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細胞構造Ⅱ Glycolysis(解糖系) 全部で10の反応かな、Glucose Pyruvate まで分解さ反応。解糖系の反応 において、律速反応として働いていのは 1310 目の反応であ。 <解糖系の酵素反応> Krebs Cycle(Citrate Cycle, Tricarboxylic Acid Cycle, 酸回路) 8 の酵素にって触媒さ反応で Acetyl CoA の基 CO₂と HO に完全 酸化す反応機構で、1 の間に 3 分子の NADH1 分子の FADH₂、1 分子の GTP す。 酸の酸化:-CoA の成 Cytosol で成した pyruvate はに入って Acetyl-CoA に酸化さ. この反応は 2-酸の酸化的脱炭酸で, Pyruvate Dehydrogenase 複合体が触媒と して作す.この反応には,2 種類の補酵素(CoA NADH),3 種の結合型補酵 素, Mg2+が関与す.

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細胞構造Ⅱ

Glycolysis(解糖系)

全部で10の反応からなり、Glucoseが Pyruvateまで分解される反応。解糖系の反応

において、律速反応として働いているのは 1,3,10番目の反応である。

<解糖系の酵素反応>

Krebs Cycle(Citrate Cycle, Tricarboxylic Acid Cycle, クエン酸回路)

8コの酵素によって触媒される反応で Acetyl CoAのアセチル基を CO₂と H₂Oに完全

酸化する反応機構で、1サイクルの間に 3分子のNADH、1分子の FADH₂、1分子の

GTPを生産する。

ピルビン酸の酸化:アセチル-CoAの生成

Cytosol で生成した pyruvate はミトコンドリアに入って Acetyl-CoA に酸化される.

この反応は 2-オキソ酸の酸化的脱炭酸で,Pyruvate Dehydrogenase複合体が触媒と

して作用する.この反応には,2 種類の補酵素(CoA と NADH),3 種の結合型補酵

素,Mg2+が関与する.

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Pyruvate Dehydrogenase複合体

• Pyruvate Dehydrogenase

• Dihydro lipoamido acetyl transferase

• Dihydro lipoamido dehydrogenase

1,Citrate synthase(クエン酸合成酵素)

この酵素は Acetyl-CoAが Oxalo Acetateと反応して TCAサイクルに入る反応を触媒

する.反応は Acetyl-CoAのメチル基がカルボアニオンと Oxalo acetateのアルドール

縮合である.

2,アコニット酸ヒドラターゼ この酵素は,Citrate,cis-アコニット酸,Isocitrate の間の可逆平衡を触媒する.cis

-アコニット酸が中間体である.

3,NAD依存性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ

イソクエン酸デヒドロゲナーゼは,イソクエン酸の酸化的脱炭酸で 2-オキソグルタル

酸を生成し,CO2とNADHを生成する.哺乳類には 2種のイソクエン酸デヒドロゲナ

ーゼがあり,1 つはクエン酸サイクルに関与する酵素でミトコンドリアだけに存在し

NADを補酵素とする.もう 1つは,ミトコンドリアと細胞質ソルに存在し,NADHを

補酵素とする.

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4,2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体 この酵素は 2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼの酸化的脱炭酸を触媒し,CO2 と

NADH が生成する.反応はピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の反応と似ており,生

成物もスクシニル基と CoAの高エネルギーチオエステル化合物である.

• 2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ

• ジヒドロリポアミドスクシニルトランスフェラーゼ

• ジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ

5,スクシニル-CoAシンテターゼ この酵素は,高エネルギー化合物スクシニル-CoA の加水分解とヌクレオチド三リン

酸の合成を共役させる酵素である.

6,コハク酸デヒドロゲナーゼ この酵素はコハク酸を立体特異的に脱水素してフマル酸を生じる.また,この酵素は

ミトコンドリアの内膜に存在しており,FADは電子伝達系へ入っていく.

