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1
トヨタ自動車株式会社 パワーエレクトロニクス開発部
戸田 敬二
NEDO FORUM 2015.2.13
日米パワエレプロジェクト比較
~FUPET応用技術調査委員会活動より~
2 本日の内容
1.FUPET応用技術調査委員会紹介
2.米国のパワエレプロジェクト調査
3.新材料パワー半導体プロジェクト出口
4.自動車へのSiC実用化の進展
5.まとめ
3 1-1. 応用技術調査委員会の役割
新規ニーズの掘り起こし 10年度:スマートグリッド
11/12年度:再生可能エネルギ 13/14年度:海外プロジェクト
4 1-2. SiC結晶の品質向上
全転位密度:EPD (個/cm2)
0
200
400
600
800
1000
1200
100 1000
貫通らせん転位密度
:TSDD(個/cm
2)
1400
10000010000
2013年12月開発品☆150mm口径基板☆TSDD~600/cm2
EPD~2000―3000/cm2
米国II-VI社2013 EPD 4900/cm2
米国CREE社2013 TSDD 830/cm2
最終目標2014年度末
中間目標2012年度末
プロジェクト開始時市販100mm口径基板TSDD~1000/cm
2
EPD~10000/cm2
米国Dow Corning社2014 TSDD 200/cm2以下
2010年時点
2015年見通し
出典:FUPET応用技術調査委員会
調査結果より
5 1-3. SiCエピの品質向上
6インチエピの膜質でも
4インチに近い品質になった
出典:FUPET応用技術調査委員会調査結果より
6 1-4. SiCデバイスの性能向上
出典:FUPET応用技術調査委員会調査結果より
7 本日の内容
1.FUPET応用技術調査委員会紹介
2.米国のパワエレプロジェクト調査
3.新材料パワー半導体プロジェクト出口
4.自動車へのSiC実用化の進展
5.まとめ
8 2-1. 日米欧パワエレプロジェクトの比較
プロジェクト名
SIPパワエレ NGPEMII Power AMERICA
NY-PEMC SPEED
規模 22億円/年
5年間
$70M(DOE)
+$70M(企業)
$135M(NY州)
+$365M(企業)
12.3Mユーロ
(4年間)
期間 2014.9~
2019.3
2014.1~
2018.12
2014.7~
5年間
2014.1~
2017.12
出資 内閣府
NEDO
DOE(国)
AMO
NY州 EU
FP7
主要
メンバー
SiC
・産総研
・早稲田大学
GaN
・京都大学
・三菱化学
・住友電工
・富士電機
・他
SiC
・Cree
・X-Fab
・NCSU
GaN
・RFMD
・Avogy
・Transphom
・他
SiC
・GE
・SUNY
GaN
・IBM
・Global
Foundries
・他
SiC
・INAEL
・ABB
・BREMEN大
・NORSTEL
・Infineon
・Fraunhofer研
・他
9 2-2. DOE新プロジェクト NGPEMII
官民連携により、
Wide Bandgap半導体を中心とした
1.パワエレ技術の市場導入を加速
2.国内の製造業の競争力を強化
・目標は、WBG半導体デバイスとパワエレ部品の大量生産を可能とする、
先進的な製造プロセスを開発する事
・この組織は、2012年3月に提案された、
National Netwark for Manufacturing Innovationの一部
・ノースカロライナ州立大学(NCSU)が率いるこのチームは、
AMOでの競争的過程を経て選定された。
→契約に10か月かかり、11月末にやっと契約締結
10
NCSU Device
Center
Design
Analysis
Test
Application
R&D
Universities
NCSU
CPES
UCSB
ASU
FSU
Device Fabrications *1
SiC
Main Foundry
(X-Fab)
Cree
United SiC,
Monolysic
GaN
Main Foundry
(RFMD)
Avogy
Transphorm
Module Foundry
APEI
Users
ABB
Delphi
Delta Products
Vacon
John Deere
Toshiba International
etc.
National Labs
NREL
US NRL
*1 Cree, United SiC, Avogy ,Transphormなどもデバイスを供給
ユーザー
2-3. NGPEMIIプロジェクトフレームワーク
大学、国立研究所 デバイス、モジュール
大学を設計・評価の拠点としてSiC/GaN製品の裾野を拡げるための環境整備
Power AMERICAと呼ぶことになった
11 2-4. テクニカルレディネスレベル(TRL)
Power AMERICAでは、TRL4~7にフォーカスして研究開発を推進
TRL1: 基本原理の観察と報告
TRL2: テクノロジーコンセプトやアプリケーションの明確化
TRL3: クリティカル機能や特性の分析的および実験的コンセプト証明
TRL4: 部品やブレッドボードの実験室環境での実証
TRL5: 部品やブレッドボードの相当環境での実証
TRL6: システムモデルや試作品の相当環境でのデモンストレーション
TRL7: システム試作品の実運用環境でのデモンストレーション
TRL8: 実システムの試験およびデモンストレーション
TRL9: 実システムのミッション成功を通じた実証
Ta
rge
t A
ria
12 2-5. Power AMERICA : ヒアリング結果
ターゲットを絞り込んだため、実用化研究のみにテーマが集約された
1.TRL4~7を対象とし、米国内での製造を目的とする非常にフォーカスしたプロジェクト
→ 大学では、TRL1~3に取り組みたいので、あまりうれしくない。
2.SiCが70%、GaNが30%位であり、結果的にSiCのテーマが多くなった。
3.GaN on Siは、米国内の生産は海外との競争に勝てない。
→ 安いFab.から買えば良いので、米国内での生産にこだわらない?
