時計の研究による優良な苗の即時診断技術、・光照射時間の短期化技術、・コスト削

減のためのロボット化(自動化)技術、・水耕栽培技術、・販売販路確保ネットワーク構築、・

植物工場の実証・展示など、大きな成果を得て来た。それらの成果を活かし、平成 26 年 8

月には、日産 5,000 株のレタスを栽培する新世代大規模植物工場が完成する。

【人材育成に関するこれまでの取組み】

現在、国内外から本学方式の完全人工光型植物工場を開設したいという数多くの要望が

あるが、これらを管理・運営する高度専門人材の育成が十分には出来ておらず、植物工場

の普及・拡大のネックの一つになっている。現状の人材育成の取組みを以下に示す。

1) 大学生(学部、大学院)に対しては、正規カリキュラムの中で、植物工場に関する教育

研究を副専攻として進めるべき準備をしているが、技術者として即戦力になるには、卒業

まで時間がかかる。

2) 植物工場研究センターでは、企業コンソーシアムを構築し、約 90 社の会員企業の希望

者を対象に、講習と実習を中心とした研修を行っている。本事業のベースになるものであ

るが、カリキュラムの体系化や標準化等は全く出来ておらず、本事業の中でこれらの整備

体系化を進める。

【人材育成の目的と内容】

植物工場の高度マネジメント人材として育成する対象者は多岐にわたり、対象者のスキ

ルや経験に合わせたカリキュラムが必要となる。これらを考慮し、下記の求められる内容

に応じ、体系的なカリキュラムのあり方について、産学官連携コンソーシアムにて検討す

る。

1) 対象者のレベルに応じたカリキュラムの設定が求められる。

製造業従事経験者、農業従事経験者、社会人の学び直し(女性含む)、大学新卒者などを

対象とした場合、本人の持つスキルと教育内容の関係を整理し、最適なカリキュラムを開

発する。(受講するための資格、要件、スキル等も併せて検討する)

2) 育成対象に合わせたカリキュラムの設定が求められる。

植物工場の高度マネジメント人材に対して、現在は、まだ区分等ができていないが、ス

キルは 1 本のラインではなく、技術者系、管理者系等の複線ライン化が必要となることが

想定され、それに合わせたカリキュラム案の調査と開発を行う。

3) 海外での事業拡大も含めたカリキュラム設定が求められる。

海外展開のケースにより、人材育成の取組みも異なるが、当初は、日本人がマネジメン

トを行い、その後、現地スタッフをマネジメント人材として育成するケース等を中心にカ

リキュラムの設定を行う。

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【人材育成に関するこれまでの取組み】

現在、国内外から本学方式の完全人工光型植物工場を開設したいという数多くの要望が

あるが、これらを管理・運営する高度専門人材の育成が十分には出来ておらず、植物工場

の普及・拡大のネックの一つになっている。現状の人材育成の取組みを以下に示す。

1) 大学生(学部、大学院)に対しては、正規カリキュラムの中で、植物工場に関する教育

研究を副専攻として進めるべき準備をしているが、技術者として即戦力になるには、卒業

まで時間がかかる。

2) 植物工場研究センターでは、企業コンソーシアムを構築し、約 90 社の会員企業の希望

者を対象に、講習と実習を中心とした研修を行っている。本事業のベースになるものであ

るが、カリキュラムの体系化や標準化等は全く出来ておらず、本事業の中でこれらの整備

体系化を進める。

【人材育成の目的と内容】

植物工場の高度マネジメント人材として育成する対象者は多岐にわたり、対象者のスキ

ルや経験に合わせたカリキュラムが必要となる。これらを考慮し、下記の求められる内容

に応じ、体系的なカリキュラムのあり方について、産学官連携コンソーシアムにて検討す

る。

1) 対象者のレベルに応じたカリキュラムの設定が求められる。

製造業従事経験者、農業従事経験者、社会人の学び直し(女性含む)、大学新卒者などを

対象とした場合、本人の持つスキルと教育内容の関係を整理し、最適なカリキュラムを開

発する。(受講するための資格、要件、スキル等も併せて検討する)

2) 育成対象に合わせたカリキュラムの設定が求められる。

植物工場の高度マネジメント人材に対して、現在は、まだ区分等ができていないが、ス

キルは 1 本のラインではなく、技術者系、管理者系等の複線ライン化が必要となることが

想定され、それに合わせたカリキュラム案の調査と開発を行う。

3) 海外での事業拡大も含めたカリキュラム設定が求められる。

海外展開のケースにより、人材育成の取組みも異なるが、当初は、日本人がマネジメン

トを行い、その後、現地スタッフをマネジメント人材として育成するケース等を中心にカ

リキュラムの設定を行う。

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Page 17: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

3.事業準備のための会議開催と実施体制 職域プロジェクトに関する会議は、産学官連携コンソーシアムに対して子会議体の位置づけ

である。 事業の初期段階では、会議のメンバーを決定することが必要である。そのメンバーにより、

事業の基本方針を立てるための会議を開催した。その方針に基づき、産学官連携コンソーシア

ムと連携し、協力することにある。 事業の中間段階以降は、産学官連携コンソーシアムの方針に従いながら、助言を受けたり、

産学官連携コンソーシアムからの手助け、アドバイスを受けたりしながら事業を進める。 事業の最終段階では、本職域プロジェクトと産学官連携コンソーシアムの活動を振り返り、

次年度以降に反映することを目指した。主な会議は、以下に示すように実施した。 当初は、学内のメンバーで準備会議を行い、最終的には、学外のメンバーに入ってもらい、

職域プロジェクト会議の体裁にしていった。 <職域プロジェクト会議メンバー表>

氏名 所属・職名 役割等 都道府県名

安保 正一 大阪府立大学 植物工場研究センター長

(学長顧問)

開発実証委員会

委員長 大阪府

和田 光生 大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科

講師

開発実証委員会

副委員長 大阪府

青木 考 大阪府立大学 植物工場研究センター

副センター長、生命環境科学研究科 教授開発実証委員会 大阪府

浅野 幸治 大阪府立大学 理事長補佐 開発実証委員会 大阪府

綾木 光弘 大阪府立大学 植物工場研究センター 統括コーディネーター

開発実証委員会 大阪府

伊藤 潤子 生活協同組合コープこうべ参与 開発実証委員会 兵庫県

伊藤 澄夫 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社取締役 開発実証委員会 大阪府

伊藤 保 株式会社三菱総合研究所 主任研究員 開発実証委員会 東京都

炭谷 茂 社会福祉法人恩賜財団 済生会理事長 開発実証委員会 東京都

大門 弘幸 大阪府立大学 植物工場研究センター副セ

ンター長、生命環境科学研究科 教授 開発実証委員会 大阪府

【本事業により推進する必要性】

完全人工光型植物工場の高度マネジメント人材として、国内だけでなくグローバルに通

用する標準カリキュラムを作成するには、国内外の植物工場の状況、市場要求等の調査が

不可欠であり、1大学や1企業の事業として行うことは困難である。また、カリキュラムの

標準化を行うためにも、文部科学省との連携が不可欠であると考える。

これらの計画方針により、以下のアウトプットとアウトカムを完遂することを計画した。

【期待される活動指標(アウトプット)】

・海外の植物工場の現状、課題、人材育成カリキュラム等のヒアリング調査:2件(台湾、

ドバイを予定)

・受講者の能力スキル別に合わせた、植物工場高度人材育成カリキュラム(シラバス)と、

評価指標、達成度評価基準の検討

・植物工場の高度マネジメント人材育成と普及に関するシンポジウム開催:1回

・植物工場の高度マネジメント人材のスキル育成区分(技術系、管理系)の設定と、育成

カリキュラムの構築

・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラムの標準化提案

・植物工場の高度マネジメント人材の資格化等についての検討報告書

【期待される成果実績(アウトカム)】

・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム、標準教材としての確立

・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム実施機関数の拡大:平成 27 年度に 5

機関

・植物工場の高度マネジメント人材育成事業報告書及び対外発表等

・植物工場の人材育成に関する引合い件数:国内 30 件、海外 10 件

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3.事業準備のための会議開催と実施体制 職域プロジェクトに関する会議は、産学官連携コンソーシアムに対して子会議体の位置づけ

である。 事業の初期段階では、会議のメンバーを決定することが必要である。そのメンバーにより、

事業の基本方針を立てるための会議を開催した。その方針に基づき、産学官連携コンソーシア

ムと連携し、協力することにある。 事業の中間段階以降は、産学官連携コンソーシアムの方針に従いながら、助言を受けたり、

産学官連携コンソーシアムからの手助け、アドバイスを受けたりしながら事業を進める。 事業の最終段階では、本職域プロジェクトと産学官連携コンソーシアムの活動を振り返り、

次年度以降に反映することを目指した。主な会議は、以下に示すように実施した。 当初は、学内のメンバーで準備会議を行い、最終的には、学外のメンバーに入ってもらい、

職域プロジェクト会議の体裁にしていった。 <職域プロジェクト会議メンバー表>

氏名 所属・職名 役割等 都道府県名

安保 正一 大阪府立大学 植物工場研究センター長

(学長顧問)

開発実証委員会

委員長 大阪府

和田 光生 大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科

講師

開発実証委員会

副委員長 大阪府

青木 考 大阪府立大学 植物工場研究センター

副センター長、生命環境科学研究科 教授開発実証委員会 大阪府

浅野 幸治 大阪府立大学 理事長補佐 開発実証委員会 大阪府

綾木 光弘 大阪府立大学 植物工場研究センター 統括コーディネーター

開発実証委員会 大阪府

伊藤 潤子 生活協同組合コープこうべ参与 開発実証委員会 兵庫県

伊藤 澄夫 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社取締役 開発実証委員会 大阪府

伊藤 保 株式会社三菱総合研究所 主任研究員 開発実証委員会 東京都

炭谷 茂 社会福祉法人恩賜財団 済生会理事長 開発実証委員会 東京都

大門 弘幸 大阪府立大学 植物工場研究センター副セ

ンター長、生命環境科学研究科 教授 開発実証委員会 大阪府

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文部科学省委託 平成 26 年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 1 回準備委員会

2014 年 9 月 22 日 植物工場研究センター 綾木光弘

討議事項 1) 養成する中核人材のターゲット(イメージ)の明確化 どんな人をターゲットとするか?募集するか? 2) 作成するカリキュラムの内容の検討 3) カリキュラムの中心となる講座(座学)の検討 4) 国際シンポジウムの進め方 5) 海外視察の進め方 6) パネルディスカッション 7) ビジネス提案会 8) 修了時のイメージ(来年の本格カリキュラムへの接続・期待感の醸成) 9) その他

以上

中原 光久 九州電力株式会社 技術本部 総合研究所

副主幹研究員 開発実証委員会 佐賀県

日髙 伴紀 大阪府立大学 地域連携・研究支援課 研究支援グループ主査

開発実証委員会 大阪府

福田 弘和 大阪府立大学 大学院工学研究科 准教授 開発実証委員会 大阪府

吉田 篤正 植物工場研究センター副センター長、工学

研究科 教授 開発実証委員会 大阪府

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文部科学省委託 平成 26 年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 1 回準備委員会

2014 年 9 月 22 日 植物工場研究センター 綾木光弘

討議事項 1) 養成する中核人材のターゲット(イメージ)の明確化 どんな人をターゲットとするか?募集するか? 2) 作成するカリキュラムの内容の検討 3) カリキュラムの中心となる講座(座学)の検討 4) 国際シンポジウムの進め方 5) 海外視察の進め方 6) パネルディスカッション 7) ビジネス提案会 8) 修了時のイメージ(来年の本格カリキュラムへの接続・期待感の醸成) 9) その他

以上

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3) カリキュラムの中心となる講座(座学)の検討 受講生のメリット・講師へのメリット(教員の研究テーマ、企業講師の就職先企業)

を明確に打ち出せる内容 中核人材への成長度が自覚できるカリキュラム、EDGEプロ等との乗り入れ 来年度以降の副専攻コースを睨んだ対応 講座候補・講師候補の選定(9月 25 日までに)→出講依頼 募集要項案作成→カリキュラム全体がわかる要項 来年度への繋がりがわかる要項 コンソ向けと一般向けの募集要項が必要 ↓ 募集要項を 9 月 30 日に固める 10 月 2 日配布開始 ↓

(10 月 15 日発行のコンソだより、府立大学内ポスター、HP、堺市市民新聞等、 各新聞社の掲載) 10 月 24 日 締め切り 11 月 4 日の週に受講生の面接(受けたい講座内容の意見聴取、受講動機等) 講座実施候補日(土曜日の集中講座)

→遠くからでも受講可、府立大学教員でも謝金支払い可能 11 月 15 日(含開講式)、11 月 29 日、12 月 6 日、12 月 20 日+1 月に修了式をかねて、

発表会等の実施(ビジネス発表会に繋がる)

4) 国際シンポジウムの進め方 本事業との関連性を打ち出す 本来の講演者やその関連者以外にも、受講生、学生、一般社会人も対象 費用の対応 論文集的な文章の製本化 通訳 懇親会

5) 海外視察の進め方 希望日程選定

文部科学省委託 平成 26 年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 1 回準備委員会 議事録 出席者: 安保正一 植物工場研究センター長(学長顧問) 福田弘和 (工学研究科 准教授)

和田光生(生命環境科学研究科 講師) 綾木光弘(文科省委託事業 統括コーディネーター)

1) 養成する中核人材のターゲット(イメージ)の明確化 どんな人をターゲットとするか?募集するか?人工光に絞る、工場規模?

方針① 幅広く募集する ア.すでに植物工場に関連している人

植物工場の経営者 植物工場のマネジャー(販売、財務担当者 他) 植物工場のマネジャー(生産担当者 他) 一般農業者で植物工場に関心ある人、起業を考えている人 材料関係、販売関係の業者の人

イ.今は直接は関連していない人(これからの人材) 農業従事者、従事希望者 有望分野への起業を希望している人

方針② できるだけ対象を絞る 上記の中から、いくつか、または一つに絞る 2) 作成するカリキュラムの内容各論

① 講座 ② 実習・見学会 ③ 国際シンポジウム ④ パネルディスカッション(国際シンポジウムに併合の可能性も検討) ⑤ ビジネス提案発表会 ⑥ その他

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3) カリキュラムの中心となる講座(座学)の検討 受講生のメリット・講師へのメリット(教員の研究テーマ、企業講師の就職先企業)

を明確に打ち出せる内容 中核人材への成長度が自覚できるカリキュラム、EDGEプロ等との乗り入れ 来年度以降の副専攻コースを睨んだ対応 講座候補・講師候補の選定(9月 25 日までに)→出講依頼 募集要項案作成→カリキュラム全体がわかる要項 来年度への繋がりがわかる要項 コンソ向けと一般向けの募集要項が必要 ↓ 募集要項を 9 月 30 日に固める 10 月 2 日配布開始 ↓

(10 月 15 日発行のコンソだより、府立大学内ポスター、HP、堺市市民新聞等、 各新聞社の掲載) 10 月 24 日 締め切り 11 月 4 日の週に受講生の面接(受けたい講座内容の意見聴取、受講動機等) 講座実施候補日(土曜日の集中講座)

→遠くからでも受講可、府立大学教員でも謝金支払い可能 11 月 15 日(含開講式)、11 月 29 日、12 月 6 日、12 月 20 日+1 月に修了式をかねて、

発表会等の実施(ビジネス発表会に繋がる)

4) 国際シンポジウムの進め方 本事業との関連性を打ち出す 本来の講演者やその関連者以外にも、受講生、学生、一般社会人も対象 費用の対応 論文集的な文章の製本化 通訳 懇親会

5) 海外視察の進め方 希望日程選定

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文部科学省委託 平成 26 年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 2 回準備委員会 議事

2014 年 11 月 13 日 植物工場研究センター

報告事項 1) 受講生特性 2) カリキュラム内容・日程(現時点での決定分) 3) カリキュラムの中心となる講座(座学)日程 4) 海外視察について 検討事項

1) 今後の会議開催・会議形体 2) 新規カリキュラム追加 3) 外部見学会の検討 4) その他

以上

ヨーロッパ訪問 5 日間、台湾訪問 4 日間

訪問先検討

日程確定(できれば、台湾も含めて) 10 月末から 12 月にかけて

具体的に、11 月 2 日から 6 日、11 月 9 日から 17 日の間の 5 日間 11 月 24 日から 29 日の間の 5 日間、 12 月 8 日から 12 日、12 月 18 日から 23 日の間の 5 日間 旅行社との交渉、現地通訳

6) パネルディスカッションの進め方 国際シンポジウムと違う内容で、植物工場の現状と未来の課題のディスカッション やる意義があるかどうかも含めて検討 7) ビジネス提案会

受講生に提案をしてもらい、発表し、コンクール形式で行う(たたき台)

8) 修了時のイメージ(来年の本格カリキュラムへの接続・期待感の醸成)

9) その他

以上

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Page 24: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

文部科学省委託 平成 26 年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 2 回準備委員会 議事

2014 年 11 月 13 日 植物工場研究センター

報告事項 1) 受講生特性 2) カリキュラム内容・日程(現時点での決定分) 3) カリキュラムの中心となる講座(座学)日程 4) 海外視察について 検討事項

1) 今後の会議開催・会議形体 2) 新規カリキュラム追加 3) 外部見学会の検討 4) その他

以上

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Page 25: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

進める ■受講生の他施設見学 → 今回の講座は受講生が中心 ■実習授業の環境整備 ■ビジネスプランのコマを増やすことを検討 ←数回に分けて受講生のモチベーション

を上げる ■社会人受講生の日程調整を考慮すると、授業のコマ数を減らすことは OK だが、増やす ことは負担になるのでの多めに設定して公表する。 ■養液栽培の実習を検討したい。 ■アントレプレナーシップの講師の追加を検討。

以上

文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 2 回 準備委員会 議事録

日時;2014 年 11 月 13 日 13 時より 15 時 場所;C21 2 階会議室

出席者: 安保正一 植物工場研究センター長(学長顧問) 福田弘和 (工学研究科 准教授)

和田光生(生命環境科学研究科 講師) 松井利之(産学協同高度人材育成センター長・工学研究科 教授) 浅野幸治(理事長補佐・戦略連携担当)

綾木光弘(文科省委託事業 統括コーディネーター) 松尾裕次(文科省委託事業 専門役) 須見恭子(文科省委託事業担当)

<報告事項> 1. 受講者 ■49 名の応募があった。 ■広報の成果もあり、幅広い業種・年齢層からの受講生申し込みがあった

2. 新規カリキュラム ■最終日 1/16 はビジネス提案発表内容を審査し、「修了式で表彰式を行う」に変更する。 ■実習(育苗、水耕、栄養分析、収穫、出荷など)ごとに担当教員を決めて、早急にカ

リキュラムの立案を依頼する ■ビジネス発表会について ビジネス企画書作成は未経験者には容易ではないので(←コーディネータが複数回に

わたってマンツーマン指導が必要)、受講者の経験レベルと要望にあわせたカリキュラ

ム構成と指導者の数が必要。 <検討事項> ■12 月上旬にアドバイザリー会議を予定 ← 経過を報告 ■今後の委員会の形態について 徳島大の例 → 学会との連携

福島大の例 → 商工会議所、経産省との連携 外部委員の選定と依頼も行う ■履修証明制度の制定→3 年後を目途に ■スタッフの千葉大、明治大、東京農工大など他大学の施設視察を行い、交流と調査を

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進める ■受講生の他施設見学 → 今回の講座は受講生が中心 ■実習授業の環境整備 ■ビジネスプランのコマを増やすことを検討 ←数回に分けて受講生のモチベーション

を上げる ■社会人受講生の日程調整を考慮すると、授業のコマ数を減らすことは OK だが、増やす ことは負担になるのでの多めに設定して公表する。 ■養液栽培の実習を検討したい。 ■アントレプレナーシップの講師の追加を検討。

以上

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文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 1 回 開発実証委員会 議事録

日時;2015 年 2 月 5 日 15 時より 17 時 場所;C20 1 階会議室

2015.2.5. 第 1 回 開発実証委員会(職域プロジェクト) 会議議事録 出席者 学内委員: 委員長:安保正一 植物工場研究センター長(学長顧問) 副委員長:和田光生(生命環境科学研究科 講師) 福田弘和 (工学研究科 准教授) 松井利之(産学協同高度人材育成センター長・工学研究科 教授) 浅野幸治(理事長補佐・戦略連携担当) 外部委員: 亀岡孝治氏(三重大学 生物資源研究科 教授) 領家誠氏(大阪府商工労働部 中小企業支援室 ものづくり支援課 参事) 中原光久氏(九州電力株式会社 技術本部 総合研究所 副主幹研究員) 伊藤澄夫氏(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 取締役) 事務局: 綾木光弘(文科省委託事業 統括コーディネーター) 松尾裕次(文科省委託事業 専門役) 須見恭子(文科省委託事業 担当) <討議事項> ■今年度のカリキュラムに関しての改善点について

