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研修用スライドシェア 高等教育アクセシビリティプラットフォームで担当した研修のスライドのごく一部を 以下の著作権条件のもと公開します。 この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスのもとに提供します。 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/ ●営利目的での利用はお断りします。 ●今後内容のアップデートの予定はありません。 ●利用者の責任により著作権条件の範囲内で自由に改変してご活用ください。

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研修用スライドシェア高等教育アクセシビリティプラットフォームで担当した研修のスライドのごく一部を

以下の著作権条件のもと公開します。

この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 –

非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスのもとに提供します。http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/

●営利目的での利用はお断りします。

●今後内容のアップデートの予定はありません。

●利用者の責任により著作権条件の範囲内で自由に改変してご活用ください。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:研修用スライドシェア 〈スライド内容〉 高等教育アクセシビリティプラットフォームで担当した研修のスライドのごく一部を 以下の著作権条件のもと公開します。 � �この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供します。�http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/ �●営利目的での利用はお断りします。 ●今後内容のアップデートの予定はありません。 ●利用者の責任により著作権条件の範囲内で自由に改変してご活用ください。
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障害の表記について

「障害」「障碍」

「障がい」「しょうがい」

2

この違いを説明できますか?

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害の表記について 〈スライド内容〉 「障害」※害悪の「害」 「障碍」※碍子の「碍」 「障がい」※平仮名で「がい」 「しょうがい」※すべて平仮名 この違いを説明できますか?
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障害の表記について

3

「障害」または「障碍」が使用される

《第二次世界大戦後》

「碍」の字が常用漢字から外される

《1980年代後半ごろから》

「害」の字のイメージが

障害のある人たちのイメージを損なうとして「障がい」表記が現れる

障害の原因は機能制限にあるのではなく、

社会的障壁にあるとの考え(社会モデル)に基づき、

「障害」表記を当面用いている参考 (2010.11.22) 障がい者制度改革推進会議 第26回 資料2

「「障害」の表記に関する検討結果について 」

《ただし、言語表現、選択は個人の自由な判断に委ねられる性質のもの》

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害の表記について 〈スライド内容〉 「障害」または「障碍」が使用される ↓ 《第二次世界大戦後》 「碍」の字が常用漢字から外される ↓ 《1980年代後半ごろから》 「害」の字のイメージが 障害のある人たちのイメージを損なうとして「障がい」表記が現れる ↓ 障害の原因は機能制限にあるのではなく、 社会的障壁にあるとの考え(社会モデル)に基づき、 「障害」表記を当面用いている 参考 (2010.11.22) 障がい者制度改革推進会議 第26回 資料2 「「障害」の表記に関する検討結果について 」 《ただし、言語表現、選択は個人の自由な判断に委ねられる性質のもの》
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障害の医学モデル

歩けない見えない

聞こえない話せない

認知に大きな偏りがある

機能制限 = 障害

障害の「医学モデル」とは何ですか?

障害という現象は、疾病、外傷、若しくはその他の健康状態により直接生じた個人的な問題である。

「障害は個人的な問題だ」「解消したいなら治療、リハビリ等個人的なアプローチになる」

4という形で医学モデルを不適切な形で用いる。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害の「医学モデル」 〈スライド内容〉 障害の「医学モデル」とは何ですか? 歩けない/見えない/聞こえない/話せない/コミュニケーションが苦手・・・ 機能制限 = 障害 という捉え方 「障害は個人的な問題だ」 「解消したいなら治療、リハビリ等個人的なアプローチになる」 という形で医学モデルを不適切な形で用いる。
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障害の社会モデル

障害の「社会モデル」とは何ですか?

障害は機能制限が直接的に生み出すものではなく、機能制限がある人のことを考えてデザインされていない社会の在り方が生み出している。

「障害は社会が生み出している」「社会的障壁を無くせば障害は減らせる、無くせる!」

機能制限がある人のことを考えて作られていない

事物・慣行・観念・制度

社会的障壁

「障害」

5

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害の社会モデル 〈スライド内容〉 障害の「社会モデル」とは何ですか? 機能制限がある人のことを考えて作られていない 事物・慣行・観念・制度=社会的障壁=「障害」 障害は機能制限が直接的に生み出すものではなく、機能制限がある人のことを考えてデザインされていない社会の在り方が生み出している。 「障害は社会が生み出している」 「社会的障壁を無くせば障害は減らせる、無くせる!」
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障害者基本法における障害者の定義

《医学モデル》 《社会モデル》障害の原因は個人の機能制限 「機能制限」のある人の参加

を、社会の側が前提としていないことから生じる

社会的障壁が除去されればさまざまな制限の

軽減・解消に向けた可能性が高まる

個別の対応で解消できることは限界がある場合がある。

身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう

機能障害 社会的障壁継続的に日常生活又は社会生活に

相当な制限を受ける状態にあるもの

6

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害者基本法における障害者の定義 〈スライド内容〉 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 機能障害・社会的障壁 継続的に日常生活又は社会生活に 相当な制限を受ける状態にあるもの 《医学モデル》 障害の原因は個人の機能制限。 個別の対応で解消できることは限界がある場合がある。 《社会モデル》 「機能制限」のある人の参加を、社会の側が前提としていないことから生じる。 社会的障壁が除去されればさまざまな制限の軽減・解消に向けた可能性が高まる
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障害のある人への差別解消を社会モデルで考える

7

「障害の社会モデル」

障害の原因は機能制限にあるのではなく、機能制限がある人々の活動や社会参加を妨げる

社会の側の無作為によって生じている。

社会の責任としてデザインや対応をみなおすことで

「障害」を取り除こう!

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害のある人への差別解消の発想を社会モデルで考える 〈スライド内容〉 「障害の社会モデル」 障害の原因は機能制限にあるのではなく、 機能制限がある人々の活動や社会参加を妨げる 社会の側の無作為によって生じている。 社会の責任として デザインや対応をみなおすことで 「障害」を取り除こう!
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社会的障壁(バリア)とは?

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社会における事物利用しにくい施設・設備など

慣行障害のある人の存在を意識していない慣習・文化など

観念障害がある人への偏見など

制度利用しにくい制度など

☆《社会モデル》の成果☆

本人と関係者が合意できる範囲で社会的障壁を除去する変更調整

=『合理的配慮』が本人の権利として認められた

多数派によって構成された社会システムは多数派ではない人にとって障壁になる

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:社会的障壁(バリア)とは? 〈スライド内容〉 多数派によって構成された社会システムは 多数派ではない人にとって障壁になる 例1:社会における事物 利用しにくい施設・設備など 例2:慣行 障害のある人の存在を意識していない慣習・文化など 例3:観念 障害がある人への偏見など 例4:制度 利用しにくい制度など ☆《社会モデル》の成果☆ 本人と関係者が合意できる範囲で社会的障壁を除去する変更調整 =『合理的配慮』 が本人の権利として認められた
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障害を理由とした差別とは何か?

9

障害を理由とした差別とは何ですか

障害を理由とした差別とは…

障害を理由として平等な機会

(equal access, equal opportunity)が得られないこと。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害を理由とした差別とは何か? 〈スライド内容〉 障害による差別とは何ですか? 障害を理由とした 差別とは何ですか 障害を理由とした差別とは… 障害を理由として 平等な機会 (equal access, equal opportunity) が得られないこと。
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不当な差別的取扱いの4分類

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直接差別 間接差別 関連差別 合理的配慮の不提供障害があることを理由に排除(または制限/不利益取扱)すること

一見中立的でも、障害があると参加が難しい慣例等をそのままにすること

障害に関連することを理由として排除すること

合理的配慮を提供しないこと

(例)「障害があることを理由に入学を拒否すること」

(例)「紙と鉛筆の試験だけしか用意されない」

(例)「ハンセン病の身内がいることにより家族が差別的扱いを受ける」

(例)「印刷された文字を読むことが難しい視覚障害のある受験生に求められた、問題用紙の拡大印刷や点字の試験問題の提供等をしないこと」

内閣府障害政策委員会差別禁止部会による分類→「平成27年度全国障害学生支援セミナー 体制整備支援セミナー4」(独)日本学生支援機構 東京大学 近藤武夫氏の講演より

差別とは…障害により平等な機会(equal access, equal opportunity)が得られないこと。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:不当な差別的取り扱いの4分類 〈スライド内容〉 差別とは…障害により平等な機会 (equal access, equal opportunity)が得られないこと。 直接差別 障害があることを理由に排除(または制限/不利益取扱)すること (例)「障害があることを理由に入学を拒否すること」 間接差別 一見中立的でも、障害があると参加が難しい慣例等をそのままにすること 関連差別 障害に関連することを理由として排除すること (例)「ハンセン病の身内がいることにより家族が差別的扱いを受ける」 合理的配慮の不提供 合理的配慮を提供しないこと (例)「印刷された文字を読むことが難しい視覚障害のある受験生に求められた、問題用紙の拡大印刷や点字の試験問題の提供等をしないこと」 内閣府障害政策委員会差別禁止部会による分類 →「平成27年度全国障害学生支援セミナー 体制整備支援セミナー4」(独)日本学生支援機構 東京大学 近藤武夫氏の講演より
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不当ではない差別的取扱い

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不当ではない差別的取扱い=正当な差別的取扱い

障害のある学生だけに「合理的配慮」

「積極的差別是正策=アファーマティブアクション」を提供・適応すること

障害を生み出している「障壁」を除去するために必要

正当な理由として認められる

逆差別を生まないのか?

正当な差別は問題がない!

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:不当ではない差別的取り扱い 〈スライド内容〉 不当ではない差別的取り扱い=正当な差別的取り扱い 障害のある学生だけに 「合理的配慮」 「積極的差別是正策=アファーマティブアクション」 を提供・適応すること = 障害を生み出している「障壁」を 除去するために必要 = 正当な理由として認められる 逆差別を生まないのか? 正当な差別は問題がない!
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「平等( Equality )」と「公正( Equity )」

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「平等(Equality)」「公正(Equity)」同一処遇 異別処遇

【イラスト出典】TEENS https://www.teensmoon.com/【参考】榊原賢二郎(2016)

『社会的包摂と身体-障害者差別禁止法制後の障害定義と異別処遇を巡って』

←配慮なし 環境調整→事前的改善措置

合理的配慮は「優遇」ではない!

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:「平等( Equality )」と「公正( Equity )」 〈スライド内容〉 合理的配慮は「優遇」ではない!
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障害者権利条約関連の動き(各種法律との関係)

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障害のある人の人権や基本的自由の享有を確保し、障害のある人固有の尊厳の尊重を促進するため、障害の権利を実現するための措置等を規定

◆障害に基づくあらゆる差別(合理的配慮の否定を含む)を禁止◆障害のある人が社会に参加し、包容されることを促進◆条約の実施を監視する枠組みを設置

● 2006年 国連総会において採択 ➡ 2007年 日本署名● 2008年 発効

● 2011年 「障害者基本法」《改正》● 2012年 「障害者総合支援法」《成立》● 2013年 「障害者差別解消法」《成立》

「障害者雇用促進法」《改正》● 2014年 「障害者権利条約」《締結》 ➡ 《発効》● 2016年 「障害者差別解消法」《施行》

○ 条約名、法律名は略称を用いている。

条約締結のための準備

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害者権利条約関連の動き(各種法律との関係) 〈スライド内容〉 ● 2006年 国連総会において採択 ➡ 2007年 日本署名 ● 2008年 発効 障害のある人の人権や基本的自由の享有を確保し、障害のある人固有の尊厳の尊重を促進するため、障害の権利を実現するための措置等を規定 ◆障害に基づくあらゆる差別(合理的配慮の否定を含む)を禁止 ◆障害のある人が社会に参加し、包容されることを促進 ◆条約の実施を監視する枠組みを設置 ● 2011年 ※「障害者基本法」《改正》 ● 2012年 ※「障害者総合支援法」《成立》 ● 2013年 ※「障害者差別解消法」   これらの※の法律は条約締結のための準備 ● 2014年 「障害者の権利に関する条約」《締結》 ➡ 《発効》 ● 2016年 「障害者差別解消法」《施行》 ○ 条約名、法律名は略称を用いている。
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障害者権利条約(教育関連)

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「障害者権利条約」(正式名:障害者の権利に関する条約)

☆☆☆☆☆ 「合理的配慮の提供」の確保を明記 ☆☆☆☆☆

障害者権利条約では、「平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するためのすべての適当な措置をとる」(第5条第3項)と定めている。

「障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に高等教育一般、職業訓練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。このため、締約国は、合理的配慮が障害者に提供されることを確保する」(第24条 教育)と定めている。

教育分野

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害者権利条約(教育関連) 〈スライド内容〉 「障害者権利条約」(正式名:障害者の権利に関する条約) ☆「合理的配慮の提供」の確保を明記 障害者権利条約では、「平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するためのすべての適当な措置をとる」(第5条第3項)と定めている。 ☆教育分野 「障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に高等教育一般、職業訓練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。このため、締約国は、合理的配慮が障害者に提供されることを確保する」(第24条 教育)と定めている。
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障害者基本法を巡る動き

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・障害者の人格尊重・権利の保障を規定・障害者に対する国・地方公共団体等の責務を明らかに・心身障害の予防および医療、訓練保護、教育、雇用の促進、年金

