小笠原諸島の樹木類等より分離された菌類 - Japan Society for ...を行い，ABI PRISM 3730 DNA Analyzer（Applied Biosystems社製）を用いて塩基配列を決定した．また，大半の菌株については28S

─ 163 ─

Microb. Resour. Syst. Dec. 2016 Vol. 32, No. 2

序　文小笠原諸島は本州から 1,000～2,000 km 南方の太平

洋上に散在する 150 以上の小島からなっている．それらは大陸と地続きになったことのない大洋島であり，我が国では沖縄よりも年平均気温の高い海洋性亜熱帯気候に属している（本間，1992）．本諸島に分布する高等植物の約 40％は固有種と言われており，木本の固有率はさらに高く約 70％にのぼるとされる（伊藤，1992）．1854 年，アメリカの探検家チャールズ・ライトが小笠原諸島で初めて担子菌類の子実体などを採集して以来，多くの菌類が見出されてきた（Berkely & Curtis, 1860; Kobayasi, 1937）．ライトが本諸島に来航した年は日米和親条約が結ばれた安政元年にあたり，小笠原諸島が我が国の近代菌学発祥の地と言っても過言ではない．明治期に入り本諸島が日本の領土と認められると，日本人研究者がまず目につくキノコ類を中心に採集し報告してきた（Ito & Imai, 1937a, b, 1939, 1940a, b; Hongo, 1977, 1978；根田・服部，1991）．第2 次大戦後，1945～1968 年の米軍統治下は菌類研究の空白期間であったが，返還されて以降，本諸島の微小菌類についても報告されるようになった（Kobayasi & Konno,1969；井上，1970; Harada, 1979; Katumoto &

Harada, 1979; Tokumasu, 1985；佐藤，1987；佐藤ら，1991; Ando, 1993; Hirooka et al., 2007, 2008, 2010）．2010 年，小笠原諸島産菌類に関する過去 150 年間の学術報告や標本・菌株情報を基に，学名，和名，分布，宿主・基質，標本・菌株番号，出典文献などを載せた菌類リストが編纂された（Sato et al., 2010）．これには，約 1,000 学名が掲載され，明らかに本諸島がタイプロカリティーとなった新属・新種が約 10％含まれている（Sato et al., 2010）．これまで本諸島から報告された菌類は大型の子実体を形成する，いわゆるキノコ類が多く，このリストの半分近くを占めている．一般に，木本の微小寄生菌類等は草本に比べて種類が多く（農研機構遺伝資源センター，2016），小笠原諸島の樹木類の多様性と固有率を考慮すると，未報告の菌類が多く残されていると予想される．そこで本諸島で採集した樹木などの病変部および樹木上の生物から菌類を分離・培養し分類・同定を行うとともに，分布などの新規性を調べた後，研究資源として代表的菌株を農業・食品産業技術総合研究機構農業生物資源ジーンバンクに登録・保存することとした．

材料と方法1）調査・採集地および日程

2011 年から 2013 年にかけて，毎年以下の日程で父島，母島および兄島において，病変の認められた樹木類等の調査・採集を行った．この他，2012 年 2，3 月，

Microb. Resour. Syst. 32（2）：163 ─ 178, 2016

小笠原諸島の樹木類等より分離された菌類

佐藤豊三1）＊，小野　剛2），田中和明3），服部　力4）

1）農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源センター　〒305-8602　茨城県つくば市観音台 2-1-2 2）東京都小笠原亜熱帯農業センター　〒100-2101　東京都小笠原村父島字小曲

3）弘前大学農学生命科学部　〒036-8561　青森県弘前市文京町 3 4）森林総合研究所　〒305-8687　茨城県つくば市松の里 1

2011～2014 年，小笠原諸島において採集した約 300 点の樹木等の罹病部や寄生生物から菌類を分離し，DNA バーコード塩基配列および形態により分類同定を行った結果，286 菌株が 124 種に同定され 161 菌株が属まで同定された．これらのうち少なくとも 37 種は日本新産，20 種・1 亜種は小笠原新産であり，57 菌種について延べ 80 種の新宿主が明らかとなった．新宿主には 19 種の小笠原諸島の固有種が含まれていた．一方，固有植物から分離された他の 50 菌株以上が 37 属に同定されたが，DNA バーコードを用いた BLAST 検索などの結果では種まで特定できなかった．これらは新種の可能性も含めて分類学的所属を明らかにする必要がある．また，国内初確認 13 種および小笠原諸島新産菌 1 種は，熱帯・亜熱帯産の宿主から分離され，菌自体も熱帯・亜熱帯分布種であった．以上および既報から，小笠原諸島の菌類相には熱帯・亜熱帯要素が含まれていることが改めて認められた．

キーワード：fungi, woody plants, the Bonin Islands, new to Japan, new hosts

＊Corresponding authorE-mail: [email protected]: September 20, 2016

佐藤豊三ら小笠原産樹木由来菌類

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2013 年 5，12 月，2014 年 1，2 月および 2014 年 7～9 月，小笠原野生生物研究会より父島で採集された分離源の提供を受けた．3 島の概要は Fig. 1 に示した．

（1）2011 年 10 月 26～29 日　10 月 26，27 日：父島調査　10 月 28，29 日：母島調査

（2）2012 年 9 月 9～18 日　9 月 9，10 日：父島調査　9 月 11～14 日：母島調査　9 月 15～18 日：父島調査

（3）2013 年 9 月 9～18 日　9 月 9～11 日：父島調査　9 月 12 日：兄島調査　9 月 13～15 日：父島調査　9 月 16～18 日：母島調査

2）採集・標本作製斑点や枯れ込みのある樹木類等の葉，萎れた葉が付

いた枝，あるいは，枯れた枝などを撮影後に 5～10 点ずつ採集し，植物名，採集月日と採集場所をメモした紙袋に入れて宿泊先に持ち帰った．直ちに採集試料を

古新聞に挟み重ねて重しを載せ，その後 10～14 日間，毎日新聞紙を交換しながらできるだけ速やかに水分を除去してさく葉標本とした．

3）形態観察作製したさく葉標本を実験室に持ち帰り，宿主植物，

採集地，採集年月日および症状の異なるものごとに紙製の標本ポケットに入れ，冷暗所に収納した．各ポケットの標本を実体顕微鏡で観察し，分生子などが形成されている場合はメスなどでかき取り，スライドグラス上のラクトフェノール液にマウントして光学顕微鏡により観察し，デジタル顕微鏡撮影装置により撮影した．子実体が観察されない乾燥さく葉標本は，滅菌蒸留水を十分に含ませた直径約 15 mm の球形給水ポリマー

