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看護基礎教育におけるコミュニケーション能力形成方法の研究 -生活体験・集団行動体験とコミュニケーション能力との関係に焦点をあてて- キーワード:コミュニケーション,看護教育,看護学生,生活体験,集団行動体験 発達・社会システム専攻 長家 智子 1.研究の枠組と視点 本研究は、生活体験・集団行動体験がコミュニケーシ ョン能力とどのように関わるかを検証することによって、 臨地実習を中心とした看護基礎教育を効果的に推進する 促進要因や対策を明らかにしようとするものである。 本研究の背景としては、最近のグローバル化、IT 化等 の社会情勢の変化に伴うコミュニケーションに関わる 様々な問題の発生がある。そもそもコミュニケーション は、二者間に相互的な関わりがあり、伝える側の思考や 感情が相手側に理解されて初めてその目的が達成される。 また、伝える側と受ける側は常にその役割を交替してい ると言われている 1) 従前、日本でコミュニケーションが良好に形成できて いた背景には、同じ言語を使い同じ文化の中で生活し多 くの共通体験に基づく共通情報を持っているという前提 があった 2) 。しかし、近年コミュニケーション行動で人 と話をするなどの直接行動といわれるものは全情報行動 のわずか 22.5% 3) と人と接することが少なくなっている。 看護学生に関しても、直接的接触を伴うコミュニケー ションが減少しているだけでなく、苦手にしている傾向 が見受けられる。また、核家族化、少子化、地域での人 付き合いの希薄化、価値観や経験の多様化に伴い集団で 行動することが少ないことにより、生活体験は減少し共 通体験も少なくなる傾向にある。 社会状況の変化によってコミュニケーション能力は、 看護職者に求められる最も重要な資質・能力の一つとな ってきた。従って上記のような問題を抱えた学生が社会 の求める看護職者となるためには、まずコミュニケーシ ョン能力を育成していくことが重要であると考える。 現在、専門教科としてのコミュニケーションの枠組み は示されているが、個々の学生のコミュニケーション能 力を把握するまでには至っていない。また、コミュニケ ーションおよび生活体験・集団行動体験に関わる先行研 究では、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動 体験それぞれについての研究はなされているが、コミュ ニケーションと生活体験・集団行動体験を関連づけた先 行研究はほとんどない。 しかしながら看護基礎教育での看護学生のコミュニ ケーション能力の重要度を考えると、学生個々のコミュ ニケーションに関する体験とその能力との因果関係を明 らかにし、それをふまえた上での教育が必要ではないか と考える。 2.仮説と検証方法 今回以下のような仮説を立て、学生のコミュニケーシ ョン能力の問題点や課題について実証的に検証し、看護 基礎教育を効果的に推進する促進要因や対策を明らかに する。 仮説 1,看護学生がコミュニケーションを十分に行える条 件の把握が看護基礎教育の促進要因となるのでは ないか。 2,コミュニケーション能力は、その看護学生の個人 的な生活体験、特に様々な集団行動体験により養わ れるのではないか。 3,上記の1、2を明らかにすることが看護学生の自 己変革を促すことにつながるのではないか。 これを検証するために、コミュニケーションと生活体 験・集団行動体験について実証的に検証するために学生 と教師双方のアンケート調査を行うとともに、非言語的 コミュニケーション能力と専門的コミュニケーション能 力の質を検証する目的でロールプレイという質的調査を 実施し、看護基礎教育におけるコミュニケーション能力 形成方法を考察した。 3. 論文構成 第1章では、コミュニケーションおよび生活体験・集 団行動体験に関する先行研究を分析することによって、 コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験が関

看護基礎教育におけるコミュニケーション能力形成方法の研究 · かにして、看護教育におけるコミュニケーション教育の 具体的対処法を考察していった。

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看護基礎教育におけるコミュニケーション能力形成方法の研究 -生活体験・集団行動体験とコミュニケーション能力との関係に焦点をあてて-

