16
2014年6月14日 理 念・ビジョン 2025 コープネットグループのめざす姿

理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

2014年6月14日

理念・ビジョン 2025

コープネットグループのめざす姿

Page 2: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

2

Ⅰ 策定にあたって … …………………………………………………… 3

Ⅱ 理 念 … …………………………………………………………………… 5

Ⅲ ビジョン …………………………………………………………………… 6

(1) ビジョン(2025年のめざす姿)………………………………………… 6

(2) ビジョンを実現するためのプログラム………………………………… 6

プログラム1 誰もが利用しやすい食を中心とした事業… …………… 7

プログラム2 “組合員のくらし”と“地域”のニーズを

                     協同の力で実現… ………… 10

プログラム3 連帯の推進… …………………………………………… 12

プログラム4 “人に優しく”、“誇りが持てる”組織… ………………… 13

資 料 … ……………………………………………………………………… 15

目次

数十年変わらない、生協の存在

意義・存在理由・使命です。どんな

に社会が変化しても生協がどうあ

るべきかを指し示す、「北極星」の

ようなものです。

5年後や10年後のありたい姿

を具体的に現したものです。組合

員や職員が情熱を持って追いか

けられる、大胆かつ魅力的な目標

です。

ビジョン理 念

Page 3: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

3

Ⅰ 策定にあたって

(1)これまでの経過私たちは2006年に数十年変わらぬ理念「CO・OP…ともに…はぐくむ…くらしと未来」を定め、「コープネットグループ2015年ビジョン」を指針として事業・活動を進めてきました。ビジョン策定からの8年間で、生協を取り巻く環境は大きく変化しました。2008年のリーマンショックは世界的な経済危機へと広がり、2011年の東日本大震災、福島原発事故は甚大な被害をもたらし、事業においても2008年の「CO・OP手作り餃子」中毒事件は、生協の信頼が失墜する事態となりました。こうした内外の大きな環境変化の中で、事業経営や組織運営等の多くの経営課題の達成が困難になりました。食品シェアNo.1を展望できる事業基盤の生協づくり(8000億円の供給高)をめざしましたが数値的に大きく乖離し、店舗事業は供給高が減少し続け、損益も悪化しています。低成長が続く中で、徹底したコスト構造改革と事業革新にも課題を残しました。ビジョンや中期計画の多くの経営課題が達成困難な状況でしたが、以下の4つの点が大きく前進しました。1)…餃子事件、放射能汚染問題などの中でも、商品の品質保証・危機管理が充実・向上しました。2)…システムと物流基盤の統合が基本的に終了し、事業の基盤整備が進みました。3)…コープデリ宅配事業の紙面は、商品コンセプトの強化や3世代(子育て層、ファミリー層、オトナ層)を対象とした改革が進みました。

4)…コープネットと会員生協は、事業と活動の連携・強化が進みました。コープネットグループの7割の事業高と組合員を構成するコープみらいが生協法の改正を生かし誕生したことで、コープネットと会員生協の一体運営が進む礎を築きました。

(2)大きな環境変化の中で地球環境問題は深刻化し、地震や異常気象による大規模災害も増え、世界での戦火も絶えることなく、10億人の人々が飢餓に苦しんでいます。資源、食料、水、地球環境の有限性もあらためて問題になり、世界が連帯して取り組むことが求められています。少子化と超高齢化の進展の中で、世帯人数の減少、所得格差の拡大および未婚化が進み、外国人の占める割合が高まることで多様な人々で構成される社会となり、労働力人口の減少や国内市場の縮小が進みます。今後10年間の組合員のくらしは、消費税増税が段階的に準備され、所得格差が広がるなど日本社会の構造変化が急速に進む中で、より一層厳しさを増すことが予想されます。こうした環境変化を受け、組合員のくらしの厳しさが生協の事業経営の厳しさに直結することが予測される中で、当初予定していた2015年より早く次の10年を展望し、めざす姿を定めて動き始めるべきだと判断し、今回のビジョンの策定に至りました。なお、理念は、どんなに社会が変化しても数十年変わらない、生協がどうあるべきかを指し示す「北極星」のようなものとして、引き続き掲げていきます。

