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町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~ 報 告 書 平成29年2月 社会福祉法人 東村山市社会福祉協議会

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町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~

報 告 書

平成29年2月

社会福祉法人 東村山市社会福祉協議会

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はじめに

このプロジェクトは、市民の皆様からの善意による募金を、東村山市の生活課題の解決

や地域活性化への取り組みに活用し、誰もが安心して暮らせるまちづくりのためのしくみ

を検討することを目的に、平成28年2月に設置いたしました。

自治会長、福祉協力員、社協理事、行政、オブザーバーとして久津摩和弘氏(日本地域

福祉ファンドレイジングネットワーク 代表理事)を委員に迎え、7回の会議を開催。様々

な目線からのご意見を頂き、これからの東村山市社会福祉協議会(以下、「社協」)の取り

組みの方向をまとめることができました。

今後、この内容の実現に向けて、社協全体で活動を進めていきたいと考えております。

1.立ち上げの背景

社協では、地域の中の様々な福祉課題を受け止め、住民や関係団体と協働しながら解決

に向けた支援や事業に取り組んでいます。

しかしながら、福祉課題が多様化している現代社会の中では、公的な制度やサービスだ

けでは解決できない問題も浮き彫りとなっており、それらに対する新たな地域福祉活動が

求められています。

社協では、制度やサービスの狭間の問題を解決するために、会費や寄付金、募金といっ

た自主財源を原資にして独自事業に取り組んでいますが、残念ながら、これらの大切な自

主財源は、近年いずれも減少傾向をたどっています。

このような状況の中、平成26年度の「組織・財政検討委員会」において、社協会長か

らの諮問を受け、『自主財源の取り組みついて』という答申をまとめました。

答申の中で、募金運動について、「様々な立場からからの意見を聴く場を作り、議論する

ことが必要」と、改善に向けた具体的な取り組みが示されていたことを受け、地域住民を

交えた会議体を立ち上げることにしました。

会議を立ち上げるにあたって何を目標に、どのような内容を検討するのか等、話し合い

を重ねる過程において、大きな影響を受けたものが、都内社協職員連絡会が企画した久津

摩氏の「ファンドレイジング」の講演内容です。

講演のおおまかな主旨は、

〇「活動資金(募金や寄付を指す)を得ることの最大の目的は社会課題の解決であること。

つまり、活動資金によって課題が解決できるということ」を積極的に『見える化』して

市民に伝えていくことが重要

〇市民はやりがいのある社会貢献活動をしたいと思っている。だからこそ「共感」しても

らい、「地域課題の解決策を理解」してもらうことが必要

〇募金・寄付した人はその行為を忘れない。だからこそ「感謝」を複数回示すことが重要

というものです。

この内容は、募金や寄付に対する、これまでの社協職員の意識やとらえ方を大きく転換

するきっかけとなりました。

単に募金の集め方や方法論に特化して考えるのではなく、「市民一人ひとりが、“自分た

ちのために”、“地域のために”募金が活用されていると実感できるようなしくみを検討し、

地域住民の募金運動への理解を深めること」、「地域の実情に即した生活課題に向き合い、

新たな取り組みを創出すること」の2点を会議の目標に置くこととし、「町をよくするしく

みプロジェクト~募金のあり方検討委員会~」(以下、「町プロ」)を立ち上げました。

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2.募金運動の現状と課題

①社協が実施している募金運動

社協では、一円貨募金(7月)、赤い羽根共同募金(10月)、歳末たすけあい運動(12

月)の3つの募金運動を行っています。

一円貨募金 【使途】①移送サービス事業(対象:車いす利用者)

②ふれあい事業(対象:ひとり暮らしの高齢者)