の支給等施策の基本となる事項を定める。➡障害者対策の総合的推進を図る。

● 1949年 「身体障害者福祉法」制定● 1950年 「精神衛生法」制定● 1959年 「障害福祉年金」の成立● 1960年 「身体障害者雇用促進法」「精神薄弱者福祉法」の制定

● 1970年 「心身障害者対策基本法」の制定

● 1993年 「心身障害者対策基本法」を改正し「障害者基本法」に改称

● 2004年 「障害者基本法」改正

● 2011年 「障害者基本法の一部を改正する法律」制定

・障害者の「完全参加と平等」を目指す規定が盛り込まれる

・障害者の差別禁止など権利擁護を規定

・障害者権利条約批准に向けた国内法整備の一環として制定

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害者基本法を巡る動き 〈スライド内容〉 ● 1949年 「身体障害者福祉法」制定 ● 1950年 「精神衛生法」制定 ● 1959年 「障害福祉年金」の成立 ● 1960年 「身体障害者雇用促進法」「精神薄弱者福祉法」の制定 ● 1970年 「心身障害者対策基本法」の制定 ・障害者の人格尊重・権利の保障を規定 ・障害者に対する国・地方公共団体等の責務を明らかに ・心身障害の予防および医療、訓練保護、教育、雇用の促進、年金  の支給等施策の基本となる事項を定める。  ➡障害者対策の総合的推進を図る。 ● 1993年 「心身障害者対策基本法」を改正し「障害者基本法」に改称 ・障害者の「完全参加と平等」を目指す規定が盛り込まれる ● 2004年 「障害者基本法」改正 ・障害者の差別禁止など権利擁護を規定 ● 2011年 「障害者基本法の一部を改正する法律」制定 ・障害者権利条約批准に向けた国内法整備の一環として制定
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障害者差別解消法

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障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止

合理的配慮の不提供の禁止

差別の解消を推進し、共生社会の実現に資する

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」略称:障害者差別解消法

2016年4月施行

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害者差別解消法 〈スライド内容〉 2016年4月施行 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」 略称:障害者差別解消法 差別の解消を推進し、共生社会の実現に資する 障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止 合理的配慮の不提供の禁止
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障害のある学生に関連する法律等の時系列による整理

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国連「障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約)」発効

2008年(H20)

「障害者基本法」の改正2011年(H23)

文科省「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進(報告)」

2012年(H24)

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(略称:障害者差別解消法)」制定

2013年(H25)

文科省「特別支援教育の推進について(通知)」2007年(H19)

日本「障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約)」批准

2014年(H26)

文科省「障がいのある学生の修学支援に関する検討会第一次まとめ(報告)」

2012年(H24)

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(略称:障害者差別解消法)」施行

2016年(H28)

文科省「障害のある学生の修学支援に関する検討会第二次まとめ(報告)」

2017年(H29)

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害のある学生に関連する法律等の時系列による整理 〈スライド内容〉 2007年(H19)文科省「特別支援教育の推進について(通知)」 2008年(H20)国連「障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約)」発効 2011年(H23)「障害者基本法」の改正 2012年(H24)文科省「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進(報告)」 2012年(H24)文科省「障がいのある学生の修学支援に関する検討会第一次まとめ(報告)」 2013年(H25)「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(略称:障害者差別解消法)」制定 2014年(H26)日本「障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約)」批准 2016年(H28)「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(略称:障害者差別解消法)」施行 2017年(H29)文科省「障害のある学生の修学支援に関する検討会第二次まとめ(報告)」 2007年(H19)文科省「特別支援教育の推進について(通知)」から2017年に第二次まとめが出されるまでに10年が経過。 〈発言者メモ〉  障害のある学生の在籍数が増えている状況は、障害者支援をめぐる法律や体制整備が整えられつつあることの現れであると言えます。  特に障害者の権利に関する条約、いわゆる障害者権利条約の発効、批准、それに対応するための法改正や制定、体制整備が大きく影響を与えています。  特に2007年に文部科学省が示した通知「特別支援教育について」から始まった障害のある子どもたちへの教育の在り方の変化は大きく、それまで障害児教育や特殊教育といわれ、分離教育として養護学校、聾学校、盲学校等を中心に行われていた障害のある子どもたちに対する教育から、いわゆる通常の学級に在籍していても支援を受けられる特別支援教育に変更されました。これにより、以前は残念ながら高等教育機関にたどり着けなかった人たちが、高等教育機関へたどり着けるようになりました。高等教育機関における支援の体制整備の強化と相まって、障害のある学生数が増加傾向にあるのだと言えます。この傾向はアメリカにおける約11%という数字に限りなく近づいていくことが予想されます。10人に1人が支援を必要とする学生が在籍する状況を迎える前に、十分な支援体制が構築されることが望まれます。
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障がい/障害のある学生の修学支援に関する検討会

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2012(平成24)年12月障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告

(第一次まとめ)http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329295.htm

2017(平成29)年4月障害のある学生の修学支援に関する検討会報告

(第二次まとめ)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm

※障がい/障害の表記は原文のまま障害の社会モデルの考え方を反映する形で「障がい」は「障害」と表記されるようになった。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障がい/障害のある学生の修学支援に関する検討会 〈スライド内容〉 2012(平成24)年12月 障がいのある学生の修学支援に関する検討会 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/gakuseishien/shugaku/index.htm (第一次まとめ) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329295.htm 2017(平成29)年4月 障害のある学生の修学支援に関する検討会 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/index.htm (第二次まとめ) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm ※障がい(がいを平仮名で書く)/障害(害を漢字で書く)の表記は原文のまま 障害の社会モデルの考え方を反映する形で「障がい(がいを平仮名で書く)」は「障害(害を漢字で書く)」と表記されるようになった。
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2012年「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」

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プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:2012年「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」ポンチ絵 〈スライド内容〉 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/12/1329295.htm 障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)概要 平成24年12月 文部科学省 ○我が国の高等教育段階における障害のある学生の修学支援の在り方等について検討するため、平成24年6月、高等教育局に本検討会(座長:竹田一則 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授)を設置。○これまで計9回にわたり検討を行い、(1)大学等における合理的配慮の対象範囲、(2)同合理的配慮の考え方、(3)国、大学等及び独立行政法人等の関係機関が取り組むべき①短期的課題、②中・長期的課題などについて、第一次まとめとして取りまとめ。 大学等における合理的配慮の対象範囲 ○「学生」の範囲 大学等に入学を希望する者及び在籍する学生(科目等履修生・聴講生等、研究生、留学生及び交流校からの交流に基づいて学ぶ学生等も含む) ○「障害のある学生」の範囲 障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある学生 ○学生の活動の範囲 授業、課外授業、学校行事への参加等、教育に関する全ての事項を対象※教育とは直接に関与しない学生の活動や生活面への配慮は、一般的な合理的配慮として本検討の対象外とした。 合理的配慮の考え方 合理的配慮は、大学等が個々の学生の状態・特性等に応じて提供するものであり、多様かつ個別性が高いもの→大学等において提供すべき合理的配慮の考え方を項目別に整理 ①機会の確保:障害を理由に修学を断念することがないよう、修学機会を確保することが重要。また、教育の質を維持することが重要。 ②情報公開 :障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受入れ姿勢・方針を示すことが重要。 ③決定過程 :権利の主体が学生本人にあることを踏まえ、学生本人の要望に基づいた調整を行うことが重要。 ④教育方法等:情報保障、コミュニケーション上の配慮、公平な試験、成績評価などにおける配慮の考え方を整理。 ⑤支援体制 :大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めることが重要。 ⑥施設・設備:安全かつ円滑に学生生活を送れるよう、バリアフリー化に配慮。など 関係機関が取り組むべき課題 短期的課題 ○各大学等における情報公開及び相談窓口の設置・各大学等は、受入れ姿勢・方針を明確に示し、広く情報を公開することが必要。・また、相談窓口の統一や支援担当部署の設置が必要。 ○拠点校及び大学間ネットワークの形成・国は、優れた取組を実施し、近隣地域の大学の支援体制向上に積極的に寄与する大学等を地域における拠点校として整備することが重要。 中・長期的課題 関係機関が取り組むべき中・長期的課題について、以下のとおり整理 ①大学入試の改善、②高校及び特別支援学校と大学等との接続の円滑化、③通学上の困難の改善、④教材の確保、⑤通信教育の活用、⑥就職支援等、⑦専門的人材の養成、⑧調査研究、情報提供、研修等の充実、⑨財政支援 今後の取扱い・課題 ○全ての学生や教職員への理解促進・意識啓発を行うことで、各大学等の受入れ体制の温度差をなくすことが重要であり、現時点における一つの指針として活用されるよう本報告を取りまとめ。 ○今後、各大学等の状況等を踏まえ、大学等における種々の事例・知見を蓄積しつつ、さらに具体的な検討を進めていくことが必要。 ○また、本報告で整理した合理的配慮の考え方についても、他の分野における状況や支援技術の進展等に応じ、見直しを図ることが必要。 ○その他、合理的配慮決定において合意されない場合の解決手段、通学等の課題については、引き続き検討。
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高等教育機関における支援対象範囲と対象サービス

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対象範囲

学生(学部生・大学院生・研究生・聴講生等)附属学校の児童・生徒その他各施設の利用者

※ 附属図書館等のサービスやシンポジウム等その機関が提供するサービスやプログラムへの一時的参加者も含む

その高等教育機関のサービスを利用する、学生を中心とした、全ての障害のある人々

入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業に加え、授業、課外授業、学校行事、課外活動(サークル活動等を含む)への参加、就職活動等、教育に関する全ての事項。上記とは直接に関係しない学生の活動や生活面への配慮(通学、学内介助(食事、トイレ等)、寮生活等)に関する事項も検討事項として含む。

対象サービス

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関における支援対象範囲と対象サービス 〈スライド内容〉 《対象範囲》 ・その高等教育機関のサービスを利用する、学生を中心とした、全ての障害のある人々学生(学部生・大学院生・研究生・聴講生等) ・附属学校の児童・生徒 ・その他各施設の利用者 ※※附属図書館等のサービスやシンポジウム等その機関が提供するサービスやプログラムへの一時的参加者も含む 《対象サービス》 入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業に加え、授業、課外授業、学校行事、課外活動(サークル活動等を含む)への参加、就職活動等、教育に関する全ての事項。上記とは直接に関係しない学生の活動や生活面への配慮(通学、学内介助(食事、トイレ等)、寮生活等)に関する事項も検討事項として含む。
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高等教育機関に求められている事前的改善措置

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機会の確保

施設・設備

教育方法等

情報公開

決定過程

支援体制

障害を理由に修学を断念することがないよう、修学機会を確保することが重要。また、教育の質を維持することが重要。

障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受け入れ姿勢・方針を示すことが重要。

権利の主体が学生本人にあることを踏まえ、学生本人の要望に基づいた調整を行うことが重要。

情報保障、コミュニケーション上の配慮、公平な試験、成績評価などにおける配慮の考え方を整理。

大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めることが重要。 安全かつ円滑に学生生活を送れるよう、バリアフリー化に配慮。など。

高等教育機関における合理的配慮の前に…「事前的改善措置」

体制整備、対応要領、施設整備、ソフト整備 等

個のニーズに応じて調整・提供される「合理的配慮」

ニーズの全体像を考慮し全学的に事前に取り組む

「事前的改善措置」

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関に求められている事前的改善措置 〈スライド内容〉 高等教育機関における合理的配慮の前に…「事前的改善措置」 機会の確保 障害を理由に修学を断念することがないよう、修学機会を確保することが重要。また、教育の質を維持することが重要。 情報公開 障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受け入れ姿勢・方針を示すことが重要。 決定過程  権利の主体が学生本人にあることを踏まえ、学生本人の要望に基づいた調整を行うことが重要。 教育方法等 情報保障、コミュニケーション上の配慮、公平な試験、成績評価などにおける配慮の考え方を整理。 支援体制 大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めることが重要。 施設・設備 安全かつ円滑に学生生活を送れるよう、バリアフリー化に配慮。など。 イメージ図 個のニーズに応じて調整・提供される「合理的配慮」 (比較) ニーズの全体像を考慮し全学的に事前に取り組む「事前的改善措置」体制整備、対応要領、施設整備、ソフト整備等
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高等教育機関における合理的配慮の考え方

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○検討会報告(第一次まとめ)における定義・障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを

確保するために、大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、

・障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に個別に必要とされるものかつ

・大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの

合理的配慮=変更・調整を行うこと

個々の学生の教育的ニーズに応じて提供

大学等にとって過度な負担ではないか≒合理的か

「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)概要」 2012年12月25日 文部科学省

「均衡を失しているといえるのか」「過度な負担かどうかを学生に説明する義務」は大学等にある

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関における合理的配慮の考え方 〈スライド内容〉 ○検討会報告(第一次まとめ)における定義 ・障害のある者が、他の者と平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを  確保するために、大学等が必要かつ適当な変更・調整を行うこと(※合理的配慮=変更・調整を行うこと)であり、 ・障害のある学生に対し、その状況に応じて、大学等において教育を受ける場合に  個別に必要とされるもの(※個々の学生の教育的ニーズに応じて提供)かつ ・大学等に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの(※大学等にとって過度な負担ではないか≒合理的か) 「均衡を失しているといえるのか」 「過度な負担かどうかを学生に説明する義務」は大学等にある 「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)概要」 平成24年12月25日 文部科学省より
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第一次まとめで示された短期的課題・長期的課題

