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三河港神野地区岸壁(-12m)固化改良式係船岸の設計について 設計課 富田 健 1.はじめに 三河港は、我が国のほぼ中央に位置し、首都圏や近畿圏をもカバーする地理的優位性から 1970 年後半か ら国内の自動車メーカーの工場が進出している。 1980 年後半からは外国自動車企業も立地するなど、自動車 貿易で過去 10 年余にわたり輸出入ともに世界有数の取扱を誇っており、我が国の経済を支える自動車産業の 拠点港湾として重要な役割を果たしている。 神野地区岸壁(-12m)(耐震)事業は、三河港神野地区の利用形態を再編し、完成自動車と一般貨物の混在 を解消するとともに、増大する完成自動車の輸出入やトランシップ貨物等に対応した港湾機能の強化を図る ため、既存の水深 12m 岸壁を延伸し大規模地震に対応した耐震強化岸壁として整備するものである。 2.設計条件 2.1設計条件 施 設 区 分 項 目 三河港神野地区岸壁(-12m)(耐震) [耐震強化岸壁・特定緊急物資輸送対応] 計画水深 設計水深 施設延長 岸壁法線 天端高 エプロン幅 設計供用年数 D.L.-12.0m D.L.-12.6m 260m+整備に必要な影響範囲 隣接する7号岸壁第3バース(以下、7-3号岸壁)と同じ D.L.+4.0m 20.0m 50 年 上載荷重 荷役機械の種類と諸元 設計入力地震動 永続状態 20kN/m 2 、変動状態 10kN/m 2 ガントリークレーン (免震、自重:6,623kN、固有周期:4 秒、 重心位置:H=20.9m、海脚から 5.95m) 「2.4 対象地震動」参照 レベル 1 地震動(三河港①) レベル2 地震動(海溝型地震、活断層型地震、M6.5 直下地震) 最大クラスの津波を引き起こす地震動 1.1 対象位置図 7

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三河港神野地区岸壁(-12m)固化改良式係船岸の設計について

設計課 富田 健

1. はじめに

三河港は、我が国のほぼ中央に位置し、首都圏や近畿圏をもカバーする地理的優位性から 1970 年後半か

ら国内の自動車メーカーの工場が進出している。1980 年後半からは外国自動車企業も立地するなど、自動車

貿易で過去 10 年余にわたり輸出入ともに世界有数の取扱を誇っており、我が国の経済を支える自動車産業の

拠点港湾として重要な役割を果たしている。

神野地区岸壁(-12m)(耐震)事業は、三河港神野地区の利用形態を再編し、完成自動車と一般貨物の混在

を解消するとともに、増大する完成自動車の輸出入やトランシップ貨物等に対応した港湾機能の強化を図る

ため、既存の水深 12m 岸壁を延伸し大規模地震に対応した耐震強化岸壁として整備するものである。

2. 設計条件

2.1設計条件

施 設 区 分 項 目

三河港神野地区岸壁(-12m)(耐震) [耐震強化岸壁・特定緊急物資輸送対応]

施 設 条 件

計画水深 設計水深 施設延長 岸壁法線 天端高 エプロン幅設計供用年数

D.L.-12.0m D.L.-12.6m 260m+整備に必要な影響範囲 隣接する7号岸壁第3バース(以下、7-3号岸壁)と同じ D.L.+4.0m 20.0m 50年

利 用 条 件

上載荷重 荷役機械の種類と諸元

設計入力地震動

永続状態 20kN/m2、変動状態 10kN/m2 ガントリークレーン (免震、自重:6,623kN、固有周期:4秒、 重心位置:H=20.9m、海脚から 5.95m)

「2.4対象地震動」参照 レベル 1地震動(三河港①)レベル 2地震動(海溝型地震、活断層型地震、M6.5直下地震) 最大クラスの津波を引き起こす地震動

図 1.1 対象位置図

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自 然 条 件

潮位

残留水位

土質条件

L.W.L.=D.L.±0.00m(T.P.-1.239m) H.W.L.=D.L.+2.40m R.W.L.=D.L.+1.60m(矢板式) D.L.+0.80m(重力式) 「図 2.2設計土層モデル」参照

材 料 条 件

鉄筋コンクリート 無筋コンクリート 鋼管矢板 鋼管杭 防食工法

24N/mm2 18N/mm2 SKY400、SKY490 SKK400、SKK490 上部工 ~ L.W.L.-1.0mまで 重防食 L.W.L.-1.0m ~ 電気防食

2.2性能規定の設定

神野地区岸壁(-12m)「以下:7-4号岸壁とする」は、「特定(緊急物資輸送対応)」として整備するため、

「レベル2地震動の作用後、使用性を確保する必要」がある。

ここで、使用性は必ずしもレベル2地震動の作用後に当該施設が全く損傷しないことを意味しているので

はなく、当該施設が緊急物資の輸送に対して支障を及ぼさない程度の損傷に留める。

耐震強化施設の性能規定については、「主たる作用がレベル2地震動である偶発状態に対して、要求性能

に応じて、作用による損傷の程度が限界値以下であることとする」とされている。具体的には、表 2.2 のと

おり、構造形式に応じ、照査項目と標準的な限界値の指標が設定されていることから、これを用いて変形量

の限界値を設定する。

標準

緊急物資輸送対応 幹線貨物輸送対応 緊急物資輸送対応

地震後、構造的な安定が保たれ、速やかに、船舶の利用、人の乗降及び緊急物資等の荷役を行うことができる

地震後、構造的な安定が保たれ、速やか(短期間の後)に、船舶の利用及び幹線貨物の荷役を行うことができる

地震後、構造的な安定が保たれ、一定期間の後に、緊急物資等の荷役を行うことができる

地震後に必要な機能(本来の機能は不要)

本来の機能地震後に必要な機能(本来の機能は不要)

要求性能 使要性*) 修復性 修復性*)

許容される修復程度 軽微な修復 軽微な修復 ある程度の修復

レベル二地震動の使用後に

必要とされる機能

耐震強化岸壁

特定

表 2.1 耐震強化施設の分類と要求性能

*)この要求性能は、地震後に必要な機能(緊急物資輸送)に対するものであり、

施設の本来の機能に対するものとは異なる。

表 2.2 耐震強化施設の性能規定

(「特定(幹線貨物輸送対応)」、「特定(緊急物資輸送対応)」

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2.3土質条件

7-4号岸壁近傍において実施された土質調査により、設計土層モデルは以下の通りとする。工学的基盤

は PS 検層の結果、N>50 であることより D.L.-23.00m 以深の Ds 層を工学的基盤とした。

N値

(平均) γ γ'

