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1 総務省デジタル・ガバメント 中長期計画 平成30年6月22日 総務省行政情報化推進委員会決定

総務省デジタル・ガバメント 中長期計画...4 I. 基本事項 (1) 目的 本計画は、「デジタル・ガバメント実行計画」(平成 30 年1月16日eガバメ

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総務省デジタル・ガバメント

中長期計画

平成30年6月22日

総務省行政情報化推進委員会決定

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目次 I. 基本事項 ........................................................ 4 (1) 目的 ........................................................ 4 (2) 計画期間 .................................................... 4 (3) 現状と課題 .................................................. 4 (4) 計画の概要 .................................................. 5 (5) 計画目標 .................................................... 5

II. 利用者中心の行政サービス改革 ................................... 7 (1) サービス改革方針 ............................................ 7 (2) 横断的サービス改革 .......................................... 7 (3) 個別サービス改革 ........................................... 10 1) 無線局開設手続等における行政サービスの更なるデジタル化 ...... 10 2) 住民税の特別徴収税額通知の電子化等 .......................... 12 3) 電子調達サービスの利便性向上 ................................ 13

III. プラットフォーム改革 ........................................ 16 (1) 総務省のプラットフォームの概況及び今後の方針 ............... 16 (2) 行政保有データの 100%オープン化 ............................ 16 1) 総務省全体のオープンデータの取組方針 ........................ 16 2) 主要な保有データのオープンデータ化に向けた取組やスケジュール等

............................................................... 17 (3) APIの整備 ................................................. 18 (4) 標準化・共通化の推進 ....................................... 20 1) 府省におけるデータの標準化、府省共通システムによる共通化 .... 20 2) 各種ガイド等への対応 ........................................ 20

(5) 政府情報システム改革 ....................................... 21 1) 政府情報システム数削減の取組 ................................ 21 2) 運用コスト削減の取組 ........................................ 21 3) 情報システムにおけるクラウドサービスの利用 .................. 22 4) サービスデザイン思考の導入による e-Gov刷新 .................. 23

IV. 価値を生み出す ITガバナンス ................................... 24 (1) 推進体制の整備 ............................................. 24 (2) ガバナンスの強化 ........................................... 25 1) CIO補佐官及び最高情報セキュリティアドバイザーによる評価・助言 25 2) 府省重点プロジェクトの適切な管理 ............................ 26

(3) 人材確保・育成 ............................................. 27 1) 総務省におけるセキュリティ・IT人材の確保・育成 .............. 27

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2) 情報システム統一研修の見直しと行政管理局への出向受入れ ...... 28 (4) 情報セキュリティ対策 ....................................... 29 (5) デジタル・ワークスタイル ................................... 29 1) 総務省 LANを中心とした環境の整備 ............................ 30 2) テレワークの推進 ............................................ 30 3) ペーパーレス会議・web会議の推進 ............................. 31 4) オフィス改革の推進 .......................................... 31 5) e-LAWSの見直し .............................................. 32 6) 働き方改革の恒常的実施に向けた取組 .......................... 32

(6) デジタル・ガバメントの推進に係るその他の取組 ............... 32 1) 地方公共団体の行政手続のオンライン利用促進 .................. 32 2) 地方公共団体におけるクラウド利用の推進 ...................... 32 3) 地方公共団体における適正な情報セキュリティの確保 ............ 33 4) 地方公共団体におけるオープンデータの推進 .................... 34 5) 地方公共団体における地域情報プラットフォーム準拠製品の導入及び

中間標準レイアウトの利用の推進 ................................. 34 6) 地域における AI・RPA等の革新的ビッグデータ処理技術の活用推進 35 7) 地方公共団体における AI・RPA等による業務効率化の推進 ........ 35

V. 計画の評価・改定 ............................................... 36

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I. 基本事項

(1) 目的

本計画は、「デジタル・ガバメント実行計画」(平成 30 年1月 16 日eガバメ

ント閣僚会議決定)の策定を受け、総務省におけるデジタル・ガバメントの実

現に向けた具体的な方策について網羅的に取りまとめるものである。

総務省は、電子政府、地方自治、情報通信等を所管する機関であり、国・地

方から社会全体に至るまで情報化を推進するに当たり極めて重要な役割を果た

すことが求められている。それ故に総務省 CIO 及び副 CIO のリーダーシップの

発揮による種々の重要なプロジェクトの着実な遂行が不可欠である。また、政

府全体としての目標である添付書類撤廃、ワンストップサービス、行政データ

のオープン化等の横断的サービス改革やデータ標準化等のプラットフォーム整

備についても、率先してその達成に貢献すべき立場を有している。

以上に鑑み、本計画においては、これらの改革の実現に向けた体制及び施策

を整理し、総務省の行政の在り方そのものを省を挙げてデジタル前提で見直す

ことにより、国民・事業者の利便性向上に資することを目的とする。

(2) 計画期間

2018 年 6 月 22 日から 2023 年 3 月 31 日までを本計画の対象期間とする。た

だし、個別施策について更に長い期間を設定することが適当な場合はこの限り

ではない。

本計画は随時改定を行い、内容の見直し及び段階的な改善を実施する。

(3) 現状と課題

総務省は、政府全体として運用コストが上位になっている情報システムは多

くは有していないものの、各府省にとって不可欠なインフラである府省共通プ

ロジェクトを多く整備及び管理しており、政府共通プラットフォームを始めと

して、今後ますますその役割が拡大することが見込まれる。よって、これらの

運用状況を網羅的に深掘りし分析する「事実をつかむ」活動を継続的に実施し、

各府省の業務運営の高度化・効率化に資する形で分析結果を次期システムに反

映させていく必要があることが課題であり、現時点においても取組に着手して

いるところである。

しかしながら、このような IT投資管理に注力するだけでは、サービスデザイ

ンの観点での改革が実現できず、実際に同観点の施策にリソースを割くことが

十分にできていなかったことも課題として認識しているところである。

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また、府省共通以外の個別サービスにおいても、特に無線局開設や調達サー