赤い羽根共同募金 【使途】福祉施設等を利用する方の生活向上のための事業や

施設備品の購入など

お寄せいただいた募金は、一旦、東京都共同募金会へ納付後、市内の福祉施設等へ配分されます

歳末たすけあい運動 【使途】地域福祉を推進するための市民の活動

お寄せいただいた募金は、一旦、東京都共同募金会へ納付後、事務費を除く募金全てが地域福祉活動

費として配分され、市内のボランティア団体等の活動に役立てられます

一円貨募金

推進委員会

7月 1日~31日

募金運動

募金の全額を東村山市社協が行う

独自事業へ

東京都共同募金会

A市

B市

東村山地区協力会

10月 1日~31日

募金運動

東京都共同募金会

各地区の募金総額の上限

65%を配分。

その後、地区内の福祉施設

の事業等に配分。

残りの 35%は

・翌年度の事務費

・全都配分(30万円超の

備品設備購入等)

・災害時の積立 等

A市

東村山地区協力会

B市

各地区内の福祉施設等へ

主催;

東京都共同募金会

実施;

東村山市社協

12月 1日~31日

募金運動

東京都共同募金会

翌年度の東村山市における

地域福祉活動費へ ・ボランティア活動の推進

・助成事業

・いっぷく運営費用

・地域福祉活動計画の推進 等

当該年度の事務費

(東村山市社協は 4%)

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②募金の実施方法と募金総額の推移

募金の実施方法は、①自治会・町会等の協力による各戸募金、②公共施設や福祉協力

店等への募金箱の設置、③街頭募金、④社協職員や行政職員への職域募金などによって

行っていますが、下図1のように、各戸募金が募金総額のほとんどを占めています。

また、募金総額については、下図2のような推移となっています。

【募金の実施方法】

【募金額の推移】

③募金運動における課題

図1のように、現在社協が行っている募金運動は、自治会や町会等の協力に依るとこ

ろが非常に大きいと言えます。

しかしながら、自治会・町会等への加入率の低下や、募金を依頼する側の社協が地域

住民に対して、募金の理解や協力に結び付くような働きかけ(募金の目的や使途、事業

実施による成果を直接お伝えしていくこと)が不十分なことなど、様々な要因が募金額

の減少につながっていることが考えられます。

また、自治会や町会等に加入していない方々に向けたアプローチという点で取り組み

が弱く、どのように働きかけていくのかが今後の大きな課題と言えます。

各戸募金

個人・匿名

公共施設募金箱

社協職員

行政職員

街頭募金

福祉協力店

預金利子

図1

12,820,305

図2

14,783,291

15,979,525 15,209,160

15,991,628

13,934,827 13,017,140

11,535,621 11,673,077

11,601,601

11,035,818

10,475,95

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3.東村山市社協独自募金(一円貨募金)を原資とする事業について