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■ 短期的課題・情報公開および相談窓口の設置・拠点校および大学間ネットワークの形成

■ 長期的課題・大学入試の改善・高校および特別支援学校と大学等との接続の円滑化・通学上の困難の改善・教材の確保・通信教育の活用・就職支援等・専門的人材の養成・調査研究、情報提供、研修等の充実・財政支援

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:第一次まとめで示された短期的課題・中期的課題 〈スライド内容〉 ■ 短期的課題  ・情報公開および相談窓口の設置  ・拠点校および大学間ネットワークの形成 ■ 長期的課題  ・大学入試の改善  ・高校および特別支援学校と大学等との接続の円滑化  ・通学上の困難の改善  ・教材の確保  ・通信教育の活用  ・就職支援等  ・専門的人材の養成  ・調査研究、情報提供、研修等の充実  ・財政支援
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2017年「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」

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プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:2017年「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」ポンチ絵 〈スライド内容〉 障害のある学生の修学支援に関する検討会(平成28年度) 第二次まとめ(概要) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm ●平成28年4月の障害者差別解消法の施行等を踏まえ、各大学等において障害のある学生支援の体制が整備されてきたが、これらの学生の在籍者数の急増に伴い、今まで以上に対応が困難な状況や新たな課題が生じている。 ●こうした状況を踏まえ、障害者差別解消法の施行を踏まえた高等教育段階における障害のある学生の修学支援の在り方について検討を行うため、「障害のある学生の修学支援に関する検討会」を開催。平成29年3月に検討結果を「第二次まとめ」として取りまとめ。 第一次まとめの進捗状況 全体的に一定の進捗。一方で未だ不十分な部分もあり、一層の体制整備や専門人材の育成が必要。 検討の対象範囲 ●第一次まとめの検討範囲を踏襲。●加えて、第一次まとめで議論できなかった「教育とは直接関係しない学生の活動や生活面への配慮」も対象。(参考となる配慮事例を提示。) 差別解消法を踏まえた「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮」の考え方 (1)基本的な考え方 ●「不当な差別的取扱い」:正当な理由なく何らかの条件を付すこと。正当かどうかは個別事案ごとに判断。一般的・抽象的理由は不適切。 ●「合理的配慮」:第一次まとめを踏襲。「社会モデル」の理解が不可欠。 具体的な内容 (2)大学等における実施体制 各大学の規模等を踏まえ、複数の大学等による資源の共有の工夫が重要。①事前的改善措置(中・長期的な取組)、②学内規程(対応要領や障害学生支援に関するルールの作成・公表)、③組織(主なものは意思決定機関の「委員会」、一元的対応の「専門部署・相談窓口」、調整機関の「第三者組織」) (3)合理的配慮の決定手順 ①障害のある学生からの申出(学生自ら必要な支援申出が出来るような視点も重要。原則根拠資料必要。)、②学生と大学等による建設的対話(学生本人の意思決定を尊重)、③内容決定の際の留意事項(教育の目的・内容・評価の本質部分は変えない)、④決定内容のモニタリング (4)紛争解決のための第三者組織 中立的立場で調停できる組織。調停が不調の場合の学外の相談・調停窓口に関する情報の周知も重要。 各大学等が取り組むべき主要課題とその内容 (1)教育環境の調整 変えることのできない教育の目的・内容・評価の本質を確認・維持した上で、提供方法の調整やアクセシビリティを確保する。 (2)初等中等教育段階から大学等への移行(進学) 高等学校や特別支援学校高等部等で提供されてきた支援内容・方法等の大学等への引き継ぎの円滑化、大学等からの情報発信強化が重要。 (3)大学等から就労への移行(就職) 障害者雇用促進に関する様々な制度やサービス、機関があり、学内にも就職支援関係部署が複数あるため、一般の学生に比べて就職活動が複雑。そのため、早い段階から学生に多様な情報や機会を提供するとともに、関係機関間のネットワーク作りが重要。 (4)大学間連携を含む関係機関との連携 地域・課題単位での多層的な連携が必要。生活面への配慮を要する相談は、福祉行政・事業者と連携し、公的サービスやボランティアも含めた幅広い支援の検討が望まれる。 (5)障害のある学生への支援を行なう人材の養成・配置 組織的な支援を適切に行なうため、様々な専門知識や技術を有する支援人材の養成・配置が不可欠。 (6)研修・理解促進 教職員に加えて、支援補助学生を含めた学生全体に対しての理解促進の取組も重要。 (7)情報公開 支援に関する姿勢・方針や取組は積極的に公開する。これらの公開にあたってはアクセス可能な形で情報提供することが重要。 社会で活躍する障害学生支援センター(仮称)の形成 障害のある学生支援の充実には関係者の共通理解と努力が不可欠。また、支援の手法に関する調査・研究・開発・蓄積と、これらの成果の現場への普及・共有が必要。→ 幹事校と連携校、連携機関(福祉・労働行政、企業等)からなるセンターの形成。 【今後の議論が望まれる課題】 障害のある留学生への支援、障害のある学生への支援に積極的な大学等への評価、障害のある学生がいることを前提にした災害対策、障害のある教職員への支援
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不当な差別的取扱いとは?

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正当な理由なく何らかの条件を付すこと。➡ 正当かどうかは個別事案ごとに判断。一般的・抽象的理由は不可

〔機会の提供の拒否〕● 受験、入学の拒否● 授業受講や研究指導の拒否● 施設等の利用サービスの提供拒否など

〔条件を付ける〕● 保護者の同行を求める● 情報保障手段を用意できないという理由で、授業や行事等への参加を拒否する

〔場所・時間などの制限〕● オフィスアワーに、障害のある学生に対してのみ制限を設ける

障害のない学生にはしない対応や要望を障害のある学生に対してだけするのは差別

(例 障害のない学生に対し「保護者と一緒に大学で勉強しなさい」と言いますか?)

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:不当な差別的取り扱いとは? 〈スライド内容〉 正当な理由なく何らかの条件を付すこと。 ➡ 正当かどうかは個別事案ごとに判断。一般的・抽象的理由は不可。 〔機会の提供の拒否〕  ● 受験、入学の拒否  ● 授業受講や研究指導の拒否  ● 施設等の利用サービスの提供拒否など 〔条件を付ける〕  ● 保護者の同行を求める  ● 情報保障手段を用意できないという理由で、授業や行事等への参加を拒否する 〔場所・時間などの制限〕   ● オフィスアワーに、障害のある学生に対してのみ制限を設ける 障害のない学生にはしない対応や要望を障害のある学生に対してだけするのは差別。 (例 障害のない学生に対し「保護者と一緒に大学で勉強しなさい」と言いますか?)
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大学等における実施体制

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不当な差別的取扱いを防ぎ、必要な合理的配慮をできる限り円滑かつ迅速・適切に決定・提供するためには、それぞれの大学等の状況を踏まえた体制整備が不可欠である。

文部科学省 障害のある学生の修学支援に関する検討会第二次まとめ より

① 事前的改善措置② 学内規程③ 組織 →●委員会、●支援専門部署、

●紛争解決のための第三者組織不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供は,大学等において,組織として当然に行わなければならないことと位置づけられていることを強く認識することが必要である。(中略)このため,関連の取組を進めるに当たって,学長等のイニシアティブの発揮と特定の教職員任せにならない組織としての取組が強く求められる。(第二次まとめ5-(1))

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:大学等における実施体制 〈スライド内容〉 高等教育機関における実施体制 不当な差別的取扱いを防ぎ、必要な合理的配慮をできる限り円滑かつ迅速・適切に決定・提供するためには、それぞれの大学等の状況を踏まえた体制整備が不可欠である。 文部科学省 障害のある学生の修学支援に関する検討会第二次まとめ より ① 事前的改善措置 ② 学内規程 ③ 組織 →委員会、支援専門部署、紛争解決のための「第三者組織」 不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供は,大学等において,組織として当然に行わなければならないことと位置づけられていることを強く認識することが必要である。(中略)このため,関連の取組を進めるに当たって,学長等のイニシアティブの発揮と特定の教職員任せにならない組織としての取組が強く求められる。(第二次まとめ5-(1)) 〉
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合理的配慮の決定手順

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合理的配慮の内容の決定についての主な手順を以下に記載する。これらの手順は一方向のものではなく、障害の状況の変化や学年進行、不断の建設的対話・モニタリングの内容を踏まえてその都度繰り返されるものである。

①障害学生からの申出=意思の表明(できない場合は支援をする)

②障害学生と大学等による建設的対話③内容決定の際の留意事項の確認④決定された内容のモニタリング

意思の表明

建設的対話

合意形成

障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)文部科学省より

モニタリング

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮の決定手順 〈スライド内容〉 合理的配慮の内容の決定についての主な手順を以下に記載する。これらの手順は一方向のものではなく、障害の状況の変化や学年進行、不断の建設的対話・モニタリングの内容を踏まえてその都度繰り返されるものである。 ①障害学生からの申出=意思の表明(できない場合は支援をする) ②障害学生と大学等による建設的対話 ③内容決定の際の留意事項の確認 ④決定された内容のモニタリング 障害のある学生の修学支援に関する検討会報告第二次まとめ(文部科学省)より
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紛争解決のための第三者組織

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障害のある学生

大学等から不当な差別的取扱いを受けている合理的配慮を含む障害学生支援の内容やその決定過程に対して不服がある

不服申し立て

第三者委員会障害学生支援を行う部署や委員会等に対して中立的な立場で調停できる学内組織

※障害のある当事者の委員として参加していることが望ましい。

調停支援担当者等

不調時申し立て

(学外)文部科学省高等教育局 法務省人権擁護局障害者差別解消支援地域協議会 等 《参考》日本学生支援機構 webサイト

紛争の防止・解決等のための基礎知識(1)大学等における基本的な考え方7-97.紛争解決のための第三者組織

大学等は学外の機関への申し立てが可能であることを事前に情報提供しておく必要がある。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:紛争解決のための第三者組織 〈スライド内容〉 「障害のある学生」 大学等から不当な差別的取り扱いを受けている 合理的配慮を含む障害学生支援の内容やその決定過程に対して不服がある ↓ 不服申し立て ↓ 「第三者委員会」 障害学生支援を行う部署や委員会等に対して中立的な立場で調停できる学内組織 ※障害のある当事者の委員として参加していることが望ましい。 ↓ 支援担当者等と学生との間で調停 ↓ 不調に終わった場合は学生は外部機関へ不服申し立て ↓ 大学等は学外の機関への申し立てが可能であることを事前に情報提供しておく必要がある。 「学外機関」 文部科学省高等教育局 法務省人権擁護局、障害者差別解消支援地域協議会 等 《参考》日本学生支援機構webサイト 紛争の防止・解決等のための基礎知識(1)大学等における基本的な考え方7-9 7.紛争解決のための第三者組織 https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/chosa_kenkyu/kaiketsu/index.html
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第二次まとめで示された大学等が取り組むべき主要課題

29

● 教育環境の調整

● 初等中等教育段階から大学等への移行(進学)

● 大学等から就労への移行(就職)

● 大学間連携を含む関係機関との連携

● 障害のある学生への支援を行う人材の養成・配置

● 研修・理解促進

● 情報公開障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(文部科学省)より

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:第二次まとめで示された大学等が取り組むべき主要課題 〈スライド内容〉 ● 教育環境の調整 ● 初等中等教育段階から大学等への移行(進学) ● 大学等から就労への移行(就職) ● 大学間連携を含む関係機関との連携 ● 障害のある学生への支援を行う人材の養成・配置 ● 研修・理解促進 ● 情報公開 障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(文部科学省)より
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30

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業概要 〈スライド内容〉 (画像データに示されている内容の文字起こし) 平成29年度予算額45,000千円(22,500千円×2件(予定) 〈背景〉 ・障害のある学生数の急増  平成18年から平成28年の間で5倍以上(約5,000人→27,000人に増加) ・「障害者差別解消法」の施行 〈背景〉 ●障害のある学生数の急増  平成18年から平成28年の間で5倍以上(約5,000人→27,000人)に増加。 ●「障害者差別解消法」の施行(平成28年4月)  全ての大学等において障害者への不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の提供が義務ないし努力義務とされた。 ●「ニッポン一億総活躍プラン」・教育再生実行会議「第九次提言」等  閣議決定された政府提言等において障害のある学生支援の充実が求められている。 ●障害のある学生の修学支援に関する検討会(平成28年度)  オールジャパンの取組みを促進するため、本施策が提案された。 〈概要〉 将来にわたり障害のある学生への支援を支えていく組織的アプローチの土台としての大学等の連携プラットフォームを形成する取組を支援。 ●<プラットフォームでの取組内容> ①大学等、福祉や労働行政機関、障害当事者団体、企業等との組織的なネットワークの構築する。 ② 障害のある学生への支援における課題の解決に向けて、職員や研究者その他の関係者の有機的連携を先導する。 ③障害のある学生への支援の手法の開発・調査や、人材・設備・教材などの支援リソースの共有手法の研究など、これまでの支援方法を発展させる取組を行う。 ④得られた知見等の成果を集約し、全国の大学等に普及・展開を行う。 ↓ オールジャパンの取組を促進し、共通課題を克服を目指す ・同等条件で学べる教育環境の充実 ・初中段階から大学等への移行(進学)を促進 ・大学等から就労への移行(就職)を促進 ・理解促進、情報公開、研修の充実
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社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業京大と東大の取り組み比較