Page 4: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

4

(3)ビジョン策定にあたってビジョンの策定にあたって、組合員・職員が自分たちのビジョンとして主体的に参加し、考えることを大切にしました。約80万人にのぼる組合員からのアンケート、組合員理事・組合員リーダー※1のグループワーク、職員のグループディスカッション(幹部職員約500人)および職員アンケート(約1300人)で出された期待・要望・意見を反映させて「ビジョン(第一次案)」「中期計画(第一次案)」を作成しました。策定にあたっては、世界の協同組合が一緒になってつくっているICA(国際協同組合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

 「ビジョン(第一次案)」は、各生協の理事会、組合員理事協議、総代会議(10月・11月・12月)、ブロック委員・エリア会、経営会・幹部会、職員のオープンミーティングおよび職場会などで報告をし意見交換しました。ビジョンフレーズの「食卓を笑顔に」、「地域を豊かに」、「誰からも頼られる生協へ」や各プログラムについて共感と期待が寄せられました。その中で出された意見を基に大きな骨格は変更せず、内容を充実させ、より簡明で的確な表現となるように補強して、「ビジョン(案)」を作成しました。

<ビジョンフレーズについて> 【食卓を笑顔に】  … 事業の中心である「食」を真ん中にして、食卓を囲む人が“笑顔”になれる商品やサービスを提供します。単身者が増加し一人での食事が増えていきますが、「食」の“大切さ”や、「食」の“喜び”を誰もが具体的に描ける場面として「食卓」という言葉を使い、「食」を象徴的に表現しました。安全と安心やおいしさ、便利さ、価格など、さまざまな面で満足いただくことで笑顔につながることをイメージしました。

  … 「に」という言葉を用いて「韻」を踏み、音のリズムを大事にしながら、言いやすく印象に残るようにしました。

 【地域を豊かに】  … 地域コミュニティの機能が低下していく中で、地域と人や、人と人のネットワーク(つながり)をつくり、支えあえる街づくりの実現をめざします。地域社会の発展に、生協の事業と活動を通して貢献します。行政、諸団体との連携を進め、豊かな地域社会の実現をめざします。

 【誰からも頼られる】  … 「誰もが頼れる生協」から「誰からも頼られる生協」と主体的な表現にすることで、これまでより、さらに組合員に貢献できる存在になる意志を表しました。事業と活動の中でさまざまな世代やライフスタイルに適した商品開発や組合員のニーズを先取りした企画を進め、地域社会やくらしのあらゆる場で頼られる存在をめざします。

2025年を展望しコープネットグループが組合員のくらしに貢献し、地域性を大事にしてグループの基盤を強めることをめざし、6生協は共通の指針として「ビジョン」を掲げ実践していきます。あわせて、めざす姿を実現していくため、4期に分けて中期計画を順次策定していきます。

組合員・地域の誰からも頼られる存在になるために、ビジョンである“めざす姿”を組合員とともに役職員全員が心をひとつにして推進していきます。

Page 5: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

5

Ⅱ 理 念

2006年に掲げた私たちの理念は、私たちの存在意義・存在理由・使命※4であり、組合員・職員が共有する最も基本的な姿勢を示した価値観として、全ての事業・活動の指針となるものです。国連は、2012年を「国際協同組合年」とする総会宣言を採択し、これまでの協同組合の活動を高く評価しました。私たちは、国際協同組合年を協同組合が今後数十年間の発展につなげていく契機と捉え、協同組合の価値を広げ理念をアピールしてきました。私たちは、理念を通して協同組合の価値を広め、理念を私たちの意思決定のよりどころとし、組合員・職員の精神的支柱として、今後も引き続き掲げていきます。今日の社会環境・経済環境を踏まえ、理念に掲げた私たちの使命と方向性を常に堅持することが、さらに重要になっています。① …私たちの理念は、社会に対して、私たちの存在意義や存在理由をメッセージするものです。② …私たちの理念は、役職員が協同組合に働く人としての自覚を高め、一人ひとりの力を引き出し、日々の事業や活動に貫かれ具現化するものです。

ともに はぐくむ くらしと未来私たちは、一人ひとりが手をとりあって、一つひとつのくらしの願いを実現します。私たちは、ものと心の豊かさが調和し、安心してくらせるまちづくりに貢献します。