【移送サービス事業】

移送サービス事業は、ハンディキャブ(車いす用自動車)の運行を通じて、在宅で車

いす生活を送る障害者や高齢者の外出の利便を図り、社会参加を促進することを目的と

した、社協会員を対象とする事業です。

平成2年の事業開始当時、東村山市内では医療機関、高齢者、及び障害者施設、そし

てタクシー会社などの民間事業者において同様のサービスを実施しているところは殆ど

なく、今日に至るまでの26年間、車いすでの生活を送る住民の足となり、その生活を

支えてきました。運行件数は実に55,000件(片道を1件とカウント)を越えてい

ます。また、社協全体のPRにも貢献し、社協会員の増強に

つながりました。

事業費は、住民の皆様からの貴重なご寄付と東村山市から

の補助金によって賄われ、まさしく住民の皆様に支えられた

在宅福祉サービス事業となっています。

【ふれあい訪問事業】

ふれあい訪問事業は、ひとり暮らし高齢者などで見守りが必要な方に、乳酸菌飲料を

週に3回(月、水、金)手渡すことにより、安否確認を行う事業です。

今後、ひとり暮らし高齢者の更なる増加が予測される中で、ひとり暮らし高齢者が日

常的に抱える不安をいち早く受け止め、生活への安心感を支えるサービスとして、平成

4年に事業を立ち上げました。市内全域を対象エリアとし、現在、約200名の方々に

サービス提供をしています。

見守りの手段に乳酸菌飲料を用いることや、手続きも比較的簡易なことから、今では、

介護サービス利用等に抵抗のある方にも受け入れやすいサービスとなっています。高齢

者見守りサービスの先駆けとして、事業開始当初からご協力いただいている老人相談員

(民生委員・児童委員)の皆さまはもとより、地域包括支援センター

や居宅介護支援事業所のケアマネジャーからも利用の相談があり、

各種サービス事業者と連携を図りながら事業を進めています。

【ふれあい電話訪問事業】

ふれあい電話訪問事業は、週に 1 回、定期的にひとり暮らしの高齢者に電話訪問を行

い、会話を通じて、日頃感じている孤独感の緩和を図ることを目的とした事業です。

平成4年、ふれあい訪問事業と同時に開始された本事業は、あえて高齢者の相談事業

という位置づけにせず、高齢者が日頃感じていることをありのままに受け止める傾聴事

業としてすすめてきました。中でも近隣や地域社会との交流を好まず、サービスを利用

することにも消極的な、いわゆる閉じこもりがちな高齢者の生活を豊かにする効果が期

待されています。

現在、7名の電話訪問員が、毎週約30名の方々にお電話をして

います。電話訪問員は、日常的なコミュニケーションの中から個別

のニーズをすくい上げ、適切な支援機関へとつなぐ役割も果たして

います。

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4.地域住民へのアンケート

「募金運動にご協力くださる地域住民の皆さまの生の声を聞いて、今後の取り組みに生

かしてはどうか?」という、町プロ委員のアドバイスをいただき、今年度の一円貨募金で

初めてアンケート調査を実施しました。各町の回答数は図3のとおりです。

また、各町の自治会・町会等を通じて募金協力をお願いしている世帯数に対して、ご協

力いただいた世帯数は、図4の集計結果となりました。

■実施方法 募金封筒にアンケート用紙を同封・配布。様式は自由記述。

回収後、各町自治会・町会毎にとりまとめて集計。

■配 布 数 26,730枚

■回収数 744枚(回答率 2.8%)

【各町の回答数】

【募金を依頼している世帯数に対する協力世帯数】 ※募金を依頼している世帯数は、一円貨募金にご協力いただいた市内 108 自治会の世帯数をもとに算出

834

639

750

763

403

646

108

973

569

710

1,241

1,060

699

2,894

1,652

1,191

1,613

2,070

2,023

461

2,791

1,220

1,838

2,643

3,695

2,639

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000

野口町

諏訪町

多摩湖町

廻田町

美住町

富士見町

栄町

萩山町

恩多町

青葉町

秋津町

久米川町

本町

49

126

93

46

46

70

8

71

33

38

49

54

59

2

0 20 40 60 80 100 120 140

本町

久米川町

秋津町

青葉町

恩多町

萩山町

栄町

富士見町

美住町

廻田町

多摩湖町

諏訪町

野口町

不明

配布合計;26,730

回収合計; 9,395

協 力 率;35.1%

回答者総数;744

(※町名不明 2名を含む)