31

京都大学「高等教育

アクセシビリティプラットフォーム」

Higher EducationAccessibility Platform

東京大学「障害と高等教育に関する

プラットフォーム形成事業」

Platform of Higher Education and Disability

支援体制整備に困難さがある高等教育機関の

■体制整備・強化

■連携・ネットワーク促進

■実践面の強化

日本における障害学生支援の

■先端的取組みの惹起

■スタンダード作り

■障害のある学生のエンパワメント

AHEAD JAPAN/文部科学省/日本学生支援機構 等

役割分担をしつつ両大学が全国をカバー

京都大学HEAP 東京大学PHED比較

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
〈スライド名〉 社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業京大と東大の取り組み比較 〈スライド記載内容〉 京都大学(HEAP) 事業名:高等教育アクセシビリティプラットフォーム 英語名:Higher Education Accessibility Platform(HEAP) 京大事業が目指すところ: 支援体制整備に困難さがある高等教育機関の体制整備・強化、連携・ネットワーク促進、実践面の強化に取り組む 東京大学(PHED) 事業名:障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業 英語名:Platform of Higher Education and Disability(PHED) 東大事業が目指すところ: 日本における障害学生支援の先端的取組みの惹起、支援のスタンダード作り、障害のある学生のエンパワメント AHEAD JAPAN,文部科学省、日本学生支援機構等と連携。 役割分担をしつつ両大学が全国をカバー
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第二次まとめで示された今後の議論が望まれる課題

32

● 障害のある留学生への支援

● 障害のある学生への支援に積極的な大学等への評価

● 障害のある学生がいることを前提にした災害対策

● 障害のある教職員への支援

「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」(文部科学省)より

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:第二次まとめで示された今後の議論が望まれる課題 〈スライド内容〉 ● 障害のある留学生への支援 ● 障害のある学生への支援に積極的な大学等への評価 ● 障害のある学生がいることを前提にした災害対策 ● 障害のある教職員への支援 「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」 (文部科学省)より
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障害のある学生数の推移

33

日本学生支援機構「大学、短期大学および高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書(2018年度)」より

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害のある学生数の推移 〈スライド内容〉 日本学生支援機構(JASSO)の調査による「大学、短期大学および高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書(2018年度)」の最新の調査結果を示したグラフです。  2018年の最新の調査結果によると全国の高等教育機関に在籍し、何らかの日常的な支援を受けている学生の数は33,812人、全体の1.05%ということが明らかになっています。調査開始以来ずっと増加を続けています。  この数字をアメリカと比較してみるとどうなるでしょうか。National Center for Education Statics(NCES)の統計では、2011年‐2012年に学士課程に在籍する学生のうち障害を有する学生の割合は11.1%、大学院課程の場合は5.3%と発表されています(表2)。
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障害のある学生数(障害種別)

34

日本学生支援機構「障害のある学生の修学支援に関する実態調査(2018年度)」より

2018年度

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害のある学生数(障害種別) 〈スライド内容〉 日本学生支援機構「障害のある学生の修学支援に関する実態調査(H30年度)」より 円グラフ、頂点から右回りに 視覚障害864人(2.6%)、 聴覚・言語障害1972人(5.8%)、肢体不自由2478人(7.3%)、 病弱・虚弱11151人(33.0%)、重複障害485人(1.4%)、 発達障害(診断書有)6047人(17.9%)、 精神障害8770人(25.9%)、 その他の障害2045人(6.0%) 円グラフ中心に 障害学生数(障害種別)全障害数33812人
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学校種別障害学生数

35日本学生支援機構「障害のある学生の修学支援に関する実態調査(2018年度)」より

2018年度

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学校種別障害学生数 〈スライド内容〉
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障害種別の対応

36

視覚障害

発達障害

肢体不自由

精神障害

病弱・虚弱

聴覚障害●文字情報へのアクセス●環境把握と移動

●音声情報へのアクセス●コミュニケーション

●移動・生活●学習●コミュニケーション

●通院への配慮●演習・実習・体育実技への配慮●移動 ●アレルギーへの配慮

●生活●学習●コミュニケーション

●生活●学習●コミュニケーション

日本学生支援機構による分類(※医学的分類ではない)とニーズ

知的障害は…想定されていないが… cf) https://thinkcollege.net/

米国の実践例

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題: 〈スライド内容〉
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セルフアドボカシー

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セルフアドボカシー Self Advocacy「自己権利擁護」①自主的な意思決定ができるようになる。②各自のニーズを表現する能力を身に着ける。

→自分の暮らしに関わるすべての決定を本人がコントロールできるということ。

意思の表明

「合理的配慮」の提供が受けられる

自己理解 = 自己のニーズの把握

建設的対話

合理的配慮を利用するプロセスでは…

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:支援強化のポイント「セルフアドボカシー」 〈スライド内容〉 セルフアドボカシー Self Advocacy 「自己権利擁護」 ①自主的な意思決定ができるようになる。 ②各自のニーズを表現する能力を身に着ける。  →自分の暮らしに関わるすべての決定を本   人がコントロールできるということ。 合理的配慮を利用するプロセスでは… 自己理解 → 自己のニーズの把握→意思の表明→建設的対話→「合理的配慮」の提供が受けられる
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障害学生支援で全国規模のプラットフォーム的機能を果たしている機関(抜粋)

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京都大学 HEAP「高等教育アクセシビリティプラットフォーム」

(Higher Education Accessibility Platform)

東京大学 PHED「障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業」

Platform of Higher Education and Disability

全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN)

社会で活躍する障害学支援プラットフォーム形成事業 (2017~2019年度)

筑波技術大学障害者高等教育研究センター障害者高等教育拠点事業

筑波聴覚障害学生高等教育テクニカルアシストセンター(T-TAC)日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-JAPAN)

視覚障害学生のための修学・就労支援を目的としたアクセシブル教材を利活用したアクティブラーニング環境構築事業

筑波大学RADD発達障害学生支援プロジェクト

その他各種団体

日本学生支援機構(JASSO)

文部科学省

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害学生支援でプラットフォーム的機能を果たしている機関(抜粋) 〈スライド内容〉 文部科学省(MEXT) https://www.mext.go.jp/ 日本学生支援機構(JASSO) https://www.jasso.go.jp/ 全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN) http://ahead-japan.org/index.html ◆社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業(2020年3月まで) 京都大学 HEAP 「高等教育アクセシビリティプラットフォーム」 (Higher Education Accessibility Platform) https://www.gssc.kyoto-u.ac.jp/platform/ 東京大学 PHED 「障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業」 (Platform of Higher Education and Disability) https://phed.jp/ 筑波技術大学 筑波技術大学障害者高等教育研究支援支援センター https://www.tsukuba-tech.ac.jp/support/rc/ 障害者高等教育拠点事業 https://krk-ntut.org/ 視覚障害学生のための修学・就職支援を目的としたアクセシブル教材を利活用したアクティブラーニング環境構築事業 http://www.ntut-braille-net.org/project/ 筑波聴覚障害学生高等教育テクニカルアシスタントセンター(T-TAC) https://www.tsukuba-tech.ac.jp/ce/t-tac2/ 日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) http://www.pepnet-j.org/ 筑波大学 RADD 「発達障害学生支援プロジェクト」 (Reasonable Accomodation for Developmental Disabilities) http://radd.human.tsukuba.ac.jp/
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AHEAD JAPAN (一社)全国高等教育障害学生支援協議会

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AHEAD JAPAN一般社団法人全国高等教育障害学生支援協議会

高等教育機関における障害学生支援に関する相互の連携・協力体制を確保するとともに、実践交流を促し、障害学生支援に関する調査・研究及び研修・啓発を行って実務への還元を図り、もって大学における障害学生支援の充実並びに学術研究の発展に寄与することを目的とする事業。

(1)大学における障害学生支援に関する実践・研究集会の開催(2)大学間の障害学生支援に関する連携・協力・研修事業(3)大学における障害学生支援に関する国内国外の資料及び情報の収集・提供(4)大学における障害学生支援に関する調査・研究(5)大学における障害学生支援に関する機関誌、書籍、報告書等の刊行(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

http://ahead-japan.org/index.html

AHEAD JAPAN 全国高等教育障害学生支援協議会大会毎年6月頃に開催

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:AHEAD JAPAN (一社)全国高等教育障害学生支援協議会 〈スライド内容〉 AHEAD JAPAN 一般社団法人 全国高等教育障害学生支援協議会 http://ahead-japan.org/index.html 高等教育機関における障害学生支援に関する相互の連携・協力体制を確保するとともに、実践交流を促し、障害学生支援に関する調査・研究及び研修・啓発を行って実務への還元を図り、もって大学における障害学生支援の充実並びに学術研究の発展に寄与することを目的とする事業。 (1)大学における障害学生支援に関する実践・研究集会の開催 (2)大学間の障害学生支援に関する連携・協力・研修事業 (3)大学における障害学生支援に関する国内国外の資料及び情報の収集・提供 (4)大学における障害学生支援に関する調査・研究 (5)大学における障害学生支援に関する機関誌、書籍、報告書等の刊行 (6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業 AHEAD JAPAN 全国高等教育障害学生支援協議会大会 毎年6月頃に開催
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地域ごとの大学間ネットワーク

40

※2016,2017年度にJASSOが行ったヒアリング参加校が加盟しているネットワークを中心に記載。現在存在するものを網羅している図ではない。

《北海道》●北海道障がい学生支援

ネットワーク(ML)

《東北》●障害学生支援相互協力協議会

(JOINUSS)

《関東》●多摩アカデミック

コンソーシアム

《東海》●東海地区障害学生支援フォーラム

《北陸》●障害学生カンファレンス北陸

《関西》●大学コンソーシアム京都

関西障がい学生支援担当者懇談会(KSSK)

《中国・四国》●UE-Net

●大学コンソーシアム岡山障がい学生支援委員会

《九州・沖縄》●九州・沖縄地区

障害学生支援体制協議会●九州・沖縄地区大学障害者支援情報交換会

●大学コンソーシアム熊本障がい学生支援連絡協議会

●長崎県ネットワーク●沖縄地区大学等

バリアフリー推進協議会

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:地域ごとの大学間ネットワーク 〈スライド内容〉 ■北海道 北海道障がい学生支援ネットワーク(ML) ■東北 障害学生支援相互協力協議会(JOINUSS) ■北陸 障害学生カンファレンス北陸 ■関東 多摩アカデミックコンソーシアム ■東海 東海地区障害学生支援フォーラム ■関西 大学コンソーシアム京都 KSSK(関西障がい学生支援担当者懇談会) ■中国・四国 UE-Net 大学コンソーシアム岡山(障がい学生支援委員会) ■九州・沖縄 九州・沖縄地区障害学生支援体制協議会 九州・沖縄地区大学障害者支援情報交換会 長崎県ネットワーク 大学コンソーシアム熊本障がい学生支援連絡協議会 沖縄地区大学等バリアフリー推進協議会 ※H28,29年度にJASSOが行ったヒアリング参加校が加盟しているネットワークを中心に記載。  現在存在するものを網羅している図ではない。
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地域ネットワーク構築の意義

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意義① ノウハウの共有「合理的配慮」は個々のニーズへの対応のため、特に小規模校の場合、ノウハウの蓄積が難しい。支援事例の交換、支援提供の手法などを共有する意味は大きい。

意義② 支援機器等リソースの共有障害学生支援に活用可能な支援機器の進歩はめまぐるしいが高価なものが多い。卒後に不要になった場合など、機器等の共有化を地域単位でできるとよい。

意義③ 地域社会資源との連携活性化と地域振興・育成の効果高等教育機関だけでできることは限られている。地域で暮らす学生と卒後を見通した支援を考えると社会資源を活用し、卒業生を支え続けるシステムの育成も視野に。

意義④ 縦のつながりの多様性の確保とコストの低減高大連携、社会移行支援等の充実化などの社会的要請が大学に寄せられている。限られたコストで多様なつながりを活性する上でネットワーク形成は効率化を促進。

意義⑤ 行政サービスとの連携の促進効果各行政機関が特定の高等教育機関のためだけにリソースを提供することは難しい。公共性を高め行政との連携を可能にするためにもネットワーク構築は有意義である。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:地域ネットワーク構築の意義 〈スライド内容〉 意義① ノウハウの共有 「合理的配慮」は個々のニーズへの対応のため、特に小規模校の場合、ノウハウの蓄積が難しい。支援事例の交換、支援提供の手法などを共有する意味は大きい。 意義② 支援機器等リソースの共有 障害学生支援に活用可能な支援機器の進歩はめまぐるしいが高価なものが多い。卒後に不要になった場合など、機器等の共有化を地域単位でできるとよい。 意義③ 地域社会資源との連携活性化と地域振興・育成の効果 高等教育機関だけでできることは限られている。地域で暮らす学生と卒後を見通した支援を考えると社会資源を活用し、卒業生を支え続けるシステムの育成も視野に。 意義④ 縦のつながりの多様性の確保とコストの低減 高大連携、社会移行支援等の充実化などの社会的要請が大学に寄せられている。限られたコストで多様なつながりを活性する上でネットワーク形成は効率化を促進。 意義⑤ 行政サービスとの連携の促進効果 各行政機関が特定の高等教育機関のためだけにリソースを提供することは難しい。公共性を高め行政との連携を可能にするためにもネットワーク構築は有意義である。
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地域ネットワーク構築の課題

