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1 知能メカトロシステム研究室 Yamamoto & Yamada lab 研究内容 ものづくり自動化をめざす知能システム or 組立ロボットの研究 教授:山本秀彦, 教授:山田貴孝 連絡先 岐阜大学 工学部 機械工学科 [email protected] Tel: 058-293-2550 http://www1.gifu-u.ac.jp/~yamlab/index.html Yamamoto Lab 人工知能やIoTを用いた生産技術の最適化 A.組⽴セル⽣産の部品位置決定システム VACSシステム B. ⾃動⾞組み⽴てラインの ピッキング作業現場の部品配置最適化 VAPERシステム C.⾃動組⽴機械の最適設計⽀援 UNARMシステム D. IoT生産によるFMSへの応用 (Industry 4.0) EIoT生産によるジョブショップ生産ラインへの応用 Yamamoto Lab Gifu Univ. 3 A. 組立セル生産の 部品配置決定システム VACS Virtual Assembly Cell-production SystemYamamoto Lab Gifu Univ. 組み立てセル生産ライン S1 assembly table S5 S3 S2 S4 []オペレータの周りに組み付け部品 [2] オペレータはテーブル上で組み付ける [3] 製品によって組み付け部品が異なる [4] 製品の組み立て比率が異なる [5] 部品の大小により,片手持ち,両手持ちがる 4 Yamamoto Lab Gifu Univ. パソコン組み立てセル生産ライン assembly table A C D E B R Q P O N M F G H I J K L Yamamoto Lab Gifu Univ. 1.仮生産ラインを製図(作成) by ヴァーチャルシステムGP4CAD VACSの手順 ・セル生産ライン ・組み立て机 ・棚 6 CAD GP4 ・部品を組み込んだ製品図

組み立てセル生産ライン A. 組立セル生産の 部品配置決定 ... · 2018-01-10 · ピッキング作業現場の部品配置最適化 →VAPERシステム C.⾃動組⽴機械の最適設計⽀援

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知能メカトロシステム研究室

Yamamoto & Yamada lab

研究内容 ものづくり自動化をめざす知能システム or 組立ロボットの研究教授:山本秀彦,教授:山田貴孝

連絡

先岐

阜大

学工

学部

機械

工学

科ya

m-h

@gi

fu-u

.ac.

jpTe

l: 05

8-29

3-25

50ht

tp://

ww

w1.

gifu

-u.a

c.jp

/~ya

mla

b/in

dex.

htm

l

Yamamoto LabGifu Univ.

2

人工知能やIoTを用いた生産技術の最適化

A.組⽴セル⽣産の部品位置決定システム

→VACSシステム

B. ⾃動⾞組み⽴てラインの

ピッキング作業現場の部品配置最適化

→VAPERシステム

C.⾃動組⽴機械の最適設計⽀援

→UNARMシステム

D. IoT生産によるFMSへの応用 (Industry 4.0)

E.IoT生産によるジョブショップ生産ラインへの応用

Yamamoto LabGifu Univ.

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A. 組立セル生産の

部品配置決定システム

VACS(Virtual Assembly Cell-production System)

Yamamoto LabGifu Univ.

組み立てセル生産ライン

S1assembly table

S5 S3

S2

S4

[1]オペレータの周りに組み付け部品[2] オペレータはテーブル上で組み付ける[3] 製品によって組み付け部品が異なる[4] 製品の組み立て比率が異なる[5] 部品の大小により,片手持ち,両手持ちがる

4

Yamamoto LabGifu Univ.

パソコン組み立てセル生産ライン

5

assemblytable

A

C

D

E

B

R

Q

P

O

N

M

F G H I J K L

Yamamoto LabGifu Univ.

1.仮生産ラインを製図(作成)by ヴァーチャルシステムGP4+CAD

VACSの手順

・セル生産ライン・組み立て机・棚

6

CAD

GP4

・部品を組み込んだ製品図

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Yamamoto LabGifu Univ.

遺伝アルゴリズム(GA)を用いて部品配置を決定

GA 条件

・100 個体/世代・ルーレット選択で交叉する1ペア個体を選ぶ・適応度 オペレータの移動距離

(the smaller the distance, the better the fitness)・上位5個体は次世代に残す(エリート戦略)

7

Yamamoto LabGifu Univ.

1.50E-06

1.60E-06

1.70E-06

1.80E-06

1.90E-06

2.00E-06

2.10E-06

2.20E-06

0 50 100 150 200

Generations

Fitness

Average fitness

Best fitness

適応度カーブの例

8

歩⾏数の少ない度合い

Yamamoto LabGifu Univ.

