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1 空間データの標準化と意義 GISデータの標準化実践セミナーin東京 2004年 12月13日 国土地理院 企画部 地理情報システム推進室 室長補佐 清水 乙彦 行政情報化とGIS 地理情報(空間データ)の標準化 地理情報標準の概要 地理情報標準と測量法 現状の課題と今後の取り組み 行政情報化とGIS 地理情報システム( 地理情報システム(GIS GIS新規産業の創出 新規産業の創出 国民生活での活用 国民生活での活用 行政での活用 行政での活用 各種計画策定 各種計画策定 施設管理 施設管理 災害対応 災害対応 高齢化社会での活用 高齢化社会での活用 国民生活の利便性の向上 国民生活の利便性の向上 地図データ整備 地図データ整備 統計・台帳 統計・台帳 データ データ 地図 地図 データ データ 国のGISの取り組み (GIS関係省庁連絡会議の経緯) 1995年 1月 阪神・淡路大震災発生 1995年 9月 「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」設置 -内閣官房主宰 : 国土地理院・国土計画局(旧国土庁)が事務局- 基盤形成期 標準の決定 1996~1998年度 整備計画の作成 1999~2001年度 GISアクションプログラム2002-2005 2002~2005年度 基盤環境の概成行政の効率化と質の高いサービスの実現 (共同通信社提供) 地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議の 組織構成 地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議 議長:内閣官房副長官補 1官房1府13省庁19名(局長級) 事務局(内閣官房)、事務局補佐(国土交通省国土計画局、国土地理院) 地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議幹事会 1官房1府13省庁20名(課長級) 事務局(内閣官房)、事務局補佐(国土交通省国土計画局、国土地理院) 標準普及WG 事務局(国土地理院) 整備推進WG 事務局(国土交通省大臣官房) 事務補佐(国土地理院) 普及啓発・総合調整WG 事務局(国土交通省 国土計画局、国土地理院) 制度・運用等検討WG 事務局(国土交通省 国土計画局) 地図データの品質評価表 の作成、地理情報におけ る標準の見直し・更新、普 及、技術支援等について の検討。 GISに係る電子申請・電子納 品関連及び各府省の電子デー タの整備・提供の促進等の 検討。 関係省庁が連携したより高度な GIS普及啓発策の実施及び関 係省庁が取り組むべき新たな 課題等についての総合調整。 空間情報の整備、GISの普及 等の阻害要因となっている未 確定の事象や、制度的課題 等についての検討。

空間データの標準化と意義 - GSI1 空間データの標準化と意義 GISデータの標準化実践セミナーin東京 2004年12月13日 国土地理院企画部地理情報システム推進室

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1

空間データの標準化と意義

GISデータの標準化実践セミナーin東京

2004年 12月13日

国土地理院 企画部 地理情報システム推進室

室長補佐  清水 乙彦

内 容

行政情報化とGIS

地理情報(空間データ)の標準化

地理情報標準の概要

地理情報標準と測量法

現状の課題と今後の取り組み

行政情報化とGIS行政情報化とGIS

地理情報システム(地理情報システム(GISGIS))

新規産業の創出新規産業の創出

国民生活での活用国民生活での活用 行政での活用行政での活用

各種計画策定各種計画策定

施設管理施設管理

災害対応災害対応高齢化社会での活用高齢化社会での活用

国民生活の利便性の向上国民生活の利便性の向上

  地図データ整備  地図データ整備

統計・台帳統計・台帳

データデータ

地図地図

データデータ

国のGISの取り組み(GIS関係省庁連絡会議の経緯)

1995年 1月

阪神・淡路大震災発生

1995年 9月

「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」設置-内閣官房主宰 : 国土地理院・国土計画局(旧国土庁)が事務局-

基盤形成期 標準の決定

 1996~1998年度 整備計画の作成

長期計画

普 及 期 1999~2001年度

GISアクションプログラム2002-2005 2002~2005年度 基盤環境の概成、

行政の効率化と質の高いサービスの実現

(共同通信社提供)

地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議の組織構成

地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議議長:内閣官房副長官補

1官房1府13省庁19名(局長級)事務局(内閣官房)、事務局補佐(国土交通省国土計画局、国土地理院)

地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議幹事会1官房1府13省庁20名(課長級)