キーワード:コミュニケーション,看護教育,看護学生,生活体験,集団行動体験

発達・社会システム専攻 長家 智子

1.研究の枠組と視点 本研究は、生活体験・集団行動体験がコミュニケーション能力とどのように関わるかを検証することによって、臨地実習を中心とした看護基礎教育を効果的に推進する促進要因や対策を明らかにしようとするものである。

本研究の背景としては、最近のグローバル化、IT化等の社会情勢の変化に伴うコミュニケーションに関わる様々な問題の発生がある。そもそもコミュニケーションは、二者間に相互的な関わりがあり、伝える側の思考や感情が相手側に理解されて初めてその目的が達成される。また、伝える側と受ける側は常にその役割を交替していると言われている 1)。 従前、日本でコミュニケーションが良好に形成できていた背景には、同じ言語を使い同じ文化の中で生活し多くの共通体験に基づく共通情報を持っているという前提があった 2)。しかし、近年コミュニケーション行動で人と話をするなどの直接行動といわれるものは全情報行動のわずか22.5%3)と人と接することが少なくなっている。 看護学生に関しても、直接的接触を伴うコミュニケーションが減少しているだけでなく、苦手にしている傾向が見受けられる。また、核家族化、少子化、地域での人付き合いの希薄化、価値観や経験の多様化に伴い集団で行動することが少ないことにより、生活体験は減少し共通体験も少なくなる傾向にある。 社会状況の変化によってコミュニケーション能力は、看護職者に求められる最も重要な資質・能力の一つとなってきた。従って上記のような問題を抱えた学生が社会の求める看護職者となるためには、まずコミュニケーション能力を育成していくことが重要であると考える。 現在、専門教科としてのコミュニケーションの枠組みは示されているが、個々の学生のコミュニケーション能力を把握するまでには至っていない。また、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験に関わる先行研究では、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験それぞれについての研究はなされているが、コミュ

ニケーションと生活体験・集団行動体験を関連づけた先行研究はほとんどない。 しかしながら看護基礎教育での看護学生のコミュニケーション能力の重要度を考えると、学生個々のコミュニケーションに関する体験とその能力との因果関係を明らかにし、それをふまえた上での教育が必要ではないかと考える。

2.仮説と検証方法

今回以下のような仮説を立て、学生のコミュニケーション能力の問題点や課題について実証的に検証し、看護基礎教育を効果的に推進する促進要因や対策を明らかにする。 仮説

1,看護学生がコミュニケーションを十分に行える条件の把握が看護基礎教育の促進要因となるのではないか。

2,コミュニケーション能力は、その看護学生の個人的な生活体験、特に様々な集団行動体験により養われるのではないか。

3,上記の1、2を明らかにすることが看護学生の自己変革を促すことにつながるのではないか。

これを検証するために、コミュニケーションと生活体験・集団行動体験について実証的に検証するために学生と教師双方のアンケート調査を行うとともに、非言語的コミュニケーション能力と専門的コミュニケーション能力の質を検証する目的でロールプレイという質的調査を実施し、看護基礎教育におけるコミュニケーション能力形成方法を考察した。

3. 論文構成

第1章では、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験に関する先行研究を分析することによって、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験が関