私たちは、人と自然が共生する社会と平和な未来を追求します。

コープネットグループ理念

理念は、「ビジョン2025」の価値と方向性の核になるものです。理念で掲げた協同組合の原点である協同の心を表した「ともに」の精神で、私たちは、組合員のくらしや地域社会で生まれた課題の解決に向けて、地域の団体・人とつながり、地域の多様性を認識し、協同して各地域で多彩な取り組みへと発展させていきます。「はぐくむ」には、「豊かにくらしたい」「安心してくらしたい」という一人ひとりの願いを大切にし、地球環境を守り、人間を尊重し、生命を慈しみながら、より良い「くらし」と「未来」を創造する決意を込めています。私たちは、理念をさらに大切にして、ビジョン2025を実践していきます。

Page 6: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

6

Ⅲ ビ ジ ョ ン

(1)ビジョン(2025年のめざす姿)

食卓を笑顔に、地域を豊かに、誰からも頼られる生協へ。食卓を笑顔に、地域を豊かに。

ビジョンフレーズ

タグライン

タグライン…生協のロゴマークに隣接して書かれている言葉。ビジョンフレーズをコンパクトに表現します。

食の安全と安心を第一に、コープデリ宅配事業と店舗事業を通して、食卓に笑顔をお届けし、食の文化に関与している自覚を持ち、組合員のくらしに生涯にわたって貢献します。組合員のくらしや地域社会で生まれた課題の解決に向けて、地域の団体・人とつながり、地域の多様性を認識し、協同して各地域で多彩な取り組みを推進します。組合員は全世帯の半数を超えることをめざします。時代を見据え、先進性を持ち、組合員に優しく地域を豊かにするコープとして、誰にも寄り添った生協となり、地域から“身近に生協があって良かった”という“頼られる存在”をめざします。私たちの連帯のレベルを高め、全国の生協や行政・諸団体と連帯・連携の輪を広げ、くらしに関わる課題、環境・食料など地球規模・国際的な取り組みを進め、未来の組合員につながる協同を育んでいきます。

(2)ビジョンを実現するためのプログラム掲げたビジョンを実現していくために、どのように行動していけば良いかを示す具体的な方向性を4つのプログラムとして設定します。

プログラム1 誰もが利用しやすい食を中心とした事業

プログラム2 “組合員のくらし”と“地域”のニーズを協同の力で実現

プログラム3 連帯の推進

プログラム4 “人に優しく”、“誇りが持てる”組織

Page 7: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

7

… …「食」は、“生きること”と“人と人とのつながり”の基盤となる営みです。「日本を、食卓から元気にしたい。」を社会に発信し、食の「安全・安心」をさらに高め、笑顔あふれる食卓を応援します。……「食」は、誰もが日常の中で欠かすことのできない営みであり、生協の土台をなす事業です。社会の変化、くらしの変化に対応し、急激に増加する高齢者への対応や子育て層への支援を進めていきます。楽しく健康的な食生活の支援、社会的価値とおいしさ、低価格、品質情報、産直情報、生産者交流など、「食」の提供に関することだけでなく、“たべる、たいせつ(食育)”など「食文化」の担い手をめざします。……「食を中心とした事業」を根幹に、宅配事業・店舗事業は“食を中心とした供給事業”を軸として社会的課題を事業の中で解決しくらしを支え、福祉事業は“介護を中心とした高齢者の安心事業”として、保障事業は“共済を中心とした安心・助け合い事業”として、サービス事業は“くらしを支える事業”として、生涯にわたって組合員のくらしに貢献します。

組合員のくらしのニーズに応える商品

食を中心とした組合員のくらしのニーズに応える商品の取り組みは、「安心」を土台として「おいしさ」「便利さ」「価格」を重視するとともに、世代・世帯構成・ライフスタイル・地域性に対応した商品構成と品揃えを進めます。商品の安全性を確保し、安心して利用していただくため、最新の科学的知見を取り入れた情報と

分析機器の充実、リスクコミュニケーション※5など、品質保証に関わる機能を日本生協連と連携し継続的に強化します。組合員・職員が商品知識・食品の安全と安心に関する情報を「観て・聴いて・体験」でき、食に関する専門的な検査・研究ができる機関として新センターを設置します。商品は、「CO・OP…商品」、「産直商品」、「NB商品」の3分野で捉え、宅配・店舗事業ともに組合員のく