礫質土 Ug 19 20.0 10.0 39 19.2 - - 720 260

砂質土 Us - 17.1 7.1 28 34.8 - - 720 260

陸 域 砂 層 砂質土1 As 12 18.8 8.8 30 - - 1550 170

海 域 砂 層 砂質土1 As 12 18.8 8.8 30 - - 1500 130

陸 域 粘 土 層 粘性土1 Ac - 16.9 6.9 - 48.8+1.16z(z=0,at DL=0m) - 1510 160

海 域 粘 土 層 粘性土1 Ac - 16.5 6.5 - 26.1+1.16z(z=0,at DL=0m) - 1470 120

砂 礫 Dg 28 20.0 10.0 36 - 8.5 - - 1880 280

砂質土 Ds 42 20.0 10.0 38 - 17.7 - - 1780 355

粘性土 Dc 23 18.0 8.0 - 138.0 57.4 21.9 - 1760 350

P波速度Vp

(m/s)

S波速度Vs

(m/s)

下 部 砂 礫 層

細粒分含有率

Fc(%)

塑性指数Ip

地 質 名

せん断抵抗角

φ(°)

粘着力

c

(kN/m2)

単位体積重量

(kN/m3)

沖積層

15.1 0.238

液状化強度比RL20(-)

89.5 27.2

洪積層

埋 立 土 層

記号土質名

図 2.1 土質調査位置図

表 2.3 地盤物性値一覧表

図 2.2 設計土層モデル

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2.4対象地震動

変動状態で対象とするレベル 1 地震動は、国土技術政策総合研究所提供の地震波形(三河港①)を用いる

偶発状態で対象とするレベル 2 地震動は、(1)海溝型、(2)活断層型、(3)M6.5 直下型の地震動に加え、最大

クラスの津波を引き起こす地震動を設定する。

当該地点において4波を比較すると、最大クラスの津波を引き起こす地震動の加速度が最も大きく、次い

で M6.5 直下型が大きい。

2.5 照査用震度の算定

各構造形式における照査用震度の算定結果を以下に示す。

図 2.3 レベル1地震動(三河港①)

図 2.4 レベル2地震動(三河港)

構造形式 矢板控え直杭式 矢板控え組杭式 二重矢板式 重力式、固化改良

一次元地震応答解析地表面応答加速度:α(gal) 85.84 85.84 85.84 83.98

壁高(m) 16.6 16.6 16.6 16.6

フィルター処理後の応答加速度最大値:αf(gal) 85.89 98.57 95.78 52.17

低減率(応答波形による):p 0.95 0.92 0.95 0.88

補正最大加速度:αc(gal) 81.75 90.71 91.17 45.82

許容変形量:Da(cm)*港湾基準推奨値 15 15 15 10

照査用震度:kh 0.15 0.14 0.16 0.12

表 2.4 照査用震度算定結果

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3. 構造形式の選定

3.1構造諸元の選定方法

本施設は、現況平面で示した通り、既設7-3号岸壁への東側取付部、隅角部となる西側取付部から構成

される。このため、7-4号岸壁の構造形式を決定するに当たっては、まず、中間部の標準部に対して比較

検討を行い最適断面を決定する。

決定に際しては、まず、一般的な構造形式の中から、本岸壁に適用可能な構造形式を複数選定し、定性的

な比較により3案程度を抽出する(一次選定)。

抽出された構造形式について、永続、変動状態の安定性を照査し、偶発状態の地震応答解析を実施し、各

構造形式の断面を決定する。計算により決定した断面に対して、施工性、経済性、東側取付部及び西側取付

部(隅角部)への適合性も検討項目とし、総合的な比較検討を行って標準部としての最適断面を決定する(二

次選定)。

決定した標準部断面に対して、東側取付部及び西側取付部(隅角部)への適合性を検討する。

3.2想定される比較構造諸元

本施設への適合が想定される比較構造諸元は、港湾基準の係留施設の構造形式を参考に選定した。

設計対象は、既設護岸(既に陸域化している)の岸壁化であること、水深が-12.0m であること、耐震強化

施設であること、隅角部を形成する必要があることを指標に、以下の6形式を選定した。

図 3.1 設計対象区間平面図

①矢板式:控え矢板式

②矢板式:グラウンドアンカー式

③矢板式:二重矢板式

④重力式:背後を地盤改良で固化改良する形式

⑤重力式:ケーソン式

⑥重力式:セル式

(7-4号岸壁)

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OOHASHI-Y
長方形
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3.3比較構造形式の一次選定

以上の概要を一覧表に整理したものが下表である。これにより、一次選定断面として、A-1案(鋼管矢板+控え組杭式)、B-1案(固化改良式)、B-2案(ケーソン式)を選定した。

△ △ △

◎ ○ ▲

短所 ○ △ ○

工期 ◎ △ ○

陸域影響

△ ◎ ▲

海域影響

△ ▲ △

△ △ △

○ ○ ○

△ △ ▲

△ ▲ ▲

△ △ ▲

m(直接工事費) ○ m(直接工事費) △ m(直接工事費) ▲

41 38 31

-4m護岸撤去後、新設鋼管矢板を打設することで、埋立法線の後退は小さい。 -4m護岸撤去後、新設鋼管矢板を打設することで、埋立法線の後退は小さい。

既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。

既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。

前面鋼管矢板と控え工の並行作業ができるが、控え工が陸上機械施工となるため、相対的に工期はやや長い。

既設クレーンレール位置と鋼管矢板、控え工位置がずれるため別基礎となり、相対変位が生じやすい。

既設クレーンレール位置と鋼管矢板、控え工位置がずれるため別基礎となり、相対変位が生じやすい。

新設する前面鋼管矢板の定期的な防食管理が必要。 新設する前面鋼管矢板の定期的な防食管理が必要。

前面鋼管矢板と控え工の並行作業ができるので、相対的に工期は短い。

控え工、地盤改良施工時に、背後用地を占用する。

案 A-1案:鋼管矢板+控え組杭式 A-3案:二重鋼管矢板式

埋立法線

構造概要

A-2案:鋼管矢板+グラウンドアンカー式

既設護岸部に新設鋼管矢板を打設し、グラウンドアンカーで構造を支える形式である。

タイ材の高さを調整する必要がある。2倍の貫入リスクもある。

断面イメージ

既設護岸部に新設鋼管矢板を打設し、控え組杭で構造を支える形式である。 既設護岸部に新設鋼管矢板を打設し、二重矢板とする形式である。

信頼性 耐震岸壁の実績も多く、信頼性は高い。 実績は少なく、耐震岸壁の実績は無い?

