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新入社員研修のテキストとインストラクター用のレッスンプランを記載しています。 次ページの表紙から 16 ページまでがテキストです。 テキストの次にレッスンプランを載せています。 「あとがき」の後に研修で使うシートを載せています。 研修は二日コースです。 10 名から 20 名程度の受講者を想定しています。 (数名あるいは 20 名以上でも進め方を少し工夫すれば対応できます) ※この研修にあたっての準備用品は以下の通りです。 ・講師用のホワイトボードとマーカー(黒板でも可) ・グループ討議用の模造紙、下敷き用の古新聞、マジック(黒、青、赤)を班数分 模造紙を貼るためのセロテープまたはマグネット ・お茶のセット(湯呑と茶たく 3 個ずつ、お盆、布巾) ・白紙の A4 用紙を一人 3 枚ずつ程度 ・タイマー(キッチンタイマーで可) ・名刺または名刺大のカード ※研修全体の進め方については別掲の『研修の手引き』を参照してください。 新入社員研修の進め方 ~そのテキストとレッスンプラン~ 作成 経営研究センターJC

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新入社員研修のテキストとインストラクター用のレッスンプランを記載しています。

次ページの表紙から 16ページまでがテキストです。

テキストの次にレッスンプランを載せています。

「あとがき」の後に研修で使うシートを載せています。

研修は二日コースです。

10名から 20名程度の受講者を想定しています。

(数名あるいは 20名以上でも進め方を少し工夫すれば対応できます)

※この研修にあたっての準備用品は以下の通りです。

・講師用のホワイトボードとマーカー(黒板でも可)

・グループ討議用の模造紙、下敷き用の古新聞、マジック(黒、青、赤)を班数分

・模造紙を貼るためのセロテープまたはマグネット

・お茶のセット(湯呑と茶たく 3個ずつ、お盆、布巾)

・白紙の A4用紙を一人 3枚ずつ程度

・タイマー(キッチンタイマーで可)

・名刺または名刺大のカード

※研修全体の進め方については別掲の『研修の手引き』を参照してください。

新入社員研修の進め方

~そのテキストとレッスンプラン~

作成

経営研究センターJC

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平平成成〇〇〇〇年年度度

新新入入社社員員研研修修

テテキキスストト

(社名)

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1.開講にあたって

(1)開講挨拶

(2)研修目的と内容

①研修目的

②研修内容

<第一日目> 9:00~17:00 1.開講にあたって

2.社会人としての自覚

3.企業活動と私たちの役割

4.仕事の基本

5.チームワークと人間関係

<第二日目> 9:00~17:00 6.ビジネスマナー

7. キャリア開発と求められる能力

8.研修のまとめ

(3)他者紹介

-1-

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2.社会人としての自覚

グループ研究

テーマ「学生と社会人の違い」

<進め方>

上記テーマについて、まず個人で考え、次にグループで話し合い、模造紙にまとめてくだ

さい。

■個人の考えとして (時間 15分)

■グループ討議結果のメモ

-2-

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3.企業活動と私たちの役割

(1)経営の目的

経営の目的は、ステークホルダーの要求に応えること。

(2)価値創造と私たちの役割

◆バリューチェーン

価値連鎖。企業活動にはどのような主活動と支援活動があり、どの過程でいかなる価値が加えられて

いるかを分析する手法。分析結果は競争優位性を高めることを目的に活用される。

出所

ポーター『競争優位の戦略』

-3-

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4.仕事の基本

(1)仕事に臨む心得

①約束の厳守

②感謝の気持ち

③向上心

-4-

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(2)仕事の基本サイクルとポイント

①PDSサイクル

◆目標による管理 Management by Objectives and Self‐Control

ドラッカーが著書「現代の経営」の中で著わした概念。目標の設定や結果の評価に本人を参加させる

ことにより、主体性や責任感を高めようとする狙いがある。

②改善・向上への取り組み

-5-

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(3)仕事とコミュニケーション

①コミュニケーションの重要性

②ビジネスコミュニケーションの基本的な形態

③コミュニケーションの方法と留意点

イ.聞く、聴く、訊く

ロ.話す、伝える

ハ.書く、読む

-6-

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5.チームワークと人間関係について

(1)チームワークとメンバーシップ

◆チームワーク

集団の目標達成のために協力して行動すること。チームの団結や連携行動。

◆メンバーシップ

集団に所属するメンバーが、各自の役割を果たすことで全体に貢献すること。具体的には、自分が分

担する仕事を確実に遂行する、他のメンバーに協力する、面倒な仕事を進んで引き受ける、自発的に

役割を形成するといった行動があげられる。

(2)良い人間関係の構築

◆ジョハリの窓

自己認知と他者認知の領域から人の心を

4つ窓(開放、秘密、盲点、未知)に区分し、

開放(開かれた窓)の領域を自己開示と忠告

への傾聴によって、広げることを促す理論。

提唱者の心理学者ジョセフとハリーの名前か

ら命名される。

-7-

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□演習 「良い点を見つけて褒める」

<メモ>

■今日の振り返りと明日の予定ほか

-8-

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6.ビジネスマナーと応対の基本

(1)ビジネスマナーの心得

①ビジネスマナーとは

②挨拶とお辞儀

「おはようございます」

「いらっしゃいませ」

「ありがとうございます」「ありがとうございました」

「失礼します」

③言葉遣い

④身だしなみ

・服装

・髪型、その他

⑤態度・動作

-9-

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(2)電話応対の基本

①電話の受け方と取り次ぎ方

<例>

・ベルが鳴る

・受話器を取って応対する

当方 「△△株式会社でございます」

先方 「私、日本商事の高橋と申します。

営業課の山田様はいらっしゃいますか」

当方 「お世話になっております。少々お待ちください」

(名指し人が在席の場合は以上。不在の場合は以下へ)

当方 「まことに申し訳ありません。山田はただいま外出しております。

戻り次第、お電話させるようにいたしましょうか」

先方 「分かりました。では、そのようにお願い致します」

当方 「かしこまりました」

先方 「失礼します」

当方 「失礼します」

・先方が電話を切ったことを確認して受話器を置く。

②電話のかけ方

<例>

・用件をまとめてから電話をかける。

先方 「おはようございます。日本商事でございます」

当方 「おはようございます。△△(社名)の△△(姓名)と申します。

総務課の鈴木様はいらっしゃいますか」

先方 「少々お待ちください」

(間)

名指し人 「お待たせいたしました。鈴木です」

当方 「お世話になります。△△(社名)の△△です。

今お時間(をいただいても)よろしいでしょうか」

(了解を得れば用件に入る)

・用件が済めば、お礼を述べ、かけた方から切る。

-10-

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(3)来客応対の進め方

①来客対応の基本

②案内と席次

<席次の例>

③お茶の出し方

-11-

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(4)訪問と名刺交換

①訪問の心得

②名刺交換

(5)ビジネス文書と e メール

-12-

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(6)職場ルールの遵守

①出勤時

②勤務中・休憩中・退勤時

◆5S

整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(習慣化)の五つを徹底する活動。整理とは要不要を分け、不要なも

のを処分すること。整頓とは置くべき場所を決め、使えば元に戻すこと。

③コンプライアンスと関連事項

-13-

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7. キャリア開発と求められる能力

(1)キャリア開発の考え方

◆トランジション・サイクル・モデル(ニコルソンによるキャリア形成モデル)

(2)企業人に求められる能力

◆ロバート・カッツが示すビジネスに必要な三つのスキル

・テクニカル・スキル(基本的能力)

…業務知識、商品知識、生産技術、操作技術など

・ヒューマン・スキル(対人関係能力)

…人間関係形成力、コミュニケーション能力など

・コンセプチュアル・スキル(概念化能力)

…課題形成力、問題解決力、戦略策定力など

-14-

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<参考>

『社会人基礎力~3つの能力、12の能力要素~』 (経済産業省が示した「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」)

※自己チェックの基準…5=十分にある 3=人並みである 1=かなり不足している

1.前に踏み出す力(アクション) 自己チェック

①主体性 進んで取り組む力。 (例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけ、積極的に

取り組む。

5 4 3 2 1

②働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力。 (例)「やろうじゃないか」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人を動