（電光ホーム，ジェリーボール）10 数個を 4 隅に配置した滅菌角形プラスチックシャーレ（栄研 2 号，100×140×15 mm）に 2～5 点入れ，22～28℃の窓際散光下に置いた（Fig. 2）．最長 14 日間，連日，実体顕微鏡で観察し，病変部とその周辺部に形成された子実体や胞子を採取して同様に観察・測定した．

Fig. 1 Maps and geographical profiles of Anijima, Chichijima and Hahajima islands

─ 165 ─


4）分離および培養前項で採取した菌類の子実体や胞子の一部を分離に

用いた．未熟な分生子果や子のう果などの子実体は 1個ずつ乳酸加用ジャガイモ煎汁・ブドウ糖寒天平板

（aPDA：30％乳酸を 1 滴入れた直径 55 mm シャーレに 4 ml の PDA を注入して固化）に置床し，そこから伸長した単菌糸を電解研磨したタングステン針で寒天ごと切り取ってジャガイモ煎汁・ブドウ糖寒天斜面培地（PDAs）に移植し純粋分離株とした．分生子など胞子が採取できた場合は，滅菌蒸留水に懸濁してaPDA に画線塗布し，発芽した単独胞子を同様にPDAs に移植した．単菌糸分離，単胞子分離とも，同じ分離源から 4～5 菌株を分離した．顕微鏡観察の結果と培地上の性状や微小形態の一致する同一分離源由来の 1～2 菌株を代表株として農業生物資源ジーンバンクに登録・保存した．培地上で胞子など形態形成の見られない分離シリーズは，菌叢の性状から類別し，代表的な菌株について次項の DNA による同定を行い，その結果と宿主上の形態および培養性状に基づき分類学的所属の明らかになったものを同様に登録・保存した．なお，2011 年以前に小笠原諸島で採集・分離された菌株のうち，Colletotrichum 属菌などの菌株も一部供試した．

5）形態およびバーコード DNA の塩基配列による同定

宿主上および主にジャガイモ煎汁・ブドウ糖寒天平板（PDA）上の形態を上記の通りに顕微鏡観察・撮影・測定した結果を Barnett & Hunter（1998）などの同定用参考書と比較して属を判別し，各属のモノグラフ

や各菌種の原記載などと比較することにより種を同定した．一方，直径 55 mm の PDA で 10～14 日培養した各登録菌株の DNA を既報の方法により抽出した

（Moriwaki et al., 2002）．得られた DNA について，ITS4 および ITS5 プライマー（White et al., 1990）を用いて PCR 法により 5.8S rDNA を含む ITS 領域をGeneAmp PCR System 9700（Applied Biosystems社製）を用いて増幅した．次いで増幅産物を QIAquick PCR Purification kit（Qiagen 社製）により精製し，BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing kit

（Applied Biosystems 社製）によりシークエンス反応を行い，ABI PRISM 3730 DNA Analyzer（Applied Biosystems 社製）を用いて塩基配列を決定した．また，大半の菌株については 28S rRNA 遺伝子（LSU）のD1/D2 領域も NL1 および NL4 プライマー（O’Donnell, 1993）により増幅し同様に塩基配列を決定した．なお，Colletortichum 属菌については，Damm et al. （2012）あるいは Weir et al. （2012）に従い，Actin （ACT），b-tubulin-2 （TUB2），Chitin synthase-1 （CHS-1），Glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase

（GAPDH），Histone H3 （HIS3），Calmodulin （CAL）または Glutamine synthetase （GS）遺伝子を，それぞれ ACT512F および ACT783R （→ACT），T1，TB5，TBCA-2 および bt2b（→TUB2），CHS-79F およびCHS-354R （→CHS-1），GDF1およびGDR1 （→GAPDH），CYLH3F および CYLH3R （→ HIS3），CL1C およびCL2C （→ CAL），GSF3 および GSR2 （→ GS）プライマーにより増幅し同様に塩基配列を決定した．得られた塩基配列を用いて NCBI の BLAST 検索を行い，99％以上の高い類似度を示す分類群が形態同定の結果と一致するかを調べ，同定結果を確認した．なお，BLAST 検索の結果を吟味する際，分類学的論文に引用されているシークエンスデータとの類似度を優先した．また，単一の菌株から得られた複数の DNA 領域・遺伝子の塩基配列の間で BLAST 検索の結果が異なる場合は，原則として属までの同定にとどめた．形態同定の結果が BLAST 検索で表示された属名と一致しない場合は，同定を保留し今回の結果から除外した．

6）同定された種の新規性の確認採集・分離菌が国内新産種か，また，分離源が新た

な宿主かは，勝本（2010），日本植物病名データベース（農研機構遺伝資源センター，2016）および Farr & Rossman （2016）に基づき判断した．一方，Sato et al. （2010）の菌類リストに掲載されていないものか，

Fig. 2 Incubation of dried leaves, isolation sources of fungi, in a square plastic petri dishes with balls of water-absorbing polymer


─ 166 ─

あるいはリスト掲載から漏れていたもの（栄森ら，2003；小野，2004 等），および 2010 年以降に本諸島から新たに報告された菌種（小野ら，2010a；森田ら，2015；柴田ら，2015）以外を小笠原諸島の初記録種と判定した．さらに，豊田（2014）により宿主が小笠原諸島の固有植物か否かを調べた．

結果および考察1）分離菌株の同定結果

2011 年から 2014 年の 4 年間において小笠原諸島で約 300 点の樹木等の分離源を採集し，乾燥さく葉標本として保存するとともに，それらより 1,800 菌株以上を分離した．分離された菌株のうち，439 菌株が属以下の分類群に同定され，農業生物資源ジーンバンクに登録保存された（農業生物資源ジーンバンク微生物Web カタログ：http://www.gene.affrc.go.jp/databases-micro_search.php）．また，それ以前に採集・分離された 8 菌株が再同定された（Table 1）．その内訳を見ると，286 菌株が 124 種に同定され，残りの 161 菌株が属までの同定にとどまった．同定に用いた DNAバーコード塩基配列はすべて農業生物資源ジーンバンク微生物 Web カタログの詳細ページから閲覧できるようにした．また，供試した標本は番号を付し（Table 1, 2），農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源センターの乾燥キャビネット内に保管した．なお，乾燥標本は後述の未同定菌株に関する継承研究が終了した後，すべて国立科学博物館筑波研究施設に寄贈する予定である．