私たちは、“食を中心とした事業”を幹として、くらしを支える事業の枝をのばし、組合員一人ひとりの“現在と未来のくらし”に、生涯にわたって貢献します。

誰もが利用しやすい食を中心とした事業

高齢者・子育て層のニーズにも対応

くらしの要望・課題を解決

を中心とした事業

【事業の概要図】

食を中心とした供給事業

食を中心とした供給事業

介護を中心とした高齢者の安心事業

共済を中心とした安心・助け合い事業

くらしを支える事業サービス事業

保障事業

福祉事業

店舗事業

宅配事業

プログラム1

Page 8: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

8

らしを支え、競争に負けない商品開発と調達を、社会一般の動向と組合員の声(意見・要望)や利用状況をもとに進めます。日本生協連の連帯の力を結集した「CO・OP…商品」と、事業の特性を活かした独自の開発商品等で時代をリードする商品開発を進め、生産や流通構造を改革し、シェア率を高めます。また、産直品や惣菜などの商品開発で組合員ニーズに応えていきます。組合員の視点と経済合理性の双方を常に意識して取り組みます。産地と組合員をつなぐ産直商品は、新しいブランドの開発力を高め、農業の持続可能な発展を視野に入れ、開発・運用・生産地との関わりを統合して進めます。高齢者層・子育て層が買いやすい価格を、商品開発の力だけでなく事業のコスト構造改革の中で実現します。

おいしさと安心を、ほしいときにお届け

現在のコープデリ宅配事業の事業モデル※6を宅配事業を支える基盤として位置づけ、絶えず更新することにより維持・発展させます。くらしの変化にあわせ商品と媒体の見直しを継続して進めます。さらに、積極的に新しい宅配の事業モデルの開発にチャレンジします。くらしのニーズに対応して、宅配サービスの複線化に取り組み、“宅配で「食のNo1」”モデルを構築します。宅配サービスのさまざまな事業は、それぞれを事業として確立させ、仮説・検証・改善のサイクルで常に見直し、各事業を切り離さず宅配事業として総合的な事業モデルの中で発展させていきます。

■コープデリ宅配のめざす事業目標おいしさと安心を、ほしいときにお届け。

   おいしさ  商品の品質、味、そしておいしさにあふれる食品で食卓を笑顔にします。   安 心   …商品の「安全・安心」、そしてくらしの安心(見守り協定、認知症サポーターなど)

で、広く地域の中で役割を果たしていきます。   ほしいときにお届け …週1回の配達だけでなく、毎日配達・お取り寄せ(特別注文)や産地直

送・記念日などの個人への贈り物など、ライフスタイルにあわせてほしい時にお届けします。

現在の週1回配達方式は、定期的にお届けし、地域担当の職員が組合員とコミュニケーションするなど…“強み”が発揮できる生協ならではの事業です。「特徴ある商品開発」「個配手数料の段階的減額」「コミュニケーションスタイル」などの分野で進化させ、宅配事業の核基盤として成長させます。“ほしい商品を、ほしい時にお届けする”スタイルに対応する事業の革新を進めます。夕食宅配など

の現状の仕組みにとどまらず、物流・システム・宅配センターの全面的な再編・整備や業務の見直しと、それらを実現するための集中的な投資を進めていきます。ITの進展を取り込み、宅配事業の事業モデルにふさわしい基盤づくりと、インターネット活用で

より便利で利用しやすい売り場と仕組みを充実させていきます。

おいしさと安心を、うれしい価格で

組合員のくらしのニーズに沿った生協の店舗として、SM店舗(スーパーマーケット)モデルを常に見直しながら多店舗展開できるモデルを確立し、積極的に店舗改装と新規出店を進めます。ミニ

Page 9: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

9

コープも可能な限り、改装を進めます。都心部に出店可能な小型SM店の事業開発を進めます。また、損益改善の見通しのたたない赤字店舗の営業終了の判断も継続的に実施します。店舗に関わる全職員が、店舗のめざす事業目標のもとで、ひとつになって進めていきます。

