世界の小売業ランキング 2017 - Deloitte United States...世界の小売業ランキング2017 | 上位250社に関する主要統計（2015年度） 5 世界の小売業ランキング2017

世界の小売業ランキング2017新しい消費スタイルに対する理論と実践のアプローチ2017年4月

世界の小売業ランキング2017 |

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世界の小売業ランキング2017 |

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上位250社に関する主要統計（2015年度） 4

小売業のトレンド：新しい消費スタイルに対する理論と実践のアプローチ 6

世界経済の見通し 10

上位10社のハイライト 14

世界の小売企業上位250社 16

地域別の動向 24

商品セクター別の動向 28

上位250社へ新たに加わった企業 30

急成長小売企業50社 31

eリテーラー上位50社 34

調査手法および情報源 40

脚注 44

問い合わせ先 47

目次デロイト　年次レポート「世界の小売業ランキング」

20年目を迎える本レポートでは、全世界の小売企業から大手250社を選定し、その業績を地域、セクター、チャネルごとに分析した。

この20年で、小売業とその消費者は劇的な変化を遂げた。本レポートの初版が発行された1997年を振り返ってみると、今日のAmazonプライムの中心的な利用者は当時、若干16歳で、 AOLがソーシャルメディアの原型を生み出し、携帯型のバーチャルペットが玩具店の人気商品であった。それが今では、携帯型（ウェアラブル）デジタル端末が広く普及し、ソーシャルメディアユーザーは若年層にまで広がっている。消費者がかつてないほど強い主導権を持ち、本物かつ斬新、便利で独創的なものを追い求める時代である。我々は消費者主導の経済を生きている。

世界の小売業ランキング2017 | 上位250社に関する主要統計（2015年度）

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世界の小売業ランキング2017 | 上位250社に関する主要統計（2015年度）

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2010～2015年度における小売売上高の年平均成長率

5.0% 総小売売上高計

4兆3,100億米ドル

平均純利益率

3.0%

上位250社のうち国外事業を行っている小売企業の割合

66.8%上位250社に入るために必要な最低小売売上高

35億米ドル

平均小売売上高

172億米ドル

小売売上高の対前年比平均成長率

5.2%平均総資産利益率（ROA）

4.6%総小売売上高に占める国外事業の割合

22.8%

一社当たりの平均小売事業展開国数

10.1

出典：Deloitte Touche Tohmatsu Limited. Global Powers of Retailing 2017. Analysis of financial performance using company annual reports and other public sources of Top 250 global retailers for fiscal years ended through June 2016.

上位250社に関する主要統計（2015年度）

世界の小売業ランキング2017 | 小売業のトレンド：新しい消費スタイルに対する理論と実践のアプローチ

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業態の変化：世界における「リテライゼーション」

メイカームーブメントやシェアリングエコノミーなどの台頭に伴い、小売企業とその事業内容を定義することがますます困難になっている。

かつて、小売企業を見分けるのは容易であった。彼らはモノを仕入れ、店舗やオンラインで販売していた。しかし、メイカームーブメントやシェアリングエコノミーなどの台頭に伴い、小売企業とその事業内容を定義することがますます困難になっている。2017年以降も、小売業界における市場の細分化は引き続き加速すると見られる。

こうした変動の要因を「リテライゼーション」や、消費者のニーズに対応する新たなビジネスモデルを発展させてきた新しい小売企業の急激な成長にあると言う人もいる。こうした現象は、大規模なリープフロッギング（発展段階を飛び越えて最先端技術を利用すること）が起きやすい発展途上諸国でよく見られる。中国では、eコマース大手のAlibabaとTmallが、フラッシュセール（期間限定で、割引価格などの特典が付いた商品を販売する）モデルの普及により成長しているVipshopとの競争に直面している。Vipshopは中流層向けの衣料品や服飾品ブランド品を時間限定割引で販売している。興味深いことに、Vipshopの売上の90%は中国のTier 1都市以外で上がっている6。消費者が購買力を持ち始めた発展途上経済においては、消費者は新しい小売モデルを利用した商品の購入に意欲的である。

先進国の市場では、新しい小売モデルのドラマチックな市場参入は見られないものの、業界の境目がかつてないほど曖昧になっている。サブスクリプションモデルで髭剃りを提供しているDollar Shave Club、パーソナライズされた衣料品の配送サービスを提供しているTrunk Club、厳選した食料品の配送サービスを提供しているBlue Apronなど、参入障壁の低下により、新たな「小売」企業が誕生している。

ビジネスモデルの崩壊と創造が続く中で、小売企業は自己改革を迫られている。今回初めてランキングに入ったHome Shopping Network（HSN）は、これを非常にうまく成し遂げた。1982年に米国のケーブルテレビ＆衛星テレビで放送されるショッピングチャンネルとして設立されたHSNは、マルチチャネルの洗練されたグローバル小売企業に成長した。同社は資産の再分配を通じて革新的なeコマースプラットフォームを構築したほか、デジタルコンテンツを制作し、新たなパートナー企業も開拓した。HSNは自社のビジネスモデルを見直し時代の流れに適応することにより、崩壊するモデルの中でも存続し繁栄することができた7。

嗜好の変化：「フォロー」による経済

消費者は、ソーシャルメディア上でアピールするパーソナルブランドを反映するような体験や商品を求めている。

大量生産品の消費から購買体験を重視した消費へ向かう潜在的な理由の1つは、購入商品を通じて自身がどのように見られるかを意識する人が増えていることである。パーソナライゼーションとカスタマーエクスペリエンスへ向かう傾向そのものは、目新しくはない。新しいのは、私たち消費者が、購入商品やそれによって得られた体験によって自身を定義づける程度が大きくなっていることである。これについては、ソーシャルメディアの貢献が大きいと言える。

世界中の消費者が、著名人やブランドをソーシャルメディアで「フォロー」すると共に、自身の「フォロワー」を増やすことにも余念がない。また、自身がソーシャルメディア上でアピールする、パーソナルブランドを反映するような体験や商品を求めている。こうした動向は、当初旅行業界において見られた。Condé Nastがジオタグ（位置情報に関するタグ）やハッシュタグのデータを収集してレビューに情報を付加していることを受けて、リゾート地では「Instagram映えすること」に力を入れている。ホテルの宿泊客、特にミレニアル世代にとって、自身の旅行がソーシャルメディア上でどう見られるかということが、実際の体験の質と同等に重要である。

現在、この傾向は小売業界にも現れている。消費者は自らのパーソナルブランドを高めるために、本格的で共有可能な体験を求めている。そうしたシェアラブルエクスペリエンスを継続的に提供できる小売企業は、熱烈なロイヤルカスタマー基盤を獲得するだろう。

シェアラブルエクスペリエンスの影響力を示すものとして、オーストラリアの高級紅茶専門店T2の例がある。この5年間、ほぼすべての国でコーヒー（特に写真映えのする泡たっぷりのラテ）は紅茶よりも売上を伸ばしている。T2は紅茶に「トレンド感」を取り戻すことで、こうした状況を変えようとした。商品パッケージや店舗を、ソーシャルメディア上で目を引きやすい鮮やかな色と派手な模様のデザインに変更したのである。その結果、T2はロイヤルティの高いフォロワーを獲得し、1996年にメルボルンの1店舗であった会社が、2013年にはUnileverに買収されるグローバルブランドへと成長を遂げたのである5。

嗜好の変化：質の良いモノを少しだけ

消費者は、多くのモノを所有するよりも、どれだけ厳選されたモノを所有し体験しているかによって自身の価値が決まると考えている。

「Fewer, Better Things」（より良いものを、より少なく）は、サンフランシスコを本拠地とするeコマースの小売企業Cuyanaのキャッチコピーである。同社は、職人が製作した高品質な商品の販売によりニッチ市場を開拓した2。同社の「リーンクローゼット」という取り組みの成功は、手当り次第の消費から意志を持った消費への、消費者の嗜好の変化を反映している。消費者は、多くのモノを所有するよりも、どれだけ厳選されたモノを所有し体験しているかによって自身の価値が決まると考えている。

この2年間、購買体験を重視した消費は、大量生産品の消費の3倍のペースで成長している3。これは、耐久・非耐久消費財（特に衣料品）への支出割合が低下し、量販店や百貨店から足が遠のいていることを意味しており、大量生産品からカスタムメイドへの志向の変化が見受けられる。

大手ファストファッション企業のH&Mは、この流れに対応すべく「H&M Conscious」プログラムの一環として「Conscious Exclusive」という新コレクションを立ち上げ、今後環境に配慮した高級品を毎年投入する予定だ4。こうした動きは、低価格品を頻繁に購入することを前提としたファストファッションの従来のビジネスモデルからの転換の様相を呈している。

この20年で、小売業とその消費者は劇的な変化を遂げた。本レポートの初版が発行された1997年を振り返ると、今日のAmazonプライムの中心的な利用者は当時、若干16歳で1、AOLがソーシャルメディアの原型を生み出し、携帯型のバーチャルペットが玩具店の人気商品であった。それが今では、携帯型（ウェアラブル）デジタル端末が広く普及し、ソーシャルメディアユーザーは若年層にまで広がっている。現在は、消費者がかつてないほど強い主導権を持ち、本物かつ斬新、便利で独創的なものを追い求める時代である。我々は消費者主導の経済を生きている。

2017年の小売業トレンドは、そうした消費者の期待に正面から応えるための理論と実践を理解することに注力している。主要なトレンドとして3点が挙げられる。1点目は嗜好の変化で、モノを所有することが減り、ソーシャルメディア主導型の生活に向かっている傾向である。2点目は、業界の境目が曖昧になったり、オンデマンドでのフルフィルメント（商品の受注から決済に至るまでの業務全般）が普及することによる、小売業態の変化である。そして3点目は、エクスポネンシャルな（指数関数的に発展する）テクノロジーとの共存によって生じる、リアル店舗とバーチャルにおける変革の可能性である。