ビスといった大規模行政サービスについては既にシステム化されているものの、

当該システム上で利用者が手作業で処理を実施しなければならない箇所が少な

くない。こうした箇所については、外部のサービスやシステムとの連携を図り

つつさらなる改善を図ることが可能と考えられるものに対し必要な対策を講じ

るべきことも課題となっている。

(4) 計画の概要

本計画において特に重点的に取り組む施策は、以下の2点である。

① 行政機関が共用する情報システムの改革

② 国民の利便性向上に資する大規模行政サービスの改革

また、上記を含む情報システム経費の見込みは、以下のとおり。

【総務省システム経費計画(単位:億円)】

経費区分 2018年度

整備経費 126.5

運用等経費 379.2

その他経費 5.8

合計 511.5

【施策別経費計画(単位:億円)】

施策区分 2018年度

利用者中心のサ

ービス改革 58.6

プラットフォー

ム改革 431.4

価値を生み出す

ITガバナンス 0.6

合計 490.7

(5) 計画目標

前述の目的の実現に向け、総務省において本計画により達成しようとしてい

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る状態は、以下のとおりである。

① 国・地方及び国民全体が、利用者として最適な形でサービスを受けられ

る情報基盤の実現

② 所管する行政サービスや行政データが上記情報基盤の活用によって総務

省内外と有機的に連携される環境の実現

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II. 利用者中心の行政サービス改革

(1) サービス改革方針

「デジタル・ガバメント実行計画」においては、「サービス設計 12 箇条」と

して、「デジタル・ガバメント推進方針」(平成 29 年5月 30 日高度情報通信ネ

ットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)に盛り込ま

れたサービスデザイン思考を具体化したものが列挙されている。

総務省の所管する行政手続は、計 4415 件のうち 2035 件が地方が実施主体に

なっている手続や府省共通手続であり、制度のみを所管しつつも具体的な運用

を総務省以外の機関に委ねているものが少なくない。他方で、大規模情報シス

テムについては、これまでも運用コスト3割削減との政府目標達成に向けた取

組の一環として、業務改革(BPR)の検討を実施しており、無線局監理システ

ムや政府共通プラットフォームのように、具体的な利用シーンを想定した分析

(インシデント分析等)に基づくサービス改善に取り組んでいるところである。

よって、総務省においては既往の取組で得られたノウハウを最大限活用し、

総務省 CIO 及び副 CIO のリーダーシップによる横展開を図ることにより、サー

ビス設計 12 箇条のうち特に「第2条 事実を詳細に把握する」及び「第7条

利用者の日常体験に溶け込む」の2点を徹底し、上記の総務省が実施主体でな

いサービスも含め、改革に取り組むものとする。

横展開に当たっては、PMO が内閣官房及び総務省行政管理局等が組成するサ

ービス改革支援チームの協力を得つつ、省内における具体的な改革の事例紹介

を含む職員向け研修等を実施し、また、研修資料を広く省内で共有・蓄積する

取組を継続的に実施し、各部局に対し気づきを与えるものとする。

(2) 横断的サービス改革

総務省における行政手続に係る種々の検討状況は別紙2のとおりであるが、

その概況及び当該状況を踏まえた改革の方針は以下のとおりである。

ア.手続の制度等の見直し

a)手続件数が極めて少ない手続の見直し

総務省においては、年間の総手続件数が 0 件である行政手続は 1149 件であ

る。そのおおまかな内訳としては、異議申立てなど規定上は必要であり存在

しているが実際には利用されていなかったもの、周期的な調査(5年に1度

実施するもの等)であり当該調査年次には該当しなかったものが大半である。

しかしながら、対象となる手続の前提となる法令がより根幹に係る箇所で

改正がなされる時期等をとらえ、手続自体の存否についても適宜検討を行う

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こととする。

b)住所変更手続の見直し

総務省では、引越し関係の手続として 8件を所管しており、うち 1件につい

てオンライン化済みであり、3 件についてオンライン化を検討することとして

いる。

今後、引越しワンストップサービスの推進に向けて、内閣官房を含む関係

省庁と連携し、手続の廃止やオンライン化及び API公開等の方策について検討

を継続し、検討結果は中長期計画に反映する。

c)死亡・相続に関する手続の見直し

「死亡・相続」ワンストップサービスについては、ワンストップサービス

実現に向け、内閣官房とともに行政手続等の棚卸し結果における国民等、民

間事業者等が行う申請等手続について優先的に課題解決の検討等を行う。

d)企業が行う従業員の社会保険・税手続の見直し

企業が行う従業員の「社会保険・税」手続のワンストップ化や、企業と行

政機関のデータ連携を実現するロードマップの策定に向けて、内閣官房を含

む関係省庁と連携し、具体的検討等を行う。

e)本人確認手法の見直し

総務省所管の行政手続においては、今後、内閣官房において策定される本

人性確認手法関係のガイドラインに基づき、2018 年度中に見直しに係る検討

を行う手続が 43 件ある。当該手続については年度内にしかるべき結論が得ら

れたものについては、速やかに見直しに着手するものとする。

また、地方税法及び法人税法の規定に基づく 4手続については、従来、法人

代表者のみならず経理責任者の自署押印も必要であると規定されており、電

子申告においても同様に各人の電子署名を必要としていたが、2018 年 4 月か

ら認証方法を簡素化すべく、自署押印規定を廃止し、法人代表者のみの電子

署名で申告が可能としたところである。今後は各地方公共団体が改正後の同

制度を適切に運用できるよう、適宜必要な情報を提供するものとする。

上記以外の手続についても、手続のオンライン化の如何に関わらず、利便

性と安全性のバランスを図りつつ、サービス全体における利用者の利便性の

向上と業務の効率化の実現を前提に、ガイドラインに沿った検討を順次開始

する。

イ.添付書類の撤廃

「デジタル・ガバメント実行計画」において「既に行政機関が保有してい

る情報について、行政手続における添付書類の提出を一括して撤廃する。」

「民間が発行する各種書類等、行政機関が現時点で保有していない情報につ

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いても、情報連携による取得の可能性や、添付書類そのものの必要性を精査

し、可能な限り添付書類の提出不要化を目指す。」とされたことを踏まえ、総

務省における添付書類の撤廃を推進する。

現在、総務省が所管する行政手続のうち、何らかの添付書類を求めている

手続は 334 件であり、このうち、既に添付書類の削減を行っている手続は 80

件、検討中又は検討予定であるものは 2件である。これらについては、引き続

き取組及び検討を進め、添付書類の早期省略を実現する。これらについては、

引き続き取組及び検討を進め、添付書類の早期省略を実現する。

また、情報連携が可能となった際に省略が可能となると考えられる手続に

ついては、住民票に係るものが 47件、戸籍に係るものが 27件、登記事項証明

書(商業法人)に係るものが 43 件あるなど、情報連携の基盤整備を前提とし

た手続見直しに係る検討に積極的なものが少なくない。よって、総務省とし

ては、情報連携の構築に関する政府全体の方針に沿って検討を進めつつ、添

付書類に係る情報を受領する立場から、情報連携の仕組の構築に当たり、検

討主体となる内閣官房や総務省行政管理局に対し必要な協力を行うものとす

る。

なお、仮に添付書類に関する情報が入手できたとしても現物が必要等の理

由から添付書類の省略が不可能であるものは 62 件となっている。これらの手

続については、今後の技術の進展等を踏まえ、改めて、添付書類の省略に関

する検討を行うこととする。

ウ.オンライン化の徹底

a)手続のオンライン化の検討

総務省所管の総手続 4415 件には地方が実施主体になっている手続や府省共

通手続であり報告義務もない等の理由から、オンライン化の実施状況が総務

省において一律に把握することが困難なものが多くなっている(2153 件)。こ

れらを除くと、732件の手続についてオンライン利用が可能となっている。

上記以外でオンライン利用が可能となっていない 1530 件の手続についても、

大半がオンライン化検討可能となっていることから、デジタルファーストの

原則に基づき、オンライン化を前提とした業務改革(BPR)を実施しつつ、利

用者の利便性向上の効果、業務効率化の効果、オンライン化に必要となるコ

ストのバランスを勘案して、具体的なオンライン化の手法について検討する。

KPI:オンラインによって利便性を高めるべき手続の年間手続件数のうち、オ

ンラインで処理されている件数の割合

オンラインによって利便性を高めるべき手続の年間手続件数のうち、所

要の法令・システムが整備されておりオンラインで処理され得る件数の割

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オンラインで処理され得る手続の年間手続件数のうち、オンラインで処

理されている件数の割合

b)オンライン実施中の手続の利便性の向上

既にオンライン化済みの手続についても、上記の添付書類の撤廃及び本人

確認手法の見直しに係る検討との連携や、(3)個別サービス改革に掲げる取組

のとおり、シングル・サイン・オン(SSO)の導入による処理の簡素化や API

の活用による自動化など、国民のニーズを的確に踏まえたさらなる利便性向

上に取り組むものとする。その他、手続の簡便性、所要時間、手数料等にお

いて書面による手続との差異を設けるなど、オンライン利用のインセンティ

ブを付与することを適宜検討するものとする。

c)法令上オンライン化が認められていない民-民手続の見直し

総務省が所管する民-民手続についてはオンライン化を実施済みのものが 2

件、未実施が 12 件となっている。未実施の手続はいずれもオンライン化検討

可能であるものの、いずれも例外的手続として存在する総手続件数 0件の手続

又は件数が極めて少ない手続であるため、実際のニーズに照らして適宜オン

ライン化の検討を行うものとする。

(3) 個別サービス改革

横断的な取組に加え、国民・事業者等に対して大きな影響を持つ重要分野に

ついては、先行的にサービス改革を実施する。総務省としては、既にデジタ

ル・ガバメント実行計画において示された以下の施策について、個別サービス

改革を推進する。

各事項の詳細については、別紙1「サービス改革工程表」を参照。

1)無線局開設手続等における行政サービスの更なるデジタル化

a)現状と課題(As Is)

①現在、「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」においては、ア

マチュア無線局について、ID/PASS を使用した電子申請を受け付けていると

ころである。

2017 年に実施したイベント(ハムフェア)において、電子申請から書面

申請に変更された理由(複数回答可)についてアンケートを実施したとこ

ろ、以下の通り、ユーザ ID またはパスワードを忘れたからという回答が一

番多かった。

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ユーザ IDまたはパスワードを忘れたから

変更申請の方法がわからなかったから

パスワード変更するのが面倒だったから

電子申請の手続きが面倒だったから

パソコンを買い替えた後、再度パソコン設定するのが面倒だったから

再免許申請の方法がわからなかったから

95 34 36 51 59 55

(回答者数:270)

従って、「ユーザ IDまたはパスワードを忘れたから」を解決する事が電子

申請から書面申請に戻ることを防ぐ有効な手段になるものと分析している

ところである。

② 無線局免許については、電波法 25 条に基づき免許状に記載された情報に

ついて公開することとしているところである。

デジタル・ガバメント推進方針において、政府の保有するデータを公開

するオープンデータ及び APIの公開により官民協働を実現するプラットフォ

ームの実現を行うことが求められている。

他方、現状は、電波利用ホームページで提供している現在の無線局情報

検索機能は、手作業により検索する仕組みとなっているため、情報収集に

手間がかかるものとなっている。

b)実現したい状態(To Be)

① 総務省電波利用電子申請・届出システム Lite とマイナポータルとの SSO

を実現する。これにより、情報連携を済ませた者はマイナポータルでログ

インすると総務省電波利用電子申請・届出システム Lite の ID・パスワード

の入力が不要となり、ID・パスワードの失念対策にもなる。また、ID・パ

スワード失念対策につながることにより、総務省側の再発行対応が減少し、

他の業務に注力できる。

② 電波利用ホームページの無線局情報検索機能に WebAPI を導入する。これ

により、無線局情報を機械的に取得することが可能となり、これを利用し

たアプリケーションの創出等も期待できる。

c)具体的な取組内容(To Do)

① 2019 年 1 月を目途に、総務省電波利用電子申請・届出システム Lite とマ

イナポータルとの SSOを実現する。これにより情報連携を済ませた申請者は

マイナポータルにログインすれば、総務省電波利用電子申請・届出システ

ム Lite の手続に進むことができるようになる。今後も業務見直しを行いつ

つ、電子申請普及促進策として電子申請環境の多様化といった申請者側の

負担軽減策を検討する。ただし、その効果はマイナンバーカードの普及率

によるところがあることから、引き続きアンケートを実施し状況把握に努

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める。

② 2018 年 3 月から、電波利用ホームページの無線局情報検索機能に WebAPI

を導入。機械的に情報収集することが可能となった。当該 API については

2018 年 3 月に公開済みしたばかりではあるが、4 月のアクセス数は 15,000

アクセスであった。今後は利用状況や要望等を踏まえ、利用ガイドの整備

や拡充等を検討する。

所要経費(見込み):200億円の内数(2017~2022年度)

KPI:電子申請率(集計中)

2)住民税の特別徴収税額通知の電子化等

a)現状と課題(As Is)