■店舗のめざす事業目標おいしさと安心を、うれしい価格で。

   おいしさと安心  …商品の品質、味、そしておいしさにあふれる食品で食卓を笑顔にします。「旬」や「鮮度」、「できたて」にもこだわります。あいさつや清掃・清潔が行き届き、「毎日行きたくなるお店」をめざします。

   うれしい価格で  …「おいしさ」、「安心」な商品を毎日買える価格・利用しやすい価格で品揃えします。旬やこだわりの商品は、味や品質に対して安さが実感できる価格をめざします。

店舗事業の損益改善を進め、事業として自立できるようにしていきます。業務のスタンダード(標準)を常に見直し、本部起案力、商品調達力、現場販売力をつけるプログラムの改善と人材の育成を同時並行で進めます。“おいしさ”を前面に、品質の良さをアピールし、価値訴求とあわせて“価格の安さ”にもこだわりま

す。即食・簡便食品は、カミサリー(惣菜等の製造加工)の設置を検討し、品質が高く、おいしく使いやすい商品開発を進めていきます。売り場でのオペレーション改革など、ローコスト構造となる業務改革を進めます。店舗では、事業を超えた便利なサービス機能を担います。ネットスーパーや移動店舗など、さらに

検討します。

介護を中心とした高齢者の安心事業

福祉事業は介護を中心とした高齢者の安心事業として位置づけ、地域社会へ主体的に関わるスタンスを持ち、“安心してくらせるまちづくり”の実現をめざします。介護のあるくらしを“在宅(支援)で、住まいで”を事業の核として、“おたがいさまの心”でさまざまなサービスを実現します。特に、介護事業をさらに拡大し地域のニーズに応えていきます。高齢者のくらしに、さまざまな事業で関わりを強め貢献すると同時に、組合員活動でのつながりや多彩な企画を通して、サポートしていきます。

共済を中心とした安心・助け合いの保障事業

保障事業は共済を中心とした安心・助け合い事業と位置づけ、生命・医療保障分野で、組合員とその家族から一番に選ばれる存在になります。共済事業だけでは賄えない分野についても保険商品の提供を含め、くらしの保障ニーズに対応することで、地域から頼りになる存在をめざします。

くらしを支えるサービス事業

サービス事業は、チケット提供、ホームサービス(ハウスクリーニングなど)、住宅(リフォーム・新築住宅)および葬祭など、くらしを支える事業として位置づけ、くらしの変化やニーズに応えるため事業の強化・再編を進めていきます。

Page 10: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

10

地域社会の中でくらしの要望・課題を解決

生協は、人と人とが助け合って創る協同と非営利の組織です。成り立ちそのものが社会的な使命を持ち、社会的な価値と組織の価値が互いに同調しやすい組織です。生協の存在価値(事業と活動のインフラ)を活かし、社会問題の解決と生協の事業の発展、競争力向上を両立させ、地域社会と生協の両方に価値を生み出す取り組み(地域社会で協同しての共通の価値づくり)を進めていきます。“くらしの「安全・安心」”や…“地産地消・自給力向上”、“高齢者・障がい者への生活支援”、…“アレルギーへの対応”、“買い物が困難な地域への支援”、“生産者との連携”、“エコの取り組み”など、地域コミュニティ共通のくらしの課題の解決に、「食」の事業をはじめ、生協の事業を通して貢献し、地域社会の発展につなげていきます。そのことが、事業経営の発展にもつながっていきます。同じ地域社会(1都7県)の一員として、地域社会と協同してくらしの課題を解決(価値の創造)していきます。組合員は、地域社会の構成員です。組合員が全世帯の半数を超えることをめざすことで、地域では身近で確かな存在となっていきます。くらしの課題を解決するため、3つのポイントを定め取り組んでいきます。1)…地域社会から生まれたくらしの要望・課題を、事業の広がりと取り組みの進展の中で解決することを第一義として位置づけ、活動との連携を通し豊かにします。

2)…地域(1都7県)の行政や団体、人々と協同して地域コミュニティの充実をめざします。3)…さらに、地域から都県、日本、国際的な協同と連帯に視野を広げ、協同を深化させます。

