90
1 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 1.総合評価 評定結果 (法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現) 20年度:A、21年度:A、22年度:A、23年度:A、24年度:A 各事項の評定 各事項の評定から算定される総合評定 サービスの質の向上①(20%) サービスの質の向上②(25%) サービスの質の向上③(20%) サービスの質の向上④( 5%) 業務運営の効率化(15%) 財務内容(15%) A(4点) A(4点) A(4点) B(3点) A(4点) A(4点) 4点×20%+4点×25%+4点×20%+3点×5% +4点×15%+4点×15%=3.95点 総合評価のポイント 【算定式のウエイト】 ○経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針に基づき、評価項目のう ち、「業務運営の効率化」15%、「財務内容」15%と評価ウエイトを指定。 「サービスの質の向上」については、人的資源の配分、業務の重要性等を踏まえ、 ①「新たな価値を創造する事業展開の促進」20%、②「経営基盤の強化」25%、 ③「経営環境の変化への対応の円滑化」20%、④「期限の定められている業務」 5%と各項目を設定(全体で70%)。 【評価の全体的な概要】 ○ベンチャー・中小企業へのリスクマネー供給の円滑化のためのファンド組成の促 進、中小企業の新たな活路を開拓する海外展開支援の重点化、中小企業の再生支 援の強化、再生ファンドの組成促進、共済の新規加入促進等に注力する一方、経 費削減等の業務効率化や財務内容の改善を図りつつ、高い水準で目標を達成して いるとともに、全体を通じて質の高い支援を実現していることは高く評価できる。 業務運営の効率化 AA A B C D サービスの質④ 期限の定められている業務 財務内容 サービスの質② 経営基盤の強化 サービスの質① 新たな価値を創造する事業 展開の促進 サービスの質③ 経営環境の変化への対応の 円滑化

独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

1

独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価

1.総合評価

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:A、21年度:A、22年度:A、23年度:A、24年度:A

各事項の評定 各事項の評定から算定される総合評定

サービスの質の向上①(20%)

サービスの質の向上②(25%)

サービスの質の向上③(20%)

サービスの質の向上④( 5%)

業務運営の効率化(15%)

財務内容(15%)

A(4点) A(4点) A(4点) B(3点) A(4点) A(4点)

4点×20%+4点×25%+4点×20%+3点×5%

+4点×15%+4点×15%=3.95点 A

総合評価のポイント

【算定式のウエイト】

○経済産業省所管独立行政法人の業務実績評価の基本方針に基づき、評価項目のう

ち、「業務運営の効率化」15%、「財務内容」15%と評価ウエイトを指定。

「サービスの質の向上」については、人的資源の配分、業務の重要性等を踏まえ、

①「新たな価値を創造する事業展開の促進」20%、②「経営基盤の強化」25%、

③「経営環境の変化への対応の円滑化」20%、④「期限の定められている業務」

5%と各項目を設定(全体で70%)。

【評価の全体的な概要】

○ベンチャー・中小企業へのリスクマネー供給の円滑化のためのファンド組成の促

進、中小企業の新たな活路を開拓する海外展開支援の重点化、中小企業の再生支

援の強化、再生ファンドの組成促進、共済の新規加入促進等に注力する一方、経

費削減等の業務効率化や財務内容の改善を図りつつ、高い水準で目標を達成して

いるとともに、全体を通じて質の高い支援を実現していることは高く評価できる。

業務運営の効率化

AA A

B C

D

サービスの質④

期限の定められている業務

財務内容

サービスの質②

経営基盤の強化

サービスの質①

新たな価値を創造する事業

展開の促進

サービスの質③

経営環境の変化への対応の

円滑化

Page 2: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

2

新たな価値を創造する事業展開の促進(サービスの質の向上①)

ベンチャー・中小企業に対する経営環境が依然として厳しい中、支援企業の課題

解決率、事業化率等について、所期の目標を高い水準で達成するとともに、売上高

平均伸び率、新製品・新サービスの販売達成金額など大きな事業効果が得られたこ

とは評価できる。

○ベンチャー・中小企業に対する投資環境が依然として厳しい中、政策的意義の高

いファンドの組成に注力し、出資契約額、ファンド総額とも制度創設以来最大の

規模となり、ベンチャー・中小企業へのリスクマネー供給の下支えに貢献したこ

とは高く評価できる。

○投資先企業の売上高平均伸び率において、中期計画目標を大きく上回る事業効果

が現れていることは高く評価できる。

○インキュベーション事業については、インキュベーションマネージャーが、機構

の支援ツールやネットワークを活かした支援等を実施したほか、他のインキュベ

ーション施設等とのネットワーク強化を行うことにより、中期計画目標を大きく

上回る事業化率を達成したことは評価できる。

○企業の成長促進や難易度の高い課題の解決を図るため、新事業創出支援事業によ

るプロジェクト支援と専門家派遣による経営支援との連携支援を促進するとと

もに、地域支援機関、技術開発支援機関、金融機関等との連携を強化するなど支

援体制をさらに充実したことは評価できる。

○販路開拓コーディネート事業については、大都市圏への販路開拓支援を行うに当

たり機構の全国ネットワーク等を活かした支援を実施し、中期計画目標を大きく

上回るマッチング率を達成したことは評価できる。

○ビジネスマッチングについては、中期計画目標を上回るマッチング率を達成した

Page 3: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

3

ことは評価できる。また、マッチング率の向上のため、外部有識者の意見を踏ま

えた新たな取組みなどを実施したことは評価できる。さらに、販路開拓ナビゲー

ター創出支援事業についても、中期計画目標を上回るマッチング率を達成したこ

とは評価できる。

経営基盤の強化(サービスの質の向上②)

中小企業にとって経営環境が厳しさを増す中で、海外展開支援における海外招聘

型の商談会の開催、地域資源活用や農商工連携に係る認定企業の事業化に向けたフ

ォローアップ支援の充実、中小企業大学校での研修、商業活性化等により支援企業

の役立ち度・課題解決率等を高い水準で達成したことは評価できる。また、中小企

業金融円滑化法期限終了対策のための税理士等の認定支援機関に対する経営改

善・事業再生研修や消費税転嫁対策のための講習会を実施するなど新たな政策課題

へ対応したことは高く評価できる。

○中小企業の海外展開支援においては、中小企業の海外進出ニーズの高まりを受け、

関係機関と連携しつつ、ASEAN地域10か国の海外企業を招聘しての商談会

を初めて開催するなどして、大きな事業成果を実現したことは高く評価できる。

○自社の海外展開計画の検証、マーケット・生産拠点・投資環境等の調査に対する

企業ニーズに対応するため、海外事業の実現可能性、採算性確保の可能性等の調

査(F/S)を実施し、高い課題解決率を達成したことは高く評価できる。

○海外展開、国際取引等に関するアドバイスについては、中期計画目標の利用者の

役立ち度90%以上に対し、99.8%と高い水準で達成したことは高く評価で

きる。

○人材育成事業(中小企業大学校)については、中小企業者や地域支援機関等のニ

ーズの変化を踏まえた中小企業の経営課題や政策課題に対応した研修を幅広く

実施し、中期計画目標を大きく上回る受講者の役立ち度を達成したことは高く評

Page 4: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

4

価できる。また、中長期研修の受講企業に対するフォローアップ調査において高

い事業効果が確認されたことは評価できる。

○新たな政策課題対応として、中小企業金融円滑化法期限終了対策のための税理士

などの認定支援機関に対する経営改善・事業再生研修(受講者数20,742人)、

消費税転嫁対策のための講習会(16,572人)を迅速に実施したことは、高く

評価できる。

○生産性の向上、IT化、国際化など特定の経営課題の解決を支援するために実施

した専門家・経営実務者の派遣事業(専門家継続派遣事業、経営実務支援事業、

戦略的CIO育成支援事業)については、専門家を派遣し、個別企業の経営課題

にきめ細かく対応。その結果、それぞれ中期計画目標を大きく上回る課題解決率

を達成したことは評価できる。 ○J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

機関のサイトから情報収集してサイトを更新することなどにより、過去最高とな

る年間アクセス件数6,200万件超を達成したことは評価できる。

○中小企業が円滑に事業活動を推進し、経営上で直面する様々な課題に適切に対応

できるよう実施した経営相談(窓口相談)については、中期計画目標を大きく上

回る利用者の役立ち度を達成したことは評価できる。

○その他の地域資源活用・農商工連携支援、中心市街地・商店街支援などにおいて

も、支援企業の事業化率、役立ち度など高い水準で目標を達成していることは高

く評価できる。

経営環境の変化への対応の円滑化(サービスの質の向上③)

「中小企業金融円滑化法期限終了への対応」、「東日本大震災からの復興」という

中小企業にとって影響の極めて大きい経営環境の変化に対し、迅速かつ的確に支援

Page 5: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

5

したことは高く評価できる。

○中小企業再生支援全国本部において、平成25年3月末の中小企業金融円滑化法

期限終了への対応として、24年4月に公表された政策パッケージで示された方

針に従い、全国の中小企業再生支援協議会をサポートするべく中小企業再生支援

全国本部の体制強化を図り、過去最多(9,107件)となる再生支援協議会へ

の助言、再生支援協議会の専門家等に対する研修等などを実施したことは非常に

高く評価できる。

○中小企業再生支援全国本部の体制を強化するため、32人を配置(統括プロジェ

クトマネージャー1人、プロジェクトマネージャー31人、25年度当初24人)

し、全国の再生支援協議会をサポートする体制を整備したことは高く評価できる。

○中小企業再生ファンドについては、中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応

として、経済産業局、都道府県、中小企業再生支援協議会等との連携のもと、組

成実績のない地域を中心に地域金融機関やファンド運営会社に対して制度説明を

行うとともに、先進事例に関する情報を提供するなどの活動を行い、新たに10

の中小企業再生ファンドを組成し、過去最大となるファンド総額328億円、出

資契約額154億円を実現し、事業再生に取り組む中小企業者への資金供給の下

支えに貢献したことは高く評価できる。

○中小企業倒産防止共済事業については、地方公共団体、金融機関、税務関係団体、

中小企業支援団体等、地域機関との連携による加入促進等を積極的に展開した結

果、過去10年間で最多となった昨年度と同程度の加入件数(36,964件)

を確保したことは高く評価できる。

○小規模企業共済事業については、税理士団体や金融機関等を通じた幅広い加入促

Page 6: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

6

進の効果により、過去15年間で最多となる実績(106,647件)を確保し

たことは非常に高く評価できる。

○契約者に対するサービスの向上について、様式記載事例の見直しや顧客の自己解

決手段を提供するためのFAQの追加・修正などホームページの改良、インター

ネットを通じた各種手続きの迅速化、コンタクトセンターと共済加入者等関係管

理システムを活用した顧客応答履歴の分析等による情報提供サービスの拡充等を

行うなど、きめ細かいサービスの維持・向上を図っていることは高く評価できる。

○中小企業倒産防止共済事業については、中期計画目標を上回る審査期間10営業

日以内の案件比率にかかる目標を達成したことは高く評価できる。

○東日本大震災で被災した中小企業に対する復興支援については、震災復興支援ア

ドバイザー派遣事業による支援件数を増加させるとともに、新たな課題に対する

取組を実施したことは高く評価できる。

○仮設施設整備事業について、被災した地域等において早期事業再開の場を確保し

た結果、復旧復興への足がかりを提供(51市町村、2,819事業者、従業者

数11,983人)し、約1万2千人の就業を確保したことは高く評価できる。

○震災復興支援アドバイザー派遣事業として、被災中小企業並びに被災地域の地方

公共団体及び支援機関に対して震災復興支援アドバイザーを派遣し、中小企業の

事業再建並びに地域経済の再生及び新たなまちづくりに向けた計画の策定等の支

援について前年度を上回る規模で実施したことは評価できる。

期限の定められている業務(サービスの質の向上④)

Page 7: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

7

○企業への譲渡による完売が困難と見込まれた団地について、所在地方公共団体へ

一括譲渡の協議を実施し、業務期限の定められた産業用地の全てを企業または地

方公共団体等に譲渡(32団地486ha)したことは評価できる。

○26年3月までに機構設立時保有の63団地1,211haを全て譲渡し、532

件の企業立地を実現し、目標期限までに業務終了したことは評価できる。

業務運営の効率化

一般管理費の削減、総人件費の削減、運営費交付金の削減等中期計画で定めた数

値目標を大幅に上回り達成したほか、真にやむを得ない随意契約を除く随意契約に

ついて、24年度に引き続き0件を達成するなど、業務運営の効率化を図りつつ、

補正予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工夫による地域本部独自の

取組み等により、質の高い支援を展開したことは高く評価できる。また、理事長の

強力なリーダーシップのもと、日本再興戦略や小規模事業者への支援の重点化など

国の政策展開に貢献する強化業務を定め、26年度から始まる第3期中期計画に反

映。販路支援部の新設など、組織体制を整備し、新たな政策展開に備えた取組に着

手したことは高く評価できる。

○一般管理費については、毎年度平均で前年度比3%以上削減することとしている

が、21~25年度の5ヶ年平均で4.3%の削減、24年度と比較して2.5%

の削減を実現したことは高く評価できる。

○総人件費については、17年度と比較して25.2%の大幅な削減、24年度と

比較して0.4%の削減を実現したことは高く評価できる。

○給与水準の適正化と総人件費の削減に向けた自己改革の取組みにより、ラスパイ

レス指数を低減した点(0.3ポイントの改善/24年度112.6→25年度

112.3、地域・学歴勘案では0.6ポイントの改善/24年度103.9→

25年度103.3)については高く評価できる。

Page 8: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

8

○運営費交付金を充当して行う業務経費(退職手当を除く)については、新規追加

部分を除き毎年度平均で前年度比1%以上削減することとしているが、21~2

5年度の5ヶ年平均で目標を大きく上回る6.0%の削減、24年度と比較して

1.1%の削減を実現したことは、高く評価できる。

○人員数については、24年度末時点の任期付職員等を含む常勤職員数759人に

対し、25年度末時点で760人となり、引き続き人員の抑制に努めつつ、補正

予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工夫による地域本部独自の取

組み等により、質の高い支援を実施したことは高く評価できる。

○22年度策定の「随意契約見直し計画」に基づき、原則として全て一般競争入札

等による調達を行った結果、真にやむを得ない随意契約を除くその他の随意契約

について、24年度に引き続き0件を達成するなどしたことは高く評価できる。

○理事長の強力なリーダーシップのもと、日本再興戦略や小規模事業者への支援の

重点化など国の政策展開に貢献する強化業務を定め、26年度から始まる第3期

中期計画に反映。販路支援部の新設など、組織体制を整備し、新たな政策展開に

備えた取組に着手したことは高く評価できる。

財務内容

法人全体として、平成17年度に次いで高い水準となる2,823億円の当期総

利益を計上(24年度当期総利益 2,756億円)したことは高く評価できる。

さらに、ファンド事業の出資金収益の計上、高度化事業貸付金の不良債権の削減、

両共済事業における掛金収入の増加など、財務内容の健全化に資する高い成果を実

現したことについては高く評価できる。

【一般勘定】

○高度化事業において、貸付金回収の強化を図るとともに、償還猶予先等に対して

アドバイザー派遣、診断等により経営改善計画策定や実行支援を実施するなど不

Page 9: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

9

良債権削減の取組みを実施。その結果、不良債権額を前年度比54億円削減した

ことは高く評価できる。また、ファンド事業について出資金収益82億円を計上

したことは高く評価できる。

【小規模企業共済勘定】

○繰越欠損金削減計画に基づき安全かつ効率的な運用を実施し、運用利回りは4.

28%(予定利率1.0%、24年度4.56%)を確保し、繰越欠損金を2,

621億円削減したことは高く評価できる。さらに運用受託機関と四半期ごとに

ミーティングを行うとともに、22年度に策定した評価基準に基づき、運用受託

機関の運用状況について確認、的確に評価し、モニタリングを適切に実施してい

ることは評価できる。

○共済契約者の在籍件数や平均掛金の増加等により、共済掛金収入が増加したこと

は高く評価できる(24年度比+99億円)。

【中小企業倒産防止共済勘定】

○加入促進活動の結果、在籍件数や平均掛金が増加し、共済掛金収入が増加したこ

とは高く評価できる(24年度比+422億円、+30%)。

○金融資産については、全勘定においてその使途、保有の必要性の判断を行うとと

もに、会計検査院による指摘等を踏まえ、4,515百万円を国庫返納したこと

については高く評価できる。

以上を踏まえ、評定基準に基づき、総合評価を「A評価」とした。

(注)各事項の評点はAA:5点、A:4点、B:3点、C:2点、D:1点の5段階。総合評価は、各項目の評点に評価比率を掛け合わせて合算して算

出し、5.0≧AA>4.5≧A>3.5≧B>2.5≧C>1.5≧D>1.0 としている。

Page 10: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

10

2-1.サービスの質の向上(新たな価値を創造する事業展開の促進)

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:A、21年度:A、22年度:A、23年度:A、24年度:A

評価のポイント

ベンチャー・中小企業に対する経営環境が依然として厳しい中、支援企業の課題解決率、事業化率等につい

て、所期の目標を高い水準で達成するとともに、売上高平均伸び率、新製品・新サービスの販売達成金額など

大きな事業効果が得られたことは評価できる。

○ベンチャー・中小企業に対する投資環境が依然として厳しい中、政策的意義の高いファンドの組成に注力し、

出資契約額、ファンド総額とも制度創設以来最大の規模となり、ベンチャー・中小企業へのリスクマネー供

給の下支えに貢献したことは高く評価できる。

○投資先企業の売上高平均伸び率において、中期計画目標を大きく上回る事業効果が現れていることは高く評

価できる。

○インキュベーション事業については、インキュベーションマネージャーが、機構の支援ツールやネットワー

クを活かした支援等を実施したほか、他のインキュベーション施設等とのネットワーク強化を行うことによ

り、中期計画目標を大きく上回る事業化率を達成したことは評価できる。

○企業の成長促進や難易度の高い課題の解決を図るため、新事業創出支援事業によるプロジェクト支援と専門

家派遣による経営支援との連携支援を促進するとともに、地域支援機関、技術開発支援機関、金融機関等と

の連携を強化するなど支援体制をさらに充実したことは評価できる。

○販路開拓コーディネート事業については、大都市圏への販路開拓支援を行うに当たり機構の全国ネットワー

ク等を活かした支援を実施し、中期計画目標を大きく上回るマッチング率を達成したことは評価できる。

○ビジネスマッチングについては、中期計画目標を上回るマッチング率を達成したことは評価できる。また、

マッチング率の向上のため、外部有識者の意見を踏まえた新たな取組みなどを実施したことは評価できる。

さらに、販路開拓ナビゲーター創出支援事業についても、中期計画目標を上回るマッチング率を達成したこ

とは評価できる。

Page 11: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

11

1.ファンド出資事業については、成長初期段階の中小企業者や新事業展開等に取り組む中小企業者に投資を行うファンドの組成を行った

か。また、ファンドからの投資後2年経過後の投資先の売上高平均伸び率30%以上を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○ベンチャー・中小企業に対する投資環境が依然として厳しい中、政策的意義の高いファンドの組成に注力し、出資契約額、ファンド総額

とも制度創設以来最大の規模となり、ベンチャー・中小企業へのリスクマネー供給の下支えに貢献したことは高く評価できる。

【①:起業支援ファンド(ベンチャーファンドを含む)】

・出資契約数 1ファンド ・出資契約額 5億円 ・ファンド総額 10億円

【②:中小企業成長支援ファンド(がんばれ!中小企業ファンド、事業継続ファンドを含む)】

・出資契約数 12ファンド ・出資契約額 310億円 ・ファンド総額 863億円

【③:合計(①+②)】

・出資契約数 13ファンド(累積出資契約数152ファンド) ・出資契約額315億円(累積出資契約額1,725億円)

・ファンド総額 873億円(累積ファンド総額 4,746億円)・投資先企業数 178社(累計 2,921社)

<過年度実績>

出資契約数 21年度 2 ファンド、 22年度 3 ファンド、 23年度 11 ファンド、24年度 10ファンド

出資契約額 21年度 50億円、 22年度 48億円、 23年度 224億円、24年度 199億円

ファンド総額 21年度 118億円、 22年度 125億円、 23年度 632億円、24年度 719億円

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○依然として厳しい経済環境を踏まえ、中小企業の起業・転業や新事業展開、海外展開、経営資源融合等を支援する政策的意義の高い

ファンドの組成を促進する。ファンド運営者の選定にあたっては、機構での審査の観点や標準的な審査期間を示すなど、出資提案者

の事務負担軽減に努めるとともに、民間資金の呼び水効果にも配慮しつつ、投資先企業に対する経営支援実績等を重視した上で、外

部有識者等の意見を踏まえた慎重な審査を行う。

また、事業目的を踏まえた適切な事業運営や事業成果の向上を図るため、有識者等からなる外部評価委員会を設置し、運用実績や管

理状況・事業規模等の評価・検討を行い、評価・検討結果を踏まえ必要に応じ事業の改善を行う。

(平成 25年度計画P16)

<その他該当する目標等>

・【売上高平均伸び率】(平成 25年度計画P18)

Page 12: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

12

投資先企業数 21年度 119社、 22年度 92社、 23年度 99社、 24年度 107 社

○また、投資先企業の売上高平均伸び率において、中期計画目標を大きく上回る事業効果が現れていることは高く評価できる。

・22年度のファンド投資先の投資後2年経過後の売上高平均伸び率 47.8%[中期計画目標30%以上]

【参考指標】

・22年度のファンド投資先の投資後2年経過後の従業員数平均伸び率 72.1%

※「中小企業実態基本調査」(中小企業庁調べ)結果による中小企業(法人)の売上高等の状況(22年度調査と25年度調査の比較)

