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-1- 正常な半月板 半月板損傷 わきだ整形外科新聞 H25.10.7 発行 No.6 はじめに わきだ整形外科では、日々多くの患者様に来院していただいております。そのため、待ち時間が大変 長くなっておりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 平成 26 年 4 月は 2 年に 1 度の医療保険制度の改定が行われます。その改定に向けて準備に取り組ん でいます。例として、新聞の最後に掲載してある内容になりますが、短時間リハビリテーションの提供 を開始させていただいております。患者様には、色々とご迷惑をおかけすると思いますが、よろしく お願いいたします。 半月板損傷 半月板とは大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間 にある C の形をした軟骨です。膝の内側と外側に一つずつ あります。半月板は、水分(70%以上)とコラーゲンで 構成されています。 半月板損傷とは 半月板は、 ①膝関節にかかる体重の吸収・分散するクッションの役割。 ②膝関節の曲げ伸ばしをスムーズにする。 ③膝関節の安定性を向上する。 などの役割を果たしています。 半月板とは 膝関節は体の中でも体重による負担が大きくかかる箇所だと言われています。もちろん膝関節の中に ある半月板にも大きな力が加わることになります。半月板が耐えられないくらいの負荷がかかったとき に半月板損傷が起こってしまいます。 例えば、運動中に無理な体勢で膝をひねったりしたときや、 膝を強く打ち付けてしまったときに起こりやすいと言われて います。また、加齢によって少ない負担で起こる場合もあり ます。 半月板は軟骨でできているため、レントゲン撮影では写り ません。半月板損傷を疑うときには MRI 検査をすることも あります。

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正常な半月板 半月板損傷

わきだ整形外科新聞 H25.10.7 発行 No.6

はじめに

わきだ整形外科では、日々多くの患者様に来院していただいております。そのため、待ち時間が大変 長くなっておりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 平成 26 年 4 月は 2 年に 1 度の医療保険制度の改定が行われます。その改定に向けて準備に取り組んでいます。例として、新聞の最後に掲載してある内容になりますが、短時間リハビリテーションの提供を開始させていただいております。患者様には、色々とご迷惑をおかけすると思いますが、よろしく お願いいたします。

半月板損傷

半月板とは大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある C の形をした軟骨です。膝の内側と外側に一つずつあります。半月板は、水分(70%以上)とコラーゲンで 構成されています。

半月板損傷とは

半月板は、 ①膝関節にかかる体重の吸収・分散するクッションの役割。 ②膝関節の曲げ伸ばしをスムーズにする。 ③膝関節の安定性を向上する。 などの役割を果たしています。

半月板とは

膝関節は体の中でも体重による負担が大きくかかる箇所だと言われています。もちろん膝関節の中に ある半月板にも大きな力が加わることになります。半月板が耐えられないくらいの負荷がかかったときに半月板損傷が起こってしまいます。 例えば、運動中に無理な体勢で膝をひねったりしたときや、膝を強く打ち付けてしまったときに起こりやすいと言われています。また、加齢によって少ない負担で起こる場合もあります。 半月板は軟骨でできているため、レントゲン撮影では写り ません。半月板損傷を疑うときには MRI 検査をすることも あります。

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・膝関節の曲げ伸ばしの時にひっかかる感覚がある。 ・階段の昇り降りや、膝関節の曲げ伸ばしの時の時に痛みを感じる。 ・正座をすると痛い。または、痛みが強く正座ができない。 ・膝関節に水が溜まる。 などがあります。

半月板損傷の治療は、まず、保存的治療が行われます。 (1)日常生活指導 正座や長時間歩行、階段昇降等の痛みを生じる動作を控えたり、杖などを使用して膝にかかる負担を 軽くします。また、体重が重いと膝に負担がかかるため、生活習慣の見直しをすることにより体重を 減らすことも大切です。 (2)薬物療法 内服薬や湿布薬を使用します。また、膝関節の注射(ヒアルロン酸の注入)を行うこともあります。 (3)理学療法 体幹や下肢の筋力訓練、膝関節の機能訓練を行い、姿勢の改善や動作の指導を行うことにより膝関節へのストレス軽減を図っていきます。 (4)装具療法 膝関節への負担を少なくするためにサポーターを装着してもらうこともあります。 保存的治療にてあまり効き目がない場合に「膝関節鏡手術」が行われます。