2）分離菌株の新規性今回の調査において，少なくとも 37 種は日本新産，

20 種および 1 亜種は小笠原新産であり，57 菌種について延べ 80 種の新宿主が明らかとなった（Table 1）．それらの新知見の根拠となった登録菌株を Table 1 に示し，また，宿主上あるいは培地上で子実体や胞子などが形成された一部の種について，顕微鏡写真などを掲載した（Fig. 3, 4）．6 年前，小笠原諸島産菌類リスト

（Sato et al., 2010）が公表されて以降，小笠原諸島で新たに確認された菌類がいくつか報告されているが

（小野ら，2010b; Nonaka et al., 2012），今回の調査により，少なくとも 57 種 1 亜種がリストに加えられ，57 菌種について新たな宿主が延べ 80 種追加されることになった．炭疽病菌：5 種 1 亜種の Colletotrichum 属菌が本諸

島で初めて確認され，そのうち父島産ホンアマリリス

（Amaryllis belladonna）およびポトス（Epipremnum aureum）由来の Colletotrichum karstii You L. Yang, Zuo Y. Liu, K.D. Hyde & L. Cai および母島産ムニンシュスラン（Goodyera boninensis）由来 Colletotrichum orchidophilum Damm, P.F. Cannon & Crous は国内初報告種であった．後者はこれまでラン科植物のみから分離されており，小笠原固有のランから分離されたことにより，本種がラン科植物に特異的親和性を持つことが再確認された．母島産メダケ（Pleioblastus simonii）由来 Colletotrichum metake Saccardo は，国内では茨城県つくば市からの報告に次いで 2 番目となる（Sato et al., 2012）．父島産チトセラン（Sansevieria trifasciata）由来 Colletotrichum sansevieriae Miho Nakam. & Ohzono は，鹿児島県でチトセラン炭疽病菌として初記載された種であり，本諸島でも同植物で確認されたことから宿主特異性を持つことが推定された．父島産ホンアマリリス（A. belladonna）およびクダモノトケイソウ（Passiflora edulis）由来 Colletotrichum truncatum （Schwein.） Andrus & W.D. Moore，ならびに母島産ムニンセンニンソウ（Clematis terniflora var. boninensis）およびムニンヤツデ（Fatsia oligocasrpella）由来 Colletotrichum kahawae J.M. Waller & Bridge subsp. ciggaro B.S. Weir & P.R. Johnston は，国内の温帯から亜熱帯に広く分布する種であり（Sato et al., 2015；飯浜ら，2014），前者は 1988～1993 年に分離された両菌株を再同定することにより本諸島にも分布することが明らかとなった．その他の植物病原菌・内生菌：近年，複数 DNA 領

域・遺伝子の塩基配列を用いた分子系統解析に基づき，Lasiodiplodia 属菌は 30 種以上報告されている（Abbas et al., 2010; Abdollahzadeh et al., 2010; Alves et al., 2008; Begoude et al., 2010; Burgess et al., 2006; Chen et al., 2015; Damm et al., 2007; Ismail et al., 2012; Linaldeddu et al., 2014; Machado et al., 2014; Netto et al., 2014; Pavlic et al., 2004, 2008; Phillips et al., 2013; Slippers et al., 2014; Trakunyingcharoen et al., 2014； Úrbez-Torres et al., 2012）．今回の調査で得られた同属の菌株を同定した結果，狭義の L. theobromae の他，Lasiodiplodia parva A.J.L. Phillips, A. Alves & Crousおよび Lasiodiplodia pseudotheobromae A.J.L. Phillips, A. Alves & Crous が得られた．いずれの種も熱帯・亜熱帯の樹木類を中心に寄生することが知られているが（Farr & Rossman, 2016；澤岻ら，2013），本諸島にも分布することが明らかとなった．父島産タバコ

（Nicotiana tabacum）由来 Cercospora nicotianae Ellis

─ 167 ─


Table 1 Species new to Japan and/or to the Bonin Islands, and their new hosts

New findinga Species Isolation sourceb Hostc Collection

locationd

Collection month, year

MAFF no.e

Specimen no.f Fig.

J Acremonium recifei (Leão & Lôbo) W. Gams

Pandanus boninensis* N H Sep., 2012 243939 TYZ 43939 　

J Allophoma labilis (Sacc.) Q. Chen & L. Cai

Gomphrena celosiodes N H Sep., 2012 244915 TYZ 44915 　

J Botryosporium longibrachiatum (Oudemans) Maire

Passiflora edulis N H Oct., 2011 243165 TYZ 43165 　

J Colletotrichum karstii You L. Yang, Zuo Y. Liu, K.D. Hyde & L. Cai

Amaryllis belladonna N C Dec., 1993 238644 TYZ 38644 　Epipremnum aureum N C Sep., 2013 244227 TYZ 44227 　

J Colletotrichum orchidophilum Damm, P.F. Cannon & Crous

Goodyera boninensis* N H Mar., 2007 243319 TYZ 43319 　

J Coniella terminaliae Firdousi, C.D. Sharma & K.M. Vyas

Terminalia catappa N C Oct., 2011 243213 TYZ 43213 　

J Coniosporium agaves Passerini Agave americana 　 C Sep., 2013 244431 TYZ 44431 3dJ Diaporthe musigena Crous &

R.G. ShivasPassiflora edulis N C Oct., 2011 243221 TYZ 43221 3e

J Diaporthe pseudomangiferae R.R. Gomes, C. Glienke & Crous

Ardisia sieboldii N H Sep., 2013 244258 TYZ 44258 3f

J Hortaea wernecki i (Hor t a ) Nishimura & Miyaji

Dracaena sanderiana N C Sep., 2013 244457 TYZ 44457 3g

J Lasiodiplodia parva A.J .L . Phillips, A. Alves & Crous

Trema orientalis N H Sep., 2012 243706 TYZ 43706 3h

J Lasiodiplodia pseudotheobro-mae A.J.L. Phillips, A. Alves & Crous

Crinum as ia t i cum var. asiaticum

N C Sep., 2013 244435 TYZ 44435 3i

Wedelia prostrata N C Sep., 2012 243711 TYZ 43711 　J Letendraea helminthicola (Berk.

& Broome) WeeseThunbergia laurifolia N C Sep., 2012 243944 TYZ 43944 　

J Lophiostoma cynaroidis Marinc., M.J. Wingf. & Crous

Osmanthus insularis N C Sep., 2012 243930 TYZ 43930 　

J Microcera sp. (not M. coccophila) s c a l e i n s e c t o n Machilus sp.