こうしたトレンドは目新しいものではないが、興味深いのは、かつては遠い未来の話と思われていたことが、今や（市場・ビジネス参入の）最低必要条件と考えられていることである。革新的な小売企業は、購買体験においてテクノロジーをもはや補助的なものではなく、根本的なものとして認識している。しかし、テクノロジーだけでは十分ではない。消費者は斬新で驚きに満ちた商品や体験を求めている。それゆえ小売企業にとって、消費者を喜ばせロイヤルティを高めることは、ますます容易でなくなっている。テクノロジーの力を借りて斬新な体験をデザインするには、カスタマーエンゲージメントの理論と実践を身に付けることが必要不可欠なのである。

小売業のトレンド：新しい消費スタイルに対する理論と実践のアプローチ


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期待の変化：エクスポネンシャルな生活

エクスポネンシャル・テクノロジーは、生活やショッピングのあり方を変えつつある。

最後に挙げるトレンドは、エクスポネンシャルな生活の到来である。人工知能（AI：Artificial Intelligence）、ロボティクス、センサー、仮想現実（VR：Virtual Reality）など、エクスポネンシャル・テクノロジーがもたらす破壊的な変化については、さまざまな見通しが語られている。これらのテクノロジーは、もはや遠い未来の話ではない。最も革新的な小売企業は、すでにこうしたテクノロジーを利用して消費者との交流を深め、事業モデルを変えている。

人工知能（AI）やロボティクスを店内のセルフサービスに利用する動きは、今後も続くと予想される。Lowesでは、傘下のOrchard Supply Hardwareの店舗で小売サービスロボットのOSHbotを使用している。来店客を英語とスペイン語で出迎えるこのロボットは、商品をスキャンして店舗内の在庫の有無を確認するほか、店舗案内能力を用いて、来店客を商品の陳列場所まで案内することも可能である11。eBayはオーストラリアの小売企業Myerと提携し、世界初の仮想現実デパートを立ち上げた。eBay Sight Searchを使用することで、12,500点を超えるMyerの商品を検索、リアルタイムの価格や商品情報にアクセスし、商品を購入することができる12。

テクノロジーの影響は店内体験に留まらない。エクスポネンシャル・テクノロジーによって、我々の生活やショッピングのあり方が変化しつつある。自動運転車の登場が行動に与える影響について考えてみよう。自動運転車があれば、小規模小売店やハイパーローカル（営業エリアを非常に狭い地域に特化した）小売店でも、消費者ごとの即日配送に対応できる。例えば、焼きたてのパンをパン屋から直接、まだ温かい状態で購入することができる。自家用車にプログラムを登録し、複数店舗で購入商品を受け取って回ることも可能である。自動運転車が消費者のカスタマージャーニー（購買行動）に与える影響は計り知れない。拡張現実（AR：Augmented Reality）、3Dプリント、ホログラムなどのテクノロジーの本格的な普及も、同様の影響を与えると予想される。

業態の変化：オンデマンド・ショッピングとフルフィルメント

現代の消費者と小売企業の関係性は、消費者のオンデマンド志向への対応力によって決定する。

現代の消費者と小売企業との関係性もまた、消費者のオンデマンド志向への対応力によって決定する。Amazonをはじめとするオンデマンド配送サービスにより、フルフィルメントに対する消費者の期待は完全に変わった。Amazonは今年、世界の小売企業の上位10社に初めて入った。Amazonの成長は、比較的所得が高い若年層を取り込んだプライムサービスによるところが大きい。Amazonはプライムサービスの成長に関するデータを公表していないが、その会員数は世界で8,000万人、年平均成長率は約50%と推定されている。オンデマンド・ショッピングにおけるフルフィルメントの影響は、衣料品・ハードライン（家電・日用品など）を提供する小売企業から始まり、食料品、自動車、サービスを扱う小売企業にまで拡大しつつある8。

欧州は今後も食料品小売の熾烈な戦いの場となる可能性が高い。AmazonFreshは、英国の10都市と欧州の主要都市において1時間配送サービスを展開している。これに対応すべく、Carrefourもフランスで独自の1時間配送サービスを開始し、欧州の他の食料品小売企業もこれに追随する見込みである。この3年間で、オランダ、ドイツ、英国、フランスでは、オンラインの食料品小売業が20～50%という過去最高の年平均成長率を記録している。2017年、人口の多い裕福な欧州の都市においては宅配サービスが普及する一方、郊外や地方では「オンラインで注文し店舗で受け取る」サービスが拡大すると予想される9。

しかし、スピードだけで競争を勝ち抜くことは難しい。消費者は、リアルタイムなレビューや地元の協力による生鮮製品の提供など、質の高いオンデマンドの購買体験を期待するようになっている。今回初めて上位250位に入ったSprouts Farmers Marketは、ダラスにおいてAmazonと提携し、Amazonプライム向けに生鮮食品を提供している。従来の食料品小売企業がテクノロジー及び配送企業と提携し、商品をオンデマンドに配送する動きは今後も続くと予想され、事実上、食料品企業がテクノロジー企業のベンダーとなるであろう10。

世界の小売業ランキング2017 | 世界経済の見通し

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主要市場

米国米国経済は依然として緩やかな成長軌道を辿っている。労働市場は逼迫しており、完全雇用に近い状態にある。その結果、賃金は上昇し、特に低

所得層の伸びが顕著である。このことから、インフレが手に負えなくなり、連邦準備制度理事会（FRB）が継続的に金利を引き上げ、景気減速を招くという懸念が生じている。

米国の新政権が財政刺激策をとる可能性があるため、FRBが金利正常化を速める恐れがある。一方で、労働参加率は歴史的な低水準に留まり、最近では雇用の伸びも鈍化しているため、米国経済の景気後退を懸念する議論が起きている。こういった懸念を持つ人々は、FRBが拙速に金融政策を引き締めるべきではないことを示唆しており、また財政刺激策が実施される可能性を支持している。

一方で、米国の経済成長の主な原動力は、消費者ビジネスである。個人消費は、雇用の伸び、賃金の上昇、エネルギー価格の下落、消費者向け金融の改善、消費者への与信緩和や繰延需要によって後押しされている。これらはまた、住宅市場の改善にも寄与し、結果的に住宅関連製品を扱う小売業への支出にもプラスの影響を与える。

米国経済に弱さがあるとすれば、企業投資と輸出である。前者はエネルギー業界の低迷に、後者は米ドル高に打撃を受けている。無論、ドル高は輸入物価を抑え、消費者の購買力を引き上げる効果があり、米国の小売業界に恩恵をもたらしている。そのほか、保護主義的な措置によって輸入物価が押し上げられるという恐れもあり、そうなると小売支出は抑制される可能性が高い。

万策尽きる各国政府世界の先進国、そして中国においても、金融政策は経済成長と雇用を促す主要な手段である。それでも成長率は低水準に留まり、インフレ率は低迷し、低金利にもかかわらず期待された投資ブームを引き起こすには至っていな

い。金融政策はすでに限界に達していると見られる。そのため、他の政策議論が高まっており、財政刺激策（大規模なインフラ投資など）、減税、税制改革、規制緩和、貿易自由化、貿易規制、移民促進、移民制限などが挙がっている。財政刺激策をとっているカナダと日本では、新たな政策導入が予定されている。また、本レポートの執筆時点では、米国が税制改革や規制緩和拡大と併せて財政刺激策に乗り出す可能性がある。逆に、米国が経済成長の妨げとなる保護主義的な措置をとる可能性もある。

低迷する先進国の成長率過去10年間、先進国の経済成長率はそれ以前と比べて極めて低い水準に留まっているが、これには2つの重要な要因がある。第1に、人口動態が大きな影響を与えている。生産年齢人口が伸び悩み、一部の国では減少し始め

ている。他の条件がすべて同じ場合、これは経済成長の鈍化を意味する。第2に、10年前まで大幅に向上していた生産性（労働時間当たりの生産高）が、その後停滞している。これは投資が伸び悩み、革新的な技術導入が進んでいないためである。では、低成長を克服することはできるのか。この問いに対する答えは明らかでなく、議論は絶えない。いずれにしても、状況はすぐには変わらない。小売企業は、しばらくの間の経済成長はよくても極めて緩やかに留まると認識すべきである。

デフレと低インフレ主要先進国が異例の積極的な金融政策を講じているにもかかわらず、依然としてインフレの気配はない。実際のところ、一部の国では物価の下落が見られる。インフレ回帰が進まない背景には、世界的な設備過剰、物価下落の

一時的な影響、需要低迷、根強い低インフレへの期待がある。米国だけは、労働市場が逼迫していることから、インフレ率がいくらか上昇する可能性があるが、大半の先進国では、インフレ率が低水準に留まる可能性が高い。小売企業にとって、これは価格競争の激化と価格決定力の低下を意味すると共に、価格決定力の回復には他社との明確な差別化が必要であることを示している。

物価の低迷過去2年間、原油価格は異常な低水準に留まっているが、2016年の年明け以降、上昇傾向にある。原油価格の下落は、米国のシェールオイル生産量の大幅な増加と、世界需要が低水準で推移したことによる。この1年、シェー

ルオイル生産者が利益率の低下により生産量を削減したことで、原油価格は持ち直し始めているものの、以前のような高水準にまで回復するとは考えにくい。原油以外の鉱産物も含め、物価が低水準に留まる新たな時代に入った可能性が高い。消費国にとっては、消費者の購買力が高まり、小売企業の業績向上が期待されるが、商品生産国、特に新興国の場合、経済環境の厳しさが増し、より一層の生産品の多角化が必要になることを意味している。