・売上高平均 3.0億円→2.8億円(▲4.9%) ・従業員数平均15.2人→16.0人(+5.0%)

○国内新興市場のIPO企業の約2割が機構出資ファンドから投資を受けた企業であり、中小企業・ベンチャー企業の成長に大きく貢献し

ていることは高く評価できる。

・株式公開企業数(IPO数)9社(累計 139社)。9社のうち新興市場へ上場8社※

過年度実績 21年度 6社、22年度 2社、23年度 12社、24年度 13社

※25年度は、新興市場全体で 45社がIPO(うち機構ファンドのシェア17.8%)

Page 13: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

13

2.インキュベーション施設について、事業化割合30%(支援終了時)とする目標は達成できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○インキュベーション事業については、インキュベーションマネージャーが、機構の支援ツールやネットワークを活かした支援等を実施し

たほか、他のインキュベーション施設等とのネットワーク強化を行うことにより、中期計画目標を大きく上回る事業化率を達成したこと

は評価できる。

・施設数 32施設

・入居者数 571社(24年度 559社)

・インキュベーションマネージャー等による相談応対件数 31,651件(24年度 29,026件)

・事業化達成企業数60社

過年度実績 21年度 47社、22年度 51社 、23年度 63社、24年度 73社

・事業化率70.6%[中期計画目標 30%以上]

過年度実績 21年度 58.0%、22年度 60.0% 、23年度 62.4%、24年度 76.0%

※25年度施設退去企業のうち事業化に至った割合

・年間平均入居率90.0%(25年3月末91.5%→26年3月末90.5%)[中期計画目標 90%程度]

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○機構が管理するインキュベーション施設において、インキュベーションマネージャー等による新製品・新技術の研究開発や新分野へ

の進出を目指す入居者のニーズ・課題に対応した支援を行う。支援に際しては、全国のインキュベーション施設、地域支援機関等と

のネットワークを強化するとともに、機構の支援ツールや連携する地方公共団体、地域支援機関、大学等の持つ支援ツールを有効に

活用するなど、事業化に向けた支援を行い、支援終了時における事業化割合を30%以上とする。

(平成 25年度計画P20~21)

<その他該当する目標等>

・【入居率】(平成 25年度計画P23)

Page 14: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

14

3.新連携事業については、事業化達成の割合50%(認定後3年経過時点)とする目標は達成できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○新連携支援事業については、事業計画のブラッシュアップから販路開拓まで一貫した支援を実施し、認定後3年経過時点において中期計

画目標を大きく上回る事業化率(21年度から5年連続80%超え)を達成したことは高く評価できる。さらに、これまでの販売達成金

額累計が16百億円を超えるなど中小企業の新事業展開に大きく貢献していることは、高く評価できる。

・相談等件数 4,389件

・法律認定件数 69件(累計 927件)

・事業化件数 50件(累計 734件)

※販売達成金額累計 1,647億円

(平成17年度からの事業化累計件数734件によるもの)

・事業化率 84.4% [中期計画目標 50%以上]

過年度実績 21年度 86.0% 、22年度 80.7% 、23年度 86.3%、24年度 81.6%

※22年度認定企業(認定後3年経過時点において事業化に至った割合)

・事業化の成功後も販路開拓支援等、事業活動の安定化に向けてフォローアップ支援を実施。具体的には、販路開拓コーディネート事業

など機構の専門家派遣事業の活用、機構主催のマッチングイベントや各種展示会への出展支援等を実施。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○異分野中小企業の企業間連携による新商品・新サービス開発等の新事業活動への取組みを支援するため、本部及び各地域本部にプロ

ジェクトマネージャー等を配置し、プロジェクト管理を徹底するとともに、機構が有する他の支援ツールやこれまでの支援ノウハウ

等を活用することにより、ビジネスプランの作成から販路開拓に至るまで一貫した支援を行う。このことにより、認定後3年経過時

点における事業化達成の割合を50%以上とする。

(平成 25年度計画P7)

Page 15: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

15

4.専門家継続派遣事業については、課題解決率80%以上とする目標は達成できたか。また、支援企業の売上高の平均伸び率25%以上

(支援後2年)向上させる目標について、その達成に努めたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○専門家継続派遣事業については、中期計画目標である課題解決率について高い水準で達成したことは高く評価できる。また、支援企業の

売上高平均伸び率を向上させる目標について、目標には達成しなかったものの、その達成のための取組みを行ったことは評価できる。

・支援企業数 69社、支援回数 830回

・課題解決率 96.8% [中期計画目標 80%以上]

・売上高平均伸び率 14.2% [中期計画目標 25%以上]

(売上高平均 11.5億円 → 13.1億円(+1.6億円)

過年度実績 21年度 28.1%、 22年度 25.1%、 23年度 13.4%、 24年度 9.1%

【参考指標】

※「中小企業実態基本調査」(中小企業庁調べ)結果による中小企業(法人)の売上高等の状況(22年度調査と25年度調査の比較)

・売上高平均 3.0億円 → 2.8億円 (▲4.9%)

同じ評価期間において、中小企業全体の調査結果を上回る成果を実現

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○現下の経済環境の低迷は中小企業の業績に多大な影響を与えているものの、専門家の派遣開始から2年経過後の支援先の売上高の平

均伸び率を25%以上向上させる目標について、その達成に努めることとする。また、派遣終了後の支援先に対して課題解決目標の

達成状況に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を80%以上とする。

(平成 25年度計画P6)

Page 16: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

16

5.販路開拓コーディネート事業については、1年以内に具体的な商談に至った割合50%以上とする目標は達成できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○販路開拓コーディネート事業については、大都市圏への販路開拓支援を行うに当たり機構の全国ネットワーク等を活かした支援を実施し、

中期計画目標を大きく上回るマッチング率を達成したことは高く評価できる。

・支援企業数 126社

・マッチング率 72.1% [中期計画目標 50%以上]

※24年度支援企業(支援終了後1年以内に具体的な商談に至った割合)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○優れた新商品等を持ちながら、単独での販路開拓が困難な中小企業者に対し、大都市圏への販路開拓を支援する。支援に際しては、

マーケティングの企画段階から市場動向等を踏まえた相談・助言等を行いつつ、外部専門家を活用した販路先へのアプローチを支援

し、支援終了後1年以内において具体的な商談に至った割合を50%以上とする。

(平成 25年度計画P8~9)

Page 17: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

17

6.中小企業総合展等の開催を通じ、1年以内に商談等具体的交渉やマッチングに至った割合を50%以上とすることができたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○ビジネスマッチングについては、中期計画目標を上回るマッチング率を達成したことは高く評価できる。また、より効果的なマッチング

が実現されるよう、出展者及び来場者ともターゲットを明確にしたことは高く評価できる。さらに、販路開拓ナビゲーター創出支援事業

についても、中期計画目標を上回るマッチング率を達成したことは高く評価できる。

・マッチング率 55.4%[中期計画目標 マッチング率 50%以上]

※24年度出展・発表企業(事業実施後1年以内に具体的な商談や交渉に至った割合)

(販路開拓マッチング 54.7%、資金調達マッチング 77.8%)

【販路開拓マッチング】

・「中小企業総合展東京2013-14」

「中小企業総合展①」 ※1 出展企業数 379社 (来場者数 54,119人)

「中小企業総合展②」 ※2 出展企業数 192社 (来場者数 29,105人)

「中小企業総合展③」 ※3 出展企業数 108社 (来場者数 196,378人)

「中小企業総合展④」 ※4 出展企業数 74社 (来場者数 75,766人)

・「中小企業総合展 in Kansai」 出展企業数 585社 (来場者数 70,194人)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○全国的視点に立ち、中小企業の事業化に向けた販売先・業務提携先・資金提供者等の開拓を支援するマッチングの場を設ける。具体

的には、中小企業等が開発した優れた製品、技術、サービス等を展示し、販売先・業務提携先などとのマッチングを促進する「中小

企業総合展」等を実施する。資金調達については、中小企業等が投資家等に対し具体的なビジネスプランのプレゼンテーションを行

い資金調達のマッチングを図る「ベンチャープラザ」等を実施する。事業の実施に際しては、地域支援機関等と連携し、有望な発表

者・出展者及びマッチング目的に合致した来場者の募集を行うとともに、出展企業に対してマッチング効果を高めるためのセミナー

やアドバイスの実施、フォローアップ支援等を行うことにより、事業実施後1年以内において具体的な商談やマッチングに至った割

合を50%以上とする。

(平成 25年度計画P11)

Page 18: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

18

※1 ものづくり製造技術を主な出展対象として開催

※2 エレクトロニクス機器を対象とした、インターネプコン内で開催

※3 ギフト・生活雑貨を対象とした、インターナショナル・ギフト・ショー内で開催

※4 食品・飲料を対象とした、Foodex内で開催

(マッチング率向上のための取組み等)

・開催前日に出展者集会、初日にビジネス交流会を開催し、出展者間のビジネスマッチング、来場VIP等との交流を促進。

・大手商社・メーカー等との商談会・製品相談会等を開催するほか、民間商用サイト(イプロス)との提携により、多様なビジネスマッチ

ングの機会を提供。

・会場内で出展者と多数のバイヤーが接触できるよう、バイヤーにブースを回遊してもらい、出展者に対するアドバイスを実施。

【資金調達マッチング】

・「ベンチャープラザ等」 発表企業数 30社 (来場者数 268人)

[販路開拓ナビゲーター創出支援事業・マッチングプレゼンテーションの成果]

・開催回数 5回 、発表企業数 17社

・商品評価及び販路先に係る情報提供数 80件

・マッチング率 81.8% [中期計画目標 マッチング率 50%以上]

※24年度発表企業(事業実施後1年以内に販路ナビゲーターの選定に至った割合)

[販路開拓ナビゲーター創出支援事業・マッチングイベント派遣の成果]

・イベントへの販路ナビゲーター派遣者数 156人(14箇所)、参加企業数 408社

・販路開拓提案書提出件数 527件

※販路ナビゲーターとは、販路開拓の豊富な経験とネットワークを有する者として機構に登録した民間の専門家。

Page 19: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

19

2-2.サービスの質の向上(経営基盤の強化)

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:A、21年度:A、22年度:A、23年度:A、24年度:A

評価のポイント

中小企業にとって経営環境が厳しさを増す中で、海外展開支援における海外招聘型の商談会の開催、地域資

源活用や農商工連携に係る認定企業の事業化に向けたフォローアップ支援の充実、中小企業大学校での研修、

商業活性化等により支援企業の役立ち度・課題解決率等を高い水準で達成したことは評価できる。また、中小

企業金融円滑化法期限終了対策のための税理士等の認定支援機関に対する経営改善・事業再生研修や消費税転

嫁対策のための講習会を実施するなど新たな政策課題へ対応したことは高く評価できる。

○中小企業の海外展開支援においては、中小企業の海外進出ニーズの高まりを受け、関係機関と連携しつつ、

ASEAN地域10か国の海外企業を招聘しての商談会を初めて開催するなどして、大きな事業成果を実現

したことは高く評価できる。

○自社の海外展開計画の検証、マーケット・生産拠点・投資環境等の調査に対する企業ニーズに対応するため、

海外事業の実現可能性、採算性確保の可能性等の調査(F/S)を実施し、高い課題解決率を達成したこと

は高く評価できる。

○海外展開、国際取引等に関するアドバイスについては、中期計画目標の利用者の役立ち度90%以上に対し、

99.8%と高い水準で達成したことは高く評価できる。

○人材育成事業(中小企業大学校)については、中小企業者や地域支援機関等のニーズの変化を踏まえた中小

企業の経営課題や政策課題に対応した研修を幅広く実施し、中期計画目標を大きく上回る受講者の役立ち度

を達成したことは高く評価できる。また、中長期研修の受講企業に対するフォローアップ調査において高い

事業効果が確認されたことは評価できる。

○新たな政策課題対応として、中小企業金融円滑化法期限終了対策のための税理士などの認定支援機関に対す

る経営改善・事業再生研修(受講者数20,742人)、消費税転嫁対策のための講習会(16,572人)を

迅速に実施したことは、高く評価できる。

Page 20: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

20

○生産性の向上、IT化、国際化など特定の経営課題の解決を支援するために実施した専門家・経営実務者の

派遣事業(専門家継続派遣事業、経営実務支援事業、戦略的CIO育成支援事業)については、専門家を派

遣し、個別企業の経営課題にきめ細かく対応した結果、それぞれ中期計画目標を大きく上回る課題解決率を

達成したことは評価できる。 ○J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連機関のサイトから情報収集

してサイトを更新することなどにより、過去最高となる年間アクセス件数6,200万件超を達成したこと

は評価できる。

○中小企業が円滑に事業活動を推進し、経営上で直面する様々な課題に適切に対応できるよう実施した経営相

談(窓口相談)については、中期計画目標を大きく上回る利用者の役立ち度を達成したことは評価できる。

○その他の地域資源活用・農商工連携支援、中心市街地・商店街支援などにおいても、支援企業の事業化率、

役立ち度など高い水準で目標を達成していることは高く評価できる。

1.中小企業の海外展開支援について、海外展開ニーズの増大を踏まえた支援策を講じたか。また、海外展開、国際取引等に対する相談につ

いては、利用者の役立ち度90%とする目標を達成したか。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○中小企業の海外展開等に係る円滑な事業環境づくりに向け、自国の中小企業分野への国際協力に関するニーズが高まっている海外の

中小企業支援機関や国際協力機関等に対して機構の支援ノウハウを提供するなどの連携・交流を進め、現地の施策・マーケット情報

の収集により中小企業や中小企業支援者等に対して情報提供を行う。また、海外機関等と協力し、国内中小企業と海外企業との交流

を促進する機会を設ける。

(平成 25年度計画P34)

<その他該当する目標等>

・【海外事業可能性調査(F/S)】(平成 25年度計画P33)

・【海外展開、国際取引等に関するアドバイス】(平成 25年度計画P32)

Page 21: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

21

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○中小企業の海外展開支援においては、中小企業の海外進出ニーズの高まりを受け、関係機関と連携しつつ、ASEAN地域10か国の海

外企業を招聘しての商談会を初めて開催するなどして、大きな事業成果を実現したことは高く評価できる。

・開催にあたり、海外企業と日本企業の双方から事業計画や商談目的等を事前にヒアリングし、ニーズに応じた商談の場を設定するなど、

効果的なマッチングを支援。

・商談企業数 717社

・商談件数 2,268件

・成約額(見込みを含む)約117億円

・日・ASEAN友好協力40周年記念事業として「日・ASEAN商談会&交流会」を東京と大阪で開催。ミャンマー、ラオス、タイ、

ベトナム、フィリピン、ブルネイ、カンボジア、シンガポール、マレーシア、インドネシアのASEAN地域各国の企業50社を招聘

し、商談会を開催(日本企業参加者数280社、商談件数860件、成約額(見込みを含む)約38億円)。

・インドネシア商工会議所と連携し、自動車部品や金型などの成長が加速するインドネシア企業20社を招聘し、東京と福岡で商談会を

開催(日本企業参加者数100社、商談件数290件、成約額(見込みを含む)約18億円)。

・ミャンマー商工会議所連盟と連携し、インフラ関連、エネルギー、電気・情報通信、機械関連企業22社を招聘し、東京と大阪で商談

会を開催(日本企業参加者数120社、商談件数370件、成約額(見込みを含む)約19億円)。

・タイ工業省と連携し、航空機、鉄道、医療機器部品分野の企業22社を招聘し、東京と広島で商談会を開催(日本企業参加者数120

社、商談件数388件、成約額(見込みを含む)約29億円)。

・ベトナム計画投資省企業開発庁、ベトナム商工会議所と連携し、産業用機械、輸送機器部品、インフラ関連企業20社を招聘し、東京

と石川で商談会を開催(日本企業参加者数97社、商談件数360件、成約額(見込みを含む)約13億円)。

○自社の海外展開計画の検証、マーケット・生産拠点・投資環境等の調査に対する企業ニーズに対応するため、海外事業の実現可能性、採

算性確保の可能性等の調査(F/S)を実施し、高い課題解決率を達成したことは高く評価できる。

・F/S実施企業数 180社、課題解決率 97.8%

○海外展開、国際取引等に関するアドバイスについては、中期計画目標90%以上を大きく上回る利用者の役立ち度を達成したことは評価

できる。

・アドバイス件数 5,230件

過年度実績 21年度 2,157件、22年度 2,644件、23年度 4,776件、24年度 5,878件

Page 22: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

22

・役立ち度 99.8%[中期計画目標90%以上]

○ジェトロ等と連携し、以下のとおり国内外での展示会出展支援を実施し、多くの商談が実現したことは評価できる。

・ジェトロ等と連携し、海外展示会への出展を計画する中小企業に対して、出展前の国内準備段階から、現地展示会場でのサポート、出

展後のフォローアップまで経営支援の観点から一貫した支援を実施。

海外展示会出展支援 7展示会、海外展示会出展企業数 66社、商談件数2,799件、成約件数(含む見込み)626件

・海外販路開拓に取り組む中小企業や東日本大震災により被災した中小企業等を支援するため、海外バイヤーが多数訪れる展示会・商談

会への出展を支援。

国内の国際展示会等出展支援 7展示・商談会

国内の国際展示会等出展支援企業数 196社、商談件数 779件、成約件数(含む見込み) 186件

・海外展示会・国内展示会における商談件数 3,578件

2.地域資源活用支援事業については、事業化達成の割合50%(認定後2年経過時点)とする目標は達成できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○地域資源活用支援事業については、機構のネットワーク等を活かした全国ベースの販路開拓支援、事業化に向けた一貫したハンズオン支

援を実施し、認定後2年経過時点において中期計画目標を大きく上回る事業化率を達成したことは高く評価できる。さらに、これまでの

販売達成金額累計が859億円に上るなど大きな事業効果が現れていることは、評価できる。

・相談等件数 8,296件

・法律認定件数 118件(累計 1,214件)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○地域資源活用や農商工連携等による新商品・新サービスの開発等に取り組む中小企業を支援するため、本部及び各地域本部にプロジ

ェクトマネージャー等を配置し、プロジェクト管理を徹底するとともに、機構が有する他の支援ツールやこれまでの支援ノウハウ等

を活用することにより、ビジネスプランの作成から販路開拓に至るまで一貫した支援を行う。このことにより、認定後2年経過時点

における事業化達成の割合を50%以上とする。

(平成 25年度計画P47)

Page 23: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

23

・事業化件数 119件(累計 998件)

※販売達成金額累計 859億円(25年度は77億円増)

(平成19年度からの事業化累計件数998件によるもの)

・事業化率 79.6% [中期計画目標50%以上]

※23年度認定企業(認定後2年経過時点において事業化に至った割合)

3.農商工連携支援事業については、事業化達成の割合50%(認定後2年経過時点)とする目標は達成できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○農商工連携支援事業については、機構のネットワーク等を活かした全国ベースの販路開拓支援、事業化に向けた一貫したハンズオン支援

を実施し、認定後2年経過時点において中期計画目標を大きく上回る事業化率を達成したことは高く評価できる。さらに、これまでの販

売達成金額累計が500億円に迫る485億円に上るなど大きな事業効果が現れている、評価できる。

・相談等件数 5,753件

・法律認定件数 67件(累計 612件)

・事業化件数 46件(累計 468件)

※販売達成金額累計 485億円(25年度は138億円増)

(平成20年度からの事業化累計件数468件によるもの)

・事業化率 81.7% [中期計画目標50%以上]

※23年度認定企業(認定後2年経過時点において事業化に至った割合)

○地域資源活用支援事業及び農商工連携支援事業の認定企業の事業化率等を向上させるため、創意工夫をしながら販路開拓支援を強化した

ことは評価できる。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○地域資源活用や農商工連携等による新商品・新サービスの開発等に取り組む中小企業を支援するため、本部及び各地域本部にプロジ

ェクトマネージャー等を配置し、プロジェクト管理を徹底するとともに、機構が有する他の支援ツールやこれまでの支援ノウハウ等を

活用することにより、ビジネスプランの作成から販路開拓に至るまで一貫した支援を行う。このことにより、認定後2年経過時点にお

ける事業化達成の割合を50%以上とする。

(平成 25年度計画P47)

Page 24: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

24

[販路開拓・販路拡大に向けたフォローアップ支援]

・販路開拓を支援するため、機構主催のマッチングイベントや各種展示会への出展支援等を実施(出展者数 93社※)。

※ 「中小企業総合展」91社、「第25回 国際宝飾展」2社

・併せて販路ナビゲーター・マッチングイベント派遣を実施し、出展企業の販路開拓を支援。

[地域活性化パートナー企業との連携]

・大手百貨店、スーパー、商社等の地域活性化パートナーと連携することにより、首都圏等における販売機会(小売店内での即売会、展

示会・商談会の開催等)を提供(連携企画合計 26回、参加企業数 328社、満足度 82.4%)。

[Rin crossing]

・中小企業者の自発的な販路開拓・情報発信力の向上を目的とした事業であるRin crossingは、支援企業(メーカー)と会

員バイヤーの間に入り、市場ニーズのマッチングの場となるWEBサイトや商談会等を提供(会員バイヤー328名、支援企業137

社)。

4.人材育成事業については、地域支援機関職員等のための政策課題に対応した研修や、経営者等の知見の充実等のための実践的な研修を

実施し、役立ち度90%とする目標を達成したか。また、人材育成業務を実施することにより発現することが期待される成果・効果につ

いての客観的かつ具体的な指標を設定し、人材育成業務の取り組みの実績と当該指標に対応した成果・効果の発現状況及びそれらの関連

性等が明らかになっているか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○人材育成事業(中小企業大学校)については、各大学校において、各地域の中小企業ニーズを踏まえた特長ある研修を24年度と同程度

