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CEマーキングの現状 2011223JEMIMA 法規制・規格委員会 (株)エヌエフ回路設計ブロック 三宮隆志

CEマーキングの現状 - 経済産業省のWEBサイ …¬§州統一市場への製品のためのマーキング。ニューアプローチ指令への適合を示す。EUの消費者安全、健康または環境の要求事項に適合。CEマーキングがある製品は、移動の自由を保障。公式には、何の略語か明らかにされてない。

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CEマーキングの現状

2011年2月23日JEMIMA 法規制・規格委員会

(株)エヌエフ回路設計ブロック 三宮隆志

資 料 5

CEマーキングの概要

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欧州統一市場への製品のためのマーキング。

ニューアプローチ指令への適合を示す。EUの消費者安全、健康または環境の要求事項に適合。

CEマーキングがある製品は、移動の自由を保障。

公式には、何の略語か明らかにされてない。フランス語のCommunauté Européenne(欧州連合の前身である欧州共同体)やConformité Européenneに由来していると思われる。

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EUの法体系 外務省: EU関連用語集より

規則 (Regulation)加盟国に対し、国内法への適用を待たずに直接拘束力を有する。

指令 (Directive)加盟国を拘束するが、適用に当たって国内での立法措置を必要とする。

決定 (Decision)特定の当事者(加盟国、会社または個人)を対象に、具体的な行為の実施あるいは廃止等を規定する。直接適用される。立法手続きの違いで、共同決定、賛成、コンサルテーションがある。

勧告 (Recommendation)加盟国、企業、個人等に一定の行為の実施を期待することを欧州委員会が表明する。拘束力はない。義務ではないが、加盟国の立法の準備を目的とする間接的な法律文書となる。

見解 (Opinion)特定のテーマについて欧州委員会の意思を表明する。拘束力はない。

オールドアプローチThe traditional approach to harmonisation

1957年 欧州経済共同体設立条約(ローマ条約)

欧州市場統合(1992年末を期限)のため、製品を規制する指令を制定。

技術基準を細部にわたって規定する方法を採用。

全製品セクタには不適当。

技術基準の整合作業が進まない。

対応に時間がかかり過ぎる。技術革新に追従できない。

(この方式は、現在でも自動車等の規制に残っている。)

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ローベンス報告

1972年 ローベンス報告(英国の労働安全政策の改革)

分野や事項を特定して規制。

細分化煩雑。つぎはぎだらけ。隙間ばかり狙う態度。

制定法の強制規格でなく、任意規格による規制。

自主的対応促進で事故が激減。

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EUの基準認証制度の成立

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1985年 理事会決議85/C 136/01

「技術的調和と規格へのニューアプローチ」

必須要求事項と整合規格

1989年 理事会決議90/C 10/01

「適合性評価へのグローバルアプローチ」

適合性評価のモジュール

1993年 理事会決定93/465/EEC

CEマーキング導入

http://www.unece.org/trade/wp6/SectoralInitiatives/MARS/Slovakia_Oct08/NewEUMS-REG-DEC_Abbate.ppt

ニューアプローチの概要

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ニューアプローチに基づく指令は、必須要求事項を規定するのみ。

必須要求事項を満たす製品の技術仕様を整合規格(Harmonised Standard)という。整合規格は、欧州標準化機関(CEN, CENELEC, ETSI)が定める。

整合規格の採用は任意。用いない場合は、第三者機関または独力で適合性を証明。

NLF (New Legislative Framework)

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ニューアプローチの見直し 新しい法的枠組み(NLF)• 規則 764/2008

「ある国の技術基準を他の加盟国で合法的に市販されている製品に

適用する手順」

• 規則 765/2008「製品の売買に関係する認定と市場監視の要求事項」

• 決定 768/2008/EC「製品の売買のための共通枠組み」

2010年1月1日 NLF発効

簡素化 (Simplification)

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制度の簡素化・整合化をはかり、手続きなど管理的な負担を軽減。

指令ごとに適合宣言書や技術文書の項目が微妙に異なる。

統一した規定を作り、それを引用する。

既存の指令は、改正するときにNLFを盛り込む。

改正RoHS指令は、NLFに対応済。

Think Small First の原則

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Think Small First –制度設計に中小企業 (Small and Medium sized Enterprise; SME) の声を反映。

中小企業向けに指令のガイドライン等を整備。日本企業にも貴重な指針。

中小企業の負担を軽減する。

コスト削減効果期待。

市場監視 (Market Surveillance)

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CEマーキングの乱用に対し、市場監視を強化。監視レベルを均一化。CEマーキングの信頼回復。

危険な製品は、市場から回収させる。

製造業者、正式代理人、輸入者、販売業者は、製品の購入先と販売先の記録を保管。保管期間は別に規定。(決定 768/2008/EC 附属書I R7条)