主要経済動向

グローバル化への反発先進国では、貿易自由化と越境移民に対する反発が広がっている。失業や賃金低迷に苦しむ労働者たちは、テクノロジーや労働市場における不均衡ではなく、輸入品や移民を非難することがしばしばある。小売企業にとって、

これは懸念材料である。自由貿易の拡大は、物価を引き下げ、消費者の購買力を引き上げるため、小売企業・消費者双方とも恩恵を受ける。逆に貿易規制は、小売企業の業績にとって重要な経済成長を鈍化させる傾向がある。多くの先進国は、労働力の供給や起業の増加などの面で移民の恩恵を受けている。さらに移民の流入により、少子高齢化などの人口年齢構成の不均衡を軽減することで、高額な税金負担を免れることができる。今後の選挙結果によって、グローバル化への反発がどの程度高まっているかが明らかになるだろう。

世界経済の見通し小売企業にとって経済環境は引き続き厳しい状況にある。主要先進国における景気の低迷、新興国の高い債務水準、先進国におけるデフレや低インフレ、グローバル化に対する保護主義者からの反発、一部諸国における金融市場の混乱、そして多くの国で人口動態の悪化が生じている。しかし、それでも人々はモノを買う必要があるため、小売業界が歩みを止めることはない。一部の地域や消費者の集団に関しては、小売企業の見通しはさらに明るい。2017年に予測される、世界経済の概況と小売企業への影響について、以下に挙げる。


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中国中国経済は減速し、今後数年はさらに鈍化する可能性がある厄介な状況である。好材料は、成長の原動力が従来の投資と輸出から個人消費へとシフトしていることである。今後数年、個人消費が経

済成長の主な原動力となる可能性がかなり高い。ただし、中国の不均衡が妨げにならない限りにおいてである。最大の潜在的問題は、過剰投資（特に不動産投資）によって積み重ねた高水準の民間債務である。これは中国や世界の金融システム全体に与える脅威ではないものの、成長を妨げる恐れはある。不良債権がこのまま放置されれば、銀行の資金力の低下、新規取引の抑制、採算性の低い企業への継続的な梃入れを招くことになる。一方で、資本流出が続き、通貨は押し下げられ、消費者の購買力低下を招いている。

日本日本経済に関する最近の論調は、数年にわたる異例の金融緩和政策にもかかわらず、経済成長が見られないことへの嘆きである。問題の1つは人口動態である。労働者1人当たりで見ると、日本は米国と同じペースで成長しているが、労働者数が減少しており、低成

長はその結果である。小売企業にとっては厳しい課題である。しかし日本は、支出を続ける裕福な消費者が大量かつ安定して存在し、金のなる木と見るべきである。小売企業の成長には、市場シェア拡大もしくは日本国外への投資のどちらかが必要となる。一方、慢性的なデフレや低インフレにも悩まされているため、利益が縮小し、小売企業は可能な限りのコスト削減と競争力の高いプライシングを目指して努力せざるを得なくなっている。今後も、こうした状況が続くと見られる。

英国この1年で最大のニュースの1つが、EU離脱（Brexit）をめぐる英国の国民投票であった。この決定は、ポンドの急落をもたらした。EU離脱により、不確実性が高まり、対英投資が大幅に減少すると予想されたためである。多額の対外債務を抱え、投資などの資本流入に依存している英国では、ポンド安によって輸出が伸びる一方、輸入は抑制さ

れ、対外債務の削減につながると見られている。小売企業は、EU離脱によって判断を迫られる可能性がある。商品コストの増加を消費者へ転嫁する、あるいは、サプライチェーン内で吸収するなど、企業によって選択は様々である。

しかし、EU離脱の詳細はまだ確定しておらず、本レポート執筆時点では、貿易や人の移動など、EUとの関係の今後の行方は不明である。EU離脱が強硬に決行された場合、英国経済の一部において投資意欲が削がれる可能性がある。一方、離脱してもEUとの自由貿易が維持されるのであれば、それほど深刻な事態にはならないだろう。うまく行けば、EU域外の貿易国との間に商機が生まれる可能性がある。また、EU離脱が、最新テクノロジー活用による効率性の向上を前提に、結果的に長年の懸案であったサプライチェーンの見直しを促す起爆剤となることも考えられる。

ユーロ圏ユーロ圏の経済は緩やかに成長している。だが、欧州中央銀行による積極的な金融政策にもかかわらず、投資は依然として低迷し、失業率も高止まりしている。また、金融政策への過度な依存により、財政政策

や規制政策が滞り、失業率引き下げに必要な経済成長が妨げられる恐れがある。危険なのは、失業率の高止まりによる政治への不信感が、最終的にユーロ圏の崩壊を招くことである。そうした事態になれば、今度は深刻な景気後退や金融市場の混乱に陥るだろう。今のところ、欧州の小売業界は緩やかな成長軌道に留まると見られる。

世界の小売業ランキング2017 | 上位10社のハイライト

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世界の小売業ランキング2017 | 上位10社のハイライト

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上位250社の順位に対する為替レートの影響

前年度からの順位の変化は、概して企業の小売売上高の増減によるものである。ただし、対米ドルで下落した通貨で2015年の報告を行う企業は、同一条件下では、2014年に比べ低い順位になる可能性がある。逆に、対米ドルで上昇した通貨で報告を行う企業は、順位が上がる可能性がある。

2015年、米ドルの価値は大半の主要通貨に対して上昇した。その背景には、米国の好調な経済成長や金利の上昇、欧州や日本に対する積極的な金融政策の期待、米国の金融政策の引き締め観測などがある。暦年ベースでユーロは、ドルに対し16%下落した。英国ポンドはこれに比べれば小幅だが、それでも7%下落した。その後、2016年には、EU離脱を巡る国民投票（2016年6月23日）を受けて30年ぶりの低水準に落ち込んだ。日本円は2015年全体を通じて下落した。カナダドル、メキシコペソ、ブラジルレアル、南アフリカランドのほか、上位250社の小売企業が決算に使用しているほぼすべての通貨も同様に下落した。下落幅が最も大きかった通貨は、2015年に対米ドルで38%下落したロシアルーブルであった。

出典：OANDA

WalgreensとAlliance Bootsは、2014年12月に合併を完了し、世界5位の小売企業Walgreens Boots Allianceとなった。この新しいグローバル企業は現在、米国最大のドラッグストアチェーンWalgreens、欧州最大手の小売薬局Boots、そして大手グローバル卸売流通企業Alliance Healthcareの3社で構成されている。合併後の新会社の売上高の金額は、買収したAlliance Bootsの8ヶ月分の業績を反映しており、来年にはさらに順位が上昇すると予想される15。

The Home Depotは、全部門の成長と対ユーロのドル高によりCarrefourやAldiをしのぎ、6位に浮上した。米国住宅市場の継続的な回復もあり、このホームセンターの2015年度の売上高は6.4%増加している。Carrefourは3.1%増の小売売上高を記録しており、同社の売上高は4年連続で増加したことになる。Aldiは、英国、オーストラリア、米国における積極的な拡大もあり、ハードディスカウントチェーンで2桁の売上高増加（見込み）を達成した。一方、Tescoにとって2015年は変革の年となった。同社は引き続き非中核事業の売却を進めており、2015年10月には韓国のHomeplus事業を整理した16。その結果、Tescoは5位から9位に順位を落としたが、英国市場で競争力を取り戻し、再び利益を確保している。

Amazonは増収を重ね、2015年度に初めて上位10社にランキングされた。この世界最大のeリテーラーは、上位250社に初めて入った2000年当初は186位であった。同社は製品やサービスの継続的な革新により、1994年の設立以来、順調に2桁成長を遂げている。

ドイツのMetro Groupは、改革を加速させたことで、2015年に上位10社から外れた。特に重要な出来事として、2015年9月にGaleria KaufhofをHudson’s Bay Companyに売却したことが挙げられる17。2014年末以降、Metro Groupの最大部門であるMetro Cash & Carryは、デンマーク18、ギリシャ19、ベトナム20で卸売事業を整理している。2016年3月、Metro Groupは会社分割を行い、2社の株式公開企業にすることを発表した。1社は家庭用電化製品事業に、もう1社は卸売事業および食料品事業に集中する21。これは、よりスピーディで収益性の高い成長を促すための施策として見られている。

Costcoの既存店売上高は、為替変動の影響を除く実質ベースで大幅に増加したが、2015年度の売上高は、ガソリン価格の下落や外貨安によるマイナスの影響を含めて3.2%の増加に留まった。しかし、それでもウェアハウスクラブ（会員制倉庫型ディスカウントストア）を運営し、2位を維持している。Krogerの売上高成長率も、燃料価格が抑制要因となった。大手スーパーマーケットチェーンの同社は、引き続き積極的なM&Aを展開し、2015年12月にはRoundyを買収したが14、2015年度の売上高にはRoundyの業績が6週間分しか含まれていない。一方、Schwarzはユーロ安によりドル建て売上高に影響があったものの、2015年度は大幅な成長によって4位を維持した。

Walgreensがトップ層に加わり、上位10社にAmazonが加わった

最大手4社は、2015年度上位10社のランキング内での順位を維持したが、その他5位以降の企業は、買収や売却、為替レートの変動によって入れ替わった。

Wal-Martは、長年保持している世界最大の小売企業としての圧倒的地位を維持した。同社の2015年度の売上高は、不利な為替変動、ガソリン価格の下落による燃料売上高への影響、Walmart Expressチェーンなどの一部閉店を受けてやや減少している13。

上位10社のハイライト上位10社の小売企業（2015年度）

上位250社における順位

順位の変化企業本拠地

2015年度の小売売上高

（100万米ドル）

2015年度の小売売上高成長率

2015年度の純利益率

2015年度の総資産利益率

2010～2015年度の小売売上高

のCAGR＊事業展開国数

小売売上高に占める国外事業の割合

1 Wal-Mart Stores, Inc. 米国 482,130 -0.7% 3.1% 3.5% 2.7% 30 25.8%2 Costco Wholesale Corporation 米国 116,199 3.2% 2.1% 1.9% 8.3% 10 27.4%3 The Kroger Co. 米国 109,830 1.3% 1.9% 1.6% 6.0% 1 0.0%4 Schwarz

