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平成23年度 成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業 CG分野 調査研究報告書 高度情報通信社会の進展に対応した IT分野の中核的人材育成のための調査研究

CG分野 調査研究報告書 - jenc.co.jp · ためには、クラウドコンピューティング等新たな枠組みやサービス体制の中で活 躍できる人材が求められている。

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平成23年度 成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業

CG分野

調査研究報告書

高度情報通信社会の進展に対応した IT分野の中核的人材育成のための調査研究

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目 次

第1章 CG分野分科会の事業概要 ··············· 5

1.趣旨・目的 ························ 7

2.実施計画 ························· 9

3.実施結果 ························· 11

4.次年度以降の取組み ···················· 26

第2章 調査資料 ······················ 29

1.視察調査 ························· 31

2.アンケート調査(参考資料) ················ 45

3.スキルマップ(参考資料) ················· 58

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第1章 CG分野分科会の事業概要

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第1章 CG分野分科会の事業概要

CG分野分科会は、平成23年度「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略

的推進」のIT分野産学コンソーシアムの「CG分野」として実施した。

1趣旨・目的

IT産業は、クラウドサービスやソーシャルネットワークサービス(SNS)

等の進展やスマートフォン、タブレットPC等の台頭により、大きな変革を迫ら

れている。IT技術が進化とともに発展を続け、クラウドコンピューティングや

SNSなど多様なサービスを提供するようになり、あらゆる産業がITを活用し、

新たな価値創造を実現し、社会のインフラサービスはITによって利便性が向上

している。インターネットやクラウドコンピューティングにより、全世界的に物

理的な位置を問わなくなるケースも出始め、ITを用いた技術革新はグローバル

に進展している。

これらの技術の進展により、日本のIT企業やIT人材に大きな影響を与えて、

日本のIT産業の国際競争力向上を実現するためのグローバルなサービス供給

体制の構築が求められている。日本のIT企業が国際競争力を高め発展してゆく

ためには、クラウドコンピューティング等新たな枠組みやサービス体制の中で活

躍できる人材が求められている。

CGの教育は、1990年代から行なわれるようになった比較的新しい分野の

教育である。専門学校においては、情報系の専門学校がプログラムを中心として

学科を発展させたものとデザイン系の専門学校がグラフィックデザインやDTP、

Webデザインから発展させたものとに大別される。

情報系のCG学科は、CGプログラムやCGツールのオペレーションの教育に

強という特徴があり、デザイン系のCG学科は、デザイン力、感性の教育を得意

としている。CGは、美術・芸術等のアート系の教育と情報処理、プログラム等

の情報系の教育の一見相反する分野の融合であり、比較的新しい教育であるため、

体系的な教育プログラムの整備が重要な課題であった。

近年の情報通信技術の発達やデジタル機器の高性能化、CGを作成するコンピ

ュータの高性能化、低価格化などを背景に優れた視覚表現としてCGの需要は高

まる傾向を示している。

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また、インターネット回線の高速化、ハイビジョン映像の進展、家庭用ゲーム

機のネットワーク化、モバイル端末(携帯電話、スマートフォン等)のゲーム機

としての利用拡大、クラウドコンピューティングの進展により、コンピュータネ

ットワーク(TCP/IP)、ネットワークセキュリティ、データベース技術等を融合

して映像、アニメやゲームの配信が実現されている。

このような新たな技術進展や情報機器の高性能化に伴い、CGを取り巻く環境

は高度化、複雑化し、新たな知識や技術の習得が必要不可欠となっている。たと

えば、ハイビジョン映像ではこれまでに実現できなかった解像度に対応する画

像・映像処理が要求さる一方で、携帯電話やスマートフォンでは、機器の動作に

影響を与えないような低容量のCG作成が求められるようになり、HTML、CSS、

Javascript等を組合わせた画像表現など新たな技術への対応も求められている。

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2.実施計画

①実施体制

②分科会構成

氏 名 所属・職名 役割等

佐竹 新市 学校法人龍馬学園 理事長 委員長

龍澤 尚孝 学校法人龍澤学園

法人本部事務局事務局長/企画推進部 室長 調査

中島 慎太郎 学校法人有坂中央学園 常務理事/広報本部長 調査

河原 成紀 学校法人河原学園 理事長 調査

野地 朱真 尚美学園大学 芸術情報学部 教授 調査協力

大島 康広 株式会社プラザクリエイト 代表取締役社長 調査協力

塩田 周三 株式会社ポリゴンピクチャアズ 代表取締役 調査協力

藤本 光伯 株式会社セガ 開発生産統括本部

研究開発ソリューション本部 CS R&D推進部 副部長 調査協力

加藤 俊彦 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部長 調査協力

飯塚 正成 一般社団法人全国専門学校情報養育協会 専務理事 調査協力

産学コンソーシアム(17名、年 3回)

・方針の決定 ・重要事項の決定 ・予算執行管理

・連絡協議 ・事業評価 ・成果普及

事務局(3 名)

IT 分野分科会

(10 名、年 3回)

・分野方針の策定

・企業調査実施

・教育実態調査実

・専門学校教 育

領域の検討、策定

CG分野分科会

(11 名、年 3回)

・分野方針の策定

・企業調査実施

・教育実態調査実

・専門学校教 育

領域の検討、策定

自動車組込み分

野分科会

(12 名、年 3回)

・分野方針の策定

・企業調査実施

・教育実態調査実

・専門学校教 育

領域の検討、策定

携帯電話・スマー

トフォン分野分

科会

(10 名、年 3回)

・分野方針の策定

・企業調査実施 ・教育実態調査実

・IT 分野専門学校教 育領域の

検討、策定

ゲーム分野分科会

(18 名、年 5回) ・分野方針の策定 ・企業調査実施 ・教育実態調査実施 ・IT 分野専門学校教 育領域の

検討、策定

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③実施スケジュール

内容 10月 11月 12月 1月 2月 3月 計

産学コンソーシアム ○ ○ ○ 3回

CG分野分科会

○ ○ ○ 3回

調査

成果報告会 ○ 1回

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3.実施結果

①求められる知識・技術、素養

・デッサン力、基礎造形等、基礎的な技術

・創造力

・CGツールのオペレーション技術

・コンピュータネットワーク技術、ネットワークセキュリティ技術、データベー

ス技術、既存技術との融合技術

・インターネットブラウザ、モバイル端末画面に対応したプログラム技術

・iOS、Android

※サーバー上のリソースを共有したゲームプログラム開発

※デバック、品質管理技法

デッサン力、基礎造形などのデザイン・美術系の基礎能力の充実が求められる

一方で、CGツールのオペレーションやネットワーク技術、プログラム技術など

情報系の能力についても高い技術が求められている。

●教育項目

基礎知識・技術

■ドローイング

<美術解剖学>

・ ドローイングを通じて、ボディランゲージや身振りを例証することができる

・ 人間や動物のデッサンで、様々な異なる角度からポーズ付けを行い、解剖学

に的確な表現ができる

・ ドローイングを通じて、顔の構造や表現を分析することができる

・ デザイン指示に応じてアニメーションに適切なキャラクターデザインが、異

なる表現および身振りを使用しながら、3 次元で適切に描ける

<ストーリーボード>

・ カメラ用、ストーリーボード用、レイアウト用などのデッサンを準備するこ

とができる

・ カメラワークの描き方を理解している。

・ 物語のスクリプトをフィルムに展開する際にストーリーボードで見せる役割

を理解している

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・ 他のアーティストがレイアウトに展開することが可能なストーリーボードを

準備する能力

・ ストーリーボードにおいて構図、パース、カメラアングルを使い、技術的な

原理を適用できる

<構図>

・ 人間や動物のデッサンで、様々な異なる角度からポーズ付けを行い的確な構

図を表現できる

・ 複数のモチーフをバランスよく配置し、心理的中心を定めて効果的なトリミ

ングが行える

<レイアウト>

・ 他のアーティストがアニメーションに展開することが可能なレイアウトを準

備する能力

<パース>

・ 人間や動物のデッサンで、様々な異なる角度からポーズ付けを行い、パース

を的確に表現できる

・ デザイン指示に応じたレイアウト用やパースに注意を払ってキーとなる背景

をデザインできる

<比率>

・ 人間や動物のデッサンで、様々な異なる角度からポーズ付けを行い、プロポ

ーションを的確に表現できる

<量感>

・ 人間や動物のデッサンで、様々な異なる角度からポーズ付けを行い、ボリュ

ームを的確に表現できる

<観察>

・ 対象物を観察して形を正確に描写する。稜線、陰影

■アニメーション理論

<アニメーション基礎>

・ アニメーションにおけるドローイングの役割および重要性を理解している

・ アニメーションのタイミングの重要性について理解している

・ デザインの質、タイミングの正確さを確認する「ラインテスト」の目的を理

解している

・ キーフレームアニメーションの基本を理解している

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・ 指示に応じたアニメーション設定ができる

・ アニメーションを制作する異なる方法の利点および損失を評価できる

・ 機能性と実現可能性のためのモデルデザインをチェックできる

・ 3D アニメーションとCGI の長所および短所を理解している

・ アニメーション設計の重要性と最終フィルムのルック&フィールにどのよう

に寄与するかを理解している

<立体表現>

・ 彫刻/粘土を使った立体表現。量感を理解している

専門知識・技術

■演出理論

<演出基礎>

・ シナリオや絵コンテをどのように解釈するか理解している

・ 絵コンテが描ける

・ 各種ショット(クロースアップ/ミディアム/エスタブリッシングなど)を理

解している

・ カメラワークについて指示することができる

・ イマジナリーラインについて理解している

・ カメラのレンズの特性について理解している

・ シーンの連続性について理解している

・ エンタテインメント、説得力のあるメッセージを創造することができる

・ 物語、映画製作、創造的・芸術的な力を実証することができる

・ メディアに対する知識や制作方法、批評的な評価などに対してフィルム用語

を適切に使用できる

・ アニメーションに言及した脚本制作の原則を理解している

・ 短編と長編映画に要求される物語の違いを理解している

・ クリエイティブおよび技術的な考え、アイディアを伝達することができる

・ クリエイティブ、芸術的、倫理的判断能力を備えている

・ アートディレクターのビジョンを技術的に解釈して伝達することができる

・ クライアントの要求を満たすためにアートディレクターおよびプロデューサ

ーと共に仕事をすることができる

・ 完成したものがモデル化する最終チェックを実行できる

・ 批評的思考の技術を持っている

・ プロセス、計画およびコンセプトを伝えることができる

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<映像編集>

・ ポストプロダクション工程について理解している

・ 映像信号について理解している

・ 映像フォーマット(NTSC/HDTV/Film など)について理解している

・ 各カットの役割を理解しイン点、アウト点を設定することができる

・ 場面転換(カットつなぎ、オーバーラップ、フェードイン/フェードアウト、

ワイプを適切に設定することができる

・ タイムコードについて理解している

・ リニア編集とノンリニア編集の違いを理解している

・ アクション編集について理解している

・ ダイアログ編集について理解している

・ 記録メディアについて理解している(ベータカム/VHS/DV など)