　 C Feb., 2014 244912 TYZ 44912 　

J Mu s i c i l l i um t h e o b r oma e (Turconi) Zare & W. Gams

Arenga engleri N C Sep., 2013 244440 TYZ 44440 　

J Mycosphaerella crystallina Crous & M.J. Wingfield

Sambucus chinensis var. formosana

N C Sep., 2013 244436 TYZ 44436 3j

J Mycosphaerella heimii Bouriquet ex Crous

Wikstroemia pseudo-retusa*

N C Sep., 2013 244418 TYZ 44418 3l

J Mycosphaerella parkii Crous, M. J. Wingf., F.A. Ferreira & Alfenas

Vitex rotundifolia N C Sep., 2012 243920 TYZ 43920 　

J Pallidocercospora holualoana (Crous, Joanne E. Taylor & M.E. Palm) Crous

Bischofia javanica N C Sep., 2012 243927 TYZ 43927 　

J Paraconiothyrium sporulosum (W. Gams & Domsch) Verkley

Bothriochloa glabra N C Oct., 2011 243195 TYZ 43195 4c

J P h a e o s e p t o r i a m u s a e Punithalingam

Musa sp. 　 H Oct., 2011 243169 TYZ 43169 4d

J Phaeosphaer iops i s musae Arzanlou et Crous

Musa sp. (A genome) 　 C Sep., 2012 244914 TYZ 44914 　

J Phomopsis bougainvilleicola M.M. Xiang, Z.D. Jiang & P.K. Chi

Casimiroa edulis N C Oct., 2011 243225 TYZ 43225 　

a J: new to Japan, b *: endemic plant, c N: new host, d C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., e accession of NARO Genebank strains, f herbarium specimens of isolation sources


─ 168 ─

Table 1 Continued


locationd


MAFF no.e

Specimen no.f Fig.

J Phomopsis glabrae C.Q. Chang, Z.D. Jiang & P.K. Chi

Coffea arabica N C Oct., 2011 243224 TYZ 43224 　

J Phomopsis perseae Zerova Callicarpa subpubes-cens*

N H Sep., 2013 244252 TYZ 44252 　

J Pseudocercospora rhabdothamni U. Braun & C.F. Hill

Rubus nakaii* N C Sep., 2013 244412 TYZ 44412 4iThelypteris parasitica N C Dec., 2013 244890 TYZ 44890 4j

J Pyrenochaetopsis poae Crous & Quaedvl.

Drypetes integerrima* N C Sep., 2014 245069 TYZ 45069 　

J Scorias leucadendri Crous Ligustrum micran-thum*

N C Dec., 2013 244894 TYZ 44894 　

J Septoria cucubali Lebedeva Passiflora edulis N C Oct., 2011 243233 TYZ 43233 4mJ Stephanonectria keithii (Berkeley

& Broome) Schroers & Samuelsscale insect on lemon twig

N H Oct., 2011 243201 TYZ 43201 　

J Striodiplodia agaves (Niessl) Zambettakis

Agave americana 　 C Sep., 2013 244275 TYZ 44275 4n

J Volutellonectria consors (Ellis & Everh.) J. Luo, X.M. Zhang & W.Y. Zhuang

Calanthe hattorii* N C Dec., 2013 244877 TYZ 44877 4o

J Xepiculopsis graminea (Libert) Nag Raj

Bothriochloa glabra N C Oct., 2011 243237 TYZ 43237 　

J Zasmidium anthuriicola (U. Braun & C.F. Hill) Crous & U. Braun

Carica papaya N H Oct., 2011 243192 TYZ 43192 　

J Zasmidium fructicola Crous, F. Huang & H.Y. Li

Ligustrum micran-thum*

N C Feb., 2014 244913 TYZ 44913 　

J Zasmidium musae (Arzanlou & Crous) Crous & U. Braun

Hibiscus tiliaceus N C Sep., 2012 243922 TYZ 43922 　Vitex rotundifolia N C Sep., 2012 243923 TYZ 43923 　

B Acaromyces ingoldii Boekhout, Scorzetti, Gerson & Sztejnberg

Averrhoa carambola N H Oct., 2011 243232 TYZ 43232 　

B Acrostalagmus luteoalbus (Link) Zare, W. Gams & Schroers

Passiflora edulis N C Oct., 2011 243160 TYZ 43160 　

B B i o n e c t r i a o c h r o l e u c a (Schweinitz) Schroers & Samuels

Syzygium cleyerifoli-um*

N C Jan., 2014 244906 TYZ 44906 　

B Cercospora guatemalensis A.S. Muller & Chupp

Coffea arabica N H Oct., 2011 243166 TYZ 43166 3b

B Cercospora nicotianae Ellis & Everhart

Nicotiana tabacum 　 C Sep., 2012 243736 TYZ 43736 　

B Colletotrichum kahawae J.M. Waller & Bridge subsp. ciggaro B.S. Weir & P.R. Johnston

Clematis terniflora var. boninensis

N H Sep., 2013 244228 TYZ 44228 　

Fatsia oligocasrpella N H Sep., 2013 244229 TYZ 44229 　B Colletotrichum metake Saccardo Pleioblastus simonii 　 H Sep., 2012 243970 TYZ 43970 　B Colletotrichum sansevieriae

Miho Nakam. & OhzonoSansevieria trifasciata 　 C Sep., 2013 244218 TYZ 44218 3c

B Col le to tr ichum truncatum (Schwein.) Andrus & W.D. Moore

Amaryllis belladonna N C Dec., 1993 238718 TYZ 38718 　Passiflora edulis N C Jul., 1988 305982 TYZ 05982 　

B Curvularia geniculata (Tracy & Earle) Boedijn

Bothriochloa glabra N C Oct., 2011 243194 TYZ 43194 　

B Gib e l l u l o p s i s n i g r e s c en s (Pe thybr . ) Zare , W . Gams & Summerb.

Carica papaya N C Sep., 2012 243938 TYZ 43938 　Momordica charantia N C Sep., 2012 243941 TYZ 43941 　

a B: new to the Bonin Isls., J: new to Japan, b *: endemic plant, c N: new host, d C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., e acces-sion of NARO Genebank strains, f herbarium specimens of isolation sources

─ 169 ─


a B: new to the Bonin Isls., b *: endemic plant, c N：new host, d A: Anijima Isl., C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., e acces-sion of NARO Genebank strains, f herbarium specimens of isolation sources

Table 1 Continued


locationd


MAFF no.e

Specimen no.f Fig.