かしていく。

5 4 3 2 1

③実行力 目的を設定し確実に行動する力。 (例)言われたことをやるだけでなく、自ら目標を設定し、失敗を恐れ

ずに行動し、粘り強く取り組む。

5 4 3 2 1

仕事において、答えは一つに決まっておらず、試行錯誤しながら、失敗を恐れず、自ら一歩前に踏み出

す行動が求められる。失敗しても、他者と協力しながら粘り強く取り組むことが求められる。

2.考え抜く力(シンキング) 自己チェック

④課題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力。 (例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提

案する。

5 4 3 2 1

⑤計画力 課題の解決のプロセスを明らかにし準備する力。 (例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最

善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。

5 4 3 2 1

⑥創造力 新しい価値を生み出す力。 (例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考

える。

5 4 3 2 1

物事を改善していくためには、常に問題意識を持ち、課題を発見することが求められる。その上で、その

課題を解決するための方法やプロセスについて十分に納得いくまで考え抜くことが必要である。

3.チームで働く力(チームワーク) 自己チェック

⑦発信力 自分の意見を分かりやすく伝える力。 (例)自分の意見を分かりやすく整理したうえで、相手に理解しても

らえるように的確に伝える。

5 4 3 2 1

⑧傾聴力 相手の意見を丁寧に聞く力。 (例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問する

など相手の意見を引き出す。

5 4 3 2 1

⑨柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力。 (例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や

立場を尊重し、理解する。

5 4 3 2 1

⑩状況把握力 自分と周囲との関係性を理解する力。 (例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべき

かを理解する。

5 4 3 2 1

⑪規律性 社会のルールや人との約束を守る力。 (例)状況に応じて、社会のルールにのっとって自らの発言や行動

を適切に律する。

5 4 3 2 1

⑫ストレス

コントロール力

ストレスの発生源に対応する力。 (例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブにと

らえて肩の力を抜いて対応する。

5 4 3 2 1

職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており、個人として、また組織としての付加

価値を作り出すためには、多様な人との協働が求められる。自分の意見と的確に伝え、意見や立場の異

なるメンバーも尊重した上で、目標に向け、共に協力することが必要である。

-15-

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8.研修のまとめ

(1)研修の振り返りと質疑応答

(2)連絡および閉講挨拶

(社名)

平成〇〇年度新入社員研修

平成〇年〇月〇日~〇日

-16-

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レッスンプランについて

次ページよりレッスンプランです。前ページまでのテキストに対応しています。

使用にあたっては A4サイズのクリアファイル 20~30ポケットを用います。

基本として、左ページにテキストを、右ページにレッスンプランを差し込みます(下図参照)。

テキスト 1ページ分のレッスンプランが数枚ある場合は、左右関係なく続けて差し込みます。

本レッスンプランの文字色の使い分けは以下の通りです。

黒文字はテキストの通り(見出しや記載文)

青文字は主に講師が口頭で説明したり、話したりする内容

(まとめた内容を記載しています。実際の説明や話では少し肉付けをします)

茶文字は手順や行うことなど

紫文字は注意点・留意点など

緑文字は板書する語句や文書

赤文字は時間配分と休憩

※プロジェクターを使用する場合は、映し出すスライド番号を適当な場所に記しておきます。

(例 スライド 3 )

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1.開講にあたって 9:00~10:00

(1)開講挨拶

〇入社の祝辞

〇講師自己紹介 (他、連絡事項等を含めて簡潔に)

(2)研修目的と内容

①研修目的

社会人のスタートにあたって、理解しておくべきこと、修得しておくべきことの基本を

身に付ける。

②研修内容

枠内のプログラムの確認

補足 進め方

質問や意見

講義と質疑応答、実習、討議、演習等

随時・休憩中(積極的に)

時間

昼食

小休憩

9:00~17:00(両日とも)

12:00~13:00

適時(10分程度) / トイレは随時(静かに)

スマホ等はマナーモードに。体調不良は早めに連絡を。

(3)他者紹介 <約 50分>

隣の席の人を交互に紹介する。

手順は、

・まず交互に隣の人のことを聞き、メモを取る(氏名、経歴、趣味や特技など)。

一人 5分ずつ

・メモに取った内容をまとめ、紹介をする。

「△△さんを紹介します。△△さんは・・・・・・・」というような形になる。

(受講者数が奇数の場合は、最後の組を 3名とする)

●メモ用の A4用紙を配布し、質問を受ける

●交互の聞き取りを行う

…5分経てば合図をし、交代する

●紹介の順番を決めて実施

…紹介は二人が全員に向くように立って交互に行う

配属先での自己紹介もできるようにしておくことを伝える。

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2.社会人としての自覚 10:00~12:00

テーマと進め方を板書し、簡潔に説明する。

テーマ「学生と社会人の違い」

進め方

1.個人で考える(15分) …テキストの欄を活用する

2.グループで話し合う(45分)

3.模造紙にまとめる(20分) …まとめ方は自由とする

4.発表し、確認する(30分)

●班編成と移動

・あらかじめ決めておいた班編成(5~6名編成)を発表する

・テーブルの配置図を描き、そのように机を移動させて着席する

(あるいは初めから班別の島型の配置でスタートする)

●各班に模造紙と古新聞(下敷き用)とマジック(黒・赤・青)を配布する

●質問を受けて、<1.個人で考える>を実施

■休憩 <10分間> 10:30~10:40 (休憩時間はボードに記す)

●<2.グループで話し合う>と<3.模造紙にまとめる>を実施

・残り時間 20分前に模造紙に取り掛かるようにアナウンスする

・各班の発表を誰が行うかを決めるように指示する

※講師は討議には入らない。質問があるときだけ対応する。

●全班の模造紙が完成されたことを確認し、発表の順番を決める

●順番に従って、模造紙を前のボードに貼り、発表する

・発表が終われば全員で拍手する

・一つの班の発表が終われば、他の班の数人に感想や質問を求める

・そのあとに講師が内容の確認や補足を加えてまとめる

※想定される内容は、時間の自由度、責任の度合い、授業料の支払いと給料の受取り、

人間関係(友達と上司、仕事先など)、協調性、約束の厳守、自己管理の重要性など

□ここまでの質問を受ける

□テーブルをスクール形式に戻す (戻す位置にテープで印をしておくと早い)

■昼食・休憩 <60分間> 12:00~13:00

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3.企業活動と私たちの役割 13:00~13:50

(1)経営の目的 <13:00~13:30>

経営の目的は、ステークホルダーの要求に応えること。

…ステークホルダーとは利害関係者(企業と何らかの関りをもつ人)。

●質問 1 「ステークホルダーとは具体的にはどういう人?」 → 回答を板書

※質問は数人に行う(席順あるいは指名)

・経営者

・株主

・従業員

・顧客

・取引先(業者)

・債務者(銀行)

・地域社会

・国、関係機関

…企業の成長、夢の実現

…配当、株価の上昇(上場企業)

…報酬や処遇、仕事を通しての成長

…品質な商品、サービスの提供

…安定的、発展的な取引

…確実な返済

…雇用の拡大、地域の活性化

…経済への貢献、税金の納付

●質問 2 「では、それぞれの要求は何?」 → 回答をまとめながら板書(上記参考)

企業を法的に支配するする人は株主。

しかし、各ステークホルダーの要求にバランスよく応えていくことが必要。

●質問 3 「かつ企業は利益を追求するが、その理由は?」 →回答を確認する

ステークホルダーの要求に応えるためには、事業の成長が必要である。

事業を成長させるためには再投資のための資金が必要になる。

より大きな利益が得られなければ、十分な投資はできない。

利益確保は、経営の目的(上記)を達成させる重要な手段といえる。

(利益を生み出すことのできない企業はいずれ消滅する)

◇補足説明~利益について~

利益とは、収益から費用を差し引いたもの。

〈板書〉 利益=収益-費用

・収益とは、主には売上(商品やサービスの提供による代金)。

・費用とは、商品の原価や会社の維持に必要なコスト(人件費や諸経費など)。

利益を生むためには、より大きな収益を獲得しながら、費用を抑える必要がある。

・より大きな収益を得るには、良い商品をつくり、広く販売しなければならない。

・費用を抑えるには、無駄を少なくし、効率化をはからなければならない。

※経営目的のとらえ方は一様ではない。ドラッカーは「顧客の創造」をあげている。

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<テキスト 3ページの続き>

(2)価値の創造と私たちの役割 <13:30~13:50>

企業は、経営資源の三要素であるヒト・モノ・カネあるいは情報等を効率よく用い、

価値を生み出していかなければならない(価値を生むことが利益の獲得にもなる)。

〈板書〉

ヒト

モノ

カネ

情報・ノウハウ

…能力を活かす

…設備や資材を使う

…資金を再投資する

…情報やノウハウを活かす

なかでもモノ、カネ、情報、ノウハウを用い、活かしていくヒトが最重要。

◆バリューチェーン 〈講師音読〉 価値連鎖。企業活動にはどのような主活動と支援活動があり、どの過程でいかなる価値が加えられて

いるかを分析する手法。分析結果は競争優位性を高めることを目的に活用される。

この図を示した目的は、企業が利潤を得るにはすべて業務が価値を生み出す活動と

なっていなければならないことを示したいため。

(価値創造こそ企業の生命線)