前面鋼管矢板打設時、捨石置換時に必要水域を占用する。 前面鋼管矢板打設時、捨石置換時に必要水域を占用する。

東側取付部への適性

供用中岸壁への影響等を考慮すると既設鋼管矢板背後に打設する必要がある。貫入リスクもある。

供用中岸壁への影響等を考慮すると既設鋼管矢板背後に打設する必要がある。2倍の貫入リスクもある。

鋼管矢板が貫入不能となった場合は、オールケーシング先行削孔・砂置換え後、鋼管矢板を打設。(概算費:680万/本(400万/m)の増)

概算費(L2)

13,000 千円/10,000 千円/

鋼管矢板が貫入不能となった場合は、オールケーシング先行削孔・砂置換え後、鋼管矢板を打設。(概算費:680万/本(400万/m)の増)

評価 ○:前面鋼管矢板打設のリスクはあるが、比較的安価となる可能性がある。 ×:前面、背面で鋼管矢板打設のリスクがある上、高価であり、採用しない。

供用中岸壁への影響等を考慮すると既設鋼管矢板背後に打設する必要がある他、海上仮設が供用岸壁近接部まで必要となる。貫入リスクもある。

11,000 千円/

西側隅角部への適性

タイ材及び組杭が交差するため、設置高さ、組杭設置位置を調整する必要がある。また、タイ材、組杭とも断面直角方向に配置できないため、角度補正分、不利な構造となる。貫入リスクもある。

前面鋼管矢板とグラウンドアンカーは並行作業ができないので、相対的に工期は長い。

本体工、控え工とも陸域での作業はほとんど無い。

前面鋼管矢板打設時、アンカー打設時に必要水域を占用するが、アンカー施工時の占有面積は小さい。

既設クレーンレール位置と鋼管矢板位置がずれるため別基礎となり、相対変位が生じやすい。

新設する前面鋼管矢板の定期的な防食管理が必要。

アンカーが交差するため、打設角度を調整する必要がある。貫入リスクもある。

鋼管矢板が貫入不能となった場合は、オールケーシング先行削孔・砂置換え後、鋼管矢板を打設。(概算費:680万/本(400万/m)の増)

×:前面鋼管矢板打設のリスクがあり、やや高価であり、採用しない。

標準部への適性

控え工が陸上施工が可能なため工費的にも有利であるが、前面鋼管矢板は大口径の鋼管矢板をN>50層へ約8m貫入させる必要があり、積算基準の範疇を超える。貫入不能となるリスクも懸念される。鋼管矢板前面は、幅約35m深さ約6mを掘削して捨石に置換える必要がある。

控え工施工時に仮設桟橋等が必要となり工費的にやや高価となる他、前面鋼管矢板は大口径の鋼管矢板をN>50層へ約8m貫入させる必要があり、積算基準の範疇を超える。貫入不能となるリスクも懸念される。鋼管矢板前面は、幅約35m深さ約6mを掘削して捨石に置換える必要がある。

控え工が連続鋼管矢板となり工費的にも不利となる他、前面鋼管矢板は大口径の鋼管矢板をN>50層へ約8m貫入させる必要があり、積算基準の範疇を超える。貫入不能となるリスクも2倍となる。鋼管矢板前面は、幅約35m深さ約6mを掘削して捨石に置換える必要がある。

-4m護岸撤去後、新設鋼管矢板を打設することで、埋立法線の後退は小さい。

実績は少ないが、耐震岸壁の実績がある。

既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。アンカー打設時、SEP台船等の足場が必要。

控え工、地盤改良施工時に、背後用地を広範囲に占用する。

施工性

クレーン基礎への対応

維持管理

(平面θ=39.17°)

4.35 レールスパン 16.00

2.30 13.70 2.30+4.20+4.04

N=5

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

R.W.L +1.60

電気防食

重防食

-9.5

+0.6

-20.5 -20.5

28.50 以上

タイロッド(HT690)φ110相当(@3.16m)

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m)kN/m2γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=25,φ=37°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-Ac

As(SCP改良,As=15%)

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0Ac

φ=40°,γ=18kN/m3,γ'=10kN/m3置換石

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

-15.00

+1.00 +2.10

-1.00

+1.00+1.60

+2.50

鋼管杭(SKK490)φ1,000×10t×25,500L(@3.16m)

-21.99-22.65

鋼管杭(SKK490)

+1.97

鋼管矢板(SKY490)φ1,500×17t×34,600L(@1.58m)

2.50

20°

φ1,100×11t×26,200L(@3.16m)

-31.40

20°

改良範囲 39.81以上

1:2

35.50

15.7°16

.2°15.1°

たわ

み角

0点

=9.75

+4.00

-19.0

+3.0

1.15

2.30

エプロン 20.00m岸壁法線

-19.0

8.5878.826

N=5

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

R.W.L +1.60

電気防食

重防食

-9.5

+0.6

-20.5 -20.5

38.68 (38.2 以上)

タイロッド(HT690)φ100相当(@3.16m)

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m)kN/m2γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=25,φ=37°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-Ac

As(SCP改良,As=15%)

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0Ac

φ=40°,γ=18kN/m3,γ'=10kN/m3置換石

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

-15.00

+1.00 +2.20

-1.00

+1.80(+1.60)

鋼管矢板(SKY490)φ1,500×17t×33,500L(@1.58m)

-31.30

改良範囲 58.94

1:2

38.00

15.4°

15.8°14.8°

たわ

み角

0点

=10.20

+4.00

-19.0

+3.0

1.15

2.30

エプロン 20.00m岸壁法線

-19.0

(平面θ=11.66°)

4.35 レールスパン 16.00

2.30 13.70 2.30+4.20+4.04

+1.00

+2.50

2.30

-31.30

-12.60

4.35 レールスパン 16.00

2.30 13.70 2.30+4.20

+4.04

40°

グラウンドアンカー F360TA相当

水平間隔1.58m

+2.20

N=5

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

R.W.L +1.60

電気防食

重防食

-9.5

+0.6

-20.5 -20.5

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m)kN/m2γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=25,φ=37°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-Ac

As(SCP改良,As=15%)