くらしの安心や環境問題などの取り組み

生協は、安心してくらせる地域社会をめざして、行政や他の団体、人々と協同して地域のネットワークに積極的に参加します。事業・活動のインフラを活かし、地域見守り活動や行政との災害協定の締結、くらし助け合い・おたがいさまの活動の推進、介護ネットワークへの参加など、くらし安心の地域のネットワークに主体的に参加します。災害時には事業継続に全力を挙げるとともに、必要な生活物資を被災地に確実

私たちは、事業と活動を通して組合員のくらしと地域のニーズを行政・諸団体と協同し、実現していきます。

“組合員のくらし”と“地域”のニーズを協同の力で実現

プログラム2

Page 11: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

11

に提供します。各組織どうしの相互理解を深めながら、関係性を強め、地域のセーフティネットの構築に貢献します。CO2削減や再生可能エネルギーの普及などの地球環境問題について、コープネットグループおよ

び各地域で具体的な施策を推進します。また、消費者力の向上などについて学習の機会を広げていきます。こうした活動を通して、組合員・組合員リーダーは、組合員のくらしや地域における活躍のスキルがアップします。また国際的な視野を持ち、飢餓や戦争・紛争などがない、誰もが安心してくらせる平和な社会づくりに貢献するために、国際貢献・国際交流を進めます。

地域社会づくりと参加とネットワークの取り組み

くらしと地域社会から生まれた要望・課題を、生活の場から事業・参加とネットワークの取り組みを通して解決することができるのが生協です。地域の人々がくらしの豊かさと安心を願い、くらしや地域をより良くしようとしてきた気持ちを大事に、食のことから健康や子育てなど、くらしに関するコミュニケーションを広げ、より良いくらしや社会を創っていくことが生協には期待されています。参加とネットワークの活動は、地域社会ニーズと組合員のくらしのニーズから出発し、地域社会づくりを常に意識しながら、「ネットワーク(つながり)づくり」と「コミュニケーション」を重ねることで参加を広げていきます。特に、組合員のくらしに役立つ「商品」について、多様な生活スタイルに共感しながら、組合員とのコミュニケーションを広げ、“たべる、たいせつ(食育)”の具体化や、事業への理解を図り、より良いくらしづくりを進めていきます。(商品コミュニケーション、リスクコミュニケーション、おしゃべり会など)地域コミュニティの一員として、さまざまな地域社会に関わる取り組みを通して地域の方や行政・NPO・企業との連携を強め、地域社会への参加を強めます。福祉・助け合い・消費者問題や環境・平和の取り組みなど、重点を決めて地域社会へ積極的に関わっていきます。組合員の関心が高く、地域から期待され、生協が積極的に参加することにより地域社会に大きな貢献ができるテーマについて、重点を決めて組織の力を結集して取り組んでいきます。

Page 12: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

12

コープネットグループの連帯

コープネットグループの1都7県にある6生協は、それぞれの歴史や地域性を大切にしながら、組合員・消費者のくらしに貢献するため、組合員利用サービスの向上、事業革新の推進と経済合理性の推進、地域社会づくりへの参加の強化をめざし連帯を育んできました。コープネットの事業本部機能と会員生協の機関・参加とネットワークの連携を強め、コープネット事業連合と会員生協の連帯をさらに推進していきます。改正生協法のもとコープみらいが誕生し、コープネットとの一体運営を進めています。コープみらいとコープネットの一体運営は、事業革新とコスト構造改革が促進され、事業と活動の連携が強まり、地域社会づくりと社会性の発揮が進み、迅速な意思決定が進んでいくことをめざしています。コープネットグループの6生協が、コープネットとコープみらいの一体運営の成果を踏まえ、連帯をさらに推進していきます。

都県および全国、世界の協同組合との連帯

グループ都県内の他生協との連帯は、各都県生協連の場を活かしながら強めていきます。関東・信越一円をひとつの生活圏として、積極的に連帯を進めていきます。日本生協連との商品の共同開発、品質管理、物流などの全国基盤を活用し、日本生協連・コープ共済連の全国連帯の中で積極的な役割を果たします。各連合会との連帯は組合員にとってのメリットを大切にして進めていきます。……「日本の生協の2020年ビジョン」の実現のため、積極的に参画し、全国の組合員と協同・連帯を強めていきます。各都県生協連は、行政との窓口や地域での生協間連帯を進める場として、積極的に位置づけ、参加していきます。協同組合の基本的価値とその活動を内外にアピールし、国際的な協同組合運動に貢献するなど、協同組合の発展に寄与していきます。