私たちの役割もこの点にあり、どの仕事に就いても必要な能力を身につけ、価値創造

へ向けての活動が求められる。

●質問 「仕事における価値とは何?」

仕事における価値とは、課題の達成や問題の解決、あるいはその正確さや迅速さ、

品質の向上、コストの低減、納期の短縮、製品や技術の開発などを実現すること。

※品質、コスト、納期(QCD)は生産管理の三要素。

かつそれは自己満足ではなく、他者が認め、評価するものでなければならない。

…例えば、私が勤務中に膨大な量の計算問題を解いても、額に汗して重いものを運んでも、

周りの人がその意義や成果を認めなければ価値は生まれない。仮にその成績が良くても、あ

るいはたくさん運べたとしても自己満足でしかない。ビジネスにおいて、なしたことの価値を

評価するのは自分以外の人間である。その人たちから評価を得られなければ、価値を生み

出したことにはならない。このことは仕事をする上で常に頭にとどめておかなければならない

ことである。(説明に肉付けする場合の例として)

□ここまでの質問を受ける

■休憩 <10分間> 13:50~14:00

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3.仕事の基本 14:00~15:30

(1)仕事に臨む心得 <14:00~14:20>

①約束の厳守

ビジネスにおいてもっとも大切なことは約束を守ること。

・契約内容を守る (顧客との契約、会社との契約)

・時間を厳守する (納期、スケジュール、訪問日時)

・社会やビジネスのルールを守る (コンプライアンス、就業規則等)

ビジネスは約束の上に成立する(約束が守られなければ信用は失墜)。

※書面ではなく、口約束でも同様。

②感謝と誠意

社内外を問わず、すべての人に感謝の気持ちをもって接すること。

・言葉による表現 …お礼を述べる。感謝の意を言葉に表す。

「ありがごうございます」「申し訳ありません」「お蔭さまで助かりました」等

・態度による表現 …気配りをする。横柄な態度をとらない。

・行動による表現 …周りの期待や思いに積極的に応える。

・文字による表現 …手紙やメールに感謝の言葉を添える。

常に他者を尊重する気持ちを忘れないこと。

その気持ちが伝わることによって、人間関係が良くなり、仕事もうまく進む。

また誠意とは真心や熱意をもって臨むこと。それは感謝の気持ちの表現にもなる。

③向上心

企業が目標を達成したり、課題を解決したりするためには、人の力が不可欠。

つまり企業が成長するためには私たち一人ひとりの能力向上が不可欠。

人を能力向上や成長へ向かわせるものが向上心。

(関連して)

私たちは言われたことだけするのではなく、知識や経験を積み、より良い結果や

状態になるよう自ら考えながら働くようにしたい。

〈板書〉 行動ではなく考働(考動)を

◎上記の中で関連する例話やエピソードがあれば加える。

…時間に遅れて失敗をした例、誠意ある行動から良い結果が生まれた例など。

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(2)仕事の基本サイクルとポイント <14:20~14:40>

①PDSサイクル

図のPDSはマネジメントサイクル、仕事のサイクル。

経営全体、各部署、個人ともこのサイクルを展開させることが基本となる。

〈板書/下図〉 目標、結果、差異確認を加えて説明

・計画は目標にそって立てる。

・実施の後には結果が現れる。

・目標と結果の差異を確認する。

・問題があれば次の計画に活かす。

◇補足として

・日々の仕事では、優先順位を考える。

・時間を有効に使う(段取りやスキマ時間の活用)。

・すぐやる習慣を身につける(→できるビジネスマンの条件)。

◆目標による管理 Management by Objectives and Self‐Control 〈講師音読〉 ドラッカーが著書「現代の経営」の中で著わした概念。目標の設定や結果の評価に本人を参加させる

ことにより、主体性や責任感を高めようとする狙いがある。

上部からの指示・命令によるトップダウンのみではなく、部下からの意見や提案などの

ボトムアップを取り入れた考え方。

・メリットして、

経営参画意識の醸成、主体性・責任感・自律心の向上、モチベーションの向上、

能力開発やコミュニケーションの促進などが期待できる。

(同時に自己管理 Self‐Controlが求められる)

・目標としては、販売目標、生産目標の達成ほか、課題解決や能力向上などがある。

仕事はまず指示される事がらを正確、確実に行えるようする。

(そのための必要な知識、技術を修得する)

ある程度仕事を覚えれば目標管理のスタイルへ移行する。

(指示されなくても、なすべきことができるように)

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<5ページの続き>

②改善・向上への取り組み

PDCAは品質管理など改善重視の活動で示されることが多い。

PDSのDに、CとAを加える考え方もある。

〈板書/下図〉 Dに C と Aを加える図を示す

計画・実施・確認を基本に、

実施の中に点検・評価と改善・処置を必要

に応じて入れる。

これによって、より確実に目標や計画を達

成させることができる。

(結果は修正できないが、プロセスはコント

ロールできる)

仕事は問題や課題を解決していくことの連続(仕事そのものが課題や問題)

問題や課題には発生するもの、与えられるもの、自ら形成するものがある。

・初めは与えられた課題や発生した問題の解決に取り組む。

・仕事に慣れるに従って、自ら改善や向上へ向けての課題に取り組む。

◇関連して

仕事ではときとしてミスや失敗が起こる。

大切なことは原因や対策を考えて、繰り返さないこと。

また、ミスや失敗は隠さないこと、問題を一人で抱え込まないこと。

…問題の解決を遅らせたり、問題を大きくさせたりする結果になりかねない。

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(3)仕事とコミュニケーション <14:40~15:30>

①コミュニケーションの重要性

コミュニケーションの目的には、意思の疎通、情報の交換、感情の交流等があるが、

肝要なことは「分かり合うこと」。

経営学者チェスター・バーナードは、

「組織成立の三要素は、共通目的、協働意欲、コミュニケーション」と述べている。

〈板書〉 組織の三要素(バーナード)

・共通目的

・協働意欲

・コミュニケーション …コミュニケーションの重要性を示す

組織は円滑なコミュニケーションによって、適切に活動することができる。

また組織自体も活性化する。

②ビジネスコミュニケーションの基本的な形態

上司はチームの仕事の中で、部下へ

その仕事の一部の遂行を命じる。

図はその過程で発生するコミュニケ

ーションを表したもの。

・命令と授受 … 呼ばれたら「はい」と返事を。メモの準備も

・相談 … 分からないこと、迷うことがあれば相談する

・連絡 … 必要なことを関係者に連絡をする

・報告 … 報告ではまず結論から述べる

※最終報告までの期間が長い場合は中間報告を入れる

報告・連絡・相談は略して「ホウレンソウ」といわれる。

(この言葉は旧・山種證券の山崎社長が最初に用いる)

その他のコミュニケーションの場としては、

会議、ミーティング、朝礼、交渉、プレゼンテーション、電話や文書、メールなどがあり、

伝達、協議、調整、意思決定などが行われる。

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<6ページの続き>

③コミュニケーションの方法と留意点

イ.聞く、聴く、訊く

それぞれの意味

・聞く =普通に聞く。

・聴く =意識して聴く。集中して聞く。傾聴する。

・訊く =尋ねる。質問する。確認する。

ビジネスではとくに聴くと訊くが重要。

●質問 「相手の話を聴くときに気をつけるべきことは?」 (数名に尋ねる)

・相手に正面に体を向ける(必要に応じてアイコンタクトをとる)

・うなずく、相槌を打つ(相手の人が話しやすくなる)

・話の腰を折らない(話しは最後まで聞く)

・異なる意見でも受け入れる(頭から否定はしない)

・言葉以外の気持ちも読み取る努力をする

・重要な事柄についてはメモを取る

・お客様との対話ではできるだけ柔らかい表情にする(笑顔)