の規模で実施したこと、中小企業者や地域支援機関等のニーズの変化を踏まえた中小企業の経営課題や政策課題に対応した研修を幅広く

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○研修の実施後において、受講者に対して「役立ち度」に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を9

0%以上とする。

(平成 25年度計画P27、40)

<その他該当する目標等>

・【支援機関のニーズや政策課題に対応した研修の実施】(平成 25年度計画P26)

・【人材育成業務の取組みの成果・効果】(平成 25年度計画P40)

Page 25: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

25

実施し、中期計画目標を大きく上回る受講者の役立ち度を達成したことは高く評価できる。また、中長期研修の受講企業に対するフォロ

ーアップ調査において高い事業効果が確認されたことは評価できる。

・受講者数 29,174人(中小企業者向け研修 25,177人、支援者向け研修 3,997人)

※平成24年度 受講者数 26,521人(中小企業者向け研修 22,950人、支援者向け研修 3,571人)

・研修回数 1,162回(中小企業者向け研修 1,046回、支援者向け研修 116回)

※平成24年度 研修回数 987回(中小企業者向け研修 886回、支援者向け研修 101回)

・受講者の役立ち度 97.7% [中期計画目標 90%以上]

(中小企業者向け研修 97.6%、支援者向け研修 97.8%)

※平成24年度 受講者の役立ち度 97.5% [中期計画目標 90%以上]

(中小企業者向け研修 97.4%、支援者向け研修 98.3%)

・応募率(定員に対する応募者数の割合) 103.1%

(中小企業者向け研修 101.5%、支援者向け研修 115.2%)

※平成24年度 応募率(定員に対する応募者数の割合) 104.0%

(中小企業者向け研修 102.7%、支援者向け研修 113.8%)

・受講率(定員に対する受講者数の割合) 89.3%

(中小企業者向け研修 87.4%、支援者向け研修 103.7%)

※平成24年度 受講率(定員に対する受講者数の割合) 90.8%

(中小企業者向け研修 88.9%、支援者向け研修 105.4%)

(受講者等のニーズの変化を踏まえた取組み)

・各大学校において、研修ニーズ調査や大学校運営会議(学識経験者、経済産業局、地方公共団体、商工会議所・商工会、中小企業等に

より構成)等から地域のニーズを把握することで地域の課題や企業を取り巻く環境を踏まえ、新たな政策課題、中小企業支援施策等や

支援機関・顧客のニーズ等に対応した研修、研修企画力を活かし支援機関それぞれの研修ニーズに即した研修を実施するなどの、受講

者等のニーズの変化を踏まえた取組みについては適切に実施。

[北海道本部(旭川校)]

受講者数 1,297人(全受講者数1,732人)

※平成24年度 受講者数 1,332人(全受講者数1,791人)

・北海道の主要業種である建設業、運送業、食品加工業、観光サービス業等、北海道の産業の活性化に資する研修を実施。

Page 26: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

26

[東北本部(仙台校)]

受講者数 1,388人(全受講者数1,608人)

※平成24年度 受講者数 1,035人(全受講者数1,253人)

・地域の課題を製造業の体質強化及び成長フロンティアにおける成長支援と捉え、製造業向けの研修を充実。

・東北の女性管理者をつなぐステップアップ型コースを拡充し実施。

[関東本部(三条校)]

受講者数 1,395人(全受講者数1,433人)

※平成24年度 受講者数 1,448人(全受講者数1,478人)

・信越地方の産業特性を考慮し、金属加工業、自動車部品業等製造業の課題解決に資する研修を実施。

[東京校]

受講者数 1,587人(全受講者数5,079人)

※平成24年度 受講者数 1,445人(全受講者数4,775人)

・経営者、経営幹部を対象に、自社の経営戦略立案を図る研修、経営力を高める研修を実施。

・経営後継者研修等、全国から受講者が集まる研修を実施。

・本校機能として先導的役割を担う研修を実施。

・業界支援研修としてトラック運送事業の管理者を対象とした研修を実施。

[中部本部(瀬戸校)]

受講者数 1,131人(全受講者数1,377人)

※平成24年度 受講者数 1,089人(全受講者数1,472人)

・ものづくり企業の集積度が高い地域特性を踏まえ、生産管理分野等のコースを充実して実施。

[近畿本部(関西校)]

受講者数 1,686人(全受講者数2,061人)

※平成24年度 受講者数 1,669人(全受講者数2,097人)

・利便性の向上、受講機会の拡大の観点から、地域関係機関と連携するなどして、大阪や神戸等、大学校外において政策要請研修等の研

修を実施。

・長期研修修了者向けに、研修後の継続研鑽や相互啓発を促す研修を実施。

[中国本部(広島校)]

受講者数 1,587人(全受講者数1,871人)

※平成24年度 受講者数 1,633人(全受講者数1,994人)

・研修テーマを分野別に短期コースにまとめ、それをシリーズ化することで受講者が研修を効率的に受講できるようカリキュラムを設定。

Page 27: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

27

・新規顧客開拓、新規事業の進め方等、新たな取組みを行う企業を支援する研修を実施。

[九州本部(直方校)]

受講者数 1,443人(全受講者数1,658人)

※平成24年度 受講者数 1,690人(全受講者数1,875人)

・アジア各国に近い立地であることから、外国人観光客や地域の特産品(農林水産業と商業の連携)など北部九州の地域特性を活かした

店づくり、また地域の商店街等の生き残り、活性化を考える研修を実施。

[九州本部(人吉校)]

受講者数 1,025人(全受講者数1,135人)

※平成24年度 受講者数 1,053人(全受講者数1,197人)

・地域ニーズに対応し、農商工連携、農業IT化をテーマとした研修を実施。

・沖縄振興の観点から、沖縄県において経営マネジメント研修等を実施。

<修了後の活動状況等、人材育成業務の成果・効果等>

・以下の調査等のとおり、研修修了後の活動状況等について適宜把握し、業務の成果・効果が得られていることを確認。

(中長期研修受講企業に対するフォローアップ調査結果)

・受講企業の役立ち度 96.6%

・ゼミナール等で取り上げた自社の課題研究テーマについて

実施済、実施中、準備中 92.5% 、調査時点で実施の効果あり 89.9%

※平成24年度 受講企業の役立ち度 97.2%、実施済、実施中、準備中 92.5%、調査時点で実施の効果あり 92.7%

<フォローアップ調査での課題解決例>

・経営管理者養成コースの受講者が「新規事業の立ち上げ」をテーマに課題研究で取り組み、研修で学んだことを活用し、財務やマーケ

ティング面から改善を試みた結果、採算性の確保の目途が付き、県内産黒豆を活かしたコーヒー店を開店する契機となり、初年度年商

目標も 達成することができた。

・工場管理者養成コースの課題研究で取り組んだ「鋳造不良低減」を自社で実践したところ、不良率が3.9%低減でき、月額350万

円のコストダウン効果、そして、客先からのクレームも激減した。現在では、低圧鋳造部門の部門長として当該部門の統括の役割を担

っている。

・工場管理者養成コースの課題研究で取り組んだ「生産管理部門の業務改善」を自社で実施したところ、帳票合わせ業務の作業時間が月

間600分削減、受注処理業務が月間700分削減できた。更に「受入・払出・棚卸業務」の改善にも取り組み、月間44時間、月人

Page 28: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

28

件費11.3万円の削減効果があった。

○地域支援機関職員等のための政策課題に対応した研修や、経営者等の知見の充実等のための実践的な研修を金融機関、税理士・税理士法

人等に対して実施したことは評価できる(研修回数17回、受講者数634人)。

5.新たな政策課題等への対応については迅速に取り組んだか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○新たな政策課題対応として、中小企業金融円滑化法期限終了対策の為の税理士などの認定支援機関に対する経営改善・事業再生研修(受

講者数20,742人)、消費税転嫁対策の為の講習会(16,572人)を迅速に実施したことは、高く評価できる。

○中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律における経営革新等支援機関として認定を受けるために必要な専門的知識や実務経験に関

する認定申請の資格要件を付与するための研修を実施したことは、評価できる(研修回数17回、受講者数634人)。

○経営改善・事業再生が必要な中小企業・小規模事業者への再生・経営改善計画の策定支援を強力に推進することを目的として、認定経営

革新等支援機関に対する研修を実施したことは、評価できる。

実施回数 455回、受講者数 20,742人

役立ち度 95.1%[中期計画目標 90%以上】

○認定支援機関が抱える支援上の課題等に対して、専門家による助言、情報提供等を実施したことは、評価できる。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に基づき認定を受けた経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」という。)に対し、

中小企業の経営改善・事業再生計画の策定能力の向上を目的とした「経営改善・事業再生研修」を実施する。

上記講習会等については、講習会等の実施後において、受講者に対して「役立ち度」に関する調査を実施し、4段階評価において上

位2段階の評価を得る割合を90%以上とする。

(平成 25年度計画P24)

<その他該当する目標等>

・【認定支援機関への支援協力業務】(平成 25年度計画P30)

・【消費税転嫁対策】(平成 25年度計画P39)

Page 29: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

29

窓口相談件数 58件、出張相談件数 61件、利用者の役立ち度 100.0%

○26年4月の消費税増税に備え、「消費税転嫁対策特別措置法」の周知をはかるため、フォーラム及び認定支援機関と連携した講習会を開

催(開催回数 893回、受講者数 16,894名)。中小企業者向けの講習会に先立ち、認定支援機関向けに講師養成のための研修会を

開催(研修回数 24回、受講者数 2,507名)。あわせて、パンフレット等による周知を実施したことは、評価できる。

6.特定の経営課題を解決するため、専門家・経営実務者を派遣し、課題解決率80%とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○生産性の向上、IT化、国際化など特定の経営課題の解決を支援するために実施した専門家・経営実務者の派遣事業(専門家継続派遣事

業、経営実務支援事業、戦略的CIO育成支援事業)については、専門家を派遣し、個別企業の経営課題にきめ細かく対応。その結果、

それぞれ中期計画目標を大きく上回る課題解決率を達成したことは評価できる。

[専門家継続派遣]

・支援企業数 234社、支援回数 3,091回

・課題解決率 97.4% [中期計画目標 80%以上]

[経営実務支援事業]

・支援企業数 158社、支援回数 1,016回

・課題解決率 95.7% [中期計画目標 80%以上]

[戦略的CIO育成支援事業]

・支援企業数 39社、支援回数 592回

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○生産性の向上、知的資産経営、知的財産、国際化、IT化、環境・省エネ、事業承継、経営者保証等の特定の経営課題に関する情報

蓄積・提供、相談、専門家・経営実務者の派遣等を行い、中小企業の経営基盤の強化を支援する。また、地域支援機関等との連携を強

化することにより、迅速かつ効率的な支援を行う。相談については、その利用者に対して役立ち度に関する調査を実施し、4段階評

価において上位2段階の評価を得る割合を90%以上とし、専門家・経営実務者派遣事業の利用者には、支援終了後において課題解

決目標の達成状況に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を80%以上とする。

(平成 25年度計画P30)

Page 30: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

30

・課題解決率 95.7% [中期計画目標 80%以上]

7.施策情報の提供(J-Net21のアクセス件数)については、昨年度同様の高い水準となる年間アクセス件数を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連機関のサイトから情報収集してサイトを更新することな

どにより、過去最高となる年間アクセス件数6,200万件超を達成したことは評価できる。

・年間アクセス件数 6,201万件(24年度比 12%増)

[中期計画目標 第二期中期計画最終年度における年間アクセス件数 2,500万件]

過年度実績 22年度 4,347万件、23年度 4,289万件、24年度 5,539万件

・中小企業支援機関等サイトから情報収集し、サイトを更新

年間26,006件掲載、1日平均70件

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○J-Net21の多彩な情報(施策情報、経営情報、施策活用企業事例等)を利用者が有効に利用できるようカテゴリの整理を行い、

特集の組み方等の工夫により、ナビゲーション機能等をさらに向上させる。

これらの取組みにより、中小企業ビジネス支援サイトによる情報提供については、年間アクセス件数2,500万件以上とする。

(平成 25年度計画P28~29)

Page 31: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

31

8.高度化貸付先の事業実施目標の達成度を80%(貸付後3年経過後)とする目標は達成できたか。また、経営改善が必要な貸付先に対

して経営支援を行ったか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○高度化事業については、中期計画目標を上回る事業実施目標達成度を達成したことは評価できる。

・貸付後3年経過後の貸付先の事業実施目標の達成度 95.0% [中期計画目標 80%以上]

※21年度貸付先(貸付後3年経過後の事業実施目標の達成割合)

○高度化事業のニーズを把握し、事業構想段階からの機構の関与と都道府県への働きかけなどにより、案件組成を促進したことは評価でき

る。

・新規案件の初期段階における現地支援等件数 723件[年度計画目標 600件以上]

年度計画目標の1.2倍

○経済環境が厳しい状況下で、正常償還先及び条件変更先に対して、決算書等の経営情報の整理・分析を行うとともに、外部専門家による

巡回調査等により利用者の経営状況を把握し、経営支援が必要な先に対しては、アドバイザー派遣、診断等の経営支援を実施するなど、

貸付先に対して経営支援を地道に実施したことは評価できる。

・正常償還先及び条件変更先に対するフォローアップ先数 231先[年度計画目標 130先以上]

年度計画目標の1.8倍

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○このような支援を通じ、貸付後原則として3年を経過した利用者に対して、各貸付先があらかじめ設定した省エネ、生産性や集客力

の向上等といった事業実施目標の達成状況に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を80%以上と

する。

(平成 25年度計画P46)

<その他該当する目標等>

・【新規案件にかかる現地支援等】(平成 25年度計画P45~46)

・【正常償還先等に対するフォローアップ】(平成 25年度計画P46~47)

Page 32: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

32

9.中心市街地・商店街の活性化支援については、利用者の役立ち度90%とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○商店街等が抱える経営課題及び組織運営課題への取組みを支援し、中期計画目標を大きく上回る役立ち度を達成したことは評価できる。

[中心市街地商業活性化アドバイザー(協議会)派遣事業]

・支援先数 31地域、支援日数 530.5日

・利用者の役立ち度(協議会) 100.0% [中期計画目標 90%以上]

[中心市街地商業活性化アドバイザー(商店街)、商業活性化アドバイザー ]

・支援先数 241先、支援日数 712.5日

・利用者の役立ち度(商店街) 99.6% [中期計画目標 90%以上]

10.地域支援機関等の支援担当者に対する講習会について、役立ち度90%とする目標は達成できたか。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○商店街等や中心市街地が抱える経営課題及び組織運営の課題の解決を支援するため、まちづくりに関する適切な情報提供を行うとと

もに、商店街組合、中心市街地活性化協議会等に対して、職員と外部専門家の派遣により、適切な助言等を行う。

また、専門家派遣事業の利用者に対して「役立ち度」に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を9

0%以上とする。

(平成 25年度計画P53)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○地域支援機関等の連携強化や支援機能の向上が図られるよう、地域支援機関等の支援担当者に対する助言・講習会、支援事例等の情

報提供等を行う。

中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に基づき認定を受けた経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」という。)に対し、

中小企業の経営改善・事業再生計画の策定能力の向上を目的とした「経営改善・事業再生研修」を実施する。

上記講習会等については、講習会等の実施後において、受講者に対して「役立ち度」に関する調査を実施し、4段階評価において上

位2段階の評価を得る割合を90%以上とする。

(平成 25年度計画P24)

Page 33: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

33

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○地域支援機関等への訪問、情報交換等を通じて把握した支援機関のニーズを基に、地域支援機関等の担当者や認定支援機関向けに講習会

等を実施したことは、高く評価できる。(実施回数223回、参加者数7,045人)。

・役立ち度97.8%[中期計画目標 90%以上]

○中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に基づき認定を受けた経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」という。)に対し、中小

企業の経営改善・事業再生計画の策定能力の向上を目的に、基礎的な知識習得を目指す【基礎編】から計画策定、フォローアップ等まで

実務能力を高める5段階の「認定支援機関向け経営改善・事業再生研修」を実施したことは、評価できる(実施回数455回、受講者数

20,742人)

・役立ち度 95.1%[中期計画目標 90%以上]

11.政策課題等への対応については着実に取り組んだか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○政策課題に対して、以下のとおり着実に取り組んだことは評価できる。また、事業承継、M&Aの今後の展開を考えると、事業引継支援

センターは今後重要な事業となることから、事業引継ぎ支援全国本部としての今後の取組に期待する。

・機構本部・地域本部に事業承継コーディネーターを配置し、商工団体、金融機関等に対して、支援事例や専門家等に関する情報提供、

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○事業承継の円滑化支援については、中小企業の事業承継に関する課題について広範かつ高度にサポートするために事業承継コーディ

ネーターを配置するとともに、地域支援機関等との連携による事業承継支援のネットワーク強化を図る。また、施策説明会やより一

層の広報を実施し、事業承継に係る普及・啓発を図る。

(平成 25年度計画P38)

<その他該当する目標等>

・【事業引継ぎ支援センター等への支援】(平成 25年度計画P38)

・【ものづくり支援】(平成 25年度計画P37)

Page 34: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

34

助言等を実施。

商工団体、金融機関等に対する相談対応件数 2,749件

・事業引継ぎ支援センター等に対して、専門家による助言(事業承継円滑化支援のアドバイス実績に含む。)を行うほか、情報交換会(2

回、参加者数74人)を実施。

・事業引継ぎ支援全国本部の機能強化の一つとして、事業引継ぎ支援統括プロジェクトマネージャーを配置し、都道府県事業引き継ぎ支

援センター等からの情報収集や助言等を実施。

・地域本部にモノ作り支援チーフアドバイザー等を配置し、中小ものづくり高度化法に基づく認定申請、戦略的基盤技術高度化支援事業

の提案申請に係る計画書のブラッシュアップ、採択後の研究開発の推進及び事業化に向けた助言・情報提供まで一貫した支援を実施。

支援件数 2,344件

12.経営相談(窓口相談)については、利用者の役立ち度90%とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○中小企業が円滑に事業活動を推進し、経営上で直面する様々な課題に適切に対応できるよう実施した経営相談(窓口相談)については、

中期計画目標を大きく上回る利用者の役立ち度を達成したことは評価できる。

・相談件数 12,397件

・利用者の役立ち度 99.7% [中期計画目標 90%以上]

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○生産性の向上、知的資産経営、知的財産、国際化、IT化、環境・省エネ、事業承継、経営者保証等の特定の経営課題に関する情報

蓄積・提供、相談、専門家・経営実務者の派遣等を行い、中小企業の経営基盤の強化を支援する。また、地域支援機関等との連携を強

化することにより、迅速かつ効率的な支援を行う。相談については、その利用者に対して役立ち度に関する調査を実施し、4段階評

価において上位2段階の評価を得る割合を90%以上とし、専門家・経営実務者派遣事業の利用者には、支援終了後において課題解

決目標の達成状況に関する調査を実施し、4段階評価において上位2段階の評価を得る割合を80%以上とする。

(平成 25年度計画P30)

Page 35: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

35

2-3.サービスの質の向上(経営環境の変化への対応の円滑化)

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:A、21年度:A、22年度:AA、23年度:AA、24年度:AA

評価のポイント

「中小企業金融円滑化法期限終了への対応」、「東日本大震災からの復興」という中小企業にとって影響の極

めて大きい経営環境の変化に対し、迅速かつ的確に支援したことは高く評価できる。

○中小企業再生支援全国本部において、平成25年3月末の中小企業金融円滑化法期限終了への対応として、

24年4月に公表された政策パッケージで示された方針に従い、全国の中小企業再生支援協議会をサポート

するべく中小企業再生支援全国本部の体制強化を図り、過去最多(9,107件)となる再生支援協議会へ

の助言、中小企業再生支援協議会の専門家等に対する研修等などを実施したことは非常に高く評価できる。

○中小企業再生支援全国本部の体制を強化するため、32人を配置(統括プロジェクトマネージャー1人、プ

ロジェクトマネージャー31人、25年度当初24人)し、全国の中小企業再生支援協議会をサポートする

体制を整備したことは高く評価できる。

○中小企業再生ファンドについては、中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応として、経済産業局、都道

府県、中小企業再生支援協議会等との連携のもと、組成実績のない地域を中心に地域金融機関やファンド運

営会社に対して制度説明を行うとともに、先進事例に関する情報を提供するなどの活動を行い、新たに10

の中小企業再生ファンドを組成し、過去最大となるファンド総額328億円、出資契約額154億円を実現

し、事業再生に取り組む中小企業者への資金供給の下支えに貢献したことは高く評価できる。

○中小企業倒産防止共済事業については、関係省庁、地方公共団体、地域支援機関、中小企業団体、金融機関

等との連携による加入促進等を積極的に展開したことに加え、以下の加入促進の具体的な取組の結果、過去

10年間で最多となった昨年度と同程度の加入件数(36,964件)を確保したことは高く評価できる。

Page 36: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

36

○小規模企業共済事業については、税理士団体や金融機関等を通じた幅広い加入促進の効果により、過去15

年間で最多となる実績(106,647件)を確保したことは非常に高く評価できる。

○契約者に対するサービスの向上について、様式記載事例の見直しや顧客の自己解決手段を提供するためのF

AQの追加・修正などホームページの改良、インターネットを通じた各種手続きの迅速化、コンタクトセン

ターと共済加入者等関係管理システムを活用した顧客応答履歴の分析等による情報提供サービスの拡充等を

行うなど、きめ細かいサービスの維持・向上を図っていることは高く評価できる。

○中小企業倒産防止共済事業については、中期計画目標を上回る審査期間10営業日以内の案件比率にかかる

目標を達成したことは高く評価できる。

○東日本大震災で被災した中小企業に対する復興支援については、震災復興支援アドバイザー派遣事業による

支援件数を増加させるとともに、新たな課題に対する取組を実施したことは高く評価できる。

○仮設施設整備事業について、被災した地域等において早期事業再開の場を確保した結果、復旧復興への足が

かりを提供(51市町村、2,819事業者、従業者数11,983人)し、約1万2千人の就業を確保した

ことは高く評価できる。

○震災復興支援アドバイザー派遣事業として、被災中小企業並びに被災地域の地方公共団体及び支援機関に対

して震災復興支援アドバイザーを派遣し、中小企業の事業再建並びに地域経済の再生及び新たなまちづくり

に向けた計画の策定等の支援について前年度を上回る規模で実施したことは評価できる。

Page 37: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

37

1.中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応として、中小企業再生支援協議会への支援を行ったか。また、中小企業再生支援協議会プロ