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課題① 目的をはっきりさせる必要ただ集えばいいというわけではない。それなりの労務コストも発生する。負担だけが増すことの無いように、目的をはっきりとさせる必要がある。

課題② 事務局機能をどこが担うか輪番制などのやり方があるが、どの機関でも事務局機能を担えるわけではない。既存の組織も活用し、継続可能な運営体制をデザインする必要がある。

課題③ 費用をどのように捻出するか運営費用もそれなりに発生する。費用は誰がどれくらい負担し、そして管理していくのか、合意形成に難しさがある。

課題④ 他分野との連携キャリア支援担当、入試部署等、他分野との連携も欠かせない。機能重複を防ぎ、無駄なく相互に連携させるための工夫が必要になる。

課題⑤ 職員の流動性有期雇用の教員、職員が特に多い分野であるため、事業の継続性確保が難しい。ネットワーク機能で補完し合うことも視野に入れた取り組みが必要である。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:地域ネットワーク構築の課題 〈スライド内容〉 課題① 目的をはっきりさせる必要 ただ集えばいいというわけではない。それなりの労務コストも発生する。負担だけが増すことの無いように、目的をはっきりとさせる必要がある。 課題② 事務局機能をどこが担うか 輪番制などのやり方があるが、どの機関でも事務局機能を担えるわけではない。既存の組織も活用し、継続可能な運営体制をデザインする必要がある。 課題③ 費用をどのように捻出するか 運営費用もそれなりに発生する。費用は誰がどれくらい負担し、そして管理していくのか、合意形成に難しさがある。 課題④ 他分野との連携 キャリア支援担当、入試部署等、他分野との連携も欠かせない。機能重複を防ぎ、無駄なく相互に連携させるための工夫が必要になる。 課題⑤ 職員の流動性 有期雇用の教員、職員が特に多い分野であるため、事業の継続性確保が難しい。ネットワーク機能で補完し合うことも視野に入れた取り組みが必要である。
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関西障がい学生支援担当者懇談会(KSSK)

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2006年 日本学生支援機構 障害学生支援事業客員研究員石田久之氏が関西圏6大学による研究会を開始

2008年12月 関西障がい学生支援担当者懇談会(KSSK)が発足

■目的実務担当者が・理想的な支援や支援の成功例、失敗例・実際の現場での工夫や方法などを・「面と向かって・ざっくばらんに・率直に話し合う」

■企画運営(2019年度幹事校)大阪大学、大阪市立大学、大谷大学・大谷大学短期大学部、関西学院大学、京都大学、京都精華大学、京都外国語大学、神戸松蔭女子学院大学、同志社大学、佛教大学、桃山学院大学

http://www.consortium.or.jp/project/dss/kssk

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:関西障がい学生支援担当者懇談会(KSSK) 〈スライド内容〉 2006年 日本学生支援機構 障害学生支援事業客員研究員石田久之氏が関西圏6大学による研究会を開始 2008年12月 関西障がい学生支援担当者懇談会(KSSK)が発足  ■目的 実務担当者が ・理想的な支援や支援の成功例、失敗例 ・実際の現場での工夫や方法などを 「面と向かって・ざっくばらんに・率直に話し合う」 ■企画運営(2019年度幹事校) 大阪大学、大阪市立大学、大谷大学・大谷大学短期大学部、関西学院大学、京都大学、京都精華大学、京都外国語大学、神戸松蔭女子学院大学、同志社大学、佛教大学、桃山学院大学
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日本聴覚障害高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)

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2004年10月設立全国の高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生の支援のために立ち上げられたネットワーク筑波技術大学を中心にはじめ全国の連携大学・機関の協力により運営

事業内容i 聴覚障害学生支援体制の確立

1.共同研究による聴覚障害学生支援技術の開発1)共通のテーマに基づく共同研究の実施2)研究成果に基づく教材開発

2.聴覚障害学生に対する支援実践の蓄積とモデルの構築1)聴覚障害学生支援実績の蓄積2)支援実績の公開と成果の評価

3.聴覚障害学生支援に関する情報の蓄積

ii 支援・情報ネットワークの形成1.地域の中核となりうる大学・機関間の連携強化2.地域ネットワークの形成

1)各地域内他大学・関連機関との情報交換および連携体制構築2)連携校・機関を窓口とする他大学へのスーパーバイズ3)連携校・機関を拠点としたSDの開催

3.全国の大学・機関に向けた情報の発信・支援1)ホームページの立ち上げ2)ニュースレターを通した情報交換3)シンポジウムの開催4)聴覚障害学生支援に関わるリソースの配信

http://www.pepnet-j.org/

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) 〈スライド内容〉 2004年10月設立 全国の高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生の支援のために立ち上げられたネットワーク 筑波技術大学を中心にはじめ全国の連携大学・機関の協力により運営 事業内容 i 聴覚障害学生支援体制の確立  1.共同研究による聴覚障害学生支援技術の開発    1)共通のテーマに基づく共同研究の実施    2)研究成果に基づく教材開発  2.聴覚障害学生に対する支援実践の蓄積とモデルの構築    1)聴覚障害学生支援実績の蓄積    2)支援実績の公開と成果の評価  3.聴覚障害学生支援に関する情報の蓄積 ii 支援・情報ネットワークの形成  1.地域の中核となりうる大学・機関間の連携強化  2.地域ネットワークの形成    1)各地域内他大学・関連機関との情報交換および連携体制構築    2)連携校・機関を窓口とする他大学へのスーパーバイズ    3)連携校・機関を拠点としたSDの開催  3.全国の大学・機関に向けた情報の発信・支援    1)ホームページの立ち上げ    2)ニュースレターを通した情報交換    3)シンポジウムの開催    4)聴覚障害学生支援に関わるリソースの配信
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合理的配慮とは何か?(基本的な考え方)1

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社会的障壁 変更・調整

社会的障壁により、さまざまな活動への参画が困難になっている人に対し、その障壁となっている部分を除去したり、代替手段を提供したりすることによって、障害のない人と同等の機会を得られるようにすること。

能力はあるが、障害等が理由で、本来の力を発揮できないでいる状態を

変更・調整により改善する

Accomodation= 順応、適合、調停、和解、便宜

※ 配慮?

合理的配慮 = Reasonable Accommodation

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮とは何か?(基本的な考え方)1 〈スライド内容〉 合理的配慮 = Reasonable Accommodation Accomodation = 順応、適合、調停、和解、便宜 ※ 配慮? 社会的障壁により、さまざまな活動への参画が困難になっている人に対し、その障壁となっている部分を除去したり、代替手段を提供したりすることによって、障害のない人と同等の機会を得られるようにすること。 能力はあるが、障害等が理由で、本来の力を発揮できないでいる状態を変更・調整により改善する。
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合理的配慮とは何か?(基本的な考え方)2

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【合理的配慮であるための条件】①障害者個々の個人のニーズを満たす ②非過重負担であること

(注)機能障害等を理由に修学する上での支障がない場合、障害があっても支障がない場合や本人と十分確認した上で本人が希望しない場合、合理的配慮は提供しないこともある。

「合理的」

Rational =「経済合理的」「目的合理的」→自己の目的関数最大化のための最適手段選択に関わる意味

Reasonable =「適理的」→自己と目的を異にする他者から見ても『理に適った』といえる仕

方で他者を尊重する態度に関わる意味

合理的配慮 = Reasonable Accommodation

双方の建設的な対話に基づき双方合意の上で提供されるもの

【参考】井上達夫(2006)「公共性とは何か」井上達夫編『公共性の法哲学』ナカニシヤ出版

【参考】川島聡 他(2016)『合理的配慮 対話を開く 対話を拓く』,有斐閣46

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮とは何か?(基本的な考え方)2 〈スライド内容〉 【参考】井上達夫(2006)『公共性とは何か」井上達夫編『公共性の法哲学』ナカニシヤ出版 合理的配慮 = Reasonable Accommodation Rational =「経済合理的」「目的合理的」  →自己の目的関数最大化のための最適手段選択に関わる意味 Reasonable =「適理的」  →自己と目的を異にする他者から見ても『理に適った』といえる仕方で他者を尊重する態度に関わる意味 【合理的配慮であるための条件】 ①障害者個々の個人のニーズを満たす ②非過重負担であること 双方の建設的な対話に基づき、双方合意の上で提供されるもの (注)障害等を理由に修学する上での支障がない場合、障害があっても支障がない場合や本人と十分確認した上で本人が希望しない場合、合理的配慮は提供しないこともある。 【参考】川島聡 他(2016)『合理的配慮 対話を開く 対話を拓く』,有斐閣
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合理的配慮とその他の配慮の違い

47

【教育活動の一環としての学生支援】●思いやり、慮り、支え合い、手伝い、支援、サポート、配慮●教育的配慮=教員の個々の教育的理念や工夫による

➡提供側のさじ加減で「思いやり」の発露としてなされる

【教育機関の責任としての合理的配慮】教育機関として明確なルールを設けて

情報公開をしたうえで障害のある学生の意思の表明を受け双方の建設的な対話を実施する。

妥当性を判断し、互いに納得した上で合理的配慮として提供する。

法的枠組みのもとで、本人の意向が尊重された対話を通じて機会平等達成のために提供される。

合理的配慮はさまざまな支援の一部

本人や大学関係者の同意なく提供されることはありえない。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮とその他の配慮の違い 〈スライド内容〉 【教育活動の一環としての学生支援】 ●思いやり、慮り、支え合い、手伝い、支援、サポート、配慮 ●教育的配慮=教員の個々の工夫  ➡提供側のさじ加減で「思いやり」の発露としてなされる。 ☆合理的配慮はさまざまな支援の一部 【教育機関の責任としての合理的配慮】 教育機関として明確なルールを設けて情報公開をしたうえで障害のある学生の意思の表明を受け双方の建設的な対話を実施する。 妥当性を判断し、互いに納得した上で合理的配慮として提供する。 法的枠組みのもとで、本人の意向が尊重された対話を通じて機会平等達成のために提供される。 →本人や大学関係者の同意なく提供されることはありえない。
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合理的配慮と教育的配慮の違い

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教育機関において、決定者が被教育者のキャリアや社会生活に支障をきたさないよう配慮した判断を下すこと。

本人の周囲の人の主観的・個別的判断によって提供される場合がある。

判断基準が各先生や実習担当者の個人的判断になってしまうことがある。

教育的配慮合理的配慮

教育機関において、機能障害のある人にとって社会的障壁となっている部分があれば、変更・調整し除去することによって学べるようにすること。

学校組織として明確なルールを設けることにより、本人のニーズと照らして、妥当な配慮かどうかは組織的に決定され、提供される。

担当している教員の個人的な考えとは一致しないことがある。

※合理的配慮は教育的配慮を否定しているわけではありません。違いを認識し、両者を適切に提供する必要性を考えましょう。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮と教育的配慮の違い 〈スライド内容〉 「教育的配慮」 ・教育機関において、決定者が被教育者のキャリアや社会生活に支障をきたさないよう配慮した判断を下すこと。 ・本人の周囲の人の主観的・個別的判断によって提供される場合がある。 ・判断基準が各先生や実習担当者の個人的判断になってしまうことがある。 「合理的配慮」 ・教育機関において、機能障害のある人にとって社会的障壁となっている部分があれば、変更・調整し除去することによって学べるようにすること。 ・学校組織として明確なルールを設けることにより、本人のニーズと照らして、妥当な配慮かどうかは組織的に決定され、提供される。 ・担当している教員の個人的な考えとは一致しないことがある。 ※合理的配慮は教育的配慮を否定しているわけではありません。違いを認識し、両者を適切に提供する必要性を考えましょう。 ・担当している教員の個人的な考えとは一致しないことがある。 ※合理的配慮は教育的配慮を否定しているわけではありません。  違いを認識し、両者を適切に提供する必要性を考えましょう。
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「特別支援教育」と「高等教育機関における合理的配慮」

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■「特別支援教育」障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼

児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの。

➡その子の「得意」なところに着目し、「得意」なところを伸ばし、それが「拠り所」となるようにするための教育。≒「結果の保障」有

■「合理的配慮」障害者権利条約 第二条 定義

障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。

➡変更と調整=「機会の保障」

高等教育機関には「合理的配慮」はあっても「特別支援教育」はない。「機会の保障」はするが「結果の保障」を目指すものではない。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:「特別支援教育」と「高等教育機関における合理的配慮」 〈スライド内容〉 「特別支援教育」  障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの。 ➡その子の「得意」なところに着目し、「得意」なところを伸ばし、それが「拠り所」となるようにするための教育。≒「結果の保障」有 「合理的配慮」 障害者権利条約 第二条 定義  障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。 ➡変更と調整=「機会の保障」 《ポイント!》 高等教育機関には「合理的配慮」はあっても「特別支援教育」はない。 「機会の保障」はするが「結果の保障」を目指すものではない。
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合理的配慮内容の構成要素

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川島聡 他(2016)『「合理的配慮」対話を開く 対話が拓く』, 有斐閣

1: 個々のニーズ2: 社会的障壁の除去3: 非荷重負担4: 本来業務付随5: 機会平等6: 本質変更不可7: 意向尊重

これらに該当しない、逸脱する場合であっても、本人や家族と十分な話し合い=建設的な対話をし、本人が納得できる状況を作ることが大切である。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮内容の構成要素 〈スライド内容〉 引用: 川島聡ほか『「合理的配慮」対話を開く 対話が拓く』(有斐閣)で示されている合理的配慮内容の構成要素 1:個々のニーズ 2:社会的障壁の除去 3:非荷重負担 4:本来業務付随 5:機会平等 6:本質変更不可 7:意向尊重 これらに該当しない、逸脱する場合であっても、本人や家族と十分な話し合い=建設的な対話をし、本人が納得できる状況を作ることが大切である。
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教育の質保証と合理的配慮(よく見られる誤解)

51

合理的配慮って、要はオマケすればいいんでしょ?