「話し上手は聴き上手」とも言われ、コミュニケーションではまず「きく」ことが大切。

ロ.話す、伝える

●質問 「話すときに気をつけるべきことは?」

・話す前に内容をまとめておく

・分かりやすく伝える

・簡潔に話す(だらだらと続けず、短いセンテンスで話す)

・具体的に話す(数値や例などを用いて)

・一方的にならないようにする(キャッチボール)

・押し付け、決め付けをしない

・議論に勝つことよりも、理解しあうことを重視する

・相手との関係を考慮した話し方をする(敬語や言葉遣い)

・正確に伝わるように言葉を選ぶ(誤解のないように)

・ゆっくりと話す

ハ.書く、読む

口頭以外のコミュニケーションに書く・読むがある(社内・社外文書、eメール等)。

・文書には基本ルールや雛形があるので、その都度修得する。

・文書は残るので、必ず原稿を読み直し、チェックをすること。

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<6ページの続き>

□演習 コミュニケーション・ゲーム 15:00~15:30

コミュニケーションに関する演習を行うことを伝える。

ゲームの内容は、二人一組となり、ある情報を他の人に伝える演習。

発信者は正確に伝え、受信者はその形や大きさを正確に表すという演習。

(受講者数が奇数の場合は、最後の組を 3名とする)

伝えたい情報は後に配布する。 <シートは後ページ参照>

●一回目

・組の中で、向かって右側の席の人を発信者、左側の人を受信者とする。

・全員に白紙の A4用紙を一枚ずつ配布する

・以下のルールを述べる

発信者は受信者に用紙の内容が見えないようにする。

発信者は口頭だけで、必要な情報を正確に伝える(手振りなどは禁止)。

受信者は質問を一切してはいけない。

…発信者は一方的に伝えることになる(説明は何度繰り返してもよい)。

時間は4分間(タイマーで終了合図をする)。

・質問を受ける

・発信者の人へシート Aを裏にして(受信者に見えないようにして)配布する

・実施(合図をし、タイマーセットする)

発信者はシートを見て描かれている図を伝える

受信者は説明の内容を用紙に描く

・終了

・終了後、受信者は情報のシートを確認する。

・二人の判断で正確さを採点する(百点満点)。

●二回目(続けて行う)

・交代して、向かって左側の席の人を発信者、右側の人を受信者とする。

(3名の組は、一人はいずれも受信者となる)

・一回目とのルールの違いを述べる

受信者は必要に応じて質問をしてもよい。

発信者はその質問に答えることができる(手振りなどは禁止)。

(時間は4分間で一回目と同じ)

・質問を受ける

・発信者の人へシート Bを裏にして(受信者に見えないようにして)配布する

・実施(合図をし、タイマーセットする)

・終了

・終了後、受信者は情報のシートを確認する。

・二人の判断で正確さを採点する(百点満点)。

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<コミュニケーション・ゲームの続き>

●数名に演習の感想を聞く

…伝えることの難しさ、二回目の方が分かりやすいことなどが想定される。

●演習のまとめとして

一回目の「一方向」のコミュニケーションでは、

伝える側は短い時間で終えることはできるが、相手に内容が十分伝わって

いない、理解されていない可能性がある。

二回目の「双方向」のコミュニケーションでは、

質問に答えたりして時間は要するが、相手にしっかりと伝えることができる。

この演習の目的とするところを伝える

・言葉で伝えることは難しい。そのために伝え方を工夫する必要があること。

・聞く側も相手の伝えようとするところをしっかりと聞き取る必要があること。

・コミュニケーションは一方向ではなく、双方向でなければならないこと。

□ここまでの質問を受ける

■休憩 <10分間> 15:30~15:40

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4.チームワークと人間関係 15:40~16:50

(1)チームワークとメンバーシップ <15:40~16:00>

「組織成立の三要素は、共通目的、協働意欲、コミュニケーション」

(板書が残っていれば協働意欲を確認)

…協働意欲はチームワークに通じる。

◆チームワーク 〈講師音読〉 集団の目標達成のために協力して行動すること。チームの団結や連携行動。

組織は仲良し集団ではない。

達成すべき目標があり、その達成に向けて力を結集する。

(役割分担をしながらも、最大効果を生むために互いに協力していく)

力を合わせることによって、1+1が 2以上になるような効果を出す。

◆メンバーシップ 〈講師音読〉 集団に属するメンバーが各自の役割を果たすことで全体に貢献する意識や行動。具体的には、自分

が分担する仕事を確実に遂行する、面倒な仕事を進んで引き受ける、他のメンバーの仕事に協力したり、

サポートしたりする、といった行動があげられる。

チームワークの中で求められるのがメンバーシップ。

メンバーはチームの目標を理解し、その達成のために自分が何をしなければなら

ないか、自分に何ができるかを考える。

自身の能力を高めながら、チームへの貢献を果たすことが必要。

◎例話としては野球やサッカーのチームワーク、メンバーシップが分かりやすい。

身近にプロジェクトなどの例があればより現実味がある。

「集団で取り組むことに一人ひとりが全力を注ぐ。これがチームワークを生む」

…ヴィンス・ロンバルディ(アメリカンフットボール指導者)

◇逆の作用として「リンゲルマン効果(社会的手抜き)」

リンゲルマン効果とは、人は集団になるほど力を抜くという現象。綱引きの実験では、

1人で引くときの力を 100%とすると、2人では 93%、3人では 85%、8人では 49%に

低下した。…「私一人くらい手を抜いても大丈夫だろう」とならないように。

◇関連する用語として(参考に)

・リーダーシップ…先導力、統率力、指導力。指導者としての資質、能力。

・フォロワーシップ…集団の目的達成に向けて部下が上司を補佐する行動や能力。

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<7ページの続き>

(2)良い人間関係の構築 <16:00~16:45>

人間関係(対人関係)とは、自己と他者(個人・集団)との関係。

人間関係の良し悪しは、他者との利害関係、好悪の感情から生じる。

(ときには自分自身の悩みや葛藤から生じる)

仕事における人間関係には社内外の人との関係がある。

・社内の人との関係が良くないと悩みは大きい(最悪退職につながる)。

・社外、とくに顧客と良い関係が築けないと業績に影響する(信頼関係)。

・また、様々な人と人脈を築けることは大きな財産となる。

●質問 「人間関係がうまく築ける人の特徴は?」 →意見を板書(補足し、まとめる)

明るい人、面白い人、ポジティブな人

他者を思いやれる人、気配りのできる人、

他者のために行動できる人、協力してくれる人

自己主張しすぎない人、態度が横柄でない人、押し付けをしない人

誰にも公平に接することができる人

隠し事の少ない人、オープンな感じのする人

人に対して興味を持てる人、他者を理解し受容できる人

必要以上に気づかいしなくても良い人、なんでも話せる人

自信のある人、仕事のできる人、良い影響を与えてくれる人、など

自分自身を振り返ってみて、良い要素を多く取り入れる。

人間関係がうまく築けない人は、上記の逆の要素が多いと考えられるので、その面は

できるだけ改めるようにする。

(他者が強要できるものではないので、自分自身がそうしようと思うことが大切)

◆ジョハリの窓 〈講師音読〉 自己認知と他者認知の領域から人の心を4つ窓(開放、秘密、盲点、未知)に区分し、開放(開かれた

窓)の領域を自己開示と忠告への傾聴によって、広げることを促す理論。提唱者の心理学者ジョセフとハ

リーの名前から命名される。

ジョハリの窓は人間関係を楽にするための考え方。

縦軸は、他人が私について分かっている領域と分か

っていない領域。横軸は、私が私について分かって

いる領域と分かっていない領域。

開放の窓を広げる〈板書/右図〉ことによって、人間関

係を楽にし、新しい自分の発見につながる。

そのためには、自己をオープンにする(隠さない)と同

時に他者からの忠告を受け入れる姿勢が必要。

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□演習 「良い点を見つけて褒める」 16:20~16:45

相手の良い点を見つけて褒める演習を行うことを伝える。

・一組 3~4人で行う

三人掛けの場合はそれで一組、二人掛けの場合は前後で一組とする。

演習中はお互いの顔が見えるように向き合う。

・組に A、B、C、Dの人がいると想定すると、

まず Aの人に対して、その人の良い点を、B~Dの人が一人 2つずつあげる。

B~Dの人は順番に 2つずつあげる必要はなく、バラバラでも良い。

(3名の組は一人 3つずつあげてもらう)

Aの人は他の人があげた点をテキストにメモする。

Aの人が終われば、B、C、Dの人に移る。

・一人につき 5分の時間を設定する(3名の組は 1分程度延長可)