■色彩・質感

<色彩理論>

・ 色と光りについての理解

・ 色の三属性(色相、明度、彩度)の理解

・ 色の三原色(加法混色と減法混色)の理解

・ 色も見え方(色の進出性と後退性、色の錯覚等)の理解

・ 色名(系統色名、固有色名)の知識

<質感表現>

・ ライティング技術の知識がある

・ 素材(木、ガラス、石、布、金属など)に対する知識を活用した制作ができ

・ デザイン指示に応じてテクスチャを描くことができる

・ デザイン指示によりアニメーションの中で使用される様々なライティング技

術を適用できる

■2Dグラフィックス

<ペイント系ソフトの操作(PhotoShop)>

・ レベル補正をしてコントラストを調整できる。

・ トーンカーブを制御してコントラスト効果やホワイトバランス調整を行える。

・ マスクを用いて画像を合成できる。

・ レイヤを制御して画像を合成できる。

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・ フィルタを使って効果的なエフェクト処理ができる。

・ トリミング、リサイズ操作ができる。

<ドロー系ソフトの操作(Illustrator)>

・ 線の描画(ベジエ曲線・複数のパスの編集)

・ 円や楕円、多角形の描画

・ 文字をアウトライン化できる。

<データ形式・ファイル形式>

・ デジタル画像の解像度や画像の種類、圧縮形式に関する知識がある。

・ データ形式の変換方法を知っている。

■3DCG

<モデリング>

・ ポリゴンモデリングの知識

・ パッチモデリングの知識

・ NURBS モデリングの知識

・ クライアント承認のための適切な時間を見越しておいて、承認のための完成

したモデルを提出できる

・ 各モデル作業に必要なモデリング時間を見積ることができる

・ モデルの再利用性を識別できる

・ モデル化するガイドラインを準備して、厳密にガイドラインが遵守されるこ

とを確認できる

・ チーム内のミスコミュニケーションを防ぎ、モデルの再使用を決定すること

ができる。

・ デザイン指示に応じたモデル制作ができる

<アニメーション>

・ キャラクターセットアップ(リギング)の知識

・ エクスプレッションの知識

・ フェイシャルリギングとフェイシャルアニメーションの知識

・ モーションキャプチャおよび重要なキーフレームアニメーションのための予

備モデル・テストを行える

・ インバースキネマティクスの知識

<プロダクションワークフロー>

・ 物語の選択から脚本制作、プリプロダクション、プロダクション、編集、ポ

ストプロダクションまで制作過程を良く理解している

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<3Dグラフィックス向けAPI>

・ OpenGL や DirectX の APIを活用して2D・3DのCGを作成できる。

<動画形式とコーデック>

・ デジタル映像の圧縮技術についての基本的知識がある。動画形式の種類とそ

れぞれに応じたコーデックを使うことができる。

■情報処理

<コンピュータネットワーク>

・ TCP/IP

・ サーバーシステムの理解

・ Webサーバーの知識

<情報セキュリティ>

・ 情報セキュリティの知識

・ Webアプリケーション

・ セキュアプログラミング技術

・ 認証

<データベース>

・ データの管理システム

・ ネットワーク上のデータ管理

・ 権限

・ データベース構築技術

実務能力

■意志決定

<情報収集・分析力>

・ 必要な情報を整理し、収集することができる

・ 詳細表現の為に資料収集し、比較可能なものを参照して制作することができ

・ 答えのための有益な出所をすべて調査することができる調査技術を持ってい

・ 物事を分析的に考え、またはあるがままの事実を捉えようとする

・ 冷静で客観的な物の見方や態度を取ることができる

・ 何ができ、できないかを述べることができる

・ 正直で優れた分析を行うことができる

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・ 重大なことに素早く注力し、重要でない多くのことは置いておくことができ

・ プロセス・ステップの中へ仕事をブレークダウンすることができる

・ タスクとプロジェクトの長さ、難易度を正確に見積もることができる

・ 仕事の中でのフィードバックサイクルを設計することができる

・ 「何が正しく行われたか、何に改良を要するか」明示的なフィードバックを

行うことができる

<概念化思考>

・ 何が目標を遂行することを支援するか妨害するかを早く感づくことができ

・ 問題と障害を予想し調節することができる

・ アイディアは、どのようにクライアントに投げられ商品化されるか理解して

いる

・ アイディアは、どのように異なる領域に適応され商品化されるか理解してい

・ タスクと決定に対する責任を明白に割り当て、明瞭な目的および手段を設定

することができる

・ 既存の知識をベースに関連する領域に知識を拡大することができる

・ 最も効率的に制作を促進する方法を決定することができる

<問題解決力>

・ 業務効率に関連する問題に直ちに対処することができる

・ チーム内の問題を解決、改善することができる

・ 運用における問題解決能力を備えている

・ 一貫して作業の進捗を管理し、課題を発見して、修正する処置を講じること

ができる

・ デザインの質を理解し、おかしいところを修正できる

・ 制作物の内容を理解し、客観的にデザインをチェックすることができる

・ 正確な論理および有効な解決策を難問の解決に使用することができる

・ 隠れた問題を見つけ出すことができる

・ できないことやわからないことがあったとき、他人の協力や助けを求める事

ができる

・ 困難や障害に行き当たったときに、協力を依頼できる友人のネットワークを

持っている

・ 障害を除去することができる

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■マネジメント

<管理統制力>

・ 個人やグループの異なるニーズを識別し管理する能力を備えている

・ 積極的に業務効率を認識することができる

・ 監督、トレーニング指導ができる

・ 資源を効率的に利用するための商業的要求を認識し、適切なコントロールを

維持、利用することができる

・ スタッフの日々の仕事ぶりを監督し、仕事の負荷を調整することができる

・ 仕事の管理および測定ができる

・ プロジェクトの終わりに各個人の業績を評価することができる

・ 作業過程と進捗および結果を監督することができる

・ 制作作業の正常なブレークダウン、制作チームのメンバーの役割および責任

を理解している

・ 独立して働く能力を備えている

・ 労務問題を認識して取り組むことができる

<計画力>

・ スタッフの技術レベルや生産性、作業の優先度を判断して、スタッフの技術

修得の機会にも配慮しながら仕事を割り振ることができる

・ 制作のための予算案、計画、スケジュールで、利用可能な資源を認識、活用

できる

・ 技術あるいはソフトウェア専門家のようなチームの外からの人材あるいはコ

ンサルテーションの必要性を決定することができる

・ 締切を重視することができる

・ 仕事量を適切に分配し、よく計画、組織された方法で仕事をレイアウトする

ことができる

・ スケジューリングし、タスク/人の割り当てをすることができる

・ 自身と他のスタッフの時間を重要なことに割くことができる

・ 目的およびゴールを設定することができる

■リーダーシップ

<イニシアチブ>

・ スタッフ各自の長所および弱点に焦点を当てて恒常的にカスタマイズしたト

レーニングを提供できる

・ 周囲から頼りにされ、意見や行動をまとめていこうとする

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・ 明瞭な指示を確立し、目標を設定することができる

・ 継続的にチームに動機を与える新しい方法について考えることができる

・ 他人とは違った視点で物事を見たり行動したりすることができる

・ 自分の意思で積極的に行動する

・ 自ら意見やアイディアを出し、率先して実行に移す事ができる

・ 自らの判断で、より良いものを目指すことができる

・ 新しい価値あるアイディアを生み出し、具体的な産出物として仕上げる事が

できる

・ チームにエネルギーを与える機会を計画し、信頼関係を築くことができる

・ 仕事を通じて双方向の対話を維持し、チームに最上の結果をもたらすことが

できる

<評価力>

・ モデルを芸術的に批評し、建設的なフィードバックを行うことができる

・ 目標に対する成果を測定し結果を評価することができる

・ 考えやプレゼンテーションを評価する能力

ヒューマンスキル

■コミュニケーション能力

<傾聴・共感力>

・ 先輩や現場の人の言うことを熱心に聞いて理解することができる

・ 他人の感情や動機・考え方に興味を示す

・ 相手の感情に配慮しながら、断る事ができる

・ 相手と同じ立場に立って、物事を考えることができる

<協調性>

・ チームワークを理解し、チームで働くことができる

・ 関係者と協力しあって共通の目標に向かうことができる

<自己主張>

・ 自分の主張を相手に押し付ける事なく伝える事ができる

・ 自分の感情を素直に、適切な方法で伝える事ができる

<説得力>

・ スタッフへの感謝を表し、スタッフの前向きな姿勢を維持しながら、プロジ

ェクトの全体像を伝えることができる

・ 影響力/説得術を行使することができる

・ 対人問題を冷静に適切に処理することができる

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<情報発信能力>

・ 文章、会話によるコミュニケーション能力

・ 明瞭な情報の流通を行うことができる

・ 知識・技能を伝達強化できるようにコミュニケーションを促進することがで

きる

■行動特性

<自己確信>

・ ある作業を繰り返すことで、問題解決が図れるという見通しを持ち、継続す

ることができる

・ 自分の能力、資質に対し自信を持ち、難問や大きな課題にも完成を信じて持

続的に取り組める

<自己統制>

・ 怒りや不安、恐れなどの否定的な感情を自分でコントロールすることができ

・ みだりに動揺したりせず、感情が安定している

・ 心身の健康的な状態や体力を維持・管理することができる

<積極性・行動力>

・ 積極的かつ熱心に他の部署とのコミュニケーションを維持することができる

・ 何事も、テキパキとすぐ実際の行動に移す

<自主性・集中力>

・ 仕事を生き甲斐ととらえ、意欲的に取り組む

・ 負けず嫌いである

・ 他人に依存せず、自力でやり遂げようとする

・ 物事へ強い意欲で集中的に取り組む

<品質志向・向上心>

・ 詳細指向を備えている。(ディテールにこだわる)