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7,フマル酸ヒドラターゼ この酵素は,フマル酸の二重結合を水和して(L)-リンゴ酸を生成する.

8,リンゴ酸デヒドロゲナーゼ この酵素はクエン酸サイクルの最終酵素で,(L)-リンゴ酸の OHはNADで酸化され

てケトンになる.

TCA cycle

概略図⇒

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葉緑体

葉緑体は包膜に包まれており、二重の生体膜(内包膜と外包膜)からなる。また、包膜

上には、様々なイオンのトランスポーターが存在する。葉緑体内部にはチラコイド膜

と呼ばれる膜構造があり、チラコイド膜は袋状に閉じていて、内部と外部はそれぞれ

隔離されている。チラコイド膜の外側をストロマ、内側をルーメンと呼ぶ。ストロマ

にはカルビンサイクルがある。チラコイド膜には4つの大きなタンパク質複合体が存

在する(光化学系 I・II・チトクロム b/f・ATPase)。これらの複合体の膜状の分布は均

一ではなく、光化学系 II のほとんど(LHCII の多い部分)は、グラナ中のチラコイド膜

とチラコイド膜が接している部分に分布する。光化学系 II の一部(LHCII が少ない部

分)・光化学系 I・ATPase はストロマと接している側にのみ分布する。チトクロム b/f

複合体のみはどちらの領域にも分布する。

内包膜と外包膜

葉緑体の生体膜には内包膜と外包膜があり、組成を考えると内包膜はほとんどが糖

脂質、外包膜は糖脂質・リン脂質がそれぞれ半分ずつを占めている。つまり、内包膜

はチラコイド膜と同じ組成をし、外包膜は細胞膜とチラコイド膜との中間の組成をし

ている。ラン藻が真核生物と共生する過程においてラン藻外膜と宿主由来の膜とが融

合した膜が外包膜であり、ラン藻由来の細胞膜が内包膜である。また、進化の過程に

おいて、ラン藻ペプチドグリカン層は消滅した。

糖脂質とリン脂質

糖脂質はスフィンゴ糖脂質・グリセロ糖脂質、リン脂質はスフィンゴリン脂質・グリ

セロリン脂質に分類される。糖脂質は SQDGを除き電荷を持たず葉緑体膜に存在する。

対して、リン脂質は電荷を持った脂質であり、葉緑体膜を除く全ての膜に存在する。

光合成

光合成とは光のエネルギーを使って CO₂を固定する反応のことである。つまり、電

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子伝達反応を介した光エネルギーの化学エネルギーへの変換反応である。

