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水に関するロボット四題
福島第1原子力発電所一号機トーラス室への
遠隔操縦水上ロボット
九州工業大学社会ロボット具現化センター長、特任教授
浦 環
福島第1原子力発電所沖をいく海水サンプリングのための
全自動水上ロボット
福島第1原子力発電所沖合い海底放射能を調査する
遠隔操縦カメラロボット
津波被災地海底を調査する遠隔操縦カメラロボット
災害ロボットシンポジウム2014年1月7日
海中・宇宙惑星・損傷原子炉 の共通点
トラブルが起こったときに助けにいけない
膨大な支援設備・支援人材・資金が必要
働く環境を十分に知らない
出動のチャンスが少ない
災害ロボットシンポジウム2014年1月7日
海中・宇宙惑星・損傷原子炉 のためのロボット
仕様書の説明はいらない
行動を現場で見せよ
災害ロボットシンポジウム2014年1月7日
自律型海中ロボットの研究
Sensor
Sensor
Sensor
Sensor
Sensor
Task
Task
Task
Task CPU
マニピュレータ
感覚(五感) 頭脳 運動器官
センサ研究 制御研究 エフェクタ研究 航法研究 ペイロード研究
ロボット計画学・ロボットロジ(兵站)学 海中ロボット学
海中ロボットを創る ロボット学・ロボットロジ学
ロボットを使って観測する 自然科学・環境・資源・水産・情報
フィード
バック 応用
挑戦
自律型海中ロボットの研究・開発
Constructed in 2007
Expedition of hovering-type AUV “Tuna-Sand “
to gas-hydrate fields 2010.07.14-22
50km
直江津沖合 ガスハイドレート地帯
弘松カニパラダイス(上越海丘) 水深約1,000m
AUV「Tuna-Sand」計測
日本海ガスハイドレート地帯海底写真モザイク 水深900m AUV「Tuna-Sand」2010.07.22撮影 615枚
40m 直径約20m深さ約5m
陥没地形
ベニズワイガニ:大型(雄)416尾 小型(雌)2925尾 800平方m
1 日本海ガスハイドレート地帯海底写真モザイク 水深900m AUV「Tuna-Sand」2010.07.22撮影 615枚
40m
2
20m
4
10m
8
5m
16
2.5m
32
1.25m
64
64cm
128
32cm
256
16cm
512
8cm
Methane
Micro-Biota
Snow Crab
Unstable Methane
Cannibalism
Species saving
AUV “Tuna-Sand” showed us
something about snow crabs
ロボットを語るとき
ロボットの働く環境 ロボットが成し遂げる作業 ロボットは他に代え難いか
を語らなければならない
2010年7月22日自律型海中ロボット「Tuna-Sand」撮影、水深1,000m
東京電力福島第1原子力発電所1号機
格納容器 及び
サプレッションチェンバー の
遠隔操縦水上ロボットによる漏水調査
2013年11月13日-14日
1号機
福島第1原子力発電所1号機
格納容器から漏れた冷却水はサプレッションチェンバのあるトーラス室にたまり、建屋外へと漏れ出している
600φの穴からトーラス室へと挿入
ロボットロジ学
投入と回収
操作
ケーブルのひっかかり防止
水中調査への道筋
ロボットと陸と両方からのケーブル排出
浮き勝手
できるだけ固く
できるだけ細く
モックアップを使った十分な訓練
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131113_15-j.pdf http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131114_06-j.pdf http://photo.tepco.co.jp/date/2013/201311-j/131114-01j.html
総合力がなければ 氷の下の観測はできない
三月のオホーツク海紋別沖合
氷の下の海は未知の海
流氷に向かって潜っていく AUV「AE2000a」
2012.03.17
流氷にトラップされた AUV「AE2000a」
2012.03.09
挑戦マインドなくして進歩なし
AE2000aが深度8mから撮影した流氷下面
Know your enemy, know thyself, and
you shall not fear a hundred battles.
孫子兵法 Military Text by Sun Tzu
知己知彼,百戦不殆
己を知り、敵を知れば、百戦危うからず
In order to not fear hundred dives, we should know the underwater world, and
we should know our vehicles.