事務局(内閣官房)、事務局補佐(国土交通省国土計画局、国土地理院)

標準普及WG事務局(国土地理院)

整備推進WG事務局(国土交通省大臣官房)

事務補佐(国土地理院)

普及啓発・総合調整WG事務局(国土交通省

国土計画局、国土地理院)

制度・運用等検討WG事務局(国土交通省

国土計画局)

地図データの品質評価表の作成、地理情報における標準の見直し・更新、普及、技術支援等についての検討。

GISに係る電子申請・電子納品関連及び各府省の電子データの整備・提供の促進等の検討。

関係省庁が連携したより高度なGIS普及啓発策の実施及び関係省庁が取り組むべき新たな課題等についての総合調整。

空間情報の整備、GISの普及等の阻害要因となっている未確定の事象や、制度的課題等についての検討。

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2

GISアクションプログラム2002-2005~GISにより豊かな国民生活を実現するための行動計画~

計画期間:

2002-2005年度の4年間

目指すべき姿:

GIS 行政分野

効率化・迅速化サービスの質の向上

産業分野

新しいビジネスモデルの創造新規雇用の形成

国民生活全般

安価で質の高い各種サービスの享受

政府の目標

GISを利用する基盤環境の概成1. 国土空間データ基盤に関する標準化と政府の率先使用

2. 地理情報の電子化・流通を促進する観点からの制度・  ガイドラインの整備

3. 地理情報の電子化と提供の推進

4. GISの本格的な普及支援

行政の効率化と質の高いサービスの実現5. GISを活用した行政の効率化、質の高い行政サービスの

実現

6. その他計画のフォローアップ等

1. 国土空間データ基盤に関する標準化と政府の率先使用 による行政の効率化の推進

標準化の推進

地理情報標準(JSGI 2.0)のJIS化 12項目中3項目JIS確定、4項目JIS化進行中、5項目国際規格化待ち

政府での標準の率先使用

近年増加傾向にあるが、今後より一層の推進が必要

 (地理情報標準準拠 の地理情報)

数値地図25000、国土数値情報、街区レベル位置参照情報 etc.

JIS

全国普及

地理情報標準

G-XML

国際標準との整合

地理情報(空間データ)の標準化地理情報(空間データ)の標準化

地理情報を標準化する意義

地理情報をより利用しやすいものとする→ 地理情報を自由に交換できる仕組み

→ 使いたい地理情報の所在・内容等がわかる仕組み etc… 地理情報の効率的な作成を支援する仕組み

地理情報の流通・相互利用の促進

台帳

付図

異なる目的

異なるシステム異なる仕様

電子化統 合

地理情報標準の考え方

データフォーマットを統一するものなのか?

  → そうではない

異なるシステム間でデータ交換するための標準

システム A システム B

システム Dシステム C

システム A システム B

システム C システム D

地理情報標準

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3

地理情報標準の考え方

データフォーマットの統一ではない

人によって、必要な地物の属性が違う

どんな属性があるか伝えられるようにすることが大事

名称、住所、電話番号、人名を持たせろ!

背景に属性は要らない!

名称、住所は良いが、個人情報はダメ

名称

属性1

住所

属性2

電話番号

属性3

人名

属性4

・・・

・・・

地理情報標準の考え方

データ交換に何が必要か?

物理的なフォーマットの理解 (符号化)

論理的なデータ構造の理解 (データ構造)

データが意味する現実世界の理解     (地物カタログ、空間参照)

データを信頼するための情報 (品質)

以上の情報の記述や参照 (メタデータ)

……  (用語)

地理情報標準化の取り組み

ISO/TC211

システムA

システムB

システムが違っ

ても使えるね

XML

地理情報標準(JSGI)

・ 国際標準化機構において地理 情報に関する標準化を検討・ 国際規格を作成

数値地図データ整備

準拠

・ 国土地理院及び民間企業による 共同研究(1996~2001)にて作成・ 第1版は、政府の技術的標準と して位置付け(1999.3)・ 第2版は、第1版を更新・改良して

 作成(2002.3)