光合成は、光の有無によって明反応・暗反応に区分され、反応の行われる場所によ

って、チラコイド反応(電子伝達系・ATP合成系)・ストロマ反応(CO₂固定)に区分され

る。

チラコイド反応

チラコイド反応の役割は、化学エネルギーと還元力の生産である。チラコイド反応

は大きく電子伝達系と ATP合成系に分けることができ、チラコイド膜上には4つの大

きなタンパク質複合体がある。それは、光化学系 I 複合体、光化学系 II 複合体、チト

クロム b/f複合体、H+-ATP合成酵素複合体である。このうち光化学系 I、光化学系 II、

チトクロム b/f複合体が電子伝達系の主要経路となる。

電子伝達系の二つの光化学系にはクロロフィルという色素が結合してる。この色素

が光を吸収し、励起される。この励起エネルギーは、それぞれの光化学系の反応中心

に送られ、光化学系の反応中心は励起エネルギーを受け取ると励起され、電子を放出

する(光化学反応)。この放出された電子が電子伝達系内で伝達される。光化学系 IIの

反応中心から電子が放出されると、電子を失った反応中心に電子が供給される。この

電子は水を分解することによって得られる。水 2分子(2H₂O)を分解すると、二つの

電子(e-)、四つのプロトン(H+)、一つの酸素分子(O₂)が発生し、光合成で発生す

る酸素はこれに由来する。光化学系 IIの反応中心から放出された電子は、光化学系 II

内部で伝達されたのち、プラストキノンという小分子に伝達され、プラストキノンは

電子を受け取ると同時にストロマ側にあるプロトンと結合し、チトクロム b/f複合体へ

と移動します。そしてチトクロム b₆/f 複合体に電子を渡すと同時にルーメン内にプロ

トンを放出する。電子はチトクロム b₆/f複合体からプラストシアニンを経て光化学系 I

へ伝達される。光化学系 I では光化学系 II 同様に光化学反応が起こり、電子は光化学

系 I からフェレドキシンという小さなタンパク質に伝達される。この電子は最終的に

NAPD+(ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸)に渡され、NADPH が生産される。

このNADPHが還元力(電子供与体)としてカルビンサイクルで利用される。

ATP合成系では、電子伝達系で発生したストロマ・ルーメン間のプロトン濃度勾配(プ

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ラストキノンによるプロトンのストロマからルーメンへ運搬、光化学系Ⅱにおける水

分解におけるプロトンの発生)に従って、プロトンがルーメン側からストロマ側へとプ

ロトンが駆動されるときのエネルギーを利用することで ATPが合成される。

光化学系ⅠとⅡ

光化学系ⅠとⅡは、光エネルギーを化学エネルギーに変換する場であり、このエネ

ルギーの変換反応を駆動する光の波長が異なる。光化学系Ⅰは長波長の光によって駆

動され、光化学系Ⅱは短波長の光によって駆動される。この 2 つの系は直列な関係に

あり、長波長の光と短波長の光を重ねることによって量子収量(光合成効率)が大きく上

昇する(Emerson効果)。また、量子収量の最大値は 0.125である(8量子で炭酸固定が 1

回行われる)。

光化学系Ⅱ反応中心の複合体内電子伝達経路

光の吸収によりクロロフィル二量体(P680)から D1 タンパク質に結合しているフィ

オフェチン単量体(Phe)に電子が移る初期電荷分離が起こる。Phe から D2タンパク質

に結合しているプラストキノン AQ を経由して D1タンパク質に結合しているプラスト

キノン BQ に電子が移動する。酸化された P680(P680+)は D1タンパク質中の Tyr残基

から電子を受け取り元に戻る。Tyr+は、D1に結合しているMnクラスターから電子を

奪う。

光化学系Ⅰ反応中心の複合体内電子伝達経路

光の吸収によりクロロフィル二量体(P700)からクロロフィル単量体 A₀に電子が移る

初期電荷分離が起こる。A₀から、フィロキノンを経て Fe-S クラスター(2回回転軸上)