・ 既存の状態に満足せず、よりよい状態を追求し、よりよい結果を出そうとす

る欲求が強い

<責任感・秩序欲求>

・ 挨拶やお願い、お礼、お詫びなどが礼儀正しくできる

・ 決まりやルールに従って秩序ある行動を取る

・ 自分の周囲の環境をきちんと整理する

・ 自分の行動や言動に対し責任を持つ

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<忍耐力>

・ 目標に向かってコツコツと粘り強く物事を進めていく

・ 作業修正依頼が重なってもめげずに対応することができる

・ どんな状況にあっても諦めることなく状況の打開に努める

<発想・思考>

・ 好奇心が旺盛で、従来にない新しいやり方を好む

・ 人を楽しませたり興奮させたりすることを好む

・ 既存の枠にとらわれず、新しい態度や考え方、行動様式を取り入れることが

できる

・ いざという時に備え、入念に考え、注意深く行動する

・ 焦点を絞ることができる

●コンテンツ制作者の活動環境

CGクリエータは、デッサン力(ドローイング)とコミュニケーションスキルが

非常に重視されている。CGクリエータの多くはクライアントから発注されたコン

テンツの制作作業に大半の時間を費やす。

クライアントからのリクエストは、言葉、文字、絵コンテ、デザイン画や原作、

参考資料等の視覚情報などによりクライアントから直接または、ディレクターなど

の上位者により伝達される。

制作者は目や耳からインプット された情報を整理し、クライアントや上司のリ

クエストを解釈し、最もふさわしいと考え得るイメージに道具を使って置き換え、

形にしてアウトプットする作業を常に行うことになる。

●デザインは情報の視覚的再編成

CGクリエータはデザインするCGがどのようなものであれ、言葉や文字、視覚

情報など様々な媒体により伝達された情報を整理、分析、理解し、イメージ情報と

して再編成しアウトプットする頭を使った情報の変換処理能力を常に駆使してい

る。

●聴く力、理解する力、形にする力

現場の制作者は、採用してみたいと思う学生の共通点として「素直な人」を求め

ている。「先輩や現場の人の言うことを熱心に聞いて理解することができる。」と

いう姿勢を重視する。

デザインワークのプロセスが、必ずクライアントの意向を確認するところからス

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タートすることを考えれば、「聴く」という能力が非常に重要である。

そして、「聴く力」を形に展開するためのデッサン力、造形力は絶対条件として、

必要不可欠なものである。

また「聴く力」「形にする力」の間に「理解する力」が発揮されなければならな

い。このときの姿勢として、「相手と同じ立場に立って物事を考える」共感力が必

要とされる。これらの傾聴力、共感力は同じく重要度の高かった協調性と相関性の

高い項目である。自分のセンスで表現方法を選択していくことが求められる一方で、

他者の視線に立つことができる客観性と共感力を発揮して顧客志向、チーム指向で

活動することがクリエータには求められる。

CGクリエータの「かっこいい」「綺麗」という主観だけではなく、クライアン

トの意図を汲み取った必然性のあるデザインを創造できる概念化思考が「理解する

力」である。クライアントと円滑なコミュニケーションができて、案件の狙いを外

さない。クライアントを納得させる作品を納品できるデザイナーが求められる。

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②専門学校の教育領域

基礎能力 専門技能 実務能力 ヒューマン

スキル

分野

ドローイング

アニメーション理論

色彩・質感

演出理論

映像編集

モデリング

意思決定

マネジメント

リーダーシップ

コミュニケーション能力

行動特性

ディレクター 4 4 4 4 3 4 5 5 5 5 5

リーダーレベル 4 4 4 3 2 4 5 4 5 5 5

標準レベル 3 3 3 2 1 3 3 3 3 4 4

新卒・未経験者 2 1 2 1 1 2 2 1 2 3 4

CG技術の活用分野

設計、製造(CAM、ロ

ボットなど)、建築

医療、

研究・開発

CG理論

物理

漫画、アニメ、PV、CM、

Web、出版、広告、カー

ナビ、パチンコ、 専門学校の教育領域

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③モデル・カリキュラム基準

CGクリエータ、CGデザイナーの基礎となる知識・技術・素養及び職業人と

して必要な専門知識・技術、業務を遂行する能力の修得を可能とするため、産学

連携の下で、発展の著しいCG業界において技術の進歩に対応し、グローバルな

視野と実践力、創造力のあるCG分野の中核的専門人材の育成を目指す。

このため、就業後も含め、生涯にわたってキャリアパスが描けるよう、必要な

知識・技術・技能をレベルごとに体系的にユニット化し、それらの積み上げが評

価される「学習ユニット積上げ方式」によるアクセスしやすい学習環境の整備を

目指す。

また、モデル・カリキュラム基準を活用した短期教育プログラムの整備と質を

保証するための評価制度を構築する。

これにより、CG業界に就業した社会人に対しても新たに必要な知識・技術等

を更新する機会を充実する。その際、関係企業と専門学校等が連携し、現場での

就労経験を踏まえたカリキュラム編成・評価等を行えるような評価システムを構

築する。このシステムが実現することによって多様化するCG業界のニーズに即

応する専門人材養成を可能することを目指す。

また、CG業界と関連専門学校等との連携により、学生が学んだことが修得さ

れているかどうかを測る達成度評価の評価指標等を含めた手法や、学校活動にお

ける専門的な評価指標等の開発を目指す。

専門学校 専門課程・高度専門課程

CG技術基礎

CG技術応用

CG技術実践

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

社会人対象 積上げ式短期学習ユニット

レベル5

以上

継続的な学習システムの整備と能力を評価する認定制度及び教育の質を保証する評価制度の構築

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④課題

●CG人材育成のための教育体系が未成熟。

●業務を遂行する知識・技術の教育整備(企業連携の強化)が必要。

●CGの基本となる能力(基礎造形やデッサン)は、専門学校教育では必須科

目として教育されているが、企業の求めるレベルとの乖離がある。

●仕事をする上でのコミュニケーション力や業務知識、素養の不足が指摘され

ている。

⑤今後の人材育成のあり方

CG制作には、非常に広範囲かつ高度なスキルが求められ、知識、技能を持つ

クリエータの集合体によって制作される。広範囲なスキル、技能の全てを短期間

で高度なレベルへ高めることは非常に難しい。このように技術が複雑化している

現在では、一人がすべてを担えるようなオールラウンドプレイヤーになることは

少ない。実務では、モデリング、テクスチャ、コンポジット、レンダリング(シ

ェーディング・ライティング・シーン構成)、アニメーション(モーション制作、

レイアウト、モーションキャプチャEDIT、リギング、シミュレーション)、VFX

などをいくつかの職種の人材が協業し、チームで制作を進めることがほとんどで

ある。職種ごとに求められるスキルにフォーカスし、基礎能力のレベル向上を図

る必要がある。

チームでひとつの作品を手がける上で、CG制作全般のことを知っておくこと

は必要である。制作過程のすべての作業の基本的な知識を幅広く身につけておく

ことが望ましい。しかし、限られた学習期間の中でCG全般の技能を深く学ぶこ

とには限界があるため、高度専門課程の設置や就業後もスキルアップを可能にす

る学習システムの整備が望まれる。

また、CGの制作は、多くの人との協業であるため、仕事に取り組む前向きな

姿勢や協調性、柔軟性、自ら情報を収集する意欲、自分の考えを明確に伝えるこ

とのできるコミュニケーション力やプレゼンテーション能力などのヒューマン

スキルの養成が求められている。

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4.次年度以降の取組み

本事業で明らかとなった専門学校の育成すべき人材像、教育領域、人材育成の

課題、求められる人材の必要能力、資質を踏まえたモデル・カリキュラム基準と

達成度評価の整備に向け、次年度以降は、その具体化を推進する。

協力専門学校を中心に、教育プログラムを整備・実証し、人材育成の検証を行

なう。教育の実証結果をもとに、モデル・カリキュラム基準の策定、教員の育成

等の研究活動、課題の解決を継続的に行う。

●CG人材育成のための教育体系整備と教員の育成

CG人材育成のための網羅的な教育体系を整備し、検証を行なう。教育体系

には、制作現場で求められているヒューマンスキルや業務を遂行する力を育成

するための企業と連携した実務経験に相当する演習(長期インターンシップや

企業提案型プロジェクト学習)について仕組みや企業との連携体制の整備を行

なう。

また、教員の新たな技術習得および環境対応のための教員研修会を行い教員

の能力養成について検証を行なう。現役技術者との情報交換の支援の仕組みを

検討し、構築をする。

●技術情報の入手、海外との取引やプロジェクトの推進、海外市場への商品展

開等の業務を進める上では、英語によるグローバルコミュニケーション力は必

須の能力となっている。

このため、CG業界に必要となる英語やグローバル人材等について調査・研

究を行ない、CGクリエータに必要な専門的な英語や国際感覚を学習する体系

的な学習ユニットを整備し、グローバル人材育成カリキュラムの開発・提供を

推進する。

●教育の質の向上を進展させるため、教育効果の達成度を評価する仕組み、具

体的には、教育を受けた者の修得能力を評価する基準を設計し、教育カリキ

ュラム、シラバス、教材等による効果を検証することを通じて確立する。

●教育の質保証・向上を図るため、組織的な教育活動分野特性を踏まえた評価

指標を明らかにし、教育の専門学校の教育活動における評価の仕組みの検

討・実証を行う。

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●CG分野の人材育成の継続的な知識・能力の追加や向上を行なうための教育