保管期間は、10年間。(改正RoHS指令 12条)

CEマーキングの手順

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1 適用する指令を決める。

2 適用する適合性評価のモジュールを決める。

3 整合規格一覧から適用する規格を決める。

4 製品サンプルを試験する。

5 技術文書を作成する。

6 適合宣言書を作成し署名する。

7 製品にCEマーキング。

ニューアプローチ指令

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ニューアプローチに基づく指令の総称

CEマーキングに関わる指令一覧(《》はニューアプローチでない指令)

低電圧 単純圧力容器 玩具 建設資材

EMC 機械 個人保護具 非自動質量計

埋込式能動医療器具

ガス燃焼機器 熱水ボイラ 民生用爆薬

医療機器 防爆機器 レジャー用舟艇 昇降機

圧力容器 体外診断用医療機器

無線及び通信端末

人員輸送用ケーブル設備

計量器 RoHS 《エコデザイン》 《騒音》

適合性評価のモジュール Blue Guideより

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設計段階 製造段階

A 製造の内部管理 RoHSはモジュールA

B 型式検査

C 型式適合宣言

D 製造品質保証

E 製品品質保証

F 製品検証

G ユニット検証 ノーティファイドボディが個別に試験

H 全体品質保証 9001品質システムとノーティファイドボディ

製造業者

http://ec.europa.eu/enterprise/policies/single-market-goods/documents/blue-guide/

モジュールA 決定768/2008/EC 附属書 II

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製造業者が、法律文書の要求事項を満足することを確実にして、それを製造業者の責任で宣言する。

• 製造業者が、技術文書を作成する。

• 製造業者が、製造工程が製品の適合性を確実にするように、必要なすべての手段をとる。

• 製造業者が、個々の製品に適合性マーキングをつける。

• 製造業者が、適合宣言書を作成する。

製造業者の代わりに、共同体内の代理人または輸入者が義務を果たしてもよい。

このモジュールでは、ノーティファイドボディの関与は不要。

整合規格(Harmonised Standard)

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整合規格に適合すると、必須要求事項に適合した

とみなされる(適合性の推定)。

整合規格の一覧が、指令ごとにEU官報(Official Journal)で公表される。

適合性評価のために整合規格を用いる場合、整合

規格一覧を確認して、適切な規格を選択する。

整合規格一覧の内容

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EN 61326:1997及びその修正は、EN 61326-1:2006に置き換えられる。

EN 61326:1997及びその修正が適合性の推定を与えなくなる期日は、既に過ぎている。

整合規格の番号とタイトル

その規格によって置き換えられる規格 その規格によって置き換えられる規格が適合性の推定を与えなくなる日付

整合規格の移行期間

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EN 61326:1997及びその修正

2007 2008 2009 2010 2011

EN 61326-1:2006

2009/02/01

2007/09/25

規格年

新しい規格が、EU官報の整合規格一覧に初めて載った日

置き換えられる規格が適合性の推定を与えなくなる期日

欧州規格(EN)と国際規格の対応

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EN 50 XXX分類番号 連続番号

● EN 50000シリーズ 一般のEN

● EN 55000シリーズ CISPR規格に対応

EN 55011 CISPR 11に対応

● EN 60000シリーズ IEC規格に対応

EN 62321 IEC 62321に対応

EN 61010-1 IEC 61010-1に対応

技術文書(Technical Documentation)

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適合性評価の証拠書類。

技術構成ファイル(Technical Construction File; TCF)とも呼ばれる。

製造業者は、技術文書を作成しなければならない。

技術文書の対象は、製品の設計、製造、取扱いで、

評価に関連するもの。

技術文書の項目 決定768/2008/EC 附属書 II

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製品の概要。

設計・製造の概念図面及び部品、サブアセンブリ、回路等の体系構想。

概念図面、体系構想及び製品の取扱いを理解するのに必要な解説。

適用した整合規格(または欧州官報で参照された他の技術仕様)の一覧。

整合規格を適用しない場合は、必須要求事項を満たすために採用した解決策の解説。

整合規格を部分的に適用した場合は、適用した部分を明記。

設計計算、実験等の結果。

試験報告書

適合宣言書 改正RoHS指令 附属書 VI

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6 使用した整合規格

5 宣言対象が指令に適合している。

4 宣言の対象

1 機器の識別番号

3 適合宣言書を製造業者の責任で発行する。

2 製造業者の名称及び所在地

(7 該当する場合、ノーティファイドボディ 《削除》)

8 追加情報署名者の立場(製造業者、代理人)署名者の氏名、職務、署名発行場所、発行日

CEマーキング

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形状を変更せずに拡大縮小。

最小寸法、高さ5 mm。

製品または製品の銘板につける。

無理な場合は、包装及び指令が規定する附属文書につける。

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END

ご清聴ありがとうございました