に電子が移動する。その後、膜外にある PSⅠ-C タンパク質へ電子が移動する。また、

電子は対称などちらの経路も通る可能性がある。また、還元された PSⅠ-Cはフェレド

キシン(Fd)のフェレドキシン-NADP+酸化還元酵素(FNR)を介してNADP+をNADPH

に還元する。

集光性クロロフィルタンパク質複合体

光を集める集光アンテナの役割を果たすアンテナクロロフィルの集合体である。反

応中心クロロフィルよりも励起状態エネルギーが高く、励起エネルギー移動で色素分

子間を移動してきた光エネルギーは反応中心クロロフィルにトラップされるので、効

率よく光エネルギーを反応中心に集めることができる。アンテナクロロフィル 300 個

あたり 1個の割合で反応中心クロロフィルがある。

光化学系ⅠとⅡの似ている点・異なる点

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似ている点

・ 反応中心が 2回回転軸を持つ

・ 初期電子供与体がクロロフィル二量体

・ 初期電子受容体がクロロフィル単量体

・ 二次電子受容体がキノン

・ 集光性タンパク質を持つ

異なる点

・ Chl a/bの比率が光化学系Ⅰで 5.2、光化学系Ⅱで 2.1、全体では 3.1になる。

・ 初期電子供与体→初期電子受容体→キノン受容体の電荷移動について光化学系Ⅰ

反応中心からの電子は左右のどちらを通る可能性があるが光化学系Ⅱ反応中心か

らの電子は決まった方しか通らない

・ 反応中心の補欠分子族は光化学系Ⅰでは 4Fe-4S クラスター、光化学系Ⅱでは Fe

原子

・ 光化学系Ⅰの方が電子の移動速度が大きい

チトクロム b₆/f複合体の機能

2 電子伝達から 1電子伝達への変換を行う(複合体間電子伝達)。PQH₂の酸化に伴いプ

ロトンをルーメン側に放出する。

redfb

ox PCHPQPCPQH 222 /2

6 ++ →+ チトクロム

Z-scheme→光合成電子伝達系

P.Mitchelの化学浸透圧説

膜の内外に発生するギブスエネルギー差( +H の濃度差項と電荷項)によって、+H がエ

ネルギーの高いほうから低いほうへと移動するときのエネルギーを利用して ATPを合成

する。

炭酸同化反応

電子伝達系で作られた還元力(NADPH)と化学エネルギー(ATP)を使って、CO₂を還元

して糖にする反応で、糖とは還元末端または 2 位にケト基を持つ炭素数 3 個以上の多価

アルコール。

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カルビン・ベンソンサイクル

反応経路は 3種類に大別される

1、CO₂の固定:RuBPのカルボキシル化による PGAの産生 →

2、糖の生成:PGAの還元 ATPと NADHの消費(解糖系逆反応) →

3、RuBPの再生:ATPの消費(解糖系逆反応とペントースリン酸経路) →

カルビンサイクルは別名還元的ペントースリン酸経路と呼ばれる。

RuBisCOの性質

炭酸固定系の key enzymeで、地球上で最も多いタンパク質。カルビンサイクルの1の

反応の触媒をする。また、RuBisCOの反応基質は CO₂である→Cooperの実験で証明。

気質は CO₂であるが光合成中のストロマの pHは 8であるので、無機炭素のうち CO₂は

0.9%しか存在しないので、反応の効率が悪い

→RuBisCOの細胞内量を増やす(全光合成生物)

RuBisCOの活性をあげる(緑藻→陸上植物)

RuBisCOの周りの CO₂濃度を上昇させる(C₄植物)

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デンプンとショ糖

デンプンとはグルコースが直鎖状α(1→4)結合したアミロースと直鎖状α(1→4)に加

えてα(1→6)分枝構造を持つアミロペクチンが重合した分子。

昼間に右側の経路を通って葉緑体内でデンプンが合成され、夜間に左側の経路を通

って細胞質でショ糖が合成される。葉緑体内から細胞質への DHAPの輸送はリン酸転

送体による DHAPとリン酸の対方輸送によって行われる。

→なぜショ糖なのか?

・ 還元末端を持たず、化学的に不活性である

・ 高濃度に溶かすことができ、師管での輸送に有利である。

光呼吸(photorespiration)

明所で O₂が吸収され CO₂の放出が高くなる現象のこと。

→原因は?

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RuBisCOが CO₂だけでなく O₂とも反応すること(O₂に対する親和性)。