ジェクトマネージャー等を対象とした研修については役立ち度90%とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○中小企業再生支援全国本部において、平成25年3月末の中小企業金融円滑化法期限終了への対応として、24年4月に公表された政策

パッケージで示された方針に従い、全国の中小企業再生支援協議会をサポートするべく中小企業再生支援全国本部の体制強化を図り、中

小企業再生支援協議会への助言、中小企業再生支援協議会の専門家等に対する研修等などを実施したことは非常に高く評価できる。

(中小企業再生支援全国本部及び中小企業再生支援協議会の増強)

○中小企業再生支援全国本部の体制を強化するため、32人を配置(統括プロジェクトマネージャー1人、プロジェクトマネージャー31

人、25年度当初24人)し、全国の中小企業再生支援協議会をサポートする体制を整備したことは高く評価できる。

(中小企業再生支援協議会への助言等)

○全国の中小企業再生支援協議会(47協議会)に対して助言・情報提供・専門家の派遣等を実施し、各協議会の支援活動に大きく貢献し

たことは非常に高く評価できる。

・中小企業再生支援協議会への助言件数 9,107件

過年度実績 21年度 5,804件、 22年度 5,082件、 23年度 4,153件、 24年度 5,564件

・中小企業再生支援協議会との協働支援件数 177案件(39協議会)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○各協議会の再生支援業務の高度化・標準化を図るため、各協議会の統括責任者補佐等や公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断

士の専門家等を対象とした研修やセミナーを実施する。研修の受講者に対し「役立ち度」に関する調査を行い、4段階評価において

上位2段階の評価を得る割合を90%以上とする。

(平成 25年度計画P54)

<その他該当する目標等>

・【中小企業再生支援全国本部の体制強化】(平成 25年度計画P54)

・【再生支援協議会への助言等】(平成 25年度計画P54)

・【再生支援協議会の専門家等に対する研修等】(平成 25年度計画P55)

Page 38: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

38

・中小企業再生支援協議会への再生支援専門家の派遣 4案件70人日

(中小企業再生支援協議会の専門家等に対する研修等)

○中小企業再生支援協議会プロジェクトマネージャー、及びサブマネージャー等を対象とした研修については、中期計画目標を大きく上回

る受講者の役立ち度を達成したことは高く評価できる。

・受講者数 187人、研修回数3回

・受講者の役立ち度 99.4% [中期計画目標 90%以上]

2.中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応として、中小企業再生ファンドの組成促進に取り組んだか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○中小企業再生ファンドについては、中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応として、経済産業局、都道府県、中小企業再生支援協議

会等との連携のもと、組成実績のない地域を中心に地域金融機関やファンド運営会社に対して制度説明を行うとともに、先進事例に関す

る情報を提供するなどの活動を行い、新たに10の中小企業再生ファンドを組成し、過去最大となるファンド総額328億円、出資契約

額154億円を実現し、事業再生に取り組む中小企業者への資金供給の下支えに貢献したことは非常に高く評価できる。また、25年度

は25社(累計161社)が再生を果たし、1,939人(累計9,329人)の雇用確保に貢献したことは非常に高く評価できる。

・出資契約数 10ファンド(累積出資契約数 43ファンド)

・出資契約額 154億円 (累積出資契約額 608億円)

・ファンド総額 328億円 (累積ファンド総額 1,364億円)

・投資先企業数 37社 (累計 247社)

<過年度実績>

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○依然として厳しい経済環境を踏まえ、経済産業局、都道府県、中小企業再生支援協議会等との連携のもと、信用保証協会、地域金融

機関、ファンド運営会社に対して制度説明や先進事例に関する情報提供等を積極的に行うとともに、地域の主要な金融機関、財務局等

を訪問しニーズの把握に努めることにより、中小企業再生ファンドの組成促進を行う。

(平成 25年度計画P55)

Page 39: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

39

出資契約数 21年度 3 ファンド、 22年度 3 ファンド、 23年度 1 ファンド、24年度 10ファンド

出資契約額 21年度 45億円、 22年度 70億円、 23年度 12億円、24年度 136億円

ファンド総額 21年度 94億円、 22年度 234億円、 23年度 24億円、24年度、275億円

投資先企業数 21年度 13社、 22年度 12社、 23年度 25社、 24年度 29社

【参考指標】

・再生終了企業数 25社(累計 161社)

・再生終了企業の雇用者数 1,939人(累計9,329人)

3.中小企業倒産防止共済の加入件数について、中小企業金融円滑化法の期限終了等への対応として、加入促進活動を積極的に行い、これ

までの加入実績と同水準の加入件数を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○中小企業倒産防止共済事業については、関係省庁、地方公共団体、地域支援機関、中小企業団体、金融機関等との連携による加入促進等

を積極的に展開したことに加え、以下の加入促進の具体的な取組の結果、過去10年間で最多となった昨年度と同程度の加入件数を確保

したことは高く評価できる。

・加入件数 36,964件 [年度計画目標 16,000件]

過年度実績 21年度 30,497件、22年度 31,372件、23年度 33,728件、24年度 39,978件

(加入促進の具体的な取組)

・金融機関、委託団体、地方公共団体の役員等に対して制度普及等の連携協力を直接働きかけ(役員の訪問先数 89先:両共済共通)

○両共済の加入促進については、平成25年度加入促進計画を策定の上、地方公共団体、中小企業団体等との連携・協力を図りながら、

期間加入促進運動(加入促進強調月間、確定申告期運動等)、地域別加入促進運動(モデル都道府県運動、都市部運動)などを実施す

る業務委託団体・代理店等の活動を支援する。

また、制度の周知・普及を図るため、パンフレット等の配布、関係機関等の発行する広報誌(紙)、専門誌(紙)等を活用した広報を

積極的に実施するとともに、既に施行済みの両共済の制度改正内容についても引き続きPRを展開し、制度の一層の普及を図る。

これら活動により、平成25年度における加入目標件数を、小規模企業共済制度70,800件、中小企業倒産防止共済制度16,

000件とする。

(平成 25年度計画P57)

Page 40: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

40

4.小規模企業共済の加入件数について、加入促進活動を積極的に行い、これまでの加入実績と同水準の加入件数を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○小規模企業共済事業については、税理士団体や金融機関等を通じた幅広い加入促進の効果により過去15年間で最多となる実績を確保し

たことは非常に高く評価できる。

・加入件数 106,647件 [年度計画目標 70,800件]

在籍者数 122.6万人

過年度実績 21年度 80,785件、22年度 93,305件、23年度 103,388件、24年度 99,493件

・共済金支給件数 71,190件、共済金支給額5,444億円

(加入促進の具体的な取組)

・金融機関、委託団体、地方公共団体の幹部に対して制度普及等の連携協力を直接働きかけ(役員の訪問先数 89先:両共済共通)

(両共済共通)

○両共済制度については、第三期中期目標において、共済制度における在籍割合を向上させるための加入目標件数を設定しているが、その

達成に向け、一層の制度普及等に努められることを期待したい。

○両共済の加入促進については、平成25年度加入促進計画を策定の上、地方公共団体、中小企業団体等との連携・協力を図りながら、

期間加入促進運動(加入促進強調月間、確定申告期運動等)、地域別加入促進運動(モデル都道府県運動、都市部運動)などを実施す

る業務委託団体・代理店等の活動を支援する。

また、制度の周知・普及を図るため、パンフレット等の配布、関係機関等の発行する広報誌(紙)、専門誌(紙)等を活用した広報を

積極的に実施するとともに、既に施行済みの両共済の制度改正内容についても引き続きPRを展開し、制度の一層の普及を図る。

・これら活動により、平成25年度における加入目標件数を、小規模企業共済制度70,800件、中小企業倒産防止共済制度16,

000件とする。

(平成 25年度計画P57)

Page 41: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

41

5.契約者サービスの向上を図るため、業務の見直しと手続きの迅速化や契約者への情報提供の充実等に努めたか(両共済)。

中小企業倒産防止共済の貸付審査期間について、10営業日以内の案件比率を80%とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○契約者に対するサービスの向上について、時期によってホームページで案内する内容を切り替えるほか、コンタクトセンターと共済加入

者等関係管理システムを活用した顧客応答履歴の分析等による情報提供サービスの拡充等を行うなど、きめ細かいサービスの維持・向上

を図っていることは高く評価できる。

○中小企業倒産防止共済事業については、中期計画目標を上回る審査期間10営業日以内の案件比率にかかる目標を達成したことは高く評

価できる。

・貸付件数 1,218件

・貸付額 106億円

・審査期間10営業日以内の割合 95.9% [中期計画目標 80%以上]

・平均審査期間 6.3営業日

○契約者サービスの向上を図るため、様式記載事例の充実を図るとともに、インターネットを通じた各種手続きの流れについての周知

や手続き書類の提供等を推進し、契約者サービスの向上に努める。

中小企業倒産防止共済制度では、貸付審査事務の効率化等に加え、処理件数の増減に併せた柔軟な審査体制を構築し、引き続き、大

規模倒産時などの処理件数急増時を除く「共済金貸付処理期間10営業日以内の案件比率80%以上」の目標維持に努める。

(平成 25年度計画P58)

Page 42: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

42

6.東日本大震災により著しい被害を受けた中小企業等のための工場・店舗等の整備等を行うなど機構の支援ツールを活用した適切な措置

を迅速に講じたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○東日本大震災で被災した中小企業に対する復興支援については、震災復興支援アドバイザー派遣事業による支援件数を増加させるととも

に、新たな課題に対する取組を実施したことは高く評価できる。

○仮設施設整備事業について、被災した地域等において早期事業再開の場を確保した結果、復旧復興への足がかりを提供(51市町村、2,

819事業者、従業者数11,983人)し、約1万2千人の就業を確保したことは高く評価できる。

【仮設施設の整備状況(25年度完成)】

案件数 41案件(累計 616案件)

区画数 157区画(累計 3,417区画)

入居事業者数 2,819事業者(前年同期比 35者増)

仮設施設での従業者数 11,983人(前年同期比 214人増)

○震災復興支援アドバイザー派遣事業として、被災中小企業並びに被災地域の地方公共団体及び支援機関に対して震災復興支援アドバイザ

ーを派遣し、中小企業の事業再建並びに地域経済の再生及び新たなまちづくりに向けた計画の策定等の支援について前年度を上回る規模

○東日本大震災への対応として、著しい被害を受けた中小企業等のために工場・事業場・店舗等の整備等を行う。

(平成 25年度計画P60)

<その他該当する目標等>

・【震災復興支援アドバイザー等による地方公共団体等への商業復興支援】(平成 25年度計画P62)

・【3セク貸付】(平成 25年度計画P61)

・【復興支援セミナー】(平成 25年度計画P62)

・【原発対策】(平成 25年度計画P60~61)

・【東日本大震災復興特別貸付】(平成 25年度計画P61)

・【産業復興機構】(平成 25年度計画P61)

・【地域の賑わい回復支援】(平成 25年度計画P62)

Page 43: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

43

で実施したことは評価できる。

[アドバイザー派遣]

支援先数 300先(中小企業:238先、地方公共団体等:62先)

派遣回数 3,113回(中小企業:1,157回、地方公共団体等:1,956回)

(24年度 支援先数 240先、派遣回数 2,989回)

派遣人日数 2,824.0人日(24年度派遣人日数 2,774.0人日)

(中小企業:985.0人日、地方公共団体等:1,839.0人日)

役立ち度 100.0%

[震災に係る経営相談(出張相談を含む)]

震災に係る経営相談件数 2,063件

(24年度 2,969件)

○地方公共団体等への商業復興支援として、被災地での中心市街地、まちづくり等に係る助言を実施したことは高く評価できる。

・地方公共団体や中小企業庁・国土交通省等から要請のあった大船渡市、陸前高田市、南三陸町、気仙沼市、女川町、富岡町に対し、職員

及びアドバイザーが現地ヒアリング等を行い、現状把握、課題の抽出、復興構想・計画に対する助言等を実施(68回)。

○被災中小企業施設・設備整備支援事業(3セク貸付)として、被災県に対し資金を交付し、被災県の復興支援に貢献したことは高く評価

できる。

・被災5道県(北海道、岩手県、宮城県、福島県、千葉県)に対して350.6億円の追加資金を交付(24年度499.3億円、累計1

329.2億円の資金交付)。

・284先の事業者に対し、156.2億円の貸付承認(累計539先の事業者に対し、356.3億円の貸付承認)。被災県及び財団が実

施する貸付審査への助言協力を実施(対象県4道県、24先、41.0人日)。

○中小企業大学校仙台校において、被災中小企業等を対象とした復興支援セミナーを自治体と連携して開催(研修回数 5回、受講者数 6

1人)したことは、評価できる。

○特定地域中小企業特別資金事業として、75先の事業者に対し12.9億円の貸付決定を実施したことは評価できる。

(平成23年度からの累計792先、134.9億円)。

Page 44: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

44

○日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫が行う「東日本大震災復興特別貸付」等の借入を行う中小企業者等のうち、事業所が全壊又は流

出、または警戒区域等に事業所を有していた中小企業者等や、一旦廃業した事業者であって新たに事業を開始する中小企業者等を対象と

して、借り入れ後3年間利子補給を行うための基金を機構に創設(100億円)するなど、運営体制を整備し、県の財団法人を経由して

中小企業者等に利子補給を実施したことは評価できる。

・利子補給件数 4,192件

・利子補給額 457百万円

(産業復興機構への出資)

○東日本大震災で被害を受けた中小企業等の二重債務問題に対応するため、県及び地域金融機関との共同出資により5県(岩手・宮城・福

島・茨城・千葉)で設立した産業復興機構(再生ファンド)に対し、71億円の出資を実施したことは評価できる。

・債権買取先数 148先(累計 224先)、債権買取額 98億円(累計 159億円)

・また、中小企業再生支援協議会(産業復興相談センター)の支援を受けて事業再生を図る被災中小企業者等に対して、旧債務(再生計

画等の対象となる債務)に係る利子の補てんを行うための基金を創設し(184億円)、その運営体制を整備。県の財団法人を経由して

中小企業者等に利子補給を実施。

助成対象件数 228件

助成金額 955百万円

(警戒区域等に設定された地域の賑わい回復支援)

○原子力発電所事故に伴い、警戒区域等に設定された福島県の12市町村を対象に、住民の帰還や賑わいの回復を通じて、地元中小企業の

活性化を図るための復興イベントを実施するために必要な経費を助成することとし、富岡町、南相馬市(小高区)、川内村において開催さ

れたイベントに対して助成を実施したことは評価できる。

Page 45: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

45

7.生産性向上を図るための事業活動等に係る債務保証の申込みについては、審査期間100日以内に諾否を決定する案件の割合を80%

とする目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○事業再構築円滑化等債務保証等について、中期計画目標を上回る審査機関100日内の諾否を決定する案件の割合にかかる目標を達成し

たことは高く評価できる。

・審査期間100日以内に諾否決定した案件の割合 100.0% [中期計画目標 80%以上]

・諾否決定件数 1社・1件

・平均審査期間 51日

・保証先数 1社、保証件数1件、保証額98百万円

○生産性向上を図るための事業活動等に係る債務保証については、金融機関等に対して情報提供を行うなど、制度の利用促進を図る。

審査については制度の政策目的を勘案しつつ的確に行うとともに、標準審査期間100日以内に諾否を決定する案件の割合を80%

以上とする。

(平成 25年度計画P55)

Page 46: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

46

2-4.サービスの質の向上(期限の定められている業務)

評定結果 B(法人の実績について、質・量の両面において中期計画を着実に達成)

20年度:B、21年度:B、22年度:B、23年度:B、24年度:B

評価のポイント

○26年3月までに機構設立時保有の63団地1,211haを全て譲渡し、532件の企業立地を実現し、目

標期限までに業務終了した。

○企業への譲渡による完売が困難と見込まれた団地について、所在地方公共団体へ一括譲渡の協議を実施し、

業務期限の定められた産業用地の全てを企業または地方公共団体等に譲渡(32団地486ha)。

1.中小企業基盤整備機構法(以下「機構法」という。)附則第5条及び附則第6条第3項に掲げる産業用地分譲等業務については、効率的

な分譲体制の確保、広範かつ多様な営業活動、企業ニーズを踏まえた分割整備や価格設定等の総合的な分譲促進策を講じることなどによ

り着実に分譲等を推進し、平成26年3月までに終了できたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○26年3月までに機構設立時保有の63団地1,211haを全て譲渡し、532件の企業立地を実現し、目標期限までに業務終了した。

○企業への譲渡による完売が困難と見込まれた団地について、所在地方公共団体へ一括譲渡の協議を実施し、業務期限の定められた産業用

地の全てを企業または地方公共団体等に譲渡(32団地486ha)。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○地方公共団体、関係機関等との連携をさらに強化し、これまで講じた分譲促進策に加え、災害に備えた事業所の新設・移転ニーズへ

の対応等、分譲促進策を通じて企業等への一層の分譲の促進を図るほか、必要に応じて抜本的対策を講じ、産業用地分譲業務等の円

滑な終了を図る。 (平成 25年度計画P65)

Page 47: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

47

3.業務運営の効率化

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:A、21年度:A、22年度:AA、23年度:AA、24年度:A

評価のポイント

一般管理費の削減、総人件費の削減、運営費交付金の削減等中期計画で定めた数値目標を大幅に上回り達成

したほか、真にやむを得ない随意契約を除く随意契約について、24年度に引き続き0件を達成するなど、業

務運営の効率化を図りつつ、補正予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工夫による地域本部独自

の取組み等により、質の高い支援を展開。また、理事長の強力なリーダーシップのもと、日本再興戦略や小規

模事業者への支援の重点化など国の政策展開に貢献する強化業務を定め、26年度から始まる第3期中期計画

に反映。販路支援部の新設など、組織体制を整備し、新たな政策展開に備えた取組に着手したことは高く評価

できる。

○一般管理費については、毎年度平均で前年度比3%以上削減することとしているが、21~25年度の5ヶ

年平均で4.3%の削減、24年度と比較して2.5%の削減を実現したことは高く評価できる。

○総人件費については、17年度と比較して25.2%の大幅な削減、24年度と比較して0.4%の削減を

実現したことは高く評価できる。

○給与水準の適正化と総人件費の削減に向けた自己改革の取組みにより、ラスパイレス指数を低減した点(0.

