Upload
others
View
2
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
米国大学院学生会 Newsletter 編集部
「留学体験記」記載用紙概要
この度は,Newsletterの記事「留学体験記」の執筆にご協力いただき本当にありがとうございます.米国大学院学生会では,今後留学を希望する方や留学している方に米国の多様性を伝えるために Newsletter を製作しています.Newsletter の中では,留学生が留学という環境での経験そしてそこから学んだことを紹介する欄を設けいます.留学体験記は,Newsletterでの基幹記事であり,留学生のもつ留学への姿勢や価値観の多様性を紹介したいということをテーマに掲載しています.
執筆方法を以下に示します. 1.規約に同意をお願いします.2.執筆者紹介のための情報を記載します.Newsletter では,それぞれの記事の冒頭に執筆者の紹介の欄を
設けています.大学,所属(日本語,英語),執筆者の写真.3.わが街について紹介します.3000字以内で自由で執筆します.紹介の際には,写真を利用してくだ
さい.2枚または3枚程度としてください.本用紙の最後に例題を用意しましたので,ご利用ください.4.紹介いただいた情報についてを Newsletter に掲載する際の留意点がある場合は,「留意点」の欄に記入
をお願いします.5.「その他の情報」の欄では,留学体験記に限らず Newsletter 掲載に関する情報で,Newsletter の編集の際
に共有できるものがございましたら,記入ください.6.最後に「自由欄」に,米国大学院学生会について感じたこと,その他ご感想等がございましたらご記入
ください.
注意事項:記事の投稿時について,本用紙(ワード形式)をもとに提出することをお願いしています.ご協力をよろしくお願いします. そして,記事の執筆の際には,
1. 留学に対する正直な考えを書いてください.悪い側面や良い側面を率直に書いて下さい.この際,「留学」を美化する必要はありません.
2. 留学,つまり海外の大学,に来ると決意したきっかけやその内容を書いてください.3. 今と未来について書いてください.
お忙しいにもかかわらず「留学体験記」 の記事執筆にご協力いただき,本当にありがとうございます.今後も,米国大学院学生会をどうぞよろしくお願い致します.また,現在米国大学院学生会では,今後Newsletter 執筆にご協力くださる方を募集しております.執筆に興味をお持ちのご友人がいましたら,ぜひご紹介ください.
本用紙に関する質問や「留学体験記」に関するお問い合わせがありましたら,下記までご連絡ください.
ニュースレター編集部 編集長
平林 正稔Ph.D. program
Colorado center of astrodynamics research Aerospace Engineering Sciences
The University of Colorado at Boulder hirabayashi.masatoshi [at] googlemail.com
規約
1.米国大学院学生会で出版される Newsletter に掲載された記事には,留学の多様性を紹介することのみを目的としており,その街の優劣を示すためのものではありません.
2.本用紙は、 米国大学院学生会 Newsletter 編集部に所属しない Newsletter の掲載記事の原稿を執筆する者(以下、Newsletter執筆者と呼ぶ。)が Newsletter の掲載記事を執筆する際に配布されるものであり、「留意点」の部分で指摘された部分を省き、米国大学学生会は記入された情報を留学の多様性の紹介目的で使用することができるもとします。
3. Newsletter執筆者は,執筆者の執筆する記事に対してのみ提案・指摘ができるものとします.4. Newsletter執筆者は,執筆者の執筆する記事に対して、Newsletter 編集部(以下,編集部)が記事を作
成した後に確認を行うものとします.原稿締め切りになっても確認の連絡がない場合は、編集部が記事の掲載の決定を行うことができるものとします。
5. Newsletter執筆者は, 執筆者の執筆する記事に対してのみ写真を利用できるものとします.使用する写真 の 使用 許可 は、Newsletter 執筆 者が 事 前に 確認 す る もの と し ま す 。米 国大 学院 学生 会Newsletter編集部は写真の使用許可について、後日改めて確認は行いません。
6. Newsletter 執 筆 者 が 執 筆 し た 記 事 の 掲 載 後 に ,Newsletter 執 筆 者 が 提 供 し た 写 真 に よ るNewsletter執筆者および写真に写った人物・物等への損害について,米国大学院学生会は一切責任を負わないものとします.