地理情報の国際標準化

先進各国、国際機関等の地理情報標準化

1994年: 国際標準化機構における地理情報標準のための専門委員会(ISO/TC211)設置

58ヶ国・地域が参加

日本は、当初から投票権を有する国として積極的に参加

(財)日本測量調査技術協会を国内審議団体として国内意見の取りまとめ、提案

国内委員会を設置、技術的検討を行う

従来の標準をも包括しうる標準

地理情報の国際標準化

ISO/TC211…デジタル時代の標準

「この作業は、可能な限り情報技術とデータに関する適当な標準とリンクし、また地理データを利用する分野特有のアプリケーションの開発に枠組みを与えることとする。」

検討当初 20項目

   現在 約40項目

地理情報を作成、交換するのに必要な基本的な枠組みが中心

地理情報に関する各種サービス(位置情報サービス、ウェブマッピングなど)のための項目が加わる

検討当初の項目はほぼ完成

地理情報標準の主要部分

日 本 国 内日 本 国 内

国際標準との関係

ISO/TC211ISO/TC211

JIS X 7105適合性及び試験JIS X 7107JIS X 7108JIS X 7109JIS X 7110JIS X 7111JIS X 7112JIS X 7113JIS X 7114JIS X 7115

・JIS X 7117JIS X 7118

・  ・

   ・JIS X 7199: G-XML(経済産業省)

         政府決定

空間スキーマ時間スキーマ応用スキーマのための規則地物カタログ化法座標による空間参照地理識別子による空間参照品質原理品質評価手順メタデータ

描画法符号化

製品仕様書

日本工業規格 地理情報標準 19101・

19105・

191071910819109191101911119112191131911419115

・1911719118

・・

19136: GML・

19140

国際規格

統合/提案中

JIS化ISO準拠

国内委員会/WGメンバー連携

共同研究(国土地理院・

民間)

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4

地理情報標準(第2版)の項目

符号化19118

製品仕様書

描 画19117

メタデータ19115

品質評価手順19114

品質原理19113

地理識別子による空間参照19112

座標による空間参照19111

地物カタログ化法19110

応用スキーマのための規則19109

時間スキーマ19108

空間スキーマ19107

地理情報標準の項目名対応するISO標準 データの設計に係るもの

・設計に共通して利用する基本的な部品・設計図の記法・地物を定義した地物カタログの作成法

地物を位置と関連づける仕組み・座標参照系の定義法・地理識別子の作成法

データの品質に関するもの・品質の定義・データの品質の評価と報告の枠組み

データの内容に関するもの・データセットの内容を説明するデータ

データの描画・符号化・空間データの表現に関する情報の伝達・設計図を計算機に取り込む記録形式

:JIS化

地理情報標準(JSGI)の概要地理情報標準(JSGI)の概要

地理情報標準の項目(1)~データの設計に関するもの~

空間スキーマ

時間スキーマ

設計に共通して利用する基本的な部品を供給

応用スキーマのための規則

設計図の記法

地物カタログ化法

地物を定義した地物カタログの作成法

従来は,地物のデータ設計方法が確立されていなかった。設計図も無しに,共通理解は困難。交換に利用するためには,何でも記述できる能力が必要。

地理情報標準の項目(1)~データの設計に関するもの~

空間データの構造

地物の抽出架設関係

名 称住 所電話番号

建 物

名 称面積施設住 所

公 園

名 称電柱種別付属設備所有者工事日

電 柱

名 称電線種別被覆加工電話番号

電 線引込関係

接続関係

XX 病院

XX 公園

診療科目診療時間

病 院

面要素

線要素

点要素

面要素

応用スキーマ

応用スキーマ

・個々の地物を定義する・地物がもっている属性を定義する・地物と地物の間の関係を定義する

いわば空間データの「設計図」

地理情報標準の項目(1)~データの設計に関するもの~

空間データの構造

地物の抽出架設関係

名 称住 所電話番号

建 物

名 称面積施設住 所

公 園

名 称電柱種別付属設備所有者工事日

電 柱

名 称電線種別被覆加工電話番号

電 線引込関係

接続関係

XX 病院

XX 公園

診療科目診療時間

病 院

面要素

線要素

点要素

面要素

応用スキーマ

地理情報標準

● 「応用スキーマ」を記述する ルール

● 地物の各種属性を表現 するための部品群

● 応用スキーマから空間デー タのフォーマットを導くルール

標準が提供する

部品の利用

多様なGISデータの重ね合わせ表示の可能性

GIS-AデータフォーマットA

 ・地物を構成する図形データの要素の定義     (点・線・面のデータ構造) ・図形データに含まれる主題 ・各図形データの関連性の定義      (位置関係や包含関係など)