<外部委員からの質疑>

1. 実習は栽培のみなのか? 2. 実習講義に関しては、一連の作業が体験できるカリキュラムを組むことができれ

ばより理解が容易になるのでは? 3. 参考図書などを推奨し、個々の受講生が自主的に自習できる E ラーニングのよう

なシステムを提供してはどうか。最低限でもこの講座専用のHPやグループメー

ルの開設が必要なのでは? 4. 養成する人材のターゲットを明確にしては? 企業家であれば「売れる野菜を作

ってください」と思う、そうすると「売れる野菜とはどんな品種か?」をリサー

文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業

① 人材養成戦略委員会会議 ② 開発実証委員会会議 議事 2015 年 2 月 5 日

大阪府立大学植物工場研究センター

1) 人材養成戦略委員会会議(1 時~3 時) ① 会議の趣旨説明

② 報告内容

文科省の本事業委託の目的 大阪府立大学の当初計画 本年度の実施事項と反省(特に人材育成の戦略に関して)

③ 討議事項 中核的専門人材養成のための戦略に関して 関連分野での世界の動向と日本の動向を見て、どのような戦略が必要か 来年度以降のオールジャパンでオーソライズされうる資格化の検討

④ 結論の確認と次年度の実施の方向性確認 2) 開発実証委員会会議(3 時~5 時)

① 会議の趣旨説明

② 報告内容 文科省の本事業委託の目的 大阪府立大学の当初計画 本年度の実施事項と反省(特に今年度のカリキュラム編成内容に関して)

③ 討議事項 今年度のカリキュラム実施内容に関して改善点・来年度のカリキュラム (カリキュラム全体、講座内容、講座講師) 他大学での実施事項と比較して、検討を深める

④ 結論の確認と次年度の実施の方向性確認

以上

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文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 第 1 回 開発実証委員会 議事録

日時;2015 年 2 月 5 日 15 時より 17 時 場所;C20 1 階会議室

2015.2.5. 第 1 回 開発実証委員会(職域プロジェクト) 会議議事録 出席者 学内委員: 委員長:安保正一 植物工場研究センター長(学長顧問) 副委員長:和田光生(生命環境科学研究科 講師) 福田弘和 (工学研究科 准教授) 松井利之(産学協同高度人材育成センター長・工学研究科 教授) 浅野幸治(理事長補佐・戦略連携担当) 外部委員: 亀岡孝治氏(三重大学 生物資源研究科 教授) 領家誠氏(大阪府商工労働部 中小企業支援室 ものづくり支援課 参事) 中原光久氏(九州電力株式会社 技術本部 総合研究所 副主幹研究員) 伊藤澄夫氏(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 取締役) 事務局: 綾木光弘(文科省委託事業 統括コーディネーター) 松尾裕次(文科省委託事業 専門役) 須見恭子(文科省委託事業 担当) <討議事項> ■今年度のカリキュラムに関しての改善点について

<外部委員からの質疑>

1. 実習は栽培のみなのか? 2. 実習講義に関しては、一連の作業が体験できるカリキュラムを組むことができれ

ばより理解が容易になるのでは? 3. 参考図書などを推奨し、個々の受講生が自主的に自習できる E ラーニングのよう

なシステムを提供してはどうか。最低限でもこの講座専用のHPやグループメー

ルの開設が必要なのでは? 4. 養成する人材のターゲットを明確にしては? 企業家であれば「売れる野菜を作

ってください」と思う、そうすると「売れる野菜とはどんな品種か?」をリサー

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<アドバイザリー会議資料> 2015 年 1 月 30 日

文部科学省委託事業 「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業

今年度の成果について 1. 本事業に関する文科省の狙い・目的

1-1. 中核的専門人材養成事業が必要とされる時代背景 (産業構造の変化、グローバル化への対応) (少子高齢化に伴う労働力人口の減少、雇用問題) (若年者等無業者等増に対応する諸外国の職業と教育の評価の仕組み) (我が国の経済社会を支える分厚い中間層としての中核的専門人材養成のニーズ) 1-2. 本事業のキーワード 中核的専門人材とは 成長分野等における中核的専門人材の対象は、実践的・専門的な知識・技術・技能を身に

付け、職業に必要な卓越したまたは熟達した実務能力に基づく業務を遂行し、または、グ

ループや中小規模の組織の中で中核的な役割・機能を果たすことができる人材のこと 成長分野とは

本事業の対象とする分野は、今後の雇用創出が期待される成長分野として、環境・エネルギー、医

療・福祉・健康、IT (クラウド゙、ゲーム・CG等)、食・農林水産、クリエイティブ (デザイン・ファッション

等)、観光等とし、産業界等の具体的なニーズを踏まえた中核的専門人材養成を推進する。

→今回は、植物工場に特化した分野を成長分野と位置づけ、この分野での専門的中核人材 を養成することを目標とする

1-3. 食・農林水産分野で期待される人材について(国内の動向の一例)

マーケティング力やマネジメント力等を持つ高度アグリビジネス人材(食の6次産業化プロデューサ

ー等)を養成するため、①大学、専修学校、農業大学校、専門高校等教育機関と、JA、流通関係

企業等の連携による産学官コンソーシアムを組織化し、②それぞれの強みを活かしつつ、モデル・

カリキュラム基準、達成度評価指標等を開発、③食・農分野におけるキャリア段位制度の確立に向

けた教育プログラムの開発に取組む。 その他、①地場産物の農産物に付加価値をつけて加工・

流通までをマネジメントする農業生産者、②調理等を通じて付加価値を高める専門人材、③食と農

を軸にツーリズムへ結びつける人材の養成などが期待されている。

1-4. 今回の文科省受託事業に関して 受託事業その1.産学官連携コンソーシアム関連 ①成長分野の人材養成を巡る様々な課題についての研究協議

チするひと、売れる野菜を実際に作るひと、その野菜を宣伝するひと、営業する

ひとが必要となってくる。ではどの分野のひとを育てるのか? コース分けして

多様な人材を養成するのか? あるいはオールマイティな人材を養成するの

か? 5. (大阪府立大学の植物工場は)レタスに特化されているが、オリジナルの品種の

開発などに(講座の中で)取り組んではどうか? 6. 食品でいちばん肝心なのは「色」で、消費者は「色」で選ぶ。販売業者はより良

い色に見せる工夫をしている。人工光の中に「色」を加味した講座など、特色を

持たせてみては? 7. (6 の意見と関連して)受講生が自分たちで育てた作物を味わい、その品質の分

析や検査をする「官能検査」を取り入れるのも面白いのでは? 8. ビジネスプラン発表会の中に、専門的知識が盛り込まれていないような印象を受

けたが、ビジネスプランの必要性は? 受講後のアウトプットがより現実的にな

りえる受講生のターゲットの設定として、マネージメントコース、技術者コース

などのコース別によるグループでのビジネスプランであればより現実性が見え

て面白いと思うが、その辺りはどのようなお考えなのか。 <学内委員よりの応答>

1. 栽培実習に加えて培養液作成と環境計測についての実習講義を行った。 2. 学部生には副専攻でそのような実習をさせているが、社会人(週末開講)に対し

てどのような日程でそれが実践可能なのかが課題点。 3. 動画やレジュメをアップできる学内サーバの情報システムなどの活用を検討。 4. 例えば、次年度からは前期・後期に分け、前期では「これだけは知っておいてほ

しい」基礎編、後期はコース分けという組立で考えている。農学を教える立場と

しては「植物をどう見るか」という話から入門するのが理想だと考える。 5.6.7. 味覚の話に絡めて「品質」の評価をするのも面白いと考える。その場合、対

象農産物は本学が得意とする「レタス」でいきたい。レタスだと味覚だけではな

くテクスチャー(食感)も評価の対象になる。 8. ビジネスプラン発表会は有意義であった。知識供与のほとんどは座学になるので、

能動学習は受講生の動機づけになる。ただし、知識は必要なので、次年度からは

講義で学んだ知識を取り入れたビジネスプランに重点をおきたい。

以上

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<アドバイザリー会議資料> 2015 年 1 月 30 日

文部科学省委託事業 「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業

今年度の成果について 1. 本事業に関する文科省の狙い・目的

1-1. 中核的専門人材養成事業が必要とされる時代背景 (産業構造の変化、グローバル化への対応) (少子高齢化に伴う労働力人口の減少、雇用問題) (若年者等無業者等増に対応する諸外国の職業と教育の評価の仕組み) (我が国の経済社会を支える分厚い中間層としての中核的専門人材養成のニーズ) 1-2. 本事業のキーワード 中核的専門人材とは 成長分野等における中核的専門人材の対象は、実践的・専門的な知識・技術・技能を身に

付け、職業に必要な卓越したまたは熟達した実務能力に基づく業務を遂行し、または、グ

ループや中小規模の組織の中で中核的な役割・機能を果たすことができる人材のこと 成長分野とは

本事業の対象とする分野は、今後の雇用創出が期待される成長分野として、環境・エネルギー、医

療・福祉・健康、IT (クラウド゙、ゲーム・CG等)、食・農林水産、クリエイティブ (デザイン・ファッション

等)、観光等とし、産業界等の具体的なニーズを踏まえた中核的専門人材養成を推進する。

→今回は、植物工場に特化した分野を成長分野と位置づけ、この分野での専門的中核人材 を養成することを目標とする

1-3. 食・農林水産分野で期待される人材について(国内の動向の一例)

マーケティング力やマネジメント力等を持つ高度アグリビジネス人材(食の6次産業化プロデューサ

ー等)を養成するため、①大学、専修学校、農業大学校、専門高校等教育機関と、JA、流通関係

企業等の連携による産学官コンソーシアムを組織化し、②それぞれの強みを活かしつつ、モデル・

カリキュラム基準、達成度評価指標等を開発、③食・農分野におけるキャリア段位制度の確立に向

けた教育プログラムの開発に取組む。 その他、①地場産物の農産物に付加価値をつけて加工・

流通までをマネジメントする農業生産者、②調理等を通じて付加価値を高める専門人材、③食と農

を軸にツーリズムへ結びつける人材の養成などが期待されている。

1-4. 今回の文科省受託事業に関して 受託事業その1.産学官連携コンソーシアム関連 ①成長分野の人材養成を巡る様々な課題についての研究協議

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カリキュラム ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラムの標準化提案 ・植物工場の高度マネジメント人材の資格化等についての検討報告書 【期待される成果実績(アウトカム)】 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム、標準教材としての確立 ・植物工場の高度マネジメント人材育成事業報告書及び対外発表等 ・植物工場の人材育成に関する引合い件数:国内 30 件、海外 10 件 【事業の実施計画と( )内太字→1 年目実施内容】 ① 会議(コンソーシアム) (今年度は 2 月に 1 回予定) ② 調査(海外)(計画通り年 2 回) ③ 教材作成(一般講座+実習教本) (未実施) ④ シンポジウムや成果報告会 (平成 26 年 11 月 7 日と平成 27 年 2 月 14 日の 2 回) ⑤ 取組成果のとりまとめ等(報告書は本編と資料編の 2 部構成を検討中) 2-3. 職域プログラム 【期待される活動指標(アウトプット)】 ・植物工場に必要なスキル、要望等のアンケート調査:約 300(企業、大学、機関等) ・植物工場の現状、課題等のヒアリング調査:国内 3 件(実施) ・人材育成実証評価(研修)参加者:30~50 名、参加企業:20~30 社 【期待される成果実績(アウトカム)】 ・植物工場の高度マネジメント人材として育成完了者(H27 年度より「履修証明書」を交

付予定):30~50 名/年。 ・本評価研修後に、新たに植物工場へ従事(転職、転籍含む)する人材数:5 名 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム、標準教材としての確立 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム実施機関数の拡大:平成 27 年度に 5機関

・植物工場の高度マネジメント人材育成事業報告書及び対外発表等 ・植物工場の人材育成に関する引合い件数:国内 50 件、海外 20 件

②社会人等の実践的な職業能力を育成する効果的な学習体系の構築 ③各分野における職業実践的な教育の質の保証・向上に資する取組の推進 →日本全国で通用する資格の確立とオーソライズ化が究極の目標となる 以上、産学官コーソーシアムの使命として、この分野における世界的動向を踏まえ、日本

での先進的取り組みができ、職域プログラム受託団体と協力して活動し、さらに職域プロ

グラムに方針を示唆できることが求められている。 受託事業その 2.職域プロジェクト関連 産業界等のニーズが高い職域(領域・分野)において、様々な教育リソースを有する複数

の教育機関、企業、関係団体等との連携の下、それぞれのニーズを踏まえ策定するモデル・

カリキュラム基準、達成度評価指標・手法等を一体的に実証する。また、これらの成果は

公開し、各教育機関等において活用されるよう全国に普及することが求められている。 2. 大阪府立大学の取り組み計画(応募時の提出計画書より) (*計画は 3 年後のあるべき姿をイメージして計画を立てているので、1 年目は一部しか実

施できていない) 2-1. 事業概要 大阪府立大学は、平成 23 年4月、経済産業省と農林水産省の補正予算に採択され、完全人

工光型に特化した植物工場研究センターを設立し、そこでの 3 年間の研究成果を踏まえ、

平成 26 年 8 月に日産 5000 株のレタスを栽培する新世代大規模植物工場を開設(経済産業

省 2/3 補助)。 完全人工光型植物工場は、最適な植物生育環境を制御するため、設置場所、

気象変動、季節等に左右されず、何処でも野菜の周年・計画生産を可能にする。研究は日

本が先行しているが、世界をリードし産業化するには、植物工場の管理・運営を担う高度

専門人材の育成が緊急の課題である。本事業は、植物工場の運営・管理ができる高度専門

人材育成のためのカリキュラムの調査、開発、実証、評価を行い、国内外で適用できるカ

リキュラムの標準化を目指すものである。 2-2. 産学官連携コンソーシアム 【期待される活動指標(アウトプット)】 ・海外の植物工場の現状、課題等のヒアリング調査:2件

(台湾、オランダ・ベルギーを予定) ・受講者の能力スキル別に合わせた、植物工場高度人材育成カリキュラム(シラバス)と、

評価指標、達成度評価基準 ・植物工場の高度マネジメント人材育成と普及に関するシンポジウム開催:1 回 ・植物工場の高度マネジメント人材のスキル育成区分(技術系、管理系)の設定と、育成

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カリキュラム ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラムの標準化提案 ・植物工場の高度マネジメント人材の資格化等についての検討報告書 【期待される成果実績(アウトカム)】 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム、標準教材としての確立 ・植物工場の高度マネジメント人材育成事業報告書及び対外発表等 ・植物工場の人材育成に関する引合い件数:国内 30 件、海外 10 件 【事業の実施計画と( )内太字→1 年目実施内容】 ① 会議(コンソーシアム) (今年度は 2 月に 1 回予定) ② 調査(海外)(計画通り年 2 回) ③ 教材作成(一般講座+実習教本) (未実施) ④ シンポジウムや成果報告会 (平成 26 年 11 月 7 日と平成 27 年 2 月 14 日の 2 回) ⑤ 取組成果のとりまとめ等(報告書は本編と資料編の 2 部構成を検討中) 2-3. 職域プログラム 【期待される活動指標(アウトプット)】 ・植物工場に必要なスキル、要望等のアンケート調査:約 300(企業、大学、機関等) ・植物工場の現状、課題等のヒアリング調査:国内 3 件(実施) ・人材育成実証評価(研修)参加者:30~50 名、参加企業:20~30 社 【期待される成果実績(アウトカム)】 ・植物工場の高度マネジメント人材として育成完了者(H27 年度より「履修証明書」を交

付予定):30~50 名/年。 ・本評価研修後に、新たに植物工場へ従事(転職、転籍含む)する人材数:5 名 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム、標準教材としての確立 ・植物工場の高度マネジメント人材育成カリキュラム実施機関数の拡大:平成 27 年度に 5機関

・植物工場の高度マネジメント人材育成事業報告書及び対外発表等 ・植物工場の人材育成に関する引合い件数:国内 50 件、海外 20 件

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実習;平成 26 年 12 月 20 日、27 年 1 月 10 日、11 日、12 日 見学会;平成 27 年 1 月 9 日 国家戦略特区兵庫県養父市バス視察 (オリックス植物工場【OA ファーム】、八鹿鉄工株式会社アグリ事業部【あさくら彩園】)

ビジネスプラン発表会;平成 27 年 1 月 16 日 ビジネスプラン発表会当日のプログラム

発表時刻 タイトル

1 10:00~ A 班「人工光植物工場の事業計画 ~都市型貸農園『楽農空間』を中心に~」

2 10:30~ D 班「植物工場の海外展開 ベトナム ダラット高原におけるブランド野菜栽培事業」

3 11:00~ B 班「飲食店とホテルが植物工場で作る季節野菜」

4 11:30~ C 班「海上コンテナを利用した育苗システムの販売」

昼休憩

発表時刻 タイトル

5 13:00~ F 班「Indoor Farm (室内菜園) Farmland © コンセプトモデルの開発提案」

6 13:30~ G 班「地方活性化・雇用創出のための植物工場開設 -北海道日高町-」

7 14:00~ H 班「植物工場フランチャイズビジネスの構築 機能性食品からのアプローチ」

8 14:30~ E 班「『どこでもベジー』ソリューション」

⑤ 事業報告会 平成 27 年 2 月 14 日

プログラム

11:00~11:30 開会(主催者挨拶)他

11:30~12:00 文部科学省人材養成事業の概要説明等

12:00~13:00 昼食・意見交換会

13:00~14:00 成果報告① ビジネスプラン優秀作の発表

14:00~15:00 成果報告② 海外視察報告(オランダ・ベルギー、台湾)

2-4. 事業の実施内容 ① 会議計画では ・人材養成戦略委員会 ・開発実証委員会 準備委員会を 2 回実施、2 月 5 日に各 1 回予定 ② 調査 ・植物工場に関するアンケート調査 計画では 300 箇所 →(未実施) ・植物工場調査(国内) 計画では年 3 箇所 →(今年度は 3 箇所) ③ モデルカリキュラム基準、達成度評価、教材等作成 ・社会人(植物工場関連の企業従事者を想定)したカリキュラムとし、基礎、強化、実践、

経営の 4 部構成 →(要素技術、マーケティング、実習、ビジネスプラン発表会の4部構成)

・評価調査・・・受講生所属先等 30 箇所に対し調査 → (実施せず) ・標準シラバス、 カリキュラム作成 → (最終版は未完成) ④ 講座の実施 ・人材養成講座 計画では 11~2 月の土曜日中心で 20 日間 → (6 日間) *さらには、実習 2 日、ビジネス提案発表会 1 日、外部施設見学会 1 日 合計 10 日

3. 受託事業今年度の実施内容・成果(中間報告) ① 植物国際シンポジウム開催(平成 26 年 11 月 7 日)

大阪府立大学学術交流会館多目的ホールにおいて国内外から 130 名以上が出席して開

催。内容は基調講演、植物工場見学、企業によるプレゼンテーション、技術交流会 (海外の研究者としては、中国、韓国、台湾、英国、ベルギー、オランダから)

② 海外視察 2 回(オランダ・ベルギー、台湾) ・ベルギー・オランダ視察(平成 26 年 11 月 25 日~29 日)

…(フィリップス研究所,HAS 大学,リエージュ大学) ・台湾視察…(平成 26 年 12 月 9 日~12 日)

・・・(台湾工業技術研究院ほか) ③ 国内視察 2 回(兵庫養父・福島・千葉)予定

・福島 ⅰ富士通ホーム&オフィスサービス Akisai やさい工場【会津若松市】 ⅱ㈱KiMiDoRI 川内村植物工場【双葉郡川内村】)(平成 27 年 2 月 2 日)

・千葉(千葉大学植物工場環境健康フィールド科学センター(平成 27 年 2 月 3 日) ④ 人材養成講座

講座;平成 26 年 11 月 15 日(開講式)~平成 27 年 1 月 16 日(修了式) 受講問合せ 49 名 うち実際の受講生 45 名 修了者 40 名(全 6 回)

