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5-1 天体 -発達段階に応じた星座早見盤- 星空を身近に感じよう! 既成の星座早見はいろいろと工夫されていて便利ですが、実際、星座の観測には星が 多すぎてめざす星(星座)が探しにくいこともあります。そこで、子どもの発達段階に 応じた星座早見を工作して活動していきます。 低学年には、夜空に明るく輝く一等星だけを残し、ほかはすべて消してしまいます。 こうすると、“一等星” は夜空の「灯台星」となります。 中・高学年には、“一等星” と “誕生星座(黄道 12 星座) ” と “おおぐま・こぐま・ カシオペヤ(天頂星座) ” と “アンドロメダ・ペガスス(この辺の黄道星座が暗いので) 以外の星はすべて消してしまいます。子どもたちの見たがる誕生星座の観測に、灯台星 を手がかりに観測させると、迷うことなく星座を探させることができます。 中学生・高校生には、日本から見える『全天星座早見』方式で観測活動を行い、宇宙 にロマンをかきたてさせたいものです。 対象学年 小学校低学年以上 所要時間 工作:1 ~ 2 時間、観測:1時間 ●教材提供● 日本宇宙少年団 水沢Z分団 阿部惠彦氏 目標と ねらい ●用意するもの 【星座早見盤の工作】 □厚紙(A4 判の画用紙など) □はさみ □カッター □のり □両面テープ 【観測と学習活動】 □地球儀 *ここで作る星座早見盤は、詳しくは「北極型星座早見」といいます。北極型というのは北 極星を中心にして作られた星座早見盤だからです。 本教材は宇宙とのつな がりを軸として科学を 身近に感じてもらうた めに作った科学教材で す。本教材の利用によ る事故等については一 切責任を持ちかねます ので、本教材の利用は、 経験のある指導者の指 導の下に行って下さい。 2007年2月28日 発行 201858日 改訂

星空を身近に感じよう! -発達段階に応じた星座早 …人工衛星 天体 5-1 -発達段階に応じた星座早見盤- 星空を身近に感じよう! 既成の星座早見はいろいろと工夫されていて便利ですが、実際、星座の観測には星が

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人工衛星

5-1天体

-発達段階に応じた星座早見盤-星空を身近に感じよう!

 既成の星座早見はいろいろと工夫されていて便利ですが、実際、星座の観測には星が多すぎてめざす星(星座)が探しにくいこともあります。そこで、子どもの発達段階に応じた星座早見を工作して活動していきます。 低学年には、夜空に明るく輝く一等星だけを残し、ほかはすべて消してしまいます。こうすると、“一等星” は夜空の「灯台星」となります。 中・高学年には、“一等星” と “誕生星座(黄道 12 星座)” と “おおぐま・こぐま・カシオペヤ(天頂星座)” と “アンドロメダ・ペガスス(この辺の黄道星座が暗いので)”以外の星はすべて消してしまいます。子どもたちの見たがる誕生星座の観測に、灯台星を手がかりに観測させると、迷うことなく星座を探させることができます。 中学生・高校生には、日本から見える『全天星座早見』方式で観測活動を行い、宇宙にロマンをかきたてさせたいものです。

対象学年 小学校低学年以上 所要時間 工作:1~ 2時間、観測:1時間

●教材提供●日本宇宙少年団水沢Z分団 阿部惠彦氏

目標とねらい

●用意するもの

【星座早見盤の工作】□厚紙(A4判の画用紙など)□はさみ□カッター□のり□両面テープ

【観測と学習活動】□地球儀

*ここで作る星座早見盤は、詳しくは「北極型星座早見」といいます。北極型というのは北極星を中心にして作られた星座早見盤だからです。

本教材は宇宙とのつながりを軸として科学を身近に感じてもらうために作った科学教材です。本教材の利用による事故等については一切責任を持ちかねますので、本教材の利用は、経験のある指導者の指導の下に行って下さい。

天  体

2007年2月28日 発行2018年5月 8日 改訂

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天  体

5-2天体

1 星座早見盤の作り方

写真1

写真2

写真3

①型紙1-1・1-2(天体 5-4・5ページ)をそれぞれコピーする。(写真では枠の型紙を青い紙にコピーしています。)

②コピーをそれぞれ厚紙に貼りつけ、枠線に沿ってはさみで切り取る。

③型紙1-2の 4本のうでの点線を折り曲げ、型紙1-1にかぶせる。(写真は裏から見たところ)