<特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)>

特別徴収義務者用の特別徴収税額通知は 2016年度(平成 28年度)から電子

署名付きの電子データ(正本)の送付が可能となったものの、対応市区町村

数が少数。

<特別徴収税額通知(納税義務者用)>

納税義務者用の特別徴収税額通知は書面により通知されており、同通知の

電子化が課題。

b)実現したい状態(To Be)

<特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)>

・給与システムへの税額入力等の事務が効率化する。

・納税義務者の特定個人情報を書面により保存する必要がなくなり、管理コ

ストの削減につながる。

・市区町村において印刷や郵送等に要するコストが削減される。

・市区町村において郵送による誤送付等のリスクが軽減される。

<特別徴収税額通知(納税義務者用)>

・書面による通知の場合に発生する開封・仕分作業及び納税義務者への交付

事務に係る負担が軽減される。

・市区町村において印刷や郵送等に要するコストが削減される。

・市区町村において郵送による誤送付等のリスクが軽減される。

c)具体的な取組内容(To Do)

<特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)>

正本の電子交付を行っていない市区町村に対し、電子交付の導入の意義・

効果に関する助言など電子交付の推進に必要な支援を行う。

<特別徴収税額通知(納税義務者用)>

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電子情報処理組織(eLTAX)により特別徴収義務者を経由し、送付する仕組

みを、地方公共団体間の取扱いに差異が生じないよう配慮しつつ検討する。

所要経費(見込み):総務省の経費としてはなし

KPI:特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)の正本を電子化した市区町村

の割合(2018年度 30%以上、2019年度 50%以上、2020年度 70%以上)

3)電子調達サービスの利便性向上

ア.競争参加資格申請時における添付書類の削減

a)現状と課題(As Is)

物品・役務に係る競争入札参加資格申請はオンライン申請が可能である

ところ、申請時の必要な添付書類として、登記事項証明書(写)、納税証明

書(写)等の書類を添付して申請を行う必要がある。

また、現状手続において、どの程度のコストがかかっているのか実態が

把握できていない。

b)実現したい状態(To Be)

物品・役務に係る競争入札参加資格申請時の添付書類の情報をバックオ

フィス連携で取得することにより、添付書類の提出不要化につながり、利

用者の負担軽減につながる。

また、競争入札参加資格申請時の添付書類の簡素化により、各府省庁に

おける審査等の行政事務が効率化される。

さらに、当該施策の具体的な効果を利用者側に提示することで、当該施

策への理解を得るととともに、手続の電子化を促進する。

c)具体的な取組内容(To Do)

登記事項証明書(写し)及び納税証明書(写し)については、「IT 新戦略

の策定に向けた基本方針」(IT 総合戦略本部・官民データ活用推進戦略会議

決定)、「デジタル・ガバメント実行計画」(eガバメント閣僚会議決定)等

に基づき、2020 年度以降、法人番号等を活用した行政機関間のバックオフ

ィス連携の実施に合わせて提出不要化。

営業経歴書及び誓約書・役員等名簿については、次回の競争参加資格定

期審査(2019 年1月~)から申請書記載事項への一本化による提出不要化。

総務省では、これら提出不要化に伴うシステム改修とともに、半角・全

角文字の自動入力変換、入力箇所のエラー表示、新元号等への対応を 2018

年度以降、順次実施。

財務諸表については、財務諸表等の内容をオンラインで確認する手法等、

原則提出不要化に向けて検討予定。

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さらに、行政手続コストについて、実態を踏まえた分析を行い、2018 年

内までに算出し、原則 2020年までに 20%以上削減を目指す。

イ.電子調達システムの利用向上

a)現状と課題(As Is)

電子調達システムは、政府が行う物品・役務及び一部の公共事業に係る

一連の調達手続をインターネット経由で電子的に行える府省共通の情報シ

ステムとして、2014 年 3 月から運用しているところ、当該システムの利用

率(電子応札率)は、2016 年度実績で 47%(2018 年度目標:60%)であり、

利用者にとっての更なる利便性向上が求められている。

b)実現したい状態(To Be)

電子調達システムの利便性を向上し、更なるシステム利用の促進を行う

ことで、利用者側の入札参加コスト(移動・郵送費、書類に保管費等)の

低減につながる。

また、オンライン手続の普及促進が進むことで、各府省における調達事

務が効率化される。

c)具体的な取組内容(To Do)

総務省は関係省庁の協力を得て、電子調達システムの利用向上に向け、

2018年度以降、以下の取組を順次展開。

システム改善については、2020 年 1 月からの次期システムへの更改を機

に、書類提出時の添付ファイル上限サイズの拡大(クラウド技術の活用を

含めた検討)、半角・全角文字の自動入力変換、入力箇所のエラー表示、新

元号等への対応を行う。

また、操作マニュアル・FAQ 等の充実化、先行事例の周知及び省庁におけ

る職員の意識改革・業務改革等の普及啓発を 2018 年度以降、順次実施する

とともに、各府省においては電子調達システムの更なる活用を行う。

さらに、総務省は、2018 年度以降、調達総合情報システムと電子調達シ

ステムとの統合に向けた検討を開始する。

ウ.調達情報のオープン化への対応

a)現状と課題(As Is)

物品・役務に係る競争入札参加資格情報、入札公告、落札結果等の調達情

報等が一連の情報として提供されておらず、調達関連の情報収集に手間がか

かる。

b)実現したい状態(To Be)

競争入札参加資格情報、入札公告、落札結果等の調達情報等を法人番号の

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利活用と API による情報連携を行うことで、一元化された調達情報の提供が

可能となり、公共調達市場における事業者の参加機会の拡充、柔軟化につな

がる。

また、調達情報の情報公開を推進することにより、国のみならず地方公共

団体における入札価格の設定等の参考となるなど、調達コストの低減に寄与

するほか、行政の透明性、信頼性向上や新たなサービスの創出促進につなが

る。

c)具体的な取組内容(To Do)

2018 年 10 月を目途に、総務省は、競争入札参加資格情報、入札公告、落

札結果等の一元化された調達情報を提供する調達ポータルのサービス提供を

行う予定。

調達業務の API による情報連携については、2018 年度中を目途に国際標準

や共通語彙基盤に準拠した調達データ標準(内閣官房主導で整備)をもとに、

調達システムにおける調達情報の標準化の検討を行いつつ、2018 年度以降順

次、民間企業(外部向け)や各省庁(内部向け)のニーズ等を踏まえ、対象

となるデータ、連携方式等の検討を行った上で、段階的に標準化・共通化し

た APIによる情報連携機能の検討を進める。

さらに、公共調達市場における事業者の参加機会の拡充等を図るため、国

の個々の調達案件について、事業者側のニーズに対応した調達情報のプッシ

ュ型配信の在り方等を検討し、2018年度以降、順次、情報提供を行う。

また、国・地方公共団体における調達事務の効率化を図るため、法人番号

を活用した情報連携による入札参加資格申請時の審査業務等、国の統一参加

資格の地方公共団体への利用展開に向けた試行的な取組を 2018年度以降、順

次実施する。

公共調達における調達コストの低減に寄与するため、各府省における契約

結果等の情報共有化に向けた取組として、2018 年度に契約の単価、規格等の

サンプル調査を行い、2019 年度以降の電子調達システムの活用方策の検討に

つなげる。

所要経費(見込み):見積り中

KPI:競争入札参加資格の登録数(2018年度:7.7万件)

行政手続コスト削減(2020年度:対 2018年度比 20%以上)

電子応札率(2018年度:60%)

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III. プラットフォーム改革

(1) 総務省のプラットフォームの概況及び今後の方針

総務省においては、既述のとおり、各府省にとって不可欠なインフラである

府省共通プロジェクトを多く整備及び管理しており、政府共通プラットフォー

ムを始めとして、今後ますますその役割が拡大することが見込まれる。また、

本計画において特に重点的に取り組む内容は①行政機関が共用する情報システ

ムの改革及び②国民の利便性向上に資する大規模行政サービスの改革の2点と

している。

よって、今後とも、政府の情報基盤としての情報システムやデータの整備や

国民との適切な共有を優先事項とし、以下に掲げる改革を実施するものとする。

(2) 行政保有データの 100%オープン化

1)総務省全体のオープンデータの取組方針

総務省が保有する行政データのうち、統計データについては、計 110 件中 85

件は全部又は一部をオープンデータとして公開している。データの形式は

EXCELと構造化 PDFの併用が大半であり、CSVや XMLを始めとする機械判読に適

したデータ形式は、統計法(平成 19 年法律第 53 号)に定める基幹統計を中心

に整備されている状況である。

また、総務省が運用・管理を行っている法制執務業務支援システム(e-LAWS)

において、各府省が法令データの整備を行っており、それら法令データ約

8,000件が、二次利用可能なXML形式のデータとして、国民へ公開されている。

加えて、行政手続等によって得られるデータについては、総務省所管の総手

続 4415 件のうち 2153 件が、地方が実施主体になっている手続や府省共通手続

であり報告義務もないため、データの管理状況が総務省において一律に把握す

ることが困難なものとなっている。これ以外のうち、データベースや電子媒体

での管理を行っているものが 815 件となっている(手続自体によりデータが発

生しない等の事情から管理していないものは 1,198件)。

以上のように、総務省が保有するデータには公開状況や管理状況が行政分野

やその性格によって多様になっている。これらの状況や、平成 29年 12月 22日

の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部における総理指示、「オープン

データ基本指針」(平成 29年 5月 30日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略

本部 ・官民データ活用推進戦略会議決定)等を踏まえ、今後の総務省が保有

するデータの原則オープンデータ化のため、以下について取り組むこととする。

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保有するデータの原則オープンデータ化のために、オープンデータ・