データセ ッ ト

データの設計図データの設計図

地理情報標準に準拠(設計に関する情報を共有)することで重ね合わせ可能

重ね合わせ重ね合わせ

設計に関する情報データセ ッ ト

GIS-BデータフォーマットB

データセ ッ ト

+ +

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地理情報標準の項目(2)~地物を位置と関連づける仕組み~

座標による空間参照

座標参照系の定義法

地理識別子による空間参照

地理識別子の作成法

座標による空間参照 地理識別子による空間参照

地物

位置

地理識別子住所、郵便番号等のような位置と関連付けることのできるキーとなるもの

地理情報標準の項目(3)~データの品質に関するもの~

品質原理

品質の定義

品質評価手順

データの品質の評価と報告の枠組みを規定

品質は,データ集合が製品仕様書または利用者要件にどれだけ適合しているかで評価される。

こんなデータを作りたい

こんなデータが使いたい

製品仕様書

利用者要件

どの程度合っているか

データセ ッ ト

地理情報標準の項目(3)~データの品質に関するもの~

地理情報標準における「品質」

紙地図での品質

従来、位置の正確さとほぼ同義として理解され、地図縮尺の概念で判断

地図データの品質

空間的な正確度に加えて、時間的な正確度、主題の正確度、データの完全性といったものが要求される

デジタル時代の「品質」

地理情報標準の項目(3)~データの品質に関するもの~

データ品質要素

時間属性の正確度と、地物の時間関係の正確度 ・時間測定正確度 ・時間一貫性 ・時間妥当性

地物,属性(地物属性),地物間関係の存否に関する適合度 ・過剰 ・洩れ

データの構造,属性(地物属性)およびその関係に関する矛盾の程度 ・概念一貫性 ・定義域一貫性 ・フォーマット一貫性 ・位相一貫性

地物の位置の正確度 ・絶対または外部正確度 ・相対または内部正確度 ・グリッドデータ位置正確度

主題属性の正確度と,地物の分類および関係の正しさ ・分類の正確性 ・定性的属性の正確性 ・定量的属性の正確度

完全性

論理一貫性

位置正確度

時間正確度

主題正確度

数値で表される品質の要素

地理情報標準の項目(4)~データの内容に関するもの~

メタデータ

データセットの内容を説明するデータの項目を規定

作成者は?

どこで売っているの?

いつ作られたデータなの?

目的は?

何についてのデータなの?

どうやって使うの?

メタデータとは?

地理情報標準の項目(4)~データの内容に関するもの~

メタデータ

データセットの内容を説明するデータの項目を規定

Q:「公共施設」を含むデータを探してください地理情報分散検索

システム(国土地理院)

全部で3件見つかりました。所在情報を送ります。

2件見つかった

A省ノードサーバー

B庁ノードサーバー

Q ?Q ? 1件見つかった

東京1

東京2・・・

公共施設1公共施設2

・・・

Sydney・・・

東京1

東京2・・・

NY1NY2

・・・

東京1

東京2・・・

公共施設1公共施設2

・・・

国際規格に基づく検索

C省ノードサーバー

公共施設5

・・・

Q ?見つからなかった

地方公共団体、大学、民間等との

接続を推進

政府のデータ登録は03年度

までに完了

http://zgate.gsi.go.jp/

地理情報クリアリングハウス ユーザが必要な地理情報の所在を検索できる仕組み

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地理情報標準の項目(5)~データの表現・記録に関するもの~

描画法

空間データの表現に関する情報を伝達する仕組み

符号化

設計図を計算機に取り込むための記録形式

〒ABCD郵便局

空間データ 描画カタログ

〒ABCD郵便局

地物タイプごとに描画規則が記述される。また、条件に合致しなかった場合に使用する省略時規則も記述される。

地物インスタンスごとに描画カタログを参照。条件に合致した描画規則を得ることができれば、その規則に沿って描画する。

表示縮尺・業務目的などに応じて表現方法が変わる

地理情報標準の項目(6)~製品仕様書~

データを作成する観点から地理情報標準の適用方法を体系的にまとめたもの

製品仕様書

製品仕様書本文  1. 空間データの概要  2. 取得するデータの内容  3. 品質確認方法  4. メタデータ  5. 符号化仕様  6. 成果品  7. その他の事項