プログラムの積み上げ方式について研究し、具体的な教育プログラムを整備

し、実証を行なう。

●CG分野分科会は、IT分野産学コンソーシアムのもと新たな学習システム

の基盤整備を継続的に推進するため研究協議の事業終了後においても活動を

継続する。

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第2章 調査資料

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第2章 調査資料

1.視察調査

はじめに

コンテンツ業界に占めるデジタル映像の売上高は伸びており、制作会社の仕事

もそれに伴い増加している。CG技術は、映画・CM・プロモーションビデオ・ゲ

ーム・医療・建築等、あらゆる分野で活用されており、その人材ニーズも年々、

拡大している。また技術の進歩が著しく、専門分野は細分化し、より高度な知識

とスキルが求められている。これらにより様々なスキルを持つスタッフを必要と

するため、人材の確保や社内教育などが事業の運営に大きな負荷をかけている。

また、現場の仕事をこなしながらの社内教育を行うには限界もあり、専門知識を

有する新卒者のさらなるスキル向上が求められる。

成長著しいこの業界では、優秀な人材は何名でも採用したいと考える企業も少

なくないが、その場合、経験者が優遇され、実務経験のない新卒学生はその対象

ではないように思われる。しかし、現実的には必ずしもそうではない。経験者は

それなりの「色」を持っていることが多く、修正がきかなかったり、低いレベル

で満足していることもあり、その意識を変えるよりは、素直な人材を基礎から育

てる方が、効率が良く成果も上げやすいことから、新卒者が優遇される場合もあ

る。

しかし、現実的には新卒学生においても就職難と言われている。これは、新卒

者が企業から求められるレベルに達しておらず、スタートラインにすら立ててい

ないことが考えられる。

現在、専門学校におけるCGクリエータを育成する教育プログラムは、学校ご

とに独自に行われている。また、2年間という短い期間では学びきれない内容も

多く、3・4年制のプログラムを設ける学校が増えてきているが、やはり標準的

なカリキュラムが整備されておらず、その学校の方針次第で、教育内容やレベル

もまちまちである。

業界からの人材要求は、単なるオペレーターとしての人材ではない。視覚的な

表現や演出に必要十分な実践的なアートワークの基礎知識を理解し、プロジェク

トの一員としての役割を担える人材が求められている。このような業界のニーズ

に応えるには、全般的なCGの基礎知識、各職種に合った専門性の高い「知識」

「技術」「技能」に加え、組織で働く上で不可欠なヒューマンスキルを身につけ

るための教育プログラムを実施する必要がある。

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企業視察調査概要

CGクリエータが所属する企業を対象に、新卒者に求めるスキルの情報を収集

することを目的にヒアリング調査を実施した。2010年度にも同様にヒアリング調

査を実施したが、共通する内容についてはそれらと合わせて調査報告とする。イ

ンタビューは、制作を主業務としている企業のプロデューサー・ディレクターな

どの制作現場を監督する役目を兼務している役員の方々を対象に行った。また、

採用時にどのようなポイントを重視して人材を選抜しているのか、入社後にどの

ような新人教育を行い、実際に仕事現場で活躍できるレベルのスキルを習得させ

ているのかという点についても聞き取りを行った。

さらに、CG分野において、専門学校にて教鞭をとった経験もある大学のCG

制作教育を専門課程とする担当教授に、大学と専門学校との教育の違いや今後の

CGクリエータ教育についてヒアリングを行った。

企業ヒアリング調査対象

対 象:CG系企業7社、CG系大学教授1名、

創業設立:7年 ~ 39年

従業員数:10名 ~ 393名

拠 点:東京、仙台、盛岡

役 職:代表取締役社長、副社長、取締役、プロデューサー、チーフビジュ

アルアートディレクター、人事・総務部マネージャ、大学教授

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企業ヒアリング項目

ヒアリングは主に次のような内容で実施した。

<新卒者に期待すること>

1. CGクリエータを目指す新卒者に求めるものは何ですか?

2. 専修学校卒業生を採用した実績はありますか?

3. 専修学校に何を期待しますか?

4. CGクリエータの社内教育は、どのように取り組んでおられますか?

<CGクリエータのスキルについて>

5. CGクリエータの専門技術として新卒者に求めるスキルは何ですか?

6. 標準的なCGクリエータに求めるスキルは何ですか?

7. リーダークラスのCGクリエータに求めるスキルは何ですか?

8. ディレクターレベルのCGクリエータに求めるスキルは何ですか?

9. 4年制専修学校で特に強化してほしい分野や項目はありますか?

10. 技術面以外のヒューマンスキルについて、どのようなスキルが必要です

か?

<その他>

11. これからCGクリエータを目指す若者にアドバイスをお願いします。

12. これからのCG業界について、どのように発展すると思われますか?

(新技術、トレンド、ハード・ソフト、人材など)

13. 今後、新たに必要になると思われる知識・技術・スキルは何でしょうか?

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企業ヒアリング調査結果・考察

基礎力の重要性

近年、CGを制作するツールが著しく進化し、ツールの使い方を習得すれば、

誰でもある一定水準レベルのCGを制作することが可能になった。そのため、

企業側は新卒者に対し、物を正確にとらえる観察力、デッサン力、物の動きを

理解する物理学、人間や動物の動きを理解する美術解剖学など、基礎的理解が

できておらず、かつそれらを軽視する学生が増えているように感じている面が

ある。

「観察力」はモノづくりにおいては最も重要なものであり、プロレベルの水

準に達する正確性を表現するには、徹底した観察力が必須である。デッサンや

造形を通じて物の形を把握する能力を養うこと、人間や動物の動きを骨格や筋

肉のレベルで理解しておくことは、後々、CG制作の現場で重要な要素となる。

ツールが発達し高性能になったせいで、逆にアナログ的な知識やスキルを十分

に身につけないままCG制作をする学生が増えているが、基礎を理解していな

い者が制作したCGは、不自然なものとなり、プロの仕事として認められるも

のではないとの意見が多く聞かれた。

素材観察、質感表現、正確なモデリング、物の動き、人間や動物の動きなど

の基礎については、社会に出てから学ぶ時間をとることが極めて困難であるた

め、学生のうちにしっかり身につけておくべき要素である。例えば人の動きひ

とつにしても、3D制作ではモーションキャプチャを使うことが主流のため、2D

アニメ-ションで必要とされたような基礎知識が軽視されがちである。しかし、

2Dアニメで必要とされる基礎知識である、人や物の動き、顔の表情などは、学

んでおくべき要素である。

また、専修学校生は、ツールの利用法や基本的なデッサンなど、学校で履修

した実績はあるものの、本質的な知識やスキルとして実践力が伴っていないこ

とが多いとも言われている。初等教育時代から、絵を描くことやデザインその

ものに常々興味を持ち、日々研鑽していることが好まれる人材像である。常に

アンテナを張り、その興味や知識を共有できるような環境を学生時代に提供す

ることが好ましいとも考えられる。

CGなどアートの世界は、天性の才能のあるなしで決まるように言われるこ

ともあるが、それは一掴みの天才的な人間の場合であって、CGにおける基本

的な部分は、論理的に分析可能なものが多く、しっかり学べば、資質に関係な

くかなりなレベルまで達せられるものである。学校での学習機会においても論

理的思考を鍛えながら、CGの論理を学ぶことが好ましい。

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CGの世界は、まだ歴史が浅く、かつ急激に進化していることもあり、学校

現場では、暗中摸索状況にあり試行錯誤中で、まだ標準的な体系だったカリキ

ュラムが確立していないのが実情ではないかと考えられる。時代に即した人材

を育成し輩出することが理想ではあるが、流行を追うのではなく、どの時代で

も共通で必要な基礎技術の習得は、見失ってはいけない内容である。

<インタビューにて、聞かれた「基礎力」についての意見>

A社 社長:

・ デジタルは簡単だと思っている人がいるが、そんなことはない。アナロ

グで絵を描けないからCGをやろうと思うのは間違いで、絵が描けない

人は、本来CG制作はできない。CGはあくまで絵の具のひとつである。

アナログの作品をしっかり見ること。アナログができないと、CGも良

いものができない。

・ ツールは使えて当たり前。そのノウハウだけではだめ。根本的なところ

から理解することが重要。例えば、空間のとらえ方でも、昔は座標の取

り方から勉強したが、今はツールまかせで、知らない人もいる。

B社 副社長:

・ 3Dアニメ-ションはモーションキャプチャが開発されて以降、それが

主流になっているが、2Dアニメを作れる人が制作したものはレベルが

高い。たとえば、ピクサーがそう。ツール自体、アナログアニメーター

が使い易いものを開発して使用している。2Dアニメーションの技術を

学校でもっと勉強すべき。

・ 3Dアニメの場合、フェイシャルを動かさないと感動シーンが弱くなる。

日本の3Dアニメはフェイシャルが動かない(2Dもその傾向にあるが)。

海外はよく動いている。顔の筋肉の動きなど表情の作り方を勉強してほ

しい。2Dアニメでは学ぶがCGでは学習しない。

・ アニメを作るときに、別のアニメを参考にして作っていると劣化コピー

のようになる。実写の映像などをよく見ることが大事。

C社 プロデューサー:

・ 新卒者に求めるスキルは、デッサン力と立体形状の理解。小手先のツー

ルを使うテクニックよりも、まずは基礎をしっかり身につけておいてほ

しい。2Dのアナログアニメーションの原理や実写のカメラワークなど

も。

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・ ツールが便利になって、なんとなくCGが作れてしまうようになったが、

アナログの基礎知識をしっかり理解していない人が作ったCGは奇妙

になってしまう。CGのツールが使えればできるというものではない。

D社 取締役:

・ 大切なのはCGのツールを使う前に、まずデッサンをしっかりすること。

デッサン帳を持ち歩いて4年間描き続けるくらいでもいい。

・ 当社のアートディレクターはCG制作者には骨格学を勉強してほしい

と言っている。人体構造や皮膚感など、質感や動きを構造から知ること

が大切。

・ 3Dでモノを動かすためには「物理演算」も必要なので物理学の理解も

必要。そういうことは会社に入ってからはやらないので学生のうちにし

っかりやっておいてほしい。

E社 取締役:

・ ツール(CG制作ソフト)の使い方だけでなく、デッサンや造形などア

ナログな学習をしっかりして基礎を理解してほしい。

・ 卒業制作のような作品づくりよりも、むしろ基礎スキルを重視する。大

作の作品よりもデッサン 100枚描く方が、基礎が身につく。

・ CG検定2級が合格できるくらいの基礎力は最低限持っていてほしい。

物の動きを理解する最低限の物理やコンピュータにかかわる数学も。

・ 4年あるなら2年間はツールを使わずにアナログな基礎だけ勉強して

も良いくらいではないか。基礎理解が足りないままツールだけを覚える

と、ツールが別のものになったときに、わからなくなる。基礎があれば

ツールが変わっても応用がきく。

G社 プロデューサー:

・ 入社後はモノづくりの基本的考え方を徹底的に指導する。これを理解し

ている新卒者は少ない。新人研修として、まず、レゴブロックを4~5

パーツ使ってモデリングの実習を行うが、新卒者で正確にモデリングで

きる人はほとんどいない。プロの現場では『観察力』『正確性』が求め

られ、完成品への合格ラインが厳しいことを理解してほしい。

・ CG制作ツールの機能を十分に使いこなせることはプロとして大切な

ことであるが、それ以前にソフトウェアに頼らない基礎力を持っている

ことが最重要。

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H大学(CG専攻)教授:

・ 制作については、論理的で分析的な理解ができることが望ましい。例え

ばピクサーの講義を受講すると、たいへん論理的で分析的である。「才

能」のあるなしで制作能力を語られることが多いが、実は、論理的分析

的に勉強して理解すれば、かなりのクオリティのものが制作できる。

細分化される職種と学習範囲

CG制作会社は、受託制作を主に行う企業もあるが、受託制作を行いながら

もオリジナルの企画制作業務も並行して行うケースが多い。オリジナルなデジ

タルコンテンツを完成させるためには、非常に広範囲かつ高度なスキルが求め

られ、それらは、知識、技能を持つクリエータの集合体によって制作される。

この広範囲なスキル、技能の全てを短期間で高度なレベルへ高めることは非常

に難しい。ひと口にCGクリエータと言っても、このように技術が複雑化して

いる現在では、一人がすべてを担えるようなオールラウンドプレイヤーになる

ことは少なくなった。仕事現場では、モデリング、テクスチャ、コンポジット、

レンダリング(シェーディング・ライティング・シーン構成)、アニメーショ

ン(モーション制作、レイアウト、モーションキャプチャEDIT、リギング、シ

ミュレーション)、VFXなどをいくつかの職種に分類し、チームで制作を進める

ことがほとんどである。また、技術的な制作作業から離れ、企画、演出を専任

する場合もある。よって、職種ごとに求められるスキルにフォーカスし、基礎

能力のレベル向上を図る必要がある。

とはいえ、どの職種につくにせよ、チームでひとつの作品を手がける上で、

CG制作全般のことを知っておくことは必要である。制作過程のすべての作業

の基本的な知識を幅広く身につけておくことが望ましい。しかし、限られた期

間の中でCG全般の技能を深く学ぶことには限界もあり、それは望まれている

ものでもない。3・4年次では、興味のある分野を特定し、自らが進みたい方

面への知識を深め技能を高めることが望まれている。就業先でその分野の業務

が担当できるかどうかはわからないが、特化して興味を持ち、掘り下げて深く

学習することは無駄にはならない。

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<インタビューにて聞かれた「学習範囲」についての企業担当者の意見>