バイ・デザインの考えに基づき、行政保有データ(情報システム以外

の各種業務で作成又は収集したものを含む。)を利用しやすい形でオー

プンデータとして提供するための取組を継続的に実施する。

省内のオープンデータの取組の推進に関し、各府省 CIO 及び副 CIO が

リーダーシップを発揮できる体制を構築し、適切に運用する。

政府情報システムの新規開発又は次期の更改、若しくは大幅な改修時

期を見据え、オープンデータ・バイ・デザインに基づいたサービス・

業務設計及び運用に順次切り替えていくため、今後、別紙 3 に記載さ

れた各情報システム単位で取組計画を上記リーダーシップによりレビ

ューし、適切なタイミングで更新を行う。

既に設置済みの総務省官民データ相談窓口、各府省内の保有するデー

タのニーズ(要望)・意見を収集し、ニーズのあるデータについてはオ

ープンデータ化に向けた取組を積極的に実施する。また、公開できな

い場合はその理由を公開する。

行政手続及び統計に係るデータの棚卸し結果など、保有するデータと

その公開状況、公開に向けた取組状況、公開できない場合の理由など、

CIOポータル等に掲載の情報を内閣官房と連携し適宜更新する。

オープンデータ達成度の評価指標として用いられている「5つ星」の指

標を参考に、機械判読性に適したデータ形式やレイアウトの整備、API

提供、一括ダウンロードなど、より高度かつ利便性の高い公開形式に

努める。その際、既に取組が進んでいる調査統計分野の取組内容の横

展開を推進し、省内のボトムアップを図る。

2)主要な保有データのオープンデータ化に向けた取組やスケジュール等

ア.府省内の政策の企画・立案の根拠や行政を推進する上で基礎や重要となっ

たデータのオープンデータ化の推進

省内の政策(法令・予算を含む)の企画・立案の根拠や行政を推進する上で

基礎や重要となったデータのうち、白書、統計、審議会・研究会の答申、各種

報告書、防災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報(交通、旅行、

観光、引越、出入国等に関する情報)、予算・決算・調達情報については、省

の Web サイト及び政府のデータカタログサイト(DATA.GO.JP)等でオープンデ

ータとして公開する。

KPI:省内で作成された白書、統計、審議会・研究会の答申、各種報告書、防

災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報(交通、旅行、観光、

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引越、出入国等に関する情報)、予算・決算・調達情報のうち、オープンデ

ータとして公開したデータセット数

イ.官民ラウンドテーブル、相談窓口等でニーズ(要望)・意見があったデー

タのオープンデータ化の推進

これまでの間に、民間企業等データ活用を希望する者と、データを保有する

府省庁等が直接対話する場である「オープンデータ官民ラウンドテーブル」が、

「観光・移動」分野及び「インフラ、防災・減災、安全・安心」分野にて開催

されている。総務省が関係するデータとしては、民間事業者等から同ラウンド

テーブルにおいて「ボーリング柱状図データ(土質試験結果含む。)」及び「ゲ

リラ豪雨予測のデータ(マルチパラメータ・フェーズドアレイ)」についてオ

ープン化の要望が出たところである。

ボーリング柱状図データのうち総務省が所管するデータは電気通信事業者が

保有するデータであり、また、電気通信事業法令に基づく申請においては、ボ

ーリング柱状図データを求めておらず、国としてデータを保有しているもので

はない。このようなデータについては、今後、国土交通省や内閣官房 IT総合戦

略室と連携し、各事業者等に対し「ボーリングデータの標準様式」0F

1の周知及び

データ公開に向けた働きかけを行うことについて検討するものとする。

ゲリラ豪雨予測のデータについては、マルチパラメータ・フェーズドアレイ

気象レーダとフェーズドアレイ気象データの 2 種類がある。マルチパラメー

タ・フェーズドアレイ気象レーダは、内閣府の戦略的イノベーション創造プロ

グラム(SIP)において研究開発を実施中であり、レーダの運用主体が決定し

た段階で検討を行うこととしている。一方、情報通信研究機構(NICT)が 3 機

設置しているフェーズドアレイ気象レーダの観測データは、既に一部を公開し

ている。よって、過去の観測データについては提供可能であるが、データ容量

が膨大であること、利用目的が研究目的に限られる等、事前にデータの利用条

件等について理解を頂く必要があることから、データの利用を希望する者に対

して個別に協議・協定を結ぶ等により対応していく。

KPI:利用者の要望等に応じて新たに公開又は公開内容の見直しを行ったデー

タ件数

(3) API の整備

総務省においては、国民向けサービスを提供する情報システムについて、順

次 WebAPIを導入する取組を推進している。具体的には、既に電子政府の総合窓

1 平成 28年 10月に国土交通省より公表された「地質・土質調査成果電子納品

要領」の改定版に「ボーリングデータの標準様式」が示されている。

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口(e-Gov)や政府統計の総合窓口(e-Stat)において APIを提供しているほか、

2018 年 3 月においては、総合無線局監理システムにおいても API の提供を開始

したところである。

API の提供により、情報システムそのものの利便性が向上するだけではなく、

民間(ソフトウェア開発者等)におけるビジネスチャンスの創出や行政側のシ

ステム改修コストの低減も期待されるため、今後も以下の取組を推進すること

により、総務省の国民向けサービスが一層便利に利用される状態の実現を目指

すものとする。

ア.APIの整備の推進

引き続き、特に利用者の多い国民向け情報システムについて、外部のプロ

グラムとの連携によるメリットを踏まえ、APIを整備することとする。

APIの整備に当たっては、「API設計・運用実践ガイドブック」(β版、平成

29 年 8 月 1 日内閣官房情報技術(IT)総合戦略室)を活用することにより、

実効性のある APIとなるよう努めるものとする。

個別の整備内容については、以下のとおりである。

調達業務の API による情報連携については、2018 年度中を目途に国際

標準や共通語彙基盤に準拠した調達データ標準(内閣官房主導で整備)

をもとに、調達システムにおける調達情報の標準化の検討を行いつつ、

2018 年度以降順次、民間企業(外部向け)や各省庁(内部向け)のニ

ーズ等を踏まえ、対象となるデータ、連携方式等の検討を行った上で、

段階的に標準化・共通化した API による情報連携機能の検討を進める。

KPI:検討中

イ.APIの改善、活用促進等

既に API を導入している情報システムについても、利用状況を踏まえ、サ

ービスデザイン思考を導入しつつ、より利便性の高い機能に切り替えていく

取組を継続し、さらなる活用の促進を図ることとする。

個別の取組内容については、以下のとおりである。

2018 年 3 月から、電波利用ホームページの無線局情報検索機能に

WebAPI を導入し、機械的に情報収集することが可能となった。今後は

利用状況や要望等を踏まえ、利用ガイドの整備や拡充等を検討する。

当該機能を提供する総合無線局監理システム以外の情報システムにお

いても、利用状況を定期的に把握するとともに、最新の技術動向や活

用事例について部局横断的に共有する場を設けることにより、随時改

善を実施するものとする。

e-Govでは、現在、利用者目線で段階的に提供サービス及びデザインの

見直しを進めている。この一環として、電子申請と法令に係る API の

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更なる利用拡大に向けて、e-Govの次期更改を契機として、取組を加速

させていくこととする。

ウ.行政機関における API整備の推進のための方策の検討

行政機関における情報システム連携を推進するため、API 利用者の利便性

向上、APIの標準化、情報セキュリティの確保等の観点から、API公開のため

の基盤の整備を含む API連携を推進する方策について検討を進める。

(4) 標準化・共通化の推進

1)府省におけるデータの標準化、府省共通システムによる共通化

2017 年度に実施した行政手続・行政保有データの棚卸しによって、総務省

における行政手続に係る基盤の整備について端緒をつかむことができた。本

計画別紙2は棚卸しデータを踏まえ、今後の手続の見直し方針を追記したも

のであるが、総務省におけるデータの標準化を推進するためには、棚卸し結

果及び別紙2の継続的なメンテナンスや内容の分析が不可欠である。

総務省としては、内閣官房が実施する全政府的な棚卸し作業を待たず、通

年における業務として所管する行政サービスの改廃等に伴うデータの更新を

実施し、内閣官房及び総務省行政管理局等が組成するサービス改革支援チー

ムの協力も得つつ、データの標準化に係る検討を実施するものとする。

府省共通システムについては、既に総務省では最適化計画の下に整備が進

められてきたシステムに移行済みである。今後とも、特に人事・給与関係の

業務・システム改革や、各府省共通の旅費、謝金・諸手当及び物品管理の各

業務に係るシステム(SEABIS)の運用改善について利用者として必要な協力

を進め、府省共通システムを最大限活用した業務効率化及び業務改革(BPR)

を推進する。

2)各種ガイド等への対応

「行政データ連携標準(仮称)」や「行政データ標準リスト(仮称)」等、

内閣官房が示す方針、ガイド等を踏まえ、2018 年度中に総務省における取組

を検討する。

特に、デジタル・ガバメント実行計画 4.1 1) イ「文字情報基盤の活用等に

よる文字環境の整備」に基づく文字の導入に関するガイドの作成(漢字、代

替文字、フリガナ及びローマ字等を含む文字情報に関する現状及び文字情報

に関する相互運用性の確保に関する取組)については、内閣官房において進

められる検討に対し、総務省として必要な協力を行うものとする。

Web サイトの構築及び運用に当たっては、「総務省ホームページ管理運営に

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関するガイドライン」(平成 20年 11月 28日総官広第 74号)に適切に準拠する

