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Nikkei Inc. No reproduction without permission. 2019年8月26日作成 総合商社 サンプルレポート

総合商社サンプルレポート · 2020. 3. 5. · 総合商社 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 3 好業績続く5大商社、3年後の純利益+11%予想

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  • Nikkei Inc. No reproduction without permission.2019年8月26日作成

    総合商社 サンプルレポート

  • 総合商社

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    権益確保 原料調達 製造 加工

    高炉・電炉メーカー鉱山(鉄鉱石・石炭)

    鉄鋼事業の例

    バリューチェーン

    業界概要

    販売

    コイルセンター

    部品メーカー家電・自動車メーカー

    生産・調達 一次加工 二次加工 中間流通 小売り

    食品事業の例

    メーカー

    など

    メーカー

    など

    卸・物流会社

    などなど

    農場会社

    農家

    養殖業者

    コンビニ

    スーパー

    量販店

    外食店など

    権益保有・事業経営

    出資や事業経営穀物の生産・出荷など

    事業経営

    出資や取引など 出資や取引など 出資や取引など出資や取引、事業経営など

    • 油脂

    • 製粉

    • 乳製品

    • 飼料

    • 製糖

    • 水産加工

    • 水産品

    • 加工食品

    • 飲料

    • 食肉

    • 調味料

    • 菓子

    日本貿易会「商社ハンドブック2019」を基に日経作成

    総合商社

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  • 総合商社

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    好業績続く5大商社、3年後の純利益+11%予想

    三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅の5社はいずれも2019年

    3月期に過去最高益に近い水準を達成しており、今後も成長が続く見込み。企業

    業績・財務のデータベースであるQUICK・ファクトセットによると、証券アナリ

    ストらの業績予想は22年3月期に総合商社5社の純利益が計2兆2919億円で、

    19年3月期の計2兆568億円に比べ+11.4%の伸びを見込んでいる。

    三菱商事は22年3月期に9000億円の純利益目標を掲げているが、アナリスト

    の業績予想平均は6748億円にとどまっている。地政学的なリスクが高まるなか、

    慎重な予想となった。

    資源価格高止まり背景に事業の多角化進む

    総合商社は2000年前後に不動産事業の採算悪化などの逆風にさらされた。当

    時、日商岩井とニチメンが経営統合して双日が発足するなどの業界再編にもつな

    がった。ただ、その後は好調な中国景気などを背景に資源価格が高騰し、各社と

    も最高益を記録した。

    14~15年には資源価格が低迷し、赤字決算となる商社もあったが、その後に

    資源価格が上向いて再び最高益を達成している。この収益を支えに各社は非資源

    事業としてコンビニエンスストアや医療などさまざまな事業に参入して多角化を

    進め、安定した経営体制を確立しつつある。

    総合商社大手5社の純利益 住友商事が出資する主な事業会社

    市場規模

    市場環境

    0

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    2019年3月期(実績) 2022年3月期(予想)

    (兆円)

    出典:QUICK・ファクトセット注釈:三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅の純利益合計

    企業名 業種 出資比率(%)