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実習;平成 26 年 12 月 20 日、27 年 1 月 10 日、11 日、12 日 見学会;平成 27 年 1 月 9 日 国家戦略特区兵庫県養父市バス視察 (オリックス植物工場【OA ファーム】、八鹿鉄工株式会社アグリ事業部【あさくら彩園】)

ビジネスプラン発表会;平成 27 年 1 月 16 日 ビジネスプラン発表会当日のプログラム

発表時刻 タイトル

1 10:00~ A 班「人工光植物工場の事業計画 ~都市型貸農園『楽農空間』を中心に~」

2 10:30~ D 班「植物工場の海外展開 ベトナム ダラット高原におけるブランド野菜栽培事業」

3 11:00~ B 班「飲食店とホテルが植物工場で作る季節野菜」

4 11:30~ C 班「海上コンテナを利用した育苗システムの販売」

昼休憩

発表時刻 タイトル

5 13:00~ F 班「Indoor Farm (室内菜園) Farmland © コンセプトモデルの開発提案」

6 13:30~ G 班「地方活性化・雇用創出のための植物工場開設 -北海道日高町-」

7 14:00~ H 班「植物工場フランチャイズビジネスの構築 機能性食品からのアプローチ」

8 14:30~ E 班「『どこでもベジー』ソリューション」

⑤ 事業報告会 平成 27 年 2 月 14 日

プログラム

11:00~11:30 開会(主催者挨拶)他

11:30~12:00 文部科学省人材養成事業の概要説明等

12:00~13:00 昼食・意見交換会

13:00~14:00 成果報告① ビジネスプラン優秀作の発表

14:00~15:00 成果報告② 海外視察報告(オランダ・ベルギー、台湾)

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⑥ 事業報告書(作成中) ・産学官コンソーシアム ・職域プログラムの 2 部

⑦ 参考資料(添付、会議時回覧)

事業イメージ、講座プログラム表、講座受講生特性分析、国際シンポジウムパンフレッ

ト、ビジネスプラン発表会レジュメ 以上

4.本事業での実施事項とその成果と課題 以下に、本事業で実施した項目に関して、その成果と課題を記述する。 ① 人材養成講座開催

A.受講生募集状況と応募状況 受講生は、学内の大学 HP や植物工場研究センターHP 以外に、植物工場研究セン

ター加入コンソーシアムメンバー会社への広報、さらには、地元堺市担当者への連 絡、関連報道機関への依頼による無料記事掲載等の対応を行った。 その結果、関連会社の社員や地元社会人だけではなく、広く関東、中部、中国地方 からも受講申し込みを受けた。応募者は 49 名にのぼり、当初予測人数 30 名を大き く超えた。土曜日の集中講座ということも、応募が多かった原因ともなった。そう いう意味では、募集に関しての狙いはおおむね成功した。 ただ、受講生が多すぎる面もあり、実習や通常の座学にも大きな教室が必要となり、 講座の一体感という意味では、ややマイナスの要因であった。

B.座学関連 受講生の出席率は非常に高く、当初から出席できなくなった 4 名を除いた 45 名の

参加者としては、出席率は 90%近かった。また、各講座の終盤での質疑応答に関 しては、熱心な質問や意見が相次ぎ、講師も感心する場面があった。

カリキュラム構成は、今年度は、要素技術(光、養分、工場環境、機械化等)中

心で、7講座開設した。講座の順序としては、最初に概論(植物工場とは、この

分野に関しての世界の情勢、露地栽培との違い)を開設した。次に、要素技術関

連の講座を 7 講座そろえた。最後に、実習と並行して、マーケティング・工場採

算性についての講座を開設した。そういう意味では、一応植物工場を総覧できる

項目を含んでおりまずまずのラインアップであったが、木目細やかさという意味

では、まだまだ不十分という感があり、今後はもう少し木目細やかに対応した講

座構成が必要であると考えている。そのためには、講座数を増やす必要性も出て

くる。

C.実習 受講生の数の多さが一番影響し、運営に苦心した。植物工場内にエアーシャワー

を受けた後入ることになり、工場内での一度の作業実習者は 5 名程度が適切であ

る。3 日間午前・午後に分けて実習を行わざるを得ない状況であり、今後の改善の

検討が必要である。実習は、そのほか養液栽培の養液作成実習と工場内の環境計

測の実習があり、バリエーションはまずまずであったと判断している。ただ、40

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4.本事業での実施事項とその成果と課題 以下に、本事業で実施した項目に関して、その成果と課題を記述する。 ① 人材養成講座開催

A.受講生募集状況と応募状況 受講生は、学内の大学 HP や植物工場研究センターHP 以外に、植物工場研究セン

ター加入コンソーシアムメンバー会社への広報、さらには、地元堺市担当者への連 絡、関連報道機関への依頼による無料記事掲載等の対応を行った。 その結果、関連会社の社員や地元社会人だけではなく、広く関東、中部、中国地方 からも受講申し込みを受けた。応募者は 49 名にのぼり、当初予測人数 30 名を大き く超えた。土曜日の集中講座ということも、応募が多かった原因ともなった。そう いう意味では、募集に関しての狙いはおおむね成功した。 ただ、受講生が多すぎる面もあり、実習や通常の座学にも大きな教室が必要となり、 講座の一体感という意味では、ややマイナスの要因であった。

B.座学関連 受講生の出席率は非常に高く、当初から出席できなくなった 4 名を除いた 45 名の

参加者としては、出席率は 90%近かった。また、各講座の終盤での質疑応答に関 しては、熱心な質問や意見が相次ぎ、講師も感心する場面があった。

カリキュラム構成は、今年度は、要素技術(光、養分、工場環境、機械化等)中

心で、7講座開設した。講座の順序としては、最初に概論(植物工場とは、この

分野に関しての世界の情勢、露地栽培との違い)を開設した。次に、要素技術関

連の講座を 7 講座そろえた。最後に、実習と並行して、マーケティング・工場採

算性についての講座を開設した。そういう意味では、一応植物工場を総覧できる

項目を含んでおりまずまずのラインアップであったが、木目細やかさという意味

では、まだまだ不十分という感があり、今後はもう少し木目細やかに対応した講

座構成が必要であると考えている。そのためには、講座数を増やす必要性も出て

くる。

C.実習 受講生の数の多さが一番影響し、運営に苦心した。植物工場内にエアーシャワー

を受けた後入ることになり、工場内での一度の作業実習者は 5 名程度が適切であ

る。3 日間午前・午後に分けて実習を行わざるを得ない状況であり、今後の改善の

検討が必要である。実習は、そのほか養液栽培の養液作成実習と工場内の環境計

測の実習があり、バリエーションはまずまずであったと判断している。ただ、40

- 27 -

Page 37: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

植物工場分野での中核的専門人材養成講座

時間割

配布テキスト

数日かけて成長するレタスに対して、経時的に実習を行う、即ち播種から出荷ま

で、何とか同じレタスを使い実習できれば、受講生も実感がつかみやすいと思え

る。次年度以降の課題として重要な課題であると捉えている。 D.ビジネスプラン発表会 8 グループに分かれて、グループ内での議論を重ねた。講座内にも、ビジネス提案

力、プレゼン力を高めるための講座も設けた。 グループディスカッションのための時間がなかなか取れなかったが、各グループ

とも、通常講座スケジュールのあとに、自主的にディスカッションを行っていた。 発表会当日は、各グループとも意欲満々の発表を行い、学内外の出席者(視聴者)

からは好評を得た。 優秀グループを採点により決めて、賞状等を渡した。また、優秀な班には、改め

て成果報告会に再発表をやってもらった。

E.兵庫県養父市(国家戦略特区/農業)視察

課外視察として国家戦略特区・兵庫県養父市の植物工場を視察し講義を受けた。

八鹿鉄工が新規事業としてトマトの栽培を太陽光型で行っており、栽培等につい

て説明を受けた。また、オリックスが廃校を利用して完全人工光型植物工場の運

営をしており、見学を行った。講座受講生にとっては、大阪府立大学の施設以外

の取り組みも知ることができ、植物工場に関する幅広い見方、考え方をする上で、

貴重な体験となった。受講生の反応も概ね好評であった。

- 28 -

Page 38: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

植物工場分野での中核的専門人材養成講座

時間割

配布テキスト

Page 39: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

第1回(開講式): 植物工場入門事業の趣旨と本学完全人工光型植物工場の概略紹介

1. 人材養成事業実施の趣旨

2. カリキュラム内容の紹介

3. 本学完全人工光型植物工場の概略紹介

i. 植物工場とは; 普及と企業参入の背景等

ii. 省エネ光源化: LEDは蛍光灯に比較し30~40%電力費減可能

iii. ロボット活用: 多段型の高所作業排除、衛生管理面で入室削減

iv. 最適空調システム: コスト最小化に向け機器開発や利用法開発

v. 情報システム: ネットワークによる遠隔診断や生産・販売情報

vi. 栽培ソフト: 植物生理学に裏打ちされた栽培技術の確立

vii. 人材育成: 栽培技術者の育成に向け学生や社会人向けの教育

その他、標準化、品種拡大、物流システム、パッケージ化

公立学校法人 大阪府立大学 学長顧問(前理事・副学長)植物工場研究センター長

安保 正一

大阪府立大学「文部科学省の成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」、平成26年11月15日(土) 公立大学法人大阪府立大学 21世紀科学研究機構 植物工場研究センター

文部科学省事業“平成26年度「成長分野における中核的専門人材養成等の戦略的推進」”

【事業実施の趣旨】文部科学省の委託を受け、植物工場分野での中核的専門人材の養成を行うため、植物工場での栽

培技術、アグリビジネスとしての販売戦略、経営戦略、海外情勢の 分析・競争力の蓄積等も含む内容で、植物工場を管理・運営が可能な総合的な視野を持った中核的専門人材の養成を目的として実施します。

植物工場をモデルとした高度な作物生育環境の制御や栽培技術等の知識を有する人材を育成するため、第一線で活躍しておられる研究者・専門家を講師として、カリキュラムに基づいての講義、実習・体験、ビジネスプラン発表会等を効果的に組み合わせた内容として実施します。

本事業は、植物工場コンソーシアム会員企業、大阪湾ベイエリアや堺市域に立地する企業ならびに関連企業の方、また、それ以外にも主に植物工場事業に意欲的な企業や個人に広く募集を行い、全国から受講生を受け入れることができました。本日、平成26年11月15日(土)に開講し、平成27年1月末までの土曜日に集中的な講座形式と して実施します。最終日は、金曜日として、受講の成果をビジネスプラン発表会において披露して頂き、無事に修了できた方に、修了証書を授与します。

開催日 ①10:00-11:20 ②11:30-12:50 ③14:00-15:20 ④15:30-16:50

第1回

11/15(土)

開講式安保正一(大阪府立大学)

ガイダンス&

植物工場見学

植物工場とはどのようなものをいうか?その歴史と現状、日本と世界の動向

小倉東一(大阪府立大学)

露地栽培との違い、植物工場の適応作物

青木考(大阪府立大学)

第2回

11/22(土)

植物工場を支える技術①(人工光)

村上克介(三重大学)

植物工場を支える技術②(植物体内時計)

福田弘和(大阪府立大学)

植物工場を支える技術③(計測、成分分析)

西浦芳史(大阪府立大学)

ビジネス提案検討&

ディスカッション

第3回

12/6(土)

植物工場を支える技術④(機械化・IT化)

岩村幸治(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑤(工場設計、エネルギー)横山良平(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑥(養液栽培)

和田光生(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑦(温湿度・空調)

木下進一(大阪府立大学)

第4回

1/10(土)

植物工場マーケティング戦略、ブランド戦略、

流通戦略浦出俊和(大阪府立大学)

植物工場実習①(㈱グリーンクロックス)

植物工場実習②(㈱グリーンクロックス)

植物工場ビジネス、事業採算性

木村一貫(㈱グリーンクロックス)

第5回

1/16(金)

ビジネスプラン発表会① ビジネスプラン発表会② ビジネスプラン発表会③表彰式

と修了式

植物工場とは

完全人工光型植物工場は、太陽光と土を使わず安定品質で周年生産可能な栽培技術を有する施設

生産の安定=より再現性を高めるための生産技術

気候の変化によるリスクの最小化 (寒冷地や乾燥地、汚染地)

土壌中の細菌や養分比率の変化による障害の回避(連作可能)

植物工場(ハード、ソフト両面, ITの係わり)

品質管理=顧客満足の管理システム

数量、重量、形状、寸法、成分、性質(味、香り、歯触り等)

生産方法、納期やアフターケア (育成環境データの蓄積と解析)

省エネルギー化の設計と運転

植物の生育環境(光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養液、

水等)を制御して栽培を行う施設園芸の内、環境及び生育

のモニタリングを基礎として、高度な環境制御と生育予測を

行うことにより、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な

栽培施設を言う。環境・食料・エネルギー資源の課題解決に

繋がると期待され、国の成長戦略に位置付けされている。

「太陽光利用型」と「完全人工光型」の2つ

植物工場とは:

植物工場を定義する

• 太陽光と土を使わず安定品質で周年生産可能な栽培技術を有する施設(工場)

• 生産の安定=より再現性を高めるための生産技術

• 気候の変化によるリスクの最小化

• 土壌中の細菌や養分比率の変化による障害の回避

• 工場(ハード、ソフト両面)

• 品質管理が行われている=顧客満足のシステム

• 数量、重量、形状、寸法、成分、性質(味、香り、歯触り等)

• 生産方法、納期やアフターケア

• 美味しい野菜の生産

• 付加価値の高い野菜の生産

高付加価値農業として

既存農業との差別化を図る

定性的農業から定量的農業へ

栽培技術の確立

養液・空調・照明

新品種の発見・開発と育成

植物工場に好適な品種

既存品種の育成による最適化

販路開拓と拡大

Blue Ocean戦略

垂直・水平展開を持続する

農業で終わらない!

エンジニアリング

マーケッティングリサーチ

植物工場

閉鎖型栽培システム

気象被害を回避

高度な空間利用清潔な生産環境

太陽外エネルギー利用が可能

高度な装置化ロボット化が可能

完全無農薬

完全清浄安定生産(周年栽培)

最適環境制御

高品質

高度省力化高効率

ゼロエミッション

人工光型植物工場

植物工場の新時代の歩み

植物工場ブームの到来

第1次ブーム1980中~後

1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 (年)

クリステンセン農場、デンマーク、1957

⽶GE社、1970年前半

筑波科学万博1985

キューピーTSファーム

⼤阪府⽴⼤2011第2次ブーム1990前~後

第3次ブーム2009~

●東⽇本⼤震災2011●復興事業●TPP 2013

●気候変動●国際情勢

1次 2次

第6次産業!?

3次

キューピーTSファーム

人工光・空調・養液栽培

産業化

「図解よくわかる植物工場(高辻正基著、日刊工業新聞社、2010)」

人工光型植物工場運営の市場規模予測

出典:矢野経済研究所

No.

公立大学法人大阪府立大学 21世紀科学研究機構 植物工場研究センター

開催日 ① ② ③ ④

第 回 (土)開講式

安保正一(大阪府立大学)

ガイダンス&

植物工場見学

植物工場とはどのようなものをいうか?その歴史と現状、日本

と世界の動向小倉東一(大阪府立大学)

露地栽培との違い、植物工場の適応作物

青木考(大阪府立大学)

第 回 (土)

植物工場を支える技術①(人工光)

村上克介(三重大学)

植物工場を支える技術②(植物体内時計)

福田弘和(大阪府立大学)

植物工場を支える技術③(計測、成分分析)

西浦芳史(大阪府立大学)

ビジネス提案検討①&

ディスカッション①

第 回 (土)

植物工場を支える技術④(機械化・IT化)

岩村幸治(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑤(工場設計、エネルギー)横山良平(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑥(温湿度・空調)

木下進一(大阪府立大学)

ビジネス提案検討②&

ディスカッション②

第 回 (土)

植物工場を支える技術⑦(養液栽培)

和田光生(大阪府立大学)植物工場実習① 植物工場実習② 植物工場実習③

第 回 (土)植物工場マーケティング戦略、ブランド戦略、流通戦略浦出俊和(大阪府立大学)

植物工場ビジネス、事業採算性木村一貫(㈱グリーンクロックス)

植物工場実習④(㈱グリーンクロックス)

植物工場実習⑤(㈱グリーンクロックス)

第 回 (金) ビジネスプラン発表会① ビジネスプラン発表会② ビジネスプラン発表会③表彰式&

修了式

今年度より文部科学省の支援をうけた研修を、大阪府立大学植物工場研究センターで開催します。2014年度研修は、成長戦略の一翼を担う植物工場での中核的専門人材の養成を行うため、植物工場での栽培技術、アグリビジネスとしての販売戦略、経営戦略、海外情勢の分析・競争力の蓄積等も含む内容で総合的な視野に立てる中核的専門人材養成を行います。

■ 研修概要植物工場をモデルとした高度環境制御栽培や栽培技術等の知識を有する人材を育成、第一線で活躍する研究者・専門家を講師とした研修を開催、カリキュラムは講義、実習、ビジネスプラン発表会等を効果的に組み合わせた内容としています。

■ 対象および定員コンソーシアム会員企業、大阪湾ベイエリア及び堺市域に立地する企業並びに関連企業にお勤めの方、それ以外にも広く全国からの希望者を募集いたします。(主に植物工場事業に意欲的な企業や個人の受講生を募集しています)11月から土曜日の集中講座形式として開催し、35名を定員とします。(先着順)

■ 参加費用無料

■ 開催時期平成26年11月~平成27年1月(6日間) ※ただし、追加カリキュラムも検討中

※11月7日(金)には、植物工場国際シンポジウムを開催します。ご出席願います。

■ 開催場所大阪府立大学植物工場研究センター〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1

■ 申込方法(WEB申込)申込み受付開始は10月2日(木)から10月31日(金)(定員になり次第、募集締切り)植物工場研究センターホームページ > イベント情報 > 植物工場分野での中核的専門人材養成講座2014よりhttp://www.plant-factory.21c.osakafu-u.ac.jp/

■ お問い合わせ先大阪府立大学植物工場研究センター 担当:綾木・松尾〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1Email:[email protected] TEL:072-254-9603 または 072-254-9409

■ 研修カリキュラム ※カリキュラムについては日程・講師等が変更となる場合がございます

研修生募集!文部科学省事業“平成26年度「成長分野における中核的専門人材養成等の戦略的推進」”

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第1回(開講式): 植物工場入門事業の趣旨と本学完全人工光型植物工場の概略紹介

1. 人材養成事業実施の趣旨

2. カリキュラム内容の紹介

3. 本学完全人工光型植物工場の概略紹介

i. 植物工場とは; 普及と企業参入の背景等

ii. 省エネ光源化: LEDは蛍光灯に比較し30~40%電力費減可能

iii. ロボット活用: 多段型の高所作業排除、衛生管理面で入室削減

iv. 最適空調システム: コスト最小化に向け機器開発や利用法開発

v. 情報システム: ネットワークによる遠隔診断や生産・販売情報

vi. 栽培ソフト: 植物生理学に裏打ちされた栽培技術の確立

vii. 人材育成: 栽培技術者の育成に向け学生や社会人向けの教育

その他、標準化、品種拡大、物流システム、パッケージ化

公立学校法人 大阪府立大学 学長顧問(前理事・副学長)植物工場研究センター長

安保 正一

大阪府立大学「文部科学省の成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」、平成26年11月15日(土) 公立大学法人大阪府立大学 21世紀科学研究機構 植物工場研究センター

文部科学省事業“平成26年度「成長分野における中核的専門人材養成等の戦略的推進」”

【事業実施の趣旨】文部科学省の委託を受け、植物工場分野での中核的専門人材の養成を行うため、植物工場での栽

培技術、アグリビジネスとしての販売戦略、経営戦略、海外情勢の 分析・競争力の蓄積等も含む内容で、植物工場を管理・運営が可能な総合的な視野を持った中核的専門人材の養成を目的として実施します。

植物工場をモデルとした高度な作物生育環境の制御や栽培技術等の知識を有する人材を育成するため、第一線で活躍しておられる研究者・専門家を講師として、カリキュラムに基づいての講義、実習・体験、ビジネスプラン発表会等を効果的に組み合わせた内容として実施します。