7. Newsletter 執筆者が執筆した記事の掲載後に,Newsletter 執筆者が提供した情報によって生じたあらゆるトラブルや損害について,米国大学院 学生会は一切責任を負わないものとします.
上記の規約に■ 同意します □同意しません
執筆者紹介名前(日本語,英語)中島美紀, Miki Nakajima
所属 (日本語,英語)
東京工業大学 理工学研究科 地球惑星科学専攻(学部、修士)
カリフォルニア工科大学 地球惑星科学専攻(Ph.D.) Division of Geological and Planetary Sciences, California Institute of Technology
写真
留学体験記
自由記載形式による紹介(3000字以内)写真を利用する際には,文章中に写真の説明を必ず記載してください.(例,Fig.1,など)執筆形式について定まった書式はありませんが,
1. 留学すると決意したきっかけ.2. 留学に対する正直な考え.3. 留学で体験する葛藤とその克服.4. 今と未来.
についての内容を含めることをお願いしています.
留学体験記
<留学への決意>私が最終的に学位留学を決断するまでは紆余曲折がありました。高校時代から留学というものに憧
れがあり、大学学部時代は積極的に英語の勉強をしたり、留学生向けの授業を取って彼らと積極的にコミュニケーションをはかったり、数週間の短期留学プログラムに参加したりなどしていました。修士 1年の時に、大学の交換留学制度を利用してカリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)に 10ヶ月程滞在しました。この交換留学を上手く乗り越えて、学位留学へのステップにしたいと考えていましたが、現実はそこまで甘くありませんでした。沢山友人ができ、生活面では楽しい留学でしたが、 自分の英語力不足、知識、経験不足のなどの為に、滞在中に中々研究が進まず苦労しました。日本に帰国した際には、学位留学に対する自信は殆ど無くなっていました。しかしながら、帰国してから時間がたつにつれて、反省の念と共に再度留学に挑戦したいという思いに駆られるようになりました。私の専門である惑星科学分野では、NASA 等の強力な観測機関を持つアメリカにおいて、世界最先端の研究が幅広い分野に渡って行われています。そのような環境下で研究に従事し世界に通用する研究者になりたいと考え、最終的に学位留学を決めました。尚、留学に際して村田海外留学奨学会様から2年間の手厚い資金的なご支援を頂くことができました。
<交換留学と学位留学>色々と苦労した交換留学生活でしたが、学位留学を始めてから「あの時苦労をしていて本当に良
かった」と思うようになりました。まず英語やアメリカでの生活についてはある程度慣れていたので、すんなりと現地の生活を始めることができました。授業の毎週の宿題の分量には泣かされましたが、授業について行くこと自体はそれほど大変ではありませんでした。交換留学時代は、語彙力や知識の問題もあり、友人と文化、食事の話位しかろくにできなかったのですが、今は政治の話、歴史の話なども積極的にしています。英語力の向上により、友人ともより深い関係を築けるようになったと感じています。
交換留学と学位留学の一番の違いは、交換留学は所詮「お客様」扱いで、特に責任もなく、嫌になったら帰ればいいのですが、学位留学はそうはいかない所です。研究を進めて成功させるのは自分の責任であり、失敗しても帰る所はありません。卒業の為に、学科の進級試験に受からなければならないし、周囲との競争の中、論文やリサーチプロポーザルを書き続けなければなりません。しかしそれは将来研究者を目指す者にとっては最高の訓練です。様々な苦労はありますが、その分得るものも格段に大きいのが学位留学であると感じています。
<研究について>私は現在、月の形成論を Dave Stevenson教授と行っています。地球の月は天体同士の巨大衝
突で出来たと考えられています(ジャイアントインパクト説)。しかし、現在の理論ではこのモデルで月形成を上手く説明出来ない点もあり(地球と月のマントル中の元素がほぼ同じ同位体比を持っていることなど)、精力的に研究されている分野です。同教授は月形成について 30年以上も研究を続けており、この分野において世界的な第一人者です。彼は月形成のみならず、惑星内部、惑星磁場などについても幅広く研究