Unternehmenstreuhand KG ドイツ 94,448 8.1% n/a n/a 7.4% 26 61.3%

5 +5 Walgreens Boots Alliance, Inc. （旧Walgreen Co.）

米国 89,631 17.3% 4.1% 2.7% 5.9% 10 9.7%

6 +3 The Home Depot, Inc. 米国 88,519 6.4% 7.9% 7.6% 5.4% 4 9.0%7 -1 Carrefour S.A. フランス 84,856 3.1% 1.4% 1.8% -3.1% 35 52.9%8 -1 Aldi Einkauf GmbH & Co. oHG ドイツ 82,164 e 11.5% n/a n/a 8.0% 17 66.2%9 -4 Tesco PLC 英国 81,019 -12.7% 0.6% -9.3% -2.3% 10 19.1%10 +2 Amazon.com, Inc. 米国 79,268 13.1% 0.6% -0.3% 20.8% 14 38.0%上位10社1 1,308,065 2.9% 2.8% 5.9% 4.2% 15.7 2 28.7%上位250社1 4,308,416 5.2% 3.0% 4.6% 5.0% 10.1 2 22.8%上位250社の小売売上高のうち上位10社の割合 30.4%

＊年平均成長率1 為替調整後の売上高加重平均2 平均

e = 見通しn/a = 入手不可

出典：Deloitte Touche Tohmatsu Limited. Global Powers of Retailing 2017. Analysis of financial performance and operations for fiscal years ended through June 2016 using company annual reports, Planet Retail database and other public sources.

世界の小売業ランキング2017 | 世界の小売企業上位250社

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世界の小売企業上位250社（2015年度）

2015年度の小売売上高の順位企業本拠地



2015年度の親会社・

グループの売上高1



グループの純利益1

（100万米ドル）主要な業態

事業展開国数

2010～ 2015年度の小売売上高の

CAGR2

1 Wal-Mart Stores, Inc. 米国 482,130 482,130 15,080 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

30 2.7%

2 Costco Wholesale Corporation 米国 116,199 116,199 2,409 キャッシュアンドキャリー・ウェアハウスクラブ

10 8.3%

3 The Kroger Co. 米国 109,830 109,830 2,049 スーパーマーケット 1 6.0%4 Schwarz Unternehmenstreuhand KG ドイツ 94,448 94,448 n/a ディスカウントストア 26 7.4%5 Walgreens Boots Alliance, Inc.

（旧Walgreen Co.）米国 89,631 103,444** 4,279 ドラッグストア・薬局 10 5.9%

6 The Home Depot, Inc. 米国 88,519 88,519 7,009 ホームセンター 4 5.4%7 Carrefour S.A. フランス 84,856 87,593 1,247 ハイパーマーケット・スーパーセンター・

スーパーストア35 -3.1%

8 Aldi Einkauf GmbH & Co. oHG ドイツ 82,164e 82,164e n/a ディスカウントストア 17 8.0%9 Tesco PLC 英国 81,019 82,466 535 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


10 Amazon.com, Inc. 米国 79,268 107,006 596 無店舗 14 20.8%11 Target Corporation 米国 73,785 73,785 3,363 ディスカウントデパート 1 2.3%12 CVS Health Corporation 米国 72,007 153,290 5,239 ドラッグストア・薬局 3 4.7%13 Metro Ag ドイツ 68,066** 68,066** 821 キャッシュアンドキャリー・ウェアハウス

クラブ31 -2.5%

14 イオン株式会社日本 63,635 67,785** 504 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

12 10.7%

15 Lowe's Companies, Inc. 米国 59,074 59,074 2,546 ホームセンター 4 3.9%16 Auchan Holding SA（旧Groupe Auchan SA）フランス 59,050** 60,240** 798 ハイパーマーケット・スーパーセンター・

スーパーストア14 5.0%

17 Albertsons Companies, Inc. 米国 58,734 58,734 -502 スーパーマーケット 1 74.1%18 Edeka Group ドイツ 52,477** 53,810** n/a スーパーマーケット 1 3.0%19 Casino Guichard-Perrachon S.A. フランス 51,257** 51,257** 176 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


20 株式会社セブン&アイ・ホールディングス日本 47,795** 50,119** 1,398 コンビニエンス・フォアコートストア 19 3.2%21 Wesfarmers Limited オーストラリア 44,679 48,083 297 スーパーマーケット 3 5.0%22 Rewe Combine ドイツ 43,607** 48,540** 426 スーパーマーケット 11 2.2%23 Koninklijke Ahold N.V.（現Ahold Delhaize）オランダ 42,435** 42,435** 945 スーパーマーケット 6 5.3%24 Woolworths Limited オーストラリア 41,366 42,468 -1,711 スーパーマーケット 3 1.7%25 Best Buy Co., Inc. 米国 39,528 39,528 897 電化製品専門店 4 -4.7%26 Centres Distributeurs E. Leclerc フランス 39,277e** 49,208g** n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・


27 The IKEA Group（INGKA Holding B.V.）オランダ 37,105 37,986 4,101 その他専門店 28 6.7%28 J Sainsbury plc 英国 35,100 35,612 714 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


29 Loblaw Companies Limited カナダ 34,863** 35,588** 488 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

6 8.0%

30 Publix Super Markets, Inc. 米国 32,619 32,619 1,965 スーパーマーケット 1 5.2%31 The TJX Companies, Inc. 米国 30,945 30,945 2,278 衣料品・靴専門店 10 7.1%32 ITM Développement International

（Intermarché）フランス 30,857e** 44,098g** n/a スーパーマーケット 4 1.7%

33 Apple Inc. / Apple Retail Stores 米国 28,000e 233,715 53,394 電化製品専門店 19 23.4%34 Delhaize Group SA（現Ahold Delhaize）ベルギー 27,097** 27,097** 408 スーパーマーケット 7 3.2%35 Macy's, Inc. 米国 27,079** 27,079** 1,070 デパート 3 1.6%36 JD.com, Inc 中国 26,991 29,175 -1,511 無店舗 2 81.3%37 Rite Aid Corporation 米国 26,866 30,737 165 ドラッグストア・薬局 1 1.3%38 LVMH Moët Hennessy- Louis Vuitton S.A. フランス 25,605 39,615** 4,444 その他専門店 80 13.2%39 Sears Holdings Corporation 米国 25,146 25,146 -1,128 デパート 2 -10.3%40 Wm Morrison Supermarkets PLC 英国 24,551 24,551 338 スーパーマーケット 1 -0.4%

2015年度、上位250社の小売売上高は、総額43,000億米ドルを超え、1社当たりの平均規模は172億米ドルとなった。また上位250社にランクインするには、小売売上高35億米ドルが必要であった。この数字は、前年度に比べて低下している。主な要因は、大半の通貨が米ドルに対して下落基調であったことである。2015年度の小売売上高は、上位250社のうち19社は500億米ドルを超えたが、67社は50億米ドルに満たなかった。

2015年の小売業のグローバル化は、前年と同水準に留まった。しかしながら、上位250社のうち3分の2の小売企業が本国以外でも事業展開を行っている。小売事業の展開国数は平均で10ヶ国を超え、平均小売売上高のほぼ4分の1を国外事業から得ている。

小売事業の平均展開国数には、流通経路の所在地に加え、フランチャイズ店、ライセンス店、合弁企業の営業地が含まれる。情報入手が可能な場合は、店舗所在地のほか、現地消費者向けのeコマースサイト、カタログ、TVショッピング番組など、店舗以外の販売チャネルも反映している。ただし、一部の小売企業については、無店舗事業に関する具体的な情報を入手できなかった。

2015年は、米ドルの上昇と原油価格の下落、中国金融市場の激しい乱高下があった。グローバル化への反発が高まるなど、政策課題の深刻化と地政学的な不安定さによって世界経済は混乱した。また、デフレの逆風、革新的なテクノロジーの台頭、消費者の慎重な姿勢によって、小売企業の事業環境は一層不透明さを増している。

世界経済は勢いを増すには至っていないが、2015年度、世界の小売企業上位250社は収益力を増し、成長を遂げた。250社のうち、4分の3を超える企業（192社）で売上が拡大し、為替調整後の平均成長率は5.2%に達した。決算を公表した小売企業の90%（191社中172社）は収益を確保し、平均ベースで、純利益率は3.0%、総資産利益率は4.6%を記録した。

上位250社のうち小売事業が売上高の大半を占めない企業は、平均純利益率と総資産利益率の計算から除外している。当該企業は小売業を主としておらず、連結利益および資産は小売以外の事業を主に反映している。2015年度は、CVS Health Corp.、Apple Inc.、Associated British Foods、Nike Inc.、SHV Holdings、McKesson Corp.、Berkshire Hathaway、東京急行電鉄株式会社の8社を除外した。

世界の小売企業上位250社世界経済が厳しい状況であるものの、小売企業は2015年度、着実な成長を遂げている。


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事業展開国数


CAGR2

86 E-MART Inc. 韓国 11,081 12,058 403 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

3 ne

87 Co-operative Group Ltd. 英国 10,761 14,223 23 スーパーマーケット 1 -3.4%88 S.A.C.I. Falabella チリ 10,748 11,894 880 デパート 6 13.4%89 Staples, Inc. 米国 10,720e 21,059 379 その他専門店 13 -3.6%90 株式会社三越伊勢丹ホールディングス日本 10,658 10,723 212 デパート 8 1.4%91 S Group フィンランド 10,627 12,001 338 スーパーマーケット 5 2.3%92 Otto（GmbH & Co KG）ドイツ 10,567 14,157 -209 無店舗 58 -0.8%93 AutoZone, Inc. 米国 10,187** 10,187** 1,160 その他専門店 4 6.7%94 Décathlon S.A. フランス 10,108 10,108 n/a その他専門店 30 8.8%95 Spar Holding AG オーストリア 10,047** 10,133** 188 スーパーマーケット 8 1.7%96 Menard, Inc. 米国 10,000e 10,000e n/a ホームセンター 1 3.8%97 Liberty Interactive Corporation 米国 9,989 9,989 911 無店舗 10 2.3%98 Metro Inc. カナダ 9,987** 9,987** 424 スーパーマーケット 1 1.5%99 Distribuidora Internacional de