とともに、ドメイン管理ガイドに基づくドメインの管理を実施するものとす

る。

KPI:政府ドメイン(go ドメイン)及び政府機関の非 go ドメインの移行・集

約数

(5) 政府情報システム改革

1)政府情報システム数削減の取組

総務省は政府情報システム改革ロードマップ策定の基準時点である 2012年度

において 95の情報システムを所管していたが、統廃合の取組を行ったことによ

り、2018 年 4 月現在、その数は 63 システムまで減少している。政府共通プラ

ットフォームへの移行分も削減数に計上すれば、2013 年度以降に新規整備した

情報システムを除く所管情報システムの総数は 39 となり、2018 年度までに半

数近くまで削減するとの政府目標に貢献しているところである。

既存の情報システムについては、今後さらなる政府共通プラットフォームへ

の移行は予定されていないが、政府共通プラットフォームを所管する省として、

今後も移行促進の取組を継続するとともに、最新の技術動向を踏まえ、必要に

応じて統廃合の検討を行うものとする。

KPI:システム数(2018年度までに 2012年度(平成 24年度)比で半減)

2)運用コスト削減の取組

総務省の所管する情報システムの運用経費はコスト削減計画の基準値 125.5

億円に対し、現時点における 2021 年度削減額の見込みは 37.8 億円となってい

る。削減割合に換算すれは 30.1%であり、総務省単独でも政府目標の3割削減

を達成していることになる。

特に多額の年間運用等経費を必要とする総合無線局監理システムについて、

運用実態を精緻に分析した上でサーバ台数等の見直しを行うことにより、約

31%の削減見込額を計上していること等が省全体の削減割合に貢献しているも

のと考えられる。

今後もシステム運用やシステムの背景となる業務の実態を継続的にとらえる

活動を継続し、また、クラウド化を契機とする各種仕様の標準化を図ることや

ブロックチェーンや AI等の新たな技術も取り込んだ業務改革の可能性を検討す

ることにより、運用コスト削減の取組を推進し、新たな行政サービスに必要な

投資が可能となる環境整備に努めるものとする。

KPI:運用コスト(2021年度までに 2013年度(平成 25年度)比で3割削減)

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3)情報システムにおけるクラウドサービスの利用

ア.総務省におけるクラウド利用に関する考え方

総務省は、以下のイに掲げる政府共通プラットフォーム以外に、既にいくつ

かの国民向けサービスについてパブリック・クラウドを利用した情報システム

の整備・運用を行っているところである。

今後は、新規整備システムや既存のオンプレミスにより整備されている情報

システムについても、システム更改等の適切な契機において、クラウドサービ

スの利用を第一候補として検討を行うものとする。検討に当たっては、「政府

情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」(2018 年(平

成 30 年)6 月 7 日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)にしたがっ

て方式を判断する。

特に、2021年度にも更改を予定している総務省 LANにおいては、2018年度に

実施する調査研究において、クラウドの導入に係る課題の整理を行うものとす

る。その他の情報システムについては、先行する取組を参考にしつつ、順次検

討を実施する。

なお、クラウドへの移行に当たっては、クラウド化になじむシステム仕様や

業務フローとすべく、システム化の対象となる業務の BPR やシステムのアーキ

テクチャの見直しを前提とする。

KPI:政府情報システムにおけるクラウド活用数

イ.政府共通プラットフォーム

総務省では、各府省に対し、IT リソースや運用・監視、セキュリティ機能を

一元的に提供することにより、政府情報システムの質の向上と資源集約化によ

るコストメリットを実現するため、平成 25 年から政府共通プラットフォーム

(以下「政府共通 PF」という。)の運用を開始し、統合・集約化を推進してき

たが、運用の効率性や ITリソース提供の硬直性等の課題が指摘されている。こ

のため、これまでの運用実績を踏まえ、インシデントの悉皆分析や業務フロー

の実態分析を行い、各府省と連携を図りながらインシデントの抑制に係る取組

や業務プロセスの再構築を進めるとともに、使用実績に基づいたリソース量の

見直しによる、経費抑制の取組を引き続き行っていくこととしている。

政府共通 PFの目的を更に推進するため、これまで実施してきた実態分析で得

た気づきを活用しつつ、運用コストの低減や各府省への資源提供の迅速化、シ

ステム運用業務の自動化・省力化・セルフサービス化を目指し、民間クラウド

サービスを活用した新たな政府のプライベート・クラウドとして、政府共通 PF

の本格更改を実施する。クラウドサービスの活用に際しては、政府統一基準群

等のセキュリティポリシーを踏まえたセキュリティ水準を確保し、各府省が政

府共通 PFを安全・安心に利用できるよう、リスク管理項目や対策基準を明確化

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することとする。

次期政府共通 PF への移行対象については、データの特性上、政府が直接保

有・管理する必要があると考えられる情報システムを中心とし、極めて高い可

用性が求められるなど特殊な要件を有する情報システムは、移行可否を慎重に

見極めることとする。さらに、実際の移行に当たっては、投資対効果の検証を

徹底し、更なる仮想構成によるリソース共有等や民間クラウドを積極的に活用

したサービス内容の標準化・共通化を推進する。

今後、本格更改の進め方として、政府 CIO の下、政府 CIO 補佐官等有識者の

専門的・技術的支援・助言を得つつ、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会

議等の下で検討を進める。これにより、2018 年度上半期までに新たな政府情報

システム基盤の整備計画を策定し、新たな政府共通 PFの全体像を明らかにする

こととし、2020年度中のサービス開始を目指す。

KPI:新たな政府情報システム基盤の整備計画の策定

4)サービスデザイン思考の導入による e-Gov刷新

総務省が 2015 年に e-Gov における電子申請 API の提供を開始して以降、e-

Gov を利用した電子申請件数の伸びは加速している。(平成 29 年度における e-

Govの電子申請受付件数は約 850万件で前年度比 1.3倍、API対応ソフトウェア

からの申請件数は約 400万件で前年度比 1.6倍。)

今後、e-Gov の利便性向上に向けて、サービスデザイン思考を導入し、利用

者目線で提供サービスを見直すとともに、API 対応ソフトウェアの開発ベンダ

ーにとって開発しやすい環境を構築することとする。

具体的には、2020 年度に予定する e-Gov の次期更改において、利用状況や改

修施策の反響を計測するためのモニタリング機能の整備、利用者ニーズの変化

等に迅速に対応できるアーキテクチャへの見直し、ソフトウェア開発者にとっ

てより利便性の高い開発環境の整備及び API 対象手続の拡大等に取り組むこと

とする。

また、利用者視点を踏まえたデジタルファーストを実現するためには、電子

申請の受付から、審査、決裁、許認可等に至る業務プロセス全体の見直しが必

要となる。このようなデジタルを前提とした業務改革(BPR)に資するよう、

e-Gov電子申請機能のアーキテクチャの在り方について検討を行う。

KPI:e-Gov への総アクセス件数(2021 年度の総アクセス件数を 2016 年度(平

成 28年度)比で 2倍に増加)

APIからのアクセス件数(2021年度のアクセス件数を 2016年度(平成 28年度)

比で 4倍に増加)

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IV. 価値を生み出すITガバナンス

(1) 推進体制の整備

総務省においては、CIO 補佐官及び最高情報セキュリティアドバイザー(以

下「CIO 補佐官等」という。)による評価・助言のための体制を整備し、省内情

報システムの予算要求に係る費用積算や調達仕様書及び見積りの妥当性を担保

している。

本計画に掲げる各種のサービス改革についても、PMO(大臣官房企画課)が

評価・助言の場として CIO 補佐官等相談会を運営し、CIO 補佐官等が実施部局

を支援する仕組みを設けることにより、強力な推進を図ることとする。

また、改革の方向性を決定する際や進捗について予定とのかい離が発生した

場合、対外的な説明が必要となった場合等においては、副 CIO(サイバーセキ

ュリティ・情報化審議官)のレビューを実施し、改革内容の実効性を担保する

とともに、省全体としてバランスのとれたサービス改革とする。

なお、本計画において、IT ガバナンスに係る基本的な用語を以下のとおりと

する。

「情報システム責任者」とは、情報システムについて責任を負ってい

る職員を指し、「総務省情報セキュリティポリシー」(平成 29 年9月 1

日総務省情報セキュリティ委員会決定。以下「ポリシー」という。)に

定める情報システムセキュリティ責任者をいう。

「情報システム管理者」とは、情報システムの管理を担う職員を指し、

ポリシーに定める情報システムセキュリティ管理者をいう。

「情報システム担当者」とは、情報システムの企画、設計・開発、運

用、セキュリティ確保等において、実質的な事務を担う職員をいう。

「府省重点プロジェクトの担当者」とは、「デジタル・ガバメント推進

標準ガイドライン」(平成 26年 12月 3日 CIO連絡会議決定、平成 30年

3月 30日最終改定。以下「標準ガイドライン」という。)に定める PJMO

に属する職員をいう。

本計画において「部局行政情報化責任者」及び「課室行政情報化責任

者」とは、それぞれ部局及び課室の行政情報化及び情報セキュリティ

対策の責任者のことをいう。原則として、部局行政情報化責任者は別

表1の者をもって、課室行政情報化責任者は課室長をもって、それぞ

れ充てる。

「部局行政情報化管理者」及び「課室行政情報化管理者」とは、それ

ぞれ部局行政情報化責任者及び課室行政情報化責任者を補佐する職員

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のことをいう。部局行政情報化管理者は、原則として、別表2の者を