本事業は、植物工場コンソーシアム会員企業、大阪湾ベイエリアや堺市域に立地する企業ならびに関連企業の方、また、それ以外にも主に植物工場事業に意欲的な企業や個人に広く募集を行い、全国から受講生を受け入れることができました。本日、平成26年11月15日(土)に開講し、平成27年1月末までの土曜日に集中的な講座形式と して実施します。最終日は、金曜日として、受講の成果をビジネスプラン発表会において披露して頂き、無事に修了できた方に、修了証書を授与します。

開催日 ①10:00-11:20 ②11:30-12:50 ③14:00-15:20 ④15:30-16:50

第1回

11/15(土)

開講式安保正一(大阪府立大学)

ガイダンス&

植物工場見学

植物工場とはどのようなものをいうか?その歴史と現状、日本と世界の動向

小倉東一(大阪府立大学)

露地栽培との違い、植物工場の適応作物

青木考(大阪府立大学)

第2回

11/22(土)

植物工場を支える技術①(人工光)

村上克介(三重大学)

植物工場を支える技術②(植物体内時計)

福田弘和(大阪府立大学)

植物工場を支える技術③(計測、成分分析)

西浦芳史(大阪府立大学)

ビジネス提案検討&

ディスカッション

第3回

12/6(土)

植物工場を支える技術④(機械化・IT化)

岩村幸治(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑤(工場設計、エネルギー)横山良平(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑥(養液栽培)

和田光生(大阪府立大学)

植物工場を支える技術⑦(温湿度・空調)

木下進一(大阪府立大学)

第4回

1/10(土)

植物工場マーケティング戦略、ブランド戦略、

流通戦略浦出俊和(大阪府立大学)

植物工場実習①(㈱グリーンクロックス)

植物工場実習②(㈱グリーンクロックス)

植物工場ビジネス、事業採算性

木村一貫(㈱グリーンクロックス)

第5回

1/16(金)

ビジネスプラン発表会① ビジネスプラン発表会② ビジネスプラン発表会③表彰式

と修了式

植物工場とは

完全人工光型植物工場は、太陽光と土を使わず安定品質で周年生産可能な栽培技術を有する施設

生産の安定=より再現性を高めるための生産技術

気候の変化によるリスクの最小化 (寒冷地や乾燥地、汚染地)

土壌中の細菌や養分比率の変化による障害の回避(連作可能)

植物工場(ハード、ソフト両面, ITの係わり)

品質管理=顧客満足の管理システム

数量、重量、形状、寸法、成分、性質(味、香り、歯触り等)

生産方法、納期やアフターケア (育成環境データの蓄積と解析)

省エネルギー化の設計と運転

植物の生育環境(光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養液、

水等)を制御して栽培を行う施設園芸の内、環境及び生育

のモニタリングを基礎として、高度な環境制御と生育予測を

行うことにより、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な

栽培施設を言う。環境・食料・エネルギー資源の課題解決に

繋がると期待され、国の成長戦略に位置付けされている。

「太陽光利用型」と「完全人工光型」の2つ

植物工場とは:

植物工場を定義する

• 太陽光と土を使わず安定品質で周年生産可能な栽培技術を有する施設(工場)

• 生産の安定=より再現性を高めるための生産技術

• 気候の変化によるリスクの最小化

• 土壌中の細菌や養分比率の変化による障害の回避

• 工場(ハード、ソフト両面)

• 品質管理が行われている=顧客満足のシステム

• 数量、重量、形状、寸法、成分、性質(味、香り、歯触り等)

• 生産方法、納期やアフターケア

• 美味しい野菜の生産

• 付加価値の高い野菜の生産

高付加価値農業として

既存農業との差別化を図る

定性的農業から定量的農業へ

栽培技術の確立

養液・空調・照明

新品種の発見・開発と育成

植物工場に好適な品種

既存品種の育成による最適化

販路開拓と拡大

Blue Ocean戦略

垂直・水平展開を持続する

農業で終わらない!

エンジニアリング

マーケッティングリサーチ

植物工場

閉鎖型栽培システム

気象被害を回避

高度な空間利用清潔な生産環境

太陽外エネルギー利用が可能

高度な装置化ロボット化が可能

完全無農薬

完全清浄安定生産(周年栽培)

最適環境制御

高品質

高度省力化高効率

ゼロエミッション

人工光型植物工場

植物工場の新時代の歩み

植物工場ブームの到来

第1次ブーム1980中~後

1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 (年)

クリステンセン農場、デンマーク、1957

⽶GE社、1970年前半

筑波科学万博1985

キューピーTSファーム

⼤阪府⽴⼤2011第2次ブーム1990前~後

第3次ブーム2009~

●東⽇本⼤震災2011●復興事業●TPP 2013

●気候変動●国際情勢

1次 2次

第6次産業!?

3次

キューピーTSファーム

人工光・空調・養液栽培

産業化

「図解よくわかる植物工場(高辻正基著、日刊工業新聞社、2010)」

人工光型植物工場運営の市場規模予測

出典:矢野経済研究所

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Page 41: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

植物工場のキーテクノロジー人工照明システム

高圧ナトリウムランプ 蛍光灯 LED 太陽光

高効率、単位出力当たりのコストが安い。以前は主流で長寿命(12.000Hrs以上)。

熱量大のため近接が不可であう。

空調への負荷大。

高効率、長寿命(10,000Hrs程度)。

照明機器としては安価である。

熱量が比較的小で近接が可能である。

多段栽培に適している。現在の主流。

長寿(100,000Hrs)で、低消費電力である。

熱量が小で、多段栽培に適している。

波長コントロールが可能で、作物の高機能化に利用できる。

無料の光源。

果菜類、穀類育成に最適。

紫外線と夏期の熱量が問題となる。

知的太陽光植物工場に期待。

17施設TSファームJFEライフ 他

11施設フェアリースプレッド 他

3施設旧コスモ系 他

20施設カゴメ系 他

18

ハーブ生産室

アイスプラント生産室

植物工場に適した植物は:栽培日数の短いもの(回転率の良い)や光量の少なくてよいものとして葉菜類が主体(現状)。

土圧(培地)が必要な根葉(にんじんや大根類)等は水耕栽培に不適。研究段階。

光源としては?

LED

青色の450 nmが1で、赤色の660 nmが3の比率。

200 μmol/sec。

LED光の波長が植物の生育に及ぼす影響

Light treatment Leaf wt. (g) Root wt. (g) Chlorophylcontent (SPAD)

Soluble solid (Brix)

Vitamin C content (ppm)

R90/G0/B10% 1.2 0.2 45 0.2 2546

R80/G10/B10% 1.8 0.4 44.8 0.3 2928

T8 Fluorescent 1.6 0.6 41 0.2 2708

T8

完全人工光型植物工場

個別ユニットの制御と遠隔管理:温度、湿度、CO2濃度、養液内容

モニタリングによる栽培支援計測・画像データによる栽培支援

省エネルギー設計栽培棚、栽培トレー、照 明(植物工場用光源の開発)、空調機、循環ファン、養液循環ポン

プ、環境測定計器等

栽培室ユニットの外観イメージ

レタス栽培室(クリーンルーム)内 レタス栽培棚

完全制御人工光型植物工場の技術要素

HIDランプ: High Intensity Discharge Lamp〈高輝度放電ランプ)

CCDカメラ: Charge-coupled Device Camera(電荷結合素子、固体撮像素子)

FL ランプ: Fluorescence Lamp(蛍光ランプ) LEDランプ: Light Emitting Diode 〈発光ダイオード)

光源装置

高圧ナトリウム 蛍光灯

制御装置とその他の周辺機器PCによる制御画面例

簡易手動播種器 パネル乾燥台車

PHセンサー 肥料 パネル洗浄機 包装機

LED

チップメーカーや照明器具アッセンブリーメーカーが植物工場用光源を開発。〔光強度、光質、コスト、

耐環境制能)

最適空調の制御技術

環境の均一化: 温度・湿度・照度・気流・CO2濃度センサー: ワイヤレス・非接触測定環境制御: セキュリティー低コスト化: 材料、人件費、電気等

シミュレータで多様な栽培環境をつくることで育成の最適条件をさぐる。モニタリング: Vent Hole の位置, 風向きと速度、温度、湿度、二酸化炭素濃度等。ハードウェアモデルの構築

植物工場空調システムの最適開発・課題解決

①大阪府立大標準モデルの設定

②実証のための実フィールドテスト実施

最適栽培環境条件の模索

最適空調条件を模索するための

シミュレーションツールの開発

①植物解析モデル作成(蒸散,光合成)

②栽培実験(シミュレータ室)によるモデル検証

③既存ツールの改造,植物解析モデルの組込

④改造ツールの妥当性検証

⑤最適化空調への応用

0

10

20

30

40

50

60

70

LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g

)

炭酸ガス施肥なし(約400ppm) 炭酸ガス施肥あり(1000ppm)

0

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30

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LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g)

送風機停止(平均0.14m/s) 送風機18Hz(平均0.82m/s) 送風機36Hz(平均2.23m/s)

0

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LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g)

20℃ 25℃ 30℃

育成環境の影響(一例)

a. 二酸化炭素濃度による比較 b. 風速による比較

c. 温度による比較a. 二酸化炭素濃度(左上)どの照明条件であっても、炭酸ガス施肥を行った際のレタスの大幅な収量増大を確認。

b. 風速(右上)どの照明条件であっても、平均風速0.8m/sの微風速条件でのレタスの収量増大の傾向を確認。また、平均風速2.2m/sとやや強風条件になると収量が大幅に低下することがわかった。

c. 温度(左下)20℃でレタスの収量増大の傾向が確認できた。25℃では収量はやや低下し、30℃では致命的に低下する。

プラント名称 実施事業者 主な品⽬ 設置場所 ⽇産株数

1⽇本アドバンスアグリ⻑浜⼯場 ⽇本アドバンスアグリ(株) アイスプラント 滋賀県⻑浜市 500

2 みらくるグリーン (株)みらくるグリーン ベビーリーフ、ハーブ ⼤阪府和泉市 500

3インターナショナリー・ローカル

インターナショナリー・ローカル

アイスプラント等 沖縄県⽷満市 500

4コスモファーム岩⾒沢 クピド・フェア リーフレタス 北海道

岩⾒沢市 1,000

5秩⽗みどりが丘ファーム (株)野菜⼯房 レタス 埼⽟県秩⽗市 1,000

6 松代ハイテクファーム (有)松代ハイテクファーム レタス、サラダ菜

新潟県⼗⽇町市 1,000

7ハイテクファーム武⽣⼯場 ハイテクファーム サラダ菜、

リーフレタス等 福井県越前市 1,000

8フレッシュグリーン牧之原⼯場 (有)フレッシュグリーン サラダ菜、

レタス 静岡県 1,000

9 フレッシュグリーン (有)フレッシュグリーン サラダ菜、レタス 静岡県 1,000

10 (株)夢ファーム有漢 (株)夢ファーム有漢 フリルアイス等 岡⼭県⾼梁市 1,000

11 夢ファームやなだに 柳⾕村産業開発公社 サラダ菜等 愛媛県久万⾼原町 1,000

12夢野菜おおざいファーム

(有)夢野菜おおざいファーム

グリーンリーフ等 ⼤分県⼤分市 1,000

13 ぐしけん野菜⼯場 (株)ぐしけん 沖縄県北中城村 1,000

14 美唄⼯場 クピド・フェア リーフレタス 北海道美唄市 1,500

15 ハイテック⽻⽣ ハイテック⽻⽣ サラダ菜、リーフレタス 埼⽟県⽻⽣市 1,500

16 アーバンファーム (有)アーバンファーム レタス、各種ハーブ類 千葉県柏市 1,500

17 東京ドリーム (有)東京ドリーム リーフレタス、サラダ菜等 東京都⼩平市 1,500

18安曇野三郷ハイテクファーム

(有)安曇野三郷ハイテクファーム

サラダ菜、わさび菜等

⻑野県安曇野市 1,500

19ハイテクファーム園部⼯場 ハイテクファーム サラダ菜、

レタス 京都府南丹市 1,500

20 夢ファーム⼟佐⼭ (株)夢ファーム⼟佐⼭ サラダ菜、リーフレタス ⾼知県⾼知市 1,500

21 安全野菜⼯場 (有)安全野菜⼯場 チマ、サンチュ ⼭形県⽶沢市 2,000

22 ラプランタ諏訪 (株)ラプランタ リバーグリーン等 ⻑野県岡⾕市 2,000

23 住⽥野菜⼯房 (株)九州屋 レタス、サンチュ等 岩⼿県住⽥市 3,000

24 TSファーム⽩河 キューピー(株)サラダ菜、リーフレタス 福島県⽩河市 3,000

25 ⻲岡プラント (株)スプレッド フリルレタス、サンチュ等 京都府⻲岡市 20,000

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完全⼈⼯光型植物⼯場

⽇産⽣産株数別プラント数

完完全人工光型植物工場 日産生産株数別プラント数植物工場のキーテクノロジー

• 三つのキーテクノロジー

• 養液

• 照明

• 空調

• 生育状態を変化させて目的の生産物を得る

• 養液濃度調整で硝酸態濃度をコントロール

• 根圏域へのストレス付与で体内成分が変化

• 光の波長制御で生体重調整・ビタミン、ミネラル、ポリフェノール等の有用成分の蓄積が可能

• 気流をコントロールすることで生育促進、生理障害回避が図れる

養液養液

空調空調照明照明

栽培(水耕)装置

湛液式

養液量多く、成分安定、パネル移動がしやすい。溶存酸素を補う工夫(エアポンプ等)が必要。

噴霧式

気根発達するも、スペースを取る。

薄膜式

気根発達するも、養液温度変化しやすい。

連作障害の回避、自動追肥装置および養液の更新や除菌システムの利用で水を最大限有効に利用が可能。

植物工場における基本的な栽培(生産)工程ソフトウエアテクロノジー開発

播種 収穫育苗 定植 栽培

優良苗選抜技術(苗スクリーニング)植物体内時計制御の技術

促成栽培技術 環境-形質データマイニング技術(オミクス・データ科学)

分⼦育種

播種工程 育苗工程 栽培工程 収穫

播種工程 育苗工程 栽培工程 栽培日数ウレタン培地に播種し育育苗 育苗パネル(120)穴を使用して 育苗パネル工程を経た苗(約

にて芽だし、その後緑化の 育苗ステージ2-3週間栽培し 6-8gを株間を広げた定植パネル工程を得て播種後約4~6日で ます。上記写真は育苗工程の (12-20穴)に移動し、収穫の上記のような状態になり、 ものです。 大きさ(80-100g)まで生育させる。育苗パネルに移植します。

サラダ菜(80g/株)4日 10日 18日 32日

取り組みの現状

•栽培工程

播種 育苗 定植

生育 収穫 梱包・出荷

取り組みの現状

•栽培実験施設概要(一例)

植物生育に有効な波長域

光形態形成クリプトクロム・フォトトロピン フィトクロム 光受容体

光合成クロロフィル・カロテノイド 光合成色素

UV-C UV-B UV-A B G R FR IR

波長 (nm) 300 400 500 600 700 800 波長 (nm)

機能性物質の合成 葉の形態形成 光合成の促進

着色の促進 花成誘導 花成誘導 開花調節

抵抗性物質の合成 茎伸長 茎伸長

実用作物(野菜、花木等)においては、

・利用部位(葉、果実、茎など)

・利用目的(3大栄養素、ビタミン、機能性成分、料理法、その他)に合わせた生育制御が必要

栽培用光源として求められる機能とは

• 導入・運用で低コストであること

照明として安価であり寿命が長い

• 発熱量が少ないこと

熱源対策に費用がかかる

空調負荷が大きいと電気代の増加になる

• 近接照射が可能であること

多段栽培による収量増

光量の無駄を少なくする

• 波長域制御が可能であること

機能性・高付加価値化で価格維持と事業展開の可能性

• 管理がしやすいこと

設置や管交換が容易な単純な構造が望ましい

光質制御波長 点滅(デューティー比)

配光・光源均一照明 放熱 熱放射 ランプ種

電源直流給電 (直流発電)

低コスト化

植物における光環境要素 光を利用する植物反応光強度、日長(明期)、光質 光合成

光形態形成(伸長、花成(花芽分化~開花))色素合成

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Page 42: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

植物工場のキーテクノロジー人工照明システム

高圧ナトリウムランプ 蛍光灯 LED 太陽光

高効率、単位出力当たりのコストが安い。以前は主流で長寿命(12.000Hrs以上)。

熱量大のため近接が不可であう。

空調への負荷大。

高効率、長寿命(10,000Hrs程度)。

照明機器としては安価である。

熱量が比較的小で近接が可能である。

多段栽培に適している。現在の主流。

長寿(100,000Hrs)で、低消費電力である。

熱量が小で、多段栽培に適している。

波長コントロールが可能で、作物の高機能化に利用できる。

無料の光源。

果菜類、穀類育成に最適。

紫外線と夏期の熱量が問題となる。

知的太陽光植物工場に期待。

17施設TSファームJFEライフ 他

11施設フェアリースプレッド 他

3施設旧コスモ系 他

20施設カゴメ系 他

18

ハーブ生産室

アイスプラント生産室

植物工場に適した植物は:栽培日数の短いもの(回転率の良い)や光量の少なくてよいものとして葉菜類が主体(現状)。

土圧(培地)が必要な根葉(にんじんや大根類)等は水耕栽培に不適。研究段階。

光源としては?

LED

青色の450 nmが1で、赤色の660 nmが3の比率。

200 μmol/sec。

LED光の波長が植物の生育に及ぼす影響

Light treatment Leaf wt. (g) Root wt. (g) Chlorophylcontent (SPAD)

Soluble solid (Brix)

Vitamin C content (ppm)

R90/G0/B10% 1.2 0.2 45 0.2 2546

R80/G10/B10% 1.8 0.4 44.8 0.3 2928

T8 Fluorescent 1.6 0.6 41 0.2 2708

T8

完全人工光型植物工場

個別ユニットの制御と遠隔管理:温度、湿度、CO2濃度、養液内容

モニタリングによる栽培支援計測・画像データによる栽培支援

省エネルギー設計栽培棚、栽培トレー、照 明(植物工場用光源の開発)、空調機、循環ファン、養液循環ポン

プ、環境測定計器等

栽培室ユニットの外観イメージ

レタス栽培室(クリーンルーム)内 レタス栽培棚

完全制御人工光型植物工場の技術要素

HIDランプ: High Intensity Discharge Lamp〈高輝度放電ランプ)

CCDカメラ: Charge-coupled Device Camera(電荷結合素子、固体撮像素子)

FL ランプ: Fluorescence Lamp(蛍光ランプ) LEDランプ: Light Emitting Diode 〈発光ダイオード)

光源装置

高圧ナトリウム 蛍光灯

制御装置とその他の周辺機器PCによる制御画面例

簡易手動播種器 パネル乾燥台車

PHセンサー 肥料 パネル洗浄機 包装機

LED

チップメーカーや照明器具アッセンブリーメーカーが植物工場用光源を開発。〔光強度、光質、コスト、

耐環境制能)

最適空調の制御技術

環境の均一化: 温度・湿度・照度・気流・CO2濃度センサー: ワイヤレス・非接触測定環境制御: セキュリティー低コスト化: 材料、人件費、電気等

シミュレータで多様な栽培環境をつくることで育成の最適条件をさぐる。モニタリング: Vent Hole の位置, 風向きと速度、温度、湿度、二酸化炭素濃度等。ハードウェアモデルの構築

植物工場空調システムの最適開発・課題解決

①大阪府立大標準モデルの設定

②実証のための実フィールドテスト実施

最適栽培環境条件の模索

最適空調条件を模索するための

シミュレーションツールの開発

①植物解析モデル作成(蒸散,光合成)

②栽培実験(シミュレータ室)によるモデル検証

③既存ツールの改造,植物解析モデルの組込

④改造ツールの妥当性検証

⑤最適化空調への応用

0

10

20

30

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70

LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g

)

炭酸ガス施肥なし(約400ppm) 炭酸ガス施肥あり(1000ppm)

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LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g)

送風機停止(平均0.14m/s) 送風機18Hz(平均0.82m/s) 送風機36Hz(平均2.23m/s)

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LED照明(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD200) Hf蛍光灯(PPFD290) Hf蛍光灯(PPFD550)

可食

部重

量(g)