CO₂濃度が低くO₂濃度が高いとき(光合成が盛んに起こっているとき)オキシゲナーゼ

反応により RuBPから1分子の PGAと1分子のホスホグリコール酸ができる。グリコー

ル酸は、そのままでは扱えないので葉緑体・ペルオキシゾーム・ミトコンドリアの3つ

の細胞小器官を使って PGAに戻す。

RuBisCO の O₂に対する親和性に対する対策として、C4,CAM 植物は RuBisCO 周辺の

CO₂濃度を上げるということをし、陸上植物は CO₂に対する親和性を上げるという対策

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をとっている。

→なるべく O₂と反応しないようにしている。

光呼吸の意義は葉緑体の過還元状態の解消である(光合成活性が高いと葉緑体内の

NADPH と ATP の濃度が高くなり過還元状態になり、同時に O₂が多くなることで障

害が起こりやすくなる

C4型光合成

最初に合成される炭酸同化物が炭素数4の化合物であり、RuBisCOの問題点(反応が遅

い、基質が CO₂)を回避しており、C4型光合成の基質は HCO₃‾である(PEPCaseの触

媒を受けて PEPと反応することで OAAを産生する)。また、PEPCaseはHCO₃‾に対

する親和性が高く光呼吸がほとんど起こらないという特徴も持つ。炭酸固定を葉緑体

で行う C3 とは異なり、葉肉細胞で炭酸固定を行う。C-B サイクルは、維管束鞘細胞

(BSC)で行われ、この際の CO₂は C4化合物の脱炭酸によって得ることができる。した

がって、2種類の細胞で光合成を分業することにより、C3光合成よりも RuBisCO周

りの CO₂濃度を上昇させることができ、反応が効率よく進む。一方で、BSCで C4化

合物の脱炭酸で発生する C3化合物は葉肉細胞に戻り pyruvateになり、2個の ATPを

消費することで PEPにもどる。したがって、C3光合成に比べて 2個の ATPを消費す

る事に関しては C4光合成の不利な点である。

→では、不利なことがあるにも関わらず生き残っているのか?