3ポイントの改善/24年度112.6→25年度112.3、地域・学歴勘案では0.6ポイントの改善

/24年度103.9→25年度103.3)については高く評価できる。

○運営費交付金を充当して行う業務経費(退職手当を除く)については、新規追加部分を除き毎年度平均で前

年度比1%以上削減することとしているが、21~25年度の5ヶ年平均で目標を大きく上回る6.0%の

削減、24年度と比較して1.1%の削減を実現したことは、高く評価できる。

○人員数については、24年度末時点の任期付職員等を含む常勤職員数759人に対し、25年度末時点で7

60人となり、引き続き人員の抑制に努めつつ、補正予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工

夫による地域本部独自の取組み等により、質の高い支援を実施したことは高く評価できる。

Page 48: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

48

○22年度策定の「随意契約見直し計画」に基づき、原則として全て一般競争入札等による調達を行った結果、

真にやむを得ない随意契約を除くその他の随意契約について、24年度に引き続き0件を達成するなどした

ことは高く評価できる。

○理事長の強力なリーダーシップのもと、日本再興戦略や小規模事業者への支援の重点化など国の政策展開に

貢献する強化業務を定め、26年度から始まる第3期中期計画に反映。販路支援部の新設など、組織体制を

整備し、新たな政策展開に備えた取組に着手したことは高く評価できる。

<総論>

1.一般管理費の削減目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○一般管理費については、以下の取組みを通じて、21年度~25年度の5ヶ年平均で目標を上回る4.3%の削減を実現したことは高く

評価できる(24年度比2.5%の削減)。

・法定外福利費の削減

宿舎制度の見直しにより、借上上限額の見直し、自己負担の増額等を行い、法定外福利費を大幅に削減。

(24年度比7.1%の削減。20年度比62.2%の削減)

・国家公務員の給与減額支給措置を踏まえた給与削減の実施。

・旅費の削減や法定外福利費の見直し等を継続するほか、公用車についても見直し。

・一般管理費(退職手当を除く)については、毎年度平均で前年度比3%以上削減する。

(平成 25年度計画P75)

Page 49: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

49

2.人件費の削減を図ったか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○総人件費については、17年度と比較して25.2%の大幅な削減、24年度と比較して0.4%の削減を実現したことは非常に高く評

価できる。

○給与水準の適正化と総人件費の削減に向けた以下の自己改革の取組みにより、ラスパイレス指数を低減した点(0.3ポイントの改善/

24年度112.6→25年度112.3、地域・学歴勘案では0.6ポイントの改善/24年度103.9→25年度103.3)に

ついては高く評価できる。

過年度実績/年齢勘案 21年度 121.2、22年度 112.5、 23年度 113.9、24年度 112.6

過年度実績/地域・学歴勘案 21年度 111.8、22年度 103.7、 23年度 104.9、24年度 103.9

(自己改革の取組み)

・常勤役員の地域付加額の適用率の据置、地域手当の適用率の自主的な抑制、広域異動手当導入の見送り、エリア限定職制度の継続、3

1歳以上38歳未満の昇給回復の見送りなど

○人員数については、24年度末の任期付職員等を含む常勤職員数759人に対し、25年度末760人となっており、引き続き人員の抑

制に努めつつ、補正予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工夫による地域本部独自の取組み等により、質の高い支援を実施

したことは高く評価できる。

・第二期中期目標期間中において120人の人員抑制(21年度期初の任期付き職員等を含む常勤職員数880人→25年度末760人)

過年度実績 21年度末 829人、22年度末 794人、23年度末 768人、24年度 759人

○総人件費については、引き続きその抑制に努める。

(平成 25年度計画P75)

<その他該当する目標等>

・【人員の抑制】(平成 25年度計画P96)

Page 50: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

50

3.運営費交付金の削減目標を達成したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○運営費交付金を充当して行う業務経費(退職手当を除く)については、新規追加部分を除き毎年度平均で前年度比1%以上削減すること

としているが、21~25年度の5ヶ年平均で目標を大きく上回る6.0%の削減、24年度と比較して1.1%の削減を実現したこと

は、高く評価できる。

4.現場重視の組織運営に努め、地域ニーズに対応した事業を展開したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○経費削減や人員抑制等の業務効率化を進めつつ、補正予算等への迅速な対応、地域ニーズに対応する創意工夫による地域本部独自の取組

み等により、質の高い支援を実施する一方、関係機関との連携強化を図りつつ既存事業についても質の高い支援を実現したことは高く評

価できる。

<機構をあげて緊急の課題に対応>

・仮設施設整備事業の推進にあたっては、引き続き市町村毎の担当チームを編成し、迅速な整備を実施。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○運営費交付金を充当して行う業務経費(退職手当を除く)については、新規追加部分及び一般勘定資産の国庫納付に伴って当該年度

に新規に運営費交付金で手当される部分を除き、毎年度平均で前年度比1%以上削減する。

(平成 25年度計画P75)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○現場重視の視点から、地域本部等に全職員の5割以上を重点的に配置(共済事業部門を除く)することなどにより、引き続き広域的

な実施体制を整備する。

また、各経済産業局、地方公共団体、地域支援機関等との地域におけるネットワークの中で、機構は、支援事例や支援ノウハウ等有

益な情報を提供することなどにより、これら関係機関との連携を強化し、中小企業に対する支援サービスの向上を図る。

(平成 25年度計画P66~67)

Page 51: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

51

○地域本部等に職員の5割以上を重点的に配置(共済事業部門を除く)し、現場を重視した事業運営を実施(地域本部人員配置率50.3%)

したことは高く評価できる。[中期計画目標 5割以上]

○前述の経費削減等による業務効率化を進めつつ、創意工夫による地域本部独自の事業展開や、関係機関との連携強化による地域本部独自

の支援体制の構築を通じて、地域ニーズに対し質の高い支援を実現したことは高く評価できる。

・近畿本部において、大阪府、大阪産業振興機構、東大阪市等と連携し、特徴ある技術を保有する中小企業と大手企業のマッチングにより

新たな市場開拓を目的とした「ものづくりキャラバン展示会」を実施。具体的には、大手企業との連携促進、効果的なマッチングを行う

ため、大手企業1社を対象にした中小企業の展示・商談会を実施。参加企業はクリエイションコア東大阪入居企業、近畿本部と連携して

いる支援機関の紹介企業の中から大企業1社のニーズ(技術課題等)にマッチした中小企業を事前に選抜。

5.コーディネート能力等に優れた人材の育成に取り組んだか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○職員の専門性の向上等を図るための仕組み(内部研修・研修派遣、内部人材キャリア形成マッチング制度等)を構築し、人材育成に積極

的に取り組んだことは高く評価できる。

・内部研修:研修テーマ数48テーマ、研修回数56回、受講者数延べ316人。

・研修派遣:中小企業診断士養成課程1人、省庁や外部研修機関が実施する新政策、会計事務、内部監査等専門分野の研修延べ51人

・内部人材キャリア形成マッチング制度:高度化事業における診断・助言や中小企業大学校における実習講師等、中小企業等と接する業務

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○職員の育成については、各階層に求められる役割を効果的に発揮するための階層別研修や各事業を円滑に遂行するために必要な専門

知識等を習得する内部研修のほか、中小企業診断士養成課程、外部機関や関係省庁が実施する研修等への派遣、通信教育など多様な

手段を講じて業務能力の開発に取り組む。また、利用者と直接接する部署へ配置するなど業務経験を積ませることにより、専門家活

用能力やプロジェクトコーディネート能力等の向上が図られるよう配慮する。さらに、民間を含む中小企業支援機関等との人事交流

等により様々な専門スキル等を持った多彩な人材を確保・育成する。

(平成 25年度計画P69)

<その他該当する目標等>

・【インキュベーションマネージャーのスキル向上等】(平成 25年度計画P70)

Page 52: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

52

に他部署の職員が参加。参加者数延べ14人、25.5人日。

・26年1月現在、資格保有者324人(中小企業診断士108人、宅地建物取引主任者70人、行政書士16人、税理士2人、一級建築

士3人、技術士7人、公認会計士試験合格者1人、社会保険労務士5人、ファイナンシャルプランナー(AFP)14人、ファイナンシ

ャルプランナー(CFP)5人、情報処理技術者32人、1級土木施工管理技士16人等)。

○インキュベーションマネージャーに対し企業サービスの質の向上を図るための研修、他のインキュベーション施設や支援機関との連携事

業等を通じて、各施設のインキュベーションマネージャーが有する情報や支援ノウハウを共有化したことは、評価できる。

6.適切な評価を踏まえた業務の改善と新たなニーズへの対応を図ったか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○以下のとおり事業の評価等を行い、業務の改善や事業の廃止等に取り組むとともに、緊急経済対策等政策課題への対応を中心とした新た

なニーズへ迅速に対応したことは高く評価できる。

・中小企業・小規模事業者向け海外展開支援(新規)、小規模事業者向け販路開拓等支援(新規)、創業促進補助金交付(拡充)、消費税転嫁

対策に係る講習会(拡充)、中小企業再生支援全国本部の体制増強(拡充)、認定支援機関が実施する中小企業・小規模事業者の経営改善

計画策定支援(継続)、経営者保証に依存しない資金調達等を希望する小規模事業者への支援(新規)等の実施を図るための体制を整備。

また、東日本大震災に係る復興支援業務について部門横断的な担当チームにより支援を継続。

・中小企業大学校については、今後実施すべき研修の内容、期間や規模について見直しを図り、平成26年度からの事業実施に向けて研修

計画を策定。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○中小企業者等と直接の接点となる部門が収集する施策利用者等の情報をもとに、「企画」、「実施」、「評価・検証」、「事業の再構築等」

による事業評価を適切に行う。評価に際しては、機構が提供するサービスの量を定量的に示す事業成果(アウトプット)に加え、企

業の成長を客観的に判断できる事業については、サービスの提供により生じた企業の業績等の事業効果(アウトカム)の観点からの

評価を行う。そのため、事業実施にあたっては、施策利用者である企業の業績等の収集に努める。

(平成 25年度計画P71)

<その他該当する目標等>

・【中小企業大学校の見直し】(平成 25年度計画P72)

・【事業効果の高い事業への重点化】(平成 25年度計画P73)

・【外部評価委員会】(平成 25年度計画P71)

Page 53: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

53

・企業及び中小企業支援担当者向け研修に係る業務のうち研修企画等に係るものを除いた業務並びに施設の運営等業務について、26年4

月から市場化テストによる民間委託を実施することとし、26年2月に民間競争入札を実施(東京校を除く)。

・東京校施設の売却等については、中小企業者や中小企業支援機関等のニーズ、利便性に配慮しつつ、処分に向けた検討を進めた結果、効

率性・利便性の向上、小規模事業者、支援機関等向け研修の充実や創業支援等新たな政策課題への対応の観点から、現東京校は長期研修

に重点化する一方、小規模事業者等向けの研修は都心部で賃貸施設を用いて実施(26年10月から研修開始予定)することにより、機

動的な研修体制を構築することとした。また、東京校施設の一部(宿泊棟)を創業支援施設に改修し、地域の創業拠点とすることとした

(26年10月から支援開始予定)。

・中心市街地商業活性化アドバイザー(商店街)派遣事業、商業活性化アドバイザー派遣事業を、25年度をもって廃止することを決定。

・事業の成果調査(専門家継続派遣事業、販路開拓コーディネート事業、新連携支援事業、ビジネスマッチング、ファンド出資事業、イン

キュベーション事業、中小企業大学校、高度化事業、地域資源活用支援事業、農商工連携支援事業等)として、利用者に対してアンケー

ト調査やヒアリング調査を行うなど、企業の業績、事業化の状況、マッチングの状況、事業の目標達成状況等の事業効果(アウトカム)

や支援事例を収集。

・外部評価委員会(ファンド出資事業、インキュベーション事業、中小企業大学校、市場化テスト、共済事業、J-Net21)を設置す

るなどして、事業実績の評価、今後の事業運営方針等について、客観的かつ幅広い視点から意見を求め、事業運営に反映。

7.その他業務運営の効率化を行ったか。また、受講料における受益者負担の妥当性・合理性を踏まえた取り組みを行っているか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○22年度策定の「随意契約見直し計画」に基づき、原則として全て一般競争入札等による調達を行った結果、随意契約によることが真に

やむを得ないものを除くその他の随意契約については、前年度に引き続き全廃を達成するなど着実に改善したことは高く評価できる。

過年度実績 21年度 22件(5.2億円)、22年度 6件(4.7億円)、23年度 2件(4.5億円)、24年度 0件(0.0億円)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○契約(少額随意契約を除く。以下同じ。)については、平成22年度に策定した「随意契約見直し計画」に基づき、随意契約によるこ

とが真にやむを得ないもの以外は、一般競争入札等(競争入札及び企画競争・公募。以下同じ。)によるものとする。

(平成 25年度計画P77)

<その他該当する目標等>

・【KPI】(平成 25年度計画P79)

・【自己収入の確保】(平成 25年度計画P79)

Page 54: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

54

・25年度震災復興のための仮設施設整備事業の工事契約については、被災事業者の事業再開の早期化に応えるため、前年度に引き続き、

主として緊急随意契約等により行い竣工までの時間短縮を図った。具体的には、特定業者間の見積競争方式、登録業者間の見積競争方式、

一般競争入札方式の3種類の方法を併用し、迅速かつ継続的な供給体制の確立に配慮しつつ、競争性、公平性の確保に努めた。

(参考)震災関連契約 37件、15.0億円 うち随意契約 33件、13.4億円

○21年度に導入したKPI(重要業績評価指標)について、適宜見直しを行い、事業進捗管理の最適化を図るとともに、全役員・全管理

職等が事業の進捗状況等を共有することにより組織全体として効率的かつ効果的に事業を推進したことは高く評価できる。

(受益者負担の妥当性・合理性を踏まえた取組みを行っているか。)

○自己収入の確保については、中小企業者等の負担に配慮しつつ各種研修の受講料の見直しを以下のとおり実施したことは高く評価できる。

・中小企業大学校の受講料について、中小企業診断士養成課程については民間の登録養成機関の受講料水準等を勘案し、23年度より段階

的に受講料を引き上げ(22年度115万円→25年度190万円)。ただし、国、都道府県、商工会、商工会議所等の職員については据

置。

・また、経営後継者研修については、22年度112.5万円→25年度120万円に引き上げ。

○「独立行政法人の事務・事業の見直し基本方針」に基づき措置すべき事項について着実に実施したことは高く評価できる。

○会計検査院により改善の処置を要求された事項について、所要の措置を講じ適切に対処したことは高く評価できる。

8.業務・システムの最適化【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○共済業務の業務・システム最適化については、以下のとおりマスタファイルの整備等の実施を開始したこととあわせ、その実施に伴う機

器導入一式の調達手続きに着手したことは評価できる。

・共済業務の業務・システムの最適化については、システムの安全性・信頼性の確保の観点から平成24年度に改定した最適化計画を

踏まえ、業務の効率化・合理化、利用者の利便性の維持・向上等に向けたシステム開発のためのマスタファイルの整備等を行う。

機構WANの業務・システムについては、平成24年度に完了した「機構WANの業務・システム最適化計画」を踏まえ、システム管

理機能の向上と業務の効率化を図るため、機器の更新等を行う。

(平成 25年度計画P80)

Page 55: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

55

・システムの安全性・信頼性の確保の観点から、24年度に改定した最適化計画を踏まえ、業務の効率化・合理化、利用者の利便性の維持・

向上等に向けたシステム開発に係る請負業務先を選定し、マスタファイル整備等の実施を開始。また、これに伴う機器導入一式の調達手

続きに着手。

○機構WANの業務・システムの最適化については、効率化や災害時への環境整備や機能の見直し等に向け、以下の取組みを実施したこと

は評価できる。

・システム管理機能の向上と効率化の一環として、業務用クライアントパソコン375台の更新、WAN二重化回線の更新及び災害用モバ

イル網の整備、グループウェア機能及びメール送受信機能の見直しと新規導入を実施。

9.内部統制【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○内部統制に係る取組みについては、理事長の強いリーダーシップのもと、以下のとおり着実に推進したことは高く評価できる。

・全部門を対象とした「業務リスクの洗出し及び対応状況調べ」を実施。頻度、影響度、組織目標達成への貢献度などの視点から、各部門

において最優先で対応するリスクを洗い出した上で、共有。併せて、措置未了のリスクについては、頻度・影響度の高いものから順次対

処を進めている。

・ファンド出資事業の審査プロセスにおいて、監査法人による現地調査を行うとともに、外部有識者からなる出資先候補評価委員会を開催

(10回/再生ファンドも含む)。出資提案を受けているファンド組成計画等について意見を聴取し、出資決定の参考とした。

・債務保証業務の審査プロセスにおいて、外部有識者からなる債務保証審査委員会を開催(2回)。保証案件の適否について意見を聴取し、

債務保証の決定の参考とした。

・内部監査に関しては、平成25年度内部監査計画策定に当たり、主務省検査指摘事項を重点監査項目として監査を実施。実施にあたって

は、被監査部門への事前ヒアリング後、内部監査チェックリストを策定し、当該チェックリストに基づく内部監査を実施。監査後には監

査結果説明会を開催し、「監査結果」に対する被監査部門の「事実及び問題認識」及び「改善方針」を求める等の対応を行い、その後のフ

ォローアップとして、監査指摘事項の対応状況をモニタリングして監査手続きの充実を図った。

○内部統制については、「内部統制に係る各業務リスクの洗出し及び対応状況調べ」を定期的に更新するとともに、それを基に組織横断

的に対応すべき項目を抽出・整理し、共有を図る。ファンド出資事業、共済制度の運営等の重要な業務については、引き続き外部有

識者等からなる評価委員会等の意見を聞きながら適切な業務運営を行うとともに、内部監査を適切に行う。

(平成 25年度計画P80)

Page 56: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

56

・情報セキュリティ監査計画に基づき、情報システム基盤センターに対する情報セキュリティ監査を実施。

・監査結果については、監査ごとに内部監査報告書を作成し四半期ごとに理事長に報告。

○マネジメント管理については、以下のとおり確立されており、高く評価できる。

・年度末に部門単位で次年度計画案(評価指標の設定を含む)を策定し、企画部が取りまとめの上、届出。

・四半期毎の損益状況把握により、損益状況の進捗状況の管理を徹底。

・全役員・全管理職等が損益状況や事業の進捗状況を共有することにより、組織全体としての業務改善や予算執行計画の見直し等を実施。

・この取組みに加え、事業の実績や成果調査の結果等を踏まえ、次年度以降の年度計画や予算等に反映。

○その他内部統制の強化として、企業倫理ホットラインの運用を継続するとともに、コンプライアンス研修の実施(5回)、Q&A形式に取

りまとめた事例集の配布等を通じてコンプライアンスについて役職員への周知徹底などを行っており、高く評価できる。

○事業継続に関するリスクへの対応について、①情報・通信システムの健全性の維持、②食料・飲料水、生活物資の備蓄、③安否確認シス

テム登録情報の充実に継続的に取組んだことは高く評価できる。

○決算処理にあたっては、あらかじめ監査日程の十分な確保及び期限の厳守、二重責任の原則の遵守、法令等の遵守等を明記した「決算処

理方針」を定め、役員会に報告するとともに、各部門長をはじめ担当職員へ周知徹底するなど、その取組みは高く評価できる。

○理事長等のマネジメントについては、以下のとおりリーダーシップが発揮できる環境が整備され、法人のミッションの役職員への周知徹

底、組織全体で取り組むべき重要な課題(リスク)の把握・対応、内部統制の現状把握・課題対応計画の作成等が行われており、高く評

価できる。

(リーダーシップを発揮できる環境整備)

・役員会要領に従い、理事長は定期的又は臨時に役員会を開催し、業務運営の基本方針に関する事項や中期計画及び年度計画に関する事項

等について、副理事長以下の役職員から報告を受けるとともに、機構の業務全般について指示できる体制を構築。また、機構の業務運営

の方針の決定、業務実績の評価、決算の状況把握等、機構の業務全般について理事長の意思を周知・徹底。

・理事長のリーダーシップのもと、日本再興戦略や小規模事業者への支援の重点化など国の政策展開に貢献する強化業務を定め、26年度

から始まる第3期中期計画に反映するとともに、その着実な実施のために組織体制を整備するなどの取組に着手。

・第3期中期計画を着実に実施していくため、理事長が担当役員及び地域本部長に対し、主要業務の目標達成のための具体的な取組みを中

心にヒアリング、意見交換を開始。

Page 57: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

57

・主に四半期毎に理事長以下監事を含む役員が出席する地域本部長会議を開催し、理事長が本部長への期待を伝えるとともに、地域本部の

活動状況報告を通じて地域本部の現状や抱える課題を把握、意見交換を行いながら解決や方針の方向性を提示。

・理事長の発意により、機構の認知度向上を図るため、動画共有サイト(YouTube)、SNS、フェイスブックを活用した広報活動

を実施。

・幹部職員の円滑な情報交換、事務所以外での情報収集を行うため、タブレット型情報端末を導入。

・本部及び地域本部の各拠点間の情報共有を円滑に行うため、双方向の機能性を従来よりも向上させたテレビ会議システムを導入。

(法人のミッションの役職員への周知徹底)

・機構のミッションの重要性や役割等については、TV会議システムを活用するなどして全役職員に伝達するととともに、イントラネット

や広報媒体の活用等により役職員に周知・徹底。

・今後の機構のあり方について本部全役職員との意見交換を行う「懇談会」を前年度より継続して開催し、機構のミッションや業務への取

組み姿勢等を伝達。

・26年7月に機構設立後10年の節目を迎えるに当たり、足元及び中長期の機構に対する経済社会からの要請を踏まえつつ、機構の組織

理念、業務内容、組織の基本構造、人材育成等のあるべき姿を構築することを目的として、26年4月に業務改善推進室の設置を決定し、

より一層の見直しを推進。

(組織全体で取り組むべき重要な課題(リスク)の把握・対応等、内部統制の現状把握・課題対応計画の作成)

・役員会議、地域本部長会議等を活用し課題を把握。組織全体として取り組むべき重要なリスクや新たな支援施策の実行に課題等があるも

のについては、要因分析等を行った上で、役員会や地域本部長会議等において担当役職員に指示を出し、対応。

・各地域本部において「お客様懇談会」を開催。理事長自らが出席し、支援先企業の経営者から支援ニーズを収集(地域本部5箇所、全5

回開催、47社出席)。その結果については、役員会で報告され、内部で情報共有するとともに、お客様の意見を参考に適宜業務改善を実

施。

・前述の役員会や地域本部長会議での役職員からの報告、「お客様懇談会」での利用者のニーズや意見の把握等を通じて、機構のミッション

や中期計画・年度計画の達成に阻害要因(リスク)がないか洗い出しを行い、組織全体として取り組むべき重要なリスクを把握。組織全

体として取り組むべき重要なリスクや中期計画・年度計画の進捗に遅れがあるものなどについては、要因分析等を行った上で、役員会や

地域本部長会議等において担当役職員に指示を出し、対応。

・機構内の情報共有化を促進するための部長級による情報連絡会議を開始。

・「業務リスクの洗出し及び対応状況調べ」、「自然災害等事業継続リスクに対する対応」等の取組みを推進。

・法令上必要な手続きの漏れを防止するため、全部門・地域本部を対象に、事務・事業の実施に係る法令手続きの実施状況を四半期毎に確

認することを継続。

Page 58: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

58

・内部監査に関しては、平成25年度内部監査計画策定に当たり、主務省検査指摘事項を重点監査項目として監査を実施。実施にあたって

は、被監査部門への事前ヒアリング後、内部監査チェックリストを策定し、当該チェックリストに基づく内部監査を実施。監査後には監

査結果説明会を開催し、「監査結果」に対する被監査部門の「事実及び問題認識」及び「改善方針」を求める等の対応を行い、その後のフ

ォローアップとして、監査指摘事項の対応状況をモニタリングして監査手続きの充実を図った。

・情報セキュリティ監査計画に基づき、情報システム基盤センターにする情報セキュリティ監査を実施。

○監事は、役員会・地域本部長会議等の重要な会議への出席や、理事長との意見交換の場等を通じて、理事長のマネジメント環境の整備に

ついて検証を実施するとともに、監事監査で把握した改善点等の法人の長への報告及び対応措置の確認を行うなどPDCAを着実に実行

しており、高く評価できる。

(監事からの指摘)