Locations Parts Parts number

A motor 80

B case 80

C case fan 35

D card reader 49

E sound card 46

F TV tuner 13

G other card 31

H capture board 21

I LAN card 35

J other options 8

K FD drive 18

L CPU fan 15

M CPU 82

N memory 169

O hard disk 126

P mother board 80

Q video card 76

R CD/DVD 82

最高適応度の部品配置

この配置をV-m

odule

へ転送

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One shot of highest fitness layout

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B.⾃動⾞組み⽴てラインのピッキング作業現場の部品配置最適化

VAPER(Virtual Assembly Picking Evaluation for Racks)

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特徴

難しい点

作業者が注文票に基づいて、棚から部品を取り出す作業

・ 組立ラインと連動しているピッキング

・ 多品種部品がある

→使用頻度が高い部品と低い部品が生まれる

ピッキング作業

→VAPERシステムを用い、良い部品配置の決定

・ 使用頻度の高い部品を、どの棚に配置するか?使用頻度の低い部品を、どの棚に配置するか?

組立ライン

素早く部品を取得して、搬入

必要な部品を注文

台車

このサイクルを何度も行う

オペレータ

組⽴ステーション

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Yamamoto LabGifu Univ.

VAPER のできること

工場計画(設計)段階にピッキング作業の良い部品配置決定を行う。

歩行距離と、上下屈伸運動などの作業難易度を評価して部品配置決定。

決定した部品配置を、仮想空間上で見える化。

Yamamoto LabGifu Univ.

VAPERの応用例

・ある企業で行われている、ハイエース組立ライン・ピッキング作業にVAPERを応用

組立ライン組立ライン

ピッキング作業場ピッキング作業場

注文注文

図2.ハイエース組立の生産現場

搬入搬入

Yamamoto LabGifu Univ.

ヴァーチャル工場作成ピッキング作業場を作成 部品を配置 作業手順・動作の設定

Yamamoto LabGifu Univ.

ルーレット選択で部品配置を選択ルーレット選択で部品配置を選択

A B C D E D部品 ① 5 5 5 5 5 5部品 ② 5 5 5 5 5 5部品 ③ 5 5 5 5 5 5部品 ④ 5 5 5 5 5 5部品 ⑤ 5 5 5 5 5 5

部品配置の作業難易度(価値)を計算部品配置の作業難易度(価値)を計算

優れた部品配置には報酬を与える優れた部品配置には報酬を与える

この流れを規定回数繰り返すことによって、効率の良い部品配置の決定を行う

配置配置評価評価報酬報酬

+ 5

+ 5+ 5

+ 5+ 5

A B C D E F部品 ① 10 5 5 5 5 5部品 ② 5 5 10 5 5 5部品 ③ 5 10 5 5 5 5部品 ④ 5 5 5 10 5 5部品 ⑤ 5 5 5 5 5 10

配置配置評価評価報酬報酬

+ 5

+ 5

+ 5+ 5

+ 5

A B C D E F部品 ① 15 5 5 5 5 5部品 ② 5 5 10 5 5 10部品 ③ 5 10 10 5 5 5部品 ④ 5 5 5 15 5 5部品 ⑤ 5 10 5 5 5 10

強化学習を用いた部品配置の決定例

価値

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部品配置の作業難易度の計算部品配置の作業難易度の計算

・歩行距離+上下屈伸作業動作=作業難易度

深く腰を曲げる動作

中腰で取得する

伸ばしきった腕の動作

上腕の動作

前腕の動作

歩く; W歩く; W

部品の高さ、手と部品との距離用いて定量化歩行数×5取る; A(1) ~ t(5)取る; A(1) ~ t(5)

t(1)t(1)

t(2)t(2)

t(3)t(3)

t(4)t(4)

t(5)t(5)

つかむ; �(1) or �(2)つかむ; �(1) or �(2) 置く; P(1) or P(2)置く; P(1) or P(2) 重力補正重力補正

両手でつかむ:3片手でつかむ:1

置きやすい:0置きにくい:3

2kg~6Kg:1

Yamamoto LabGifu Univ.