Alimentación, S.A.（Dia, S.A.）スペイン 9,914** 10,021** 332 ディスカウントストア 5 ne

100 Advance Auto Parts, Inc. 米国 9,737** 9,737** 473 その他専門店 3 10.4%101 Giant Eagle, Inc. 米国 9,600e** 9,600e** n/a スーパーマーケット 1 0.6%102 FEMSA Comercio, S.A. de C.V. メキシコ 9,572 9,572 n/a コンビニエンス・フォアコートストア 3 19.4%103 SuperValu Inc. 米国 9,392** 17,529** 186 スーパーマーケット 1 -20.1%104 GameStop Corp. 米国 9,364 9,364 403 その他専門店 15 -0.2%105 Hy-Vee, Inc. 米国 9,300 9,300 n/a スーパーマーケット 1 6.2%106 dm-drogerie markt GmbH + Co. KG ドイツ 9,299e 10,424ge n/a ドラッグストア・薬局 12 9.7%107 Louis Delhaize S.A. ベルギー 9,219e 12,219ge n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・


108 NorgesGruppen ASA ノルウェー 9,134** 9,485** 294 ディスカウントストア 1 6.5%109 Tengelmann Warenhandelsgesellschaft KG ドイツ 9,042e** 9,153** n/a ホームセンター 13 0.4%110 Shoprite Holdings Ltd. 南アフリカ 9,038** 9,038** 337 スーパーマーケット 15 12.5%111 Dirk Rossmann GmbH ドイツ 8,775 8,775 n/a ドラッグストア・薬局 6 11.3%112 Canadian Tire Corporation, Limited カナダ 8,679** 9,627** 577 その他専門店 1 6.2%113 J.フロントリテイリング株式会社日本 8,646 9,646** 248 デパート 2 4.1%114 Hudson's Bay Company カナダ 8,632 8,632 299 デパート 9 8.7%115 Dansk Supermarked A/S デンマーク 8,510 8,558 258 ディスカウントストア 4 -0.3%116 ユニーグループ・ホールディングス株式会社日本 8,309** 8,611** -29 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


117 Associated British Foods plc / Primark 英国 8,307 19,886 814 衣料品・靴専門店 10 14.4%118 O'Reilly Automotive, Inc. 米国 7,967** 7,967** 931 その他専門店 1 8.1%119 Wegmans Food Markets, Inc. 米国 7,900 7,900 n/a スーパーマーケット 1 6.8%120 Colruyt Group ベルギー 7,894 10,135** 405 スーパーマーケット 3 5.0%121 Shanghai Bailian Group Co., Ltd. 中国 7,894** 7,921** 205 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


122 Globus Holding GmbH & Co. KG ドイツ 7,860g 7,860g n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

4 3.1%

123 NIKE, Inc. / Direct to Consumer 米国 7,857 32,376** 3,760 衣料品・靴専門店 66 22.3%124 C&A Europe ベルギー・ドイツ 7,715e 7,715e n/a 衣料品・靴専門店 20 1.2%125 Esselunga S.p.A. イタリア 7,448e 8,122g 322 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


126 Foot Locker, Inc. 米国 7,412 7,412 541 衣料品・靴専門店 30 8.0%127 PetSmart, Inc. 米国 7,300e 7,300e n/a その他専門店 3 5.1%128 Chow Tai Fook Jewellery Group Limited 香港 7,295** 7,295** 384 その他専門店 8 10.1%129 Dick's Sporting Goods, Inc. 米国 7,271 7,271 330 その他専門店 1 8.3%130 Office Depot, Inc. 米国 7,250e 14,485 8 その他専門店 8 2.7%











事業展開国数


CAGR2

41 Migros-Genossenschafts Bund スイス 24,391e** 28,522** 823 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

3 1.9%

42 Lotte Shopping Co., Ltd. 韓国 24,346 25,749 -305 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

6 9.0%

43 Inditex, S.A. スペイン 23,074** 23,074** 3,182 衣料品・靴専門店 88 10.8%44 H.E. Butt Grocery Company 米国 23,000e 23,000e n/a スーパーマーケット 2 7.8%45 Coop Group スイス 22,449e** 28,029** 553 スーパーマーケット 6 3.0%46 Suning Commerce Group Co., Ltd. 中国 21,814 21,814 122 電化製品専門店 2 12.4%47 H & M Hennes & Mauritz AB スウェーデン 21,678** 21,678** 2,505 衣料品・靴専門店 61 10.8%48 Mercadona, S.A. スペイン 21,171 21,171 679 スーパーマーケット 1 4.6%49 Système U, Centrale Nationale フランス 20,694e** 26,048g** n/a スーパーマーケット 4 3.9%50 Dollar General Corporation 米国 20,369 20,369 1,165 ディスカウントストア 1 9.3%51 A.S. Watson Group 香港 19,594** 19,594** n/a ドラッグストア・薬局 25 4.3%52 Kohl's Corporation 米国 19,204 19,204 673 デパート 1 0.9%53 Empire Company Limited カナダ 18,755** 18,755** -1,611 スーパーマーケット 1 9.3%54 China Resources Vanguard Co., Ltd. 中国 17,606 17,606 n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・


55 Groupe Adeo SA フランス 16,901e** 19,883g** n/a ホームセンター 12 7.3%56 Meijer, Inc. 米国 16,900e 16,900e n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・


57 Cencosud S.A. チリ 16,198 16,850 356 スーパーマーケット 5 12.4%58 Marks and Spencer Group plc 英国 15,923** 15,923** 610 デパート 52 1.6%59 Kingfisher plc 英国 15,900 15,900 627 ホームセンター 10 0.0%60 The Gap, Inc. 米国 15,797 15,797 920 衣料品・靴専門店 56 1.5%61 PJSC "Magnit" ロシア 15,677 15,723** 977 コンビニエンス・フォアコートストア 1 32.0%62 Dollar Tree, Inc. 米国 15,498 15,498 282 ディスカウントストア 2 21.4%63 Whole Foods Market, Inc. 米国 15,389 15,389 536 スーパーマーケット 3 11.3%64 Jerónimo Martins, SGPS, S.A. ポルトガル 15,249 15,249 398 ディスカウントストア 3 10.1%65 John Lewis Partnership plc 英国 14,845** 14,845** 340 スーパーマーケット 5 5.8%66 Dixons Carphone plc 英国 14,411 14,640 242 電化製品専門店 10 2.8%67 株式会社ファーストリテイリング日本 14,239** 14,262** 995 衣料品・靴専門店 31 15.6%68 Nordstrom, Inc. 米国 14,095 14,437 600 デパート 3 8.6%69 Gome Home Appliance Group 中国 14,038e 14,038e 279 電化製品専門店 1 3.8%70 株式会社ヤマダ電機日本 13,434** 13,434** 266 電化製品専門店 7 -5.6%71 X5 Retail Group N.V. ロシア 13,378 13,378 234 ディスカウントストア 1 18.7%72 Steinhoff International Holdings N.V. 南アフリカ 13,155 14,499 1,302 その他専門店 29 44.5%73 El Corte Inglés, S.A. スペイン 13,086 16,773 174 デパート 9 -2.0%74 J. C. Penney Company, Inc. 米国 12,625 12,625 -513 デパート 2 -6.6%75 BJ's Wholesale Club, Inc. 米国 12,500e 12,500e n/a キャッシュアンドキャリー・ウェアハウス

クラブ1 2.8%

76 Coop Italia イタリア 12,496e 13,885g 160 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

1 -0.2%

77 Conad Consorzio Nazionale, Dettaglianti Soc. Coop. a.r.l.

イタリア 12,196e** 13,552g** n/a スーパーマーケット 3 3.7%

78 L Brands, Inc. 米国 12,154** 12,154** 1,253 衣料品・靴専門店 80 4.8%79 Bed Bath and Beyond Inc. 米国 12,104 12,104 841 その他専門店 4 6.7%80 Ross Stores, Inc. 米国 11,940 11,940 1,021 衣料品・靴専門店 1 8.7%81 CP ALL Plc. タイ 11,890** 11,897** 405 コンビニエンス・フォアコートストア 1 24.0%82 Toys "R" Us, Inc. 米国 11,802 11,802 -124 その他専門店 40 -3.2%83 ICA Gruppen AB スウェーデン 11,752** 12,018** 583 スーパーマーケット 5 1.5%84 Southeastern Grocers, LLC 米国 11,145 e 11,145 e n/a スーパーマーケット 1 34.6%85 Dairy Farm International Holdings Limited 香港 11,137 11,137 418 スーパーマーケット 11 6.9%


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事業展開国数


CAGR2

174 GS Retail Co., Ltd. 韓国 5,341 5,545 147 コンビニエンス・フォアコートストア 1 12.7%175 Sonae, SGPS, SA ポルトガル 5,314** 5,570** 196 スーパーマーケット 21 0.7%176 株式会社イズミ日本 5,295** 5,295** 152 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


177 Berkshire Hathaway Inc. / Retailing operations

米国 5,235e 210,821 24,414 その他専門店 9 12.3%

178 Big Lots, Inc. 米国 5,191 5,191 143 ディスカウントストア 1 0.9%179 Burlington Stores, Inc. 米国 5,130 5,130 150 デパート 2 6.7%180 Deichmann SE ドイツ 5,110 5,887g n/a 衣料品・靴専門店 24 6.2%181 Neiman Marcus Group LTD LLC 米国 5,095 5,095 15 デパート 2 6.6%182 株式会社ライフコーポレーション日本 5,077 5,077 66 スーパーマーケット 1 5.6%183 El Puerto de Liverpool, S.A.B. de C.V. メキシコ 5,010 5,772 582 デパート 1 10.3%184 Coop Norge, the Group ノルウェー 4,990** 5,310** -140 スーパーマーケット 1 7.4%185 Williams-Sonoma, Inc. 米国 4,976 4,976 310 無店舗 12 7.3%186 Grupo Comercial Chedraui, S.A.B. de C.V. メキシコ 4,927 4,972 113 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


187 The Michaels Companies, Inc. 米国 4,913 4,913 363 その他専門店 2 4.0%188 Gruppo Eurospin イタリア 4,805e** 4,805e** n/a ディスカウントストア 2 9.3%189 Ascena Retail Group, Inc. 米国 4,803 4,803 -237 衣料品・靴専門店 2 15.1%190 Demoulas Super Markets, Inc.