20℃ 25℃ 30℃

育成環境の影響(一例)

a. 二酸化炭素濃度による比較 b. 風速による比較

c. 温度による比較a. 二酸化炭素濃度(左上)どの照明条件であっても、炭酸ガス施肥を行った際のレタスの大幅な収量増大を確認。

b. 風速(右上)どの照明条件であっても、平均風速0.8m/sの微風速条件でのレタスの収量増大の傾向を確認。また、平均風速2.2m/sとやや強風条件になると収量が大幅に低下することがわかった。

c. 温度(左下)20℃でレタスの収量増大の傾向が確認できた。25℃では収量はやや低下し、30℃では致命的に低下する。

プラント名称 実施事業者 主な品⽬ 設置場所 ⽇産株数

1⽇本アドバンスアグリ⻑浜⼯場 ⽇本アドバンスアグリ(株) アイスプラント 滋賀県⻑浜市 500

2 みらくるグリーン (株)みらくるグリーン ベビーリーフ、ハーブ ⼤阪府和泉市 500

3インターナショナリー・ローカル

インターナショナリー・ローカル

アイスプラント等 沖縄県⽷満市 500

4コスモファーム岩⾒沢 クピド・フェア リーフレタス 北海道

岩⾒沢市 1,000

5秩⽗みどりが丘ファーム (株)野菜⼯房 レタス 埼⽟県秩⽗市 1,000

6 松代ハイテクファーム (有)松代ハイテクファーム レタス、サラダ菜

新潟県⼗⽇町市 1,000

7ハイテクファーム武⽣⼯場 ハイテクファーム サラダ菜、

リーフレタス等 福井県越前市 1,000

8フレッシュグリーン牧之原⼯場 (有)フレッシュグリーン サラダ菜、

レタス 静岡県 1,000

9 フレッシュグリーン (有)フレッシュグリーン サラダ菜、レタス 静岡県 1,000

10 (株)夢ファーム有漢 (株)夢ファーム有漢 フリルアイス等 岡⼭県⾼梁市 1,000

11 夢ファームやなだに 柳⾕村産業開発公社 サラダ菜等 愛媛県久万⾼原町 1,000

12夢野菜おおざいファーム

(有)夢野菜おおざいファーム

グリーンリーフ等 ⼤分県⼤分市 1,000

13 ぐしけん野菜⼯場 (株)ぐしけん 沖縄県北中城村 1,000

14 美唄⼯場 クピド・フェア リーフレタス 北海道美唄市 1,500

15 ハイテック⽻⽣ ハイテック⽻⽣ サラダ菜、リーフレタス 埼⽟県⽻⽣市 1,500

16 アーバンファーム (有)アーバンファーム レタス、各種ハーブ類 千葉県柏市 1,500

17 東京ドリーム (有)東京ドリーム リーフレタス、サラダ菜等 東京都⼩平市 1,500

18安曇野三郷ハイテクファーム

(有)安曇野三郷ハイテクファーム

サラダ菜、わさび菜等

⻑野県安曇野市 1,500

19ハイテクファーム園部⼯場 ハイテクファーム サラダ菜、

レタス 京都府南丹市 1,500

20 夢ファーム⼟佐⼭ (株)夢ファーム⼟佐⼭ サラダ菜、リーフレタス ⾼知県⾼知市 1,500

21 安全野菜⼯場 (有)安全野菜⼯場 チマ、サンチュ ⼭形県⽶沢市 2,000

22 ラプランタ諏訪 (株)ラプランタ リバーグリーン等 ⻑野県岡⾕市 2,000

23 住⽥野菜⼯房 (株)九州屋 レタス、サンチュ等 岩⼿県住⽥市 3,000

24 TSファーム⽩河 キューピー(株)サラダ菜、リーフレタス 福島県⽩河市 3,000

25 ⻲岡プラント (株)スプレッド フリルレタス、サンチュ等 京都府⻲岡市 20,000

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完全⼈⼯光型植物⼯場

⽇産⽣産株数別プラント数

完完全人工光型植物工場 日産生産株数別プラント数植物工場のキーテクノロジー

• 三つのキーテクノロジー

• 養液

• 照明

• 空調

• 生育状態を変化させて目的の生産物を得る

• 養液濃度調整で硝酸態濃度をコントロール

• 根圏域へのストレス付与で体内成分が変化

• 光の波長制御で生体重調整・ビタミン、ミネラル、ポリフェノール等の有用成分の蓄積が可能

• 気流をコントロールすることで生育促進、生理障害回避が図れる

養液養液

空調空調照明照明

栽培(水耕)装置

湛液式

養液量多く、成分安定、パネル移動がしやすい。溶存酸素を補う工夫(エアポンプ等)が必要。

噴霧式

気根発達するも、スペースを取る。

薄膜式

気根発達するも、養液温度変化しやすい。

連作障害の回避、自動追肥装置および養液の更新や除菌システムの利用で水を最大限有効に利用が可能。

植物工場における基本的な栽培(生産)工程ソフトウエアテクロノジー開発

播種 収穫育苗 定植 栽培

優良苗選抜技術(苗スクリーニング)植物体内時計制御の技術

促成栽培技術 環境-形質データマイニング技術(オミクス・データ科学)

分⼦育種

播種工程 育苗工程 栽培工程 収穫

播種工程 育苗工程 栽培工程 栽培日数ウレタン培地に播種し育育苗 育苗パネル(120)穴を使用して 育苗パネル工程を経た苗(約

にて芽だし、その後緑化の 育苗ステージ2-3週間栽培し 6-8gを株間を広げた定植パネル工程を得て播種後約4~6日で ます。上記写真は育苗工程の (12-20穴)に移動し、収穫の上記のような状態になり、 ものです。 大きさ(80-100g)まで生育させる。育苗パネルに移植します。

サラダ菜(80g/株)4日 10日 18日 32日

取り組みの現状

•栽培工程

播種 育苗 定植

生育 収穫 梱包・出荷

取り組みの現状

•栽培実験施設概要(一例)

植物生育に有効な波長域

光形態形成クリプトクロム・フォトトロピン フィトクロム 光受容体

光合成クロロフィル・カロテノイド 光合成色素

UV-C UV-B UV-A B G R FR IR

波長 (nm) 300 400 500 600 700 800 波長 (nm)

機能性物質の合成 葉の形態形成 光合成の促進

着色の促進 花成誘導 花成誘導 開花調節

抵抗性物質の合成 茎伸長 茎伸長

実用作物(野菜、花木等)においては、

・利用部位(葉、果実、茎など)

・利用目的(3大栄養素、ビタミン、機能性成分、料理法、その他)に合わせた生育制御が必要

栽培用光源として求められる機能とは

• 導入・運用で低コストであること

照明として安価であり寿命が長い

• 発熱量が少ないこと

熱源対策に費用がかかる

空調負荷が大きいと電気代の増加になる

• 近接照射が可能であること

多段栽培による収量増

光量の無駄を少なくする

• 波長域制御が可能であること

機能性・高付加価値化で価格維持と事業展開の可能性

• 管理がしやすいこと

設置や管交換が容易な単純な構造が望ましい

光質制御波長 点滅(デューティー比)

配光・光源均一照明 放熱 熱放射 ランプ種

電源直流給電 (直流発電)

低コスト化

植物における光環境要素 光を利用する植物反応光強度、日長(明期)、光質 光合成

光形態形成(伸長、花成(花芽分化~開花))色素合成

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Page 43: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

研究意義と課題

(写真)台湾の民間企業台湾大学セミナーと視察や意見交換会の実施。

①技術イノベーション②国際競争力

農業の衰退・高齢化異常気象・環境汚染

①生産コスト高②国際競争の激化

植物工場の意義と課題

国策としての農商工連携(6次産業化)植物工場の普及と拡大

全国17(H16)→44(H24)カ所

ハードウエアだけでは、

国際競争に勝てない、専門の人材育成。

植物工場研究拠点(大阪府大)の構想

最大規模・最先端システム

技術開発の最重要課題◎ソフトウエア開発を重視栽培環境パラメータの最適化

多層型植物生産室A(レタス)

施設概要経済産業省:「先進的植物工場施設整備事業」(約6億円)空調、照明、自動化等の植物工場に関する要素技術の研究開発施設鉄筋コンクリート造2階建 延床面積約1,000㎡

C20棟

農林水産省:「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」(約5億円)ハーブ、アイスプラント、レタス、コケの栽培技術実証及び展示、研修施設 鉄筋コンクリート造2階建 延床面積約1,000㎡

C21棟

活動内容(1)要素技術の開発(2)栽培の実証(3)人材育成(4)普及と展示(5)情報の収集と提供

植物工場研究センター(C20棟とC21棟)

施設見学者累計数:

この3年半で16000名以上

コンソーシアム会員数120社(2012年 9月の最大時)

テレビ 35件 (15社)新聞 42件 (19社)ラジオ 4件 ( 2社)雑誌 10件 ( 8社)Web 6件 ( 4社)全体 97件 (48社)

メディア対応状況

大阪府立大学 完全人工光型植物工場研究センターの役割、施設、運営、活動内容、今後への展開等の紹介

・要素技術の開発 ・栽培管理技術の実証 ・普及を図るための展示・情報の収集と提供 ・人材の育成

○経済産業省(平成21年度補正予算)「先進的植物工場施設整備事業」

採択機関1 青森県産業技術センター

2 千葉大学

3 東京農工大学

4 明治大学

5 信州大学

6 大阪府立大学7 島根大学

8 愛媛大学

○農林水産省(平成21年度補正予算)「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」

経済産業省、農林水産省 両省のプロジェクトに採択

わが国における植物工場研究開発拠点としての役割(全国で10拠点)

21世紀科学研究機構(分野横断型研究所群)に植物工場研究センターを設置

全学的支援体制のもと拠点としての役割を果たしていく

採択機関1 農研機構

2 千葉大学

3 三重県農業研究所

4 大阪府立大学5 愛媛大学

35

植物工場研究センターの役割

36

生産コスト縮減・経済栽培品目・品質向上安定化

空調

照明

センサー

自動化

総合技術

完全人工光型植物工場

均一環境

生育ムラ排除

LED活用

コスト縮減環境制御

サイエンス農業

施設ロボット

人件費削減 特殊育成

機能性作物

亜臨界水処理

残渣処理

太陽光発電

環境配慮

★ ★★

緊急課題の3技術(低コスト)

1. 空 調 局所環境制御技術 → 歩留まり約30%改善

2. 照 明 660 nm LED応用技術 → 電力約60%削減

3. 自動化 垂直株間制御技術 → 人件費約50%縮減

20%人件費

20%電気代

20%その他

40%設備償却

取り組む技術開発の具体的内容

緊急課題

完全人工光型植物工場のコスト構成

低コスト完全人工光型の植物工場モデルの追及

空調・照明・自動化(生産コスト縮減・品質向上安定化)部局・分野横断の総合科学・技術の

テクノインテグレーション

植物工場研究センター

37

2013年4月1日現在 42名

所属 役職 氏名 所属 役職 氏名 所属 役職 氏名

センター長 学長顧問 安保 正一 工学域 教授 吉岡 理文 生命環境科学域 准教授 森川 利信

副センター長 特認教授 村瀬 治比古 工学域 准教授 有馬 正和 生命環境科学域 講師 竹田 恵美

副センター長 教授 小泉 望 工学域 准教授 木下 進一 生命環境科学域 講師 古川 一

副センター長 教授 大門 弘幸 工学域 准教授 新谷 篤彦 生命環境科学域 助教 浦出 俊和

副センター長 教授 吉田 篤正 工学域 准教授 福田 弘和 生命環境科学域 助教 手塚 孝弘

現代システム科学域

教授 菅野 正嗣 工学域 准教授 涌井 徹也 生命環境科学域 助教 中澤 昌美

現代システム科学域

教授 杉村 延広 工学域 講師 徳本 勇人 生命環境科学域 助教 和田 光生

現代システム科学域

教授 中島 智晴 生命環境科学域 教授 青木 考 生命環境科学域 客員研究員 藤浦 建史

工学域 教授 荻野 博康 生命環境科学域 教授 今堀 義洋 地域保健学域 教授 奥田 邦晴

工学域 教授 小西 啓治 生命環境科学域 教授 北宅 善昭 地域保健学域 助教 木下 明美

工学域 教授 小西 康裕 生命環境科学域 教授 阪本 龍司 高等教育推進機構 准教授 吉井 泉

工学域 教授 須賀 一彦 生命環境科学域 准教授 岡澤 敦司 地域連携研究機構 教授 古田 雅一

工学域 教授 内藤 裕義 生命環境科学域 准教授 岸田 正夫

工学域 教授 堀中 博道 生命環境科学域 准教授 西浦 芳史

工学域 教授 横山 良平 生命環境科学域 准教授 三柴 啓一郎

学内研究員体制 ~工学、生命環境科学を中心に全学から参画~

ユニバーサルデザイン室 栽培環境シミュレータ室

施設外観(手前:C20棟、奥:C21棟) 屋上(ハイブリッドエコエネルギーシステム)

植物工場研究センタ-研究施設(一例)

レタス生産室(15段の育成棚, 日産250 株のレタス生産)

A 15-tier plant growth system equipped with a mist sprinkler leads to a high-yield production of moss in much shorter period.Moss is cultivated in such textile nets. The moss growth in nets is utilized to keep efficiency of solar panels.

汚染の感染ルートは3つ(日常管理が大切)

人員対策が重要。作業ユニフォーム、帽子、靴は清潔に。手洗いは石鹸、アルコール、流水で。禁止行為(喫煙,放痰・唾、食事)

種子も気が抜けない!種子の消毒方法: メッシュの袋に入れ、500ppm以下のNaClO水溶液で洗浄、水ですすぎ、脱水し、新聞紙等に広げ自然乾燥させる。

清浄な無菌の水を使う。除菌システムの利用:

膜、UV殺菌灯、オゾン等

も。

HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)

HACCP

植物工場

汚染の感染ルートでの人員対策が最大のポイント

① 安全な野菜無農薬栽培、衛生管理された生産、工程で安全性が担保、低細菌で洗わないで

も食べられる。

③安定生産

安定供給できる、一定価格である。

② 高品質な野菜鮮度がいい、栄養価が高い、色、食感がいい、下葉まで使え

歩留まりがいい。

栄養価と安全性(菌数)は:(植物工場普及振興会調べ)

カルシュウム含有量の比較 ビタミンC含有量の比較カロチン含有量の比較 一般生細菌数の比較

植物工場 一般野菜植物工場 一般野菜 植物工場 一般野菜 植物工場 一般野菜

抗酸化活性

ORAC DPPHラジカル捕捉活性

ORAC=Oxygen Radical Absorbance Capacity(活性酸素吸収能力)

** *

*

*:p < 0.05*:p < 0.05

n=3 n=3

植物工場研究センターが目指すもの

研究テーマ例

コンセプト

あんしん おいしい リッチ

キーワード

人材育成

あんしん

おいしい

リッチ感

30%コスト減

完全人工光型

1.新光源開発、光源フィクスチャー開発

2.省エネ空調

3.作業自動化機器

4.生育が早い野菜

5.光質と生育要因の体系化

6.ウェスト要因の排除

7.植物工場に関する技術者研修

8.教育カリキュラムの履修

(学士課程~博士課程)

9.海外農業技術者の育成

10.おいしさ度の官能検査基準開発

11.おいしさのキーファクターの

明確化(糖度・アミノ酸)

12.おいしさセンサーの開発

13.安価な鮮度保持包装材・輸送

パッケージ開発

14.省時間の物流システム構築

15.おいしい野菜の種発掘

16.植物残さエコ的処理システム

17.工場生産管理ソフト

18.異常情報伝達システム

19.遠隔画像診断システム

20.生分解性培地の開発

21.海外展開のサポート

22.機能性野菜栽培法確立

(ビタミン・鉄分などリッチ)

23.簡易成分測定法

24.簡易・迅速菌数測定法開発

25.汚れセンサー開発

26.臭いセンサー開発

27.環境負荷の少ない洗浄剤、

消毒剤開発

28.従業員健康管理IT化システム開発

29.セルフ機器故障診断システム開発

低カリウムレタスを病院食として(会津富士化工㈱)

一般リーフレタスに比べ、カリウム86%減、4.5円/gの販売価格、FCで全国展開のビジネスモデル

アイスプラント由来サプリメント(日本アドバンスドアグリ㈱)

アイスプラントにストレスを加えるとピニトール含有が増加することを発見、ストレス負荷栽培技術を確立。ピニトールは、日本では無名に近い成分だが、米国や韓国では、糖尿病に係わる血糖値調整の健康強調表示(ヘルスクレーム)が認可されているインスリンを活性させる貴重なサプリメント原料成分。

植物工場が、植物固有のファイトケミカル抽出の一役を担うことがきれば、期待は大きくなる。「ツブリナ」(アイスプラント)等は、ファイトケミカル等の機能性素材に係わる植物として期待できる。

植物工場は、単なる野菜の生産のみではなく、植物から抽出した天然成分の生成という「ライフサイエンス」との係わりにおいて、新産業に発展する可能性が高いと期待できる。

立地・建築

・農地以外でも実施可能な農業であること、また、「農業」を行う「工場」であること(特に完全人工光型)から、自治体が企業誘致や建築確認に当たって対応に迷う場合もある。

生産技術

・経済栽培可能な品目の拡大(特に完全人工光型)・生産コストの低減(生産性の更なる向上、施設の設置

コスト・運営コストの低減)・更なる品質の向上・安定化

人 材・経営面、技術面で植物工場の運営を担う人材の育成・確保

販 売・安定的な販売先、単価の確保・消費者イメージの向上

植物工場の課題

- 34 -

Page 44: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

研究意義と課題

(写真)台湾の民間企業台湾大学セミナーと視察や意見交換会の実施。

①技術イノベーション②国際競争力

農業の衰退・高齢化異常気象・環境汚染

①生産コスト高②国際競争の激化

植物工場の意義と課題

国策としての農商工連携(6次産業化)植物工場の普及と拡大

全国17(H16)→44(H24)カ所

ハードウエアだけでは、

国際競争に勝てない、専門の人材育成。

植物工場研究拠点(大阪府大)の構想

最大規模・最先端システム

技術開発の最重要課題◎ソフトウエア開発を重視栽培環境パラメータの最適化

多層型植物生産室A(レタス)

施設概要経済産業省:「先進的植物工場施設整備事業」(約6億円)空調、照明、自動化等の植物工場に関する要素技術の研究開発施設鉄筋コンクリート造2階建 延床面積約1,000㎡

C20棟

農林水産省:「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」(約5億円)ハーブ、アイスプラント、レタス、コケの栽培技術実証及び展示、研修施設 鉄筋コンクリート造2階建 延床面積約1,000㎡

C21棟

活動内容(1)要素技術の開発(2)栽培の実証(3)人材育成(4)普及と展示(5)情報の収集と提供

植物工場研究センター(C20棟とC21棟)

施設見学者累計数:

この3年半で16000名以上

コンソーシアム会員数120社(2012年 9月の最大時)

テレビ 35件 (15社)新聞 42件 (19社)ラジオ 4件 ( 2社)雑誌 10件 ( 8社)Web 6件 ( 4社)全体 97件 (48社)

メディア対応状況

大阪府立大学 完全人工光型植物工場研究センターの役割、施設、運営、活動内容、今後への展開等の紹介

・要素技術の開発 ・栽培管理技術の実証 ・普及を図るための展示・情報の収集と提供 ・人材の育成

○経済産業省(平成21年度補正予算)「先進的植物工場施設整備事業」

採択機関1 青森県産業技術センター

2 千葉大学

3 東京農工大学

4 明治大学

5 信州大学

6 大阪府立大学7 島根大学

8 愛媛大学

○農林水産省(平成21年度補正予算)「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」

経済産業省、農林水産省 両省のプロジェクトに採択

わが国における植物工場研究開発拠点としての役割(全国で10拠点)

21世紀科学研究機構(分野横断型研究所群)に植物工場研究センターを設置

全学的支援体制のもと拠点としての役割を果たしていく

採択機関1 農研機構

2 千葉大学

3 三重県農業研究所

4 大阪府立大学5 愛媛大学

35

植物工場研究センターの役割

36

生産コスト縮減・経済栽培品目・品質向上安定化

空調

照明

センサー

自動化

総合技術

完全人工光型植物工場

均一環境

生育ムラ排除

LED活用

コスト縮減環境制御

サイエンス農業

施設ロボット

人件費削減 特殊育成

機能性作物

亜臨界水処理

残渣処理

太陽光発電

環境配慮

★ ★★

緊急課題の3技術(低コスト)

1. 空 調 局所環境制御技術 → 歩留まり約30%改善

2. 照 明 660 nm LED応用技術 → 電力約60%削減

3. 自動化 垂直株間制御技術 → 人件費約50%縮減

20%人件費

20%電気代

20%その他

40%設備償却

取り組む技術開発の具体的内容

緊急課題

完全人工光型植物工場のコスト構成

低コスト完全人工光型の植物工場モデルの追及

空調・照明・自動化(生産コスト縮減・品質向上安定化)部局・分野横断の総合科学・技術の

テクノインテグレーション

植物工場研究センター

37

2013年4月1日現在 42名

所属 役職 氏名 所属 役職 氏名 所属 役職 氏名

センター長 学長顧問 安保 正一 工学域 教授 吉岡 理文 生命環境科学域 准教授 森川 利信

副センター長 特認教授 村瀬 治比古 工学域 准教授 有馬 正和 生命環境科学域 講師 竹田 恵美

副センター長 教授 小泉 望 工学域 准教授 木下 進一 生命環境科学域 講師 古川 一

副センター長 教授 大門 弘幸 工学域 准教授 新谷 篤彦 生命環境科学域 助教 浦出 俊和

副センター長 教授 吉田 篤正 工学域 准教授 福田 弘和 生命環境科学域 助教 手塚 孝弘

現代システム科学域

教授 菅野 正嗣 工学域 准教授 涌井 徹也 生命環境科学域 助教 中澤 昌美

現代システム科学域

教授 杉村 延広 工学域 講師 徳本 勇人 生命環境科学域 助教 和田 光生

現代システム科学域

教授 中島 智晴 生命環境科学域 教授 青木 考 生命環境科学域 客員研究員 藤浦 建史

工学域 教授 荻野 博康 生命環境科学域 教授 今堀 義洋 地域保健学域 教授 奥田 邦晴

工学域 教授 小西 啓治 生命環境科学域 教授 北宅 善昭 地域保健学域 助教 木下 明美

工学域 教授 小西 康裕 生命環境科学域 教授 阪本 龍司 高等教育推進機構 准教授 吉井 泉

工学域 教授 須賀 一彦 生命環境科学域 准教授 岡澤 敦司 地域連携研究機構 教授 古田 雅一

工学域 教授 内藤 裕義 生命環境科学域 准教授 岸田 正夫

工学域 教授 堀中 博道 生命環境科学域 准教授 西浦 芳史

工学域 教授 横山 良平 生命環境科学域 准教授 三柴 啓一郎

学内研究員体制 ~工学、生命環境科学を中心に全学から参画~

ユニバーサルデザイン室 栽培環境シミュレータ室

施設外観(手前:C20棟、奥:C21棟) 屋上(ハイブリッドエコエネルギーシステム)

植物工場研究センタ-研究施設(一例)

レタス生産室(15段の育成棚, 日産250 株のレタス生産)

A 15-tier plant growth system equipped with a mist sprinkler leads to a high-yield production of moss in much shorter period.Moss is cultivated in such textile nets. The moss growth in nets is utilized to keep efficiency of solar panels.