VAPER応用事例のピッキング作業場

M L K J I H G F E D C B A

AA Z Y X W V U T S R Q P O N

番号 棚の高さ

A 20 40 60 80 100

B 20 80

C 20 80

D 20

E 20 50 90 120

F 20 50

・・・

AA 20 40 80 100

図3.ピッキング作業場

15m表1 各棚の高さ

5m

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強化学習の初期条件

初期評価値=すべての部品配置について,均等に5

報酬=5

報酬を与える回数(学習回数)=50万回

シミュレーション=100回(ルーレット選択で乱数係数)

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例 製品A(品番:KDH206V RRPDY) の生産数 :100個B(品番:KDH206V SFMDY) の生産数 :100個C(品番:KDH222L LEMDYV )の生産数:100個

VAPERのシミュレーション結果

G工場の従来の部品配置

作業時間 23,800秒 (6時間36分40秒)移動距離 9,099m

VAPERで決定した部品配置(100回シミュレーションのBest)

作業時間 19,660秒 (5時間27分40秒)移動距離 6,450m

17%減

作業時間=作業難易度×0.1

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C.自動組立機械の最適設計支援

Units-layout Nomination for Assembly with Robot Mechanism)

UNARMシステムProfit Sharingを用いる

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UNARM

部品ステーション

・双腕ロボットの左右の腕の仕事を決める⇒両腕が干渉しないように,

◎ 右と左の腕の仕事を決める◎ 組付け順番を決める

・最適なステーション位置を決定

配置の仮決定

サイクルタイムの計算

評価

報酬分配

強化学習

価値の初期値代入

配置可能領域の分割

Yamamoto LabGifu Univ.

左右アームが同時に動き、

共通の作業エリアに進入するから

アーム干渉を考慮したサイクルタイムの計算

何故干渉するのか?右アーム

作業エリア

左アーム

作業エリア

作業状況に応じて待機時間を発生させる解決法

→Lp(Look at point)、 P(Point)というタイムフラグを使用

2秒 4秒 2秒

待機時間

6秒発生

Lp・・・4秒 8秒 3秒

P

時間

・・・

左アーム

右アーム

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応用事例

双腕ロボットを使用した実際の電気自動車(EV)用インラインモータ組立機械

に応用

UNARMは適切なロボットの種類(双腕ロボ?多関節ロボ?)選択組付け順番の決定できる

・部品数52個・ハンド4種類・作業数135工程・腕同士の干渉を考慮した

レイアウト決定

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D.IoT⽣産によるFMSへの応⽤ (Industry4.0)

@機械に知識を持たせる@知識を交換して交渉や協調をする@工場全体で効率よい生産をする

工場をリアルタイムに稼動制御する→スケジューリング,AGVの行動制御

IoT⽣産のData処理

→インテリジェント⽣産

Cloud

1.機械の情報を取得してCloudに送る2.Cloudデータを解析(人工知能)3.解析結果を機械に送り意思決定(M2M)

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Cloud

・MC→加工完了時間・MC→加工完了した+部品名

・AGV→今どこにいる(交叉点座標)

・AGV→どの部品を持っているor何も持っていない

・部品→どういう工程が必要,各加工時間

■どのAGVがどこへ行くか

・持ってる部品をどのMCに持っていくか

・どのAGVがどのMCに部品を取りに行くか

・AGVの移動経路→干渉しない経路

IoT⽣産のDATA処理

・膨大な次行動組合の中から最適な行動を選ぶ・ルールを用いたAGVの経路制御・心を用いたAGVの移動制御・嘘,正直な機械の判別とその対処

インテリジェント⽣産への必要技術

送信するData

Cloud Dataを使い各MC,AGVへ知らせる情報

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E. IoT生産によるジョブショップ生産ラインへの応用

・多品種の部品を,1つの工作機械群で加工する生産スケジュール(部品の投入順番)を決定

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ジョブショップ生産ライン

M1M1 M2M2 M3M3 M4M4

R5R5 R6R6

R1R1 R2R2 R3R3 R4R4

A B C D E

オペレータ ・どの部品をどの機械に持っていくか︖・どの部品を取りに⾏くか︖

→オペレータの動作を指⽰する⽣産環境・あらかじめ,部品投⼊順番は決定(各部品の各機械での加⼯時間etc)・実際の部品加⼯には,時間遅れや,機械のチョコ停など,あらかじめの

時間が変化する

複数台持ち

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M1M1 M2M2 M3M3 M4M4

R5R5 R6R6

R1R1

R2R2

R3R3

R4R4

CloudM1・加工終了時間・部品の次加工MC名

etc

M7 M7M8 M8M9 M9M10 M10 RRRRRRRR

M6

M6

M5

M5

M2 M3逐次 Up Date

・どのMCの部品が早く完了するか・次にどこに持っていくかetc.をOperatorに指⽰

・⼯具交換時期知らせる etc

ウエアラブル コンピュータ

リアルタイムに作業指⽰

Cloudからの命令(M2H)

Cloud