私たちは、コープネットグループ、都県および全国の生協との連帯をさらに推進していきます。

連帯の推進

プログラム3

Page 13: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

13

事業のイノベーション(革新)を起こし続ける経営組織

事業のイノベーション(革新)は、「組合員・消費者のくらし」の変化と事業にギャップができた時、特に必要になります。生協そのものを進化・イノベーションし続けられる事業経営組織をめざします。

<組合員参加と声>1)…生協の強みである「組合員の参加」があらゆる場面で存在し、「組合員の声」が経営組織の中で循環し続けていることをめざします。組合員の声を編集し、事業・活動に活かす組織をめざします。

<経営組織と職員の挑戦>1)…経営組織は「理念・ビジョン」を持ち、「中期計画」「単年度計画」のPDCAのサイクル※7を実践し、組合員ニーズの変化を常に自らに反映させていきます。

2)…職員が地域とくらしのニーズから提案・挑戦できる仕組みを創ります。

経営組織として事業を発展させるためにも、コストを常に意識した組織運営・風土を創り、本部構造のスリム化など現状の高コスト構造からの脱却を進めます。

民主性・公開性・透明性を確保し、健全な運営

私たちは、正直で正確な情報開示を通し、事業経営の透明性を確保します。また、積極的な広報活動を進め、組合員をはじめとするさまざまなステークホルダー※8との信頼関係を強めます。業務執行(マネジメント)に対する監視・監督・評価(ガバナンス※9)が、より有効に機能する制度を追求し、確立します。

私たちは、常に組合員の願いに応え、“人に優しく”、“誇りが持てる”組織づくりをめざします。

“人に優しく”、“誇りが持てる”組織

プログラム4

Page 14: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

14

職員満足度が高まり、職員が誇りを持てる職場風土

生協は、使命(ミッション)で動く組織です。理念を使命とし、ビジョンを方針として、400万人の組合員と働く職員が、理念・ビジョンを理解し共有できている状態をめざします。仕事の意味と意義について職員2万人が理念とビジョンから常に自分の言葉で語れる状況になっています。「働く価値観(なぜ、働くのか・この組織なのか・この仕事なのか)」の第一として、「組合員のくらしと未来のために、組合員の立場に立って」を高く掲げます。仕事を通して自己実現を果たせるよう、働くことの意義を深めていきます。働く価値観は、基本的な柱を定め、事業(宅配事業、店舗事業、福祉事業、保障事業、本部など)や部署の特性(各事業のコンセプト、業務内容など)とあわせシンプルに設定します。さらに、「使命」・「働く価値観」から「職員のなっていたい姿(職員像)」を、簡明にストーリー(エピソード)を持って自分の言葉で語り、その意味づけを日々の仕事の中と定例的な事例発表・検討の場で磨きをかけていきます。職員は、「人を大切」にすることを規範とし、一人ひとりの行動そのものが、理念「CO・OP…ともに…はぐくむ…くらしと未来」の実現につながること、生協人である前に市民・社会人であるべきことを自覚し、行動指針を定め、組合員のくらしと未来のために、組合員の立場に立って行動します。そして、職員のキャリアプログラム※10を作成し常に活用して、専門職としての知識・技能やマネジャーとして定型化されたスキルなどを高度化し、専門能力を高めるとともに、人材育成のプログラムを常に更新していきます。人材育成は、コープネットグループ全体で進めていきます。これらのことをバックアップする機能と仕組みを整備していきます。

次世代・若手の人材育成と、女性の登用

雇用および就労制度の運用を見直し、宅配・店舗・福祉などの事業にあわせた制度を確立していきます。男女共同参画の高い目標を設定します。女性比率を高め子育てしながら仕事ができ、介護しながら仕事ができる環境を創ることで全職員が働きやすい職場をめざし、先進的な企業の列に加わっていきます。若手職員の登用やベテラン職員の能力発揮など、人事機能・人材活用の仕組みを確立し、戦略部門への人材配置・育成などのプログラムを進めます。