一等星(灯台星)早見  低学年向け

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天  体

5-3天体

写真4

④裏のおさえ紙を両面テープで貼りつける。

できあがり

 型紙2-1・2-2(天体 5-6・7ページ)を使います。材料、道具、作り方は「一等星(灯台星)早見」と同じ。

 型紙3-1・3-2(天体 5-8・9ページ)を使います。材料、道具、作り方は「一等星(灯台星)早見」と同じ。

一等星・天頂星座・誕生星座早見  中・高学年向け

全天星座早見  中学生・高校生向け

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5-4天体

アルクトゥルス

一等星(灯台星)早見  低学年向け

型紙1-1

天  体

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天  体

5-5天体

一等星(灯台星)早見  低学年向け

型紙1-2

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5-6天体

一等星・天頂星座・誕生星座早見  中・高学年向け

アルクトゥルス

型紙2-1

天  体

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天  体

5-7天体

一等星・天頂星座・誕生星座早見  中・高学年向け

型紙2-2

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5-8天体

全天星座早見  中学生・高校生向け

アルクトゥルス

型紙3-1

天  体

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天  体

5-9天体

全天星座早見  中学生・高校生向け

型紙3-2

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天  体

5-10天体

 昔の人たちは、夜空に散りばめられた星々をつなぎ星座として名前をつけました。ひときわ明るく輝く目立つ星にも名前をつけました。 日本では、肉眼で見える6等星以上の星の数はおよそ 6,000 個ですが、このうちひときわ輝いている 1等星(灯台星)は、春の夜空に 3つ、夏の夜空に 4つ、秋の夜空に1つ、冬の夜空に 8つ見えます。「一等星(灯台星)の表」(天体 5-13 ページ)をコピーして配布しておき、どの星を見つけるのか確かめます。(表は、厚紙に貼るかラミネートでカバーしておくと観測活動に便利です。)

①星座早見を白地図のように使おう低学年用の『一等星(灯台星)星座早見』、中・高学年用の『一等星・天頂星座・誕生星座早見』は天気図や

白地図のように、太陽や月、惑星、星座を直接描き込ませ、消耗品として使わせます。「一等星(灯台星)の表」を見ながら、作った「北極型星座早見」に赤い星は赤い色、黄の星は黄色、青の星には青い色でぬらせましょう。

②黄道上に 12星座が見つかる星座早見には、北極星を中心に半径の半分ほどの実線で描いた小さな円があります。この円は「天の赤道」です。この円と北極星の中間あたりにある星は、およそ頭の上を通過します。「天の赤道」と交差する破線の円があります。これは「黄道」と言い、太陽の通り道です。黄道のひとめぐりの中に誕生星座(12の星座)があります。太陽の沈むところから黄道をたどると、太陽が沈んだあとにこれらの星座が見つかります。*黄道:太陽がこの黄道を一年かかってひとめぐりします。何月何日に太陽がどこにあるかは、星座早見に書いてあります。

③太陽、惑星、月が黄道上を通ることを確かめよう(1)12 月 22 日(冬至)・6月 22 日(夏至)には、太陽がどこにいるか確かめさせます。3月 21 日(春分)・9月 23 日(秋分)にはどうでしょうかと問いかけます。(冬至、夏至、春分、秋分の日付けは、年によってかわることがあります。)(2) 惑星は、太陽に近づいたり遠ざかったりしながら、ほぼ黄道上を通ることを知らせます。(3) 月もほぼ黄道上を通ることを知らせます。

④一度に全部は見えない(1) 地面(地平線)の下、地球の裏側の星空は見えません。(2) 地球が 1日に 1回自転するので、星(星座)がひとめぐりして、見えてくる星(星座)と、かくれていく星(星座)があることを知らせます。

2 観測前に基本をおさえる

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天  体

5-11天体

①地球儀を用いて、自転のようすを見る地球儀に光を当てて、

・明るいところが昼、暗いところが夜であることを知らせます。・星が見えるのは夜?昼? 見え出すのは? 見えにくくなるのは? と問います。・日の出(夜明け)はどこ? 日暮れ(日没)はどこ? と問います。