図3

図4

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地域住民の声から見えたこと

アンケートに寄せられたご意見を内容別に8つのカテゴリーに分類し、集計・分析を

行いました。分析結果は図5のとおりです。

「一円貨募金の主旨に賛同、継続してほしい」という声が一番多く、次いで、「~のよ

うな対象・事業に新たに取り組んでほしい」という具体的な意見が寄せられました。

また、一方で、「一円貨募金の名称を変更してほしい」や「廃止してほしい」、「寄付者

の思いや負担を知ってほしい」といった声もあり、今後の募金運動を行う上での貴重な

調査結果となりました。

なお、「~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい」という意見を更に細かく分

類したものが表1です。このデータが、本プロジェクトにおいて、今後の新たな取り組

みを考えていく上での大事な手がかりとなり、地域住民の要望を意識した検討を行うこ

とができました。

【募金運動に対する地域住民の声】

【新たな取り組みについての具体的な意見】

~のような対象・事業に取り組んでほしい 回答者数 具体的な内容

居場所づくりのための事業 6

高齢者のための事業

20 ・高齢者の生きがいづくりや健康づくり

・ひとり暮らし高齢者のための取り組み

・介護に関する取り組み

・家族を介護している方のための取り組み

子どものための事業

32 ・子どもを育む環境づくりのための取り組み

・子ども食堂に関する取り組み

・子育て中の親のための取り組み

・生活困窮家庭の子どものための取り組み

・母子家庭の親子のための取り組み

障害者のための事業 7

熊本地震災害の被災者支援 4

防犯・防災のための事業 3

空き家対策のための事業 2

生活困窮者のための事業 2

基金の積立に活かしてほしい 1

車いす購入のための費用 1

動物愛護のための事業 1

海外支援のための事業 1

290

80

117

74

31

15

24

113

0 100 200 300 400

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など) 図5

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5.「そうだ!社協に相談してみよう」と言われる社協を目指して

地域の生活課題の解決に取り組みます

◆新たな取り組みに向けて

町プロで新たな取り組みを検討する上で、地域住民へのアンケートの分析結果や、各

町の地域懇談会で寄せられた声、また、社協職員が日々の業務を通じて伺い知ることの

できる地域の生活課題などを社協全体で共有し、今後どのような取り組みが必要である

か検討しました。様々な意見を対象や内容別に整理・集約したものが下記の6つです。

①自治会を支援する取り組み

→ 自治会活動が継続・発展するための取り組み(人材育成等)

②ちょこっとお手伝い

→ どの世代の方々も利用できる、簡単なお手伝いサービス(ゴミ出しの手伝い等)

③居場所・拠点づくり

→ 子どもも、障害者も、高齢者も、地域住民誰もが利用・交流できる拠点づくり

④入院付添い・見守りサービス

→ 高齢者が安心して生活を送ることができるよう、定期的な見守りや入退院時の

支援を行う取り組み

⑤介護予防ファンドの立ち上げ

→ 住民主体の介護予防活動を行うための基金として積立

⑥フードバンク・制服リサイクル

→ 現金による支援ではなく、地域の企業や店舗と協働した現物による支援

これら6つの意見はどの一つをとってみても重要な意見です。しかし、どれだけ“自

分たちのために”、“地域のために”募金が活用されていると市民に実感してもらえるか

という、町プロの原点に立ち返り、

〇対象を限定しない全ての地域住民への還元性

〇募金が原資であることの妥当性

その他 10 (行政に対して)

・市内のバス路線増に関すること

・ベンチの設置に関すること

・公園の遊具等の設置に関すること

・街路樹等による日陰対策に関すること

・街灯の増設に関すること

(その他)

・外貨の活用に関すること

・福祉施設の職員の待遇改善に関すること 表1

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〇既存の制度やサービスで対応できない(または、取り組みが行き届いていない)、

言わば狭間の部分の生活課題であるかどうか

〇その取り組みが市民や地域に対して及ぼす影響や効果

という点に重きを置き、まず、ただちに取り組む必要があると思われる下記の2つにつ

いて、段階的に進めていくことにしました。

また、下記以外の項目についても絵に描いた餅にならないよう、事業化に向けて、関

係機関や地域の社会資源との情報交換、ネットワークづくりなどを行い、計画的に進め

ていきます。

新たな取り組みについて

【居場所・拠点づくり】

特定の方を対象とせず、多世代がいつでも利用できる居場所・拠点づくりのための取り

組みを進めます。

まず、地域のニーズや、既にどの位の拠点があるのか等の調査を行います。また、経費

の試算や事業対効果を勘案しながら、既存の居場所・拠点・スタッフを活用した新たな方

向性についても考えていきます。

【(仮称)お互いさまネットワーク】

アンケートの中でも多く寄せられていた、“次世代を担う子ども達を支援する取り組み”