〇質問を受ける

●タイマーをセットし、実施 (5分経てば次の人に移る)

●終了

〇演習をまとめる

人の良いところを見つけることは、良い人間関係の形成につながる。

良いところを見つけるためには、良く知ろうとする姿勢が必要。

そのためには人に興味を持ち、よく見てよく聞くことが大切。

互いを尊重し、人間関係の良い職場を作りたい。

(この演習を通して、良い雰囲気で研修を終えることを心がける)

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<8ページ>

■今日の振り返りと明日の予定 16:45~17:00

〇今日の研修の振り返り

今日の研修内容内は、

・社会人としての自覚

・企業活動と私たちの役割

・仕事の基本(仕事に臨む心得、仕事のサイクル、コミュニケーション)

・チームワークと人間関係

〇今日の研修を振り返っての質問を受ける

(質問がない場合は、数人から感想を求める)

〇明日の研修の予定

明日の研修予定

・時間は 9:00~17:00 (開始 5分前には集合を)

・内容はビジネスマナーと能力およびキャリア開発について

◆号令 全員起立 「ありがとうございました」

■一日目終了 17:00

■二日目開始 9:00~9:10

◆号令 (全員起立 「よろしくお願いします」)

〇昨日のところに質問・意見を受ける

〇今日の研修の予定

今日の研修内容

・ビジネスマナー

・能力とキャリア開発について

<レッスンプランが長くなる場合は、二日目を二冊目にする>

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5.ビジネスマナーと応対の基本 9:10~15:00

□演習 ナンバー・ゲーム 9:10~9:30

最初にナンバー・ゲームという演習を行うことを伝える。

・このあと 1から 50 まで書かれているシートを配布する。 <シートは後ページ参照>

・演習は 1から順番に数字を探していくもの。

・時間は 30秒。

・何回か行うのでシートに印をつけないこと。

・シートは裏にして配布する。開始まで開かないこと。

●質問を受け、シートを配布する

●1回目

・タイマーセット(30秒)、開始→終了

・各自到達した数字を下の空欄(左)に記入

・参考として数人に到達した数字を聞く

(人数が少ない場合は、全員の数字を書き、合計値を出してもよい)

●2回目

・「もう一度行ってみます」

・タイマーセット(30秒)、開始→終了

・各自到達した数字を下の空欄(中)に記入

・参考として数人に到達した数字を聞く

〇質問 「このゲームで気づいたことはありますか」

以下の点を確認する

・用紙の左側に奇数、右側に偶数がある

・順番が上から下、下から上に並んでいる

●3回目

・「規則性を理解したうえで、三回目を実施します」

・タイマーセット(30秒)、開始→終了

・各自到達した数字を下の空欄(右)に記入

・参考として数人に到達した数字を聞く

〇演習から

通常、1回目より 2回目が、2回目より 3回目が数字は伸びる。

2回目に数字が伸びた理由は、習熟による効果が表れたものと考えられる。

3回目に数字が伸びた理由は、ルールを理解した結果と考えられる。

仕事も規則やルールを理解することによってスムーズに進めることができる。

また、これから研修で行うビジネスマナーについても同様のことが言える。

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<9ページの続き>

(1)ビジネスマナーの基本 <9:30~10:50>

①ビジネスマナーとは <約 5分>

マナーとは、礼儀や作法のこと。ビジネスマナーは、仕事上の礼儀や作法。

(よく似た言葉のエチケットは相手への配慮というニュアンスが強い)

ビジネスマナーの目的

・円滑な人間関係やコミュニケーションの形成

…相手への気遣いや思いやりを示すことによって関係が良くなる。

逆にビジネスマナーに欠けると常識を疑われる。

・イメージアップや効率化

…所作や言葉づかいにおいて良い印象を与えることができる。

また、形式に従う方が無駄なく進むことも多い。

②挨拶とお辞儀 <約 25分>

まず、挨拶がしっかりとできること。

●挨拶の実習 ※実習は時間を取り、十分に行うこと。

・全員起立

・最初に発声練習

講師に続けて全員が復唱を。はっきり大きな声で。

講師「あえいうえお・あお」→全員で

(続けて「たてちつてと・たと」まで行う。早口言葉を入れても良い)

・挨拶の唱和

講師に続けて全員が復唱を。各言葉を明るく大きな声で 3回ずつ実施。

講師「おはようございます」 →全員 (これを 3回繰り返す)

講師「ありがとうございます」 →全員

講師「ありがとうございました」 →全員

講師「いらっしゃいませ」 →全員

講師「失礼します」 →全員

縦列ごとに前の人から順に一人ずつ発声

最初の列は「おはようございます」

次の列は「ありがとうございます」のように指示しながら進める。

(声が小さい場合は、もう少し大きな声を出すように促す)

・一旦着席

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<9ページ「挨拶とお辞儀」の続き>

●お辞儀の説明

会釈 (15度くらい倒す) …上司やお客様とすれ違うときなどに

講師が横向きの姿勢で見本を示す

普通礼(上半身を30度くらい倒す) …最も一般的なお辞儀

同じように講師が見本を示す

※背筋を伸ばして丸くならないように。

すっと倒して、ややゆっくり戻す方が良い。

女性は両手を前で重ねるようにしてもよい(男性は横に)。

敬礼 (45度くらい倒す) …お詫びなどで

同じように講師が見本を示す

●お辞儀の実習

・全員起立

「向かって右の人が会釈、普通礼、敬礼をし、左の人がチェックします」

・講師の号令とともに実施

「会釈」 …終わればチェックする側の人がコメント(角度や背筋など)

「普通礼」 …同様に

「敬礼」 …同様に

「交代して、左の人が実施、右の人がチェックします」(3名の組は二人をチェック)

・講師の号令とともに実施

同様に「会釈」、「普通礼」、「敬礼」

●お辞儀をあわせた挨拶の実習

より丁寧に行う挨拶ではお辞儀とともに行う。

※このときのお辞儀は挨拶をした後に行う形と挨拶をしながら行う形がある。

挨拶をしながらの場合は挨拶の中ごろからお辞儀を始める。

・お辞儀のタイミングを示した後、全員で実習をする。

講師見本「おはようございます」 →全員で実施(受講者は 2回行う)

講師見本「ありがとうございます」 →全員

講師見本「ありがとうございました」 →全員

講師見本「いらっしゃいませ」 →全員

講師見本「失礼します」 →全員

・着席

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<9ページの続き>

③言葉遣い <演習を含めて約 30分>

イ.敬語

ⅰ尊敬語 …上位の人に対して敬意を含めた表現

(例、「する」を「なさる」「される」のように)

ⅱ謙譲語 …自分をへりくだって相手を敬う表現

(例、「する」を「いたす」「いたします」のように)

ⅲ丁寧語 …上下に関係なく丁寧な表現

(例、「する」を「します」のように。他にはお鞄、お箸など)

●質問形式で 次の言葉の「尊敬語は?」「謙譲語は?」

動詞 尊敬語 謙譲語 (丁寧語)

言う

見る

行く

思う

おっしゃる

ご覧になる

いらっしゃる

お思いになる

申す、申し上げる

拝見する

参る、伺う

存じる

(言います)

(見ます)

(行きます)

(思います)

ロ.敬称

お客様に対しては、「△△様」 (△△さんは×)

役職者に対しては、「社長」「専務」「△△部長」「△△課長」「△△主任」

・役職名は敬称

・ただし、お客様に自社の上司をさすときは敬称を付けない。

(例:当社の山田部長が申しておりました ×)

同僚や後輩 …「△△さん」 (△△君、△△ちゃん等は用いない)

ハ.その他

自分の会社は、弊社、当社

相手の会社は、御社、貴社(主に手紙で)

自分のことは私(複数は私ども)、

今日→本日、昨日(きのう→さくじつ)、明日(あした→みょうにち)、

あっち→あちら、あとで→のちほど

●「言葉づかいの例題」の実施 <シートは後ページ参照>

・シート配布と説明

・実施 <15分>

・終了後、解答と解説

□ここまでの質問を受ける

■休憩 <10分間> 10:30~10:40

※進捗状況によっては、休憩を例題の実施の前に入れるなどして時間の調整をする。

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<9ページの続き>

④身だしなみ <約 15分>

基本は職場や仕事にふさわしく、清潔感があること。

制服がある場合は指定通りに着用する。

・服装

スーツ上着 …しわがないように

ズボン …折り目をつける

ワイシャツ …襟などに汚れがないように

ネクタイ …派手すぎないもの

ベルト …黒色が基本

靴 …黒色で汚れがないように

靴下(男性) …黒、紺色などが基本

ストッキング(女性) …自然な色のものを

・髪型、その他

髪型 …清潔に。男性は長すぎないこと、女性は仕事中では束ねること

髭 …伸ばさないこと(毎日剃るように)

