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ⓒ JAHIS 2017
事業企画推進室報告 医療等分野におけるネットワークの 相互接続の実現に向けた調査研究
2017.7.24
事業企画推進室 副室長 黒野 満夫
2017年度戦略企画部・第6回業務報告会
ⓒ JAHIS 2017
目次 1.相互接続(IX)の概要 (1)現状課題 (2)相互接続(IX)での実現イメージ (3)ネットワーク層とアプリケーション層 (4)相互接続(IX)での接続イメージ (5)将来的には全国規模のネットワーク 2.相互接続(IX)事業の概要 (1)検討内容 (2)相互接続をするために解決すべき課題(技術・運用・サービスの観点) (3)実施体制 (4)実施スケジュール (5)ネットワークの相互接続が想定できるユースケース (6)IX接続後の期待できる医療機関等のメリット (7)相互接続を含む全体の仕組みづくり (8)成果物 3.おわりに (1)次のステップへ (2)HEASNETの相互接続仕様書
2
ⓒ JAHIS 2017 3
地域医療 ネットワークA
(1)現状課題
地域医療 ネットワークB
診療所 基幹病院
薬局
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
支払い基金
1.相互接続(IX)の概要
オンライン請求サービス
IPsec-VPN通信事業者
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
診療所
ISDN
【医療等分野のネットワークの課題】 現状、各医療機関は、必要なネットワークを個別に引いている。 例1:地域医療ネットワークAの基幹病院 ①オンライン請求サービスへの接続用 ②地域医療ネットワークBの情報へのアクセス用 例2:地域医療ネットワークに入っていない診療所 ①オンライン請求サービスへの接続用 ②地域医療ネットワークBの基幹病院の情報へのアクセス用 様々の用途向けの医療ネットワークが、独自運用されてきているため、それぞれのネットワークに入るためには、個別に接続する必要があり、ネットワーク費用の負担が大きくなってきている。
例1
例2
ⓒ JAHIS 2017 4
地域医療 ネットワークA
(2)相互接続(IX)での実現イメージ
地域医療 ネットワークB 診療所
基幹病院
薬局
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
支払い基金
オンライン請求サービス
診療所
【相互接続(IX)モデルでの想定】 異なるネットワークをIX接続センタで相互接続することにより、地域医療ネットワーク間の接続や共通サービスへのアクセスがどこからでも可能なネットワークとする。
IX接続センタ(仮称)
相互接続機能
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
1.相互接続(IX)の概要
ⓒ JAHIS 2017 5
(3)ネットワーク層とアプリケーション層 【相互接続モデルの検討範囲】 相互接続(IX)事業での主な検討範囲は、ネットワークの相互接続。 (異なる方式のネットワークを相互接続すること) アプリケーション層(認証等を含むサービスの仕組み)については、別途検討が必要。
IX接続センタ(仮称)
相互接続機能
ネットワーク層
サービス提供者 共通サービス
アプリケーション層
ネットワーク層
ネットワーク層
アプリケーション層
相互接続の検討範囲
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
1.相互接続(IX)の概要
ⓒ JAHIS 2017 6
地域医療 ネットワークA
(4)相互接続(IX)での接続イメージ
地域医療 ネットワークB 診療所
基幹病院
薬局
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
支払い基金
オンライン請求サービス
診療所
【相互接続(IX)モデルでの接続イメージ例】 地域医療ネットワーク間の接続や医療機関からの共通サービスへのアクセス、医療機関から地域医療ネットワーク内の情報アクセスは、IX接続センタに繋がることで、IX接続センタを経由でネットワーク的にはどこにでも接続可能となる。ただし、サービスの提供を受けるためには、アプリケーション層での仕組みが必要である。