4.バルクGaNは、TRL4に達しないので対象外
5.CPESは、インバイトされたがNCSUが中心でSUNY-GE連合に競り勝った。
→ CPESは、結果的に契約しなかった模様
6.モジュールは、APEIが中心になって契約
→ 契約に10か月かかり、11月末にやっと契約が結ばれた。
マネージメントは、NCSUにあるが、FREEDMとは別の小さな組織
13 2-6. NY-PEMC:プロジェクト概要
*2014年7月15日、A. M. Cuomo州知事が発表 *New York州が$135M出資し、民間の資金を$365M集め、 $500Mのコンソーシアムを立ち上げ。
・GEが中心となり、ニューヨーク州立大学(SUNY)など、Albanyを 中心に、プロジェクトを推進。
・100社以上の企業が集まり、今後5年間で首都エリアで500人以上 の高能力者の新規雇用を生み出す。
・6インチの低コスト・高性能SiCウェーハを開発・製造し、コンソーシ アムのメンバーがこれを使った製品化を行う。
・GaNは、SEMATECHとIBMが中心となり、ロチェスターで実施。 (SiCとGaNを並行して研究開発する模様)
14 2-7. NY-PEMC:Anticipated SiC Timeline
GEのプロセスを導入することで2年間で立ち上げる意欲的計画
出典:SUNY資料より
15 2-8. NY-PEMC:ヒアリング結果
1.SUNYが3~5万枚/年の6インチSiCのラインを300mmラインの跡地に 8000ft2を使って、16年末までに立ち上げ → EUVステッパー1台(~100億円)より、安い投資 2.GEがプロセスエンジニア15名を投入して、MOSプロセス立上げ → GEのSiC-MOS需要は、多くても1万枚/年程度 3.ダイオードやその他のデバイスの立上げは、他企業が参画して立ち上げる ことを期待 → レシピなどの機密は、SUNYが責任を持って守る 基本のプロセスは、GEが提供したもの(第1世代のプロセス)を使える 4.出来たデバイスの製品としての品質(プロセス品質)はSUNYが保証
6インチでのSiCデバイス製造がメインでGE以外の参加がないと苦しい
16 2-9. SPEEDプロジェクト:コンソーシアムメンバー
8か国で分散して
研究開発を実施
開発された技術の
普及や実用化支援は
FraunhoferのIISBが担当
出典:SPEEDホームページより
17 本日の内容
1.FUPET応用技術調査委員会紹介
2.米国のパワエレプロジェクト調査
3.新材料パワー半導体プロジェクト出口
4.自動車へのSiC実用化の進展
5.まとめ
18 3-1. 鉄道車両でのSiC普及 2014年
出典:東芝
4月 :三菱 「フルSiC適用VVVFインバータ装置」
を世界で初めて小田急が採用
(2014年4月から1000形リニューアル)
7月:JR東日本 山手線の新型車両「E235系」
がSiCパワー半導体を採用へ
(2015年3月以降試験走行、
2015年秋頃から営業運転)
9月 :東芝 SiCダイオードを採用した駆動システムを東京メトロ銀座線に納入
SiCパワー半導体を搭載する新型車両「E235系」 出典:JR東日本
全閉PMSM(左)とSiCダイオード採用のVVVFインバーター装置(右)
出典:三菱電機
19 3-2. 自動車でのSiC実証評価
1.実験車: ベース車両 カムリ
・変更点:インバータ(外観は同じ)
Si-IGBT → SiC-MOSFET
Si-diode → SiC-JBS diode
・省エネディスプレイ
(機能追加)
Siでの消費エネルギ
マップと現在の消費
エネルギを比較表示
新材料プロジェクトのデモンストレーションとして試作し、公道走行評価実施
20 本日の内容
1.FUPET応用技術調査委員会紹介
2.米国のパワエレプロジェクト調査
3.新材料パワー半導体プロジェクト
4.自動車へのSiC実用化の進展
5.まとめ
21 4-1. 自動車でのSiC普及
・5%の燃費向上を確認。将来は10%の燃費向上を目指す
・インバータのサイズを現行の5分の1に小型化する
・1年以内に公道実験を開始し、2020年頃に普及を目指す
Test vehicle
SiC transistor
SiC diode *Under JC08
test cycle
トヨタ自動車SiCプレスリリース(2014.5.20)
22 4-2. FCバス概要
SiCダイオード パワーモジュール FC昇圧
コンバータ
FCスタック (燃料電池)
FCスタック 2セット
・昇圧コンバータにSiCダイオードを搭載 ・豊田市の路線バスとして1月9日より営業運行中
23 本日の内容
1.FUPET応用技術調査委員会紹介
2.米国のパワエレプロジェクト調査
3.新材料パワー半導体プロジェクト成果
4.自動車へのSiC実用化の進展
5.まとめ
24 5. まとめ
米国のプロジェクトの良いところ ・大きなビジョンが描けている
・デモンストレーションがしっかりしている
・研究マネージメントがしっかりしている
・ベンチャービジネスを活用している
・国のプロジェクトだけでなく、州のプロジェクトも充実
・国の研究所にも競争原理が働いている
・実用化研究にしっかり取り組んでいる
・大学での人材育成が充実している
日本のプロジェクトの良いところ ・基礎研究にしっかり資金を出している
→ SiCは、スパイラルアップで長期間取り組み
・日本の企業の強い部分が活かせている
隣の芝生は
青い