成績評価基準を調整すること、学修内容の「本質部分」を省略することは

高等教育機関としての教育の質を確保できなくなるため不可

合理的配慮の提供は優遇をすることではない!

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:教育の質保証と合理的配慮(よく見られる誤解) 〈スライド内容〉 〈ある教授からの質問〉 「合理的配慮って、要はオマケすればいいんでしょ?」 →これはダメ!!! 〈支援担当者からの回答〉 「成績評価基準を調整すること、学修内容の「本質部分」を省略することは高等教育機関としての教育の質を確保できなくなるため不可」 合理的配慮の提供は優遇をすることではない!
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合理的配慮と教育の質保証(三つのポリシーとの関連)

52

教育の目的・内容・機能の本質・評価基準は何か?

2001年(平成13年)12月総合規制改革会議

「規制改革の推進に関する第1次答申」2002年(平成14年)8月

中央教育審議会 提言「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」

2012年(平成24年)8月中央教育審議会 答申

「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」

学士課程教育を各教員の属人的な取組から大学が組織的に提供する体系立ったものへと進化させ、学生の能力をどう伸ばすかという学生本位の視点に立った学士課程教育へと質的な転換を図るためには、教員中心の授業科目の編成から学位プログラム中心の授業科目の編成への転換が必要である。(2012年8月中教審答申 15頁)

三つのポリシーとシラバスに示されるべき。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮と教育の質保証(三つのポリシーとの関連) 〈スライド内容〉 教育の目的・内容・機能の本質・評価基準は何か? 2001年(平成13年)12月 総合規制改革会議 「規制改革の推進に関する第1次答申」 2002年(平成14年)8月 中央教育審議会 提言 「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」 2012年(平成24年)8月 中央教育審議会 答申 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて ~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」 学士課程教育を各教員の属人的な取組から大学が組織的に提供する体系立ったものへと進化させ、学生の能力をどう伸ばすかという学生本位の視点に立った学士課程教育へと質的な転換を図るためには、教員中心の授業科目の編成から学位プログラム中心の授業科目の編成への転換が必要である。(2012年8月中教審答申 15頁) 三つのポリシーとシラバスに示されるべき。
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合理的配慮で変更・調整可能な範囲

53

機能制限できないこと得意なこと

意向

学生のニーズ 各授業で学生が習得すべきもの

変更不可

● 文献資料読解● ディスカッション● 講義● レポート● 筆記試験● プレゼンテーション● 実験方法

習得するための手段評価方法

社会的障壁になりうるため変更可

2017.2.7 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 H28年度 高大連携セミナー信州大学 高橋 知音 氏 のスライドを参考に一部改変

成績評価基準を二重に設定すること、学修内容の「本質部分」を省略することは不可。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮で変更・調整可能な範囲 〈スライド内容〉 【変更不可】 学生のニーズ=機能制限によりできないこと/得意なこと 各授業で学生が習得すべきこと 【社会的障壁になりうるため変更可能なこと】 ● 文献資料読解 ● ディスカッション ● 講義 ● レポート ● 筆記試験 ● プレゼンテーション ● 実験方法 ※成績評価基準を調整すること、学修内容の「本質部分」を省略することは不可。 2017.2.7 ネットワーク大学コンソーシアム岐阜 H28年度 高大連携セミナー 信州大学 高橋 知音 氏 のスライドを参考に一部改変
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合理的配慮と3つのポリシーおよびシラバス

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成績評価における合理的配慮を実施するために必要なこと

3つのポリシーとシラバスの充実と明確化

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

どのような力を身に付けた者に卒業を認定し、学位を授与するかを定めたもの。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施し、学修成果をどのように評価するかを定めたもの。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

どのように入学者を受け入れるかを定めたもの。受け入れる学生に求める学修成果を示す。具体的評価方法は募集要項等で公開。

シラバス(授業計画)

授業で修得すべきもの、授業方法、授業計画、評価基準を明記。

2017.9.26 JASSO 全国障害学生支援セミナー 「体制整備支援セミナー3」信州大学 高橋 知音 氏 のスライドを参考に一部改変

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮と3つのポリシーおよびシラバス 〈スライド内容〉 3つのポリシーとシラバスの充実と明確化 ①ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針): どのような力を身に付けた者に卒業を認定し、学位を授与するかを定めたもの。 ②カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針): どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施し、学修成果をどのように評価するかを定めたもの。 ③アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針): どのように入学者を受け入れるかを定めたもの。受け入れる学生に求める学修成果を示す。具体的評価方法は募集要項等で公開。 ④シラバス(授業計画) 授業で修得すべきもの、授業方法、授業計画、評価基準を明記。 2017.9.26 JASSO 全国障害学生支援セミナー 「体制整備支援セミナー3」 信州大学 高橋 知音 氏 のスライドを参考に一部改変
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合理的配慮と3つのポリシーおよびシラバスとの調整

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ディプロマ・ポリシーカリキュラム・ポリシー

アドミッション・ポリシーシラバス

学生 支援担当(学部教員・専門職)

本人の思い根拠資料

アセスメント結果(あれば)

入学前に受けた支援内容 比較

修得するための「手段と方法」・評価の「方法」の調整を検討

教育の目的・内容・機能の本質・成績基準の変更はできない

合理的配慮の内容の検討

3つのポリシーとシラバスが明確でないと検討できない!(はず)

これらの明確化は障害のある学生だけに必要なこと?

意思の表明

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮と3つのポリシーおよびシラバスとの調整 〈スライド内容〉 学生の意思の表明を受け、支援担当者は ・本人の思い ・根拠資料 ・アセスメント結果(あれば) ・入学前に受けた支援内容 と、 ・ディプロマ・ポリシー ・カリキュラム・ポリシー ・アドミッション・ポリシー ・シラバス を比較検討し、修得するための「手段と方法」・評価の「方法」の調整を検討。教育の目的・内容・機能の本質・成績基準の変更はできないことに留意しつつ合理的配慮の内容の検討を進める。 3つのポリシーとシラバスが明確でないと検討できない!(はず) ※これらの明確化は障害のある学生だけに必要なことだろうか?
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テクニカルスタンダードとは?

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「テクニカルスタンダード」の活用

三つのポリシーとシラバスだけで十分検討できる?

「テクニカルスタンダード」とは…三つのポリシー(学術的基準)とは異なる

コースやプログラムの単位で本質的に求められる能力要件を明示したもの

※テクニカルスタンダードは障害者支援のために作られたものではない※合理的配慮のあるなしに関わらず、そのテクニカルスタンダードを満たすことができない学生は、そのプログラムを終えることができない、とされている

☆ 合理的配慮の提供がなされることが前提☆ 欠格条項ではない

➡合理的配慮を受けてクリアすればよい!合理的配慮を提供する上で(何をどう調整するのか?)の基準として活用するべきものである

障害のある人が排除される規定にならないよう運用面での配慮が必要

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:テクニカルスタンダードとは? 〈スライド内容〉 三つのポリシーとシラバスだけで十分検討できる? ↓ 「テクニカルスタンダード」の活用 「テクニカルスタンダード」とは… 三つのポリシー(学術的基準)とは異なる。 コースやプログラムの単位で,本質的に求められる能力要件を明示したもの。 ※テクニカルスタンダードは障害者支援のために作られたものではない。 ※合理的配慮のあるなしに関わらず、そのテクニカルスタンダードを満たすことができない学生は、そのプログラムを終えることができない、とされている。 ☆ 合理的配慮の提供がなされることが前提。 ☆ 欠格条項ではない。 障害のある人が排除される規定にならないよう運用面での配慮が必要 ➡合理的配慮を受けてクリアすればよい!合理的配慮を提供する上で (何をどう調整するのか?)の基準として活用するべきものである。
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合理的配慮の決定手順1(意思の表明)

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1.障害のある学生からの申し出

→合理的配慮の提供は本人の「意思の表明」が出発点※機能障害の程度や状況によっては「意思の表明ができないこと」もある。

意思の表明ができるようにすることも求められている。「意思の表明」が無いからといって何もしなくてよいという訳ではない。

(原則として…)障害の状況を適切に把握するため根拠資料の提出があることが必要である。

・障害者手帳の種別・等級・区分認定・適切な医学的診断基準に基づいた診断書・標準化された心理検査等の結果・学内外の専門家の所見・高等学校・特別支援学校等の大学等入学前の支援状況に関する資料等・本人が自らの障害の状況を客観的に把握・分析した説明資料等

根拠資料の提出が困難な場合・建設的対話等を通じて、本人に社会的障壁の除去の必要性が明白であることが

現認できる場合には、資料の有無に関わらず、合理的配慮の提供について検討することが重要である。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮の決定手順1(意思の表明) 〈スライド内容〉 1.障害のある学生からの申し出 →合理的配慮の提供は本人の「意思の表明」が出発点  ※機能障害の程度や状況によっては「意思の表明ができないこと」もある。意思の表明ができるようにすることも求められている。   「意思の表明」が無いからといって何もしなくてよいという訳ではない。 (原則として…)  障害の状況を適切に把握するため根拠資料の提出があることが必要である。    ・障害者手帳の種別・等級・区分認定  ・適切な医学的診断基準に基づいた診断書  ・標準化された心理検査等の結果  ・学内外の専門家の所見  ・高等学校・特別支援学校等の大学等入学前の支援状況に関する資料等  ・本人が自らの障害の状況を客観的に把握・分析した説明資料等  根拠資料の提出が困難な場合  ・建設的対話等を通じて,本人に社会的障壁の除去の必要性が明白であることが現認できる場合には,資料の有無に関わらず,合理的配慮の提供について検討することが重要である。
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合理的配慮の決定手順2(建設的な対話)

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2.障害のある学生と大学等による「建設的な対話」

学生大学

(担当教員、所属学部・研究科、障害学生支援担当)

建設的な対話

・本人の意向を最大限尊重する。

・意思確認が不在のまま、一方的に合理的配慮の内容の決定することはあってはならない。

・支援内容の説明や意思決定が困難な場合は、必要に応じて保護者や支援者の援助を受けることができるようにする。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮の決定手順2(建設的な対話) 〈スライド内容〉 2.障害のある学生と大学等による「建設的な対話」 学生⇔《建設的な対話》⇔大学(担当教員、所属学部・研究科、障害学生支援担当) ・本人の意向を最大限尊重する。 ・意思確認が不在のまま、一方的に合理的配慮の内容の決定することはあってはならない。 ・支援内容の説明や意思決定が困難な場合は、必要に応じて保護者や支援者の援助を受けることができるようにする。
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合理的配慮の決定手順3(留意事項と合意形成)

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3.内容決定の際の留意事項(の確認)から合意形成

・当該場面における教育の目的・内容・評価の本質(カリキュラムで習得を求めている能力や授業の受講、入学に必要とされる要件)に不当な差別的取扱いに当たるものや社会的障壁が存在し、それらが障害のある学生を排除するものになっていないかを個別かつ客観的に確認する必要がある。その上で、この本質を変えずに、過重な負担にならない範囲において、教育の提供方法を柔軟に調整する。

・合理的配慮の検討過程において、大学等が過重な負担に当たると判断した場合、障害のある学生にその理由を説明し、理解を得るように努めるとともに、他の実現可能な措置を提案する。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮の決定手順3(留意事項と合意形成) 〈スライド内容〉 3.内容決定の際の留意事項(の確認)から合意形成 ・当該場面における教育の目的・内容・評価の本質(カリキュラムで習得を求めている能力や授業の受講、入学に必要とされる要件)に不当な差別的取扱いに当たるものや社会的障壁が存在し、それらが障害のある学生を排除するものになっていないかを個別かつ客観的に確認する必要がある。その上で、この本質を変えずに、過重な負担にならない範囲において、教育の提供方法を柔軟に調整する。 ・合理的配慮の検討過程において、大学等が過重な負担に当たると判断した場合、障害のある学生にその理由を説明し、理解を得るように努めるとともに、他の実現可能な措置を提案する。
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合理的配慮の決定手順4(モニタリング)