IX接続センタ(仮称)
相互接続機能
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者 IPsec-
VPN通信事業者
1.相互接続(IX)の概要
ⓒ JAHIS 2017 7
(5)将来的には全国規模のネットワーク
地域医療 ネットワークB
共通サービス
1.相互接続(IX)の概要
地域医療 ネットワークA
診療所 基幹病院
薬局
【全国規模の医療情報連携ネットワーク】 ●現在あるネットワークを活用するで、低コストでの実現を図る。 ●現状あるネットワークを相互接続することにより、全国規模のネットワーク網を早期に実現する。 ●まだ、ネットワークに参加していない医療機関等が、ネットワークに加入することで、メリットが出るようにする。 など
地域医療 ネットワークD
地域医療 ネットワークC
IX接続センタ
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
VPN 通信事業者
ⓒ JAHIS 2017 8
【相互接続モデルの提案】 ・医療機関のICT化を推進するためには、十分なセキュリティを担保しつつ、現在利用しているネットワークを有効活用して、 相互接続を実現し、医療等分野の様々な用途で活用できることがコスト面から望ましいと考える。 ・上記課題を解決するために、医療等分野で利用されるネットワークを相互接続する解決策を検討し、相互接続モデルを 策定する。 ・検討内容: (1) 将来的な活用も含めたユースケースから 、相互接続に適したユースケースを抽出 (2) 医療等分野のネットワークの相互接続方式 (3) 技術的な要件 (4) 運用モデル、運用の要件 (5) 実施主体、持続的に運用可能な現実的なビジネスモデル (6) 実現に向けたプロセス
・相互接続仕様書 ・相互接続の実証・検証内容(案)
【本事業の目的】 医療等分野のネットワークの課題を解決するために、既に提供されているレセプトオンライン請求ネットワーク、医療情報連携ネットワーク等のネットワークを相互接続し、1本のネットワークで複数のサービスを受けることができるようにするために、ネットワークの相互接続方式、技術的要件、運用的要件、また、ビジネスモデル、実現プロセスを明らかにすることである。
(1)検討内容 2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 9
(2)相互接続をするために解決すべき課題(技術・運用・サービス観点)
地域連携 ネットワークA
相互接続機能 (IX用VPN装置) IX接続センタ(仮称)
地域連携ネットワークが近隣に無く、 医療機関が、レセプトオンライン請求 ネットワークを敷設している場合
HPKI認証局
共通サービス 提供機関
地域連携 ネットワークB
サービス: IX接続を介した 医療情報共有 サービス:
ネットワーク共用によるサービス提供
DNS サーバ
運用: ・DNS機能の確認(名前解決) ・IX内独自ドメイン名 ・IX装置冗長構成の実現性 ・IX提供エリア分散化の実現性 ・付帯設備と設置環境
技術: ・VPN接続方式の相違の吸収 ・IPアドレス体系(重複回避) ・セキュリティの確保 ・相互接続プロトコル
ユースケース: ・相互接続に適した ユースケース
診療所
IX接続による相互接続の実現に向けた相互接続方式、技術、運用の要件の策定
サービス: レセプトオンライン請求 サービス事業者が接続確認
失効情報
基幹病院
薬局
IP-VPN 通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
IPsec-VPN通信事業者
オンレセ請求サービス
その他サービス
ビジネスモデル: ・運営主体 ・初期コスト、運用コスト 実現プロセス: ・段階的運用の手順
2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 10
2.相互接続(IX)事業の概要 (3)実施体制
作業班 検討結果評価
関連団体
再委託事業者
厚生労働省
事業企画推進室
HEASNET
有限責任監査法人トーマツ
富士通