為了能够実現 数次潜航、 我們應該了解水下世界和我們的航行器
幾多の潜航に勝利するには 海中世界とロボット自身を知らねばならない
東京電力福島第1原子力発電所前
被爆の危険性にさらされた海域での 自律型水上ロボットによる
海水のサンプリングと放射能現場測定
2011年
GPSを使った全自動航行は容易 自動海水サンプリング装置製作も容易
流れてくる津波残骸 岸近くの海底の変形や残骸の存在 緊急時対策のための通信の確保
全自動船による海水サンプリングと現場でのγ線計測
無線LAN FOMA ORBCOMM WIDESTAR VSAT
通信の確実な確保
海底にひっかからない曳航装置の開発
全自動船による曳航式装置による海底土γ線計測
現在は船上で被爆の危険性がないので、漁船や作業船を利用しておこなっている
福島第1原子力発電所沖合い海底放射能を調査する
遠隔操縦カメラロボット
遠隔操縦ロボットにセンサを取付け、海底に押しつけてγ線を計測
リアルタイムでモニタする
広域調査には向かない
ロボット位置は音響装置を使って船との相対位置を測って求める
ノイズ
1997年2月 日本海2400m深度に沈没した ロシアタンカー「ナホトカ」船尾調査
1997年2月 日本海2400m深度に沈没した ロシアタンカー「ナホトカ」船尾調査
タンクから漏れ出る重油
沈没船周囲の 遠隔操縦式水中ロボットの 危険な展開
遠隔操縦機カメラロボによる海底観測 津波後の海底はどうなっているのか
東京大学生産技術研究所海中工学国際研究センター 教授 東京大学海洋アライアンス 機構長
浦 環
ロボット学会シンポジウム2011年9月6日
大槌湾
遠隔操縦機カメラロボによる海底観測 津波後の海底はどうなっているのか
東京大学生産技術研究所海中工学国際研究センター 教授 東京大学海洋アライアンス 機構長
浦 環
ロボット学会シンポジウム2011年9月6日
大槌湾
大槌湾
立ち上がる漁具係留用ロープ
大槌湾 つぶれた乗用車
志津川湾野島南西磯
浅い岩場の海草とウニ
3.11震源
南三陸町
大槌
網地島
表浜
狐崎浜
宮古
重茂
石巻
気仙沼
越喜来
大島
カメラロボによる海底観測 2011年4月11日~8月4日
南三陸町 志津川 2011年3月11日
津波は建物などを海へといかに押し出したか
養殖漁業施設 集落 漁港
津波到来前
津波は建物などを海へといかに押し出したか
津波は建物などを海へといかに押し出したか
10mにもおよぶ水面の上昇
漁業者の悪夢
海底には膨大な量の残骸 養殖漁業を再開するには多大な労力と時間が必要
? 津波は建物などを海へといかに押し出したか
重い残骸は港付近に落ち 軽い残骸は沖合に流され
海底のヘドロは清掃されてしまった
No 津波は建物などを海へといかに押し出したか
実際は
残っている係留装置に 絡まる漁業施設は除かなければならない
沖合海底の残骸は 予想外に少ない
津波は建物などを海へといかに押し出したか
直ぐにでも養殖漁業を 再開できる確信を得た
自律型海中ロボットAUV
重作業遠隔操縦無人機 ROV
Divers
Suspended Measurement Device
buoy Support Vessel
有人潜水艇 海底観測基地
カメラロボ
カメラロボ:RTV-100
1980年代に製作されている
カメラロボの投入
1)ケーブルは浮き勝手 2)操縦者は百戦錬磨 3)指揮官は海を周知 4)十分なロジ
漁業者の悪夢の海の中を見るには
志津川湾内外の潜航調査地点
志津川湾 Dive 3
志津川湾の海底 生き物たち
志津川湾の海底 残骸
Entangled Jacket during Dive 25
カメラロボのプロペラに絡まる刺し網
大槌湾
3日間で11潜航 総延長約8kmを観測
幅5mを仮定すれば 40000平方メートルを 観測したことになる
大槌湾海底に散らばる所有者が特定できる物品
なぜカメラロボであって、 最新鋭自律型海中ロボットをださないのか
誰も知らない どのぐらいの残骸が海底にあって
どのぐらいの網やロープが漂っているのか
カメラロボは確実な技術と実績に基づき 浅い海ではとても強い
優秀な操縦者は困難に立ち向かえる
現場は戦場であり試験をする場ではない
海底の世界は一般人の常識を越えた 危険な戦場である
大槌湾で遺体回収作業にあたる海上保安庁の職員
戦場において人間にできることを ロボットに置き換えるには
ロボットの訓練と人間に勝る能力が必要