（dba Market Basket）米国 4,750e 4,750e n/a スーパーマーケット 1 8.2%

191 SM Investments Corporation フィリピン 4,725 6,515 888 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

1 9.0%

192 Chongqing Department Store Co., Ltd. 中国 4,650 4,841 59 デパート 1 7.0%193 Academy Ltd.（dba Academy Sports +

Outdoors）米国 4,600e 4,600e n/a その他専門店 1 11.2%

194 McKesson Corporation / Celesio AG ドイツ 4,570 23,649** 438 ドラッグストア・薬局 8 2.7%195 Dashang Co., Ltd. 中国 4,545 4,962 99 デパート 1 4.5%196 株式会社しまむら日本 4,527 4,527 205 衣料品・靴専門店 3 4.4%197 Woolworths Holdings Limited 南アフリカ 4,518 4,518 303 デパート 14 20.5%198 OJSC Dixy Group ロシア 4,473 4,505** 10 スーパーマーケット 1 33.5%199 株式会社ツルハホールディングス日本 4,468 4,468 166 ドラッグストア・薬局 2 12.0%200 株式会社マツモトキヨシホールディングス日本 4,445** 4,465** 149 ドラッグストア・薬局 2 4.6%201 Forever 21, Inc. 米国 4,400e 4,400e n/a 衣料品・靴専門店 48 10.6%202 Foodstuffs North Island Ltd. ニュージーランド 4,372** 4,372** 7 スーパーマーケット 1 ne203 Hermès International SCA フランス 4,310e 5,377** 1,085 衣料品・靴専門店 48 15.1%204 XXXLutz Group オーストリア 4,307e 4,307e n/a その他専門店 9 6.9%205 Groupe FNAC S.A. フランス 4,305** 4,305** 54 その他専門店 9 ne206 The Save Mart Companies

（旧Save Mart Supermarkets）米国 4,300e 4,300e n/a スーパーマーケット 1 -2.2%

207 SHV Holdings N.V. / Makro オランダ 4,260e 20,160 829 キャッシュアンドキャリー・ウェアハウスクラブ

5 -8.3%

208 PETCO Animal Supplies, Inc. 米国 4,200e 4,200e n/a その他専門店 3 7.9%209 Stater Bros. Holdings Inc. 米国 4,200e 4,200e n/a スーパーマーケット 1 3.1%210 株式会社サンドラッグ日本 4,196** 4,196** 180 ドラッグストア・薬局 1 6.9%211 Reinalt-Thomas Corporation

（dba Discount Tire/America's Tire）米国 4,196e 4,196e n/a その他専門店 1 6.9%

212 Lenta Group ロシア 4,181 4,181 170 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

1 29.0%

213 Belk, Inc. 米国 4,175e 4,175e n/a デパート 1 3.5%214 Nonggongshang Supermarket (Group)

Co. Ltd.中国 4,168e 4,588g n/a スーパーマーケット 1 0.5%

215 Barnes & Noble, Inc. 米国 4,164 4,164 -24 その他専門店 1 -4.4%











事業展開国数


CAGR2

131 Kesko Corporation フィンランド 7,247e** 9,640** 130 スーパーマーケット 8 ne132 エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社日本 7,231 7,628 117 デパート 2 14.5%133 The Sherwin-Williams Company / Paint

Stores Group米国 7,209 11,339** 1,054 ホームセンター 9 10.5%

134 Army & Air Force Exchange Service（AAFES）

米国 7,206 7,206 241 コンビニエンス・フォアコートストア 33 -3.8%

135 Reitan Group ノルウェー 7,092e** 7,751** 303 ディスカウントストア 7 10.8%136 株式会社髙島屋日本 7,047 7,706 201 デパート 4 0.9%137 Kering S.A. フランス 7,039 12,867** 801 衣料品・靴専門店 95 -10.7%138 Central Group タイ 7,029e 8,308 n/a デパート 6 19.6%139 Organización Soriana, S.A.B. de C.V. メキシコ 6,915** 6,915** 236 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


140 ベイシアグループ日本 6,864e** 7,461e** n/a ホームセンター 1 1.6%141 Compagnie Financière Richemont SA スイス 6,783 12,232** 2,459 その他専門店 56 12.1%142 株式会社ビックカメラ日本 6,745 6,745 38 電化製品専門店 1 5.5%143 Dillard's, Inc. 米国 6,548 6,755 269 デパート 1 1.3%144 Signet Jewelers Limited バミューダ 6,538 6,550 468 その他専門店 5 13.7%145 Belle International Holdings Limited 香港 6,495 6,495 469 衣料品・靴専門店 2 11.5%146 Yonghui Superstores Co., Ltd. 中国 6,469 6,782 97 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


147 BİM Birleşik Mağazalar A.Ş. トルコ 6,439 6,439 215 ディスカウントストア 3 21.5%148 Home Retail Group plc 英国 6,416 6,416 -1,224 無店舗 2 -6.3%149 Next plc 英国 6,339** 6,361** 1,015 衣料品・靴専門店 72 4.8%150 株式会社ドンキホーテホールディングス日本 6,299 6,525 254 ディスカウントデパート 2 8.5%

151 Tractor Supply Company 米国 6,227 6,227 410 その他専門店 1 11.3%152 Dufry AG スイス 6,204 6,389 -38 その他専門店 63 18.7%153 Emke Group / Lulu Group International アラブ首長国連邦 6,200e 6,200e n/a ハイパーマーケット・スーパーセンター・


154 WinCo Foods LLC 米国 6,200e 6,200e n/a スーパーマーケット 1 4.4%155 The SPAR Group Limited 南アフリカ 6,195** 6,195** 119 スーパーマーケット 10 16.1%156 Coppel S.A. de C.V. メキシコ 6,146e 6,146e n/a デパート 3 14.3%157 Vipshop Holdings Limited 中国 6,084 6,206 233 無店舗 1 184.6%158 President Chain Store Corp. 台湾 6,080e 6,481** 298 コンビニエンス・フォアコートストア 3 4.4%159 Agrokor d.d. クロアチア 6,025** 7,213** 172 スーパーマーケット 5 15.6%160 Majid Al Futtaim Holding LLC アラブ首長国連邦 6,011 7,446 901 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


161 Jumbo Groep Holding B.V. オランダ 5,909** 5,909** 47 スーパーマーケット 1 12.5%162 株式会社ヨドバシカメラ日本 5,896e 5,896e n/a 電化製品専門店 1 0.2%163 Homeplus Co., Ltd. 韓国 5,870 5,870 -0 ハイパーマーケット・スーパーセンター・

スーパーストア1 ne

164 Axel Johnson AB / Axfood, Axstores スウェーデン 5,853** 7,899** 186 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

4 49.2%

165 Bauhaus GmbH & Co. KG ドイツ 5,809e 5,809e n/a ホームセンター 19 7.2%166 株式会社エディオン日本 5,765** 5,765** 50 電化製品専門店 1 -5.1%167 Coop Danmark A/S デンマーク 5,703** 5,873** 36 スーパーマーケット 2 0.6%168 Grupo Eroski スペイン 5,692e 5,828 -68 スーパーマーケット 3 -6.2%169 Defense Commissary Agency（DeCA）米国 5,500 5,500 n/a スーパーマーケット 13 -1.2%170 Lojas Americanas S.A. ブラジル 5,479 5,479 76 ディスカウントデパート 1 13.8%171 Pick n Pay Stores Limited 南アフリカ 5,436** 5,436** 80 スーパーマーケット 7 6.9%172 株式会社ケーズホールディングス日本 5,366** 5,366** 136 電化製品専門店 1 -3.5%173 E.Land World Ltd. 韓国 5,347e** 6,283** 88 衣料品・靴専門店 3 8.5%


23


22


22











事業展開国数


CAGR2

216 株式会社アークス日本 4,151 4,161 53 スーパーマーケット 1 10.8%217 株式会社ローソン日本 4,056** 4,837** 266 コンビニエンス・フォアコートストア 6 4.6%218 Darty plc 英国 4,055 4,055 4 電化製品専門店 3 -9.2%219 Müller Holding Ltd. & Co. KG ドイツ 4,041e 4,041e n/a ドラッグストア・薬局 7 6.3%220 Iceland Topco Limited 英国 4,035** 4,035** -53 スーパーマーケット 7 2.3%221 Sports Direct International plc 英国 4,018 4,366** 419 その他専門店 24 13.6%222 Smart & Final Stores, Inc. 米国 3,971** 3,971** 38 キャッシュアンドキャリー・ウェアハウス