    サミット スーパー 100

    トモズ ドラッグストア 100

    ジュピターテレコム ケーブルテレビ 50

    ジュピターショップチャンネル テレビ通販 45

    SCSK システム開発 51

    キリウ 輸送用機械器具の製造 100

    住友商事の2019年3月期決算資料を基に日経作成

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    業界地図

    競合環境

    総合商社

    双日

    日鉄物産

    専門商社

    長瀬産業 伊藤忠丸紅鉄鋼

    出資

    日本製鉄

    三井物産 三菱商事 伊藤忠商事 丸紅

    兼松

    メタルワン

    住友商事

    豊田通商

    19.9%

    エルエヌジージャパン

    トヨタ自動車

    34.4%

    21.57%

    60% 50% 50% 50% 50%40%

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    主要プレーヤーの動向

    競合環境

    三菱商事、21年度に9000億円の利益目標

    〈沿革とグループ内における位置づけ〉

    組織の三菱。三菱グループの中核企業。総合商社で不動のナンバーワン。

    1950年、光和実業として設立。52年、三菱商事に商号変更。54年、不二商事、

    東京貿易、東西交易の3社を吸収合併し、総合商社として新発足。68年、ブル

    ネイLNGへの投資決定。同年、豪州に金属資源事業会社を設立。73年、メキシ

    コの製塩会社を買収。74年、タイにいすゞ車輸入総販売代理店を設立。92年、

    サハリン沖原油・LNG開発プロジェクトに参画。2001年、執行役員制度を導入。

    07年、日東富士製粉を子会社化。17年、ローソンを子会社化。

    〈売上規模〉

    19年3月期の連結決算は売上高が前の期比2.1倍の16兆1037億円、純利益は

    +5.5%の5907億円。エネルギーや機械セグメントの伸びが貢献したが、グルー

    プ会社の千代田化工建設の一過性損失のため当初目標の6000億円は未達に。

    〈業績・事業戦略〉

    金属とエネルギーセグメントで4000億円近くの純利益を稼ぎ、収益の大半を

    占める。19年にはシェール由来の天然ガス権益のプロジェクトが北米で新たに

    稼働した。一方で、石炭火力発電向けの資源は売却するなど時流に合わせた資源

    投資を進めている。

    21年度には9000億円を利益目標に掲げている。今後の成長戦略では、電子商

    取引(EC)や通信、データ資源分野などを強化するとしているが、現時点では関連

    する企業買収などの動きはみられない。また、各商社はデジタル化への対応とし

    て、新技術を持つスタートアップとの連携を加速させているが、三菱商事はそう

    した動きはまだ本格化していない模様。今後の動向に注目が集まる。

    千代田化工建設やトーヨータイヤなど幅広い国内企業に出資しており、あらゆ

    る業界再編でキャスティングボートを握る存在だ。

    伊藤忠商事、非資源分野でライバルをリード

    〈沿革とグループ内における位置づけ〉

    非資源商社ナンバーワン。近江商人に起源を持ち、繊維事業が祖業。中国最強

    商社の自負も。

    1949年、過度経済力集中排除法により大建産業が4社に分割。その1社とし

    て伊藤忠商事が設立される。52年、米国に伊藤忠アメリカ会社を設立。77年、

    安宅産業を合併。91年、青山地所を合併。2004年、豪州の資源開発事業会社3

    社を統合。ヤナセの株式を公開買い付けで取得。18年、ユニー・ファミリー

    マートホールディングスの株式を公開買い付けで取得。

    〈売上規模〉

    19年3月期の連結決算は売上高が前の期比2.2倍の11兆6004億円、純利益は

    +25%の5005億円。三菱商事に続き純利益が5000億円の大台を超えた2社目

    の商社となった。三井物産と総合商社2位の座を競ってきたが、大きく水を空け

    た形だ。

    〈業績・事業戦略〉

    ファミリーマートを中核とした生活資材の需要取り込みに強みを持つ。商品と

    なるチキンをグループ会社のタイ企業が担い、トラック配送は傘下の物流企業が

    引き受け、QR決済も傘下企業が開発するといった具合だ。商社のなかでは市況

    変動の影響を受けにくい非資源分野の割合が高い。ファミマのような小売りのほ

    か、エドウィン、コンバース、デサントといった知名度の高いアパレルの傘下企

    業も多い。

    伊藤忠の事業戦略上で欠かせないのが中国中信集団(CITIC)の存在だ。15年に

    6000億円を出資した資本提携先だが、ようやく共同案件が出始めてきた。共同

    出資で日本のスタートアップ企業向けのファンドを設立したほか、北京市の病院

    に共同出資するといった事例だ。ただ、まだ6000億円の大型投資に見合うリ

    ターンが得られたとは考えにくい。今後一層の相乗効果の創出が欠かせない。

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