口臭 …自分では気づきにくいこともあるので気をつけるように

装飾品 …時計、メガネを含めて派手なものは避けること

ハンカチ …手拭きなどで携帯を

※ビジネスに必要な手帳や名刺入れなどの用品は各自用意する。

時間があれば全員起立し、二人一組で相互にチェックする。

(講師がワイシャツからハンカチまで順に述べ、受講者が互いにチェックする)

⑤態度・動作 <約 5分>

・きびきびした態度をとること(だらだらとした印象を与えないように)。

・腕組み、足組みをしない(横柄な感じのする態度をとらない)。

・横着な動作をしない(椅子のまま動くなど)。

・呼ばれたらすぐに「はい」と返事をし、必要な動作に移る。

…依頼された内容はすぐに行動に移すよう心掛ける。

□ここまでの質問を受ける

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(2)電話応対の基本 <11:00~12:00>

①電話の受け方と取り次ぎ方

テキストの例にそって説明する。

・ベルが鳴る

・受話器を取って応対する

呼び出しベル 3回以内に受話器を取るようにする。

それより遅れた場合は「お待たせいたしました」を最初に入れる。

当方 「△△株式会社でございます」

※10時までは「おはようございます。△△株式会社…」と言うことが多い。

また、社の決まりがあるときはその言葉に改める。

先方 「私、日本商事の高橋と申します。

営業課の山田様はいらっしゃいますか」

当方 「お世話になっております。少々お待ちください」

もし先方が名乗らない場合は「失礼ですが、どちら様でしょうか」と確認する。

名指し人が在席の場合はここまで

以下は外出中の場合の対応

当方 「まことに申し訳ありません。山田はただいま外出しております。

戻り次第、お電話させるようにいたしましょうか」

不在の理由はほかに来客中や休暇などがある。

来客中「あいにくただいま山田は来客中となっております」

休暇「山田は本日お休みをいただいております」等に変える。

先方 「分かりました。では、そのようにお願い致します」

当方 「かしこまりました」

先方 「失礼します」

当方 「失礼します」

・先方が電話を切ったことを確認して受話器を置く。

不在を伝えた後、次のような対応を加えてもよい。

「よろしければ、ご伝言を承りましょうか」

「戻り次第、お電話をさせるようにいたしましょうか」

伝言を受ける場合はメモを取る(とくに5W2Hをメモする)

〈板書〉 5W2H Who

What

When

Where

Why

How to

How many,much

誰が、誰から、誰に

何を

いつ(日時、期限)

どこ

なぜ

どうやって(方法)

どれくらい(数量)

伝言内容は復唱して確認する。またできるだけ早く本人へ伝えること。

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<10ページ「電話の受け方と取り次ぎ方」の続き>

●実習

電話を受ける場合は、最初は取り次ぎが多い。

電話が鳴ればすぐに出られるよう基本パターンを実習で修得させる。

テキストのパターンに従って、実習を行うことを伝える

・二人一組で同時に行う(受講者数が奇数の場合は最後の組を 3名とする)

・向かって右側の席の人が「当方」の役を、左側の人が先方の役を担当する。

・テキストの文言の通り、「失礼します」までのやり取りを行う。

・当社は実際の名称で、かける人は自分の名前で行う。

・電話機はあるものとして演技する。

・実施

一回目 「はい、始めてください」

二回目 (一回目が終了すれば「もう一度行ってください」と指示する)

三回目 (二回目が終了すれば「もう一度やってみます」と指示する)

・役割を交代して行う

・実施

一回目 「はい、始めてください」

二回目 (一回目が終了すれば「もう一度行ってください」と指示する)

三回目 (二回目が終了すれば「もう一度やってみます」と指示する)

・3名班がある場合はその人だけ当方の役で 3回行う。

(残りのいずれかの人が先方の役をする)

電話に出ることは新人の役割でもあるので、

この基本の対応ができるように自宅でも練習しておくことを伝える。

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<10ページの続き>

②電話のかけ方

2名を指名し、当方と先方(名指し人を兼ねる)を決め、交互に音読してもらう

それ以外のところは講師が読み進め、全体の流れを確認する

・用件をまとめてから電話をかける。

先方 「おはようございます。日本商事でございます」

当方 「おはようございます。△△(社名)の△△(姓名)と申します。

総務課の鈴木様はいらっしゃいますか」

先方 「少々お待ちください」

(間)

名指し人 「お待たせいたしました。鈴木です」

当方 「お世話になります。△△(社名)の△△です。

今お時間(をいただいても)よろしいでしょうか」

(了解を得れば用件に入る)

・用件が済めば、お礼を述べ、かけた方から切る。

「ありがとうございます。失礼します(宜しくお願いします)」等

●実習

隣同士で役割を交代させながら一回ずつ実習する。

・一回目

・二回目 (役割を交代して実施)

◇電話応対に関する補足

・ビジネスの電話では「もしもし」は使わない。

・落ち着いて、はっきりと話す。

・電話応対は明るく、見えなくても笑顔を。

・利き手と逆の手で受話器を取るとメモがしやすい。

・間違い電話にも丁寧に応対する。

□ここまでの質問を受ける

質問の多い単元なので少し余裕をとる

もし質問がない場合は、指名して質問の有無あるいは感想を聞く

■休憩 <60分間> 12:00~13:00

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<再開 13:00~>

(3)来客応対の進め方 <13:00~13:50>

①来客対応の基本

来客時の応対は、受付の有無や形式、事務所のレイアウト等によって違ってくる。

※企業内で研修を行う場合は、実際の受付や事務所の状態を写真に撮り、

スクリーンに映しながら進めるとより実情に即した説明ができる。

以下は特別の受付がなく、直接事務所等に来客があった場合。

来客があれは、すぐに立って「いらっしゃいませ」と応対する。

その人が誰であり、用件は何かをしっかりと伺う。

名刺は丁寧に受け取る。

用件を伺えば、「お世話になっております。少々お待ちください」と伝え、

名指し人へ連絡し(名刺も同時に渡す)、その指示に従う。

②案内と席次

応接室や商談コーナーへ案内する場合は、

「どうぞ、ことらへ」と声をかけ、案内する人が先に歩きながら誘導する。

指定の場所へ着けば、「こちらでお待ちください」と伝える。

同時にお客様には上座へお座りいただくようにする。

「どうぞ、そちらのお席へ(奥のお席へ)」等

●質問 1 「テキストにあるような応接室に、来客の部長、課長、係長と当社の部長、

課長、あなたが入ります。それぞれの席の位置は?」 …数名に聞く

・解答を示す

来客の部長はf、課長は e、係長はd、当社の部長は a、課長はb、あなたはc。

応接室では、長椅子(ソファー)の方が、またドアから遠い方が上座になる。

・関連して、商談コーナー、会議室、宴会(和室)等での席次等を示す

●質問 2 「タクシーに部長、課長、係長、あなたが乗ります。それぞれの席の位置は?」

・解答を示す

部長はj、課長はh、係長は i、あなたはgの席へ座るのが基本。

ただし、上司より席の指示があった場合は従う。

・関連して、上司が運転する車の席次、エレベーター等の立ち位置等を示す

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<11ページの続き>

③お茶の出し方

・お客様をご案内後、人数分のお茶を用意する。

(湯呑、茶たく、お盆、布巾が必要)

・お茶の用意ができれば、部屋へ運ぶ。

・入室時はノック(3~4回)をし、ドアを開け、「失礼します」と言って入る。

・お茶を来客側の上位者から順番に、「どうぞ」と一言を添えて出す。

サイドテーブルがある場合は一旦そこへ置き、一人ずつセットしながら出す。

・全員に出し終われば、「失礼します」と一礼し、退出する。

●実習

・湯呑(4つ)、茶たく(4つ)、お盆(1つ)、布巾(1つ)を用意する

布巾はお湯がこぼれ、茶たくに湯呑がつきそうなときに使用する。

・テーブルで応接セット、あるいは商談コーナーを作る

…配置図を板書し、受講者にテーブルを移動させる

・役割を決める

お客様の上司と部下 2名

当社の上司と部下 2名

お茶を出す人(実習する人の順番を決めておく)