もって充てる。

「部局行政情報化担当者」及び「課室行政情報化担当者」とは、それ

ぞれ部局及び課室の行政情報化及び情報セキュリティ対策において、

実質的な事務を担う職員のことをいう。

(2) ガバナンスの強化

標準ガイドラインにおいては、情報システムを用いる業務の企画、運営及び

見直しを計画的に実施するための手順が詳細に定められるとともに、プロジェ

クトライフサイクルについて、情報システムの構築又は更改に向けた検討の開

始時をプロジェクトの始期とし、政策目的・目標の実現や定められた期限の到

来等をプロジェクトの終期とすることとされている。

これを踏まえ、総務省におけるプロジェクトに係る管理を以下のとおり実施

し、ITガバナンスの強化を図る。

1)CIO補佐官及び最高情報セキュリティアドバイザーによる評価・助言

PMO 及び CIO 補佐官等は、省内全体管理を適切に実施するため、また、情報

システム担当者は、システム規模及び必要経費の妥当性を高め、公平な調達を

実施し、適切な設計・開発及び運用を実現するため、以下の対応を行う。

ア.予算要求時等の対応

情報システム担当者は、情報システム関係予算について予算概算要求を行う

場合は概算要求前までに、補正予算の場合は原則政府案決定までに、根拠とな

る費用積算の妥当性について CIO 補佐官等に相談することとし、CIO 補佐官等

の評価書を取得する。また、概算要求に関連して内閣官房又は総務省行政管理

局から資料提供の求めがあった場合、これに CIO 補佐官等の評価書を添付する。

PMO が CIO 補佐官等への相談の場を運営する際には、大臣官房会計課と密接

に連携し、共同でのヒアリングの場とするなど、効率的かつ効果的な場とする

よう努める。

イ.適切な調達の実施

情報システム担当者は、情報システムの整備及び運用に係る調達を実施する

場合、調達仕様書及び費用見積りの妥当性について CIO補佐官等に相談し、CIO

補佐官等の評価書を取得する。また、調達起案文書には取得した評価書を添付

することとし、支出負担行為担当官及び契約担当官は、評価書を基に、調達仕

様書及び費用見積りの妥当性を確認する。

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ウ.情報システム担当者へのヒアリング

PMO及び CIO補佐官等は、問題の早期発見のため、本計画やこれまでの CIO補

佐官等相談会の内容等を勘案し、今後の適切な情報システムの整備及び運用に

懸念が生じたときは、情報システム担当者へのヒアリングを実施する。また、

社会的に影響の大きい重要なシステムなど、PMO が必要と認めるものについて

は、副 CIOによる直接の定期的なヒアリングを実施するものとする。

情報システム担当者は、上記ヒアリングの要請があった場合、速やかにこれ

に応じる。

2)府省重点プロジェクトの適切な管理

標準ガイドラインに基づき府省重点プロジェクトを実施する場合は、以下の

手順に従うものとする。

府省重点プロジェクト以外のプロジェクトについても、以下を参考に、各段

階において必要に応じて CIO 補佐官等相談会を活用するなどして、プロジェク

トの円滑な運用に努めるものとする。

ア.プロジェクトの開始及び実施の承認

府省重点プロジェクトの担当者は、当該プロジェクトの検討開始後、概算要

求前の可能な限り早い時期に、標準ガイドラインに基づくプロジェクト計画書

の素案、要件定義書の素案及び概算要求のための見積りを、CIO 補佐官等相談

会を通じてPMOに提示するとともに、PMOからプロジェクト開始の承認を得る。

イ.第一次工程レビュー

府省重点プロジェクトの担当者は、プロジェクトの開始後、設計・開発に

係る調達仕様書案の作成完了の前の可能な限り早い時期に、CIO 補佐官等相

談会を通じて標準ガイドラインに基づく第一次工程レビューを受け、レビュ

ー結果をプロジェクト計画書及び要件定義書の案に反映する。

ウ.第二次工程レビュー

府省重点プロジェクトの担当者は、設計・開発に係る調達実施後、設計・

開発を開始する前に、要件定義書の内容を更に精緻化・具体化した上で、

CIO 補佐官等相談会を通じて標準ガイドラインに基づく第二次工程レビュー

を受け、レビュー結果をプロジェクト計画書及び要件定義書に反映する。

エ.設計・開発の進ちょく報告

府省重点プロジェクトの担当者は、設計・開発の開始後、その進ちょく状

況について PMO から報告を求められた場合は、CIO 補佐官等相談会を通じて

速やかにこれに応じる。また、設計・開発において問題等が生じた場合は、

早急に CIO 補佐官等相談会を通じて PMO に報告し、PMO 又は CIO 補佐官等の

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助言を受ける。

オ.第三次工程レビュー

府省重点プロジェクトの担当者は、設計・開発及びシステム導入前のテス

トが完了した後、運用を開始する前に、CIO 補佐官等相談会を通じて標準ガ

イドラインに基づく第三次工程レビューを受け、レビュー結果を運用設計書、

運用・保守作業計画書及び運用段階のプロジェクト計画書に反映する。

カ.運用・保守

府省重点プロジェクトの担当者は、運用開始後、政策目的・目標の達成状

況、運用段階で必要となった改善点等について PMO から報告を求められた場

合は、CIO 補佐官等相談会を通じて速やかにこれに応じる。また、運用・保

守において問題等が生じた場合は、早急に CIO 補佐官等相談会を通じて PMO

に報告し、PMO又は CIO補佐官等の助言を受ける。

さらに、標準ガイドラインに基づき原則として毎年度1回改定するプロジ

ェクト計画書について、その改定内容を PMOに報告する。

キ.プロジェクトの完了

府省重点プロジェクトの担当者は、プロジェクト計画書で定めたプロジェク

ト完了日の到来、新たに情報システムを更改する事情の発生、プロジェクトの

対象となっていた業務の改廃等により、プロジェクトを完了させる必要性が生

じた場合、プロジェクト計画書に完了予定の旨を記載するとともに、その経緯

等を示す資料を取りまとめ、CIO 補佐官等相談会を通じて PMO に報告し、プロ

ジェクト完了の承認を得る。

(3) 人材確保・育成

1)総務省におけるセキュリティ・IT人材の確保・育成

総務省は、行政運営の改善、地方行財政、情報通信など、国家の基本的仕組

みに関わる諸制度を支える社会的に影響の大きいシステムを所管しており、こ

のような重要なシステムについては、安定性・継続性のある管理・運用が不可

欠である。サイバーセキュリティを巡る状況についていえば、平成 27年に発生

した日本年金機構における個人情報流出事案の発生など、政府機関を狙った攻

撃は年々増加・巧妙化しており、2020 年に予定されている東京オリンピック・

パラリンピック競技大会に向け、総務省においても万全の体制を整えていく必

要がある。さらには、技術の進歩等により今後更に高度化・増加すると予想さ

れる業務に対応していくに当たり、人材の確保・育成や更なる体制の強化が課

題となる。

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政府全体の方針としては「サイバーセキュリティ人材育成総合強化方針」

(平成 28 年3月 31 日サイバーセキュリティ戦略本部決定)、「サイバーセキュ

リティ人材育成プログラム」(平成 29年 4月 18日サイバーセキュリティ戦略本

部決定)が策定され、政府機関においてもセキュリティ・IT 人材の育成等適切

な対応が求められている。また、平成 28年 4月には、サイバーセキュリティ対

策、情報システムの適切な運用管理、業務改革などの分野において、省内の司

令塔機能・統括機能の強化を図るべく、各省にサイバーセキュリティ・情報化

審議官等が設置された。

このような状況の中、上記強化方針を受けて、総務省における今後 4 年間の

人材確保・育成の方針を記した「総務省サイバーセキュリティ・IT 人材確保・

育成計画」(平成 29年8月 31日情報化統括責任者及び最高情報セキュリティ責

任者最終改定)を策定し、今後の方針を示したところである。

大臣官房企画課及び秘書課においては、情報システムの企画・管理・運用や

サイバーセキュリティに関する専門知識を有するだけでなく一般行政全般に係

る知識・能力を有し、意思決定を行う者を技術面・実務面から適切にサポート

できる職員、いわゆる「橋渡し人材」をも十分に確保・育成していくため、

「総務省サイバーセキュリティ・IT 人材確保・育成計画」に定めるサイバーセ

キュリティ・IT 人材育成プログラムに係る取組を着実に実施することとし、計

画的な登用や研修プログラムの充実を図る。あわせて、一般職員についても、

その役割に応じた知識・経験を有していることが求められるため、総務省職員

として必要な情報システム及びサイバーセキュリティに係る基本的事項につい

て研修を行い、省全体としてのレベル向上を図ることとする。両課はこれらの

取組の課程で、各部局に対し必要な協力を要請しつつ、セキュリティ・IT 人材

の確保・育成を着実に実施していく。

また、総務省や政府全体をとりまくサイバーセキュリティやデジタル・ガバ

メントに係る情勢の変化に対応し、「総務省サイバーセキュリティ・IT 人材確

保・育成計画」自体についても適宜必要な改定を行い、計画の実効性を担保す

る。

2)情報システム統一研修の見直しと行政管理局への出向受入れ

セキュリティ・IT人材の確保・育成を進めるため、政府は、2017年度に総務

省が実施する情報システム統一研修(以下「統一研修」という。)修了等を要

件とした橋渡し人材に係るスキル認定基準を策定した。

行政管理局では、各府省における橋渡し人材の育成に資するため、各府省の

要望を踏まえながら統一研修の開催数、受講定員の更なる拡充を図るとともに、

政府におけるサービス改革、データ利活用を推進する観点から、サービスデザ

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イン思考に基づく業務改革(BPR)や、オープンデータ・バイ・デザインに基