の声を受け、生活困窮世帯の子どもの支援につながる取り組み(例えば、制服リサイクル

やフードバンクなど)を進めます。

フードバンクについては、13町の既存のサロン活動や、市内にいくつか立ち上がってい

る「子ども食堂」へのマッチングを行うことで、住民同士の交流の場づくりを拡充・推進

するなど、拡がりのある支援を行っていきます。

◆既存事業の見直し、新たな方向性に向けて

東村山市社協独自募金(一円貨募金)を原資とする取り組みの現状は、前述(P.4)の

とおりです。しかしながら、この既存事業についても、事業創設時からかなりの年月が

経過し、その間に介護保険制度をはじめとした法制度の整備・改正や、民間事業者の参

入など、創設時と比較するとサービス内容も多種多様化し、個人を取り巻く環境も大き

く変化しています。

そこで、既存事業についても、それぞれの事業の意義や課題、また、利用者や地域住

民から今後期待されている役割等について町プロで話し合いを重ね、見直しが必要と思

われる部分の改善や、新たな取り組みの方向性について検討しました。

既存事業

【移送サービス事業】

平成12年の介護保険制度の導入、民間事業者によるハンディキャブ運行の拡大、医

療機関の送迎実施など、事業開始後の26年間に地域を取り巻く状況も大きく変わりま

した。また一方では、常時車いすを利用するほどの身体状況ではないが、歩行に支障が

ある方からの利用希望や、買い物など日々の生活に不便を感じる住民の声も多く、次の

ような取り組みを行います。

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○移動に関する既存の制度・サービスを使えない方が利用できるよう検討していきます

○介助者を必要としない方の利便性の向上を目指します

○移送サービスを実施する他地区社協の状況を参考に、費用負担のあり方を検討します

○新たな事業展開(買物やお出かけ支援、サロンや市役所送迎など)を検討していきます

【ふれあい訪問事業・ふれあい電話訪問事業】

ひとり暮らし高齢者の数は、年を追うごとに増え続けています。まず、こうした方々

にふれあい事業を知っていただき、利用していただくために、今後より一層の効果的な

広報が必要です。ここ数年で、市内には地域の人たちのネットワークによるもの、企業

の社会貢献によるもの、配食事業など直接サービスによるものなど数多くの見守り、安

否確認サービスが立ち上がってきました。

在宅のひとり暮らし高齢者を中心とした、こうしたサービスとの適切な連携や役割分

担なども課題としてあげられます。また、利用者の状況を適時適切に把握してゆき、見

守りサービスとしての精度を上げていく必要もあります。

電話訪問においては、高齢者を取り巻くサービスとの連携はもとより、傾聴の専門家

としての資質向上や受け止め続けることに対する担い手・電話訪問員自身のメンタルケ

アのあり方などが課題といえます。これらの課題を踏まえて今後、次のような取り組み

を行います。

○事業の質の向上や、より一層の効果を引き出すため、専任のコーディネーターの設置を

検討していきます

○見守りや傾聴といったサービス担い手の資質向上につながる取り組みを行います

○サービスの精度を高めていくために、利用されている方々の生活状況を適時適切に把握

していく取り組みを行います

○広報活動の強化や事業周知のための取り組みを行います

◆これらの取り組みの推進に向けて

町プロで検討したこれらの取り組みの推進にあたり、一から新たに創出していくこと

にとらわれるのではなく、既存の社会資源や関係機関とのネットワーを生かして、継続

的、かつ、地域住民が活躍できる基盤づくりを進めるために、協働型で創出していく取

り組み方を検討していきます。

組織・財政検討委員会の答申にあるように、アウトリーチ(職員が地域に直接出向く

こと)や、地域に密着した取り組みを推進すること、また、その取り組みを地域にしっ

かりと広報宣伝することで社協の認知度の向上につなげ、募金活動への理解に結び付け

ていきたいと思います。

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6.町プロの検討経過 ※第 1回~第 7回の開催日程・内容

第1回

(2/26)

〇町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~の目的と進め方

〇オブザーバー久津摩氏の講演「ファンドレイジングについて」

〇社協が行っている募金運動についての説明

〇グループワーク

第2回

(4/21) 〇地域で解決したい困りごとについて(その1)

第3回

(5/27)

〇地域で解決したい困りごとについて(その2)

〇町プロで取り組んだ方が良いと思われる内容について

〇具体的な取り組み(案)について

第4回

(7/6)