A社社長:

・ 学校で学ぶのは短い期間なので、あれもこれもは無理だと思う。ここだけ

は強みだというものを特化して学んでほしい。広く浅くより何かひとつ、

一人前になれるものをもつこと。

B社 副社長:

・ アニメーターは常に人材不足で需要がある。

・ モデリングなどは、手順を憶えたら誰にでもできるので、中国などでやり

始めている。モデラー希望者は多いが、モノやメカのモデリングだけが得

意なモデラーでは、今後、厳しい(昔はそれだけでも優れた人は脚光をあ

びたが)。キャラ作りは誰にでもできないので、キャラクターモデラーを

目指すと良い。

・ 新卒者にモデラー希望者が多いが、アニメーションの授業は「まだ、これ

からです」と答えた学生もいたことを考えると、アニメの授業にまでたど

りつけずに就活時期を迎えているために、経験のあるモデラーを志望する

人が多いのではないか。

・ 学校でアニメーションの勉強をもっとしてほしい。需要があるので。まず

は、2Dアニメの勉強を。それからCGでアニメを作る時間ももっととっ

てほしい。3・4年制で時間があるなら、アニメを必須にしてほしい。

C社プロデューサー:

・ 現場では、映画制作のような大がかりなものを制作するなら細分化したス

ペシャリストのスキルを深めていくし、CM制作のよう短いものなら全体を

把握するジェネラリストになる必要がある。しかし、学生は特化せずにジ

ェネラリストとして全般を広く知る学習をしておいてほしい。

・ CGだけでなく実写のカメラ撮影手法なども知っておくと良い。幅広い知

識が後々役に立つ。

D社 取締役:

・ 全般的に深い知識と技能を身につけるのは困難。モデリング、コンポジッ

トなど、どれかひとつ得意分野(強み)を身につけてほしい。

E社 取締役:

・ CGもゲームも、入社後は分業体制になり職種によって使う技術は偏る。

CGの全般知識を広く浅く知っておきながら、得意分野をひとつ持てるよ

うになると強い。

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クリエータとしての感性

CG制作は、専門的な深い知識や技術力を必要とすると同時に、クリエイティ

ブでアートな側面もあわせ持つ仕事である。また、建築や医療、商業界など、他

業種のさまざまな事柄と関わるコンテンツを制作する機会が多く、幅広い知識を

もっていることが役に立つ。ゆえに、常に新しい事に対する興味と好奇心をもっ

て学び続ける姿勢が大切である。

また、プロデューサーやディレクター、企画者はもちろんのこと、一制作者で

あっても、人を楽しませる、感動させるものを制作するための努力をしなければ

ならない。そのためには、時代の流れに沿ったトレンドや、CGを鑑賞する対象

者の指向や価値観を感覚的にでも掴んでいる必要がある。多くのCG関連の制作

物を鑑賞し、どのようにして作るのか、という視点で自分なりに研究するなどの

機会をもつことが望ましい。

さらに、仕事として業務を行っていく限りは、ビジネス感覚も持たねばならな

い。良い作品を制作するために、いくらでも時間をかけてもよいというものでは

ない。制作時間を含めたコスト意識をもち、できれば自分の作品のプロモーショ

ンやマーケティングまで視野に入っていれば理想的である。広い意味でのセルフ

プロデュース力が求められており、それができれば、大学卒や美大卒などよりも

成長でき、会社にとって必要な人材となりえる。

<インタビューにて聞かれた「クリエータとしての感性」についての意見>

A社社長:

・ 基本的にクリエータ職は、「人を楽しませる」「人を助ける」ということに、

喜びを感じられる人でなければできない。

・ 専門外でも幅広く興味をもっていろいろな世界を見ることは大切。クリエー

タならそういう姿勢は当たり前だと思うべき。例えば、若い人がテレビを見

なくなったと言われるが、良い TV番組を見るだけでも視野は広がる。

B社 副社長:

・ 実写も含め映像をたくさん見て、なぜ、そのシーンになるとかっこよく見え

るのか、気持ちが高ぶるのか、など、自分で研究することが大事。

・ インターネット経由で見る作品や、スマホで見る作品は、性質上画質が低い。

良い作品がチープになり感動も薄れるものになるので、視聴環境も大事。本

物をたくさん見るべき。

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C社 取締役:

・ 新卒者においても、時代に沿った感覚やセンス、トレンドに敏感であるなど、

時代の流れを把握する能力を持っていてほしい。普段から、世間のニュース

や流行に敏感な人がいい。人を感動させられるモノを作っていかなければば

らないので。

・ 自分が作ったものを自分が楽しむのではなく、他の人が楽しめるのかどうか

を考えられる頭が必要。

G社プロデューサー:

・ 学生の方には世界の映像作品をたくさん見て研究してほしい。メイキングな

どもあるので。欧米には最新技術を取り入れたすばらしい作品があるので、

それを観て自分もそれを超えるような作品を作るのだ、という気概をぜひ持

ってほしい。

H大学(CG専攻)教授:

・ 広い視野を育てるために、専門外のこともいろいろな経験をすること。人間

関係も、趣味も遊びも。100くらいの引き出しをもっていると強い。

・ 視野を広くするためには、敵情視察もよい。海外のものを見る、調べる、あ

るいは、大学や他の専門学校の展示会などを見て回るなど、ライバルを見て

刺激を受けることも必要。

・ 技術の習得だけでなく、世の中に何があるのか、幅広くアンテナをたててお

くことが重要。

・ 学校で習っていることは現状のトレンドでしかなく、将来変わる可能性があ

る。たとえば、主たるメディアは変わっていく可能性が高い。それに対応で

きなくてはいけない。

・ 今ある技術で将来、何ができるか。たとえば、昔はロボットとアニメーショ

ンは接点がなかったが、今では介護ロボットにヒューマンなコンテンツを搭

載することが求められてきている。そういうことに敏感になっておくべき。

・ ツールを使えるようになることは大切だが、ツールに対する依存度を高くし

てはいけない。ツールだけでは不十分。開発者と話せる程度のプログラム知

識、あるいは、建築に映像が入る場合にそなえて建築の知識など、関係者と

意志疎通できる広い知識があるとよい。

・ コンテンツのプロモーション、マネジメントやマーケティングの能力が欲し

い。これらが、日本は海外に比べて弱い。

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・ 学生のうちは、時間をかけていい作品を作る経験をするべきだが、社会に出

たら制作時間や経費などのコスト感覚が大切であることを、話しておく必要

がある。

・ セルフプロデュースができるようにするとよい。

新卒採用の判断基準

いかに優秀な学生であっても、新卒者は「実務に役立つ専門知識・スキル」は、

即戦力には遠く及ばないため、それらに大きな期待をされているわけではない。

学生には、入社時の技術スキルよりもむしろ実務に求められるスキルを伸ばす素

地となる「基礎能力の開発にどれくらい取り組んできたか」や、教育すれば「ど

れくらい成長が期待できるか」という点がより重視されている。

そういった意味で、企業は新卒者に、仕事に取り組む前向きな姿勢や協調性、

柔軟性、自ら情報を収集する意欲、自分の考えを明確に伝えることのできるプレ

ゼンテーション能力などのヒューマンスキルを求めている。

CG業界に限っては、常に人不足で需要がある。就職難と言われる理由は、新

卒者が求められるレベルに達していない人が多いために不採用になっているか

らである。その多くがマインドの問題である。絶対にこの仕事をしたいという情

熱や志を感じられれば、入社後の技術習得の吸収力が高いであろうと評価される。

<インタビューにて聞かれた「新卒者採用」についての企業担当者の意見>

A社社長:

・ 就職難と言われるが、CG業界に限っては、常に人不足で需要がある。CM

制作会社などは常に人が足りない。ただし、一人前の人が不足しているとい

うことであり、就職難なのは、求められるレベルに達しておらずスタートラ

インにもつけていない人が多いからである。多くはマインドの問題。苦労し

て頑張るという意識がない。

・ 採用時には、まず「スキル」を作品集で見て、面接で「ものの考え方」をみ

る。

・ 新卒を採用している。中途で変な癖がついている人は、レベルの低いところ

で満足してしまっていて、その意識を変えるのが難しいので、新卒を採用し

て基礎から育てる方針。

・ 技術スキルをアピールできるショートピースを持参してほしい。例えば、効

果的なエフェクト(ライティングや、爆発の絵づくり)など。見栄えのいい

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大作は必要ない。グループ制作での作品を持参されても、その人が何をした

のかわからないので、判断のしようがない。

B社 副社長:

・ 毎年 2~6人程度採用している。大卒、専門学校卒の区別はしていない。

・ ポートフォリオと面接で判断している。

・ 作品は、「こだわりがあるかどうか」「アニメなら、センスがあるかどうか。

例えば歩き方だけでも、キャラクタにあった歩き方をしているかどうか、な

ど」

・ ポートフォリオのレイアウトが、見せたいものをアピールできるように考え

て配置できているかどうか。

・ 毎年 2~6人程度採用している。大卒、専門学校卒の区別はしていない。

・ 面接では、「きちんと話ができるか、コミュニケーションができるか」「好

奇心があるか」「この仕事が好きか、本当にやりたいか」「聞いたことを理

解できているか」「興味の範囲が広いこと」を見る。

・ 人柄よりも、まずは作品。同じ力量ならコミュニケーション能力がある方が

いい。

・ 目立った自己アピールは不要。調子がいいだけではだめ。

・ 本当に映像やアニメーションが好きなのかどうかを見る。面接で話すとわか

る。コンピュータやゲームが好きだというだけでは良くない。

・ 需要はあるけど、いい人がいない。本当にCGをやりたい、またはやってい

るという人がいない。今の学生全般にそういえる。

・ 先生推薦の学生はレベルが高いが、昔は、そういう学生がもっとたくさんい

た。

・ アニメーターは常に人材不足で需要がある。

・ モデリングは作品の中に必須。しかし、モデリングだけでは判断できない。

モデルは単純なものでもいいので、それが動くものを見せてほしい。たとえ

ば、簡単なモデルを使って感情表現させる、箱のモデルでバスが走るように

動かす、など。

・ 3年制卒の学生は、作品をしっかり作ってきている。しかし、4年制卒にい

い人材を見たことがない。2年制と変わらないイメージ。カリキュラムがし

っかりしていないのではないか。

・ グループ制作の作品は見ても意味がない。本人が何をしたのかがわからない

から。

・ パーフェクトでなくて良い。一芸に秀でている強みがわかれば良い。

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C社プロデューサー:

・ 人間性を最重視する。やる気、明るさ、まじめさを持つ人が望ましい。CG

関連以外でどのようなコミュニティに入って活動していたか、そこでどんな

活躍をしたか、などで人となりを判断する。その上でCGのための基礎(デ

ッサンや造形などの基礎力)があること。インターンに来てもらえる場合は、

社内でまずデッサンをしてもらい、次に3Dの作品を作ってもらう。

D社取締役:

・ CG制作のソフトは最低限使えること。CG制作の中でも何か得意分野を持

っていること。学校以外からの情報を積極的に得ているかどうかでやる気や

意識の高さを判断する。入社後に、必要な情報を自ら得ようとする姿勢が必

要なので。

E社 取締役:

・ 新卒採用では、人間性をより重視する。入社後の伸びに期待する人材なので。

問題解決能力とコミュニケーション能力を持っていてほしい。内にこもらず

まわりと交流が持てれば、問題が起きた時にまわりに協力を求められるので。

それから、ポジティブ思考ができること。困難なことが起こったときにも、

なんとかなると思える人なら乗り切れる。

F社人事役員:

・ 絵を描く力。時代に沿った感覚やセンス。CGに限らず世間のトレンドに敏

感であるかどうか。

・ 面接では、自分の考えやスキルを自分の言葉できちんと伝えることができる

かどうか、将来を考えていて夢や志を持っているかどうか、業界や会社のこ

とをよく知っているかどうかをみる。

・ 採用試験は課題を与えてデッサンをさせる。曖昧な課題を与えることで、発

想力もみる。提出作品では得意な分野がわかる。

・ さらに6人一組でグループディスカッションをさせる。その際、答えの出に

くいテーマを与えて1時間討論させる。ディスカッションでは、プレゼン能

力やコミュニケーション能力をみる。

G社プロデューサー:

・ CGのスキルよりも吸収力の高い人。絶対にこの仕事をしたいという情熱や

志があり、真面目で素直な性格であれば、入社後の技術習得の吸収力が高い

と考える。これは、面接時の受け答えで判断できる。インターンで来る学生

の場合は、仕事ぶりや人との接し方でわかる。

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・ 吸収力の高い人材ならば専門スキルの習熟度は問わない。採用は試験、面接、

持参作品で評価する。試験は課題のデッサン。作品は自由だが、ツールでな

んとなく作ったムービーを持ち込まれても良し悪しの差が出にくく判断で

きない。例えば、4年間作り続けた正確なモデリングを 100個持参してくれ

た方が、説得力がある。

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2.アンケート調査(参考資料)

■アンケート調査結果

アンケート調査は、全国の専門学校を対象にゲーム・CG教育について、現

在の教育実態の情報を収集することを目的とし、「コンテンツ(ゲーム・CG)

分野教育実態調査」のアンケート用紙を配布しFAXで回収する形式で、アンケ

ートを実施した。項目によっては、自由に記載できる枠を設け、意見を広く求

めた。

1.貴校に設置されている分野および設置学科数についてお聞かせください

(複数回答)。

1)工業分野( 54 学科) 1校あたり平均 ( 1.5 学科)

2)農業分野( 0学科)

3)医療分野( 0学科)

4)衛生分野( 0学科)

5)教育・社会福祉分野( 0学科)

6)商業実務分野 ( 34学科) 1校あたり平均 ( 0.9 学科)

7)服飾・家政分野( 0学科)

8)文化・教養分野( 47学科) 1校あたり平均 ( 1.3 学科)

2.貴校に設置されている学科(コース)の系統をお聞かせください(複数回答)。

1)ゲームクリエータ系学科(コース)

2)ゲームプログラミング系学科(コース)

3)ゲームCG系学科(コース)

4)3DCG系学科(コース)

5)その他(上記以外)の学科

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3.ゲーム・CGやアニメ、映像、音響などコンテンツに関連する学科もしくは

科目の教育についてお聞きします。

1)学科やコースとして既に設置している

2)学科やコースではないが教育科目として既に取り入れている

3)講習や研修等短期間で行う教育として実施している

4)学科やコースとして今後設置を予定している

5)学科やコースではないが教育科目として今後教育実施を予定している

6)学科やコースとして今後設置するかを検討している

7)学科やコースではないが教育科目として今後教育に導入するかを検討し

ている

8)今後も学科・コースの設置や教育科目の導入の予定はない

9)導入しない理由:

・グループに同学科があるため

・教育内容に該当なし

・地元企業・高校生のニーズが多くない

・他校がすでに行っている

・学生が集まらない。就職先がない。

・過去に設置していたが学生が集まらない。

ハード、ソフトウェアが高価、ソフトの変化が早い、

またそのための教材や素材が少ない。

・中山間地域にあるため、教育スキルを持った人材の確保が厳しいことと社会

的なニーズが無い。

3で 1) と 2) と 3) に回答された学校にお伺いします。

4-1 授業時間数についてお教えください。

1)ゲーム・CG等の制作時間

年 平均340時間、最長600時間、最短72時間

2)ゲーム・CG等の講義・座学時間

年 平均192時間、最長420時間、最短40時間

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4-2 授業で使用する設備、ソフトウェア等についてお教えください。

1)ハードウェアはどのようなものを使用していますか

2)ソフトウェアはどのようなものを使用していますか

ハードウェア

ハードウェア

1 Apple MacPro

2 WindowsPC(Dell Workstation).

3 WindowsPC(HP Workstation).

4 WindowsPC.

5 Windows マシン

6 Mac

7 Windows XP

8 Mac Books

9 Linux(Windous rデュアルベート)

10 Windows デスクトップ(ゲームプログラミング)

11 Windows ノートPC(ゲームプログラミング)

12 Windows デスクトップ(CG,3PCG)

13 Windows デスクトップ(ゲームCG)

14 Windows デスクトップ(2DCG)

15 HP社 Z400

16 HP社 DC7700

17 HP社 XW4550

18 Mac

19 DELL Studio XPS

20 HP dv6

21 Dell社 デスクトップPC

22 デスクトップパソコン(DG実習用)

23 ノートパソコン(学生所有)

24 Mac

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ソフトウェア

ソフトウェア

1 Light Weve 3D

2 Illustrator/Photoshop/Premiere/

3 AfrorEflect/MicroSoft

4 office/VisualStudio

5 C+4/Maya/3dsMax

6 Softimage/Photoshop/Illustrator/Aftereffects/etc

7 Adobe Photoshop/Adobe Illustrator/Adobe Flash/Adobe

Flex/Android SDK/Eclipse

8 Microsoft Visual Studio/CTT/CPI/3ds max/Photoshop/After

Effects/Premiere

9 Adobe CS4 Preduction Premium/AutodeskEdacationSuite2011/

10 MicroSoft VisualStadio/Edge(ドット絵ツール)

11 Visual Studio/Photoshop/Illustrator/3ds max

12 3DSMax/イラストレーター/フォトショップ/Flash/AfterEffect/

13 Premiere/VisualCtt2008/その他フリーソフト

14 Illustrator/RETAS/Flash/photoshop/AfterEffects/Final Cut Pro

4-3 授業はどのような教材を利用していますか(複数回答)。

1)市販の専門書

2)市販の概要書

3)各種資料等の抜粋

4)独自作成の教材

5)その他 具体的に:

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4-5 教材に関する不満な点としては、どのようなものがありますか(複数回答)。

1)知識ベースの教材ばかりで、実践的なものが少なくて困っている

2)知識ベースの教材は、専門用語等が多すぎて困っている

3)教員の指導書が見あたらないため教育が円滑に進行しない

4)実習や演習等を行うための教材や材料、素材が少ない

5)技術やハードウェア、アプリケーションの変化が激しく困っている

6)特別困っていることはない

4-6どのような教材があれば、御校で採用を検討されますか(自由記入)。

・独自制作で対応しているので、採用予定はない

・自習時に参考になるような教材

・中級者向けの教材

・技術的な教材ではなく人間性をきたえるコースウェア、シラバスの例を多く知りたい

・質感設定やリギングなどの手順をわかりやすく解説しているムービーとシーンファイル

のセット、できれば中級者レベルの内容が良い

・CG-ARTS教会の教科書のように、その分野に必要な知識を系統立てて編集

してある教科書は積極的に採用検討しています。実習にも使用できる教材

データが同梱してあれば、なお良い

・ゲームプログラミングに関する使いやすい教材。テキストがない。独自に資料作成を

行っているため、負担となっている。ある程度、体系化されたテキストがあると

良い

・学生のテキストとして採用したいものがあるが、高価なため見送っている。

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4-7 教員の調達や養成は、どのように行っていますか(複数回答)。

1)教員を研修業者が主催する研修を受講させてノウハウを得ている。

2)以前に業務を経験した教員を配置している。

3)実際に制作をしている方を非常勤講師として雇用している。

4)派遣業者から教員を派遣してもらっている。

5)その他 具体的に:

・担当教員が独自に教材作成を行っている。

各教員の努力による、研修等が見あたら

ないため養成が困難。

4-8 どのような研修があれば受講を検討されますか(自由記入)。

・授業の内容について具体的に指導法を学べるもの

・第一線の業界技術と機械操作テクニック

・業界のトレンドと方向性を解説してもらいたい

・コーチンク等、技術に関する事よりも、指導方法(対人関係)の研修があると良い。

・ツールやスクリプトの実用的な例や使用法の講義

・グラフィックデザイン系のデザインソフトの教え方を実践的に学べるものであればとお

もいます。

・3DCGアプリで制作した形状やアニメーションをWindowsやAndroid上で実際

に表示、動作させる過程の解説のような、実践型研修を希望します。

・実践的な内容である程度の期間(2日~3日)実地される研修

・ゲームプログラミングの基礎~中級レベルを学ぶもの

・Flashアクションスクリプトによるゲーム作成

・スマートフォン向けゲーム作成

・より具体的なゲーム制作に関する研修が良い(中級レベル)

・アプリのオペレーション習得を目的とした研修

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4-9 御校の学科・コースではどのような人材を育成することを目標としていま