づいた業務の設計・運用等を行うことのできる人材を育成していくため、順次

統一研修に係る研修メニューの充実を図り、標準ガイドライン群へのサービス

デザイン思考の要素等の組入れを踏まえて内容を見直した統一研修を、2020 年

度を目途に開始する。

また、橋渡し人材となるための実用性の高い経験を各府省職員に提供するた

め、強化方針を踏まえ、行政管理局において引き続き各府省からの出向受入れ

の充実を図る。

(4) 情報セキュリティ対策

第 4 期総務省 LAN においては、インターネット公開サイト閲覧により LAN 端

末にマルウェアがダウンロードされることを防ぐため、多層防御によるセキュ

リティ対策等を導入した。今後も、年々高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対

する検知・防御能力の強化のための取組を継続し、総務省 LAN のセキュリティ

レベルの維持・向上を図っていく。

各部局は、機密情報を簡易に暗号化する機能を確実に利用するとともに、外

部電磁的記録媒体を適正に管理すること等により、機密性情報の不正な閲覧や

流出の防止を図る。

情報システムセキュリティ責任者は、ポリシーに基づき、所管する情報シス

テムを適切に運用するため、運用管理規程に基づき情報システムの運用管理を

行うとともに、必要に応じ同規程を改定する。

各情報システムについては、パスワード等の適切な設定・管理を行うととも

に、アンチウイルスソフトウェアを導入し、常にパターンファイルを更新する。

また、ログの取得・管理等、ポリシーに基づく各種対策を確実に実施する。

情報システム管理者及び担当者は、情報システムの障害等が発生した場合、

既定の手順書に従って、速やかに大臣官房企画課に連絡する。

(5) デジタル・ワークスタイル

総務省は、ICT 所管省として、これまでも電子決裁等のペーパーレス化、テ

レワークの推進等のデジタル・ワークスタイルの実現に積極的に取り組んでき

ている。特に国家公務員の働き方については、「霞が関の働き方改革を加速す

るための重点取組方針」(平成 28年 7月 29日内閣官房内閣人事局決定)におい

て、各府省等は CIO 及び副 CIO の下、2020 度までに、セキュリティの確保され

た使い勝手の良いリモートアクセス機能を整備・強化するこことされている。

また、2018 年度までに、審議会や幹部会議等における原則ペーパーレス化を目

指し、ペーパーレスによる会議や打合せを行うために必要となるタブレット端

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末や無線 LAN 環境等の整備を行うとともに、ペーパーレスを前提とした文書管

理を推進することとされているなど、ワークスタイル変革の推進が各府省に共

通する重要な政策課題となっている。総務省の業務の効率化と質の向上に資す

るため、また、他府省に横展開できる好事例を形成することも念頭に置き、以

下の取組方針の下、霞が関をリードする行政 ICT 化を更に推進することとする。

加えて、総務省は、「霞が関で働く女性有志」の提言を踏まえ、業務省力

化・平準化の観点から、ICT を活用し、法案等関係資料の作成支援等を行う e-

LAWS を開発し、2016 年 10 月から各府省において運用を開始したところである

が、法制執務業務に十分に活用できるものとなっていないことから、次期更改

に向けて見直し、各府省法案担当者の負担の軽減を図ることとする。

1)総務省 LANを中心とした環境の整備

総務省の行政 ICT 化の中核を成す総務省 LAN については、2017 年 4 月から第

4期総務省 LANの運用を開始したところである。

第 4 期総務省 LAN では、本省においては会議室、打合せスペースのみならず

執務室内すべてのスペース、地方支分部局においては会議室及び打合せスペー

スで無線 LAN サービスの利用を実現した。これにより、総務省 LAN 端末を庁舎

内の執務室や会議室・打ち合わせスペースに敷設された無線 LAN アクセスポイ

ントに接続することで、自席にいなくても電子メールの送受信、文書の作成、

会議・打ち合わせにおける会議資料の共有が可能となった。今後も、行政評価

局組織のサテライトオフィス化に向けた支援も適切に実施するなど、各拠点組

織のニーズに応じ無線 LANサービスの提供範囲の拡充を進める。

今後は、2021 年度にも運用開始を予定している第 5 期総務省 LAN においてよ

り一層の利便性の高い働き方の実現に資する機能について調査研究を実施し、

一定の方向性を得ることとする。

2)テレワークの推進

第 4 期総務省 LAN においては、職員が利用できる仮想デスクトップ型のリモ

ート接続環境を構築するとともに、汎用性・機能性の高い USB シンクライアン

トを導入することにより、必要性に応じた職員への配布を実現した。また、

USB シンクライアントを利用した web 会議についても可能とし、よりスムーズ

にテレワークが行える環境を整備した。2017 年 10 月には、要機密情報の漏え

い等を防止するとともに、職員の業務効率の向上に資するため、私用モバイル

端末での電子メールの閲覧等を可能とするリモートアクセス環境の整備も実施

したところである。

このようなテレワーク実施の環境整備に加え、テレワーク制度の運用を柔軟

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化することにより、平成 29 年度におけるテレワーク利用人数は初めて全職員

数(約 4,800人)の4割を超えるなど省内の利用者数は増加している。

今後は、テレワーク時の電話利用の利便性向上に資する機能を 2018年度に実

現すべく検討を行う。

ソフト面においても、テレワークのさらなる推進に向け、場所にとらわれず、

テレワークへの移行がスムーズに行えるよう、日常的にペーパーレスを実施す

るといったワークスタイルの変革を推進する。また、各職員が、テレワークを

前提に業務を行うことで、業務の効率化や、会議の実施日等スケジュール管理

が日常的に意識され、テレワークの必要が生じた際にスムーズな実施が可能と

なる。こういった職員の意識改革を日常的に推進し、一層の制度利用の浸透を

図る。

3)ペーパーレス会議・web会議の推進

各部局は、審議会、有識者会議、ワーキンググループやプレゼンテーション

の際に総務省 LAN や専用のタブレット端末を用いたペーパーレス会議システム

を活用することとし、会議の性質に応じてペーパーレス会議システムと web 会

議を組み合わせるなど、より効率的な会議運営を行うよう留意する。また、会

議の性質によって可能な場合には、会議資料を事前にホームページ等にアップ

ロードし、出席者及び傍聴者が各自ダウンロードの上持参する手法の活用につ

いても検討することとする。

また、web 会議の活用により、本省・地方支分部局間の出張に係る経費や諸

手続による職員の労力軽減などが期待される。各部局は、引き続き web 会議を

利用した会議の開催に努める。大臣官房企画課は、開催の好事例を収集して省

内に周知するなど、web会議活用を推進する。

KPI:ペーパーレス会議の実施回数及び資料ページ数

4)オフィス改革の推進

総務省におけるオフィス改革の取組としては、2015 年から先進的な取組とし

て行政管理局一部でレイアウトの変更等を実施した。現在は当該取組が行政管

理局の全ての課室、統計局の一部、行政評価局及び地方支分部局の一部、情報

流通行政局の一部に広まり、省全体として意欲的に取り組んでいるところであ

る。これらオフィス改革の一体的な取組により意思決定の迅速化、若手の印刷

作業の軽減等の業務効率化や、コミュニケーションの活性化、職員からの業務

効率化策の発案等の意識改革の広がりといった効果が見られている。

各部局は、無線 LAN 環境を最大限活用し、紙を極力使わない仕事スタイルの

実現や自席に縛られない働き方の実現に向けたペーパーレス化や web 会議活用

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等の取組により、業務の性質等を考慮した上で、レイアウト変更等の実施につ

いて検討する。

5)e-LAWSの見直し

各府省は、「「法制執務業務支援システム」の導入について」(平成 27 年2月

6日各府省官房長等申合せ)に基づき、所管する全ての法令(法律、政令、府

省令、規則)について、e-LAWS を使用して、①改め文案等の法案等関係資料の

作成、②成立・決定した法令に係る官報入稿、③成立・決定した法令情報の確

認及び認証を行い、法令データベースの更新を行うこと、とされている。

現行 e-LAWS では、e-LAWS 用の新旧対照表から、ワープロ原稿の改め文の当

初案を自動作成する機能を提供しているが、法制局審査等の修正は e-LAWSとは

別にワープロソフトを利用して編集することが必要となる。また、法令中の

「表」は、e-LAWS で改正作業を行う対象外とされている。そのため、官報公布

後、「新旧対照表」の内容を e-LAWS 用に再度入力する作業が発生することなど

から、法案等関係資料の作成に十分に活用できるものとなっておらず、各府省

担当者の負担が軽減されていない。

現行の課題を的確に把握するため、各府省法案担当者へヒアリングを行うな

ど法制執務業務に即した業務分析の実施を行い、その業務分析の結果を踏まえ、

内閣官房副長官補室と連携して各府省文書課長級会議の下で、e-LAWS の見直し

について検討を行う。この検討結果を踏まえ、2021 年度に運用開始を予定して

いる次期 e-LAWSにおいては、法案作成から国会提出までの法案等関係資料作成

作業、官報入稿から法令データベース登録までの作業を見直し、システムを改

修する。

6)働き方改革の恒常的実施に向けた取組

総務省においては、2018 年 1 月に職員の公募により「総務省働き方改革チー

ム」が発足し、デジタル・ワークスタイルの実現を含む総務省職員の働き方改

革の具体的な方策について検討を行っているところである。

今後は、同チームの取りまとめ内容のうちデジタル・ワークスタイルに係る

箇所を実際の取組につなげていくため、本計画に必要な事項を盛り込み、全省

的な活動として取組を推進するものとする。

(6) デジタル・ガバメントの推進に係るその他の取組

1)地方公共団体の行政手続のオンライン利用促進

行政手続等の棚卸の結果を踏まえつつ、地方公共団体が行う手続のうち重要

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と考えられる手続を特定した「地方公共団体オンライン利用促進指針」に基づ