をし、豊富なアイデアを持っている人です。物理的な洞察も非常に鋭く、日々の研究の中で彼から感銘を受けることが多々あり、このような教授と研究出来ることは本当に幸せだと感じています。研究は今の所順調で、Ph.D.取得まで同教授と研究を進めて行く予定です。
自分の毎日の研究生活ですが、 意外にも日本でもアメリカでも大して違いはありませんでした。私は毎日大体朝9時頃登校し、夜 7-8 時頃まで大学で研究をしています。殆どの時間を数値計算、論文読み、学生や教授との議論、授業などに使っています。特に時間に拘束されることもないので、疲れたら友達とカフェに行って一休みしたり、運動(サッカーなど)をしたりしています。この辺りは、日本に居た時の自分の研究環境とさほど違いはありません。ただ、周りの学生は夜遅く迄残っていることはあまりなく、効率的に研究して早めに帰宅し、プライベートの時間を満喫しようとしている様子が見受けられます。私はついダラダラと研究してしまうことが多いので、彼らを見習って効率よく研究が出来るように努力しています。
アメリカのトップスクールで研究をすることの最大のメリットは、世界的なネットワークを築き易いということが挙げられます。私が日本で所属していた研究室の教授は世界的にも有名な教授で、海外から様々な研究者が来ていました。しかし、予算の都合や地理的な関係から多くても数ヶ月に一人、というのが限度でした。一方 Caltech では、潤沢な資金やその立地を生かし、アメリカ国内外から週に2 3人の研−究者を呼んで講演をしてもらっています。また、学生はこのような研究者とご飯に行けたり(大学側がカバーするので無料)、議論が出来たりするなど、まさに至れり尽くせりの環境です。更に、学会等で発表する場合、大学名は研究の注目度を左右します。これは本当は良いことではなく、各研究はその内容に基づいて判断されるべきだと思います。しかし現実問題として、やはりトップスクールでの研究は信用されやすく、多くの人が講演を聞きにきたり、名前を覚えてくれたりします。個人として既に有名な人の研究は大学名に左右されませんが、大学院生として研究を始めたばかりの頃などには、やはりこの差はかなり大きいと思います。
今の所、Ph.D.取得後もアメリカで研究を続けていきたいと思っています。やはりアカデミアのポスト争いは日本でもアメリカでも熾烈で険しい道ですが、今の環境を最大限に生かして研究の推進、ネットワーク構築に邁進して行くつもりです。
<日常生活>異国の地での生活はさぞ心細いのではないかと思われるかもしれませんが、意外にもかなり楽し
く生活しています。週末には皆でハイキングに行ったり、スポーツをしたり、遊びに行ったりなどしています。昨年のサンクスギビングには、友人と一緒にバンに乗ってグランドキャニオンなどの国立公園をまわりました(写真1)。 このようないい仲間に巡り合うことができて、本当に幸せだと感じています。勿論、日本の家族、友人や、食事、文化などが恋しくなることもありますが、今は skype などもあるし、日本食もアメリカで食べられますから、ホームシックに浸ることも無く過ごせています。
<留学を目指す方へ>自分の研究、成長が周りの環境に影響される人には、是非留学の道も考えて欲しいと思います。
本当に研究の出来る人は自分でネットワークも作れるし、指導教官が居なくても自分で研究を進めることが出来るので、わざわざ苦労して海外に行く必要もありません。そこまで出来ない人こそ、海外に出てそのような恵まれた環境の中で研究することに意味があります。私は留学をして本当に良かったと思っています。確かに学位留学はリスクも少なくありませんし、国内での研究が向いている人も居ると思います。しかし、興味があるならば是非挑戦して頂きたいと思います。投資するだけの価値はあります。
(*写真は次のページにあります)
写真1:去年のサンクスギビングで大学の友人と旅行に行った時の写真。
留意点
Newsletter に情報を記載する際に,留意点等がございましたら記入をお願いします.
引用資料使用した資料についての引用をお願いします.
その他の情報今後 Newsletter に情報を記載する情報で,共有しても構わないというものがございましたら記入をお願いします.
自由欄その他,感想・思いついたこと,そして編集部へのご提案・ご指摘等がございましたら,記入をお願いします.
お忙しいにもかかわらず,Newsletter 編集へのご協力ありがとうございました.今後とも,米国大学院学生会をどうぞよろしくお願いします.
米国大学院学生会Newsletter 編集部一同