②今日の太陽はどこか、星座早見盤の黄道に印をつけよう外側の日付をお昼の時刻に合わせると、黄道上の真南にあたる位置が、その日の太陽がいる位置になります。

今日一日は、太陽がそこにいます。

③太陽も星座もいっしょに動く地球が自転しているので太陽が動くこと、星(星座)もいっしょに動くことを知らせます。

④南中時の太陽の位置太陽も星です。今日の昼の太陽の位置、つまり南中時、星座早見盤をお昼に外で合わせて見るよう課題を与えます。

⑤真夜中の太陽真夜中の太陽はどうなるか? と問いかけます。

⑥日没のころ見える星座太陽が西に沈む夕方 6時ごろ、星座早見盤の西の縁に太陽をあわせ、夕方 6時ごろに見える星(星座)は何

かと問いかけます。

⑦真夜中に見える星座真夜中にはどんな星(星座)が見えるか? と問いかけます。

⑧明け方に見える星座明け方の空にはどんな星(星座)が輝いているかと問いかけます。

3 星座早見盤の使い方

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天  体

5-12天体

天体観測を計画しても、天気次第で観測ができなくなることがあります。かといって、何回も集まることも困難です。 電話作戦は、子どもたちを集めないで星の観測をさせることを可能にしてくれます。昼間の活動で星座早見盤作りや使い方の学習を活動として行い、その日に見る星(星座)を 1つだけ決めて、その見つけ方を指示します。夜になって子どもが自宅で目指す星を見つけたら、リーダーのところに電話で報告したり、ほかの子へ知らせたりするように約束させます。 その日の夜になって報告電話がきたら、そのそばにもう 1つ明るい星がないかなど、つけ加えて視野を広げてやります。 報告があいまいなときには、リーダーが実際に空を見て確かめるとか、子どもに方角を伝えるなど、より細かな指示を与えます。このとき「星座早見」が作戦盤になります。ここで大事なことは、一度にたくさんの星を見せるのではなく、1つか多くても 2つぐらいにとどめておくことです。 明るく見つけやすい星は、金星、木星、火星などの「惑星」と「一等星」です。目当てにする星は、あくまでも「一等星」か「惑星」とします。それらの星を見つけることから出発して、2つ 3つとつけ加え、天空に座標を描けるように仕向けていきたいものです。 多くの団体で、夜に子どもを集めることなく、同じ星をリーダーと子どもがいっしょに見上げている姿を想像すると、とてもうれしくなります。次から次に電話のベルが鳴り続けることでしょうが、自分で発見したかのように感激している声をキャッチしたいものです。

●子どもたちを集めずに観測する「電話作戦」

⑨今日の夜 8~ 9時に見える星座今日の夜8時か9時ごろ見える星(星座)は何かと問いかけます。今夜、星座早見盤を使って星(星座)を観測するように課題を与えます。

⑩スピカが南北線上にくる時刻は?高学年や中学生・高校生には、スピカがちょうど南北線上にくるのは何時ごろだろう? などと問いかけるといいでしょう。問いかけは、リーダー各自で考えたいものです。

⑪惑星の位置を調べる惑星の位置は毎年変わるので、資料が必要になります。便利なものに「天文観測年表」(地人書館)があります。各月の星空が図で示されており、惑星も書き込まれています。その図を見てそのまま「星座早見」に書き写せばいいのです。書き写しは 5つの惑星(水星、金星、火星、木星、土星)で十分です。全部黄道上にあるものとして書かせてかまいません。太陽系の惑星たちが、太陽を中心にならんでいることがよくわかることに気づかせたいものです。

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天  体

5-13天体

一等星(灯台星)の表表面温度 半径 質量 密度(度)

きょり 真の明るさ(光年) (太陽の)倍 (太陽の)倍 (太陽の)倍 (太陽の)倍

アケルナル 1月 青白 19000 0.5 140 1000 4 7 0.14アルデバラン 1月 だいだい 4000 0.8 67 160 30 2 0.0002カペラ 2月 黄 5200 0.1 43 140 8 2 0.008リゲル 2月 青白 11000 0.1 863 53000 40 20 0.0004べテルギウス 2月 赤 3600 0.4 497 13000 690 30 0.7シリウス 2月 白 10400 -1.5 8.6 23 1.7 2.14 0.55カノープス 3月 黄 7400 -0.7 309 15000 20 5 0.001プロキオン 3月 黄 6450 0.4 11 8 2.1 1.78 0.25ポルックス 3月 赤 4800 1.1 34 32 10 3 0.004レグルス 4月 青白 13000 1.3 79 150 3.7 3 0.2アクルックス 5月 青白 29000 0.8 324 3100 8 20 0.05べクルックス 5月 青白 27000 1.3 279 2000 10 20 0.03スピカ 6月 青白 25000 1.0 250 1900 8 20 0.04ハダル 6月 青白 25000 0.6 392 7100 9 20 0.03アルクトゥルス 6月 赤 4200 0.0 37 110 26 3 0.002リギルケンタウルス 6月 黄 5800 -0.3 4.3 2 1 1 1.3アンタレス 7月 赤 3500 1 553 16000 720 20 <0.0000002

ベガ 8月 白 9500 0.0 25 49 2.6 2 0.3アルタイル 9月 白 8250 0.8 17 11 1.9 2 0.6デネブ 9月 白 9200 1.3 1424 58000 100 20 0.00003フォマルハウト 10月 白 9300 1.2 25 17 1.8 2 0.5