付属資料     応用スキーマ      地物要件定義                          地物応用スキーマ記述書(UMLクラス図)

           符号化仕様       地物符号化仕様書(※及びサンプル)                          DTD 叉は XMLスキーマ

           品質              品質要求及び確認方法定義書           メタデータ

            (※地名辞典) ※はオプション

製品仕様書作成に必要なこと

どんな世界のデータを作成したいのか 情報の項目とその定義・相互の関係

地物カタログ、応用スキーマ

現在は、図式規程などで規定;業務ごとに雛形は必要

空間参照系 座標系や地名集など

どんな品質のデータが必要か 要求品質とその確認方法

完全性、論理一貫性、位置正確度、時間正確度、主題正確度

必要なデータだけを必要な品質で作成可能 これまでより自由度が増す

製品仕様に基づく事業執行の流れ

設 計(外注)《応用スキーマ》・地物要件定義・UMLクラス図

地理情報の数値化(外注)

設 計 (外注)《工法決定》《数量算出》《図面作成》

調査・計画(外注)

工事施工(外注)

地理情報の数値化 公共施設(構造物等) の建設

専門的な知識を有する

専門的な知識を有しない

製品仕様書作成・製品の目的  ・地理的範囲  ・時間的範囲  ・空間参照系

 ・取得データ  ・符号化仕様  ・品質  ・メタデータ  ・ほか必要事項

設 計(直営)《応用スキーマ》・地物要件定義・UMLクラス図

ガイドラインや製品仕様書等を整備済み

新たに応用スキーマを作成する必要がある場合

応用スキーマ等について、製品仕様書等に準拠して作成することを仕様書に明記

地理情報標準に準拠した製品仕様書群

地理情報標準準拠データの作成可能

(国土地理院の刊行物については順次標準対応になってきている)

各業務分野ごとに地理情報標準に準拠した製品仕様書が作成されている

 (分野)統合型GIS、道路GIS、下水道GIS、都市計画GIS、農村GIS 等

・ 大縮尺図数値地形図の仕様書記載事項と品質評価基準(案) 国土地理院

・ 都市計画GIS標準化ガイドライン(案) 国土交通省都市・地域整備局

・ 道路GIS 国土交通省道路局

・ 共用空間データ調達仕様書及び基本仕様書 総務省

・ 農村振興地理情報システム整備事業における空間データ調達仕様書

 農林水産省

・ 下水道台帳管理システム標準仕様(案)・導入の手引き (社)日本下水道協会                                 etc

「地理情報標準の普及・利用技術に関する研究」

国土地理院

民間企業

難解記述内容が難しく、理解しづらい

検証規格内容が適切か、検証が必要

事例例示が少ないため、実装が困難

利便性ツールが不充分なため、利用しづらい

入門書

利用する場面に応じた入門書作成

JSGIに準拠した各種文書の作成事例

品質評価手順書

品質評価の実用性検討のための実証実験

製品仕様書作成マニュアル

地理情報標準の普及・利用促進に関する取り組み

利用ツール

製品仕様文書化支援ツール

座標参照系運用ツール

利用するには

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7

地理情報標準と測量法地理情報標準と測量法

地理情報標準≠プロダクト発注

地理情報標準準拠の製品仕様書は

①データ交換時の取り扱い説明書  ・データ交換時に地理情報標準に準拠した製品仕様書が

   あれば良い。(データ+製品仕様書のセット)

②空間データ作成発注時の要求仕様  ・発注時には、必ずしも詳細設計までは必要ない。

   (データ作成と一緒に製品仕様書の作成も外注する)

製品仕様書の運用(発注時)

①既存の製品仕様書を利用して発注

  ・既に標準的な製品仕様がある場合

②新規に製品仕様書を作成して発注

  ・直営 or 外注

③データと仕様書の作成も一緒に発注

  ・発注時には必要最低限の要求仕様を記述

      (作成仕様による発注)(作成仕様による発注)