○25年度監事監査における監事からの指摘について、以下のとおりとなっており、今後とも適正化等に向けた引き続きの取組みを期待し

たいなどの意見が寄せられている。

・給与水準の状況については、24年度は前年度から低下しており、適正化に向けた取り組みを高く評価するところ。

・内部統制については、監査体制の整備が一部必要な面もあるものの、トップのリーダーシップのもとに対応しており、おおむね適切であ

ると認めるところ。

・随意契約の適正化を含めた入札・契約の状況については、外部有識者及び監事で構成する契約監視委員会において、随意契約の見直しの

取り組み、及び一者応札・応募の改善状況等について点検・評価を受けて、25年度の全契約のうち随意契約の占める割合は、随意契約

件数が減少したこともあり、件数及び金額ベースともに大幅に改善。

なお、一者応札・応募の状況については、一般競争における契約件数及び金額の割合は共にアップしており、引き続き一者応札・応募の

解消に向けての努力を期待。

(法人の長のマネジメントに留意した監事監査の実施、監事監査で把握した改善点等の法人の長等への報告)

・特に、理事長が21年度からに採り入れたKPIによる事業進捗管理と四半期損益状況把握や、トップとしてのメッセージを載せたイン

トラネットと広報媒体の活用等による役職員への機構のミッションの重要性や役割の周知徹底等、理事長のリーダーシップ発揮について

留意した監査を実施。監事監査で把握した改善点等について、理事長に報告。

・24年度監事監査報告書の対応確認事項としては、「独立行政法人の事務・事業見直しの基本方針」等に係る対応状況(随意契約の見直し、

人件費・管理運営の適正化)、内部統制に係る体制整備の取組状況(内部監査体制の整備、監事監査の実効性確保のための体制整備)、契

約、経営理念・業務内容・組織基本機能・人材育成に係る棚卸と改革、事務所のあり方、賃貸施設、23年度監事監査指摘事項に対する

評価について対応がなされているか確認。

Page 59: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

59

○自然災害等に関係するリスクへの対応について、以下のとおり取り組んでいることは高く評価できる。

・東日本大震災発生時の対応の経緯を踏まえ、①情報・通信システムの健全性の維持、②食料・飲料水、生活物資の備蓄、③安否確認シス

テム登録情報の充実を図った。

・災害による本部基幹サーバーにおけるデータの物理的ダメージを回避するため、近畿本部ファイルサーバとの同期により、データ保全体

制の維持を継続。

・BCPの一環として外部環境でのメール利用を可能とする機能の運用を継続。

10.業務改善のための役職員のイニシアティブ等についての評価

○理事長のイニシアティブにより、以下のとおり業務改善に取り組んでいることは高く評価できる。

・26年7月に機構設立後10年の節目を迎えるに当たり、足元及び中長期の機構に対する経済社会からの要請を踏まえつつ、機構の組織

理念、業務内容、組織の基本構造、人材育成等のあるべき姿を構築することを目的として、26年4月に業務改善推進室の設置を決定し、

より一層の見直しを推進。

Page 60: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

60

<契約・役職員の給与等に関する事項>

1.入札・契約の適正化【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

<「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」に基づき法人が行うこととされた点検及び見直し>

○入札・契約の適正化に係る取組みについては、以下のとおり適切に実施されており、高く評価できる。

・22年度策定の「随意契約見直し計画」に基づき、原則として全て一般競争入札等による調達を行った結果、随意契約によることが真に

やむを得ないものを除くその他の随意契約については、前年度に引き続き0件を達成。

・25年度震災復興のための仮設施設整備事業の工事契約については、被災事業者の事業再開の早期化に応えるため、前年度に引き続き、

主として緊急随意契約等により行い竣工までの時間短縮を図った。具体的には、特定業者間の見積競争方式、登録業者間の見積競争方式、

一般競争入札方式の3種類の方法を併用し、迅速かつ継続的な供給体制の確立に配慮しつつ、競争性、公平性の確保に努めた。

(参考)震災関連契約 37件、15.0億円 うち随意契約 33件、13.4億円

<公表の基準の整備状況・公表状況等>

○以下のとおり、公表の基準は整備されており、それに基づき適切に公表されていることは高く評価できる。

・「契約情報の公表に関する事務取扱」を整備済。同取扱に基づく契約締結情報等について、引き続き、適時適切にホームページに公表。

・「支出見直し計画」(21年6月策定)に基づき、引き続き公益法人への支出状況等をホームページに公表。

・契約事務に係る会計規程及び契約事務取扱要領はホームページに引き続き公表。

・多くの入札者の参加を促し競争性を確保するため、ホームページの入札情報については閲覧者の利便性に配慮しRSS方式で配信。1者

応札の可能性がある案件については、ホームページでの公表に加え、関連業界団体・業界紙等へ情報提供を行うなどの取組みを引き続き

実施。

・契約監視委員会における審議概要等について機構のホームページで公表。

○契約(少額随意契約を除く。以下同じ。)については、平成22年度に策定した「随意契約見直し計画」に基づき、随意契約によるこ

とが真にやむを得ないもの以外は、一般競争入札等(競争入札及び企画競争・公募。以下同じ。)によるものとする。

(平成 25年度計画P77)

Page 61: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

61

<規程類の整備状況・公表状況等>

○以下のとおり、規程類は整備されており、それに基づき適切に措置がなされていることは高く評価できる。

・契約事務に係る規程については、国に準じた規程等に基づき整備済。契約事務については、同規程等に基づき適正に執行。

・契約事務に係る会計規程及び契約事務取扱要領はホームページに引き続き公表。

・「支出見直し計画」(21年6月策定)に基づき、競争参加者拡大への取り組みとして引き続き、公告期間や提案書作成期間の十分な確保

を図った。

<審査体制の整備状況等の契約の適正実施確保に向けた取組状況】

○以下のとおり、審査体制は整備されており、契約の適正実施確保に向けて取り組んだことは高く評価できる。

・政府調達及び一定要件の契約事案等については、技術評価委員に外部有識者を登用するなど業者選定の適切性を確保。

・政府調達及び一定要件の契約事案については、調達手続きの適正化及び客観性を確保するため、契約担当理事のほか、副理事長、総務担

当理事、企画担当理事等を委員とする「入札・契約手続委員会」にて審議(17回開催)。主な観点として、前契約が1者応札・応募と

なった案件については、複数の応札者が見込めるかの観点から、公告期間の妥当性、入札参加資格の設定内容等の点検を行うとともに、

透明性の確保の観点から、総合評価方式における評価委員会の構成(外部有識者を複数設置するなど)を点検。

・情報システム開発等の専門性が高い調達については、情報システム部門の事前協議を、引き続き実施。

・随意契約による個別の工事の発注に際しては、複数の協力業者から見積り書の提出を受け、機構内に設置した4名の理事及び2名の部

長を委員とする「仮設工場等工事契約先決定委員会」で審議し業者選定を行う等、競争性、公平性の確保に努めており、業者選定に関す

る問題などは生じていないことを確認。

<契約の競争性・透明性確保に向けた取組状況>

○以下のとおり、契約の競争性・透明性確保に向けた取組みがおこなわれていることは高く評価できる。

・多くの入札者の参加を促し競争性を確保するため、ホームページの入札情報については、閲覧者の利便性に配慮しRSS方式で配信。

・1者応札の可能性がある案件については、ホームページでの公表に加え、関連業界団体・業界紙等へ情報提供を行うなどの取組みを引き

続き実施。また、業務内容及び業務量の明確化のため、工事や単純な入札案件を除き、調達内容に関する事前説明会を引き続き実施。

・次回の入札手続きの参考とするため、入札辞退届による辞退理由アンケートを実施。

・随意契約見直し方針を組織全体に反映する観点から、地域本部等において随意契約を予定する場合には、本部契約担当理事に事前協議す

Page 62: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

62

る仕組みを、引き続き実施。

・契約事務に係る各マニュアルの改正内容の周知や会計事務の適正化を図るため、契約実務マニュアルを随時改定し、地域本部等の契約担

当者を対象に説明会を開催。

・随意契約で再委託率が50%以上の契約はない。また、同一の業者と競争性のない随意契約を更新する場合は、更新内容の妥当性を検証。

<関係法人との契約の適切性・妥当性の検証等>

○以下のとおり、関係法人との契約は適切に行われていることは高く評価できる。

・関連会社(中小企業・地域シェアドサービス(株))との役務等の契約は、全て一般競争入札の競争性のある契約形態となっている。

<監事や外部審査委員会等の指摘事項等>

○以下のとおり、監事や外部監査委員会等の指摘事項等について、適切に対応がなされていることは高く評価できる。

・外部有識者(公認会計士、弁護士、学識経験者)及び監事を委員とする「契約監視委員会」では、24年度後半及び25年度前半の契約

のうち、1者応札案件を中心に点検。

・契約監視委員会の運営にあたっては、契約事務に直接携わらない監査統括室を委員会事務局とすることで、相互牽制機能を確保。

・会計検査院より改善の処置を要求された地域ファンド融資事業等に係る事項については、指摘の趣旨を踏まえ、必要とされる基金の規模

を把握するための指標を都道府県に示すなどして、都道府県が適時適切に基金の見直しを行えるよう所要の措置を講じた。

・入札・契約の適正な実施を図るため、25年度監査計画に基づき監事による監査を実施。

・監査法人監査により、法人レベルの内部統制評価の一環として、発注・検収・支払等の一連の事務プロセスの適正性や牽制機能等に関す

る点検を実施。

(監事からの指摘)

・随意契約の適正化を含めた入札・契約の状況については、外部有識者及び監事で構成する契約監視委員会において、随意契約の見直しの

取り組み及び一者応札・応募の改善状況等について点検・評価を受けて、25年度の全契約のうち随意契約の占める割合は、随意契約が

減少したこともあり、件数及び金額ベースともに大幅に改善。

Page 63: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

63

2.官民競争入札等の活用【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○「公共サービス改革基本方針」に基づき、以下のとおり民間競争入札を実施したことは高く評価できる。

・企業向け短期研修に係る業務及び施設の管理・運営業務について、民間競争入札による民間委託を実施。

(旭川校、直方校)事業実施期間:21年 4月1日~26年3月31日

(瀬戸校、関西校、広島校)事業実施期間:23年 7月1日~26年3月31日

(三条校、東京校、人吉校)事業実施期間:23年10月1日~26年3月31日

(仙台校)事業実施期間:24年 4月1日~26年3月31日

・企業向け長期研修及び中小企業支援担当者向け研修に係る業務のうち、研修企画等に係るものを除いた業務について、民間競争入札によ

る民間委託を実施。

(旭川校、仙台校、三条校、東京校、瀬戸校、関西校、広島校、直方校、人吉校)事業実施期間:25年4月1日~26年3月31日

・企業及び中小企業支援担当者向け研修に係る業務のうち研修企画等に係るものを除いた業務並びに施設の運営等業務について、26年4

月から市場化テストによる民間委託を実施することとし、26年2月に民間競争入札を実施(東京校を除く)。

○市場化テストによる民間委託で実施している研修業務や施設運営が適切に行われているかについて、受講者、関係者へのヒアリング調査

等を含むモニタリングや民間事業者から提出される報告(月次、四半期、年次)に基づき実施状況を把握し、改善点が生じた時はその都

度民間事業者と協議し対処したことは高く評価できる。また、3ヶ月毎の定例会議で民間事業者と協議し改善点について対応を要求した

ことは高く評価できる。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○中小企業大学校各校において、企業向け短期研修に係る業務及び施設の管理・運営業務並びに企業向け長期研修に係る業務のうち、

研修企画に係るものを除いた業務について、民間競争入札による民間委託を実施する。なお、民間委託により実施する業務が円滑に

実施されるようモニタリングを行うとともに、業務実施状況を把握し、業務実績評価を行う。

(平成 25年度計画P43)

Page 64: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

64

3.公益法人等に対する支出の適正化

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○公益法人等に対する会費支出について、その適正化・透明性を強化する観点から、25年度においても引き続き「独立行政法人が支出す

る会費の見直しについて」(平成24年3月23日行政改革実行本部)における公表対象となる会費支出をしていた3法人を含め、その必

要性を精査した結果、当該3法人のうち1法人については会費支出を行わないことを決定したことは高く評価できる。

○公益法人に対する支出については、以下のとおり適正に行われており、評価できる。

(単位:法人数、件数、千円)

区分 平成 24 年度 平成 25 年度

法人数 件数 金額 法人数 件数 金額

契約支出 競争入札 3 3 20,367 0 0 0

随意契約 1 1 753 1 1 4,592

契約以外の支出 3 15 742,560 2 7 3,296

合計 7 19 763,680 3 8 7,888

※25年度の随意契約1件については、契約の相手方を企画競争により選定した競争性のある随意契約

(参考)契約監視委員会の開催状況

<委員> (平成 26年 3月 31日時点)

井上 東 あずさ監査法人 パートナー

吉野 源太郎 日本経済研究センター 客員研究員

渡邉 惺 上野・浅野法律事務所 弁護士

中本 皓三 中小企業基盤整備機構 監事

大槻 一公男 中小企業基盤整備機構 監事

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○その他管理費についても、削減努力を行う。

(平成 25年度計画P77)

Page 65: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

65

<平成 25年度開催状況>

平成 25年 7月 25日 第1回

(概要)

・平成 24年度の契約概況等(契約実績概要、一者応札の推移、随意契約実績等)

・平成 24年度下半期(10月~3月)までの1者応札案件に係る自己点検について

平成 26年 1月 29日 第2回

(概要)

・平成 25年度上半期(4月~9月)の契約状況(契約概要、調達手続きの改善等)

・平成 25年度上半期(4月~9月)までの1者応札案件に係る自己点検について

Page 66: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

66

4.役職員の給与等の水準の適正化【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○国と比べて給与水準が高い(対国家公務員指数112.3、地域・学歴勘案103.3)ことについては、法人の性格を考慮してやむを

得ない。その上で、毎年度労使一丸となって給与水準の適正化と総人件費の削減に向けた自己改革の取組みにより、総人件費、ラスパイ

レス指数について削減を実現したことは高く評価できる。

○総人件費については、17年度と比較して25.2%の大幅な削減、24年度と比較して0.4%の削減を実現したことは高く評価でき

る。

○給与水準の適正化と総人件費の削減に向けた自己改革の取組みにより、ラスパイレス指数を低減した点(0.3ポイントの改善/24年

度112.6→25年度112.3、地域・学歴勘案では0.6ポイントの改善/24年度103.9→25年度103.3)について

は高く評価できる。

地域勘案 104.9ポイント / 学歴勘案 109.6ポイント / 地域・学歴勘案 103.3ポイント

[対国家公務員指数(112.3)が高い要因]

・全国的視点に立った施策を行うため、中期計画に従って職員の5割程度を地域本部に配置しているため、地方の給与水準より高い本部

採用・勤務職員を地方に配置することになり、機構全体の給与水準を押し上げていること。

・中小企業診断士(108人)等の有資格者も多く、大学卒以上の者の比率が国と比べると高いこと。

大学卒以上の構成比:国54.1%、機構80.0%

※国の大学卒以上の構成比については、25年国家公務員給与等実態調査より

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○給与水準についての検証を行い、これを維持する合理的な理由がない場合には必要な措置を講じることにより、給与水準の適正化に

取り組むとともに、その取組状況を公表する。

(平成 25年度計画P75~76)

<その他該当する目標等>

・【総人件費の抑制】(平成 25年度計画P75)

・【その他管理費の削減】(平成 25年度計画P77)

Page 67: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

67

○国からの財政支出規模、機構における業務の効率化(一般管理費の削減、運営費交付金事業費の削減、人件費の削減、職員数の削減)へ

の取組み等を勘案し、給与水準の適切性の検証を実施していることは、評価できる。

(検証例)

・繰越欠損金の主因としては、小規模企業共済事業の繰越欠損金が、中小機構発足時(16年7月)の会計処理基準の変更(簿価評価か

ら時価評価へ)により含み損が生じたことから積み上がったもの。小規模企業共済法の改正(16年)により、市場利回りに見合う予

定利率の見直し措置を実施したのをはじめ、21年度に、基本ポートフォリオの改正と繰越欠損金解消計画を策定し、引き続き、繰越

欠損金の縮小に努めている。

機構発足時点の繰越欠損金9,363億円から25年度決算時点で2,000億円と着実に繰越欠損金が減少。

・機構は、中小企業者に対し経営全般にわたる具体的な課題解決に資する助言、診断指導などを実施。また、商工会議所をはじめとする

中小企業支援機関に対する助言、指導なども実施。これらの業務は、高度な専門性を要するため、中小企業診断士などの有資格者が必

要であり、事業性の観点から、機構と同程度の規模、平均年齢等を勘案した民間コンサルティング会社との給与水準の比較においても

低い水準。

・中期計画期間内において、一般管理費(退職手当を除く)、運営費交付金を充当して行う業務経費(退職手当を除く)、総人件費の削減、

職員数の削減については以下のとおり取組みを実施。

一般管理費(退職手当を除く):21~25年度の5カ年平均4.3%の削減

運営費交付金を充当して行う事業(退職手当を除く):21~25年度の5カ年平均6.0%の削減

総人件費の削減:17年度比25.2%の削減

職員数の削減:21年度期初880人→25年度末760人

○給与水準の適正化とコスト削減に向けた自己改革の取組み

・給与水準の適正化とコスト削減に向けた自己改革の取組みについては、以下を実施済みであり、26年6月に公表予定(24年度の取

組みについては、25年6月に公表していることは、評価できる。

常勤役員の地域付加額の適用率を据置。

地域手当の適用率を自主的に抑制。

広域異動手当導入を見送り(18年度から継続)。

エリア限定職制度を継続(21年度創設)。

任期付職員制度を継続(22年度創設)。

31歳以上38歳未満の昇給回復の見送り。

・26年度においても、引き続き、地域手当の適用率の抑制、エリア限定職制度の継続など自己改革の取組みを継続することを決定。

Page 68: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

68

○総人件費の削減については、新規職員採用の抑制や給与水準の適正化等により、25年度は、17年度と比較して目標を大きく上回る2

5.2%の削減、24年度と比較して0.4%の削減をしたことは高く評価できる。

○レクリエーション経費については、既に国と同様の措置となるよう見直しを実施済みであり、宿舎制度の自主的な見直しにより、借上上

限額見直し、自己負担の増額等を行い、法定外福利費を大幅に削減(24年度比7.1%の削減、20年度比62.2%の削減)したこと

は高く評価できる。

○18年度以降、国の制度改正にかかわらず、地域手当の適用率の抑制(1級地(東京特別区)10%、国家公務員18%)、広域異動手当

導入の見送り(18年度から継続)、31歳以上38歳未満の昇給回復の見送りを行うなど自主的な改善の取組みを実施したことは高く評

価できる。

○独立行政法人における役職員の給与の見直しについて、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえた国の要請を受け、24年度から継続し

て引き下げを実施していることは評価できる。

○独立行政法人における役職員の退職手当の見直しについて、国家公務員の退職金の減額措置を踏まえた国の要請を受け、役員は4月から、

職員は6月からそれぞれ退職手当の引き下げを実施していることは評価できる。

(監事からの指摘)

○25年度監事監査において、給与水準の適正化に向けた取組みでは、地域手当率の据え置き等を引き続き実施しており、平成25年度の

給与水準(ラスパイレス指数)は、112.3(平成24年度比0.3ポイント減)同地域・学歴勘案103.3(同比0.6ポイント

減)となっており、今後とも適正化等に向けた引き続きの取組みを期待したいとの意見が寄せられている。

こうした点も踏まえ、26年度以降も総人件費の削減及び給与水準の適正化に係る自己改革を継続することとしており、評価できる。

Page 69: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

69

(参考)ラスパイレス指数の状況

<事務・技術職員>

対国家公務員(行政職(一)) 112.3

地域勘案 104.9

学歴勘案 109.6

地域・学歴勘案 103.3

(※)国の給与水準を 100 としたときの指数

(参考1)役員の報酬等の支給状況

http://www.smrj.go.jp/kikou/disclo/035509.html

(参考2)役員報酬・人事への業績反映の仕方

○独立行政法人中小企業基盤整備機構役員報酬規程(16年7月1日規定16第4号)第8条の規定に従い、業績給は、経済産業省独立行

政法人評価委員会の当該事業年度に係る業務の実績に関する評価の結果の通知を受けた日から起算して 1 か月を超えない範囲に、前年度

において在籍した常勤役員に対して支給する。

○「特殊法人整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)等に基づき、24年度業務実績評価結果を25年度役員報酬(業績給)

に反映。役員退職手当については、経済産業省独立行政法人評価委員会の意見聴取を行い決定。なお、経済産業省独立行政法人評価委員

会における24年度業務実績評価結果において、役員の異動につながる評価はなかった。

(参考3)役職員の給与決定に関し特筆すべき事項

○24年度に実施した人事評価制度(職員の業績・能力等を総合的に評価する制度)による評価結果について、25年度の職業の賞与及び

昇給の処置に反映。また、人事評価制度については、年間を通じて職員説明会を実施して、制度の適正な運営を推進。

Page 70: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

70

4.財務内容

評定結果 A(法人の実績について、質・量のどちらか一方において中期計画を超えて優れたパフォーマンスを実現)