1.0(1.415g/c㎥ )

1 1.0 1.0*太陽* 黄 5777 -26.75 0.000016

一等星のなまえ(夜8時南北線)

色見かけの明るさ

(等星)

星の 星の

温度と色 明るさと等級

(高温) (明るい星) 季節 なまえのゆらい(日本名) 星座のなまえ

青白 1等星 レグルス 小さな王子 しし

スピカ 小麦の穂(真珠星) おとめ

アルクトゥルス クマの番人(麦星) うしかい

2等星 アンタレス 火星に対するモノ さそり

ベガ 落ちるワシ(おりひめ星) こと

白星 アルタイル 夏の大三角 飛びゆくワシ(ひこ星) わし

3等星 デネブ 尾 はくちょう

秋 フォマルハウト 魚の口(秋の一つ星) みなみのうお

アルデバラン 後に続くもの おうし

カペラ 小さなめすヤギ ぎょしゃ

4等星 リゲル 巨人の左足 オリオン

黄色 べテルギウス 巨人のわきの下 オリオン

シリウス 冬の大三角 焼きこがすモノ おおいぬ

5等星 プロキオン 犬の前に こいぬ

ポルックス ふたごの弟のなまえ ふたご

カノープス トロヤ戦争の水先案内人のなまえ りゅうこつ

赤星 6等星 日本では見える

(低温) (暗い星) 地域が限られるエリダヌス

【季節の星】

一等星のなまえ

アケルナル 川のはて

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天  体

5-14天体

キーワード 星座早見、星座、一等星、誕生星座、一等星のなまえ

①順序だてて興味を持続させて覚えてゆけば、段々と星空が身近になって星空を眺めることが楽しくなってゆくことを体験できればすばらしい。

②高学年以上には、惑星の位置の印を星座早見盤につけて継続的に観測させよう。星座早見盤上での惑星の位置が移動していくことが体験できると楽しく、継続的な探求となる。

科学する心を育てよう

教材提供 :日本宇宙少年団水沢Z分団 阿部惠彦氏発行   :宇宙航空研究開発機構 宇宙教育センター

協力   :財団法人日本宇宙少年団 YAC 株式会社学習研究社監修(一等星の表):大分大学 教育福祉科学部 仲野誠教授

©JAXA2013 無断転載を禁じます

太陽光で目を傷めないように万全の備えを

夜間の観測では懐中電灯を持つ

②望遠鏡・双眼鏡を使用しない場合でも、肉眼で太陽を直視するのは危険なので、必ず減光用のフィルター(赤外線をカットできるもの)を利用する。

③望遠鏡や双眼鏡を使用する場合は、太陽を直視する事故が起こらないよう、日没までの全時間、全機器について、担当のリーダーが責任を持って監督する。

④望遠鏡、双眼鏡の対物レンズキャップは必ず装着しておく。とくに、望遠鏡のファインダーは、リーダーも見落としやすく、子どもは好奇心でファインダーをのぞき込みやすいので注意が必要。

⑤夜間の観測では原則として一人ひとりに懐中電灯を持たせよう。その際、他人の目に光が入ると星が見えなくなることを教えて、足下のみを照らすように指導する。

⑥リーダーは観測場所について、日中と夜間の視認性や安全性を確かめておく。観測時には、あらかじめ時刻を決めておき、その時刻になったら点呼して子どもたち全員が揃っているか確認する。

⑦防寒対策場所や季節によっては、十分な防寒対策が必要である。気温だけでなく、風の影響も無視できない。防寒は体が冷えないうちに早めに行なうこと。いったん体が冷えてしまったら、なかなか温まらないので、手袋、帽子、マフラー、カイロなど、十分な準備をしておく必要がある。車の中も避難場所となる。また各自で魔法瓶に温かい飲み物を準備しておくとよい。

安全対策 工作について①カッターナイフやはさみの扱いには、十分注意させること。

学習指導要領との関連

小学校 4年 理科(地球) 月と星中学校 3年 理科(地球) 天体の動きと地球の自転・公転

※参考文献等①「天文観測年表」天文観測年表編集委員会編(地人書館)②「理科年表平成19年」国立天文台編(丸善,2007)③「星百科大事典」R.バーナム Jr,(地人書館,1991)④「ヒッパルコス・カタログ」※補足天体 5-13 ページ上の表について。表中の値は理科年表より。理科年表にない場合は、以下により算出。

・表面温度、半径、質量はスペクトル型との対応表(straizys)より。・真の明るさは kaler 記載の絶対実視等級と太陽の比較より。Straizys http://xoomer.virgilio.it/hrtrance/Calibr.htmKaler  http://stars.astro.illinois.edu/sow/bright.html