B N e o f u s i c o c c u m p a r v u m (Pennycook & Samuels) Crous, Slippers & A.J.L. Phillips

Psidium guajava N C Sep., 2013 244442 TYZ 44442 4a

B Neoscytalidium dimidiatum (Penzig) Crous & Slippers

Ficus umbellata N H Sep., 2012 243703 TYZ 43703 4b

B P e s t a l o t i o p s i s u v i c o l a (Spegazzini) Bissett

Juniperus taxifolia* N C Oct., 2011 243217 TYZ 43217 　

B Pes ta l o t i op s i s v e r s i co l o r (Spegazzini) Steyaert

Tarenna subsessilis* N C May, 2005 243321 TYZ 43321 　

B Phoma herbarum Westendorp Rubus nishimuranus N C Sep., 2013 244249 TYZ 44249 　B Phragmocapnias sp. Ligustrum micran-

thum*N C Dec., 2013 244893 TYZ 44893 4e

B Phyllosticta fallopiae Motohashi, I. Araki & C. Nakash.

Elaeocarpus photini-ifolius*

N C Feb., 2014 244908 TYZ 44908 4g

B Phyllosticta philoprina (Berkeley & M.A. Curtis) S. Wikee & Crous

Syzygium cleyerifoli-um*

N C Jan., 2014 244907 TYZ 44907 4h

B Ramichloridium cerophilum (Tubaki) de Hoog

Terminalia catappa N C Oct., 2011 243163 TYZ 43163 4k

B Septoria centellae G. Winter Centella asiatica 　 C Sep., 2012 243721 TYZ 43721 4l　 Lasiodiplodia theobromae (Pat.)

Griffon & Maubl.Sterculia nobilis N H Sep., 2012 243705 TYZ 43705 　

　 Pestalot iopsis microspora (Spegazzini) G.C. Zhao & N. Li

Arenga engleri N C Oct., 2011 243216 TYZ 43216 　　 Melastoma

tetramerum*N C Aug., 2004 243323 TYZ 43323 　

　 Rhizoctonia solani J.G. Kühn (AG4, IIIA)

Lobelia boninensis* N C Aug., 2005 243325 TYZ 43325 　

　 Sclerotinia sclerotiorum (Libert) de Bary

Crepidiastrum ameri-stophyllum*

N C Apr., 2004 243326 TYZ 43326 　

　 Phyllosticta capitalensis Henn. Passiflora edulis N C Oct., 2011 243251 TYZ 43251 　Eugenia uniflora N C Sep., 2012 243750 TYZ 43750 　Blechnum orientale N C Dec., 2013 244889 TYZ 44889 4fNeolitsea boninensis* N C Dec., 2013 244881 TYZ 44881 　Rubus nishimuranus N C Sep., 2013 244267 TYZ 44267 　Boninia glabra* N C Feb., 2014 244910 TYZ 44910 　Thunbergia laurifolia N C Sep., 2012 243745 TYZ 43745 　Rhus succedanea N C Sep., 2012 243746 TYZ 43746 　Heliconia psittacorum N C Sep., 2012 243747 TYZ 43747 　Callicarpa subpubes-cens*

N C Sep., 2012 243748 TYZ 43748 　

Bischofia javanica N C Sep., 2012 243749 TYZ 43749 　Hibiscus tiliaceus N C Sep., 2012 243751 TYZ 43751 　Derris elliptica N C Sep., 2013 244264 TYZ 44264 　Smilax ch ina var . yanagitae

N A Sep., 2013 244265 TYZ 44265 　

Dodonaea viscosa N C Sep., 2013 244266 TYZ 44266 　Wikstroemia pseudo-retusa*

N C Sep., 2013 244268 TYZ 44268 　


─ 170 ─

＆ Everhart はタバコ白星病菌として知られているが，農家の敷地に自生する単独個体上で採集された．本諸島では，現在タバコは栽培されていないことから，おそらく野生化した栽培タバコ上で生き残ってきたものと推測される．母島産フィカス・ウンベラータ（Ficus umbellata）由来 Neoscytalidium dimidiatum （Penzig） Crous & Slippers は，国内ではピタヤ（ドラゴンフルーツ，Hylocereus undatus）の乾腐病菌として沖縄から報告された病原菌であり（佐藤ら，2009），本諸島にも分布することが明らかとなった．一方，植物内生菌としてよく知られている Phyllosticta capitalensis Hennings が（Okane et al., 2003），本諸島の木本 13種（ピタンガ（Eugenia uniflora），ムニンシロダモ

（Neolitsea boninensis），シロテツ（Boninia glabra），ローレルカズラ（Thunbergia laurifolia），ハゼノキ

（Rhus succedanea），ヒメゴクラクチョウカ（Heliconia psittacorum），オオバシマムラサキ（Callicarpa subpubescens），アカギ（Bischofia javanica），オオハマボウ（Hibiscus tiliaceus），デリス（ハイトバ，Derris elliptica），トキワサルトリイバラ（Smilax china var. yanagitae），ハウチワノキ（Dodonaea viscosa），ムニンアオガンピ（Wikstroemia pseudoretusa））および多年生双子葉類 2 種（パッションフルーツ（P. edulis），ハチジョウクサイチゴ（Rubus nishimuranus）），さらにヒリュウシダ（Blechnum orientale）からも分離され，すべて新宿主と判断された．固有植物由来の菌株：57 種が寄生する延べ 80 種の

新宿主のうち，19 種は小笠原諸島の固有種であった（豊田，2014; Table 1）．タブノキの一種（Machilus sp.）上のカイガラムシから分離された Microcera 属菌の 1種および，ムニンネズミモチ（Ligustrum micranthum）由来の Phragmocapnias 属菌の 1 種は，ITS および

D1/D2 の塩基配列とともに形態が既知種のものと一致しなかったため，未記載種の可能性が高い．このような例は，小笠原諸島の固有植物から分離された他の菌株でも多く見られた．すなわち，固有植物 22 種由来の 50 菌株以上が 37 属に同定されたが，DNA バーコード塩基配列を用いた BLAST 検索などの結果では種同定に至っていない（Table 2）．今後，これら菌株の形態など表現形質を詳細に調べ，新種の可能性も含めて分類学的所属を明らかにする必要がある．