20年度:C、21年度:B、22年度:B、23年度:A、24年度:A

評価のポイント

法人全体として、平成17年度に次いで高い水準となる2,823億円の当期総利益を計上(24年度当期

総利益 2,756億円)したことは高く評価できる。さらに、ファンド事業の出資金収益の計上、高度化事

業貸付金の不良債権の削減、両共済事業における掛金収入の増加など、財務内容の健全化に資する高い成果を

実現したことについては高く評価できる。

【一般勘定】

○高度化事業において、貸付金回収の強化を図るとともに、償還猶予先等に対してアドバイザー派遣、診断等

により経営改善計画策定や実行支援を実施するなど不良債権削減の取組みを実施。その結果、不良債権額を

前年度比54億円削減したことは高く評価できる。また、ファンド事業について出資金収益82億円を計上

したことは高く評価できる。

【小規模企業共済勘定】

○繰越欠損金削減計画に基づき安全かつ効率的な運用を実施し、運用利回りは4.28%(予定利率1.0%、

24年度4.56%)を確保し、繰越欠損金を2,621億円削減したことは高く評価できる。さらに運用

受託機関と四半期ごとにミーティングを行うとともに、22年度に策定した評価基準に基づき、運用受託機

関の運用状況について確認、的確に評価し、モニタリングを適切に実施していることを確認。

○共済契約者の在籍件数や平均掛金の増加等により、共済掛金収入が増加したことは高く評価できる(24年

度比+99億円)。

【中小企業倒産防止共済勘定】

○加入促進活動の結果、在籍件数や平均掛金が増加し、共済掛金収入が増加したことは高く評価できる(24

年度比+422億円、+30%)。

○金融資産については、全勘定においてその使途、保有の必要性の判断を行うとともに、会計検査院による指

摘等を踏まえ、4,515百万円を国庫返納したことについては高く評価できる。

Page 71: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

71

1.小規模企業共済制度においては、繰越欠損金削減計画に基づく「運用の基本方針」に沿って安全性と効率性に留意した資産運用を実施

したか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○繰越欠損金削減計画に基づき安全かつ効率的な運用を実施し、運用利回りは4.28%(予定利率1.0%、24年度4.56%)を確

保し、繰越欠損金を2,621億円削減したことは高く評価できる。

・当期総利益 2,621億円

・繰越欠損金 2,000億円(機構発足時9,363億円、繰越欠損金削減計画策定時9,903億円)

・運用の基本方針に基づき、共済制度を安定的に運営していく上で必要とされる収益を長期的に計上するため、共済金の支払いに必要な

流動性を十分に確保するとともに、安全かつ効率的な運用を行い繰越欠損金の削減に注力。

・外部有識者で構成する「資産運用委員会」による助言と評価を受け資産運用に反映させることとし、24年度の運用状況を6月開催の

資産運用委員会に報告し、適切な運用と評価を受けた。

・25年度の第3四半期までの運用状況を3月開催の資産運用委員会に報告、併せて、基本ポートフォリオの効率性について検証、効率

性が保たれていることを確認。

・運用機関と四半期ごとにミーティングを行うとともに、22年度に策定した評価基準に基づき、運用受託機関の運用状況について確認、

的確に評価し、モニタリングを適切に実施。

・運用状況の評価に基づき国内株式の運用受託機関構成の見直しを実施。

・資産運用状況に係る情報を積極的に公開(24年度資産運用の状況と評価、資産運用委員会の議事要旨等を機構ホームページに掲載)。

併せて、1月に加入者あてに運用状況を通知。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○小規模企業共済制度においては、基本ポートフォリオ(平成21年8月改定)、繰越欠損金削減計画(平成21年8月策定)、及び「運

用の基本方針」に沿って、安全性と効率性に留意した資産運用を実施することで、繰越欠損金の着実な縮減を図る。

また、外部有識者で構成する「資産運用委員会」による助言と評価を受け資産運用に反映させる。

さらに、資産運用受託機関の運用成績を的確に評価し、変更等必要な対応を適時行えるよう運用受託機関のモニタリングを確実に実

施する。

なお、共済制度の資産運用状況に係る情報は、インターネットや加入者広報誌等で積極的に公開する。

(平成 25年度計画84ページ)

Page 72: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

72

2.融資業務、出資業務等財務の健全性を確保すべき業務については、債権管理の徹底等を行うなど適切な措置を講じたか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

【一般勘定】

○高度化事業において、貸付金回収の強化を図るとともに、償還猶予先に対してアドバイザー派遣、診断等により経営改善計画策定や実行

支援を実施するなど不良債権削減の取組みを実施。その結果、不良債権額を前年度比54億円削減したことは高く評価できる。

○ファンド出資事業については、既存全ファンドの組合員集会への出席(157回)のほか、ガバナンスの強化のため投資委員会へのオブ

ザーバー参加や投資の事前検討会への参加(286回)、キーマンとの随時面談等を通じファンドごとのモニタリングシートを整備、運営

状況を適時・的確に把握を行うなど、ファンド運営状況に係るモニタリングを徹底。また、ファンドの決算資料より投資先企業の財務状

況等から企業の成長段階を把握し、必要に応じて地域本部の経営支援を行う部署と機構の支援ツールの活用について情報交換を行うなど

投資先企業への支援を実施したことは高く評価できる。

ファンド出資事業 出資金収益82億円を計上(※出資金収益87億円と出資金損失5億円の相殺額)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○高度化事業については、貸付先の経営状況等を確認・分析し、経営改善支援の対象者を重点化して、これらの者に対する経営改善計

画策定・実行支援、助言・診断、外部専門家の派遣を一体的に運用することにより、不良債権化防止のために早期に対策を講ずるよ

うに努める。

不良債権については、都道府県に対し、「都道府県の債権管理に関する対応指針」に沿った対応を促し、回収方針の共有化を図る。ま

た、都道府県に対する管理・回収の支援策として、債権管理研究会の開催、債権管理アドバイザー業務、調査・アドバイザリー業務

及び回収委託支援業務を引き続き推進する。

併せて、回収不能な債権について、償却を行うことにより、不良債権処理の促進を図る。

(平成 25年度計画87ページ)

<その他該当する目標等>

・【中小企業倒産防止共済勘定】(平成 25年度計画89ページ)

・【その他の勘定】(平成 25年度計画90ページ)

Page 73: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

73

【中小企業倒産防止共済勘定】

○中小企業倒産防止共済制度における共済金貸付回収業務については、延滞発生直後の早期督促、回収業務に関わる各種マニュアルの充実・

改訂、債権保全調査員への業績評価及び定期的なモニタリングの実施、職員及び債権保全調査員等への研修の実施等の回収向上を図るた

めの各種対策を継続的に実施し、累計回収率は85.3%と高水準を維持したことは高く評価できる。

【その他の勘定】

○施設整備等勘定、工業再配置等業務特別勘定、産炭地域経過業務特別勘定における土地割賦譲渡債権等の債権管理機能の強化を図るため、

本部及び地域本部が一体となってモニタリングを実施し、債務者情報や審査情報等を共有するなど、債権管理を強化。個別債務先の財務

内容を分析することなどにより状況に応じた適切な管理を実施するとともに、返済条件変更に係る運用指針に基づき、中長期的な資金収

支等の検証を行い、債権回収の最大化に注力したことは高く評価できる。

3.欠損金、剰余金の適正化【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○法人全体として、平成17年度に次いで高い水準となる2,823億円の当期総利益を計上(24年度当期総利益 2,756億円)し

たことは高く評価できる。

・当期総利益2,823億円

(主な要因)

当期総利益の大宗は、一般勘定(182億円)、小規模企業共済勘定(2,621億円)によるもの。

・一般勘定については、運営費交付金債務の精算収益化(109億円)、ファンド出資に係る出資金収益(82億円)。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○小規模企業共済制度においては、基本ポートフォリオ(平成21年8月改定)、繰越欠損金削減計画(平成21年8月策定)、及び「運

用の基本方針」に沿って、安全性と効率性に留意した資産運用を実施することで、繰越欠損金の着実な縮減を図る。

(平成 25年度計画87ページ)

<その他該当する目標等>

・【その他の勘定】(平成 25年度計画84~85ページ)

Page 74: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

74

・小規模企業共済勘定については、「運用の基本方針」に基づき、外部有識者からなる資産運用委員会の助言と評価を得て安全かつ効率的

な運用を実施。また委託先のモニタリング・評価等を実施。

・小規模企業共済・中小企業倒産防止共済については加入者の増加等により掛金収入が増加。

・運用利回りは4.28%とプラスを確保(予定利率1.0%)。

資産運用収入 3,417億円

・繰越欠損金 1,794億円(24年度 4,606億円)

(主な要因)

・繰越欠損金の大宗は、小規模企業共済勘定における繰越欠損金2,000億円

機構発足時に同勘定において9,363億円の繰越欠損金を承継したものであり、資産運用の基本方針に

基づき、外部有識者からなる資産運用委員会の助言と評価を得て繰越欠損金の削減に向けた取組みを着実に

実施。

○一般勘定

・当期総利益 182億円

・25年度末利益剰余金 274億円(うち前中期目標期間繰越積立金3億円)

(主な要因)

・ファンド出資事業に係る機構持ち分評価益の増加等による出資金収益の増(82億円)。

○産業基盤整備勘定

・当期総利益 10億円

・25年度末利益剰余金 18億円(うち前中期目標期間繰越積立金6億円)

○施設整備等勘定

・当期純損失 0.2億円

・25年度末繰越欠損金 184億円(機構発足時繰越欠損金221億円)

(主な要因)

・繰越欠損金については、機構発足時に承継した繰越欠損金が221億円と多額であったことが要因であるが、機構発足来37億円を解

消するなど、繰越欠損金の解消に向けた取組みを着実に実施。

(繰越欠損金の解消に向けた取組み)

Page 75: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

75

・繰越欠損金の解消に向けて、インキュベーション施設等の収益の増加、産業用地分譲の強化、アウトソーシング等の活用による管理等

コストの削減、債権管理の徹底による債権回収額の最大化の努力、関係会社の経営課題の解決に向けた支援を実施。

○小規模企業共済勘定

・当期総利益 2,621億円

(主な要因)

・共済契約者の平均掛金の増加により、共済掛金収入が増加(24年度比+99億円)。

・共済資金の運用にあたっては、「運用の基本方針」に基づき、外部有識者からなる資産運用委員会の助言と評価を得て安全かつ効率的な

運用を実施。また委託先のモニタリング・評価等を実施。この結果、運用利回りは4.28%とプラスを確保(予定利率1.0%)。

・繰越欠損金 2,000億円(機構発足時9,363億円、繰越欠損金削減計画策定時9,903億円)

(繰越欠損金の解消に向けた取組み)

・基本ポートフォリオ(平成21年8月改定)、繰越欠損金削減計画(平成21年8月策定)及び「運用の基本方針」に沿って、共済制度

を安定的に運営していく上で必要とされる収益を長期的に計上するため、共済金の支払いに必要な流動性を十分に確保するとともに、

安全かつ効率的な運用を行い繰越欠損金の削減に注力。

・外部有識者で構成する「資産運用委員会」による助言と評価を受け資産運用に反映させることとし、24年度の運用状況を6月開催の

資産運用委員会に報告し、適切な運用と評価。

・25年度の第3四半期までの運用状況を3月開催の資産運用委員会に報告、併せて、基本ポートフォリオの効率性について検証、効率

性が保たれていることを確認。

・運用機関と四半期ごとにミーティングを行うとともに、22年度に策定した評価基準に基づき、運用受託機関の運用状況について確認、

的確に評価し、モニタリングを適切に実施。

・資産運用状況に係る情報を積極的に公開(24年度資産運用の状況と評価、資産運用委員会の議事要旨等を機構ホームページに掲載)。

併せて、1月に加入者あてに運用状況を通知。

○中小企業倒産防止共済勘定

・当期総利益 1億円

・25年度末利益剰余金 7億円

○工業再配置等業務特別勘定

・当期総利益 7億円

・25年度末利益剰余金 105億円(うち前中期目標期間繰越積立金68億円)

Page 76: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

76

○産炭地域経過業務特別勘定

・当期総利益 -

・25年度末利益剰余金 -

○出資承継勘定

・当期総利益 2億円

・25年度末繰越欠損金 15億円(機構発足時15億円)

(主な要因)

・機構発足時に承継した繰越欠損金が15億円と多額であったことが要因。

(繰越欠損金解消に向けた取組み)

・繰越欠損金の解消に向けて、出資三セクについての経営状況の把握及び管理の徹底、出資先ベンチャー企業の株式処分に向けた交渉の

着実な実施、ファンド運営会社の事業活動の支援などを実施。

○事務・事業の見直しの基本方針や会計検査院等の指摘を踏まえ、不要財産の国庫納付を実施。

・第2種信用基金については、経過業務に係る債務保証残高の減少に応じて基金額の見直しを実施し、9月に15百万円を国庫納付。

・金融資産については、全勘定においてその使途、保有の必要性の判断を行うとともに、会計検査院による指摘等を踏まえ、国庫納付を

実施。

産業基盤整備勘定(経過業務)15百万円(9月)

一般勘定資産 45億円(3月)

4.運営費交付金債務残高の適正化【必須】

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○運営費交付金については、以下のとおり、過年度に交付された分も含め、業務運営状況に応じて適正に執行管理を実施していることは高

く評価できる。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○このほか、財務の健全性を確保するべき業務については、そのための必要な措置を講じる。

(平成 25年度計画90ページ)

Page 77: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

77

・運営費交付金については、過年度において一部事業支出の翌事業年度への繰越等により未執行となっていたものを含め業務運営状況に

応じて適正に執行管理を実施。25年度末に運営費交付金の執行残額(114億円、仮設施設未譲渡分を除く)については、協議が整

えば東日本大震災に係る復興支援事業に関する運営費交付金は第 3 期中期計画期間に繰越して引き続き復興支援事業を行う予定。残り

に関しては、国庫納付を予定。

・運営費交付金の執行率(対当初予算比率)<復興特別経理予算を除く>

法人合計 95.6%<108.8%>

うち一般勘定 92.3%<110.2%>

うち小規模企業共済勘定 101.3%

うち中小企業倒産防止共済勘定 118.0%

Page 78: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

78

5.保有資産の有効活用【必須】

(参考/保有資産)

(単位:千円)

名称 用途 種類 場所 帳簿金額 利用状況等 名称 用途 種類

土地 234,000 クリエイション・コアかずさ インキュベーション事業施設 建物

建物 133,147 建物

土地 465,000 土地

建物 132,990 建物

土地 569,000 土地

建物 142,366 建物

土地 210,000 土地

建物 116,822 インキュベーション・オン・キャンパス本庄早稲田 インキュベーション事業施設 建物

土地 484,627 かずさバイオインキュベータ インキュベーション事業施設 建物

建物 221,457 建物

土地

神戸医療機器開発センター インキュベーション事業施設 建物

建物

土地

浜松イノベーションキューブ インキュベーション事業施設 建物

神戸健康産業開発センター インキュベーション事業施設 建物

京大桂ベンチャープラザ(南館) インキュベーション事業施設 建物

ベンチャープラザ船橋 インキュベーション事業施設 建物

和光理研インキュベーションプラザ インキュベーション事業施設 建物

建物

土地

建物

土地

立命館大学BKCインキュベータ インキュベーション事業施設 建物

建物

土地

建物

土地

建物

土地

※建物には、建物、建物付属設備、構築物を含む。

インキュベーション事業施設

名古屋医工連携インキュベータ インキュベーション事業施設

福岡システムLSI総合開発センター

インキュベーション事業施設

京大桂ベンチャープラザ(北館) インキュベーション事業施設

東大柏ベンチャープラザ

インキュベーション事業施設

彩都バイオインキュベータ インキュベーション事業施設

クリエイション・コア京都御車

インキュベーション事業施設

クリエイション・コア東大阪(南館) インキュベーション事業施設

クリエイション・コア東大阪(北館)

インキュベーション事業施設

クリエイション・コア名古屋 インキュベーション事業施設

クリエイション・コア福岡

府中職員宿舎 東京都府中市

港北宿舎 神奈川県横浜市

職員用宿舎

職員用宿舎

職員用宿舎

職員用宿舎

職員用宿舎

旭が丘職員宿舎 東京都日野市

小金井職員宿舎 東京都小金井市

祖師谷職員宿舎 東京都世田谷区

宿舎供用中

宿舎供用中

宿舎供用中

宿舎供用中

宿舎供用中

Page 79: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

79

(単位:千円)

名称 用途 種類 場所 帳簿金額 利用状況等 名称 用途 種類

建物 325,849 土地

土地 135,829 建物

慶應藤沢イノベーションビレッジ インキュベーション事業施設 建物 神奈川県藤沢市 292,391 施設運営中 いちかわ情報プラザ 中心市街地活性化施設 建物

いしかわ大学連携インキュベータ インキュベーション事業施設 建物 石川県野々市市 534,257 施設運営中 土地

建物

土地

東工大横浜ベンチャープラザ インキュベーション事業施設 建物 神奈川県横浜市 656,681 施設運営中 建物

東北大学連携型ビジネスインキュベータ インキュベーション事業施設 建物 宮城県仙台市 499,428 施設運営中 土地

千葉大亥鼻イノベーションプラザ インキュベーション事業施設 建物 千葉県千葉市 545,184 施設運営中 建物

ながさき出島インキュベータ インキュベーション事業施設 建物 長崎県長崎市 321,196 施設運営中 土地

岡山大インキュベータ インキュベーション事業施設 建物 岡山県岡山市 356,342 施設運営中 建物

農工大・多摩小金井ベンチャーポート インキュベーション事業施設 建物 東京都小金井市 374,283 施設運営中 土地

北大ビジネススプリング インキュベーション事業施設 建物 北海道札幌市 355,582 施設運営中 建物

彩都バイオイノベーションセンター インキュベーション事業施設 建物 大阪府茨木市 516,492 施設運営中 土地

土地 343,296 建物

建物 116,247 土地

土地 357,604 建物

建物 125,274 土地

土地 161,238 建物

建物 102,751 土地

土地 399,550 建物

建物 113,263 土地

土地 292,314 建物

建物 95,021

土地 271,884

建物 140,514

土地 216,290

建物 152,471

土地 186,615

建物 139,507

三鷹産業プラザ 中心市街地活性化施設 東京都三鷹市 495,999 施設運営中※建物には、建物、建物付属設備、構築物を含む。

土地 127,920

建物 195,164

電算業務処理施設

研修施設

中小企業大学校人吉校 研修施設

研修施設

中小企業大学校広島校 研修施設

中小企業大学校瀬戸校 研修施設

研修施設

中小企業大学校三条校 研修施設

研修施設

中小企業大学校旭川校 研修施設

中心市街地活性化施設洲本アルチザンスクエア

中小企業大学校仙台校

中小企業大学校東京校

テクノフロンティア伊丹 賃貸工場施設 兵庫県伊丹市 施設運営中

テクノフロンティア岡山

中小企業大学校関西校

中小企業大学校直方校

事務管理センター

テクノフロンティア浜松 賃貸工場施設 静岡県浜松市 施設運営中

たじみ創造館 中心市街地活性化施設 岐阜県多治見市 施設運営中

テクノフロンティア八戸 賃貸工場施設 青森県八戸市 施設運営中

テクノフロンティア四日市 賃貸工場施設 三重県四日市市 施設運営中

賃貸工場施設 岡山県岡山市 施設運営中

熊本県合志市 施設運営中

テクノフロンティア東広島 賃貸工場施設 広島県東広島市 施設運営中

テクノフロンティア堺 賃貸工場施設 大阪府堺市 施設運営中

くまもと大学連携インキュベータ インキュベーション事業施設 熊本県熊本市 施設運営中

D-egg

(同志社大学連携型起業家育成施設)インキュベーション事業施設 建物 京都府京田辺市 453,411 施設運営中

テクノフロンティア熊本 賃貸工場施設

Page 80: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

80

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○事務・事業の見直しの基本方針等を踏まえ、試作開発型事業促進施設、インキュベーション施設、工業用水道施設などについて以下の措

置を講じたことは高く評価できる。

・試作開発型事業促進施設について、入居企業等への譲渡または地方公共団体等への移管に向けて、関係地方公共団体と協議中。

・インキュベーション施設について、将来的な地方公共団体等への施設及び事業の移管の観点から、運営期間が長い施設から移管等に向

けた地方公共団体等との協議を開始。

・田川工業用水道については、平成26年1月に福岡県と譲渡契約を締結し、3月に移管を完了。

・近畿本部について日本貿易振興機構大阪本部と同一ビルに入居(H26.1)。また、すでに同一ビルに入居している東北、沖縄に加え、

その他の事務所においても、会議室の相互利用の促進等を図っているところ(機構会議室39回、日本貿易振興機構会議室33回)。

○その他の実物資産等(中小企業大学校、中心市街地活性化施設等)

・中小企業大学校について、各大学校の施設活用状況を把握するとともに、事業用資産の見直し等を検討(大学校施設で研修を開校して

いた日数割合 79.9%(24年度80.6%))。

(各大学校の施設活用状況:校外研修等を除く)

旭川校 研修回数 76回、全受講者数1,539人、 4,413人日

(24年度 研修回数 73回、全受講者数1,501人、 3,837人日)

仙台校 研修回数 56回、全受講者数1,537人、 6,645人日

(24年度 研修回数 55回、全受講者数1,145人、 5,563人日)

三条校 研修回数 50回、全受講者数1,367人、 5,212人日

(24年度 研修回数 54回、全受講者数1,389人、 4,847人日)

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○地方事務所については、日本貿易振興機構との業務協力に関する合意書に基づき事務所間の連携を進めるとともに、中小企業の海外

進出に係る業務を総合的に支援する体制構築に向けた検討を行う。(平成 25年度計画 92ページ)

<その他該当する目標等>

・【試作開発型事業促進施設、田川工業用水道】(平成 25年度計画92~93ページ)

Page 81: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

81

東京校 研修回数137回、全受講者数4,812人、49,662人日

(24年度 研修回数119回、全受講者数4,106人、41,749人日)

瀬戸校 研修回数 53回、全受講者数1,263人、 5,957人日

(24年度 研修回数 48回、全受講者数1,207人、 5,724人日)

関西校 研修回数 65回、全受講者数1,949人、 10,128人日

(24年度 研修回数 58回、全受講者数1,776人、 8,714人日)

広島校 研修回数 69回、全受講者数1,824人、 8,050人日

(24年度 研修回数 72回、全受講者数1,887人、 8,713人日)

直方校 研修回数 81回、全受講者数1,528人、 5,374人日

(24年度 研修回数 82回、全受講者数1,697人、 5,924人日)

人吉校 研修回数 68回、全受講者数1,043人、 4,298人日

(24年度 研修回数 72回、全受講者数1,081人、 4,503人日)

・地域活性化や地域支援機関との連携強化を図るため、地域支援機関、中小企業等に研修の場を提供するとともに、地域団体に交流の場

を提供するなど、施設の有効活用を促進。

・東京校施設の売却等の処分については、宿泊を伴う長期研修の実施が困難なことに加え、施設の一部を売却することについても地元中

小企業団体等から強い反対があったため、施設売却を行わず有効活用する方策を経済産業省とともに検討。その対応として、①短期研

修は小規模事業者等の利便性向上のため都心にサテライト校を設置、②東京校は長期研修に重点化、③サテライト校への移転に伴って

不要となる宿泊施設にて先進的な創業促進事業を実施することに変更。

・受益者負担のあり方については、中小企業者等の負担に配慮しつつ各種研修の受講料の見直しを実施。

○中心市街地都市型産業基盤施設

・中心市街地活性化に資する施設については、適切な運営管理、積極的な活用を推進し、高い平均入居率を確保(年間平均入居率90.