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4.決定された内容のモニタリング

・合理的配慮の内容の妥当性や、その後の状況を把握するために、提供した支援についてのモニタリングを行い、必要がある場合には内容の調整を行う。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:合理的配慮の決定手順4(モニタリング) 〈スライド内容〉 4.決定された内容のモニタリング ・合理的配慮の内容の妥当性や、その後の状況を把握するために、提供した支援についてのモニタリングを行い、必要がある場合には内容の調整を行う。
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障害学生支援において授業担当者が対応すべきこと

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自分が担当する科目の本質とは何か?何を教えたい、学ばせたいのか?の明示

それを教えるために可能な教育方法の検討・提案一般の方式では学びにくさのある学生に

どんな選択肢を用意できるか?を検討する

これらは教員の職務の本質とも言える

コンプライアンスとしての「合理的配慮」の実施教員としての「教育的配慮」の実施

授業担当者

これ以上の対応は集団的対応、専門職員との協業が必要『抱え込まずにみんなで対応!が原則』

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害学生支援において授業担当者が対応すべきこと 〈スライド内容〉 授業担当者 →自分が担当する科目の本質とは何か?何を教えたい、学ばせたいのか?の明示をする。 →それを教えるために可能な教育方法の検討・提案一般の方式では学びにくさのある学生にどんな選択肢を用意できるか?を検討する。 ※これらは教員の職務の本質とも言える これらにプラスして コンプライアンスとしての「合理的配慮」の実施。教員としての「教育的配慮」の実施。 ※これ以上の対応は集団的対応、専門職員との協業が必要。『抱え込まずにみんなで対応!が原則』
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高等教育機関に求められている事前的改善措置

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機会の確保

施設・設備

教育方法等

情報公開

決定過程

支援体制

障害を理由に修学を断念することがないよう、修学機会を確保することが重要。また、教育の質を維持することが重要。

障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受け入れ姿勢・方針を示すことが重要。

権利の主体が学生本人にあることを踏まえ、学生本人の要望に基づいた調整を行うことが重要。

情報保障、コミュニケーション上の配慮、公平な試験、成績評価などにおける配慮の考え方を整理。

大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めることが重要。 安全かつ円滑に学生生活を送れるよう、バリアフリー化に配慮。など。

高等教育機関における合理的配慮の前提となる「事前的改善措置」

体制整備、対応要領、施設整備、ソフト整備 等

個のニーズに応じた「合理的配慮」

全学的に事前に取り組む「事前的改善措置」

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関における支援対象範囲と対象サービス 〈スライド内容〉 高等教育機関における合理的配慮の前に…「事前的改善措置」(「基礎的環境整備」) 機会の確保 障害を理由に修学を断念することがないよう、修学機会を確保することが重要。また、教育の質を維持することが重要。 情報公開 障害のある大学進学希望者や学内の障害のある学生に対し、大学等全体としての受け入れ姿勢・方針を示すことが重要。 決定過程  権利の主体が学生本人にあることを踏まえ、学生本人の要望に基づいた調整を行うことが重要。 教育方法等 情報保障、コミュニケーション上の配慮、公平な試験、成績評価などにおける配慮の考え方を整理。 支援体制 大学等全体として専門性のある支援体制の確保に努めることが重要。 施設・設備 安全かつ円滑に学生生活を送れるよう、バリアフリー化に配慮。など。 イメージ図 個のニーズに応じた「合理的配慮」 (比較) 全学的に事前に取り組む「事前的改善措置」体制整備、対応要領、施設整備、ソフト整備等
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対応要領

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障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第三章 行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置

◆国公立大学第九条→(国等職員対応要領)策定義務第十条→(地方公共団体等職員対応要領)設置主体に対する策定義務

内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」基本方針に即して、国の行政機関の長及び独立行政法人等においては、当該機関の職員の取組に資する

ための対応要領を、主務大臣においては、事業者における取組に資するための対応指針を作成することとされている。

◆私立大学対応要領の策定は努力義務

内閣府基本方針より(2)対応要領の記載事項

対応要領の記載事項としては、以下のものが考えられる。●趣旨●障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方●障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の具体例●相談体制の整備●職員への研修・啓発

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:対応要領 〈スライド内容〉 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第三章 行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置 ◆国公立大学  第九条→(国等職員対応要領)策定義務  第十条→(地方公共団体等職員対応要領)設置主体に対する策定義務 内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」  基本方針に即して、国の行政機関の長及び独立行政法人等においては、当該機関の職員の取組に資するための対応要領を、主務大臣においては、事業者における取組に資するための対応指針を作成することとされている。 ◆私立大学  対応要領の策定は努力義務 内閣府基本方針より (2)対応要領の記載事項    対応要領の記載事項としては、以下のものが考えられる。    ●趣旨    ●障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方    ●障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の具体例    ●相談体制の整備    ●職員への研修・啓発
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障害学生支援に関するポリシー

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障害のある学生の権利擁護等を大学全体のポリシーベースで規定している大学もある

東京大学憲章東京大学は、構成員の多様性が本質的に重要な意味をもつことを認識し、すべての構成員が国籍、

性別、年齢、言語、宗教、政治上その他の意見、出身、財産、門地その他の地位、婚姻上の地位、家庭における地位、障害、疾患、経歴等の事由によって差別されることのないことを保障し、広く大学の活動に参画する機会をもつことができるように努める。

筑波大学における障害学生支援に関する憲章国立大学法人筑波大学(以下,「本学」という)は,基本的人権を尊重し,障害の有無や程度によって分け

隔てることなく,能力と修学意志を持つ障害のある学生(以下,「障害学生」という)を受け入れ,修学のために必要かつ適切な支援を積極的に行う責務を担っている。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:障害学生支援に関するポリシー 〈スライド内容〉 障害のある学生の権利擁護等を 大学全体のポリシーベースで規定している大学もある 東京大学憲章  東京大学は、構成員の多様性が本質的に重要な意味をもつことを認識し、すべての構成員が国籍、性別、年齢、言語、宗教、政治上その他の意見、出身、財産、門地その他の地位、婚姻上の地位、家庭における地位、障害、疾患、経歴等の事由によって差別されることのないことを保障し、広く大学の活動に参画する機会をもつことができるように努める。 筑波大学における障害学生支援に関する憲章  国立大学法人筑波大学(以下,「本学」という)は,基本的人権を尊重し,障害の有無や程度によって分け隔てることなく,能力と修学意志を持つ障害のある学生(以下,「障害学生」という)を受け入れ,修学のために必要かつ適切な支援を積極的に行う責務を担っている。
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高等教育機関に求められている学内支援機関

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所属学部・専攻科

教職員

健康診断健康管理指導

健康相談

修学支援に対する助言・提案学生サポーターの育成・派遣

支援者の派遣支援機器の貸し出し

学内外支援のコーディネート

保健センター

障害学生支援 移行支援就職活動支援

奨学金申込サークル活動

生活全般

学生支援部署

キャリア支援

カウンセリングメンタルヘルス

学生相談

大学生協※ 参考モデル支援提供の主体は

所属学部・研究科にある!

紛争解決のための第三者委員会

全学共通科目担当

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関に求められている学内支援機関 〈スライド内容〉 ※参考モデル 支援提供の主体は所属学部・研究科にある! (本人を図の中心に配置) 所属学部・専攻科の教職員 (を本人の近くに配置し、身近な支援者であることを示している) 《障害学生支援担当》 修学支援に対する助言・提案、学生サポーターの育成・派遣、支援者の派遣、支援機器の貸し出し、学内外支援のコーディネート 《保健センター》 健康診断、健康管理指導、健康相談 《学生相談》 カウンセリング、メンタルヘルス、学生相談 《就職支援》 就職支援 《学生支援部署》 奨学金申込、サークル活動、生活全般 《大学生協》 《紛争解決のための第三者委員会》
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学外支援機関

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障害のある学生を支える仕組み、サービスはたくさんあります。支援のノウハウ、サービス提供など積極的に活用するため、

さまざまな機関との連携関係構築ができると学生も安心です。

※各名称は自治体によって異なります

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学外支援機関 〈スライド内容〉 学外支援機関 1:修学支援・生活支援  ◆医療機関  ◆訪問看護等医療系サービス提供事業者  ◆障害種別の支援関連社会資源   ・発達障害者支援センター   ・聴覚障害者情報センター   ・視覚障害者情報センター   ・身体障害者情報センター   ・難病支援センター   ・高次脳機能障害支援センター  ◆障害者就業・生活支援センター  ◆自治体福祉課  ◆社会福祉協議会  ◆社会福祉系サービス提供事業者 2:社会移行支援  ◆障害者職業センター  ◆障害者・就業生活支援センター  ◆ハローワーク専門援助窓口  ◆就労移行支援事業所  ◆新卒応援ハローワーク  ◆若者サポートステーション ※各名称は自治体によって異なります 障害のある学生を支える仕組み、サービスはたくさんあります。支援のノウハウ、サービス提供など積極的に活用するため、さまざまな機関との連携関係構築ができると学生も安心です。
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紛争解決のための第三者組織

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障害のある学生

大学等から不当な差別的取扱いを受けている合理的配慮を含む障害学生支援の内容やその決定過程に対して不服がある

不服申し立て

第三者委員会障害学生支援を行う部署や委員会等に対して中立的な立場で調停できる学内組織

※障害のある当事者が委員として参加していることが望ましい。

調停支援担当者等

不調時申し立て

(学外)文部科学省高等教育局 法務省人権擁護局障害者差別解消支援地域協議会 等 《参考》日本学生支援機構 webサイト

紛争の防止・解決等のための基礎知識(1)大学等における基本的な考え方7-97.紛争解決のための第三者組織

大学等は学外の機関への申し立てが可能であることを事前に情報提供しておく必要がある。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:紛争解決のための第三者組織 〈スライド内容〉 「障害のある学生」 大学等から不当な差別的取り扱いを受けている 合理的配慮を含む障害学生支援の内容やその決定過程に対して不服がある ↓ 不服申し立て ↓ 「第三者委員会」 障害学生支援を行う部署や委員会等に対して中立的な立場で調停できる学内組織 ※障害のある当事者の委員として参加していることが望ましい。 ↓ 支援担当者等と学生との間で調停 ↓ 不調に終わった場合は学生は外部機関へ不服申し立て ↓ 大学等は学外の機関への申し立てが可能であることを事前に情報提供しておく必要がある。 「学外機関」 文部科学省高等教育局 法務省人権擁護局、障害者差別解消支援地域協議会 等 《参考》日本学生支援機構webサイト 紛争の防止・解決等のための基礎知識(1)大学等における基本的な考え方7-9 7.紛争解決のための第三者組織 https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/chosa_kenkyu/kaiketsu/index.html
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関係者別理解・啓発の項目一覧

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教職員

支援ニーズのない学生

障害(支援ニーズ)のある学生

保護者

高校(中学校)教員

実習先関係者

就職先関係者

障害のある入学希望者

どんな相談窓口があるか?/どんな支援を受けられるか?/ どんな権利があるか?福祉サービスを利用する形の社会への移行に関する情報 等

どんな相談窓口があるか?/どんな支援を受けられるか?/どんな権利があるか?支援を必要としている学生への理解 等/※必要になれば誰でも支援を受けられる。

コンプライアンスとしての合理的配慮提供/障害に対する理解/学内の支援規定支援に関する手法/高大接続・社会への移行時の支援に関する情報 等

高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違い学内での支援に関する情報全般/社会移行に関する情報 等

高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違い学内での支援に関する情報全般/社会移行に関する情報 等

高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違いそれまでの支援情報の提供/大学等の卒業後を見通した進路指導 等

高等教育機関における支援の状況/コンプライアンスとしての合理的配慮卒業後を見越した支援の在り方/支援のノウハウの共有 等

高等教育機関における支援の状況/障害のある人の職場への受け入れに関する情報産学連携による支援に関するノウハウの共有と創生 等

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:関係者別理解・啓発の項目一覧 〈スライド内容〉 「障害(支援ニーズ)のある学生」 どんな相談窓口があるか?/どんな支援を受けられるか?/ どんな権利があるか?/福祉サービスを利用する形の社会への移行に関する情報 等 「支援ニーズのない学生」 どんな相談窓口があるか?/どんな支援を受けられるか?/どんな権利があるか?/支援を必要としている学生への理解 等/※必要になれば誰でも支援を受けられる。 「教職員」 コンプライアンスとしての合理的配慮提供/障害に対する理解/学内の支援規定/支援に関する手法/高大接続・社会への移行時の支援に関する情報 等 「保護者」 高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違い/学内での支援に関する情報全般/社会移行に関する情報 等 「障害のある入学希望者」 高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違い/学内での支援に関する情報全般/社会移行に関する情報 等 「高校(中学校)教員」 高等教育機関における合理的配慮提供のあり方/特別支援教育との違い/それまでの支援情報の提供/大学等の卒業後を見通した進路指導 等 「実習先関係者」 高等教育機関における支援の状況/コンプライアンスとしての合理的配慮/卒業後を見越した支援の在り方/支援のノウハウの共有 等 「就職先関係者」 高等教育機関における支援の状況/障害のある人の職場への受け入れに関する情報/産学連携による支援に関するノウハウの共有と創生 等
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多様な支援プログラム(例)