三菱電機 インフォメーションネットワーク
NTT PCコミュニケーションズ
NTT データ
日本医師会
日本歯科医師会
日本薬剤師会
HISPRO
レセプトオンライン請求 ネットワークサービス事業者等
委託
MEDIS-DC
成果物
調整
再委託 納品物
技術委員会 協力
参加
検討結果
評価結果
運営
運営
検討WG 検討結果審議
審議結果
検討依頼
報告
審議依頼
推進プロジェクト
調整
技術会議 調整
保健医療福祉情報システム工業会
東京工業大学
7社のうち6社参加
ⓒ JAHIS 2017 11
(4)実施スケジュール 工程 2016/10 11 12 2017/1 2 3
マイルストン
検討WG
作業班 推進プロジェクト/技術会議
1.ユースケースの抽出
2.相互接続方式の検討
3. 技術的な要件の検討
4. 運用モデル、運用の要件検討
実証検証内容検討 ラボ検証の実施
5. ビジネスモデルの検討
6.実現プロセス
7.技術資料と報告書作成
▲
▲ ▲
報告書 プロジェクト開始 ▲
▲
▲ 報告書骨子
第3回 (3/13)
ラボ検証
▲ 中間報告書
実証検証内容
第1回 (12/27)
第2回 (2/20)
△ (12/22)
▲ (1/25)
▲ (2/13)
▲ ▲ ▲ ▲▲ ▲▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 1回 2回 3回 4回5回 6回 7回 8回 9回 10回 11回 12回 13回 14回 15回 16回
2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 12
ユースケース例の接続イメージ
共通サービス提供主体専用の ネットワーク
医療情報連携 ネットワークC
医療情報連携ネットワークB
オンレセ請求 サービス
レセプト情報
資格確認 サービス機関
資格情報
医療等ID発行・ 管理機関
医療等ID
医療情報連携 ネットワークA
基幹病院
医科診療所
歯科診療所
薬局 介護事業者
介護施設
IPsec-VPN事業者
IP-VPN 事業者
サービス 情報
Webサービス等
共通サービス 提供主体群
IX接続を介した医療情報共有
ネットワーク共用によるサービス提供
DNS サーバ
IPsec- VPN事業者
Web サービス
診療所
セキュアメール サービス
メールBOX
各VPNサービス事業者のVPN (IPsec-VPN、IP-VPN等)
IPsec-VPN事業者
IP-VPN 事業者
IP-VPN 事業者
Webサービス
共通サービス(サービス提供者)
医療情報連携サービス
①
③
IX接続 センタ
②
④ ⑤ ⑥ ⑦
⑧
⑨
⑩
(5)ネットワークの相互接続が想定できるユースケース 2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 13
現行 IX接続後
IPsec-VPN通信事業者
医療情報連携 ネットワーク
IX接続センタ
審査支払機関
レセプト情報
医療情報
IPsec-VPN通信事業者
医療情報連携 ネットワーク
審査支払機関
レセプト情報
医療情報
①アクセス回線料金 ②プロバイダ料金 ③機器利用料金 ④VPN料金 ⑤付加サービス
現行(オンライン請求と医療情報連携を別のネットワークでサービスを受けている医療機関)と 相互接続 (IX接続でASPサービスを追加利用)後の医療機関等のランニングコストについて例
⑥IX接続センタ利用料
⑤付加サービス料金 ⑤付加サービス
ASP
紹介状等
①アクセス回線料金 ②プロバイダ料金 ③機器利用料金 ④VPN料金 ⑤付加サービス
(6)IX接続後の期待できる医療機関等のメリット(1) 2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 14
インターネット接続の料金 IPsec-VPN事業者の料金 ⑤付加サービス料金
①アクセス回線料金 ②プロバイダ料金 ③機器利用料 ④VPN料金
現行:レセプトオンライン請求 --
現行:医療情報連携
合計 X2 X2 X2 X2 X 1
機器を1台に統合できれば削減可能
IX接続後 ASPサービスを追加利用 ×1 ×1
×1 ×1 ×1
⑥IX接続センタ利用料 ×1