9%)。

○その他

・中小企業者及び中小企業支援機関の支援を行うにあたり、現場重視の視点から全国に地域本部等を展開。事務所については、利用者の

利便性と効率性を勘案し、賃借にて設置。

○金融資産については、全勘定においてその使途、保有の必要性の判断を行うとともに、会計検査院による指摘等を踏まえ、国庫納付した

Page 82: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

82

ことは高く評価できる。

・産業基盤整備勘定(経過業務)15百万円(9月)

・一般勘定資産 45億円(3月)

○知的財産については、以下のとおり適切に管理されており、評価できる。

・商標権については、ロゴや制度の愛称(ジェグテック、経営セーフティ共済)等、利用者保護の観点から必要と判断したものについて

登録し管理。

○金融資産の運用については、以下のとおり適切に行われており、評価できる。

・独立行政法人通則法第47条の規定による余裕金の運用に当たっては、同法のほか当機構法、経済産業省告示及び当機構内規に従い、

その時々の金利情勢等を踏まえ、運用の安全性・確実性を確保し、決済資金及び事業資金における予定外の収入の落ち込みや資金需要

等に備えられるよう流動性を確保するとともに、収益稼得のための効率性・収益性をできるだけ確保することを基本方針とし、満期保

有を原則として運用。

運用計画については、年度初に運用総額等を定めた年間運用計画を作成し、必要に応じて運用計画の見直しを行い、理事長の決裁を得

て役員会に報告し、運用実績については、毎月担当理事に、四半期ごとに役員会に報告することにより資金運用体制に適切なガバナン

スが課されている。25年度においては、24年度に引き続き、被災中小企業施設・設備整備支援事業資金及び産業復興機構への出資

など東日本大震災の対応に係る資金需要について円滑に対応するとともに、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(22年

12月7日閣議決定)及び期中の運用環境や金利情勢の変化を踏まえた資金の運用を実施。

・25年度運用収入実績 26億円

Page 83: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

83

6.職員宿舎の見直し、また、「独立行政法人の職員宿舎の見直し計画」(平成24年4月3日行政改革実行本部 決定)等を踏まえ、職員

宿舎の有効活用・処分等の見直しに取り組んでいるか。

さらに、見直し実施計画で廃止等の方針が明らかにされている宿舎以外の宿舎及び職員の福利厚生を目的とした施設について、自主的

な見直しに取り組んでいるか。

【平成25年度の実績及び評価(評定がBとなる基準と異なる理由)】

○「独立行政法人の職員宿舎の見直しに関する実施計画」(平成24年12月14日公表)に示された方針に従い、現在の入居職員が退去次

第廃止することとした借り上げ宿舎(5宿舎)について、25年度末までに3宿舎を廃止したことは評価できる。

・所有宿舎(5宿舎)については、存置と所有宿舎近辺の借上げ宿舎への移行とのコスト比較を行ったところ、存置の方が経済的であるこ

とから、継続して使用することを決定(25年度利用率57%)。

○職員宿舎の廃止・集約化に係る計画(20年3月策定)に基づき職員宿舎の廃止、改修工事を実施した宿舎への集約化等の取り組みを継

続実施しており評価できる。

20年3月末時点:自己所有137戸、区分所有39戸

26年3月末時点:自己所有103戸(▲34戸)、区分所有0戸(▲39戸)

廃止宿舎数(所有):73戸(▲41.5%)

○また、宿舎制度の見直しにより、借上上限額見直し、自己負担の増額等を行い、宿舎に係る法定外福利費を大幅に削減(24年度比10.

0%の削減。20年度比63.0%の削減)したことは高く評価できる。

○福利厚生を目的とした施設については、平成23年度に処分済み。

【個々の評価事項について当該年度の評定がBとなる基準】

○職員宿舎の廃止・集約化に係る計画(平成20年3月策定)を踏まえ、八雲独身寮及び区分所有宿舎の売却を着実に実行する。

(平成 25年度計画P92)

Page 84: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

84

7.リスク管理債権の適正化

(平成25事業年度決算)

(単位:千円)

区分 期首残高 当期増減額 期末残高 摘要

【一般勘定】

事業貸付金 652,038,275 32,423,372 684,461,648

(貸倒懸念債権) 43,534,316 △ 264,843 43,269,472

(破産更生債権等) 51,767,561 △ 5,170,407 46,597,153

求償権

(破産更生債権等) 524,597 △ 126,402 398,195

助成金

(破産更生債権等) 1,810 △ 45 1,765

【産業基盤整備勘定】

求償権

(破産更生債権等) 2,681,028 △ 123,242 2,557,786

【施設整備等勘定】

割賦売掛金 1,303,145 29,740 1,332,885

(貸倒懸念債権) 73,668 △ 1,932 71,736

(破産更生債権等) 67,233 - 67,233

事業貸付金 660,363 △ 16,256 644,107

(貸倒懸念債権) 70,520 △ 1,800 68,720

(破産更生債権等) 589,843 △ 14,456 575,387

【中小企業倒産防止共済勘定】

事業貸付金 116,382,212 △ 12,678,028 103,704,183

(貸倒懸念債権) 21,737,250 △ 2,069,617 19,667,632

(破産更生債権等) 21,403,172 △ 1,975,025 19,428,147

【工業再配置等業務特別勘定】

割賦売掛金 5,345,005 △ 1,054,833 4,290,171

(貸倒懸念債権) 555,144 43,892 599,037

(破産更生債権等) 84,298 △ 16,242 68,055

【産炭地域経過業務特別勘定】

割賦売掛金 4,056,088 △ 619,850 3,436,237

(貸倒懸念債権) 167,497 27,270 194,767

(破産更生債権等) 697,222 △ 431,652 265,569

事業貸付金 2,753,703 △ 594,886 2,158,816

(貸倒懸念債権) 335,242 △ 54,340 280,902

(破産更生債権等) 1,937,965 △ 334,201 1,603,764

Page 85: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

85

■一般勘定

<高度化事業>

○都道府県と連携した不良債権処理

・「回収処理を進めていく先」として分類された先については、回収を促進するとともに、償却の要件となる担保物件の処分や連帯保証人

への資力調査・請求の加速化を都道府県に要請。

・都道府県の高度化担当者を対象として研究会(高度化資金債権管理研究会2回)を開催し、債権管理・回収に関する知識の向上を支援。

○都道府県に対する債権管理、債権回収に係る支援策の拡充

・債権管理アドバイザーを本部及び地域本部に33人配置し、都道府県に対して債権管理・回収に関するアドバイスを実施。

・債権回収会社を活用した個別案件の調査・アドバイザリー業務を14道府県で、29件実施。担保・連帯保証人の状況調査、回収の可

能性・可能額の算定等を行い、都道府県の債権管理回収方針の策定を支援。

・債権回収会社を活用して個別案件の債権回収を行う回収委託支援業務を実施(7県、27件)。

○確実な貸付審査の実施

・現地支援等を積極的に行うとともに、都道府県との連携を密にし、計画初期段階から事業計画の内容を把握することなどにより確実な

審査を実施。

○不良債権処理の推進

・回収処理の着実な実行のほか、回収不可能な債権については適切な償却を実施し、不良債権を処理。

回収による不良債権の削減額 33億円

償却額 56億円

・これらの取組みなどにより

25年度末不良債権額 899億円(24年度末から54億円の削減)

うち破産更生債権等 466億円(24年度末から52億円の削減)

・貸倒引当金繰入額 6億円

<債務保証(繊維)>

・回収の難易度に応じた求償権の効率的な管理と、状況に応じた回収交渉を実施(25年度回収実績0.04億円)。

・償却額 1.2億円

・求償権残高 4.0億円(貸倒引当金 ▲3.9億円)

Page 86: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

86

■産業基盤整備勘定

<債務保証業務>

・新規保証先については、確実な審査を実施し、保証後は業況に応じ適切な管理を実施。

機構設立以降の新規保証:88件/134億円(代位弁済はなし)

・既往債務保証先については、自己査定を実施し、信用リスク管理を充実させた。

・約定返済を開始していない据置先については3カ月毎にモニタリングを実施。

・延滞・条件変更先及び業況悪化先については、貸付金融機関と連携し、状況の把握に努め、経営の改善を促し、業況に応じた層別管理

を施した。

・回収の難易度に応じた求償権の効率的な管理を実施。回収を推進するため、債権管理・回収の専門的知識と経験を有する専門員を活用

し、管理回収を促進。また、実地調査により求償先の状況を的確に把握し、状況に応じた回収交渉を促進(25年度回収実績0.1億

円、求償権償却は2件、1.1億円)。

・債務保証料収入 0.3億円

・求償権残高 26億円

■施設整備等勘定

<土地割賦譲渡債権及び貸付債権>

・本部及び地域本部が一体となってモニタリングを実施し、債務者情報や審査情報等を共有するなど、債権管理を強化。

・個別債務先の財務内容を分析することなどにより状況に応じた適切な管理を実施するとともに、返済条件変更に係る運用指針に基づき、

中長期的な資金収支等の検証を行い、債権回収の最大化に注力。

・土地割賦譲渡債権等回収額 3億円

・土地割賦譲渡債権等残高 20億円(貸倒引当金▲7億円)、うち破産更生債権等6億円(貸倒引当金▲6億円)

■中小企業倒産防止共済勘定

・中小企業倒産防止共済制度における共済金貸付回収業務については、延滞発生直後の早期督促、回収業務に関わる各種マニュアルの充

実・改訂、債権保全調査員への業績評価及び定期的なモニタリングの実施、職員及び債権保全調査員等への研修の実施等の回収向上を

図るための各種対策を継続的に実施し、累計回収率は85.3%と高水準を維持。回収を進めるにあたっては、制度運営に支障を来す

ことのないよう、着実な回収に取り組むと同時に、債務者の経営環境にも配慮し、個別にきめ細かく対応するよう留意。

(累計回収率の推移:19年度85.1%、20年度85.2%、21年度85.3%、22年度85.3%、23年度85.3%、2

4年度85.3%)

・債権保全調査員の回収活動に関わるモニタリングを実施(調査報告書に基づいて債権管理回収役による進捗状況の精査と指導)。

Page 87: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

87

・支払督促や仮差押等の法対応の迅速化及び償却の促進。

・25年度末事業貸付金残高 843億円 (貸倒引当金 ▲125億円)

・25年度末破産更生債権等 194億円 (貸倒引当金 ▲194億円)

・25年度貸倒引当金戻入益 6億円

■工業再配置等業務特別勘定

<土地割賦譲渡債権管理>

・本部及び地域本部が一体となってモニタリングを実施し、債務者情報や審査情報等を共有するなど、債権管理を強化。

・個別債務先の財務内容を分析することなどにより状況に応じた適切な管理を実施するとともに、返済条件変更に係る運用指針に基づき、

中長期的な資金収支等の検証を行い、債権回収の最大化に注力(再掲)。

・土地割賦譲渡債権回収額 20億円 うち、破綻先の完済2件

・土地割賦譲渡債権残高43億円(貸倒引当金▲3億円) うち、破産更生債権等0.7億円(貸倒引当金▲0.4億円)

■産炭地域経過業務特別勘定

<土地割賦債権及び貸付債権>

・本部及び地域本部が一体となってモニタリングを実施し、債務者情報や審査情報等を共有するなど、債権管理を強化。

・個別債務先の財務内容を分析することなどにより状況に応じた適切な管理を実施するとともに、返済条件変更に係る運用指針に基づき、

中長期的な資金収支等の検証を行い、債権回収の最大化に注力(再掲)。

・土地割賦譲渡債権等回収額 9億円

・回収不可能な債権については適切な償却を実施し、不良債権を処理 6億円

・土地割賦譲渡債権等残高56億円(貸倒引当金▲12億円)、うち破産更生債権等19億円(貸倒引当金▲9億円)

Page 88: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

88

8.年金、基金、共済等の事業運営のための資金運用の適正化

・運用の基本方針に基づき、共済制度を安定的に運営していく上で必要とされる収益を長期的に計上するため、共済金の支払いに必要な

流動性を十分に確保するとともに、安全かつ効率的な運用を行い繰越欠損金の削減に注力。

・24年度の運用状況を6月開催の資産運用委員会に報告し、適切な運用と評価を受けた。

・25年度の第3四半期までの運用状況を3月開催の資産運用委員会に報告、併せて、基本ポートフォリオの効率性について検証、効率

性が保たれていることを確認。

・運用機関と四半期ごとにミーティングを行うとともに、22年度に策定した評価基準に基づき、運用受託機関の運用状況について確認、

的確に評価し、モニタリングを適切に実施。

・運用状況の評価に基づき国内株式の運用受託機関構成の見直しを実施。

・資産運用状況に係る情報を積極的に公開(24年度資産運用の状況と評価、資産運用委員会の議事要旨等を機構ホームページに掲載)。

併せて、1月に加入者あてに運用状況を通知。

・運用利回り 25年度 4.28% (24年度 4.56%)

・当期総利益 2,621億円

・繰越欠損金 25年度 2,000億円(24年度 4,621億円)[機構発足時 9,363億円]

9.関連法人について

・機構が株式を保有する第三セクターについては、25年度期首時点では94社、25年度期末時点では94社。

・株主総会への出席や、決算時及び日常的なヒアリングを通じて、経営状況を適切に把握するとともに、事業の政策的意義、地域経済へ

の諸影響に留意しつつ、業務の改善を求めるなど、株主としての権利を活用して適切に対処している。

・地方公共団体等との情報交換や協議は本部担当部と地域本部等とで75社に対して延べ206回実施。経営改善等協議を行ったものは

60社で延べ96回。

Page 89: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

89

<貸借対照表(B/S)> 特筆すべき事項

○流動資産は、4,993,216百万円で前事業年度末(5,422,345百万円)

に比べて 429,129百万円の減。

その主な要因は、現金担保付債権貸借取引において運用稼働率が低

下したことにより、貸付有価証券担保預り運用資産が、対前事業年

度比 424,053百万円の減となったことによるもの。

○固定資産は 6,451,041百万円で、前事業年度末(5,985,442百万円)

に比べ 465,599百万円の増。

その主な要因は、満期保有目的債券の新規購入額の増加等により、

投資有価証券が、対前事業年度比 469,781百万円の増となったこと

によるもの。

○運営費交付金については、過年度において一部事業支出の翌事業年

度への繰越等により未執行となっていたものを含め業務運営状況

に応じて適正に執行管理を実施。25年度末に運営費交付金の執行

残額(114億円、仮設施設未譲渡分を除く)については、協議が

整えば東日本大震災に係る復興支援事業に関する運営費交付金は

第 3期中期計画期間に繰越して引き続き復興支援事業を行う予定。

残りに関しては、国庫納付を予定。

・運営費交付金の執行率(対当初予算比率)<復興特別経理予算を除

く>

法人合計 95.6%<108.8%>

うち一般勘定 92.3%<110.2%>

うち小規模企業共済勘定 101.3%

うち中小企業倒産防止共済勘定 118.0%

(単位:百万円)

貸借対照表(B/S) H26.3.31現在 H25.3.31現在

流動資産 4,993,216 5,422,345

 うち事業貸付金 1,107,028 1,094,531

 うち販売用不動産 1,245 6,631

 うち信託資産 1,712,271 1,678,943

 うち特定事業者復興支援施設 - 6,564

 うち貸付有価証券担保預り運用資産 869,445 1,293,499

固定資産 6,451,041 5,985,442

 有形固定資産 48,010 51,446

 無形固定資産 2,326 1,443

 投資その他の資産 6,400,704 5,932,552  うち長期性預金 2,000 7,300  うち投資有価証券 6,037,637 5,567,856  うち関係会社株式 39,018 39,564  うち破産更生債権等 71,612 79,819  うち生命保険資産 313,466 308,684

資産合計 11,444,257 11,407,788

 流動負債 1,026,882 1,493,357

 固定負債 9,414,046 9,189,818  うち責任準備金 8,517,574 8,474,483

 法令に基づく引当金等 79,737 77,903

負債合計 10,520,665 10,761,078

資本金 1,110,976 1,114,490

資本剰余金 △ 8,025 △ 7,210

利益剰余金/繰越欠損金 △ 179,358 △ 460,570

 うち当期総利益/総損失 (282,316) (275,600)

純資産合計 923,592 646,709

負債純資産合計 11,444,257 11,407,788

※単位未満を切り捨てており、各欄の合計値と表示の合計が一致しない場合があります。

Page 90: 独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成25年度業務実績評価 · 2018-11-01 · J-Net21を活用した施策情報の提供については、毎日、中小企業支援関連

90

<損益計算書(P/L)>

特筆すべき事項

○経常費用は 866,225 百万円で、前事業年度(849,314 百万円)に比

べ 16,911百万円の増。

その主な要因は、①事業の廃止等共済事由発生により支払いが生じ

る共済金の増(対前事業年度比 58,617百万円)、②数理計算に基づ

く要積立額の増加による責任準備金の増(対前事業年度比 43,092

百万円)、③在籍件数等の増加による倒産防止共済基金繰入の増(対

前事業年度比 38,032百万円)、④小規模事業者活性化基盤整備事業

等の助成金の増(対前事業年度比 2,469百万円)等によるもの。

○経常収益は 1,149,936 百万円で、前事業年度(1,124,541 百万円)

に比べ 25,395百万円の増。

その主な要因は、①責任準備金の増加により責任準備金戻入益が計

上されないことによる減(対前事業年度比△29,944百万円)、②共

済契約者や平均掛金額の増加等による共済事業掛金等収入の増(対

前事業年度比 52,034百万円)、③ファンド出資事業に係る機構の持

分評価益である出資金収益の増(対前事業年度比 3,773百万円)等

によるもの。

○臨時損益は△ 2,452百万円で、前事業年度(△4,461百万円)に比

べ 2,009百万円の増。

その主な要因は、完済手当金準備基金繰入の減(対前事業年度比

4,204百万円)等によるもの。

(単位:百万円)

損益計算書(P/L) H25.4.1~H26.3.31 H24.4.1~H25.3.31

 新事業支援業務費 7,843 6,417

 経営基盤強化業務費 14,913 12,146

 受託業務費 33 36

 経営環境対応業務費(再生等) 13,217 21,327

 経営環境対応業務費(共済) 819,887 797,045

 産業用地業務費 5,743 7,468

 一般管理費 4,552 4,827

 財務費用 31 41

 その他 1 3

経常費用 866,225 849,314

 運営費交付金収益 39,356 36,938

 補助金等収益 9,088 3,901

 貸付金利息収入 8,385 8,194

 出資金収益 8,863 5,090

 指導研修事業収入 1,063 976

 共済事業掛金等収入 722,824 670,790

 資産運用収入 344,229 354,745

 雑収入 1,745 1,839

 不動産関係事業収入 8,795 6,314

 受託収入 103 79

 債務保証料収入 34 40

 財源措置予定額収益 683 615

 責任準備金戻入益 - 29,943

 支払備金戻入益 1,170 1,798

 財務収益 2,667 2,827

 雑益 345 143

 その他の収益 579 302

経常収益 1,149,936 1,124,541

経常利益/損失 283,711 275,226

臨時損益 △ 2,452 △ 4,461 うち完済手当金準備基金繰入 △ 2,336 △ 6,540 うち固定資産売却除却損 △ 2,308 0 うち販売用不動産譲渡損 △ 972 - うち国庫納付金 - △ 990 うち投資有価証券売却損 - △ 804 うち貸倒引当金戻入益 1,097 3,236 うち保証債務損失引当金戻入益 678 - うち退職給付引当金戻入益 680 - うち異常危険準備基金戻入益 502 651

前中期目標期間繰越積立金取崩額 1,104 4,886

当期総利益/総損失 282,316 275,600

※単位未満を切り捨てており、各欄の合計値と表示の合計が一致しない場合があります。