すか(自由記入)。

・学生からの要望に柔軟に対応できる人材

・映像業界、音響業界に就職採用され、アシスタントとして役だつ人材(知識、技術、

社会人マナー)また将来、業界と担うクリエータとしての素養を育成

・業界で即戦力になる様なスキルと職業人としての教育を行っております。

・ゲーム関連は学科名、コース名では運用していない。洞用で使えるプログラミングや、

CGを教育している。ケースバイケースでオーダーがあった場合、個別で対応。

・仕事に対してねばり強く取り組める人間性とゲーム・CG分野で実践に活か

せる高いレベルの基礎知識をもつ人材を育成する。

・CG制作を基本としたデジタルメディア全般に長けた人材

・好奇心を持ち未知の可能性にチャレンジできる人材3、礼節を持ち誰とでもコミュニ

ケーションが取れる人材

・グラフィックデザイン、ジュエリー、陶芸等を実践的にできる人材を目標としています。

・チームワークに必要なコミュニケーション能力やビジネス能力を身につけ、実際の現場で作品

制作をするために必要な技術や知識を習得した学生を育成する事を目標に

しています。

・自ら考え、行動できる人材

・作品制作を通して、創造力、自主性、協調性を持った人間性豊かな人材の育成

・アニメーション科では、デザイン専門学校の強みを活かし「高い作画力を備え

たアニメーターの育成」を教育目標としている。

4-10 学生の就職活動や卒業生を採用している企業から、御校の学生についてど

のような評価をいただいていますか(自由記入)。

・専門分野の能力よりもコミュニケーション力や一般知識で指導事項が多い

・採用していただいた学生は、いづれも(知識、技術、将来性)に問題はない。

クリエータとしての素養、可能性をさらに磨いてもらいたい。

・スキルはもちろんのこと、コミュニケーションの高さを評価いただいております。

・ねばり強く仕事に取りくむところが評価されていると聞いております。作

品レベルに関しても、高い評価をいただいています(業界の方のリップサービスか

もしれませんが)一度採用していただいた企業からの引合いが多い。

・業務に対して真面目で、よく働いてくれると評価をいただいております。

・最近はレベル(スキル、デザイン)が高くなったと評価されています。

・礼儀正しくビジネスマナーを身につけていると評価を頂いています。

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・基礎レベルの知識、技術をより確かにする。・コミュニケーション力を高める

※学生によって評価はまちまちである。

・アニメーション科では、すぐに通用するレベルのスキルに至っていない点や「絶

対になる!」という熱意が希薄なこと、コミュニケーション力が不足している点など

が就活時に指摘されます。

Q3で 4) ~ 7) に回答された学校にお伺いします。

5-1 現状で問題であるとお考えのことはどのようなことでしょうか(複数回答)。

1)学生が集まるかどうかわからない

2)教員の育成が難しい

3)教員の調達が難しい

4)体系的なカリキュラムがない

5)教材を作ることがむずかしい

6)実習やインターン等の実践的教育が行えない

7)その他 具体的に:

■以下は、全員の方にお伺いします

6.本事業では、ゲーム・CG分野のスキルマップ・教育カリキュラムの開発を

行っています。また、開発終了後は説明会を実施することが決定しておりま

す。この説明会へのご参加を検討されますか。

1)参加したい

2)実施要項を見てから参加を検討したい

3)どちらともいえない

4)参加は検討しない

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7.コンテンツ分野において、専門学校が育成すべき人材はどのような人材だと

思いますか。

・企画から製作までの流れを理解して仕事ができる人

・スキルだけでなく、周囲とのコミュニケーションがしっかり取れる人材が求められていま

す。また、大人数でのチーム制作ができる人材も求められていますが、これもコミ

ュニケーション力が求められているからだと思います。

・ゲームにしろ、CGにしろプラットホームの変化が早い為、専門学校では「企業が求

める人材」に輩出につきると思います。逆に言えば社会のニーズを見据えて、

小回りがきき、時代時代に合わせたカリキュラム作り、人材育成しなければなりま

せん。

・現段階において、専門学校が目指すべきコンテンツ分野の就職職種は、デザイナーの

もとで素材制作を行う職だと考えている。コンセプトデザインなど高いデザイン力

を必要とされる分野に関しては、美大、芸大が育成すべきだと考えるが、将

来的には本校でも取り組む可能性がある。 以上と前提に本校では育てる

人材像を考えている。

○素材制作を行う人材として必要な能力

1、依頼されたことを理解する能力

2、駄目出し(修正)等に粘り強く対応できる人間性

3、デザインコンセプトを理解し素材作成を行う力(技術力含む)(素材

とは、3Dモデルデータやキャラクターイメージデータ、モーションデータのことを指す)

1~3の能力をベースにキャラクタ、背景などのデザイン力をもつ人材を

育成(カリキュラムでは1~3を強く意識している。)

・技術的な側面から、業務に対してアプローチができる人材。大学のように幅広

い知識と専門分野の研究ということではなく、実務として制作をどう進

めて行くかやそれに必要な技術は何かということが判断でき、実行でき

る人材が望ましい。社会に出て実務となれば知識も技術も両方必要とな

るため、目指す人材は同じになるが、専門学校として育成するべきという

ことであれば、技術的、実務的なスキルが高くなるような人材で良いと考え

る。

・近未来社会を鑑み、その将来にも対応していける基本を身につける教育と

基本的な社会人としての適応力をつけた人材の育成を目指します。

・大学などの研究期間と比べ短期間で、専門性を持った企業の即戦力となる

人材を育成すべきだと思います。 実際に当校へは大学や大学院の学歴

や、社会人から入学する学生が少なからず居り、仕事に直結した実践型の

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教育機関として社会的責務を果たすべく努力しています。 企画やデザイ

ン、プログラミングなどの分野別に実際の業界経験者を配し、現場での経験を

紹介し、実習授業も現場に近い制作環境を体験させることで、短期間に高

い学習効果を帝京することが専門学校に必要な要素だと思います。

・即戦力と成りえる人材。

・基本的な知識と技能を持った人材 ・意欲的に学ぶ姿勢を持った人材 ・

周囲との強調を行える人材

・制作スキルだけでなく、今後は企画・提案やディレクションなどもできる人材でな

ければ実社会 で通用しなくなると思います。

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■アンケート考察

●教育現場に応じた教材の必要性

4-3、4-4、4-5の調査結果により、専門学校で採用されている教材は、「市販

の専門書」、「独自作成の教材」がメインであるが、市販の教材に以下のような

問題点があることが考 察される。

○実技能力を育成するために必須となる演習や実習に活用できる教材が少ない

市販教材を利用するには、「ゲームに特化した内容である」、「教材の想定して

いるレベルが学生のレベルと合っている」、「教材の採用している実行環境が専

門学校の環境と一致している」という条件をクリアしなければならない。

まず、教育レベルの観点から考察する。

ゲーム開発で採用されている技術解説書は数多く出版されているが、ゲーム

開発に特化した内容になっているものは少ない。また、専門学校で採用するた

めには、初学者向け、又は中級者向けの内容が中心になると思われるが、これ

らのレベルに該当する専門書があったとしても、当然のことながら学生のレベ

ルとの間に微妙な違いが発生する。これに対応するためには、レベルの差分を

独自教材として作成することで対応することになる。さらに、市販本は指導用

教材としては作成されていないので、担当教員によって指導方法にバラつきが

発生するという問題が発生する可能性がある。

次に、環境のギャップについて考察する。

上記の問題をクリアできたとしても、専門書の実施環境と専門学校の環境が

一致していない場合には、市販本の採用は難しい。環境の違いに対応するため

の差分教材を作成するか、専門学校の環境を市販本に対応させることになるが、

後者は実施環境のリプレース時期以外では対応しにくいと考えられる。

このように市販本には学校教材として満足できない部分も多いため、ゲーム

開発に特化し、学校の環境に準拠した独自教材の開発が必要である。ただし、

コスト的に学校単位で作成することが困難であることも多い。そのため、ゲー

ム開発に関連する学科を保有する専門学校で標準的なカリキュラムや環境を

整えて、これに準拠するテキストを作成することで対応する必要があると考え

られる。つまり、基礎学習などは各学校で共通化する必要がある。その上で、

選択科目などにより各学校の特色を打ち出すということが考えられる。

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●実践的な教育ができる教員の育成

4-6、4-7の調査結果により、以下のことが考察される。

教員の調達については、現場経験のある教員を採用したり、非常勤講師として製

作現場の人材を際採用していることが多い。これは、就職先である企業が求めて

いる、実践的な教育という要望に即した状況である。しかし、ゲーム業界では技

術の変遷が激しいため、過去にゲーム開発を経験したというレベルでは、最新動

向や現在主流の開発スタイルなどの指導が可能であるとは限らない。

非常勤講師として現役の開発者を講師に採用している実績も多い。教員と開発

現場の人員を相互に交流させるなどの産学連携を進めることが好ましいことが

伺える。専門学校の教員は開発現場で最新の動向を学び、開発現場の社員は専門

学校で新しい知識やスキルを学ぶといった相互連携が考えられる。実現にはいく

つものハードルがあるが、まずは開発現場と専門学校の教員との交流の場や勉強

会を実施するなどから始めることが現実的な方法として考えられる。

●社会人・ゲームクリエータとしてのマインドが重要

4-8、4-9の調査結果より、以下のことが考察される。

専門学校での指導方針としては、基礎技術の習得を中心に構成されており、卒

業生の評価としても概ね基礎力を評価される結果となっている。ただし、コミュ

ニケーションや熱意の面で今一歩という評価も見られる。これは、基礎知識や基

礎技術の習得のカリキュラムは充実しているが、学生のモチベーションを向上さ

せたり、開発現場を意識したチーム開発などによる実践的なヒューマンスキル習

得のためのカリキュラムとなっていないことが原因の一つであると考えられる。

ただし、ヒューマンススキルを机上で学習するだけでは、実践的な効果はあま

り期待できないので、基礎知識や基礎技術を習得するカリキュラムに加え、グル

ープ演習やディスカッション、プレゼンテーションを盛り込むことによって、そ

れらを応用する力を身に着けさせることが望まれる。また、ゲームクリエータの

講演などを聴講したり、外部講師として招くなどで、ゲーム業界への興味、夢、

意欲などを醸成するなどの工夫も効果が高いと考えられる。

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●専門学校が育成すべき人材

7、8の調査結果より、以下のことが考察される。

これまでのアンケート結果とあわせ、専門学校が認識している「育成すべき人

材」は、以下の 3つに集約される。

●基礎知識や基礎技術を習得し、与えられた仕事を正確に実施できる

●使用するツール類の操作方法をマスターしている

●仕事やスキルアップに対する意欲があり、他者とのコミュニケーショ

ンができる

上記は一言で言えば「即戦力の育成」ということになるが、これらは、企業

の求める人材とマッチしており、育成方針としては適切であると考えられる。

しかし、実際には後述する企業ヒアリングにおいて、必ずしも上記のような人

材が専門学校から輩出されていないといという実態も明らかになっている。つ

まり方針を実現するだけのカリキュラムや授業が実践されていないという状

況であることが考えられる。

さらに、上記のような内容を、専門学校の学習期間のみで習得することは難

しい。「即戦力の育成」とは、ベースとなる理論(知識や技術)を十分に習得さ

せ、あわせて現場で使える活きた要素を併せ持たせることである。前者は時間

をかけることでその対応は可能であるが、後者は様々な工夫が必要である。ま

た、後者については、本来は就職後、仕事を実践して身に着けていく内容であ

るが、それらを促進するための素養を育成することは可能であると考える。

そもそも就職先での仕事内容は個人ごとに異なるので、就職先を想定して集

団教育を行うことは現実的には不可能である。しかし、就職後に、必要な知識

を貪欲に習得し、スキルを身に着ける基礎力を育成することは、どのような仕

事内容に従事するかに依存しない。もちろん基礎といっても机上知識だけなく、

前述の開発現場との交流を行うことなどによって基礎と開発現場の結びつき

を意識することで、学生のモチベーションを維持し向上させると考慮も必要に

なる。

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3.CG分野スキルマップ

CGクリエータ共通に求められる基礎能力

■ CGクリエータに共通して重要視されるスキル(新卒・未経験者)