製品仕様書による地図の調達製品仕様書による地図の調達

作業計画作業計画

品質評価品質評価

竣工検査竣工検査

GISGISに利用に利用

作成手法

作成手法

 要求精度

 要求精度

工程管理工程管理地図情報地図情報

作成作成

第三者機関成果検定

共通仕様書共通仕様書

特記仕様書特記仕様書

公共測量公共測量作業規程作業規程

精度管理表

社内検査・受

入検査

社内検査・受

入検査

受入検査

受入検査

社内検査

社内検査

取得地物・品質要求

取得地物・品質要求

公共測量公共測量

作業規程作業規程

共通仕様書共通仕様書

特記仕様書特記仕様書製品仕様書の製品仕様書の

利用を記載利用を記載

発注仕様は同じ発注仕様は同じ

(製品仕様による発注)

要求仕様が要求仕様が

作成仕様から製品仕様へ作成仕様から製品仕様へ

地物用件定義符号化仕様品質評価手順メタデータ

品質評価報告書

第第1616条適用条適用

製品仕様書製品仕様書

地図データ作成における公共測量の要件

測量精度の確保 ・基本測量又は公共測量の成果に基づき実施すること

 ・国土交通大臣の承認する作業規程に基づき実施すること

 ・国土地理院長の審査による精度検証を受けること

測量の重複防止 ・実施計画書を国土地理院長に提出すること

 ・測量成果の写しを国土地理院に送付すること

測量成果の公開 ・測量成果を一般の閲覧に供すること

公共測量作業規程による作成公共測量作業規程による作成

国土交通省公共測量作業規程  ・国土交通省が、自ら実施する公共測量に使用する作業規程

国土交通省の公共測量作業規程に準拠した公共測量作業規程

  ・要求精度は国土交通省の直轄事業・工事に必要な測量と  同等

均一な精度の測量成果

地図データを相互利用するために、地理情報の設計図を用意しておく

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  地理情報標準の考え方に準拠地理情報標準の考え方に準拠

    ・目的に応じた要求品質を明示

    ・品質評価手順の充実

 

 ・使用機器、作業方法にとらわれないデータ作成や調達が可能

 ・相互利用が可能

  

製品仕様書による地図データの作成製品仕様書による地図データの作成

 

公共測量作業規程への適用公共測量作業規程への適用

国土交通省公共測量作業規程 第16条の適用第16条の適用

 第16条 機器等及び作業方法に関する特例  この規程に定めるものと異なる機器等又は作業方法は、 必

要な精度の確保及び作業能率の維持に支障がないと認めて計画機関が指示し、又は承認した場合に限り、作業の一部に用いることができる。  

 新技術等、公共測量作業規程に規定されていない手法であっても、要求精度を満たすことが確認できれば使用可能

––計画機関が承認している計画機関が承認していることが必要

––国土地理院の長の意見、技術的助言国土地理院の長の意見、技術的助言が必要

独自の公共測量作業規程

•地方公共団体等が利用目的に応

 じた要求精度とそれを満たすた

 めの各工程毎の許容誤差、観測

 機器、観測方法等を調査・検討

•要求精度に応じた公共測量作業規

 定を策定

要求精度に応じた地図データ作成

要求精度(品質)に応じた測量成果

・地理情報標準に準拠・要求品質等の検討

   製品仕様書(品質を確保するための作業 規程が必要)

目的に応じた要求精度の明示

オーバースペックに陥らないための考え方が必要

要求精度を吟味する

相対精度と絶対精度のどちらを重視するか

位相精度をどのように確保するか

 

現状の課題と今後の取り組み現状の課題と今後の取り組み

地理情報標準化の取り組み ~ 今後

ISO/TC211

地理情報標準(JSGI)

・ 国際標準化機構において地理 情報に関する標準化を検討・ 国際規格を作成

日本工業規格( JIS )

ISOの標準確定後順次

JIS化

準拠

反映

・ 国土地理院及び民間企業による 共同研究(1996~2001)にて作成・ 第1版は、政府の技術的標準と して位置付け(1999.3)・ 第2版は、第1版を更新・改良して

 作成(2002.3)