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0Ac

φ=40°,γ=18kN/m3,γ'=10kN/m3置換石

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3基盤岩

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

+1.00

+3.00

-1.00

鋼管矢板(SKY490)φ1,500×17t×34,600L(@1.58m)

-31.40

改良範囲 39.73

1:2

37.00

15.5°16

.0°15.0°

たわ

み角

0点

=9.97

+4.00

-19.0

+3.0

1.35

2.50

エプロン 20.00m岸壁法線

-19.0

表 3.1 抽出した構造形式とその特徴(1)

13

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14

OOHASHI-Y
長方形
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表 3.2 抽出した構造形式とその特徴(2)

○ ◎ △

○ ◎ ○

仮設 ○ ▲ ▲

工期 ○ ▲ △

陸域影響

○ ▲ △

海域影響

○ ▲ △

◎ △ △

○ ◎ ○

○ ○ ▲

○ ○ △

◎ ▲ ▲

m(直接工事費) ○ m(直接工事費) △ m(直接工事費) ▲

47 36 30

連続した固化改良体を形成することで目地開き等の弱点が形成される懸念は少ない。

西側隅角部への適性

セル径が既設クレーンレール幅より狭い場合は相対変位が生じ安いが、セル径が大きい場合は相対変位を小さくできる。

11,000 千円/ 22,000 千円/

固化改良体内に既設クレーンレールが位置するため、相対変位が少ない。ケーソン幅が既設クレーンレール幅より狭いため、相対変位が生じ安いが、幅広ケーソンとすることで相対変位を小さくできる。

基礎捨石投入、同均し、ケーソン設置等、作業船による海上施工工種が多い。

広範囲に渡る掘削が必要で、基礎捨石工、本体工は並行作業ができず、相対的に工期は長い。ケーソン製作は並行で可能。

陸域での作業は広範囲に及ぶ可能性がある。

維持管理

施工性

既設護岸を大きく掘削し、ケーソンを設置する形式である。

断面イメージ

案 B-2案:ケーソン式

既設護岸背後に根入れ式鋼板セルを設置する形式である。

B-1案:固化改良式 B-3案:鋼板セル式

既設護岸部に新設鋼矢板を打設し、背後を固化改良により擬似的な重力式とする形式である。

構造概要

-4m護岸撤去後、鋼板セルを設置するが、埋立法線の後退はやや大きい。埋立法線 -4m護岸撤去後、鋼矢板を打設するが、埋立法線ほとんど変わらない。

耐震岸壁本体、取付部の実績がある。 耐震岸壁の実績も多く、信頼性は高い。 実績は少ないが、既設岸壁の耐震化の実績がある。信頼性

既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。

陸上機械のよる施工のため、機械が調達できれば、複数機による並行作業が可能となる。工期は相対的にやや短い。

固化改良は陸域での作業が多いが、施工場所は最も狭い。

前面鋼矢板打設時に必要水域を占用する。

-4m護岸撤去後、ケーソンを下げて据付けることで埋立法線を同一にできる。(張出し上部工となる)

大規模な掘削を伴うことから適用性は低い。

評価 ○:アンカー案とほぼ同額であるが確実な施工が期待できうる。 ×:高価であり、採用しない

東側取付部への適性

打設前に、現地盤を掘削して貫入抵抗を減少させる必要があることから、既設岸壁近接部までの施工は難しく適用性は低い。

既設護岸を有効利用できるため、供用中岸壁への影響が最も小さい。

○:最も施工性がよく、施工方法の工夫で比較的安価となる可能性がある。

概算費(L2)

10,000 千円/

概算費は隅角部にセルを2函配置した場合。仮設費のしめる割合が非常に高く、大幅なコスト高となる。

概算費は隅角部に異形ケーソン1函、西側に標準ケーソン1函を配置した場合。

標準部への適性

工費的にもやや高価である。固化改良体を保護する鋼矢板を施工する必要があるが、鋼矢板前面は置き換える必要が無い。

基礎の粘性土を掘削し基礎捨石に置き換える他、既に陸地化している背後も大きく掘削する必要があり、工費的にはやや高価となる。ケーソン製作ヤードまたはFDが必要。確実な施工が可能である。

打設前に、現地盤を掘削して貫入抵抗を減少させる必要がある。鋼板セル製作ヤードが必要な他、打設時に専用の打設装置が必要となる。仮設費のウエイトが高い。

既設護岸撤去、基礎捨石マウンド施工等のため、広範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。

セルを現地盤から打設できない場合は広範な掘削のため、仮設土留矢板も広範囲になる。セル打設装置の製作が必要。

広範囲に渡る掘削が必要だが、掘削後の工種はセル打設程度であり相対的に工期はやや長い。鋼板セル製作は並行で可能。

RC構造物であり特別な維持管理は不要。 新設する鋼板セルの定期的な防食管理が必要。新設する前面鋼板の防食管理が必要。

異形ケーソンを設置することで対応が可能である。コーナー部にセルを設置すれば、アーク打設角度調整により対応が可能。仮設費のウエイトが高いため、隅角部だけに鋼板セルを適用する場合はかなり高額となる。

鋼板セル設置、中詰工は大型作業船による海上施工となる。

陸域での作業は広範囲に及ぶ。

クレーン基礎への対応

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

-9.5

-18.0

+0.6

-20.5 -20.5

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m)kN/m2

γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-

Ac

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0

Ac

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

基盤岩

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

基盤岩

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

鋼板セル式

1:2

隅角部 標準断面図 S=1/400

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

-19.0

+3.0

+1.00

+4.00

エプロン 20.00m

岸壁法線

N=12,φ=30°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3As

鋼 板 セ ル

N=5

φ=40°,γ=18kN/m3,γ'=10kN/m3

置換石

鋼 管 杭

4.35 レールスパン 16.00

2.30 13.70 2.30+4.20+4.04

-19.50

改良体幅 B=27.00m

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

鋼矢板 Ⅲw型(SY390)L=21,500

電気防食

重防食

-9.5

-19.0

+0.6

-20.5

-19.0

-20.5

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m) kN/m2γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=12,φ=30°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-Ac

As

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0Ac

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3Ds

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3Ds

+3.0

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

+1.00

+2.00

+4.00

-1.00

セメント固化改良体

quck=1,000kN/m2

護岸法線

+4.20

+4.04

V-800H×1,500L

9.601.20

2.0010.80 8.55

1.20

レールスパン 16.004.35

エプロン 20.00m

15

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OOHASHI-Y
長方形
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3.4構造形式の二次選定