連づけられた先行研究があるのか、あるとすればどのように関連づけられているのかを明らかにする。同時に、社会の変化に伴い看護婦の資質能力で近年求められているものは何かを検証した。 コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験に関わる先行研究の分析からは、コミュニケーションおよび生活体験・集団行動体験が関連づけられた先行研究はほとんどなく、本研究は意義あるものであることが明らかになった。また、近年の社会変化によって、コミュニケーション能力は看護婦に求められる最も重要な資質・能力の一つとなっており、看護婦にとってコミュニケーション能力がより重要となってきたことが確認された。 第2章では、看護における専門的コミュニケーションのコンテンツについて、言語的および非言語的コミュニケーションと患者看護という視点から検証していく。さらに、看護基礎教育の現状と課題を指定規則とK大学医療短期大学部での教育の現状および学生の実態から明らかにしていった。その結果、看護においては対象者の求めるものや対象者の持つ問題を的確に捉え、専門的コミュニケーションを展開していくことが必要であることが明らかになった。そのために、言語的および非言語的コミュニケーションという視点から検証していくことが重要であることが分かった。また指定規則とK大学医療短期大学部での教育の現状および学生の実態分析によって、学生が特に臨地実習においてコミュニケーションに関して不安をもっていること、それが対異年齢者の場合に顕著であること、身体的接触を伴うコミュニケーションを苦手にしていること等明らかになった。 第3章においては、これら学生が抱えるコミュニケーション障害はそのまま看護基礎教育の課題となると考えられるので、これらに関して学生へのアンケート結果からコミュニケーション、生活体験・集団行動体験の実態とその関連性、教師へのアンケート結果から教師から見た学生のコミュニケーションと生活体験・集団行動体験の実態とその関連性を考察し、仮説を検証した。また、学生と教師のアンケート結果を対比し、そのズレを明らかにして、看護教育におけるコミュニケーション教育の具体的対処法を考察していった。 学生は自分のコミュニケーションに自信を持っており、コミュニケーションがうまくいかない理由を自分自身ではなく、相手側にあるとしている傾向にある。これは自分が相手に合わせるというコミュニケーション場面、生活体験が少なかったことが原因の一つではないかと推察される。患者とのコミュニケーションがうまくいかない理由として年齢差によるものをあげており、これも異

年齢交流体験の乏しさが影響していると考えられる。

また、子どもが主体的に自ら計画して参加するといった主体的能動的活動経験が少なく、大人が企画したものにただ参加するのみの作られた活動経験となっていたことも明らかになった。

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家族にわかりやすく話す

家族の話をよく理解する

先生にわかりやすく話す

先生の話をよく理解する

友人にわかりやすく話す

友人の話をよく理解する

友人と楽しく会話をする

講義等で自分の意見を伝える

理由をはっきりさせて話す

正しいことは正しいという

嫌なことは嫌という

敬語を正しく使う

相手の目を見て話す

表情豊かに話す

身振り、手振りを加えて話す

沈黙を有効に使う

自分から話しかける

①ある ②少しある ③あまりない ④ない

図1 コミュニケーションの自信について (人)

生活体験・集団行動体験とコミュニケーションの関連性では、異年齢交流体験とコミュニケーションの自信は正比例の関係にあり、異年齢交流体験を促進させることが学生のコミュニケーション能力の向上につながると考えられる。また、条件整備体験の有無はコミュニケーションの自信との相関関係が弱いが、条件整備経験のない者はことばによる話以外のコミュニケーション行動が不得意であることが伺える。リーダー体験を有すると家庭外、特に教師など社会的に目上の者に対しての話し方について集団行動の中で習得した結果ではないかと考えられる。多様な年齢層や生活背景を想定した講義内容や演習が必要であることが示唆された。

一方、教師は学生のコミュニケーション技術全般に対して関心が高く、学生のコミュニケーションについて問題視する傾向にあることが明らかになった。

また、同一行動に対して学生からみた自らのコミュニケーション能力に対する評価と教師から見た学生のコミュニケーション能力に対する評価には大きな隔たりがあることが分かった。学生は対教師とのコミュニケーション障害の原因は主に教師の側にあり、教師に対して「学生に分かりやすく話す」「学生の話を良く理解する」こと

を求めている。一方教師はその原因を学生のコミュニケ―ション能力の不足にあるとし、特に学生が「できる」と考えているコミュニケーション技術に対して教師は「できていない」と評価するなど、同一行動に対して教師と学生との評価が正反対になっていることが明らかになった。お互いに原因は相手側にあると考えているため、コミュニケーション障害に対する自らの主体的な取り組みがなく、障害が障害のままに残された状況が続いていると推察される。このような状況に至った原因としてはコミュニケーション障害の原因を教師か学生かのいずれか一方に求めているためと考えられる。コミュニケーションを「教師―学生」という関係性でとらえてその促進要因、阻害要因を検討することが必要である。