3）同定された種の世界的分布少なくとも以下の国内初確認 13 種および小笠原諸

島新産菌 1 種は，熱帯・亜熱帯産の宿主から分離され，菌自体も熱帯・亜熱帯分布種であった．すなわち，タコノキ（Pandanus boninensis）由来 Acremonium recifei

（Leão & Lôbo）W. Gams，モモタマナ（Terminalia catappa）由来 Coniella terminaliae Firdousi, C.D. Sharma & K.M. Vyas，モクタチバナ（Ardisia sieboldii）由来 Diaporthe pseudomangiferae R.R. Gomes, C. Glienke & Crous，マンネンチク（ミリオンバンブー，Dracaena sanderiana）由来 Hortaea werneckii（Horta）Nishimura & Miyaji，クロツグ

（Arenga engleri）由来 Musicillium theobromae（Turconi）Zare & W. Gams，ムニンアオガンピ（Wikstroemia pseudoretusa）由来 Mycosphaerella heimii Bouriquet ex Crous，ハマゴウ（Vitex rotundifolia）由来 Mycosphaerella parkii Crous, M.J. Wingf., F.A. Ferreira & Alfenas，アカギ（Bischofia javanica）由来 Pallidocercospora holualoana（Crous, Joanne E. Taylor & M.E. Palm）Crous，バショウ属植物（Musa sp.）由来 Phaeoseptoria musae Punithalingam，バナナ（Musa sp., A ゲノム）由来

Table 1 Continued


locationd


MAFF no.e

Specimen no.f Fig.

　 Sphaerellopsis filum (Bivona-Bernardi) B. Sutton

Puccinia pusilla on Bothriochloa glabra

N C Oct., 2011 243249 TYZ 43249 　

　 Stemphylium lycopersici (Enjoji) W. Yamam.

Centella asiatica N H Sep., 2012 243758 TYZ 43758 　

　 Tubercularia lateritia (Berkeley) Seifert

Litchi chinensis N C Oct., 2011 243236 TYZ 43236 　

　 A p i o g n om o n i a c a t a p p a e (Koorders) M. Monodg

Terminalia catappa 　 C Oct., 2011 243164 TYZ 43164 3a

c N：new host, d C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., e accession of NARO Genebank strains, f herbarium specimens of iso-lation sources, g demonstration of a sexual and asexual-morph connection

─ 171 ─


Fig. 3 Morphology of fungi isolated from plants in the Bonin Islands (bar: 20 mm except for k)a: Colonies of Apiognomonia catappae from Terminalia catappa on PDA slants cultured at 20-25° C for 25 days, left: an isolate derived from an ascospore, right: that from a conidium; b: Conidioma of Cercospora guatemalensis from Coffea arabica; c: Acervulus of Colletotrichum sansevieriae from Sansevieria trifasciata; d: Conidioma of Coniosporium agaves from Agave americana; e: Conidia of Diaporthe musigena from Passiflora edulis; f: Conidia of Diaporthe pseudomangiferae from Ardisia sieboldii; g: Hypha and conidia of Hortaea werneckii from Dracaena sanderiana; h: Conidia of Lasiodiplodia parva from Trema orientalis; i: Conidia of Lasiodiplodia pseudotheobromae from Crinum asiaticum var. asiaticum; j: Conidioma of Mycosphaerella crystallina from Sambucus chinensis var. formosana; k: Sporodochium and conidia of Microcera sp. from a scale insect on Machilus sp. (bar: 50 mm); l: Conidiogenous cells of Mycosphaerella heimii from Wikstroemia pseudoretusa


─ 172 ─

Fig. 4 Morphology of fungi isolated from plants in the Bonin Islands (continued, bar: 20 mm except for m)a: Conidia of Neofusicoccum parvum from Psidium guajava; b: Conidioma of Neoscytalidium novaehollandiae from Ficus umbellata; c: Conidia of Paraconiothyrium sporulosum from Bothriochloa glabra; d: Conidia of Phaeoseptoria musae from Musa sp.; e: Conidioma and conidia of Phragmocapnias sp. from Ligustrum micranthum; f: Conidia of Phyllosticta capital-ensis from Blechnum orientale; g: Conidia of Phyllosticta fallopiae from Elaeocarpus photiniifolius; h: Conidia of Phyllosticta philoprina from Syzygium cleyerifolium; i: Conidioma of Pseudocercospora rhabdothamni from Rubus nakaii; j: Conidia of Pseudocercospora rhabdothamni from Thelypteris parasitica; k: Conidiophore and conidia of Ramichloridium cerophilum from Terminalia catappa; l: Conidioma and conidia of Septoria centellae from Centella asiatica; m: Conidioma and spore horn of Septoria cucubali from Passiflora edulis (bar: 50 mm); n: Conidia of Striodiplodia agaves from Agave americana; o: Sporodochium and conidia of Volutellonectria consors from Calanthe hattorii

─ 173 ─


Table 2 Unidentified fungal strains isolated from endemic plants in the Bonin islands

Fungal genus Isolation source Collection locationa


MAFF no.b

Specimen no.c

Closely rerated speciesd

BLAST scoree

Sequenceaccessionf

Acremonium Cinnamomum pseu-do-pedunculatum

A Sep., 2013 244444 TYZ 44444 A c r e m o n i u m chrysogenum

928 HQ232017

Acrocalymma Machilus boninensis H Sep., 2013 244421 TYZ 44421 Acrocalymma fici 782 NR_137953Drypetes integerrima H Sep., 2013 244454 TYZ 44454 A c r o c a l y m m a

medicaginis854 KP170622

Albonectria Drypetes integerrima C Sep., 2014 245067 TYZ 45067 Albonectria rigidi-uscula

863 HM042413

Angustimassarina Cinnamomum pseu-do-pedunculatum

A Sep., 2013 244244 TYZ 44244 Angustimassarina populi

944 KP888642

Annulohypoxylon Clinostigma savorya-num

H Sep., 2013 244415 TYZ 44415 Annulohypoxylon nitens

1624 KU684021

Drypetes integerrima C Sep., 2014 245066 TYZ 45066 Annulohypoxylon nitens

935 AB376819

Ficus iidaiana H Sep., 2013 244403 TYZ 44403 Annulohypoxylon stygium

1000 JN903550

Anthostomella Neolitsea boninensis C Dec., 2013 244878 TYZ 44878 A n t h o s t o m e l l a eucalyptorum

976 DQ890026

Biatriospora Machilus boninensis H Sep., 2013 244422 TYZ 44422 B i a t r i o s p o r a mackinnonii