専門分野 固有スキル

/知識

内容

マネジメント 計画力 締切を重視することができる

コミュニケー

ション能力

協調性 チームワークを理解し、チームで働くことができる

関係者と協力しあって共通の目標に向かうことができる

情報発信 文章、会話によるコミュニケーション能力

傾聴力

先輩や現場の人の言うことを熱心に聞いて理解すること

ができる

明瞭な情報の流通を行うことができる

礼儀正しさ 挨拶やお願い、お礼、お詫びなどが礼儀正しくできる

自己主張 自分の感情を素直に、適切な方法で伝える事ができる

自分の主張を相手に押し付ける事なく伝える事ができる

行動特性 責任感 自分の行動や言動に対し責任を持つ

規則性/秩

決まりやルールに従って秩序ある行動を取る

忍耐力 作業修正依頼が重なってもめげずに対応することができ

どんな状況にあっても諦めることなく状況の打開に努める

集中力 物事へ強い意欲で集中的に取り組む

持久力 目標に向かってコツコツと粘り強く物事を進めていく

行動力 何事も、テキパキとすぐ実際の行動に移す

自己確信 ある作業を繰り返すことで、問題解決が図れるという見

通しを持ち、継続することができる

自分の能力、資質に対し自信を持ち、難問や大きな課題

にも完成を信じて持続的に取り組める

向上心 既存の状態に満足せず、よりよい状態を追求し、よりよ

い結果を出そうとする欲求が強い

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意思決定 問題解決力 できないことやわからないことがあったとき、他人の

協力や助けを求める事ができる

情報収集・

分析力

冷静で客観的な物の見方や態度を取ることができる

リーダーシッ

イニシアチ

自分の意思で積極的に行動する

自らの判断で、より良いものを目指すことができる

■背景モデリングに重要視されるスキル(新卒・未経験者)

専門分野 固有スキル/知識 内容

2DCG オペレーション 画像編集ソフトを操作できる

3DCG 質感表現 素材(木、ガラス、石、布、金属など)に対する知識

を活用した製作ができる

モデリング デザイン指示に応じたモデル製作ができる

■キャラクターアニメーションに重要視されるスキル(新卒・未経験者)

専門分野 固有スキル

/知識

内容

アニメーショ

ン理論

アニメー

ション基礎

アニメーションのタイミングの重要性について理解して

いる

キーフレームアニメーションの基本を理解している

アニメーションにおけるドローイングの役割および

重要性を理解している

演出理論 演出基礎 各種ショット(クロースアップ/ミディアム/エスタブ

リッシングなど)を理解している

クリエイティブ、芸術的、倫理的判断能力を備えている

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60

CG分野カリキュラム

3年制課程

科目 内容 1年次 2年次 3年次

CG概論 CG基礎知識 32

映像表現 基礎

グラフィックデザイン

アニメーション理論

演出理論 12

VFX

CG数学・物理 CG制作における数学・物理概念、

計算手法

20

デッサン 構造・比率・構図のバランス 32

量感・質感などの基本表現 64

複雑なモチーフのデッサン、人物

クロッキー

32

高度なデッサン力と表現力 64 64

造形基礎 色彩・形態・構成 32

2Dグラフィックス 素材知識と質感表現、映像の加

工・編集(PhotoShop、AfterEfect

使用)

48

2Dイラスト作成、写真加工、レイ

アウト(PhotoShop、Ilustrator使

用)

48

CG基礎実習 3DCGソフト基本操作(Maya) 128

モデリングソフト基本操作

(ZBrush)

32

人物のドローイング、動作・表情

の表現

48

3DCGアニメーション 64

モデルデザイン技法 64

デザイン発想 32

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61

CGプログラミング C言語とOpenGL 基礎 48

OpenGLやMaya上の技法 48

Mayaのプログラミング機能 MEL 48

C言語 48

アルゴリズム 48

映像 カメラワーク・カメラレンズ特性 12

ライティング 12

撮影 12

実写映像編集 12

作品鑑賞(映画・CMなど) 24 24 24

演出 シナリオや絵コンテの製作 36

脚本製作 12

Web製作 WebデザインとWebスクリプト、

Flash

32

コンピュータ基礎 コンピュータの基礎的理解と基本

操作、情報セキュリティ

32

英語 文法基礎 64

長文読解 64 64

ディスカッション グループディスカッション、 48 48 48

CG特論 メディアの特性理解 48

広告宣伝コンテンツ基礎

ゲームCG

最新技術動向(デジタルサイネー

ジ・立体3D映像理論・AR:拡張現

実 など)

20

業界研究 16

CG実習 CG制作応用 128

ポストプロダクション 32 64

モーションキャプチャ、立体3D、

ARなどの最新技法

32

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62

制作マネジメント 企画(設計・コンセプト立案・計

画)

32

発案から作品完成まで制作全般の

プロセスワークフロー

32

ドキュメント作成 報告書や論文

作成

32

企画や作品のプレゼンテーション 32

CG制作・研究 課題研究・制作 320

ポートフォリオ制作 ポートフォリオの制作と効果的な

プレゼンテーション

32

ディスカッション 作品プレゼンテーション、相互評

32

就職指導 論文の書き方、面接、企業訪問、

ビジネスマナーなど全般

32

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63

4年制課程

科目 内容 1年次 2年次 3年次 4年次

CG概論 CG基礎知識 32

映像表現 基礎

グラフィックデザイン

アニメーション理論

演出理論 12

VFX

CG数学・物理 CG制作における数学・物理概

念、計算手法

20

デッサン 構造・比率・構図のバランス 32

量感・質感などの基本表現 64

複雑なモチーフのデッサン、人

物クロッキー

48

高度なデッサン力と表現力 192

造形基礎 色彩・形態・構成 32

2Dグラフィック

素材知識と質感表現、映像の加

工・編集(PhotoShop、

AfterEfect使用)

96

2Dイラスト作成、写真加工、

レイアウト(PhotoShop、

Ilustrator使用)

48

CG基礎実習 3DCGソフト基本操作(Maya) 96 96

モデリングソフト基本操作

(ZBrush)

32

人物のドローイング、動作・表

情の表現

48

3DCGアニメーション 64

モデルデザイン技法 64

デザイン発想

32

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64

CGプログラミ

ング

C言語とOpenGL 基礎 64 64

OpenGLやMaya上の技法 64

Mayaのプログラミング機能

MEL

64

C言語 64 64

アルゴリズム 48

映像 カメラワーク・カメラレンズ特

12

ライティング 12

撮影 12

実写映像編集 12

作品鑑賞(映画・CMなど) 24 24 24 24

演出 シナリオや絵コンテの製作 48

脚本製作

Web製作 WebデザインとWebスクリプト、

Flash

32

コンピュータ基

コンピュータの基礎的理解と

基本操作、情報セキュリティ

32

英語 文法基礎 64

長文読解 64 64

ディスカッショ

グループディスカッション、ホ

ームルーム

48 48 48 48

CG特論Ⅰ メディアの特性理解 64

広告宣伝コンテンツ基礎

ゲームCG

CG特論Ⅱ 最新技術動向(デジタルサイ

ネージ・立体3D映像理論・AR:

拡張現実 など)

20

業界研究

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65

CG実習 CG制作応用Ⅰ 128

CG制作応用Ⅱ 128

ポストプロダクション 96

モーションキャプチャ、立体3

D、ARなどの最新技法

96

制作マネジメン

企画(設計・コンセプト立案・

計画)

64

発案から作品完成まで制作全

般のプロセスワークフロー

44

ドキュメント作成 報告書や

論文作成

32

企画や作品のプレゼンテー

ション

32 32

CG制作・研究 課題研究・制作 352

ポートフォリオ

制作

ポートフォリオの制作と効果

的なプレゼンテーション

32

ディスカッショ

作品プレゼンテーション、相互

評価

128

就職指導 論文の書き方、面接、企業訪問、

ビジネスマナーなど全般

32

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66

平成23年度文部科学省 成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業

「高度情報通信社会の進展に対応したIT分野の中核的人材育成のための調査研究」 【IT分野産学コンソーシアム】 ◎学校法人吉田学園 吉田情報ビジネス専門学校 学校法人中央情報学園 中央情報専門学校 学校法人片柳学園 日本工学院八王子専門学校 学校法人麻生塾 麻生情報ビジネス専門学校 学校法人秋葉学園 千葉情報経理専門学校 学校法人コンピュータ総合学園 神戸電子専門学校 学校法人第一平田学園 中国デザイン専門学校 学校法人電子学園 日本電子専門学校 学校法人龍馬学園 高知情報ビジネス専門学校 大阪大学 尚美学園大学 近畿大学 大阪市立大学 株式会社KEIアドバンス 株式会社ポリゴンピクチャアズ 独立行政法人情報処理推進機構 一般社団法人全国専門学校情報教育協会 ●CG分野分科会 ◎佐竹 新市 学校法人龍馬学園 理事長 龍澤 尚孝 学校法人龍澤学園 法人本部事務局事務局長/企画推進部 室長 中島 慎太郎 学校法人有坂中央学園 常務理事/広報本部長 河原 成紀 学校法人河原学園 理事長 野地 朱真 尚美学園大学 芸術情報学部 教授 大島 康広 株式会社プラザクリエイト 代表取締役社長 塩田 周三 株式会社ポリゴンピクチャアズ 代表取締役 藤本 光伯 株式会社セガ 開発生産統括本部

研究開発ソリューション本部 CS R&D推進部 副部長 加藤 俊彦 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部長 飯塚 正成 一般社団法人全国専門学校情報教育協会 専務理事

平成23年度文部科学省

成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業

「高度情報通信社会の進展に対応したIT分野の中核的人材育成のための調査研究」

CG分野調査研究報告書

平成24年3月

IT分野産学コンソーシアム

CG分野分科会

連絡先:〒164-0003 中野区東中野1-57-8 (一般社団法人全国専門学校情報教育協会事務局) 電話:03-5332-5081 FAX:03-5332-5083

●本書の内容を無断で転記、記載することは禁じます。