図4 学生のコミュニケーション技術に対する考え (人)

第4章においては、非言語的なコミュニケーション、専門的コミュニケーションの実態を明らかにするために、学生のロールプレイングを観察し、看護婦役を演じた学生のコミュニケーション行動の分析と生活体験・集団行動体験の分析および見学者となる残りの学生のレポート分析からコミュニケーション能力を検証していった。

この実験は、基礎看護技術「コミュニケーション」の講義が終了したK医療技術短期大学部看護学科1年生を対象に、模擬患者(Standardized Patient:単に症状や心情をシミュレーションするのみではなく、一定のレベルでの標準化された試験や評価として活用されるものを

いう)を用いた患者-看護婦関係のロールプレイングを行い、看護婦役を行う看護学生がどの程度言語的コミュニケーションおよび非言語的コミュニケーションを活用できるか、また看護の専門的なコミュニケーション技術を活用しているかをみることとした。さらに、看護婦役の学生の生活体験・集団行動体験を詳細にインタビューし、それが看護学生のコミュニケーション技術とどのように関わるかを明らかにしていくことを意図とした。

また、看護婦役の学生が模擬患者を相手にロールプレイングを行っている間、他の学生は別室でテレビ画面を通して演習状況を見学しており、ロールプレイングそのものを共通体験としてとらえることができると考えた。

その結果、ロールプレイングでの看護学生のコミュニケーションは、非言語的なコミュニケーションおよび専門的コミュニケーションを、ほとんど使えていないことが明らかになった。事例において生活体験・集団行動体験はロールプレイングにおける専門的コミュニケーションや効果的なコミュニケーションに結びついていないことも明らかになった。この原因については、事例が少なく今回の研究では明確に実証されたとはいえない。

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学生にわかりやすく話す

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友人の話をよく理解する

友人と楽しく会話する

講義等で自分の意見を伝える

理由をはっきりさせて話す

正しいことは正しいという

嫌なことは嫌という

敬語を正しく使う

相手の目を見て話す

表情豊かに話す

身振り、手振りを加えて話す

沈黙を有効に使う

自分から話しかける

問題だ 気にはしている 仕方がない 専門外

見学者のロールプレイングよる気づきはできている。しかし、臨地実習での行動を見ていると、ロールプレイングでの気づきが生かされておらず、自己の改善には繋がっていない。看護基礎教育におけるコミュニケーション能力の育成には継続的な反復学習によるコミュニケーション知識とコミュニケーション行動の一体化を目指すことが求められる。 今回の研究により、学生は社交的なコミュニケーションについては自信を持っているが、専門的コミュニケーションに必要な「自分の意見をまとめわかりやすく伝えること」や「根拠を持って話すこと」、「沈黙を有効に使うこと」に自信がなく、臨地実習においても困った場面が多いことが明らかになった。教師は看護基礎教育の前段として、あらかじめ学生のコミュニケーション能力を評価し、その評価に基づき学生が自信を持てない「自分の意見をまとめわかりやすく伝えること」や「根拠を持って話すこと」、「沈黙を有効に使うこと」についての訓練ができるカリキュラムを作成し、その後講義をし、あらためて評価するという「評価―指導―学習―評価」の一体化が必要と考える。

また、学生はコミュニケーションがうまくいかない理由を、自分自身ではなく相手側にあるとしている傾向にある。これは、自分が相手に合わせるというコミュニケーション場面、生活体験が少なかったことが原因の一つではないかと推察される。患者とのコミュニケーション

がうまくいかない理由として年齢差によるものをあげており、これも異年齢交流体験の乏しさが影響していると考えられる。教師はこのような学生の現実を知った上で、不適切と思われる話し方に気づいたときに適宜指摘することで、学生が自らを振り返るきっかけとでき、学生が良好なコミュニケーションを築くことに繋げられるのではないかと考えられる。そこで、単なる反省や感想ではない客観評価としての学生の自己点検評価による気づきが、学生のコミュニケーション能力の育成には有効であるといえる。