①鋼管矢板+控え組杭式

水平 58.0cm < 100cm、OK

鉛直 52.0cm

残留傾斜角

鋼管矢板 < △

押込杭 <

引抜杭 <

(縮み) 8.2cm < 30cm、OK

m(直接工事費) (B-1案比1.065)

【参考:M6.5】 m(直接工事費)

耐震岸壁の実績も多く、信頼性は高い。信頼性

-4m護岸撤去後、新設鋼管矢板を打設することで、埋立法線の後退は小さい。

埋立法線

既設構造物の有効利用

-4m護岸部:撤去新設-8m護岸部:撤去新設-12m護岸部:撤去新設7-3本体・取付:撤去新設

施工性

仮設既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。ウォータージェット設備が必要。

φ1100×t11×L22.0m(SKK490)

陸域影響

控え工、地盤改良施工時に、背後用地を占用する。

海域影響

前面鋼管矢板打設時、捨石置換時に広範囲の水域を占用する。

工期前面鋼管矢板と控え工の並行作業ができるが、作業船が大型のため複数配置に限界がある。相対的に工期はやや長くなる。

構造決定要因

φ1500×t17×L33.3m(SKY490)

偶発状態:軸力を考慮した曲げモーメント

φ1600×t16×L23.9m(SKK490)

偶発状態:軸力を考慮した曲げモーメント

偶発状態:軸力を考慮した曲げモーメント

新設する前面鋼管矢板の定期的な防食管理が必要。

1,126 kN・m/m、OK

3,603 kN・m/m

871 kN・m/m

西側隅角部

維持管理

3,673 kN・m/m、OK

永続及び変動状態の安定性の評価

残留変形量

5,180 kN・m/m、OK4,365 kN・m/m

偶発状態の地震応答解析

△9,979 千円/

成立断面仕様はL1断面<M6.5<最大クラスの地震動 と大きくなっている。

クレーン基礎の相対変位量

概算費

11,518 千円/

◎ 総合評価耐震施設としての実績で優れる。やや高額であるが最安価案との差は1割程度である。但し、鋼管矢板打設は、N>50層へ約8m貫入させる必要があるものの、特殊な治具を用いることで施工は可能である。大型起重機船の回航費も必要となる。

各断面への適用性

東側取付部

標準部

タイ材及び組杭が交差するため、設置高さ、組杭設置位置を調整する必要がある。また、タイ材、組杭とも断面直角方向に配置できないため、角度補正分、不利な構造となる。貫入リスクもある。

前面鋼管矢板は大口径の鋼管矢板をN>50層へ約8m貫入させる必要があり、積算基準の範疇を超える。貫入不能となるリスクも懸念される。鋼管矢板前面は、幅約40m深さ約6mを掘削して捨石に置換える必要がある。

発生モーメント

供用中岸壁への影響等を考慮すると既設鋼管矢板背後に打設する必要がある。貫入リスクもある。

引抜杭

押込杭

前面鋼管矢板

断面図 特徴

構造概要既設護岸部に新設鋼管矢板を打設し、控え組杭で構造を支える形式である。

【残留変形図】 【最大過剰間隙水圧比分布】 【γxyの最大ひずみ分布】

前面矢板: 鋼管矢板 φ1200×15t (SKY490) L= m @1.279m

応力度 γa・Mmax/Z≦σyd (N/mm²) ≦ OK ≦ OK

必要根入 たわみ曲線法 (m) D.L D.L

深度 ロウの修正 (m) D.L D.L

採用根入深度 (m) D.L

控え工(押込杭):鋼管杭 φ800×9t (SKK400) L= m @2.558m

応力度 γa・Mmax/Z≦σyd (N/mm²) ≦ OK ≦ OK

支持力 N≦γa・Rtd (kN/本) ≦ OK ≦ OK

控え工(引抜杭):鋼管杭 φ800×11t (SKK490) L= m @2.558m

応力度 γa・Mmax/Z≦σyd (N/mm²) ≦ OK ≦ OK

支持力 N≦γa・Rtd (kN/本) ≦ OK ≦ OK

前面矢板-控え工間距離

必要間隔 (m) L= L=

採用間隔 (m) L=

検討状態 永続状態 変動状態(L1地震動)

30.80

220.7 315 299.9 315

-24.538 -25.610

-28.400 -28.799

2.00 -28.80

235

23.50

230.4 235 209.9

315

1,310 2,084 1,498 3,056

23.00

299.5 315 278.2

21.680 26.593

27.00

998 1,275 1,267 1,275

N=5

H.W.L +2.40

L.W.L ±0.00

-12.00 (計画水深)-12.60 (設計水深)

+4.20

R.W.L +1.60

電気防食

重防食

-9.5

-20.5 -20.5

タイロッド(HT690)φ120相当(@3.16m)

C=48.8+1.16・Z (Z=0,atD.L±0.0m)kN/m2γ=16.9kN/m3,γ'=6.9kN/m3

N=12,φ=30°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=-Ac

As

Dg

Ds

C=26.1+1.16・Z kN/m2

γ=16.5kN/m2,γ'=6.5kN/m3

N=0Ac φ=40°,γ=18kN/m3,γ'=10kN/m3

置換石

(Z=0,atD.L±0.0m)

-23.0

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3Ds

N=28,φ=36°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

N=42,φ=38°,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3

Dg

Ds

N>50,γ=20kN/m2,γ'=10kN/m3Ds

Us N=-,φ=28°,γ=17.1kN/m3,γ'=7.1kN/m3

-23.0

+1.00

+2.00

+4.00

-1.00

鋼管矢板(SKY490)φ1,500×17t×33,300L(@1.580m)

-31.30

既設鋼管矢板撤去 φ1300×t13(SKY50)・?・24.0m

-14.00

V-800H×1,500L

-19.0-19.0

Ug N=19,φ=39°,γ=20kN/m3,γ'=10kN/m3

+4.20

岸壁法線

+4.04

1:2

N=25,φ=37°,γ=18.8kN/m3,γ'=8.8kN/m3As(SCP改良,As=15%)

既設鋼管杭撤去 φ800×t10,?=160m

(SKK50).c.to.c 1.371

+1.00 +1.60

+2.50

鋼管杭(SKK490)φ1,100×11t×22,000L(@3.16m)

-18.70

-20.49

鋼管杭(SKK490)

+1.97

φ1,600×16t×23,900L(@3.16m)

+3.14 +3.30

39.50

1.30 3.05

2.30

クレーン レールスパン 16.004.35

エプロン 20.00m

2.30

33.00

0.752.45

16.2°

15.7°

15.1°

たわ

み角

0点

=10.