※お茶を出すのは女性に限るわけではないが、実際には女性が出すこと

が多いので、女性全員が一度は実習するようにする。

・お客様、当社社員役は席に着く

・お茶を出す人はドアの外にいったん出て応接室に入るところから始める

・他の人は様子が見える位置に座る(あるいは立つ)

・順番に実施する

慣れていないと上手くできないので、落ち着いて行うように伝える。

改善すべき箇所があれば、一人ひとり終わった時点で伝える。

※企業内で研修を行う場合は、実際の応接室や商談室が空いていれば、その

場所を使って実習してみるのもよい。

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(4)訪問と名刺交換等 <13:50~14:20>

①訪問の心得

<訪問時>

・訪問では事前に電話でアポイントをとることが基本。

・訪問先へは5分前には到着する(ただし早すぎないこと)。

・受付がある場合は、名刺を出し、挨拶をして、面談の取り次ぎを依頼する。

「お世話になります。△△の△△と申します。

△△(部署名)の△△様とお約束を取っております」

・受付に人がいなくて電話等の機器がある場合は、それを使用する。

(この場合は使用方法や番号が示されている)

<その他の注意点>

・応接室等へ案内されたとき、指定がない場合には下座に腰掛ける。

※指定があった後に、「それでは失礼します」と述べ、指定の席に移る。

・相手の人が入ってこられたら、即座に立ち挨拶をする。

(初めてのときは名刺交換となる)

・ソファーには深く腰掛けない。足を組まないこと。

・仮に灰皿があってもタバコは吸わないこと。

・お茶は基本として勧められてからいただくこと。

・用件や商談を済めば、お礼を述べて退出する。

②名刺交換

・名刺は名刺入れに入れる。

・名刺入れから名刺を出し、名乗りながら名刺を相手に向けて差し出す。

「△△株式会社の△△と申します。宜しくお願い申し上げます。」

右手で出し、軽く左手を添える感じ

基本は下位者から先に上位者へ名刺を差し出す。

当社、相手ともに複数の場合は、当社の上司から順に行う。

・相手の名刺は、自分の名刺入れを台に両手で受け取るようにする。

・受け取った名刺は、テーブルの上にしばらく置いてもよい。

・持ち帰った名刺は、年月日などを記入し、ケース等に保管する。

●まず二人一組で名刺交換の練習をする

●4名で当社 2人、お客様 2人のケースで練習する

■休憩 <10分間> 14:20~14:30

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<12ページの続き>

(5)ビジネス文書と e メール <14:30~14:45>

イ.社内文書

指示書、報告書、提案書、回覧文などがある。

作成する必要ができたときは、前例文書の形式や書き方などを参考にする。

ロ.社外文書

注文書、納品書、請求書、お礼状、案内状、詫び状などがある。

社外文書も形式に従う方が良い。

宛先、件名、前文、主文、末文、追記など(ネット上にも事例あり)。

形式に従う方が早く書き上げることができ、間違いも少ない。

ハ.eメール

用件を簡潔明瞭に、かつ丁寧さを失わず、礼を欠かないように。

社内外の文書、メールとも完成後読み直し、誤字、脱字、表現等の確認をする。

宛先の間違い、添付の有無にも注意。

(時間があれば事例などを紹介する)

・ビジネスマナーの研修では、できるだけ実習を多く取り入れること。

(人数によっては時間を要するので、けじめをつけてきびきびと進める)

・受講者の人数によって、所要時間が異なるので時間配分を検討すること。

・とくに重要な部分はより多くの時間を取り、全体の時間配分を調整すること。

・窓口業務、店内業務がある場合などはその項目を加える。

(窓口応対の進め方、表情や笑顔、クレーム対応など)

・休憩時間は進捗度合いによって、本レッスンプランの設定時間にこだわらず、

60分から 90分の間に一度入れること。

・ビジネスマナーは講師が慣れていないと良い見本を示すことができないので、

事前に練習をしておくこと。

・不足を補う方法としてビジネスマナーの教育ビデオを取り入れてもよい。

・参考に市販のビジネスマナーの書籍を配布してもよい。

・社内マナーマニュアルがあれば活用する。

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(6)職場ルールの遵守 <14:45~15:20>

①出勤時

・10分前には到着する。

・朝の挨拶「おはようございます」を明るく行う。

・忘れ物がないように自分なりに工夫する(チェックリストほか)。

・遅刻、病気等による欠勤は早めに連絡をする。

②勤務中・休憩中・退勤時

・勤務中は無駄な私語、談笑をしない。

・個人の携帯・スマホはマナーモードに。

・外出あるいは長時間席を外すときは、行き先、帰社時間等を伝える。

・外出から帰社しときは「ただいま」と挨拶する。

また、他の人も「おかえりなさい」と返す。

・社内で訪問者とすれ違う時は会釈または「いらっしゃいませ」と挨拶をする。

・仕事が協力できる状況であれば、積極的に手伝う。

・休憩時間を守る。

・禁煙、飲食は職場ルールに従う。

・備品等を私物化しない(使用したものは必ずもとに戻す)。

・退勤時は「(お先に)失礼します」と挨拶をする。

・身の回りを整理・整頓する

◆5S 〈講師音読〉 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(習慣化)の五つを徹底する活動。整理とは要不要を分け、不要なも

のを処分すること。整頓とは置くべき場所を決め、使えば元に戻すこと。

③コンプライアンスと関連事項

コンプライアンスとは、法令を遵守し、倫理・道徳に従うこと。

具体的には偽装、粉飾、横領、ハラスメント、事故などの不祥事。

およびクレーム対応の悪さなど企業イメージを低下させる行為のすべて。

(法的に黒となるものは勿論、グレーゾーンも範囲となる)

このような行為は社会的信用を失い、業績に影響する。

対応としてはコンプライアンス・プログラムなどに従うが、

最後は個人の良識ある判断が重要。

関連して

・個人情報の保護(漏洩防止、活用制限など)

・企業機密や企業内情報の注意(社外での会話にも注意)

・SNS等の書き込みの注意(ツイッターほか)

・陰口や悪口を言わないこと、困ったことがあれば相談すること。

◎コンプライアンス・プログラム等は必要に応じて詳細に説明する。

■休憩 <10分間> 15:20~15:30

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6. キャリア開発と求められる能力 15:30~16:20

(1)キャリア開発の考え方 <15:30~15:50>

キャリア開発(形成)とは、職業能力を高め、人間として成長するための活動。

神戸大学の金井壽宏教授(経営学者)

「人生の節目においてこれからのキャリアを考えることは重要」と述べている。

…節目とは、就学時、就業時、異動・昇進時、結婚、子供の誕生時など。

新入社員はまさにその時期。これからの自身の人生設計と企業人としての

歩み方を考えてみる良い機会(気持ちの切り替えにもなる)。

◆トランジション・サイクル・モデル(ニコルソンによるキャリア形成モデル)

※ニコルソン(ロンドン・ビジネス・スクール教授)

図は基本的なキャリア形成のサイクル (トランジションとは移り変わり)

・準備…新しいステージへ向けて準備をする

・遭遇…ときにリアリティ・ショックがおこる。「こんなはずではなかった」

・順応…苦労しながらも徐々に克服していく

・安定…更に成長し、周囲から一定の評価を得る

これをらせん状に繰り返すことによって、キャリアは形成されていく。

新入社員の状態は、準備と遭遇の中間地点。

これから様々なことに遭遇し、克服していかなければならない。

新入社員のリアリティ・ショックとしては、分からないことが多い、上手くできない、

職場になかなか馴染めないなどがあるかもしれない。

…真摯に仕事に取り組むという姿勢が大切。かつ自らコミュニケーションをとり、

課題を解決する(分からないことはとくかく聞く、教えてもらう)。

〈質問〉 「現在、不安を感じていることはありますか」

…発言や質問があれば、何らかのアドバイスを示す。

◇補足として

「筏下り」と「山登り」 大久保幸夫

筏下り …30歳代半ばあたりまでを筏下りの時期とし、目の前の急流と向き合い、全力

で乗り越えていく段階。与えられた職務に没頭し、経験を積むことが大切。

(偶然性が支配することが多い)