関節鏡を使い、関節の中をモニターで見ながら治療する手術です。 関節の周囲に約 1cm の切開を 2 ヶ所行い、そこから関節鏡やその他の手術器具を挿入します。関節の中をモニターで見ながら病変の切除や縫合を行います。 わきだ整形外科で使用している関節鏡は、最先端の機器を使用しているため、従来の関節鏡の画質と 比較すると、別次元の鮮明な画質です。それにより、小さな病変も見逃すことなく治療できます。

膝関節鏡手術について

半月板損傷の治療

症状

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「スポーツで膝が痛くなったが、大丈夫だろうと様子を見ていたが、日にちがたっても痛みが引かないので、整形外科を受診しようと思った。」とおっしゃられる患者様が多いです。 しかし、膝の痛みを軽く見ずに早期に整形外科を受診することをおすすめします。

手術後のリハビリについて

・関節周辺の組織をできるだけ壊さずに手術できるため、手術後の痛みが少ない。 ・切開にて行う手術と比べると感染症のリスクが低い。 ・入院期間が短い。

~半月板部分切除術~ 手術をした翌日から、膝装具を装着し、松葉杖を使用して少しずつ体重をかけながら、歩行ができます。早期に松葉杖なしでの歩行が可能となるように、膝の可動域訓練や膝の周辺の筋力訓練、荷重訓練を 行っていきます。基本動作を獲得した後は、再発予防を考慮した動作指導なども行っており、術後 10 日で退院することができます。 ※膝装具については 3週間使用します。 ~半月板縫合術~ 半月板縫合術では、半月板切除術とは違い、術後 3 日目から膝装具を装着し、松葉杖を使用して少しずつ体重をかけながら、歩行を開始します。半月板切除術と同様に早期に松葉杖なしでの歩行が可能となるように、膝の可動域訓練や膝の周辺の筋力訓練、荷重訓練を行っていきます。入院期間も半月板 切除術と同じです。 ※膝装具については 8週間使用します。 退院後の外来リハビリでは、膝関節可動域の拡大や下肢筋力の向上を図り、正座やスポーツの復帰を 目指してリハビリを行っています。

膝関節鏡手術における半月板損傷の治療は、半月板が傷ついた部分の血行の有無によって変わります。半月板の血行がある部分を傷つけてしまった場合は、半月板を温存しても治癒が望めるため、縫合術が行われます。しかし、半月板の血行がない部分を傷つけてしまった場合は、縫合しても半月板の治癒が難しいため、部分切除術が行われます。 関節鏡で手術を行うことの利点

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インフルエンザ 風邪

発熱 38~40℃ ないか、もしくは微熱 主な症状 発熱、筋肉痛、倦怠感など 鼻水、のどの痛み、せきなど 悪寒 強い 軽い

全身の痛み 強い なし 倦怠感 強い ほとんどなし 病原 インフルエンザウイルス ライノウイルス、コロナウイルスなど 合併症 気管支炎、肺炎など あまりなし

平成 26 年 4月に医療保険制度の改定が行われます。それにより、65歳以上の方で介護保険を利用してサービスを受けていらっしゃる方は、医療保険を利用してのリハビリテーションが受けられなくなる恐れがあります。 わきだ整形外科では皆様にリハビリテーションをご利用いただくために、10 月より介護保険を利用した短時間リハビリテーションを開始いたします。短時間リハビリテーションについての詳しい資料を作成 しておりますので、そちらも目を通されてみて下さい。 ご不明な点がございましたら外来看護師、担当のリハビリスタッフ、事務職員までご相談ください。

短時間リハビリテーション

インフルエンザ

医療法人昌平会 わきだ整形外科

〒891-0113 鹿児島市東谷山 3-33-7

TEL (代) 099-269-2271

ホームページ http://wakida.org

インフルエンザと風邪は症状や原因が、違います。

今年もインフルエンザの流行時期が近づいてきました。インフルエンザの症状や予防について紹介します。

インフルエンザの予防方法 ・流行期には人混みを避ける。 ・外出時にはマスクをする。 ・外出後はうがい・手洗いをする。 ・部屋の湿度を適度(40~60%)に保つ。 ・十分な睡眠とバランスの良い食事を摂る。 ・予防接種を受ける。 予防接種は、インフルエンザが流行する約 2 週間前に受けることが推奨されています。わきだ整形外科でも例年通り、予防接種を予定しています。準備ができ次第再度ご案内させて頂きます。 予防接種を希望される患者様は、外来看護師、事務職員にご相談ください。