84

15.1°

30°

改良範囲 43.91

20°20°

2.50

18.7

0

22.00

20.4

9 23.90

17

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OOHASHI-Y
長方形
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②固化改良式

固化改良体

改良幅

改良上端

改良下端

上部工

【固化改良体】 クレーンあり、R.W.L.+2.40m

水平 37.0cm < 100cm、OK

【上部工】 けん引時(けん引力H=100kN/m) 鉛直 21.0cm

残留傾斜角 0.36° < 3°

端趾圧 487kN/m2 < ◎

せん断応力 185kN/m2 <

鋼矢板 176kN・m/m <

(開き) 0.7cm < 30cm、OK

m(直接工事費) (B-1案比1.000)

【参考:M6.5】 m(直接工事費)

永続及び変動状態の安定性の評価

残留変形量

牽引時における滑動

底面反力(Dg層上端)

各断面への適用性

西側隅角部

標準部

東側取付部

施工性

-4m護岸撤去後、鋼矢板を打設するため、埋立法線はほとんど変わらない。

埋立法線

-4m護岸部:撤去新設-8m護岸部:改良体保護材として利用可-12m護岸部:改良体保護材として利用可7-3本体・取付 :改良体保護材として利用可

既設構造物の有効利用

信頼性耐震岸壁としての実績は少ないものの、本体部、取付部への採用実績はある。

B 25.0m×H 19.8m

工費的にはやや高価である。固化改良体を保護する鋼矢板を施工する必要があるが、鋼矢板前面は置き換える必要が無く、適用性は良い。

連続した固化改良体を形成することで目地開き等の弱点が形成される懸念は少なく、適用性は良い。

総合評価耐震施設としての実績は少ないが、最安価であり、貫入不能の様な施工上のリスクも無い。大型作業船等を必要とせず、背後陸域への影響も小さく、施工性は最も良い。

海域影響

陸域影響

工期

偶発状態の地震応答解析

前面鋼矢板打設時に必要水域を占用するが、作業船規格は最も小さい。

固化改良は陸上機械による作業であるが、改良場所での施工であり、施工に要する面積は最も狭い。

505kN・m/m、OK発生M

改良体応力度 400kN/m2、OK

断面図 特徴

L1断面でM6.5、最大クラスの地震動に対して成立。

概算費

10,813 千円/

10,813 千円/ ◎

クレーン基礎の相対変位量

構造概要既設護岸部に新設鋼矢板を打設し、背後を固化改良により擬似的な重力式とする形式である。

構造決定要因

陸上機械による施工のため、機械が調達できれば、複数機による並行作業が可能となることから、工程調整の自由度がある。

既設護岸を撤去するため、単年度工事範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。固化改良に必要な仮設プラントの設置撤去が必要。

新設する前面鋼矢板の定期的な防食管理が必要。維持管理

既設護岸断面を有効利用できるため、供用中岸壁への影響が最も小さく、適用性は最も良い。

仮設

800kN/m2、OK

D.L.+0.80m(重力式残留水位)

改良体内部安定(底面反力)

【残留変形図】 【最大過剰間隙水圧比分布】 【γxyの最大ひずみ分布】

永続状態 レベル1地震動

上載荷重無し 上載荷重有り 上載荷重無し 上載荷重有り

滑動 -19.00 2.394 ≧ 1.0 ○ 2.665 ≧ 1.0 ○ 1.806 ≧ 1.0 ○ 1.965 ≧ 1.0 ○

転倒 -19.00 5.490 ≧ 1.0 ○ 6.163 ≧ 1.0 ○ 2.531 ≧ 1.0 ○ 2.582 ≧ 1.0 ○

P1 (kN/m2) 298.34 362.67 446.14 532.10

P2 (kN/m2) 208.18 228.00 38.80 28.60

qa (kN/m2) 440.00 440.00 536.00 536.00

分布幅b (m) 25.00 25.00 25.00 25.00

P1 (kN/m2) ─ ─ ─ 532.10

qb (kN/m2) ─ ─ ─ P₁< 2,221.50

検討項目

検討潮位

L.W.L時 - R.W.L+2.40

地支

盤持

 力

永続状態

R.W.L +1.60m R.W.L +2.40m

滑動 +1.00 1.161 ≧ 1.0 ○ 1.002 ≧ 1.0 ○

転倒 +1.00 7.702 ≧ 1.0 ○ 6.462 ≧ 1.0 ○

P1 (kN/m2) 111.06 100.34

P2 (kN/m2) 41.53 34.01

分布幅b (m) 10.10 10.10

検討項目

19

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OOHASHI-Y
長方形
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③ケーソン式

ケーソン

上端

下端

水平 43.0cm < 100cm、OK

鉛直 20.0cm

残留傾斜角 0.54° < 3°

該当無し

(開き) 7.9cm < 30cm、OK

m(直接工事費) (B-1案比1.326)

【参考:M6.5】 m(直接工事費)

端部に異形ケーソンを設置することで対応が可能である。(端部の目地開きの懸念は無い)

現地盤粘性土を掘削し基礎捨石に置き換える他、既に陸地化している部分も大きく掘削する必要があり、工費的にはやや高価となる。が、確実な施工が可能である。ケーソン製作ヤードまたはFDが必要。

基礎捨石投入・均し、ケーソン設置等、主要な工種が海上作業となり、作業船も大きく、海域への影響は大きい。

維持管理

RC構造物であり、特別な維持管理は不要。

残留変形量

各断面への適用性

西側隅角部

標準部

東側取付部

浚渫時の施工精度を考慮し、D.L.-12.6m

偶発状態の地震応答解析

施工性

仮設既設護岸撤去、基礎捨石マウンド施工等のため、広範囲を仮設土留矢板等で囲む必要がある。

工期広範囲に渡る掘削が必要で、基礎捨石工、本体工は並行作業ができず、相対的に工期は長い。ケーソン製作は並行で可能。

陸域影響

構造決定要因

B 9.8m×H14.1m

平均水位(D.L.+1.23m)を上回る→D.L.+1.50m

変動状態の偏心傾斜荷重

掘削断面が大きいため、陸域への影響は広範囲に及ぶ。

海域影響

耐震岸壁の実績も多く、信頼性は高い。信頼性

-4m護岸撤去後、ケーソンを同じ位置に据付けることで埋立法線を同一にできる。(張出し上部工となる)