946 KF015612

Bipolaris Livistona chinensis var. boninensis

C May., 2013 244459 TYZ 44459 Bipolaris micropus 920 HE792935

Cladosporium M e l a s t o m a t e t r ame rum va r . pentapetalum

H Sep., 2013 244202 TYZ 44202 C l a d o s p o r i u m tenuissimum

979 LN834402

Colletotrichum Neisosperma nakaia-num

H Oct., 2011 243191 TYZ 43191 Co l l e t o t r i c hum cordylinicola

963 KC790944

Diaporthe Callicarpa subpubes-cens

C Sep., 2012 243718 TYZ 43718 Diaporthe arecae 970 KC343032

Clinostigma savorya-num

H Sep., 2012 243719 TYZ 43719 Diaporthe eugeniae 996 KC343098

Rubus nakaii C Sep., 2013 244254 TYZ 44254 Diaporthe musigena 1003 NR_111853Machilus boninensis H Sep., 2013 244257 TYZ 44257 Diaporthe tulliensis 987 KR936130

Geastrumia Pandanus boninensis H Sep., 2012 243918 TYZ 43918 G e a s t r u m i a polystigmatis

968 FJ147177

Keissleriella Machilus kobu C Dec., 2013 244882 TYZ 44882 Neobambusico la strelitziae

966 KP004495

Leptosphaeria Alpinia boninsimensis H Sep., 2013 244222 TYZ 44222 Leptosphaeria sp. 813 KF746148Melanconiella Elaeocarpus photini-

ifoliusH Sep., 2013 244223 TYZ 44223 M e l a n c o n i e l l a

ellisii782 JQ926271

Mycosphaerella Neisosperma nakaia-num

C Sep., 2014 245072 TYZ 45072 Verrucisporota sp. 939 KP896032

Neocoleroa Boninia glabra C Sep., 2014 245074 TYZ 45074 Neocoleroa metro-sideri

839 KU131677

Neopestalotiopsis Clinostigma savorya-num

H Sep., 2013 244242 TYZ 44242 Neopestalotiopsis eucalypticola

979 KM199376

Ligustrum micran-thum

C Dec., 2013 244892 TYZ 44892 Neopestalotiopsis surinamensis

983 KM199351

a A: Anijima Isl., C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., b accession of NARO Genebank strains, c herbarium specimens of iso-lation sources, d highest-ranking species in BLAST search with sequence of the strain, e score of BLAST search showed by the closely related species, f deposited sequence for comparison


─ 174 ─

Table 2 Continued



MAFF no.b

Specimen no.c


BLAST scoree

Sequenceaccessionf

Paraconiothyrium Pandanus boninensis A Sep., 2013 244446 TYZ 44446 Paraconiothyrium brasiliense

924 JX496171

Livistona chinensis var. boninensis

C May., 2013 244234 TYZ 44234 Paraconiothyrium cyclothyrioides

878 JX496088

Paramicrothyrium Machilus boninensis H Sep., 2013 244420 TYZ 44420 Paramicrothyrium chinensis

1013 KF636760

Paraphaeosphaeria Pandanus boninensis C Sep., 2013 244232 TYZ 44232 Paraphaeosphaeria verruculosa

990 JX496059

Pestalotiopsis Elaeocarpus photini-ifolius

C Feb., 2014 244896 TYZ 44896 P e s t a l o t i o p s i s humus

1074 KM199317

Ligustrum micran-thum

C Feb., 2014 244903 TYZ 44903 Pestalotiopsis sp. NTg 　

Machilus kobu C Dec., 2013 244885 TYZ 44885 P e s t a l o t i o p s i s humus

1074 KM199319

Pandanus boninensis C Sep., 2013 244241 TYZ 44241 P e s t a l o t i o p s i s papuana

1074 KM199321

Pandanus boninensis C Aug., 2014 245130 TYZ 45130 Pestalotiopsis sp. NT 　Syzygium cleyerifolium

C Jan., 2014 244904 TYZ 44904 P e s t a l o t i o p s i s humus

1074 KM199319

Phaeosphaeriopsis Pandanus boninensis C Sep., 2013 244247 TYZ 44247 Phaeosphaeriopsis musae

1055 DQ885894

Phyllosticta Distylium lepidotum A Sep., 2013 244262 TYZ 44262 Phyllosticta philo-prina

833 KF766170

Ilex mertensii C Sep., 2013 244263 TYZ 44263 Phyllosticta styra-cicola

1018 JX025040

Neisosperma nakaia-num

C Jul., 2014 245131 TYZ 45131 Phyllosticta sp. NT 　

Pseudocercospora Rubus nakaii C Sep., 2014 245076 TYZ 45076 Pseudocercospora rhabdothamni

950 GU269769

Pseudoplagiostoma Elaeocarpus photini-ifolius

C Feb., 2014 244897 TYZ 44897 Pseudoplagiostoma corymbiae

841 NG_042674

Pyrenochaetopsis Alpinia boninsimen-sis

H Sep., 2013 244407 TYZ 44407 Pyrenochaetopsis poae

785 KJ869117

Ramichloridium Neisosperma nakaia-num

C Sep., 2014 245071 TYZ 45071 Ramichloridium biverticillatum

811 KF286986

Readeriella Ligustrum micran-thum

C Dec., 2012 244956 TYZ 44956 Readeriella guya-nensis

942 FJ493211

Simplicillium Syzygium cleyerifoli-um

C Jan., 2014 244905 TYZ 44905 S i m p l i c i l l i u m cylindrosporum

992 AB603997

Sporidesmium Neolitsea boninensis C Dec., 2013 244879 TYZ 44879 S p o r i d e s m i u m pachyanthicola

941 DQ408557

Thuemenella Piper postelsianum H Sep., 2013 244409 TYZ 44409 T h u e m e n e l l a cubispora

941 EF562509

Torrendiella Machilus kobu C Dec., 2013 244886 TYZ 44886 Torrendiella ciliata 913 KJ627220Trichothecium Fatsia oligocarpella H Sep., 2013 244426 TYZ 44426 T r i c h o t h e c i u m

roseum826 KT758800

Vamsapriya Livistona chinensis var. boninensis

C Sep., 2012 243949 TYZ 43949 Vamsapriya indica 981 KM462840

Xylaria Machilus kobu C Dec., 2013 244883 TYZ 44883 Xylaria badia 976 AB376705a A: Anijima Isl., C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., b accession of NARO Genebank strains, c herbarium specimens of iso-lation sources, d highest-ranking species in BLAST search with sequence of the strain, e score of BLAST search showed by the closely related species, f deposited sequence for comparison, g NT: identified by morphology only