汚染の感染ルートは3つ(日常管理が大切)

人員対策が重要。作業ユニフォーム、帽子、靴は清潔に。手洗いは石鹸、アルコール、流水で。禁止行為(喫煙,放痰・唾、食事)

種子も気が抜けない!種子の消毒方法: メッシュの袋に入れ、500ppm以下のNaClO水溶液で洗浄、水ですすぎ、脱水し、新聞紙等に広げ自然乾燥させる。

清浄な無菌の水を使う。除菌システムの利用:

膜、UV殺菌灯、オゾン等

も。

HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)

HACCP

植物工場

汚染の感染ルートでの人員対策が最大のポイント

① 安全な野菜無農薬栽培、衛生管理された生産、工程で安全性が担保、低細菌で洗わないで

も食べられる。

③安定生産

安定供給できる、一定価格である。

② 高品質な野菜鮮度がいい、栄養価が高い、色、食感がいい、下葉まで使え

歩留まりがいい。

栄養価と安全性(菌数)は:(植物工場普及振興会調べ)

カルシュウム含有量の比較 ビタミンC含有量の比較カロチン含有量の比較 一般生細菌数の比較

植物工場 一般野菜植物工場 一般野菜 植物工場 一般野菜 植物工場 一般野菜

抗酸化活性

ORAC DPPHラジカル捕捉活性

ORAC=Oxygen Radical Absorbance Capacity(活性酸素吸収能力)

** *

*

*:p < 0.05*:p < 0.05

n=3 n=3

植物工場研究センターが目指すもの

研究テーマ例

コンセプト

あんしん おいしい リッチ

キーワード

人材育成

あんしん

おいしい

リッチ感

30%コスト減

完全人工光型

1.新光源開発、光源フィクスチャー開発

2.省エネ空調

3.作業自動化機器

4.生育が早い野菜

5.光質と生育要因の体系化

6.ウェスト要因の排除

7.植物工場に関する技術者研修

8.教育カリキュラムの履修

(学士課程~博士課程)

9.海外農業技術者の育成

10.おいしさ度の官能検査基準開発

11.おいしさのキーファクターの

明確化(糖度・アミノ酸)

12.おいしさセンサーの開発

13.安価な鮮度保持包装材・輸送

パッケージ開発

14.省時間の物流システム構築

15.おいしい野菜の種発掘

16.植物残さエコ的処理システム

17.工場生産管理ソフト

18.異常情報伝達システム

19.遠隔画像診断システム

20.生分解性培地の開発

21.海外展開のサポート

22.機能性野菜栽培法確立

(ビタミン・鉄分などリッチ)

23.簡易成分測定法

24.簡易・迅速菌数測定法開発

25.汚れセンサー開発

26.臭いセンサー開発

27.環境負荷の少ない洗浄剤、

消毒剤開発

28.従業員健康管理IT化システム開発

29.セルフ機器故障診断システム開発

低カリウムレタスを病院食として(会津富士化工㈱)

一般リーフレタスに比べ、カリウム86%減、4.5円/gの販売価格、FCで全国展開のビジネスモデル

アイスプラント由来サプリメント(日本アドバンスドアグリ㈱)

アイスプラントにストレスを加えるとピニトール含有が増加することを発見、ストレス負荷栽培技術を確立。ピニトールは、日本では無名に近い成分だが、米国や韓国では、糖尿病に係わる血糖値調整の健康強調表示(ヘルスクレーム)が認可されているインスリンを活性させる貴重なサプリメント原料成分。

植物工場が、植物固有のファイトケミカル抽出の一役を担うことがきれば、期待は大きくなる。「ツブリナ」(アイスプラント)等は、ファイトケミカル等の機能性素材に係わる植物として期待できる。

植物工場は、単なる野菜の生産のみではなく、植物から抽出した天然成分の生成という「ライフサイエンス」との係わりにおいて、新産業に発展する可能性が高いと期待できる。

立地・建築

・農地以外でも実施可能な農業であること、また、「農業」を行う「工場」であること(特に完全人工光型)から、自治体が企業誘致や建築確認に当たって対応に迷う場合もある。

生産技術

・経済栽培可能な品目の拡大(特に完全人工光型)・生産コストの低減(生産性の更なる向上、施設の設置

コスト・運営コストの低減)・更なる品質の向上・安定化

人 材・経営面、技術面で植物工場の運営を担う人材の育成・確保

販 売・安定的な販売先、単価の確保・消費者イメージの向上

植物工場の課題

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Page 45: 植物工場における中核的専門人材養成 カリキュラム開発実証プロ … · 公立大学法人 大阪府立大学 植物工場研究センター 文部科学省委託事業

経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」

・産学官連携事業として最新技術を導入した

完全人工光型植物工場の量産型モデル

・産学共同研究の成果である新技術を実装、

効果と有用性を評価する施設

・被災地域植物工場への技術の適用性評価

・大幅な生産コスト縮減

・生産された野菜の付加価値評価

・運営コスト縮減及びビジネス実証

① 時計遺伝子制御アルゴリズムによる高効率栽培

② LED光源からの照射によるコストダウン

③ ロボット技術活用によるコストダウン

④ 衛生管理システム導入による安全性の確保

⑤ 最適化空調システムの導入によるコストダウン

・日産5,000株の規模

・生産コストの40%減

・時計遺伝子技術を活用した苗選別

・全面LED光源の採用

・栽培ラインの全自動搬送による省力化

「GREEN CLOCKS新世代植物工場」の設置(2014年9月19日に開設記念式典)

大規模植物工場

C22棟の新世代大規模植物工場の栽培設備全体のイメージ図

ユニバーサルデザイン

作業ステーション

省力化株間自動調整 自動配置

ロボット化

収穫 管理(受粉・摘果)

低コスト化

自動化された大規模植物工場

完全人工光型植物工場の管理運営におけるIT活用

ITネットワーク

研究室 学外支援者

IT支援企業

栽培支援運営管理支援データベース

植物工業

各種の育成・環境のセンンシング光量、温度、湿度、CO2濃度、肥料内容、pH、溶存酸素量等。

ITインターネット管理・支援機能

外部指導員

ITによる管理運営機能の一覧

データの見える化必要なデータをリアルタイムで表示。

ネットワークカメラリアルタイム操作と観察が可能。

連続画像の表示一定時間毎の保存画像の連続表示が可能。

自動日報メールや警報情報メールデータがある閾値を超えると警報を送信

モリタリング情報や受信・注意・警報をまとめて送信可能。

栽培管理機能栽培(作付)、計画、修正、一覧表示

栽培日誌管理機能育成環境データ、設備の記録、育成状況、病害虫

の記録と画像、一覧表示

栽培実績管理機能栽培実績の登録、一覧表示

生育状況の管理機能育成環境データの推移分析と登録

積算管理(光量、温度、湿度、CO2濃度)

一覧表示とダウンロード受発注登録と閲覧機能顧客別・商品別・日付別の管理。

農産品の栽培履歴管理。

作業指示と管理機能栽培・収穫・出荷の指示・報告・閲覧

一覧表示とダウンロード

フィールド紹介サイトの作成機能紹介内容・情報の登録と更新。

スケジュール管理機能スケジュールの登録、一覧表示スケジュールの送信

フィールド状況の一元管理機能フィールド状況の一覧表示・。一斉に情報を送信。

ITネットワーク

モニタリングのデータベース

栽培支援のデータベースフィ-ルド状況の提供データマイニング

ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)ソーシヤルファーム、アグリコミュニテイの構築の重要性

ITを活用したユニバーサルデザインの植物工場は、安全安心で美味しい健康に良い野菜栽培を通じて、住民が集い、語らい、共に働くことで、分断された、高齢化した、過疎化した等の住民コミュニテイを再生し、生活の質を向上させることに貢献できる。また、農業の高効率化と高度化に貢献できる。

次世代大規模植物工場

ソーシャルファーム

大阪府立大学として~植物工場を管理運営する高度専門人材育成~

植物工場ビジネス

現代システム系

植物工場ハード

工学系

植物工場ソフト

生命系

植物工場システム学カリキュラム構築

植物工場研究センター

実験実習

(1) 副専攻(学士課程・大学院)

の設置

(2) コンソーシアムと連携した人材事業(実験・実習)

台湾、中国、中東等の海外からの切望も大きい。

国の経済成長戦略に「植物工場」の貢献が期待されている(JICA, JETRO)

「文部科学省の成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」

(株)FUDAIの後継者育成事業に学ぶ。

経済産業省、農林水産省の人材育成で、国際拠点形成を視野に活動を展開。(Plant Factory Center, The Global Research and Training Center for Fully Controlled Plant Factory)

*企業人や離職者等の学び直しの機会と充実*人材不足の業種と産業等の専門人材育成の強化

42

No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称

1 大阪南部合同青果株式会社 29 有光工業株式会社 57 合同会社文化農人 85 株式会社スペック

2 株式会社平本砕石 30 田中電工株式会社 58 一般社団法人薩摩川内市産業振興会 86 有限会社東洋金型製作所

3 大東テック株式会社 31 日立造船株式会社 59 太陽パーツ株式会社 87 伊東電機株式会社

4 播州信用金庫 32 日新製鋼株式会社 60 グリーンテック株式会社 88 高砂熱学工業株式会社

5 太盛工業株式会社 33 日本液炭株式会社 61 三基計装株式会社 89 株式会社新生Tech.

6 関西鉄工株式会社 34 パナソニックヘルスケア株式会社 62 威海華菱光電有限公司(日本開発センター) 90 株式会社フォーム化成

7 タツタ電線株式会社 35 大和ハウス工業株式会社 63 日本ロックウール株式会社 91 株式会社デンソー(大阪市西区)

8 株式会社ダイキンアプライドシステムズ 36 株式会社大気社 64 協和電気株式会社 92 パナソニック株式会社 生産革新本部

9 株式会社日青 37 ダイダン株式会社 65 ダイワボウホールディングス株式会社 93 株式会社村田製作所

10 株式会社NTTデータ関西 38 株式会社エムスポーラ 66 株式会社田中種苗 94 三井住友建設株式会社

11 昭和電工株式会社 39 株式会社日本植生グループ本社 67 有限会社高石通信 95 フジ印刷株式会社

12 株式会社大和真空 40 株式会社日新インダストリー 68 エスペック株式会社 96 横河電機株式会社

13 片山化学工業株式会社 41 株式会社小寺製作所 69 萬世電機株式会社 97 千代田空調機器株式会社

14 森田工業株式会社 42 株式会社朝日工業社 70 サラヤ株式会社 98 一般社団法人大阪府産業支援型NPO協議会

15 三進金属工業株式会社 43 新日本コンピュータマネージメント株式会社 71 Taejong C&I Co., Ltd. 99 阪急電鉄株式会社

16 株式会社クマリフト技術研究所 44 シャープ株式会社 72 ベジトミタ 100 有限会社ECA

17 農事組合法人ハイテクファーム 45 株式会社精研 73 日本ジフィー食品株式会社 101 株式会社ダン計画研究所

18 渡辺プレス工業株式会社 46 特定非営利活動法人イー・ビーイング 74 山崎産業株式会社 102 パナソニック株式会社 AVCネットワークス社

19 三共空調株式会社 47 岩谷産業株式会社 75 株式会社イトーキ 103 阪神電気鉄道株式会社

20 株式会社椿本チエイン 48 株式会社ケイ・テイ・エイ 76 TDK株式会社 104 東洋ツール工業株式会社

21 マルエス電機工業株式会社 49 株式会社デンソー(愛知県刈谷市) 77 株式会社ダスキン 105 株式会社ざんまい

22 ウシオ電機株式会社 50 株式会社NTTファシリティーズ 78 ecoNoon Sdn. Bhd. 106 日本電産株式会社

23 株式会社ニイタカ 51 株式会社日本医化器械製作所 79 株式会社きんでん 107 東芝テック株式会社

24 有限会社瑞龍 52 株式会社アップフィールド 80 関西電力株式会社 108 凸版印刷株式会社

25 東洋ゴム工業株式会社 53 有限会社マイクロシステムズ 81 東洋紡エンジニアリング株式会社 109 ビーエム長野株式会社

26 日本山村硝子株式会社 54 リンテック株式会社 82 ワイコム株式会社

27 IDEC株式会社 55 株式会社ヒロ・コーポレーション 83 株式会社環境総合テクノス

28 エスペックミック株式会社 56 デルタトラックジャパン株式会社 84 船井電機株式会社

種 類 特 徴 栄 養 用 途(食べ方)

フリルレタス 非結球型(結球しない)レタス。みずみずしくシャキシャキとした食感。結球レタスより葉肉が厚い。パリッとしていて歯ざわりがいい。ボリューム感がありフリル状の葉先が美しく盛付けに役立つ。

ビタミンC・ビタミンE・カロチン・鉄・カルシウム・食物繊維など。一般的なレタスと比べカロチン4倍、ビタミンC2倍。レタス1個約42キロカロリーとご飯4分の1膳相当でローカロリー。活性酸素の働きを抑制、体の老化・ガンを防ぐ、免疫力活性化、風邪予防、肌や皮膚を若々しく保つ美容効果、血液循環をよくする作用、むくみ改善、貧血予防、便通促進、骨粗しょう症予防、高血圧・動脈硬化予防、イライラ解消する。

サラダ、肉料理や魚料理に添えたり、スープ、炒飯、焼肉にも。熱に強くお弁当のおかずの下に敷くことにも向いている。

グリーンリーフ 非結球型(結球しない)レタス。柔らかな歯触りでサッパリとした味が特徴。結球レタスに比べ栄養価が高い。

カロチン・ビタミンC・ビタミンE・カリウム・鉄・食物繊維など。活性酸素の働きを抑制、体の老化・ガンを防ぐ、風邪予防、免疫力を活性化、肌や皮膚を若々しく保つ美容効果、血液の循環をよくする作用、高血圧防止、むくみ改善、便通促進、貧血予防など。

生のサラダや、ごま油でさっと炒めてしょうゆをかけたり、スープやみそ汁にも。

カラシナ アブラナ科の葉野菜。白菜やチンゲン菜の仲間。からし特有の辛味と香りがある。種の保存が必要な金沢の伝統野菜に認定されている。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄分・カロチン、葉酸など。高血圧予防、抗発ガン作用、動脈硬化の予防、骨を丈夫にする、髪の健康維持、喉や肺の呼吸器系統を守るなど。

お浸し、漬物、パスタや魚料理の付け合せに利用。

イタリアンパセリ セリ科のハーブ。イタリアで最もポピュラーなパセリ。和名「オランダセリ」。香りが強く、苦味が少ない。

Β-カロチン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・鉄分など。成人病予防、貧血改善、美肌効果、消化促進、腸内の有害細菌の繁殖を抑え腸の働きを整える、臭気を消す効果(胃潰瘍・アトピー性皮膚炎の人は控えるほうがよい)など。

サラダ(香りが良い)、刻んで料理の風味付け、スープなど。

ルッコラ アブラナ科。地中海沿岸原産のハーブ。葉はピリッとした辛味とゴマの香ばしい香りがある。和名「キバナスズシロ」と呼ばれる。

ビタミンC・カリウム・鉄分など。カルシウムはピーマンの30倍、ビタミンCはホウレンソウの4倍、鉄分はモロヘイヤと同等。美容効果が高く、クレオパトラが美しさを保つために好んで食べたと言われる。

サラダ、ピザ・パスタ・カルパッチョ(イタリア料理)の具に。炒め物、ハーブティーなど。

種類 特徴 栄養 用途(食べ方)

ホウレンソウ(赤)

アカザ科の野菜。栄養素が豊富。「総合栄養野菜」と評される。

鉄分・β-カロチン・食物繊維・カリウム・カルシウム・ビタミンCなど。貧血予防、ガン予防、抗酸化作用、肌の老化を防ぐ美容効果、高血圧予防、糖尿病予防、かぜ予防、便秘改善、ダイオキシンの体内吸収を抑える作用など。

生でサラダに。炒めものや和え物にも。

バジル シソ科。強い芳香と殺菌効果を持つ。イタリア料理には欠かせない「ハーブの王様」。

カロチン・食物繊維・カリウム・ビタミンEなど。食欲・消化促進効果、咳止め効果、殺菌作用など。

パスタや肉・魚料理、スープ、サラダなどに。刻んで冷凍保存も可能。

ミズナ アブラナ科。アブラナ、カブと同種。臭みが無く、しゃきしゃきした歯触りが特徴。栄養価の高い緑黄色野菜。

ビタミンC・カロテン・鉄、カルシウムなど貧血予防、がん予防、しみ、そばかすを防ぐ、美肌効果、風邪予防、骨粗鬆症予防、肌の新陳代謝を盛んにし、きめを整える(冬の野菜のため、体を冷やす野菜)など。

和え物、鍋物、サラダ、煮物、汁物、浅漬けなど

シュンギク キク科シュンギク属。原産地は地中海沿岸。春に花が咲き、葉の形が菊に似ているため春菊と呼ばれている。関西では菊菜(きくな)とも呼ばれる。

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・カリウム・鉄分など。疲労回復、活性酸素を分解する、エネルギーを作り出す、ガン予防、免疫力を高める、ストレス対抗、美肌効果、高血圧や心臓病、脳血管障害のリスク減少、貧血予防、改善など。

鍋料理の具材、天麩羅、生でサラダに。

アイスプラント ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。ヨーロッパ、西アジア、アフリカ原産。表皮に塩を隔離するための細胞があり、葉の表面が凍ったように見えることが名前の由来。

クエン酸・リンゴ酸・カルシウム・ミオイノシトール・ピニトール・など。メタボリックシンドロームの改善、胃腸の状態を整える、疲労回復、肝機能障害改善、白内障予防、動脈硬化及び脂肪肝を改善、パニック障害やうつ病など、精神疾患の改善効果など。