〇地域で解決したい困りごと~事務局案~について(その1)

〇今年度の一円貨募金について

第5回

(8/31)

〇地域で解決したい困りごと~事務局案~について(その2)

〇今年度の一円貨募金の実施状況について

〇課題解決のために町プロが行う取り組みについて

第6回

(10/31)

〇今後の取り組み事務局整理案について

〇町プロの総括に向けて

第7回

(12/28) 〇町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~報告書の内容確認

7.委員名簿

(委 員)50音順・敬称略

№ 氏 名 所 属

1 新井 泰徳 行政(健康福祉部地域福祉推進課 課長)

2 板垣 正爾 福祉協力員(恩多町福祉協力員会 地区長)

3 亀井 俊治 自治会(萩山北部自治会 会長)

4 小島 政信 自治会(野口町3丁目自治会 会長)

5 小島 正晴 行政(市民部市民協働課 課長補佐)※H28.4月~

6 小山 信男 社協役員(会計理事)

7 坂口 幸子 社協役員(副会長)

8 田口 京子 福祉協力員(廻田町福祉協力員会 地区長)

9 橋本 研二 福祉協力員(秋津町福祉協力員会 地区長)

(松﨑 香) 行政(市民部市民協働課課長補佐)H28.3月まで

10 久津摩 和弘

(オブザーバー)

地域福祉ファンドレイジングネットワーク

代表理事

(事務局)

1 小野寺 隆 事務局長

2 宮田 敏行 まちづくり推進課 課長

3 秋元 厚彦 生活支援課 課長

4 武者 吉和 まちづくり支援係 係長

5 高橋 節夫 地域生活支援係 係長

6 葛野 章 高齢者支援係 係長

7 徳田 尚美 総務係 係長

8 花田 礼子 総務係 主任

10

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8.資料編

■下記の用紙を募金封筒に入れ、アンケート調査を行いました。

■本プロジェクトにおける意見をもとに、募金封筒の記載内容の見直しを行いました。

11

【昨年までの募金封筒(裏面)】 【平成 28年度の募金封筒(裏面)】

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■各町ごとのアンケート集計データ

本町

回答者数 49

久米川町

回答者数 126

秋津町

回答者数 93

青葉町

回答者数 46

18

6

8

4

1

1

1

10

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

39

18

24

17

3

3

6

16

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

47

7

12

6

4

4

7

6

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

20

5

6

3

3

0

2

7

0 5 10 15 20 25

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

12

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恩多町 回答者数 46

萩山町 回答者数 70

栄町

回答者数 8

富士見町

回答者数 71

12

10

6

7

1

1

0

9

0 2 4 6 8 10 12 14

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

27

5

12

9

2

0

2

13

0 5 10 15 20 25 30

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

4

0

0

0

1

0

1

2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

28

9

14

6

4

1

1

8

0 5 10 15 20 25 30

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

13

Page 15: 町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検 …hm-shakyo.or.jp/assets/files/machipuro.pdf町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~

美住町 回答者数 33

廻田町 回答者数 38

多摩湖町

回答者数 49

諏訪町

回答者数 54

16

5

5

1

1

0

0

5

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

15

5

7

3

1

0

0

7

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

17

4

3

8

2

3

3

9

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

22

4

11

4

4

1

0

8

0 5 10 15 20 25

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

14

Page 16: 町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検 …hm-shakyo.or.jp/assets/files/machipuro.pdf町をよくするしくみプロジェクト~募金のあり方検討委員会~

野口町 回答者数 59

不明

回答者数 2

24

2

9

5

4

1

1

13

0 5 10 15 20 25 30

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

1

0

0

1

0

0

0

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

募金の主旨に賛同、継続してほしい

福祉のために、正しく使ってほしい

~のような対象・事業に新たに取り組んでほしい

現在の募金のあり方を見直し・改善してほしい

一円貨募金の名称を変更してほしい

廃止してほしい

寄付者の思いや負担等を知ってほしい

その他(社協への意見など)

15