標準によるデータ整備、利用を促進する環境の整備

日本の実情にあった「日本版プロファイル」の作成・提供

製品仕様書作成、データ変換等を支援するツールの提供

        ・ 国内行政機関に

         尊重義務        ・ 広く一般への認知・

         普及の促進

メリット

Page 9: 空間データの標準化と意義 - GSI1 空間データの標準化と意義 GISデータの標準化実践セミナーin東京 2004年12月13日 国土地理院企画部地理情報システム推進室

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地理情報標準化の取り組み ~ 今後

日本版プロファイル 現在の地理情報標準(ISO/TC211標準)は適用範囲が広

すぎて、具体のデータ作成でどの部分を利用すればよいか分かりにくい

日本の現状を踏まえて標準の項目を絞り込み、より利用しやすくする

製品仕様書作成マニュアル

作成支援ツール 等

インフラ系(公共測量等)で利用する2次元のベクトル型

地図データ

現行の地理情報標準に準拠した分野別製品仕様書群をカバー

主なターゲット

改良

より分かりやすく、使いやすく

地理情報標準普及の将来のすがた

現状から理想的な環境へ

将来

当面

現状JIS化

日本版プロファイル

支援

ツール類

普及啓発

メタデータの整備、クリアリングハウスは進展

一部地理情報標準に従ったデータが整備

各々のシステムで独自のデータ形式で整備

少なくとも地物定義、品質定義はしっかり行う

基図に相当するデータはできるだけ標準で

将来的に標準のメリットを享受

支援ツール、分野別製品仕様書群等の活用

分野別製品仕様書群

の環

標準が広く普及、様々な分野でデータ交換

独自形式は内部システムのみ残る

JSGI-XMLG-XMLデータ

データの整備

地理情報標準(JSGI)G-XML (JIS X 7199)

地理情報標準とG-XMLと一般的なデータ形式の関係

応用スキーマ符号化仕様品質確認報告書

データ検索

クリアリングハウス

データの整備

Shapeデータ

DMデータ

データの整備

一般的なデータ形式

地理情報の所在・内容の検索

データ検索データ検索

データの受取

JSGI

JSGI

民間データ

(品質評価表)

データの調達

データの提供・公開・ダウンロード等

JMPメタデータJMPメタデータ

品質定義

地物定義

インターネットによる相互流通

JMPメタデータ

【現状】

JSGI-XMLG-XMLデータ

データの整備

民間データ

クリアリングハウス

データの整備

Shapeデータ

DMデータ

データの整備

一般的なデータ形式

地理情報の所在・内容の検索

地物と品質の定義の仕組みを標準化することで整合を図る

JSGI

データの受取

JSGI

データの提供・公開・ダウンロード等

(品質評価表)

データの調達

インターネットで相互流通 内部システムで使用様々なシステム間でデータ交換

データ検索

応用スキーマ

JSGI化

G-XML化変換ツール

相互変換

(市販ソフトによる)*必要に応じ将来  整合化を図る

(市販ソフト等による)

データ検索データ検索

(符号化) (符号化)(符号化)

JMPメタデータ JMPメタデータ

品質定義

地物定義

品質定義

地物定義

品質定義

地物定義

インターネットによる相互流通

JMPメタデータ

G-XML (JIS X 7199)

【当面】

日本版プロファイル(仮称)

地理情報標準(JSGI)

JIS化されたJSGI

XMLデータ

ISO-GMLデータ

データの整備

民間データ

クリアリングハウス

Shapeデータ

DMデータ

【将来(2年後をめど)】

JSGI

データの受取

JSGI

(品質評価表)

データの調達

データ検索

データ検索

整合 変 換(市販ソフト等による)

コンテンツ流通・位置情報サービス

整合

インターネットによる相互流通

G-XMLデータ

内部システムでの利用

日本版プロファイル(仮称)

= 様々なシステム間でデータ交換を行うための標準地理情報標準

データの提供・公開・ダウンロード等

品質定義

地物定義

JMPメタデータ

JMPメタデータ

位置情報を持つ

コンテンツ

地理情報の所在・内容の検索

地理情報の利用

符号化

GISに関するお問い合わせ等

ホームページhttp://www.gsi.go.jp/GIS/index.html

電子メール  [email protected] 電子国土ポータルサイト  http://cyberjapan.jp/