素材を生かし生でサラダに(ドレッシング不要)。パスタ、ミックスジュース、生春巻きの具材や、おひたし、胡麻和え等。

実証栽培研究(生命環境研究科和田光生)各種葉菜類を主として播種から育苗・収穫までの栽培実証、栽培環境最適化、養液管理方法による品質向上、衛生管理システムの構築、販売・流通を通じた市場評価、トータルコストダウンや省エネなどへの取り組み。

分子診断型植物工場の研究(工学研究科福田弘和)植物の遺伝子発現を常時確認し調節すれば、植物の生理代謝を高精度に制御することができる。遺伝子発現のモニタリング技術、データマイニング技術、制御技術など代謝制御技術構築への取り組み。

福祉型植物工場の研究(総合リハビリテーション奥田邦晴)高齢者・障がい者が働ける植物工場に求められる作業環境の人間工学的検証や、作業空間・環境での生理的影響や、実施検証モデルにおける作業環境評価・施設設計の基本的指標確立などへの取り組み。

機能性野菜生産技術の研究(生命環境研究科和田光生)有用成分を多く含む機能性野菜を大量に、しかも低コストで1年中安定して生産する技術開発への期待は大きい。これらの安定生産体系の確立や、有用成分含量を人工的に高める技術開発などへの取り組み。

最適化空調システムの研究(工学研究科吉田篤正)空調対象となる植物の成長や蒸散による熱負荷の変化、栽培環境における照明の発熱、培養液からの熱放射など未知数な部分が多い。これらの定量的な把握から過不足の無い空調システム構築へ向けての取り組み。

大阪府立大学植物工場研究センターの共同研究例 植物工場研究センターが目指す目標

○研究開発カテゴリーOPUテクノインテグレーションソフトウエア開発育成環境制御

○目的植物代謝のシステム制御技術(体内時計テクノロジー)開発

○内容・実用型技術の開発①優秀苗選抜技術②レタス栽培条件高度化技術③高機能植物栽培環境技術④超高速最適化技術

・大学発ベンチャー企業の設立

高密度大規模レタス工場(生産能力:5000 株/日)

輸出プラント

大手スーパー

シベリア、中東

大阪府立大学植物工場研究センター

高収益、国内展開

中国

韓国台湾

省エネ・高品質

植物代謝のコンピュータ制御

統計モデル

分子ネットワークモデル

振動子モデル

全遺伝子発現解析 代謝産物解析

国際競争力を発揮

食糧高生産

環境低負荷

農業困難地域での持続可能な農業

ハイテク化による克服

全階層(細胞~個体)包括的に分子(遺伝子、代謝産物)の働きをモデル化し、コンピュータシミュレーションを駆使して最適化を図る技術の開発

① 優秀苗選抜① 優秀苗選抜

② レタス高度栽培② レタス高度栽培

③ 高機能植物栽培③ 高機能植物栽培

④ 最適化技術④ 最適化技術

植物体内時計は光合成フロー全体を統制

植物体内時計に関する研究成果:間違いなく生育が期待できる苗のみを選び出す技術 (大規模化が可能)

野菜の高効率な生産の制御 (省エネルギー化)

光合成機構 光合成産物光合成システム

CO2

O2

エネルギー

デンプン

配向

気孔

気孔

体内時計

糖代謝機構

気孔制御

蒸散

植物工場研究センターが目指す目標: 超高速最適化技術

最適環境パラメータの超⾼速探索

超⾼速探索数10倍速

複合的単⼀的静的

動的

フィールド最適解

従来型植物工場

従来法膨⼤な時間・莫⼤な費⽤

従来法

光のみ 光・温度 光・温度・養分

連続照明

昼夜変動

昼夜変動季節変動

昼夜変動季節変動ゆらぎ

超空間における黄金領域

独立変数

- 36 -

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経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」

・産学官連携事業として最新技術を導入した

完全人工光型植物工場の量産型モデル

・産学共同研究の成果である新技術を実装、

効果と有用性を評価する施設

・被災地域植物工場への技術の適用性評価

・大幅な生産コスト縮減

・生産された野菜の付加価値評価

・運営コスト縮減及びビジネス実証

① 時計遺伝子制御アルゴリズムによる高効率栽培

② LED光源からの照射によるコストダウン

③ ロボット技術活用によるコストダウン

④ 衛生管理システム導入による安全性の確保

⑤ 最適化空調システムの導入によるコストダウン

・日産5,000株の規模

・生産コストの40%減

・時計遺伝子技術を活用した苗選別

・全面LED光源の採用

・栽培ラインの全自動搬送による省力化

「GREEN CLOCKS新世代植物工場」の設置(2014年9月19日に開設記念式典)

大規模植物工場

C22棟の新世代大規模植物工場の栽培設備全体のイメージ図

ユニバーサルデザイン

作業ステーション

省力化株間自動調整 自動配置

ロボット化

収穫 管理(受粉・摘果)

低コスト化

自動化された大規模植物工場

完全人工光型植物工場の管理運営におけるIT活用

ITネットワーク

研究室 学外支援者

IT支援企業

栽培支援運営管理支援データベース

植物工業

各種の育成・環境のセンンシング光量、温度、湿度、CO2濃度、肥料内容、pH、溶存酸素量等。

ITインターネット管理・支援機能

外部指導員

ITによる管理運営機能の一覧

データの見える化必要なデータをリアルタイムで表示。

ネットワークカメラリアルタイム操作と観察が可能。

連続画像の表示一定時間毎の保存画像の連続表示が可能。

自動日報メールや警報情報メールデータがある閾値を超えると警報を送信

モリタリング情報や受信・注意・警報をまとめて送信可能。

栽培管理機能栽培(作付)、計画、修正、一覧表示

栽培日誌管理機能育成環境データ、設備の記録、育成状況、病害虫

の記録と画像、一覧表示

栽培実績管理機能栽培実績の登録、一覧表示

生育状況の管理機能育成環境データの推移分析と登録

積算管理(光量、温度、湿度、CO2濃度)

一覧表示とダウンロード受発注登録と閲覧機能顧客別・商品別・日付別の管理。

農産品の栽培履歴管理。

作業指示と管理機能栽培・収穫・出荷の指示・報告・閲覧

一覧表示とダウンロード

フィールド紹介サイトの作成機能紹介内容・情報の登録と更新。

スケジュール管理機能スケジュールの登録、一覧表示スケジュールの送信

フィールド状況の一元管理機能フィールド状況の一覧表示・。一斉に情報を送信。

ITネットワーク

モニタリングのデータベース

栽培支援のデータベースフィ-ルド状況の提供データマイニング

ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)ソーシヤルファーム、アグリコミュニテイの構築の重要性

ITを活用したユニバーサルデザインの植物工場は、安全安心で美味しい健康に良い野菜栽培を通じて、住民が集い、語らい、共に働くことで、分断された、高齢化した、過疎化した等の住民コミュニテイを再生し、生活の質を向上させることに貢献できる。また、農業の高効率化と高度化に貢献できる。

次世代大規模植物工場

ソーシャルファーム

大阪府立大学として~植物工場を管理運営する高度専門人材育成~

植物工場ビジネス

現代システム系

植物工場ハード

工学系

植物工場ソフト

生命系

植物工場システム学カリキュラム構築

植物工場研究センター

実験実習

(1) 副専攻(学士課程・大学院)

の設置

(2) コンソーシアムと連携した人材事業(実験・実習)

台湾、中国、中東等の海外からの切望も大きい。

国の経済成長戦略に「植物工場」の貢献が期待されている(JICA, JETRO)

「文部科学省の成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」

(株)FUDAIの後継者育成事業に学ぶ。

経済産業省、農林水産省の人材育成で、国際拠点形成を視野に活動を展開。(Plant Factory Center, The Global Research and Training Center for Fully Controlled Plant Factory)

*企業人や離職者等の学び直しの機会と充実*人材不足の業種と産業等の専門人材育成の強化

42

No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称 No. 法人・団体名称

1 大阪南部合同青果株式会社 29 有光工業株式会社 57 合同会社文化農人 85 株式会社スペック

2 株式会社平本砕石 30 田中電工株式会社 58 一般社団法人薩摩川内市産業振興会 86 有限会社東洋金型製作所

3 大東テック株式会社 31 日立造船株式会社 59 太陽パーツ株式会社 87 伊東電機株式会社

4 播州信用金庫 32 日新製鋼株式会社 60 グリーンテック株式会社 88 高砂熱学工業株式会社

5 太盛工業株式会社 33 日本液炭株式会社 61 三基計装株式会社 89 株式会社新生Tech.

6 関西鉄工株式会社 34 パナソニックヘルスケア株式会社 62 威海華菱光電有限公司(日本開発センター) 90 株式会社フォーム化成

7 タツタ電線株式会社 35 大和ハウス工業株式会社 63 日本ロックウール株式会社 91 株式会社デンソー(大阪市西区)

8 株式会社ダイキンアプライドシステムズ 36 株式会社大気社 64 協和電気株式会社 92 パナソニック株式会社 生産革新本部

9 株式会社日青 37 ダイダン株式会社 65 ダイワボウホールディングス株式会社 93 株式会社村田製作所

10 株式会社NTTデータ関西 38 株式会社エムスポーラ 66 株式会社田中種苗 94 三井住友建設株式会社

11 昭和電工株式会社 39 株式会社日本植生グループ本社 67 有限会社高石通信 95 フジ印刷株式会社

12 株式会社大和真空 40 株式会社日新インダストリー 68 エスペック株式会社 96 横河電機株式会社

13 片山化学工業株式会社 41 株式会社小寺製作所 69 萬世電機株式会社 97 千代田空調機器株式会社

14 森田工業株式会社 42 株式会社朝日工業社 70 サラヤ株式会社 98 一般社団法人大阪府産業支援型NPO協議会

15 三進金属工業株式会社 43 新日本コンピュータマネージメント株式会社 71 Taejong C&I Co., Ltd. 99 阪急電鉄株式会社

16 株式会社クマリフト技術研究所 44 シャープ株式会社 72 ベジトミタ 100 有限会社ECA

17 農事組合法人ハイテクファーム 45 株式会社精研 73 日本ジフィー食品株式会社 101 株式会社ダン計画研究所

18 渡辺プレス工業株式会社 46 特定非営利活動法人イー・ビーイング 74 山崎産業株式会社 102 パナソニック株式会社 AVCネットワークス社

19 三共空調株式会社 47 岩谷産業株式会社 75 株式会社イトーキ 103 阪神電気鉄道株式会社

20 株式会社椿本チエイン 48 株式会社ケイ・テイ・エイ 76 TDK株式会社 104 東洋ツール工業株式会社

21 マルエス電機工業株式会社 49 株式会社デンソー(愛知県刈谷市) 77 株式会社ダスキン 105 株式会社ざんまい

22 ウシオ電機株式会社 50 株式会社NTTファシリティーズ 78 ecoNoon Sdn. Bhd. 106 日本電産株式会社

23 株式会社ニイタカ 51 株式会社日本医化器械製作所 79 株式会社きんでん 107 東芝テック株式会社

24 有限会社瑞龍 52 株式会社アップフィールド 80 関西電力株式会社 108 凸版印刷株式会社

25 東洋ゴム工業株式会社 53 有限会社マイクロシステムズ 81 東洋紡エンジニアリング株式会社 109 ビーエム長野株式会社

26 日本山村硝子株式会社 54 リンテック株式会社 82 ワイコム株式会社

27 IDEC株式会社 55 株式会社ヒロ・コーポレーション 83 株式会社環境総合テクノス

28 エスペックミック株式会社 56 デルタトラックジャパン株式会社 84 船井電機株式会社

種 類 特 徴 栄 養 用 途(食べ方)

フリルレタス 非結球型(結球しない)レタス。みずみずしくシャキシャキとした食感。結球レタスより葉肉が厚い。パリッとしていて歯ざわりがいい。ボリューム感がありフリル状の葉先が美しく盛付けに役立つ。

ビタミンC・ビタミンE・カロチン・鉄・カルシウム・食物繊維など。一般的なレタスと比べカロチン4倍、ビタミンC2倍。レタス1個約42キロカロリーとご飯4分の1膳相当でローカロリー。活性酸素の働きを抑制、体の老化・ガンを防ぐ、免疫力活性化、風邪予防、肌や皮膚を若々しく保つ美容効果、血液循環をよくする作用、むくみ改善、貧血予防、便通促進、骨粗しょう症予防、高血圧・動脈硬化予防、イライラ解消する。

サラダ、肉料理や魚料理に添えたり、スープ、炒飯、焼肉にも。熱に強くお弁当のおかずの下に敷くことにも向いている。

グリーンリーフ 非結球型(結球しない)レタス。柔らかな歯触りでサッパリとした味が特徴。結球レタスに比べ栄養価が高い。

カロチン・ビタミンC・ビタミンE・カリウム・鉄・食物繊維など。活性酸素の働きを抑制、体の老化・ガンを防ぐ、風邪予防、免疫力を活性化、肌や皮膚を若々しく保つ美容効果、血液の循環をよくする作用、高血圧防止、むくみ改善、便通促進、貧血予防など。

生のサラダや、ごま油でさっと炒めてしょうゆをかけたり、スープやみそ汁にも。

カラシナ アブラナ科の葉野菜。白菜やチンゲン菜の仲間。からし特有の辛味と香りがある。種の保存が必要な金沢の伝統野菜に認定されている。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄分・カロチン、葉酸など。高血圧予防、抗発ガン作用、動脈硬化の予防、骨を丈夫にする、髪の健康維持、喉や肺の呼吸器系統を守るなど。

お浸し、漬物、パスタや魚料理の付け合せに利用。

イタリアンパセリ セリ科のハーブ。イタリアで最もポピュラーなパセリ。和名「オランダセリ」。香りが強く、苦味が少ない。

Β-カロチン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・鉄分など。成人病予防、貧血改善、美肌効果、消化促進、腸内の有害細菌の繁殖を抑え腸の働きを整える、臭気を消す効果(胃潰瘍・アトピー性皮膚炎の人は控えるほうがよい)など。

サラダ(香りが良い)、刻んで料理の風味付け、スープなど。

ルッコラ アブラナ科。地中海沿岸原産のハーブ。葉はピリッとした辛味とゴマの香ばしい香りがある。和名「キバナスズシロ」と呼ばれる。

ビタミンC・カリウム・鉄分など。カルシウムはピーマンの30倍、ビタミンCはホウレンソウの4倍、鉄分はモロヘイヤと同等。美容効果が高く、クレオパトラが美しさを保つために好んで食べたと言われる。

サラダ、ピザ・パスタ・カルパッチョ(イタリア料理)の具に。炒め物、ハーブティーなど。

種類 特徴 栄養 用途(食べ方)

ホウレンソウ(赤)

アカザ科の野菜。栄養素が豊富。「総合栄養野菜」と評される。

鉄分・β-カロチン・食物繊維・カリウム・カルシウム・ビタミンCなど。貧血予防、ガン予防、抗酸化作用、肌の老化を防ぐ美容効果、高血圧予防、糖尿病予防、かぜ予防、便秘改善、ダイオキシンの体内吸収を抑える作用など。

生でサラダに。炒めものや和え物にも。

バジル シソ科。強い芳香と殺菌効果を持つ。イタリア料理には欠かせない「ハーブの王様」。

カロチン・食物繊維・カリウム・ビタミンEなど。食欲・消化促進効果、咳止め効果、殺菌作用など。

パスタや肉・魚料理、スープ、サラダなどに。刻んで冷凍保存も可能。

ミズナ アブラナ科。アブラナ、カブと同種。臭みが無く、しゃきしゃきした歯触りが特徴。栄養価の高い緑黄色野菜。

ビタミンC・カロテン・鉄、カルシウムなど貧血予防、がん予防、しみ、そばかすを防ぐ、美肌効果、風邪予防、骨粗鬆症予防、肌の新陳代謝を盛んにし、きめを整える(冬の野菜のため、体を冷やす野菜)など。

和え物、鍋物、サラダ、煮物、汁物、浅漬けなど

シュンギク キク科シュンギク属。原産地は地中海沿岸。春に花が咲き、葉の形が菊に似ているため春菊と呼ばれている。関西では菊菜(きくな)とも呼ばれる。

ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・カリウム・鉄分など。疲労回復、活性酸素を分解する、エネルギーを作り出す、ガン予防、免疫力を高める、ストレス対抗、美肌効果、高血圧や心臓病、脳血管障害のリスク減少、貧血予防、改善など。

鍋料理の具材、天麩羅、生でサラダに。

アイスプラント ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。ヨーロッパ、西アジア、アフリカ原産。表皮に塩を隔離するための細胞があり、葉の表面が凍ったように見えることが名前の由来。

クエン酸・リンゴ酸・カルシウム・ミオイノシトール・ピニトール・など。メタボリックシンドロームの改善、胃腸の状態を整える、疲労回復、肝機能障害改善、白内障予防、動脈硬化及び脂肪肝を改善、パニック障害やうつ病など、精神疾患の改善効果など。

素材を生かし生でサラダに(ドレッシング不要)。パスタ、ミックスジュース、生春巻きの具材や、おひたし、胡麻和え等。

実証栽培研究(生命環境研究科和田光生)各種葉菜類を主として播種から育苗・収穫までの栽培実証、栽培環境最適化、養液管理方法による品質向上、衛生管理システムの構築、販売・流通を通じた市場評価、トータルコストダウンや省エネなどへの取り組み。

分子診断型植物工場の研究(工学研究科福田弘和)植物の遺伝子発現を常時確認し調節すれば、植物の生理代謝を高精度に制御することができる。遺伝子発現のモニタリング技術、データマイニング技術、制御技術など代謝制御技術構築への取り組み。

福祉型植物工場の研究(総合リハビリテーション奥田邦晴)高齢者・障がい者が働ける植物工場に求められる作業環境の人間工学的検証や、作業空間・環境での生理的影響や、実施検証モデルにおける作業環境評価・施設設計の基本的指標確立などへの取り組み。

機能性野菜生産技術の研究(生命環境研究科和田光生)有用成分を多く含む機能性野菜を大量に、しかも低コストで1年中安定して生産する技術開発への期待は大きい。これらの安定生産体系の確立や、有用成分含量を人工的に高める技術開発などへの取り組み。

最適化空調システムの研究(工学研究科吉田篤正)空調対象となる植物の成長や蒸散による熱負荷の変化、栽培環境における照明の発熱、培養液からの熱放射など未知数な部分が多い。これらの定量的な把握から過不足の無い空調システム構築へ向けての取り組み。

大阪府立大学植物工場研究センターの共同研究例 植物工場研究センターが目指す目標

○研究開発カテゴリーOPUテクノインテグレーションソフトウエア開発育成環境制御

○目的植物代謝のシステム制御技術(体内時計テクノロジー)開発

○内容・実用型技術の開発①優秀苗選抜技術②レタス栽培条件高度化技術③高機能植物栽培環境技術④超高速最適化技術

・大学発ベンチャー企業の設立

高密度大規模レタス工場(生産能力:5000 株/日)

輸出プラント

大手スーパー

シベリア、中東

大阪府立大学植物工場研究センター

高収益、国内展開

中国

韓国台湾

省エネ・高品質

植物代謝のコンピュータ制御

統計モデル

分子ネットワークモデル

振動子モデル

全遺伝子発現解析 代謝産物解析

国際競争力を発揮

食糧高生産

環境低負荷

農業困難地域での持続可能な農業

ハイテク化による克服

全階層(細胞~個体)包括的に分子(遺伝子、代謝産物)の働きをモデル化し、コンピュータシミュレーションを駆使して最適化を図る技術の開発

① 優秀苗選抜① 優秀苗選抜

② レタス高度栽培② レタス高度栽培

③ 高機能植物栽培③ 高機能植物栽培

④ 最適化技術④ 最適化技術

植物体内時計は光合成フロー全体を統制

植物体内時計に関する研究成果:間違いなく生育が期待できる苗のみを選び出す技術 (大規模化が可能)

野菜の高効率な生産の制御 (省エネルギー化)