クラブ2 8.9%

223 株式会社バローホールディングス日本 3,940 4,144 89 スーパーマーケット 2 5.6%224 Ralph Lauren Corporation 米国 3,933 7,405** 396 衣料品・靴専門店 47 7.8%225 HORNBACH Baumarkt AG Group ドイツ 3,896 3,896 80 ホームセンター 9 4.5%226 Tiffany & Co. 米国 3,855e 4,105** 464 その他専門店 28 5.6%227 BGFretail Co., Ltd. 韓国 3,832 3,832 135 コンビニエンス・フォアコートストア 2 14.4%228 Coop Sverige AB スウェーデン 3,828** 3,828** 20 スーパーマーケット 1 ne229 Hobby Lobby Stores, Inc. 米国 3,800e 3,800e n/a その他専門店 1 10.8%230 株式会社コスモス薬品日本 3,788 3,788 105 ドラッグストア・薬局 1 13.5%231 株式会社ノジマ日本 3,782 3,789 110 電化製品専門店 1 16.3%232 Coach, Inc. 米国 3,760e 4,492** 461 その他専門店 34 0.8%233 株式会社ニトリホールディングス日本 3,724 3,798 390 その他専門店 3 7.6%234 Ulta Salon, Cosmetics & Fragrance, Inc. 米国 3,715 3,924 320 その他専門店 1 22.1%235 PT Indomarco Prismatama（Indomaret）インドネシア 3,709** 3,709** 57 コンビニエンス・フォアコートストア 1 23.1%236 HSN, Inc. 米国 3,691 3,691 169 無店舗 1 4.3%237 東京急行電鉄株式会社日本 3,664 9,092 462 デパート 5 -1.5%238 Ingles Markets, Inc. 米国 3,636 3,779** 59 スーパーマーケット 1 2.1%239 PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk（Alfamart）インドネシア 3,620 3,620 35 コンビニエンス・フォアコートストア 1 28.0%240 Savola Group/Panda Retail Company サウジアラビア 3,609 3,609 39 ハイパーマーケット・スーパーセンター・


241 Debenhams plc 英国 3,609 3,609 145 デパート 27 1.8%242 Sprouts Farmers Market, Inc. 米国 3,593 3,593 129 スーパーマーケット 1 47.4%243 Overwaitea Food Group カナダ 3,567e 3,567e n/a スーパーマーケット 1 7.3%244 Grandvision N.V. オランダ 3,560** 3,560** 257 その他専門店 44 29.1%245 株式会社ファミリーマート日本 3,545** 3,545** 199 コンビニエンス・フォアコートストア 7 6.0%246 SMU S.A. チリ 3,538** 3,573** -0 スーパーマーケット 2 16.8%247 American Eagle Outfitters, Inc. 米国 3,522** 3,522** 218 衣料品・靴専門店 29 3.5%248 Abercrombie & Fitch Co. 米国 3,519 3,519 39 衣料品・靴専門店 22 0.3%249 Norma Lebensmittelfilialbetrieb Stiftung &

Co. KGドイツ 3,510e 3,510e n/a ディスカウントストア 4 3.3%

250 DCMホールディングス株式会社日本 3,508 3,629 87 ホームセンター 1 0.5%

1 親会社またはグループの売上高と純利益は、小売以外の事業の業績を含む場合がある。2 年平均成長率e＝見通し g＝企業が報告した総売上高

n/a＝入手不可ne＝存在せず（合併または事業分割により設立）* 卸売売上高を反映させた売上高** 卸売および小売売上高を含む売上高

出典： Deloitte Touche Tohmatsu Limited. Global Powers of Retailing 2017. Analysis of financial performance and operations for fiscal years ended through June 2016 using company annual reports, Planet Retail database and other public sources.

世界の小売業ランキング2017 | 地域別の動向

25


24

ドイツの小売企業の平均純利益率は1%未満だが、これについては慎重に評価する必要がある。ドイツの小売企業17社のうち13社が非公開企業で、利益額を公表していないためである。フランスの小売企業は、欧州の他地域に比べ売上高成長率は低水準であったが、純利益では上回った。

欧州の小売企業は、本国市場が成熟しているため、最も活発に国外事業を展開し続けている。総売上高の40%近くを国外事業が占め、上位250社全体のほぼ2倍に相当する。欧州企業の80%超が国際的に事業を展開しており、平均16ヶ国で事業を展開している。フランスとドイツの小売企業は、最もグローバルな小売ネットワークを構築している。

上位250社の小売企業のうち欧州企業の割合が低下

2015年度、欧州の小売企業数は、上位250社中、前年度の93社から85社に減少した。ユーロ安と低成長がこの大幅な減少の原因である。平均小売売上高は、前年度比3.7%、2010～2015年の5年間では3.8%の成長となった。他の地域と比べ、マイナスの成長率となる小売企業の割合が高い（85社中23社）。相対的には低い水準だが、2009年度以降最低を記録した2014年度と比べれば改善している。平均純利益率も3.1%と、前年に比べて改善した。

英国の小売企業は、欧州の業績に悪影響を及ぼしている。上位250社のうち、英国の小売企業は平均ベースで2年連続マイナスの売上高成長率となり、利益も低水準に留まっている。ドイツの小売企業は成長が加速し、2010年以降最高の業績を記録している。

地域別の動向地域別の動向では、各企業を本社所在地で分類して分析する。そのため、売上の大部分を得ている地域とは必ずしも一致しない。多くの企業は、分類された地域以外でも売上を上げているが、売上高はすべて各企業の分類された地域内で得られたものと見なしている。

地域・国別のプロフィール（2015年度）地域・国別のグローバル化水準（2015年度）

企業数

平均小売売上高

（100万米ドル）上位250社に占める割合

上位250社の売上高に占める割合

小売売上高に占める

国外事業の割合平均国数

1ヶ国のみで営業している企業の割合

上位250社 250 $17,234 100.0% 100.0% 22.8% 10.1 33.2%

アフリカ・中東 9 $6,734 3.6% 1.4% 35.1% 11.3 0.0%

アジア・太平洋 59 $10,545 23.6% 14.4% 10.7% 3.8 45.8%

中国・香港1 14 $11,341 5.6% 3.7% 17.1% 4.1 57.1%

日本 30 $9,337 12.0% 6.5% 10.4% 4.4 40.0%

その他のアジア・太平洋 15 $12,219 6.0% 4.3% 6.4% 2.4 46.7%

欧州 85 $17,727 34.0% 35.0% 39.6% 16.0 17.6%

フランス 12 $29,522 4.8% 8.2% 46.0% 30.8 0.0%

ドイツ 17 $24,762 6.8% 9.8% 47.0% 15.9 5.9%

英国 15 $16,619 6.0% 5.8% 16.6% 15.7 20.0%

その他の欧州 41 $11,762 16.4% 11.2% 40.6% 11.9 26.8%

ラテンアメリカ 9 $7,615 3.6% 1.6% 23.7% 2.7 33.3%

北米 88 $23,300 35.2% 47.6% 13.6% 9.2 43.2%

米国 82 $23,974 32.8% 45.6% 13.8% 9.7 41.5%

業績は上位250社のうち、各地域・国に本社がある小売企業を反映している。1 中国と香港は1つの国として分析している。


16.9

%

5.0%

6.7%

12.7

%

4.8%

6.8%

3.8%

2.9% 3.

8%

0%

6.5%

12.2

%

4.9%

19.1

%

5.2%

7.3%

12.9

%

6.9%

4.4%

3.7%

1.6%

4.2%

-4.9

%

9.5%

11.3

%

5.2%5.

8%

3.0%

1.4%

0.7%

2.4%

0.4%

3.1% 3.3%

0.8% 1.5%

4.5%

4.0%

3.2%

6.2%

4.6%

1.8%

0.9%

2.9%

0.5%

4.1%

3.7%

1.8% 2.0%

6.0%

3.7%

6.4%

20%

5%

15%

10%

0%

4.8% 5.1%

3.4%

6.8%

上位

250社日本

中国・香港

ドイツ

英国

アフリカ・中東

アジア・太平洋

その他の欧州

北米

米国

その他のアジア・

太平洋

フランス欧州

ラテンアメリカ

2010～2015年度の小売売上高のCAGR2 2015年度の純利益率2015年度の小売売上高成長率 2015年度のROA

業績は上位250社のうち、各地域・国に本社がある企業を反映している。1 為替調整後の売上高加重平均2 年平均成長率


地域・国別の小売売上高成長率と利益率¹（2015年度）


27


26

日本は、2014年の消費税率引き上げに伴い小売売上高が減少したが、2015年度には上位250社内の同国小売企業の平均売上高成長率は、累積需要によって6.9%に持ち直した。日本の小売企業の大半で利益率が改善した結果、平均純利益率は2.4%となっている。

アフリカ・中東の小売企業は、高成長を続けている。アフリカは、中間層の台頭に伴い小売業界の近代化が進んでおり、多くのアフリカ諸国が消費主導の市場へと移行しつつある。中東も依然として小売企業の魅力的な進出先である。アフリカ・中東における2015年度の成長率と純利益率はそれぞれ19.1%と5.8%で、5つの地域の中で最高であった。上位250社のうちアフリカ・中東の小売企業は、営業地域が非常に広く、2015年度には、9社すべてが国際的に事業を展開し、平均11.3ヶ国に進出している。また、総小売売上高の3分の1超を国外で上げている。

ラテンアメリカの小売企業も、引き続き好調な成長率と平均以上の利益率を達成している。11.3%という平均成長率は、アフリカ・中東に次いで2位の高水準である。また、4.0%という平均純利益率についても、地域別の業績で2位であった。Grupo Comercial Chedrauiが米国南西部で展開しているスーパーマーケットチェーンを除くと、ラテンアメリカ企業9社は、2015年度の小売売上高の全てをラテンアメリカ内で上げている。ただし、その約4分の1は国外で得たものである。