埋立法線

クレーン基礎の相対変位量

発生モーメント 大規模な掘削を伴うことから適用性は低い。

×

既設構造物の有効利用

-4m護岸部:撤去新設-8m護岸部:撤去新設-12m護岸部:撤去新設7-3本体・取付:掘削影響のため別工法となる

永続及び変動状態の安定性の評価

概算費

14,340 千円/

△ 総合評価 耐震施設としての実績、施工の確実性に優れるが、施工時の掘削影響が大きく、他案に比べやや高価である。FD回航費も必要となる。14,340 千円/

L1断面でM6.5、最大クラスの地震動に対して成立。

断面図 特徴

構造概要既設護岸を大きく掘削し、ケーソンを設置する形式である。

1) クレーン荷重無し (a) L.W.L時

永続状態 レベル1地震動

上載荷重無し 上載荷重有り 上載荷重無し 上載荷重有り

滑 動 m ≧ ≧ ≧ ≧

転 倒 m ≧ ≧ ≧ ≧

支持力 P₁ (kN/m²)

P₂ (kN/m²)

b (m)

偏心傾斜荷重 ≧ ≧ ≧ ≧

円形すべり ─ ≧ ─ ─

(b) H.W.L時

永続状態 レベル1地震動

上載荷重無し 上載荷重有り 上載荷重無し 上載荷重有り

滑 動 m ≧ ≧ ≧ ≧

転 倒 m ≧ ≧ ≧ ≧

支持力 P₁ (kN/m²)

P₂ (kN/m²)

b (m)

偏心傾斜荷重 ≧ ≧ ≧ ≧

2) クレーン荷重有り

(a) L.W.L時

永続状態 レベル1地震動

上載荷重無し 上載荷重有り 上載荷重無し 上載荷重有り

滑 動 m ≧ ≧ ≧ ≧

転 倒 m ≧ ≧ ≧ ≧

支持力 P₁ (kN/m²)

P₂ (kN/m²)

b (m)

偏心傾斜荷重 ≧ ≧ ≧ ≧

円形すべり ─ ≧ ─ ─

(b) H.W.L時

永続状態 レベル1地震動

上載荷重無し 上載荷重有り 上載荷重無し 上載荷重有り

滑 動 m ≧ ≧ ≧ ≧

転 倒 m ≧ ≧ ≧ ≧

支持力 P₁ (kN/m²)

P₂ (kN/m²)

b (m)

偏心傾斜荷重 ≧ ≧ ≧ ≧

121.760

11.800 8.856

531.930

289.115

114.620

11.800

154.872 0.000

8.538

1.056

1.000

9.207

311.138

133.614

11.800

1.000

1.000

1.306

3.280

1.167

1.697

1.441

3.588 1.000

1.000

1.000

1.000

1.081

1.222

547.038

0.000

9.303

526.458

581.145

0.000

0.000

1.585

1.838

1.424

3.392

1.615

1.000

293.812

11.800

255.145

1.000

1.826

1.699

3.990

1.0001.0001.000

1.652

1.043

1.110

1.000 1.627

1.246

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.000

1.0001.000 1.069

1.000

1.000

1.000

1.000 1.211

1.722

検討項目

検討項目

検討項目

-12.600

-12.600

-12.600

-12.600

-12.600

1.230 1.0001.258 1.000 1.378 1.000

-12.600 2.958 1.000 3.220

1.189 1.000

1.000

340.437 362.511 626.807 646.007

1.000 1.618 1.000 1.642

11.800 11.800 8.466 8.589

93.101 112.043 0.000 0.000

1.010 1.000 1.023 1.0001.511 1.000 1.528 1.000

1.177 1.000

1.000 1.188 1.000

検討項目

-12.600 1.502 1.000

-12.600 3.419 1.000 3.748 1.000 1.598 1.000

288.816 310.869 595.017 614.080

1.231 1.000

1.000 1.625

1.656

11.800 11.800 8.346 8.481

115.506 134.470 0.000 0.000

1.048 1.000 1.062 1.0001.788 1.000 1.783 1.000

【残留変形図】 【最大過剰間隙水圧比分布】 【γxyの最大ひずみ分布】

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OOHASHI-Y
長方形
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4.固化改良式の設計における考え方

4.1固化改良式の検討フロー

4.2設計基準強度(quck)の設定

固化改良体の設計基準強度(quck)は、「陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル」等に

より quck=1000 kN/m2とした。

○陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル

施工実績では、100~600kN/m2 程度の低強度改良が多いが、ボックスカルバート基礎、液状化防止等を目的

とした場合は 1000 kN/m2以上の施工実績が全体の 20~30%を占める。(p.249~251)

永続状態・変動状態

Yes

No

偶発状態

  (耐震強化施設以外)   (耐震強化施設)

永続状態

断面諸元の決定

概算工事費の算定

矢板根入れ長の決定

矢板壁に生じる応力の検討

上部工の滑動、転倒の照査

壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力に関する照査

矢板壁の新設

改良強度の設定

改良形式の設定

上端、下端の設定

劣化対策の設定

改良影響範囲の設定

動的解析による変形量の検討

内部安定(端し圧)に関する照査

動的解析による変形量の照査

円弧すべりに対する照査

設計条件等の決定

断面諸元の仮定

固化改良体の形状設定上部工の形状設定

改良幅の設定

固化改良式の性能照査(中部地整方式)

既設断面の有効活用

図 4.1 固化改良式係船岸の設計フロー(案)

23

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4.3改良体の設計圧縮強度

固化改良体の内部安定の検討において使用する、改良体の設計圧縮強度 fcd は以下のように設定し、改良

体の底面反力は設計圧縮強度を上回らないものとする必要がある。

fcd=γquc・αβ・quck

ここに、γquc;設計基準強度の部分係数、永続状態 0.55、変動状態 0.67、αβ ;オーバーラップ部信頼度係

数(0.8)

なお、偶発状態には部分係数が掛からないための地震応答解析における圧縮強度の特性値は以下のように

設定し、改良体の底面反力は圧縮強度の特性値を上回らないものとする必要がある。

fc’=αβ・quck ここに、αβ ;オーバーラップ部信頼度係数(0.8)

従って、

永続状態 fcd=γquc・αβ・quck=0.55×0.8×1000=440 kN/m2

変動状態 fcd=γquc・αβ・quck=0.67×0.8×1000=536 kN/m2

偶発状態 f’c=αβ・quck=0.8×1000=800 kN/m2

(H20 深層混合処理工法技術マニュアル、沿岸技術センタ-、p.40~41 より)