Page 15: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

15

【資 料】用 語 解 説

( 1 )組合員リーダー地域の参加とネットワーク活動を推進するため、自主的活動をコーディネート・サポートする組合員を

総称しました。(各生協では、ブロック委員、エリア委員、ブロックスタッフ)

( 2 )ICAの2020ビジョン(2020 Vision:協同組合の10年に向けたブループリント)国際協同組合年に関連した諸活動の成果を基礎に、ICA(国際協同組合同盟)によってつくられた、

2011年から2020年までの10年間の協同組合発展のための指針です。ICAとは、スイス・ジュネーブに本部を置く世界の協同組合の連合組織で、世界最大のNGOです。

( 3 )日本の生協の2020年ビジョン2011年に策定(日本生協連 第61回通常総会)された、10年後の日本の生協のありたい姿を描いたもの

です。「私たちは、人と人とがつながり、笑顔があふれ、信頼が広がる新しい社会の実現をめざします。」を掲げ、安心・信頼を育む協同社会の実現のために、協同組合の価値を広げることをめざしています。

( 4 )使命(ミッション)社会などから与えられた重大な務めや、責任を持って果たさなければならない任務のことです。使命

は、到達すべき目標や、目標に進んでいく行動、それらが社会などから求められていることなどの要素で構成されています。

( 5 )リスクコミュニケーション提供する全ての商品の安全性確保については、リスク分析の考え方を基本に進めます。リスク分析は、

「リスク評価」、「リスク管理」、「リスクコミュニケーション」の3つで構成されています。リスクコミュニケーションは、健康に影響を及ぼす食品に関する情報や意見について、国や生産者、製造者、消費者などが、それぞれの立場で話し合います。生協は、積極的に食品の安全に関する組合員とのコミュニケーションを進めています。

( 6 )事業モデル顧客に対して魅力的な製品・サービスを提供するため、事業に必要な資源と収益方法やコスト構造を含

めた業務プロセスを構造的に組み立てた一つの事業形態です。

( 7 )PDCAのサイクル事業活動において、業務を効率よく進める手法の一つです。Plan(仮説を立てて計画)→ Do(実行)

→ Check(評価・点検)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善します。

( 8 )ステークホルダー企業がさまざまな事業を遂行する上で、直接・間接的な利害関係を有する人・団体を指します。生協は

「組合員・消費者」「職員」「取引先」「地域社会」「未来社会」を特に重要なステークホルダーととらえ、コミュニケーションを大切にします。

( 9 )ガバナンス一般的には「企業統治」という意味で、事業が誰のために行われているのかを明らかにし、経営の効率

性や公正さをチェックする仕組みのことです。生協では、組合員の参加や外部の有識者の関与によって公正で透明な組織運営を行うことを指しています。生協事業の健全化・活発化を推進し、生協に寄せられている社会的な信頼に応えていく活動も含んでいます。

(10)キャリアプログラム職員一人ひとりのキャリア(長期の職歴)形成を、支援していくための仕組みです。数年先から10数年

先のキャリア目標を定め、達成するために必要な能力や経験を計画的に積み重ねていきます。個人の希望や適性を考慮しながら、育成的な人事異動やOJT、教育研修、生協外での自己啓発も含めた多様な実践と組みあわせて、総合的に能力・職務開発を進めていきます。

Page 16: 理念・ビジョン 2025...合同盟)の『2020ビジョン(2020…Vision:協同組合の10年に向けたブループリント※2)』と『日本 の生協の2020年ビジョン※3』の方向性を受け止め作成しました。

ビジョン・中期計画策定委員会

委員長 小方  泰(コープネット・コープみらい専務理事<機関運営・組織>)委 員 赤松  光(コープネット理事長、コープみらい理事) 土屋 敏夫(コープネット・コープみらい専務理事<統括>) 熊﨑  伸(     同     常務理事<管理>) 中村 憲治(     同     常務理事<保障・福祉>) 鶴長 義二(コープネット常任理事、いばらきコープ専務理事) 福田 雅彦(    同    、とちぎコープ専務理事) 中村 隆夫(    同    、コープぐんま専務理事) 太田 栄一(    同    、コープながの専務理事) 長谷川 聡(    同    、コープにいがた専務理事)

※< >内は「管掌」です。