子ども時代の生活体験・集団行動体験では、自らが主体的に計画し、参加するといった主体的能動的活動経験が少なく、多くは大人が企画したものにただ参加するのみの作られた活動経験となっていたことも明らかになった。生活体験・集団行動体験とコミュニケーションの関連性では、異年齢交流体験とコミュニケーションの自信は正比例の関係にあり、異年齢交流体験を促進させることが学生のコミュニケーション能力の向上につながると考えられる。また、条件整備体験の有無はコミュニケーションの自信との相関関係が弱いが、条件整備経験のないものはことばによる話以外のコミュニケーション行動が不得意であることが伺える。これは、リーダー体験を有すると家庭外、特に教師など社会的に目上の者に対しての話し方について集団行動の中で習得できた結果ではないかと考えられる。そこで、多様な年齢層や生活背景を想定した講義内容や演習が必要であることが示唆された。学生のコミュニケーション能力を把握する目安としては、学生の生活体験(特に集団行動体験)の度合いが有効であり、それを測るスケールが必要であると考える。 一方、教師は学生のコミュニケーション技術全般に対して関心が高く、学生のコミュニケーションについて問題視する傾向にあることが明らかになった。また、同一行動に対して教師と学生との評価は正反対になっており、お互いに原因は相手側にあると考えているため、コミュニケーション障害に対する自らの主体的な取り組みがなく、障害が障害のままに残された状況が続いていると推察される。従って、コミュニケーションを「教師―学生」という関係性でとらえてその促進要因、阻害要因を検討することが必要である。

以上のことから看護基礎教育におけるコミュニケーション能力の育成には、継続的な反復学習によるコミュニケーション知識とコミュニケーション行動の一体化を目指すことが求められると考えられる。すなわち学生の自己評価によりコミュニケーション能力を明確にしたうえで講義・演習をすすめ、教師と学生の関係性の中でと

らえていくことが重要である。そのためには、学生と教師双方の客観的自己評価となるポートフォリオを実施し、それを効果的に講義・演習に反映させることが必要である。 また、今回の研究で検証できなかった生活体験・集団行動体験と専門的コミュニケーションや効果的なコミュニケーションとの結びつきがうまくできなかった原因については、今後の研究課題であると考える。

4. 引用文献

1)氏家幸子、阿曽洋子:基礎看護技術Ⅰ第5版、p.3~10、医学書院、2000

2) Edward T. Hall著、岩田慶治、谷泰訳:文化を超えて、p.108、TBSブ ルタニカ、1980 3)東京大学社会情報研究所:日本人の情報行動1995、東京大学出版会、1997

5. 参考文献

1)吉田時子、小池明子:最新 看護学全書13 看護学総論Ⅱ、メヂカルフレンド社、1968.5. 2)大嶽康子 他:最新看護学入門、メヂカルフレンド社、1972.11. 3)Jennie Wilting 著、小松博子訳:ナースのためのHOW TO コミュニケーション 患者・同僚そして自身とのよりよい関係のために、メディカ出版、1996.2 4)「看護教育」編集室 編:新カリキュラムの改正のポイント、医学書院、1996.7. 5)川野雅資編著:患者-看護婦関係とロールプレイング、日本看護協会出版会、1997 6)生涯学習審議会:「青少年の[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について」報告書、1997.6 7)中央教育審議会:「新しい時代を拓く心を育てるために-次世代を育てる心を失う危機-」の答申、1998 8) Carolaine E. Falls& Ernestine Wiedenbach 著、池田明子訳:コミュニケーション 効果的な看護を展開する鍵、日本看護協会出版会、1998.9 9)S.J.Sundeen etc.著、川野雅資,森千鶴訳:患者-看護婦関係、医学書院、1999.12.