─ 175 ─


Phaeosphaeriopsis musae Arzanlou et Crous，アイダガヤ（Bothriochloa glabra）由来 Xepiculopsis graminea

（Libert）Nag Raj，パパイヤ（Carica papaya）由来Zasmidium anthuriicola（U. Braun & C.F. Hill）Crous & U. Braun，オオハマボウ（Hibiscus tiliaceus）・ハマゴウ（V. rotundifolia）由来 Zasmidium musae

（Arzanlou & Crous）Crous & U. Braun およびモモタマナ（T. catappa）由来 Ramichloridium cerophilum

（Tubaki）de Hoog である．これらおよび Sato et al.（2010）に掲載された菌種の世界的分布を考慮すると，植物相と同様に，小笠原諸島の菌類相には熱帯・亜熱帯要素が少なからず含まれていることが改めて認められた．

4）採集試料の乾燥処理と復元序文で述べたように，これまで本諸島から報告され

た菌類は大型の子実体を形成するキノコ類が多く，比較的微小菌類の報告が少ない．これは，微小菌類の調査に不可欠な顕微鏡や分離・培養に必要な機器・設備が離島にはないことが多く，たとえそれらを確保できたとしても出張による調査では現地滞在期間が限られており，試料が新鮮なうちに十分な観察・分離ができないためと考えられる．採集試料を直ちにさく葉標本にして極力雑菌に汚染されないように持ち帰り，実験室で給水ポリマーによる緩慢過湿を行うことにより，寄生・内生している微小菌類を観察・分離できることが本調査で明らかとなった．今後，他の離島や海外で同様の調査を行う場合にも，この乾燥・復元処理が役に立つと考えられる．

謝　辞本研究の一部は，公益財団法人発酵研究所平成 24

年度一般研究助成課題「小笠原諸島固有菌類保全のための分類・生態学的研究─材生息菌を対象として」，

ならびに平成 24 年度農業生物資源ジーンバンク事業の国内探索委託課題「小笠原諸島産クロイボタケ菌類の探索・収集と多様性調査」，および平成 25 年度同委託課題「小笠原諸島産微小子のう菌類の探索・収集と多様性調査」により実施された．ここに記して感謝の意を表する．調査に必要な許可手続きにおいて懇切丁寧なご指導を頂いた環境省関東地方環境事務所，東京都小笠原支庁土木課自然環境担当および林野庁関東森林管理局小笠原諸島森林生態系保全センターの関係各位に厚くお礼申し上げる．宿主植物について多々ご教示頂いた豊田武司氏とともに，現地調査に有益な情報や試料をご提供頂いた小笠原野生生物研究会の安井隆弥氏，東京都亜熱帯農業センターの大林隆司氏，元東京都専門委員（レンジャー）の島田律子氏および東京都自然保護指導員の向　哲嗣氏に心よりお礼申し上げる．

文　献Abbas, S.Q., Ali, I., Niaz, M., Ayesha, R. & Iftikhar, T.

2010. New fungal records on Morus Alba from Faisalabad, Pakistan I. Pak. J. Bot. 42: 583-592.

Abdollahzadeh, J., Javadi, A., Goltapeh, E.M., Zare, R. & Phillips, A.J.L. 2010. Phylogeny and morphology of four new species of Lasiodiplodia from Iran. Persoonia 25: 1-10.

Alves, A., Crous, P.W., Correia, A. & Phillips, A.J.L. 2008. Morphological and molecular data reveal cryptic speciation in Lasiodiplodia theobromae. Fungal Divers. 28: 1-13.

Ando, K. 1993. Kodonospora, a new staurosporous hyphomycete genus from Japan. Mycol. Res. 97: 506-508.

Barnett, H.L. & Hunter, B.B. 1998. Illustrated Genera of Imperfect Fungi, fourth edition. APS Press, St.

Table 2 Continued



MAFF no.b

Specimen no.c


BLAST scoree

Sequenceaccessionf

Zasmidium Fatsia oligocarpella H Sep., 2013 244427 TYZ 44427 Z a s m i d i u m queenslandicum

891 EU514295

Boninia glabra C Sep., 2014 245073 TYZ 45073 Zasmidium citri griseum

989 KP895904

a C: Chichijima Isl., H: Hahajima Isl., b accession of NARO Genebank strains, c herbarium specimens of isolation sources, d highest-ranking species in BLAST search with sequence of the strain, e score of BLAST search showed by the closely related species, f deposited sequence for comparison


─ 176 ─

Paul.Begoude, B.A.D., Slippers, B., Wingfield, M.J. & Roux,

J. 2010. Botryosphaeriaceae associated with Terminalia catappa in Cameroon, South Africa and Madagascar. Mycol. Prog. 9: 101-123.

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Fungi isolated mainly from woody plants in the Bonin Islands

Toyozo Sato1), Tsuyoshi Ono2), Kazuaki Tanaka3) and Tsutomu Hattori4)

1)Genetic Resources Center, National Agriculture and Food Research Organization, 2)Ogasawara Subtropical Branch of Tokyo Metropolitan Agriculture and Forestry Research Center,

3)Faculty of Agriculture and Life Science, Hirosaki University, 4)Forestry and Forest Products Research Institute

Four hundred and forty-seven fungal isolates were obtained from ca. 300 specimens of woody plants and some herbs, including their parasites, in the Bonin Islands from 2011 to 2014. Two hundred and eighty-six of the isolates were identified as 124 species and 161 isolates were classified into many genera on the basis of their morphology and the results of a BLASTn search with barcode DNA sequences such as the ITS region of the 18S rRNA gene and the D1/D2 domain of the 28S rRNA gene. Thirty-seven species were new to Japan and 21 species were new to the Bonin Islands. Fifty-seven species were found on 80 new hosts, which included 19 plants endemic to the islands. Although at least 50 other isolates from the endemic hosts were classified into 37 genera, they could not be identified at species level despite the BLASTn search. More studies in detail are needed to identify these isolates, which seemed to be new taxa. Thirteen species new to Japan and a fungus new to the islands, which were isolated from both tropical and subtropical hosts, are known inhabitants of warmer areas of the world. The tropical or subtropical component in the mycobiota of the Bonin Islands was reconfirmed by the present study.

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小笠原諸島の樹木類等より分離された菌類 - Japan Society for ...を行い，ABI PRISM 3730 DNA Analyzer（Applied Biosystems社製）を用いて塩基配列を決定した．また，大半の菌株については28S