69

UNIVERSAL DESIGN FOR HIGHER EDUCATION

高等教育機関におけるユニバーサルデザイン

学生同士の多様性を認め合う風土&支援を受けやすくする風土

ピア・サポートシステム(学生同士の支え合い活動)事

前的改善措置

修学上の合理的配慮の提供

継続的な心理カウンセリングSocial Skill Training 等

個のニーズ

への対応

セルフアドボカシー

の強化

69

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:多様な支援プログラム(例) 〈スライド内容〉 事前的改善措置としての… 1:ピア・サポートシステム(学生同士の支え合い活動) 2:学生同士の多様性を認め合う風土&支援を受けやすくする風土 3:高等教育機関におけるユニバーサルデザイン 個のニーズへの対応としての… 1:継続的な心理カウンセリング、 Social Skill Training 等 2:修学上の合理的配慮の提供 →これらはセルフアドボカシーの強化を目指して行われる
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学生支援の3階層モデル(苫米地レポートより一部抜粋)

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第1層日常的学生支援

第2層制度化された学生支援

第3層専門的学生支援

研究・修学指導

事務対応

相談(支援)員

相談室員

学生相談

障害学生支援日本学生支援機構(2007)「大学における学生相談体制の充実方策について―「総合的な学生支援」と「専門的な学生相談」の「連携・協働」―」(座長:苫米地憲昭氏・国際基督教大学カウンセリングセンター長)

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学生支援の3階層モデル(苫米地レポートより一部抜粋) 〈スライド内容〉 第1層 日常的学生支援 →事務対応、研究・修学指導による 第2層 制度化された学生支援 →相談(支援)員、相談室員による 第3層 専門的学生支援 →学生相談、障害学生支援による 日本学生支援機構(2007)「大学における学生相談体制の充実方策について―「総合的な学生支援」と「専門的な学生相談」の「連携・協働」―」(座長:苫米地憲昭氏・国際基督教大学カウンセリングセンター長)
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学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート1

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ピア・サポートとは

ピア・サポート学習で学んだ事を生かした助け合い活動

ピア・サポート 仲間同士で互いに助けあう。支え合うこと。

ピア・サポート学習互いに助け合ったり、支え合ったりするために必要なスキルを学習すること

ピア・サポート活動

障害の有無にかかわらず支えあう風土づくりピアサポートで具体的な関係性づくりを

【参考】日本ピア・サポート学会http://www.peer-s.jp/

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート1 〈スライド内容〉 障害の有無にかかわらず支えあう風土づくり ピアサポートで具体的な関係性づくりを ピア・サポートとは ピア・サポート=仲間同士で互いに助けあう。支え合うこと。 ピア・サポート学習=互いに助け合ったり、支え合ったりするために必要なスキルを学習すること ピア・サポート活動=ピア・サポート学習で学んだ事を生かした助け合い活動 【参考】日本ピア・サポート学会 http://www.peer-s.jp/
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学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート2

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なぜピアサポートなの? 生きる力を育む 想像力・創造力を養う 感性を磨く 内省力を深める 生き方を拡げる 表現力を養う 共感性を育てる など

豊かな人間関係を育成する 他者と協調的に様々な課題を解決していく力を育成する

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート2 〈スライド内容〉 なぜピアサポートなの? 生きる力を育む 想像力・創造力を養う 感性を磨く 内省力を深める 生き方を拡げる      表現力を養う 共感性を育てる      など 豊かな人間関係を育成する 他者と協調的に様々な課題を解決していく力を育成する  ピア・サポートは教育課題の解決のために、 有効な資源のひとつ!
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学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート3

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トレーニングの内容と構造【ベース】 【オプション】

対立解消スキル

問題解消スキル

コミュニケーションスキルFELOR(言語・非言語)

サポート・信頼・ストローク

共感スキル

自己理解(体験的・認知的)

活動に応じたトレーニング

アンガーマネージメント

アサーショントレーニング

ストレスマネジメント

守秘義務限界設定

他者への関心

【参考】日本ピア・サポート学会 http://www.peer-s.jp/

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学生同士の支えあいの促進 ピア・サポート3 〈スライド内容〉 トレーニングの内容と構造 【ベース】 対立解消スキル 問題解消スキル コミュニケーションスキル FELOR(言語・非言語) サポート・信頼・ストローク 共感スキル 自己理解(体験的・認知的) 【オプション】 活動に応じたトレーニング アンガーマネージメント アサーショントレーニング ストレスマネジメント 守秘義務限界設定 全体として… 他者への関心の惹起 【参考】日本ピア・サポート学会 http://www.peer-s.jp/
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学生同士の多様性を認め合う風土作り

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個別対応だけでなく、支援を受け入れる風土づくりもカギに

入学ガイダンス時に支援全般について説明

①健康管理について②学生相談について③障害学生支援や合理的配慮について

①障害の社会モデルと障害者差別解消法について②合理的配慮の対象③合理的配慮を受けるための相談と手続き方法④周囲で支援を受けている学生への理解と協力

障害のある学生はもちろん、障害のない学生にも説明。支援に対する理解を求める。ニーズが生じた場合には誰でも利用できる支援サービスであることを入学直後に説明する。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:学生同士の多様性を認め合う風土作り 〈スライド内容〉 個別対応だけでなく、支援を受け入れる風土づくりもカギに 入学ガイダンス時に支援全般について説明 ①健康管理について  ②学生相談について ③障害学生支援や合理的配慮について 障害学生支援や合理的配慮についてのセクションでは ①障害の社会モデルと障害者差別解消法について ②合理的配慮の対象 ③合理的配慮を受けるための相談と手続き方法 ④周囲で支援を受けている学生への理解と協力 等を解説しておく。 障害のある学生はもちろん、障害のない学生にも説明。支援に対する理解を求める。 ニーズが生じた場合には誰でも利用できる支援サービスであることを入学直後に説明する。
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移行支援

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支援センター?

ネットワーク?

幼稚園・保育園

小学校

中学校

高等学校

《高等教育機関》大学・大学院高等専門学校

短大・専門学校 等

医療機関

療育機関

就労支援

生活支援

企業・自営

伴走者

伴走者

皆が本人を社会的に孤立させないための「伴走者」

お互いを知り、専門性を活かしあえる関係作り

支援者も孤立しない仕組み

「卒業」ではなく「移行」という発想の強化

教員=それぞれの発達段階を支えるプロ

専門職=専門領域を支えるプロ 伴走者が

うまくバトンタッチ

特別支援学校

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:移行支援 〈スライド内容〉 ※伴走者を伴い幼稚園から社会へ移行するステップの中を駆け抜けるイラスト  発達段階を貫く支援ができるセンターやネットワークがあることが理想 お互いを知り、専門性を活かしあえる関係作り、支援者も孤立しない仕組み 「卒業」ではなく「移行」という発想の強化 ・教員=それぞれの発達段階を支えるプロ ・専門職=専門領域を支えるプロ 伴走者がうまくバトンタッチ 皆が本人を社会的に孤立させないための「伴走者」
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高等教育機関への移行期の支援1

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オープンキャンパスでの対応

入学希望者に対する受験相談の実施(随時)

《入学希望者相談》

《障害者等受験上の配慮申請書》提出

※配慮内容はセンター試験での配慮事項が参考になり得るが、試験の形式や内容等によって変更・調整する必要がある。

※本人の意向を十分に確認する必要がある。

●匿名でも受け付ける●この段階で診断書、手帳等の持参を大学から求めるのは不可●早めに相談することで入学後スムーズに支援提供を受けやすくなることを

強調

●入学未決定者に入学後の支援について申請させるのはタブー➡入試前に支援ニーズを話したから落とされたのではないか?という疑念

●あくまでも受験上の配慮のみ尋ね、それへの回答・準備をする

大学等の支援に関する情報はWEBサイト等で公開する

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関への移行期の支援1 〈スライド内容〉 《入学希望者相談》 オープンキャンパスでの対応 入学希望者受験相談の実施(随時) ●匿名でも受け付ける。 ●この段階で診断書、手帳等の持参を大学から求めるのは不可。 ●早めに相談することで入学後の支援提供を受けやすくなることを強調。 ※大学等の支援に関する情報はWEBサイト等で公開する ↓ 《障害者等受験上の配慮申請書》提出 ●入学未決定者に入学後の支援について申請させるのはタブー。  ➡入試前に支援ニーズを話したから落とされたのではないか?という疑念 ●あくまでも受験上の配慮のみ尋ね、それへの回答・準備をする。 ※配慮内容はセンター試験での配慮事項が参考になり得るが、 試験の形式や内容等によって変更・調整する必要がある。 ※本人の意向を十分に確認する必要がある。
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高等教育機関への移行期の支援2

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入学手続書類による支援ニーズの把握

《入試》

《合格》

障害学生支援部署から…例「修学上の支援ニーズと入学前相談希望調査」

保健室等から例「健康診断問診票」

入学前相談の実施・合理的配慮の検討

《双方の合意を経て支援実施へ》

合理的配慮に関する情報提供

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:高等教育機関への移行期の支援2 〈スライド内容〉 高等教育機関への移行期の支援 《入試》 ↓ 《合格》 ↓ 入学手続書類による支援ニーズの把握  ●障害学生支援部署から…  例「修学上の支援ニーズと入学前相談希望調査」  ●保健室等から  例「健康診断問診票」 ↓ 入学前相談の実施・合理的配慮の検討 ↓ 《双方の合意を経て支援実施へ》
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卒業後の社会移行(就職等)に向けた支援の課題と解決策

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《課題》① 利用できる制度が複雑

・【一般雇用】と【障害者雇用】など諸制度の存在・就労支援機関や障害福祉サービスの利用

② モデルケースを周辺に見つけづらい・就職後のイメージを確立するのが難しい・自分に合った就職活動を円滑に行うことが難しい

③ 支援関係者が多岐にわたる・学内支援者も多様・学外支援機関や受け入れ企業との連携が必要になる場合もある

《解決策》・早い段階からの多様な職業観に関する情報や機会の提供を行う・関係機関間でのネットワークづくりを促進することが重要

障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)より 2017.3.27

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:卒業後の社会移行(就職等)に向けた支援の課題と解決策 〈スライド内容〉 《課題》  ① 利用できる制度が複雑   ・【一般雇用】と【障害者雇用】など諸制度の存在   ・就労支援機関や障害福祉サービスの利用  ② モデルケースを周辺に見つけづらい   ・就職後のイメージを確立するのが難しい   ・自分に合った就職活動を円滑に行うことが難しい  ③ 支援関係者が多岐にわたる   ・学内支援者も多様   ・学外支援機関や受け入れ企業との連携が必要になる場合もある 《解決策》  ・早い段階からの多様な職業観に関する情報や機会の提供を行う  ・関係機関間でのネットワークづくりを促進することが重要 障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)より 2017.3.27
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一般雇用と障害者雇用

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《一般雇用》・障害のない人と同じ条件での雇用 ※合理的配慮は受けられる。〈メリット〉・待遇が良い。キャリアアップのチャンスも多い。・求人数が多く、多様な働き方を選べる。〈デメリット〉・配慮を受けたい場合は、その必要性と根拠を開示する必要がある。・障害特性上の弱みの部分が職務内容に盛り込まれることがある。

《障害者雇用》・障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)

を取得し、周囲の人から障害の特性への配慮を受けながら働く雇用〈メリット〉・障害特性への理解と配慮を受けながら働ける。・障害特性の強みの部分を生かしやすい職に就けることがある。〈デメリット〉・給与や昇進、スキルアップに関して本人の希望と一致しない場合がある。・求人数が限られていて、選択肢も少ない。

雇用途中での変更も可能!!

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:一般雇用と障害者雇用 〈スライド内容〉 《一般雇用》    ・障害のない人と同じ条件での雇用 ※合理的配慮は受けられる。  〈メリット〉  ・待遇が良い。キャリアアップのチャンスも多い。  ・求人数が多く、多様な働き方を選べる。  〈デメリット〉    ・配慮を受けたい場合は、その必要性と根拠を開示する必要がある。  ・障害特性上の弱みの部分が職務内容に盛り込まれることがある。 《障害者雇用》  ・障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)   を取得し、周囲の人から障害の特性への配慮を受けながら働く雇用  〈メリット〉  ・障害特性への理解と配慮を受けながら働ける。  ・障害特性の強みの部分を生かしやすい職に就けることがある。  〈デメリット〉  ・給与や昇進、スキルアップに関して本人の希望と一致しない場合がある。  ・求人数が限られていて、選択肢も少ない。 ※ 雇用途中での変更も可能!!
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就労支援関連社会資源と学内支援者の連携

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学生相談担当 キャリア支援担当障害学生支援担当

自己理解の促し連携コーディネート

「過緊張」対策自律訓練法

メンタルケア

企業情報提供エントリーシート作成

面接対策

各種障害者支援センター

就労移行支援事業所

ハローワーク 障害者職業センター

障害者専門職業紹介業者

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
表題:就労支援関連社会資源と学内支援者の連携 〈スライド内容〉 1.就職支援関連社会資源 ・各種障害者支援センター ・就労移行支援事業所 ・ハローワーク ・障害者職業センター ・障害者専門職業紹介業者 2.学内支援担当者と役割の一部 ・障害学生支援担当  →自己理解の促し、連携コーディネート等 ・学生相談担当  →「過緊張」対策、自律訓練法、メンタルケア等 ・キャリア支援担当  企業情報提供  →エントリーシート作成、面接対策