き、地方公共団体は、必要に応じて官民データ活用推進基本計画に行政手続の

オンライン利用に関する方策を位置付けた上で、総務省は、行政手続のオンラ

イン利用を推進するよう働きかける。

2)地方公共団体におけるクラウド利用の推進

地方公共団体におけるクラウドの導入には、コストの削減や業務負担の軽減、

業務の共通化・標準化、セキュリティ水準の向上及び災害に強い基盤構築の観

点から重要な取組である。

総務省は、内閣官房と連携し、地方公共団体の長を直接訪問して導入の具体

的な検討を働きかけるとともに、地方公共団体が策定するクラウド導入等の計

画の進捗を管理しつつ、自治体クラウドを中心に地方公共団体におけるクラウ

ド導入を推進する。

また、地方公共団体におけるクラウドの効率的な導入を支援するため、パッ

ケージソフトのカスタマイズ抑制やデータセンターの効率的な活用等について

検討を実施し、2018年度末を目途に結論を得る。

KPI:クラウド導入市区町村数(2023 年度末までに約 1,600 団体、うち自治

体クラウドは約 1,100団体)

KPI:地方公共団体の情報システムの運用コストの圧縮(3割減)

3)地方公共団体における適正な情報セキュリティの確保

IT の進展によって官民を通じたデータの連携が進む中、ネットワークで繋

がることによるリスクが顕在化してきており、行政サービスの最先端を担う

地方公共団体においても、情報セキュリティの確保が一層重要な課題となっ

ている。また、庁内業務遂行において効率性を発揮できる業務環境を構築す

ることも重要である。

総務省では、マイナンバーの情報連携開始に向けて、地方公共団体に対し

ていわゆる「三層の対策」に取り組むよう働きかけてきたところである(平

成 27年 12月 25日付け各都道府県知事及び各市区町村長あて総務大臣通知「新

たな自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化について」)。具体的に「三層

の対策」とは、①マイナンバー利用事務系では、端末からの情報持ち出し不

可設定等を図り、住民情報流出を徹底して防止すること、②マイナンバーに

よる情報連携に活用される LGWAN 環境のセキュリティ確保に資するため、

LGWAN 接続系とインターネット接続系を分割すること、③都道府県と市区町村

が協力して、自治体情報セキュリティクラウドを構築し、高度な情報セキュ

リティ対策を講じることである。

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こうした状況を踏まえ、国における情報セキュリティ対策の状況や今般の

マイナンバーの情報連携開始等を踏まえた内容となるよう、総務省は「地方

公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(以下

「ガイドライン」という。)の改定を 2018年度内に実施する。また、各地方公

共団体における情報セキュリティポリシーの見直しの際には、ガイドライン

の改定を踏まえたものとなるよう支援する。

KPI:各地方公共団体における情報セキュリティポリシーの見直しの際の支

4)地方公共団体におけるオープンデータの推進

官民データ活用推進基本法(平成 28年法律第 103号)では、地方公共団体

は、国と同様に、保有するデータを国民が容易に利用できるよう必要な措置

を講ずるものとされている。また、「デジタル・ガバメント実行計画」にお

いて、地方公共団体は、同法の趣旨、「オープンデータ基本指針」及び当該

計画を踏まえ、行政保有データを原則オープン化し、オープンデータを活用

した地方発ベンチャーの創出の促進、地域の課題の解決を図ることとされて

いる。

総務省では、地方公共団体におけるオープンデータの取組を支援するため、

内閣官房と連携して、民間ニーズとの調整・仲介や人材育成を行うための環

境整備等を行う。

5)地方公共団体における地域情報プラットフォーム準拠製品の導入及び中間標

準レイアウトの利用の推進

地方公共団体において地域情報プラットフォーム標準仕様準拠製品を導入

することで、ベンダーロックインの解消が可能となり、業務ごとの最適な製

品の選定、コスト削減及び業務の利便性向上に寄与する。同様に地方公共団

体における業務システム更改時に中間標準レイアウト仕様を利用することで、

ベンダーロックインの解消が可能となり、将来的なデータ移行費の削減に寄

与する。

総務省は、両仕様について各種セミナー等を通じて地方公共団体に対して

周知広報するとともに、両仕様による運用コストやデータ移行コスト等の削

減効果等について検討し、導入率・利用率の向上を図る。

KPI:地方公共団体における準拠製品の導入率(地域情報プラットフォー

ム)

KPI:地方公共団体における利用率(中間標準レイアウト)

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6)地域における AI・RPA等の革新的ビッグデータ処理技術の活用推進

地域における AI・RPA 等の革新的ビッグデータ処理技術の活用を推進する

ことにより、住民・企業の負担軽減や地域課題の解決、地方公共団体の業務

システムの標準化・業務効率化が期待される。

総務省は、AI・RPA 等の革新的ビッグデータ処理技術を実証し 2020 年度末

までに当該技術を活用する地域数 300 を実現するとともに、2018 年度中に

「自治体データ庁内活用ガイド(仮称)」を策定する。

KPI:AI・RPA等の革新的ビッグデータ処理技術を活用する地域数

7)地方公共団体における AI・RPA等による業務効率化の推進

本格的な人口減少社会となる 2040年頃を見据え、希少化する人的資源を本

来注力するべき業務に振り向けるため、自治体の業務のあり方そのものを刷

新することが必要である。

窓口業務等に限定せず、自治体行政の様々な分野で、団体間比較を行いつ

つ、ICTや AI等を活用した標準的かつ効率的な業務プロセスを構築する。

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V. 計画の評価・改定 総務省 CIO又は副 CIOは、PMOである大臣官房企画課サイバーセキュリティ・

情報化推進室と一体的に、少なくとも四半期単位で計画に係る評価を行うとと

もに、計画内容の見直しを検討する。

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別表1

大臣官房秘書課長

大臣官房総務課長

大臣官房会計課長

大臣官房政策評価広報課長

行政管理局企画調整課長

行政評価局企画課長

自治行政局行政課長

自治財政局財政課長

自治税務局企画課長

国際戦略局参事官

情報流通行政局総務課長

総合通信基盤局総務課長

統計局統計情報システム管理官

政策統括官付統計企画管理官

政策統括官付恩給企画管理官

公害等調整委員会事務局総務課長

消防庁総務課長

消防庁消防大学校庶務課長

行政不服審査会事務局総務課長

情報公開・個人情報保護審査会事務局総務課長

官民競争入札等監理委員会事務局参事官

電気通信紛争処理委員会事務局参事官

自治大学校庶務課長

情報通信政策研究所総務部長

統計研究研修所次長

政治資金適正化委員会事務局参事官

北海道管区行政評価局総務行政相談部長

東北管区行政評価局総務行政相談部長

関東管区行政評価局総務行政相談部長

中部管区行政評価局総務行政相談部長

近畿管区行政評価局総務行政相談部長

中国四国管区行政評価局総務行政相談部長

四国行政評価支局総務行政相談管理官

九州管区行政評価局総務行政相談部長

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沖縄行政評価事務所次長

北海道総合通信局総務部長

東北総合通信局総務部長

関東総合通信局総務部長

信越総合通信局総務部長

北陸総合通信局総務部長

東海総合通信局総務部長

近畿総合通信局総務部長

中国総合通信局総務部長

四国総合通信局総務部長

九州総合通信局総務部長

沖縄総合通信事務所次長

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別表2

大臣官房秘書課課長補佐

大臣官房総務課課長補佐

大臣官房会計課課長補佐

大臣官房企画課課長補佐

大臣官房政策評価広報課課長補佐

行政管理局企画調整課課長補佐

行政評価局企画課課長補佐

自治行政局行政課課長補佐

自治財政局財政課課長補佐

自治税務局企画課課長補佐

国際戦略局国際政策課課長補佐

情報流通行政局総務課課長補佐

総合通信基盤局総務課課長補佐

統計局統計情報システム管理官補佐

政策統括官付統計企画管理官付統計企画管理官補佐

政策統括官付恩給企画管理官付恩給企画管理官補佐

公害等調整委員会事務局総務課課長補佐

消防庁総務課課長補佐

消防庁消防大学校庶務課主幹

行政不服審査会事務局総務課課長補佐

情報公開・個人情報保護審査会事務局総務課課長補佐

官民競争入札等監理委員会事務局参事官補佐

電気通信紛争処理委員会事務局上席調査専門官

自治大学校庶務課主幹

情報通信政策研究所総務部総務課長

統計研究研修所管理課長

政治資金適正化委員会事務局主幹

北海道管区行政評価局総務行政相談部総務課長

東北管区行政評価局総務行政相談部総務課長

関東管区行政評価局総務行政相談部総務課長

中部管区行政評価局総務行政相談部総務課長

近畿管区行政評価局総務行政相談部総務課長

中国四国管区行政評価局総務行政相談部総務課長

四国行政評価支局総務課長

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九州管区行政評価局総務行政相談部総務課長

沖縄行政評価事務所総務課長

北海道総合通信局総務部総務課企画広報室長

東北総合通信局総務部総務課企画広報室長

関東総合通信局総務部総務課企画広報室長

信越総合通信局総務部総務課長

北陸総合通信局総務部総務課長

東海総合通信局総務部総務課企画広報室長

近畿総合通信局総務部総務課企画広報室長

中国総合通信局総務部総務課企画広報室長

四国総合通信局総務部総務課長

九州総合通信局総務部総務課企画広報室長

沖縄総合通信事務所総務課長