【偶発状態の地震応答解析】

(H20 深層混合処理工法技術マニュアル、沿岸技術センタ-、p.234 より)

固化改良体の設計せん断強さfshd は以下のように設定し、改良体に作用するせん断力が設計せん断強さ

を上回らないものとする必要がある。

fshd=1/2×fcd

従って、以下の通り設定

永続状態 fshd=1/2f'cd=1/2×440=220 kN/m2

変動状態 fshd=1/2f'cd=1/2×536=268 kN/m2

偶発状態 fshd=1/2f'cd=1/2×800=400 kN/m2

24

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4.4固化改良断面の考え方

4.4.1固化改良範囲

(1)固化改良体(上端)

固化改良体の上端は、D.L.+0.8mとする。

※固化改良体上面は土中部であるが、干満の影響により乾湿繰り返しを受ける可能性があるため、改良

体の上端を重力式係船岸の残留水位(D.L.+0.8m)以下としたものである。

(2)固化改良体(下端)

固化改良体の下端は、D.L.-19.0mとする。

※固化改良体からの地盤反力に耐える必要があることから、Ac は全層改良し、その下の Dg 層上端まで

としたものである。なお、改良体下端は、法線方向の地質縦断に応じて変化させるものとする。

4.4.2上部工

固化改良体の上部工は、作用する土圧・水圧、上載荷重、ガントリークレーン荷重、地震力の他、矢板

壁からの支点反力を負担する。

上部工安定計算における摩擦係数は、コンクリートとコンクリート 0.5、有効作用幅(13.8m/15.5m)を

考慮し 0.44 とする。(0.5×13.8/15.5=0.445 → 0.44)

なお、干満帯(D.L.+0.8m~D.L.-1.0m)の鋼矢板背後には、潮位による乾湿繰り返しの影響から固化改

良体を防護するためコンクリート(上部コンクリート)を打設する。

4.5設計における考え方

4.5.1永続及び変動状態の安定性等の照査

(1)前面矢板の照査

構造は矢板式係船岸の性能照査方法に基づく。

固化改良部分の土圧は作用しないものとし、外力

として残留水圧を作用させた。

前面矢板は、既設構造を評価して、可能な場合は

有効利用を図るものとした。

矢板壁は、固化改良体を波浪、干満等による浸食

から保護する機能のみを期待する。

部分係数は耐震強化岸壁を準用した。

図 4.2 固化改良式上部工の摩擦係数の考え方

▽固化改良体上端

残留水圧

▽設計水深

▽固化改良体下端

矢板壁(既設護岸等)

▽潮位差の2/3▽さく望平均満潮位

▽さく望平均干潮位

(浸食防止)

固化改良体前面の

受働土圧

固化改良体下部の主働土圧

図 4.3 前面矢板の照査イメージ図

25

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▽さく望平均満潮位

▽固化改良体上端▽さく望平均干潮位

▽設計水深

上部工

矢板壁(既設護岸等)

(浸食防止) 固化改良体

船舶牽引力クレーン荷重

主働土圧

残留水圧

タイ材取付点反力

(2)上部工の照査

上部工(重力式)の性能照査方法に基づく。

設計外力は、土圧・水圧、地震力、船舶よる作用等を考慮して照査を行った。

残留水位は H.W.L.についても検討した。

前面矢板のタイ材取付点反力を作用させ上部工下面の摩擦により抵抗するものとした。

摩擦抵抗を確実にするため、実施断面では安定計算では考慮しない「ホゾ」を設置した。

上部工海側は、潮汐による固化改良体の浸食を抑止するため前面を D.L.-1.0mまで下げた。

部分係数は係船柱基礎(牽引力)を準用した。

(3)壁体(上部工+固化改良体)の照査

壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力、端し圧に対する内部安定性を行った。

残留水位は H.W.L.についても検討した。

オーバーラップ部信頼度係数を 0.8 とし、深層混合処理工法における部分係数を適用した。

4.5.2偶発状態の地震応答解析

永続及び変動状態の安定性等の照査で決定した断面について、レベル 2 地震動{海溝型地震動、活断層型

地震動、M6.5 直下型地震動、南海トラフ巨大地震を想定した最大クラスの津波を生じさせる地震動

(SPGA50)}に対する解析を実施し最終断面を決定した。

図 4.4 上部工の照査イメージ図

図 4.5 堤体の照査イメージ図

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5.施工上の配慮事項

5.1変位低減型深層混合処理工法の採用

矢板壁より改良長に相当する範囲(45°)は水平変位

の影響が懸念されるため、変位低減型深層混合処理工

法(CDM-LODIC 工法)を適用するものとした。前面矢

板との間詰め部は、高圧噴射攪拌工法(OPT ジェット

工法)によるものとした。

5.2仮設計画

矢板式係船岸の背後を地盤改良するため、タイ材の間引き・移設等の施工上の工夫により機械式攪

拌工法を主たる地盤改良工法とし、工事費を大幅に削減した。

5.3固化改良体目地の影響

固化改良体は断面方向に一体化されることが前提であるが、タイ材間施工時に生じる施工目地等に

より固化改良体が分断された場合を想定し、FLIPにて安定性を確認した(一体化解析とほぼ同じ結果)。

▽岸壁高さ

▽さく望平均満潮位

▽改良体上端▽さく望平均干潮位

▽設計水深高圧  変位低減型CDM 通常CDM

45 ° ▽改良体下端

※変位低減型CDMのうち、矢板壁背後は

  高圧噴射攪拌工法による

改良幅

上部工

鋼矢板壁(既設護岸等)

(浸食防止)

変位低減型CDM

図 5.1 変位低減型 CDM 工法の適用範囲

図 5.2 タイ材の間引き・移設等のイメージ図

図 5.3 改良体目地のイメージ図

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5.4残土処理

地盤改良による盛り上がり土砂を排出しなければならないが、この土砂は、セメント混じりの土砂

となるため、場外排出するためには、産業廃棄物の扱いとなる。

この場合、1m3 当たり 20,000 円程度の処分費が必要となることから現場内流用を検討した。

現場内流用(案)としては、図 5.4 のような現場内流用により土砂処分費用の軽減が図れると考え

られることから、港湾管理者等とふ頭用地の将来的な利用計画を確認し実施した。

図 5.4 排出土の現場内流用方策のイメージ

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OOHASHI-Y
長方形