C4植物は、高温・強光下である中低緯度に育つ草木に多く、ATPが C3光合成に比

べて多く産生されるから、余分な消費をしても問題がない。また、光合成効率が高い

のならば気孔を開いている時間が短くてすみ、水分の蒸発を防ぐことができる。

CAM植物型光合成

C4光合成の変形型の光合成である。これらの光合成を行う植物は極度に乾燥した地

域に生息しているため昼間は気孔を開かず夜間に気孔を開き PEPCaseによる OAAへ

の CO₂の取り込みを行い、できた OAAを液胞へと蓄積する。そのようして合成された

OAA を昼間に脱炭酸することで得られた CO₂を C-B サイクルで固定し、デンプン合

成を行っている。しかし、この光合成系では PEPをリサイクルできないため予め大量

に PEPを用意する必要があり、夜間に ATPを消費することでデンプンから PEPが合

成される。したがって、C4光合成よりもエネルギー効率が悪く、これがこの光合成の

不利な点である。

葉緑体の機能

硝酸同化・硫酸同化・アミノ酸合成・塩基合成・タンパク質合成・核酸合成・色素合

成・脂質合成

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硝酸同化

硝酸同化の主な反応は右に示すとおり

である。また、この硝酸同化における還元

力は光合成系Ⅰの還元力(NADPH,Fd)を

利用することで行われる。

硝酸はまず細胞質で亜硝酸に還元され、

次に葉緑体の中でアンモニアにまで還元

される。細胞質での還元では NaR が

homodimer 酵素として働き細胞質内に入

ってきたNO₃‾をNO₂‾へと還元する。こ

の際の還元力は NADPH が用いられる。

葉緑体内での還元では NiR が monomer

酵素として働き、葉緑体内へ入ってきた

NO₂‾を NH₄⁺へと還元する。この際の還

元力は Fdが用いられる。また、NiRの補

欠分子族にはシロヘムと4Fe-4Sクラスタ

ーがある。活性中心のシロヘムの鉄と

4Fe-4Sクラスターの鉄原子はCysの Sを

通じて結合している。

亜硝酸の還元に関しては 2 電子伝達を

3回行うことでアンモニアに還元する。ま

た、この 2電子は 4Fe-4Sクラスターとシ

ロヘムから一度に渡ると考えられている。

このようにして、生成したアンモニアは

毒性が強いために GS の触媒の下で ATP

の加水分解エネルギーを使って、グルタミ

ン酸のカルボキシル基に結合し、グルタミ

ンになる。次にグルタミンのアミド基は

GOGATによりオキソグルタル酸のケト基に移り2分子のグルタミン酸ができる。この反

応には Fdの還元力が利用される。

GOGATには3種類のタイプがあり、Fdを還元力にする葉緑体タイプ、NADHを還元

力にする根タイプ、NADPH を還元力にする大腸菌タイプに分類され、後ろの 2 つのタ

イプは光合成を行わないために還元型の Fdが存在しない。

このようにしてアミノ酸に取り込まれた窒素(アンモニア)はプリン・ピリミジン合成な

どに利用される。

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硝酸同化

硫酸同化の主な反応は右に示す

とおりである。この反応の還元力に

は光化学系Ⅰの Fdが使われる。

硫酸同化は硝酸同化とは異なり、

最初から葉緑体内で還元が始まる。

まずは、硫酸イオンは活性化のため

にATPと反応する(Sの酸化度が高

いために、還元するのは難しい)。

また、この反応は発生した PPi の

加水分解エネルギーを使うことで

ようやく反応が正方向に進む。次に

GSH と反応することで亜硝酸イオ

ンへの還元が起こる。

亜硝酸イオンは SiR による反応

の触媒を受け、6個の Fdからの還

元力を使うことで S²‾まで一気に

還元される。また SiRは NiRに似

ていてhomodimerで機能しシロヘ

ムと4Fe-4Sクラスターを持ってい

る。

このようにして還元された硫黄

は、システインやメチオニンといっ

て含硫アミノ酸の合成に利用され

る。

NiRと SiR

共に3つのドメインからなる分子構造をしており、活性中心にはシロヘムの鉄と

4Fe-4Sクラスターが Cysの Sを通してつながっている。

メチオニン(左)

システイン(右)

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葉緑体の分子生物学

葉緑体 DNAは細菌型 DNAと共通の性質(環状 DNA、ヒストンを持たない)を持ち、

核とは別のタンパク質合成系を持つ。葉緑体のタンパク質合成系はシクロヘキサミド

には阻害されずクロランフェにコールに阻害されることから、細菌型の 70sリボソー

ムをもつと推定される。葉緑体の遺伝子発現系はバクテリア型であり、原核生物型の

プロモーター領域がある。リボソームの 30sサブユニット中の 16srRNAが認識して

水素結合する SD配列を持ち、タンパク質の合成開始点はフェニルメチオニンである。

また、DNA中には基本的にイントロンがなく、オペロンを形成する遺伝子群が存在す

る。

葉緑体の環状 DNA の中には Inverted repeat(逆位反復配列)と呼ばれる配列を持ち

全く同じ DNA 配列が逆向きに入っている。ribosomal RNA 遺伝子はこの Inverted

repeatのなかに含まれている。また、DNAに占める遺伝子の割合において光合成遺伝

子が大部分を占めるわけではなく、大部分を House Keeping遺伝子が占めており、葉

緑体を維持するための遺伝子のうちのほとんどが核ゲノムへ移動している。したがっ

て、葉緑体単独での培養をすることは不可能である。

上で示したように、葉緑体を構成するタンパク質のうち遺伝子が核ゲノムへ移行し

ているものに関しては、細胞質でタンパク合成された後で、葉緑体に輸送されなけれ

ばならない(遺伝子が核ゲノムにあるものは細胞質 80sリボソームで、葉緑体内にある

ものはストロマ 70sリボソームでタンパク合成される)。細胞質で合成されたタンパク

質の N 末端に葉緑体移行シグナルと呼ばれる配列が付加しており、これは包膜を通過

するときにストロマプロセシングペプチターゼによって切断される。もしも、合成さ

れたタンパク質がチラコイド内局在性のタンパク質ならば、包膜透過用シグナルの他

にチラコイド透過用シグナルが付加している。葉緑体移行タンパク質を移行させるた

めにの膜タンパク質として translocon があり、内外両包膜が共同して葉緑体内にペプ

チドを移行させる。また、この transloconはラン藻由来のタンパク質である。