※アクセス回線、プロバイダは、1契約の場合もある。またアクセス回線、プロバイダ、IPsec-VPN事業者、それぞれの料金は契約内容により異なる。
ネットワーク構成等の条件によりVPNの統合ができない場合がある
・レセプトオンライン請求と医療情報連携を別のネットワークの両方のサービスを受けている医療機関が、IX接続センタを介して、 1本のネットワークで、両方のサービスを受ける場合の例を示す。 ・IX接続センタ経由で1本のネットワークでサービスを受ける場合は、レセプトオンライン請求、医療情報連携は、1本分のネット ワーク料金とIX接続センタ利用料となるため、IX接続センタ利用料が、安価であれば、医療機関にとっては、IX接続センタを 利用して複数のサービスを受けることは、コストメリットがあることになる。 ・IX接続センタ利用料は、オンライン請求と医療情報連携を別のネットワークでサービスを受けている様なケースで、10万施設 以上の医療機関が、IX接続センタを利用すれば、医療機関のネットワークコストを下げることができ、IX接続センタが、医療等 分野のネットワークの課題を解決できると考える。
(6)IX接続後の期待できる医療機関等のメリット(2) 2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 15
・接続主体(サービス提供者、サービス利用者)間が情報共有・交換を行う場合は、双方が共通のサービス アプリケーション、相互の認証、セキュリティポリシの合意、また情報開示に関する患者の同意等が必要となる。(①)。 ・レセプトのオンライン請求が導入され、オンライン資格確認や医療等ID等、仕組みの導入が検討されている(②)。 ・本事業の検討範囲は、ネットワークの相互接続とそれに係るVPNサービス事業者の評価だが(③)が、 相互接続は、①と②をつなぐ重要な基盤となり、また、それぞれの仕組みがつながるための相互接続を含めた全体の 仕組みづくりが必要と考える。
ネットワークの相互接続(IX接続)
ネットワーク(オンレセ、オンライン資格確認、医療情報連携)
VPNサービス事業者の評価
サービスアプリケーション(ユースケース)
認証(医療等ID、HPKI、機関認証)、ポリシ、同意
接続主体(サービス提供者、サービス利用者等)
③本事業の検討範囲
②
(ネットワーク層)
①(アプリケーション層)
(7)相互接続を含む全体の仕組みづくり
2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017 16
〇最終報告書(概要版) 〇最終報告書 1 はじめに 2 医療等分野のネットワークを相互接続する解決策 3 相互接続実現に向けた技術仕様の検討 4 相互接続実現に向けた運用面の検討 5 相互接続の実証・検証内容(案) 6 相互接続のビジネスモデル 7 まとめ 参考資料1:医療等分野におけるネットワークの相互接続仕様書 目次 参考資料2:6.2.3 IX接続センタ利用規模 参考資料3:HISPRO レセプトオンライン請求用チェック項目集 (付録)関連用語集 〇最終報告書別冊(相互接続仕様書) 1. はじめに 2. 相互接続に用いる機能とインタフェースの定義 3. 機能要件 4. IX接続センタ運用要件 参照文書
(8)成果物 2.相互接続(IX)事業の概要
ⓒ JAHIS 2017
(1)次のステップへ 総務省 実証事業 「医療等分野における高精細映像等データ共有基盤の在り方に関する実証」 〇相互接続基盤の機能、相互認証基盤等の技術的課題、運用課題等について検証 〇医療分野の各種サービスとの接続の課題、セキュリティ等について検証 〇高精細映像データ伝送等の用途別VPN構成方法、帯域などについて検証 患者・国民を中心に保健医療情報をどこでも活用できるオープンな情報基盤 〇医療従事者が、安全で効率的に情報を共有し、最適な保健医療サービスを提供できる 全国共通のネットワーク基盤を整備 (ICTを活用した活用した「次世代型保健医療システム」の構築に向けて 平成28年10月19日 保健医療分野におけるICT活用推進懇談会 提言) (2)HEANSETの相互接続仕様書 HEASNETホームページに改版をアップ予定 オンデマンドVPN(HEASNET版) 相互接続仕様書(網間接続編) Ver.1.1 2017年4月12日
17
3.おわりに