山登り …30歳代半ばからを山登りの時期とし、生涯をかけてもいい専門領域を選び、

進む段階。慎重に進むべき方向を見定め、着実に能力を磨くことが大切。

(計画性、戦略性が必要)。

※大久保氏幸夫(人事・雇用問題の専門家。リクルートワークス研究所所長)

「自分探しという言葉があるが、自分というものは探すものではなく、作るものである」

とも述べている。

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<14ページの続き>

(2)企業人に求められる能力 <15:50~16:20>

企業内教育の方法

OJT(オージェイティ)

off-JT(オフジェイティ)

自己啓発

…上司・先輩が部下・後輩に仕事の中で行う教育

…職場を離れて行う教育(集合研修、セミナー)

…自学自習。自ら能力開発に取り組む。

この中で基本かつもっとも重要なものが自己啓発。

(自ら学習する姿勢なくして成長はない)

方法としては、自らの創意工夫、読書(書籍、新聞等)、資格取得など。

※人の成長には、好奇心、向上心、実行力が不可欠。

◆ロバート・カッツが示すビジネスに必要な三つのスキル

・三つのスキルについて、テキスト音読(講師)

・横軸は職位の高低、縦軸はそれぞれのスキルのウエイトを示す。

…職位が低い時はテクニカル・スキルのウエイトが高く、高くなるにしたがって

そのウエイトが下がり、コンセプチュアル・スキルのウエイトが高まる。

(ヒューマン・スキルはどの職位にも一定のウエイトで必要)

・当面はまず、テクニカル・スキルを確実に修得し、

あわせてヒューマン・スキルの向上をはかる。

(その他に企業で行う教育計画や推奨している資格などがあれば説明する)

<15ページ「社会人基礎力」へ移り>

社会人基礎力とは経済産業省が示している仕事をする上で必要な能力。

●各自、項目を黙読し、5~1の基準をチェック

チェックし終われば、結果を自己確認する

以上は一般的に求められる基礎力なので、各自今後の能力開発の参考とする。

□ここまでの質問を受ける

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7.研修の総括 16:20~17:00

(1)研修のまとめ <16:20~16:30>

第一日目 ・社会人としての自覚

・企業活動と私たちの役割

・仕事の基本

・チームワークと人間関係

第二日目 ・ビジネスマナー

・求められる能力とキャリアの開発

□二日間を通しての質問を受ける

(2)一分間スピーチ「今、思うこと」 <16:30~16:59>

「最後に、研修を終えて今思うことを 1分間にまとめてスピーチしてください。

内容は、研修の感想、現在の心境、あるいは明日から抱負等自由です」

●5分程度考える時間をとってから、順番にスピーチを行う。

(一人が終わるごとに全員で拍手)

(最後に講師から簡単にコメント)

◇「規矩作法(きくさほう)守り尽くして破るとも離るるとても本(もと)を忘るな」

「守破離」の入った千利休の句。意味は、茶道などの習い事ではその道の作法や規則

あるいは教えをしっかりと学んで、いずれその型を破る、あるいは離れることがあるにして

も、基本を忘れてはいけないということ。…この研修で学んだことにもつながる。

(3)閉講挨拶 <16:59~17:00>

「これで研修を終わります。これからの皆様のご活躍を期待します。

二日間お疲れさまでした。最後に全員で挨拶をします」

◆号令 「起立」、「ありがとうございました」(全員で)

■研修終了 17:00

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あとがき

このレッスンプランと別掲のテキストは、新入社員研修を担当するインストラクターの参考にな

ればと作成しました。

レッスンプランの目的は、教えるべき内容のモレをなくし、正確さを高めるとともに、スムーズ

な進行をはかることにあります。作成にあたっては、まず全体の構成やおおまかな時間配分を

検討します。次に各単元の講義内容や進行手順を決め、必要となる情報を集めます。そして、

情報を整理しながら、レッスンプランおよび配布資料を仕上げていきます。

記載しましたテキストおよびレッスンプランは、よく行われる一般的な研修プログラムをもとに

作成しています。ただし、企業内で研修を行う場合はより実情に即した内容へ修正される方が

良いでしょう。さらに実施する都度修正を加えていけば、企業に適した研修プログラムやレッス

ンプランとなるはずです。インストラクターが修得した知識や経験もどんどんと入れていくべきで

あり、ゲーム演習等は研修書籍やインターネットからも参考になるものが見つかります。

レッスンプランの完成後は必ずリハーサルを行うことをお勧めします(少なくとも数回は声を出

して読みあげてみます)。リハーサルや音読をすることによって、レッスンプランの内容に間違い

や不明瞭な点がないか、無駄なくスムーズに進められるか、必要な資料やシートはそろってい

るかなどを確認することができます。本番へ向けての自信にもなります。十分な準備をして臨ん

でいただきたいと思います。

別掲のテキストと本レッスンプランはご自由にお使いいただいて構いませんが、ご一報いた

だけると幸いです。また、ご連絡をいただければ PDF ではなく、ワードで作成いたしました原稿

をお送りいたします。

レッスンプラン作成者

経営研究センターJC

田中 浩

Tel.06-6366-4312

E メール [email protected]

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コミュニケーション・ゲーム(A) 下の図を隣の人へ口頭で伝えてください。

(形だけではなく、大きさや位置も伝えること)

口頭以外の方法で伝えることは禁止です。

描いている様子も見てはいけません。

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コミュニケーション・ゲーム(B) 下の図を隣の人へ口頭で伝えてください。

(形だけではなく、大きさや位置も伝えること)。

口頭以外の方法で伝えることは禁止です。

描いている様子も見てはいけません。

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言葉づかいの例題 次の言葉を正しい言い方に改めなさい。

1.ぼくがやります。

2.(あなたは)誰ですか。

3.(お客様に)何の用ですか。

4.(お客様に)ちょっと待って下さい。

5.(お客様に)課長ですか。えーと今席にいません。

6.(お客様に)私が聞いておきましょうか。

7.(お客様に)あの、もう一度言って下さい。

8.(お客様に)こちらに記入してください。

9.うちは、それは扱っていません。

10.(お客様に)今日、僕がそちらに行きます。

11.(お客様に)これでいいですか。

12.(お客様に)そんなことはないと思いますが。

13.(お客様に)うちの部長がそうおっしゃってました

14.(お客様に)あとでこっちから電話しますか。

15.(客先への電話で)課長の山田さん、いますか。

16.(上司である部長の身内の人からの電話に)部長は出かけています。

17.(当社の社長に)部長へ言っておきます。

18.(相手企業の課長に)おたくの部長からそのように言われています。

19.(上司に)ご苦労さんでした。

20.きのうの専務の話には感心しました。

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言葉づかいの例題(解答例) 次の言葉を正しい言い方に改めなさい。

1.ぼくがやります。

(わたくしが致します)

2.(あなたは)誰ですか。

(どちらさまでしょうか)

3.(お客様に)何の用ですか。

(どのようなご用件でしょうか)

4.(お客様に)ちょっと待って下さい。

(恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ)

5.(お客様に)課長ですか。えーと今席にいません。

(課長でしょうか。あいにく只今席を外しております)

6.(お客様に)私が聞いておきましょうか。

(私が承りましょうか)

7.(お客様に)あの、もう一度言って下さい。

(恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか)

8.(お客様に)こちらに記入してください。

(恐れ入ります。こちらにご記入願えますでしょうか)

9.うちは、それは扱っていません。

(申し訳ありません。当社では、それは扱っておりません)

10.(お客様に)今日、僕がそちらに行きます。

(本日、私がそちらへお伺いいたします)

11.(お客様に)これでいいですか。

(これでよろしいでしょうか)

12.(お客様に)そんなことはないと思いますが。

(そのようなことはないと存じますが)

13.(お客様に)うちの部長がそうおっしゃってました

(部長がそう申しておりました)

14.(お客様に)あとでこっちから電話しますか。

(のちほど、こちらからお電話いたしましょうか)

15.(客先への電話で)課長の山田さん、いますか。

(課長の山田様は、いらっしゃいますでしょうか)

16.(上司である部長の身内の人からの電話に)部長は出かけています。

(部長はお出かけになっておられます)

17.(当社の社長に)部長へ言っておきます。

(部長へ申し伝えます)

18.(相手企業の課長に)おたくの部長からそのように言われています。

(御社の部長からそのように承っております)

19.(上司に)ご苦労さんでした。

(お疲れ様でした) …ご苦労様は目下の人に

20.きのうの専務の話には感心しました。

(さくじつの専務のお話には感銘いたしました)

…感心しましたは上から下へのものの言いよう