光合成機構 光合成産物光合成システム

CO2

O2

エネルギー

デンプン

配向

気孔

気孔

体内時計

糖代謝機構

気孔制御

蒸散

植物工場研究センターが目指す目標: 超高速最適化技術

最適環境パラメータの超⾼速探索

超⾼速探索数10倍速

複合的単⼀的静的

動的

フィールド最適解

従来型植物工場

従来法膨⼤な時間・莫⼤な費⽤

従来法

光のみ 光・温度 光・温度・養分

連続照明

昼夜変動

昼夜変動季節変動

昼夜変動季節変動ゆらぎ

超空間における黄金領域

独立変数

- 37 -

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大阪府立大学植物工場研究センターの目指す方向と将来展望

高付加価値植物の生産農業の高度化へ貢献

コストダウンの実現

要素技術開発

最先端となる様々な要素技術の研究開発光源/空調/栽培/制御/エネルギー/自動化/機能性作物/ゼロウエイスト/分子診断/センサー/ユニバーサル

要素技術統合

要素技術のインテグレーション化・実証ランニングコスト縮減/省力化/高効率栽培制御ネットワーク/サイエンス農業資源循環/環境配慮

プラント標準化

デバイスやシステム標準化デバイス標準化/モジュール化小規模/量産規模/被災地向け

ビジネスモデル化

ビジネスモデルの実証と普及採算型・複合型植物工場運営デバイス・プラント・メンテナンスビジネス人材育成/海外向けJV/普及・展示

人工光型植物工場の中心。(International Center)

人材育成に取り組むフィールドとの一体化

ソーシャルファーム(高齢化社会へ貢献)

時間

内容

公立大学法人大阪府立大学 21世紀科学研究機構 植物工場研究センター

文部科学省事業“平成26年度「成長分野における中核的専門人材養成等の戦略的推進」”

受講の成果をビジネスプラン発表会において披露して頂き、皆さん全員が無事に修了され、修了証書をお渡しできる

ことを楽しみしております。

ご清聴ありがとうございました。

人材養成講座プログラム委員長(植物工場研究センター長)

安保 正一

- 38 -

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大阪府立大学植物工場研究センターの目指す方向と将来展望

高付加価値植物の生産農業の高度化へ貢献

コストダウンの実現

要素技術開発

最先端となる様々な要素技術の研究開発光源/空調/栽培/制御/エネルギー/自動化/機能性作物/ゼロウエイスト/分子診断/センサー/ユニバーサル

要素技術統合

要素技術のインテグレーション化・実証ランニングコスト縮減/省力化/高効率栽培制御ネットワーク/サイエンス農業資源循環/環境配慮

プラント標準化

デバイスやシステム標準化デバイス標準化/モジュール化小規模/量産規模/被災地向け

ビジネスモデル化

ビジネスモデルの実証と普及採算型・複合型植物工場運営デバイス・プラント・メンテナンスビジネス人材育成/海外向けJV/普及・展示

人工光型植物工場の中心。(International Center)

人材育成に取り組むフィールドとの一体化

ソーシャルファーム(高齢化社会へ貢献)

時間

内容

公立大学法人大阪府立大学 21世紀科学研究機構 植物工場研究センター

文部科学省事業“平成26年度「成長分野における中核的専門人材養成等の戦略的推進」”

受講の成果をビジネスプラン発表会において披露して頂き、皆さん全員が無事に修了され、修了証書をお渡しできる

ことを楽しみしております。

ご清聴ありがとうございました。

人材養成講座プログラム委員長(植物工場研究センター長)

安保 正一

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8 7

6 5

4 3

2

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16 15

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12 11

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- 41 -

24 23

22 21

20 19

18

17

6

2 4

LED CCD

4 6

T

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- 42 -

32 31

Nursery plant Plant transportation & separation system

Packing Station Harvest

30 29

28 27

26 25

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人工光型の環境と適性

環境の特徴

・高い密閉度。

・気象の影響を受けない室内環境。

・光の強度、質、温度、湿度、二酸化炭素濃度、等制御可能。・根圏環境の制御は水耕型。

どのような作物に適するか・葉菜類。

・ハーブ類。

光要求度が低め

・ 年生草本の薬用植物。・小型高級花卉類。・小型根菜類(コカブ、ワサビ)。

・病虫害のリスクが少ない。

太陽光型の問題点

・季節や天候によって日射強度や波長組成が異なってしまう。

・夏の晴天昼間の光強度は葉菜類には強すぎる。

・日射には近赤外光も多く含まれ、温度上昇を招く原因となる。

太陽光型の環境と適性

環境の特徴

・太陽光を半透明被覆材を通して取り入れる。

・日射強度の影響が大きい。

・室温は一定範囲に制御可能。

・根圏環境の制御には、土耕型と水耕型のどちらでも用いることが可能。

どのような作物に適するか・トマト、ピーマン、パプリカ、キュウリなど果菜類。

・イチゴ、ブルーベリー等ベリー類。光要求度が高め

・コチョウランなどの高級花卉類。・コチョウランなどの高級花卉類。・小型に仕立てたビワ・マンゴー等の果樹。・ 年生草本の薬用植物。

2つのタイプの植物工場

太陽光型植物工場

人工光型植物工場

多くは半閉鎖型

閉鎖型

フェンロ―式ハウス

第 世代露地栽培

第 世代ハウス栽培

第 世代水耕栽培

第 世代植物工場

野生の克服 気候の克服 土壌の克服 地域の克服

新たな生産環境 植物工場アウトライン

人工光型植物工場用品種に求められる性質性質きめる遺伝子をさがす

形質データ化のすすめ

人工光型植物工場環境の特徴

本講義の目的

人工光型植物工場での、作物の特性記述や特化品種の開発は未だに完成には遠い位置にあります。今後、この種の作業に関わられる時のために、「植物を扱う側の人はどのように考えるのか」を知って頂くのが本時間の目的です。

植物工場分野での中核的専門人材養成講座青木

露地栽培との違い植物工場に適する作物の性質

大阪府立大学 生命環境科学研究科応用生命科学分野

青木 考

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- 44 -

これらの性質を作物に付与するには?

形質: 生物の見かけの形態や成分組成を含めて、遺伝により子孫に伝わる性質。

遺伝的要因環境要因

形質を決める要因

この遺伝的要因がフルポテンシャルを発揮した時、どんな形質が出現するのか、人間はまだ知らない。

環境制御のみでは改善できない形質もある。

求められる性質を更に具体化「無駄なく可食部ができる」とは?・栄養障害に強い

いずれもカルシウム不足が原因。栄養供給と成長のアンバランス。

・単為結実性

Brandl (2008) Appl Environ Microbiol 74:5285-9.

チップバーン 尻腐れ

De Freitas et al. (2011) Plant Physiol 156:844-55.

受粉無しで結実する性質。受粉作業が要らない。

Martinelli et al. (2009) J. Exp. Bot. 60 : 3873-90.

求められる性質を更に具体化「小型」「コンパクトな草型」とは?

・矮性・芯止まり性・節間長短い・実 葉の比が大

・直立性・わき芽少ない

レタス レタス

求められる性質を更に具体化「無駄の少ない光利用」とは?

Rubisco

①光を化学エネルギーに変換する効率が高い。

②その化学エネルギーを使って二酸化炭素を固定する効率が高い。

植物工場作物に求められる性質

等の限られた波長

明条件での乾燥

密植

根圏に微生物不在

弱い光強度

個体あたり限られたスペース

一定の栄養供給

暗条件での高湿度

二酸化炭素濃度

無駄の少ない光利用連続光耐性弱光耐性

生育が早い

小型コンパクトな草型

生育が揃っている無駄なく可食部ができる

病虫害に弱いが高品質

人工光型植物工場環境の特徴

等の限られた波長

明条件での乾燥

密植

根圏に微生物不在

弱い光強度

個体あたり限られたスペース

一定の栄養供給

暗条件での高湿度

二酸化炭素濃度

植物工場における環境要因

空気・水に関わる要因 生物要因

・光強度・光スペクトル・温度、湿度

・根圏の水ポテンシャル

・空気中、水中の気体成分分圧

・二酸化炭素濃度

・無機養分の濃度

・風量

・群落構造・葉による光の吸収率、反射率・個体密度

・害虫

・微生物、ウイルス

人工光型の問題点

・光強度は太陽光型に比べて低めになるのが普通。・環境制御にコストがかかる。・閉鎖空間内の環境の均一化は、いまだに簡単ではない。

室内での上下のポジション、棚の中の位置、空調からの相対的位置、等不均一化させる要因はまだ多い。

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- 45 -

性質の違った系統があった事がポイント

連続光で壊死しないS. neorickii (LA2133)

連続光で壊死する

あとは、その性質の違いと最も深く関係している部分を探せばよい。

明瞭に区別できる形質の違いをもった二つの系統

これは光合成系の遺伝子だった

Rubisco 光化学系 で光を集めるアンテナの役割をするタンパク質。これがたくさん作られると連続光に耐性になる。

例)

耐性をもたらす遺伝子

耐性なし

耐性あり

Verez-Ramirez et al., (2014) Nat Commun 5:4549

という遺伝子の発現を少なくする変異が耐性を低くしていた。

例)

耐性を持つものに共通する配列の特徴を検出する。

遺伝子をシャッフルし子孫を調べる連続光で壊死しないS. neorickii (LA2133)

連続光で壊死する

M82

×

× これらの連続光への反応を調べる。

葉っぱが壊死 する しない しない しない しない しない する

ここが原因遺伝子とする。

例)

連続光に強い野生種

連続光で壊死しない

S. neorickii (LA2133)

S. pennellii (LA0716)

連続光で壊死する多くの野生トマト種は連続光でも大丈夫。

栽培種のほとんどは連続光障害を受ける。

例)連続照明下で何が起こるのか?

葉緑体

デンプンデンプンが生理機能に支障をきたすほど貯まる。

活性酸素の発生。

活性酸素昼夜リズムの乱れ。

例)

例として「連続光耐性」

トマトはたくさんの光を要求する作物なのだが、 時間ずっと光を当てっぱなしでもまずい。

デメリット メリット

葉が壊死してしまう、という障害を起こす。

ただし、レタスやピーマンは連続光を当てても大丈夫。

作物による差が大きい形質の一つ。

オランダでの試算によると、収量の %アップが見込まれる。

いくつかの機能性成分含有量がアップする。

カロチンカプサイシンテルペンサポニンセサミン 等

遺伝要因を変える努力

「品種改良」や「育種」と呼ばれる営み。

人工光型に関連する性質で遺伝要因が明らかにされた例

連続光耐性芯止まり性

弱光耐性矮性

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植物工場を支える技術①(人工光)

三重大学生物資源学研究科共生環境学専攻・環境情報システム

村上 克介

2014.11.22

著者の立脚点、方針など

基準として

技術相談などで、色々聞いて下さるのだが

うまい話はなかなかない

• 効率の高い光源の選択(高圧ナトリウム、メタルハライド、蛍光、LED)理想的には植物栽培用分光分布を提案できれば

• 植物形態形成(R/FRは比較的クリアーだが、R/Bはなかなかクリアーでない、植物種、栽培品種依存もあるようだ、光源開発に伴い調べていく必要あり)

受光側の基礎的基準

• 植物が受ける光量(←あいまい)• 植物が受ける光質(分光分布)

• この2者を計測し、評価する。

• そのためには、物理量を計画し(理論)、計測すると同時に、栽培実験で確認。計測技術の開発、評価法の作成も同時進行。

おおいなる前提 計測、評価方法をまず

• 受光側(PPFD(μmol m-2 s-1)、照度(lx))

• 発光側(PPF (μmol s-1) 、光束(lm))

• 光源の効率(PPF/電力(W)、)

照明工学の知見の活用を行う

光束、照度の定義と区別をはっきりした上でPPF,PPFDへ変換あるいはその逆算を行う

光束

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まとめ

その特徴が求める作物形質標的形質をもつ系統 持たない系統

形質データ化とフェノミクス

植物工場環境の特徴

自動計測システム構築に向けて完全人工光型植物工場をベースに

・マルチモードセンサ・可動多段栽培棚・ロボティクス・群落内通気システム

・草型、大きさ、重さ・成分含量

担当:大阪府立大学コンソ企業

工学

アグリ

担当:大阪府立大学グリーンクロックス

・センサネットワーク

・アクチュエーターネットワーク・温度、湿度、光、液肥

・フェノミクス

担当:大阪府立大学コンソ企業

大阪府立大学に設置済みの

・評価と 化

サーバー

レタス トマト赤外3D

画像取得

植物工場での形質データ化

数多くの形質を、自動的に、均一環境で、取得。

フェノミクス

天候激変や災害に強い。

生産環境と全く同じ環境で候補系統を選抜。技術移転に伴う食い違いが無い。

植物工場向け育種 新しい生産環境に特化した品種。病虫害耐性が無い代わりに品質が高い。新規機能性成分の高含有化。

あり得ない人工環境での生育も有り。例)1日 時間、半年で 年

形質の網羅的記述、またその技術体系のこと

Busemeyer et al., (2013) Sci Rep 3:2442 Vankadavath et al (2009) Plant Methods 5:18

作物形質のデータベース

無駄の少ない光利用連続光耐性弱光耐性

生育が早い

小型コンパクトな草型

生育が揃っている無駄なく可食部ができる

近縁種品種による形質の違いの定量化

形質のデータベース=フェノミクスデータベース

農業のエキスパートではなくシロウトが見ても検索可能なもの

意外とこれが進んでいない 系統集団の全体像が

見えるもの

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植物工場を支える技術①(人工光)

三重大学生物資源学研究科共生環境学専攻・環境情報システム

村上 克介

2014.11.22

著者の立脚点、方針など

基準として

技術相談などで、色々聞いて下さるのだが

うまい話はなかなかない

• 効率の高い光源の選択(高圧ナトリウム、メタルハライド、蛍光、LED)理想的には植物栽培用分光分布を提案できれば

• 植物形態形成(R/FRは比較的クリアーだが、R/Bはなかなかクリアーでない、植物種、栽培品種依存もあるようだ、光源開発に伴い調べていく必要あり)

受光側の基礎的基準

• 植物が受ける光量(←あいまい)• 植物が受ける光質(分光分布)

• この2者を計測し、評価する。

• そのためには、物理量を計画し(理論)、計測すると同時に、栽培実験で確認。計測技術の開発、評価法の作成も同時進行。

おおいなる前提 計測、評価方法をまず

• 受光側(PPFD(μmol m-2 s-1)、照度(lx))

• 発光側(PPF (μmol s-1) 、光束(lm))

• 光源の効率(PPF/電力(W)、)

照明工学の知見の活用を行う

光束、照度の定義と区別をはっきりした上でPPF,PPFDへ変換あるいはその逆算を行う

光束

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たとえば、このように分光分布の異なる光源でも、成育はさほど変わらない。

PPFDが同一でも、植物形態は変化する。 Canopy light environment

照度

照度、光束のPPFDへの変換

• 分光分布から計算により求める

• 照度計、PPFD計で同位置で測定し、その比を記録しておく

• 上記は、同一分光分布を持つ光源の場合に有効である

いったいなんの目的で人工光栽培は始まったのか

PPFDの成立について

PPFDと光合成に関する検証実験の例

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たとえば、このように分光分布の異なる光源でも、成育はさほど変わらない。

PPFDが同一でも、植物形態は変化する。 Canopy light environment

照度

照度、光束のPPFDへの変換

• 分光分布から計算により求める

• 照度計、PPFD計で同位置で測定し、その比を記録しておく

• 上記は、同一分光分布を持つ光源の場合に有効である

いったいなんの目的で人工光栽培は始まったのか

PPFDの成立について

PPFDと光合成に関する検証実験の例

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同じ光量子でも呼び方が違うので注意

具体的な研究開発事例、関連して4件、ご参考いただければ

一見違いませんが 蛍光体の配合をあらかじめ予期してランプを製作

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同じ光量子でも呼び方が違うので注意

具体的な研究開発事例、関連して4件、ご参考いただければ

一見違いませんが 蛍光体の配合をあらかじめ予期してランプを製作

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藻類の場合の光量子束密度測定

終わりに当たって

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藻類の場合の光量子束密度測定

終わりに当たって

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文部科学省事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」大阪府立大学植物工場研究センター

「植物工場分野での中核的専門人材養成講座2014」2014年11月22日(土)

植物工場を支える技術②植物体内時計

大阪府立大学 工学研究科福田 弘和

<講座の特色>・質疑応答の時間を多くした双方向型講義、・最新鋭植物工場での実習、・ビジネスプランの作成と発表会が本講座の3つの特色。

講義時間は80分。うち講義を60分、質疑応答の時間を20分。

講 義 概 要と

参 考 図 書

近年、植物工場における生産品目は拡大傾向にあり、2次代謝がより重要となる高機能植物(ハーブ類や薬用植物)の研究が急増している。このため、細胞内の代謝分子情報を利用した環境調節工学(Speaking Cell Approach: SCA)や、数理モデルを駆使した工学的な代謝制御の研究が、重視されるようになってきた。しかし一方で、学術上の課題が浮き彫りとなってきている。1)数万

の遺伝子や数千の代謝情報(オミクス診断情報)を包括的に扱うための理論的基盤が脆弱であること、2)細胞レベルの分子情報を個体レベルの成長制御等に利用するための、ミクロからマクロまでの全階層を繋ぐ学術基盤が欠如していること、が大きな課題となっている。これらの課題の克服は容易ではないが、植物工場の革新的な技術開発のためにも、挑戦的かつ大規模な研究が求められている。このような背景の下、本講義では加速度的に研究が進展している

「体内時計」に着目し、最新の研究技術開発を紹介する。

【参考図書】①岡山毅,*福田弘和,村瀬治比古(*本章編集責任者):植物工場のシステム制御,太陽光型植物工場(第3章),養賢堂(2012)②福田弘和:体内時計制御の植物工場への応用,体内時計の科学と産業応用(第16章)シーエムシー(2011)

0.そもそもの目的①植物工場ビジネスの展望②問題点と課題

1.植物工場の課題①ハイテクとしての展望②農作物と植物工場(社会課題→高品質・安心)③植物工場産農作物の課題④高度な栽培プロトコル 研究課題

2.植物生理状態の高度な評価法①トランスクリプトームとは②トランスクリプトームデータの取得法

3.研究開発の事例①バイオマーカー遺伝子の探索②大規模生物現象のキーストーン遺伝子(花成制御)③フィールドトランスクリプトーム(イネの統計モデル)④太陽光植物工場におけるトマトの概日時計診断

4.Green Clocks Technologies

講義内容

植物工場ビジネス

都市型植物工場(Global Plant Factory)

地方型植物工場(Local Plant Factory)

大規模化標準化

競争的ビジネス大手参入工業化

一年草

自律分散多様性地形・気象・文化・伝統

共生的ビジネス地域コミュニティー

多年草生命科学

オープンイノベーション

バックキャスティング 1.植物工場の課題①ハイテクとしての展望

②農業と植物工場(社会課題→高品質・安心)

③植物工場産農作物の課題・安定に生産できるか・真に安全安心か・伝統農業を継承できるか・極限まで生産コストを低減できるか*植物生理状態の高度な評価が必須

④高度な栽培プロトコル 研究課題・高度な栽培プロトコル

★朝採り(日制御)★★旬の農作物(季節制御)★★★匠の栽培プロファイル(理想条件)★★★★環境パラメータ空間における黄金領域

(超高速最適条件探索)

R&D Center for the Plant FactoryOsaka Prefecture University

Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, JPMinistry of Economy, Trade and Industry, JP

(2011)Controlled parameters:Light, Temperature, R.H., Nutrients(pH, EC), CO2

The industrial model of fully‐controlled plant factory for lettuce

①ハイテクとしての展望

ICTビッグデータハイパースペクトルカメラメタボロームトランスクリプトームオミクス診断センサーネットワーク3D解析生体シミュレーター仮想市場自動搬送ロボットシステムレーザー照明気流解析遺伝子組換え薬用植物・・・

ICTビッグデータハイパースペクトルカメラメタボロームトランスクリプトームオミクス診断センサーネットワーク3D解析生体シミュレーター仮想市場自動搬送ロボットシステムレーザー照明気流解析遺伝子組換え薬用植物・・・

農家 植物工場企業 消費者

安定安心供給

◎デジタル継承技術

匠の農作物伝統の継承

②農作物と植物工場

作成・提供

研究機関

「匠の栽培プロファイル」

○匠の農作物×異常気象リスク×高齢化・後継者不足

○新規ビジネスチャンス○安定安心供給△農作物のクオリティ

○安定安心供給○高品質(伝統農作物)○高機能○適正価格

社会課題(根本課題)●高齢化・後継者不足による伝統農業の危機 → 伝統農業の継承技術が必要●従来農作物への需要 → 「匠の農作物」を生産できる植物工場システム