北米は、2015年度の上位250社の3分の1超を占めたが、その平均規模は233億米ドルと、上位250社全体の半分程度に留まっている。北米企業の平均売上高成長率と純利益率はそれぞれ5.2%と3.2%で、上位250社全体と同水準であった。しかし、北米の小売企業は、従来通り資産活用の収益性が高く、6.4%の平均ROAを達成している。上位250社内では米国の小売企業が北米の大半を占めており、北米全体と概ね同水準であった。

北米の小売企業は、全体的にグローバル化が進んでおらず、平均展開国数こそ9.2ヶ国だが、2015年度の総小売売上高のうち、国外事業の占める割合は13.6%に過ぎなかった。北米の小売企業の40%超は、依然として本国内のみで営業している。

アジア・太平洋の小売企業は、国際事業への投資が相対的に遅れている。2015年度、上位250社に入ったアジア・太平洋の小売企業59社の平均売上高は、その90%近くを国内事業が占め、ほぼ半数の企業は国外事業の小売売上高を計上していない。平均展開国数は、上位250社全体が10.1ヶ国に対し、アジア・太平洋は3.8ヶ国に留まっている。アジア経済の減速にもかかわらず、小売企業の成長率は7.3%と比較的好調に推移している。一方、利益率は低迷が続き、純利益率は1.4%に低下した。

中国と香港（1つの国として分類）の小売企業は、2015年度に平均ベースでアジア・太平洋における成長率トップを記録し、売上高も12.9%増加したが、純利益率の上昇は0.7%の小幅であった。ただし、これは中国最大の小売企業であるJD.comの影響によるところが極めて大きい。急速に成長しているものの利益率が低く、この巨大eコマース企業を除外した場合、中国と香港の平均成長率は半分以下の6.1%に低下し、純利益率は2.6%に上昇する。

世界の小売業ランキング2017 | 商品セクター別の動向

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世界の小売業ランキング2017 | 商品セクター別の動向

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ハードライン（家電・日用品等）・レジャー用品の小売企業は、世界的な経済危機から脱却した2010年以降、極めて好調な成長率を示している。当グループは2015年度、平均ベースで7.6%の小売売上高成長率を記録した。小売企業の大半が利

益を確保した結果、平均純利益率は3.6%に達した。（注：利益率についてはApple Inc.を除外している。p.40の調査手法に関する説明を参照）。しかしながら、各企業の業績は明暗がはっきりと分かれている。この商品セクターの売上高は50社中13社がマイナス成長となったが、巨大eコマース企業のAmazon.comとJD.comの力強い成長によってマイナス分が相殺され、グループの平均売上高成長率は大幅に上昇した。一方、全体の利益率では、上記2社のeリテーラーが大きなマイナス要因となっている。

その他の商品セクターは、全体として成長率の低迷が続いている。小売企業が「その他の商品」に分類されるのは、3つの特定の商品セクターのいずれもがその企業の小売売上高の50%以上を占めない場合である。このグループの22社の

2010～2015年における平均小売売上高は、年平均ベースで1.3%の増加に留まっている。2015年度は2014年度に続いて、「その他の商品」の最大手企業3社のうち2社がマイナスの売上高を計上したため、このグループの平均売上高も減少した。ドイツのMetro Groupは再建途上にあることから、2015年度の売上高が6.1%減少し、3年連続の減収となった。一方、Sears Holdingでは9年連続して売上高が下落し、2015年度19.4%の減少を記録した。

日用消費財（FMCG：fast-moving consumer goods）の小売企業は、上位250社の中で圧倒的に企業規模が大きく、また企業数も多い。その平均小売売上高は216億米ドル近くに達する。2015年度における企業数は133社であった。これ

は上位250社全体の半数強に当たり、売上高は上位250社の3分の2を占める。また平均売上高も、5.0%という堅調な成長率を示した。平均純利益率は2.1%となり、従前から利益の少ないこの商品セクターとしては標準的な業績となっている。

食料品業界は再編が進んだ結果、Safeway（2015年1月にAlbertson’s Holdingsが買収）22、Family Dollar Stores（2015年7月にDollar Treeが買収）23、Roundy’s（2015年12月にKrogerが買収）24などを含め、かつて上位250社に入っていたFMCGの小売企業が次々と吸収合併されている。さらに、かつては米国最大のスーパーマーケット企業であったA&Pは、2015年11月に営業を終了、156年に及ぶ事業に幕を下ろし、資産売却を開始した25。これらの企業が2015年度のランキングから姿を消したものの、2015年度には、それを補って余りある9社が新たに上位250社に加わっている（p.30を参照）。2016年も業界再編が続き、AholdとDelhaizeの両グループが合併して世界最大の食料品小売企業Ahold Delhaizeとなった。本レポートでは、2015年度末時点で両社が異なる企業であったため、売上高を別々に掲載しているが、2015年度の両社の売上高を合計すれば700億米ドル近くに達する。そのため、合併後のグループとして見ると、上位250社のランキングおよび欧州を本拠地とするその他の主要な食料品小売企業の中で13位となる26。

世界最大の衣料品・服飾品の小売企業の多くは、その大半が国外に事業を拡大している。2015年度、この商品セクターの平均小売売上高における国外市場の占有率は3分の1だが、上位250社全体では4分の1に至っていない。各社の展開国数は平均26ヶ国に達し、他の商品セクターをはるかに上回っている。国外展開の面では最も進んでいるが、規模は比較的小さく、平均小売売上高は94億米ドルとなっている。これは小売企業上位250社の平均と比べて約半分の規模である。

衣料品・服飾品の小売企業が引き続き他の商品セクターを上回る業績を達成

上位250社のうち衣料品・服飾品の小売企業の売上高成長率は、3年連続で他の商品セクターを上回った。2015年度の当セクター45社の平均小売売上高は7.7%増と好調さを見せている。また、衣料品・服飾品セクターは従来から利益

率が最も高く、2015年度も例外ではなく、平均純利益率は7.1%を記録した。

商品セクター別の動向本レポートでは、地域別のほか、主要な小売商品セクター別でも小売業の業績を分析する。分析では、「衣料品・服飾品」、「日用消費財」、「ハードライン（家電・日用品等）・レジャー用品」、「その他の商品」という4つのセクターを使用する。小売売上高の半分以上を占める特定の商品セクターがある場合は、その商品カテゴリーに分類する。特定の商品セクターの中で企業の売上高の50%以上を占めるものがない場合、その企業の商品カテゴリーは「その他の商品」と見なされる。

1 為替調整後の売上高加重平均2 年平均成長率


商品セクター別のプロフィール（2015年度）商品セクター別のグローバル化水準（2015年度）

企業数平均小売売上高（100万米ドル）

上位250社に占める割合

上位250社の売上高に占める割合

小売売上高に占める

国外事業の割合平均国数

1ヶ国のみで営業している企業の割合

上位250社 250 $17,234 100.0% 100.0% 22.8% 10.1 33.2%

衣料品・服飾品 45 $9,366 18.0% 9.8% 32.0% 26.0 13.3%

日用消費財 133 $21,576 53.2% 66.6% 21.5% 5.9 39.1%

ハードライン・レジャー用品 50 $14,124 20.0% 16.4% 23.8% 7.9 32.0%

その他の商品 22 $14,141 8.8% 7.2% 20.3% 8.0 40.9%


10%

4%

0%

8%

6%

2%

-2%

5.0%

6.2%

5.1% 6.

0%

1.3%

3.0%

7.1%

2.1%

3.6%

2.2%

5.2%

7.7%

5.0%

7.6%

-1.1

%

4.6%

8.1%

3.6%

5.6%

3.0%

上位250社衣料品・服飾品

ハードライン・レジャー用品その他の商品日用消費財

2010～2015年度の小売売上高のCAGR2



2015年度のROA

主要な商品セクター別の小売売上高成長率と利益率¹（2015年度）

世界の小売業ランキング2017 | 急成長小売企業50社

31

世界の小売業ランキング2017 | 上位250社へ新たに加わった企業

30

急成長企業50社の米国企業のほとんどは、買収によってランクインを果たしている。Albertsonsは2015年1月にSafewayを買収し、規模を約3倍に拡大した32。2015年7月には、Dollar Treeが成長力向上を目指し、Family Dollar Storesとの合併を完了している33。2012年にCharming Shoppesを買収したAscena Retail Groupは、より多くの働く女性たちを引き付けようと、2015年8月にANN Inc.を買収した34。一方、Signet Jewelersは、2014年のZale Corp.買収で得た相乗効果を基に発展を続けている35。

買収活動を通じて急成長企業50社に入った企業には、ほかに次のようなものがある。

・Steinhoff：家具・生活用品の小売企業。2015年3月に南アフリカのPepkorグループを買収し、自社のディスカウント路線を衣料品部門にも拡大した36。

・FEMSA Comercio：メキシコを本拠地とするコンビニエンスストア企業。2015年9月、南米の大手ドラッグストアチェーンGrupo Socofarの株式の過半数を取得した37。

・Dufry Group：スイスの免税店の小売企業。2015年8月、空港の店舗や旅行店を運営するイタリア系企業World Duty Freeの経営権を取得した38。

・株式会社ノジマ：日本の家庭用電化製品・器具の小売企業。日本で5位の携帯電話販売会社ITX株式会社を2015年3月に買収した39。

・Agrokor：クロアチア最大の小売企業。2014年6月、スロベニアを本拠地とする食料品の小売企業、Mercatorの経営権を取得した後、少数株主の持ち分を買い上げて自社の出資比率をさらに引き上げた40。

・エイチ･ツー･オーリテイリング株式会社：日本のデパート。市場シェアの拡大をねらい、2014年6月に、日本でハイパーマーケットやスーパーマーケットを運営するイズミヤと合併した41。

eコマースと買収で伸びる急成長企業50社

急成長小売企業50社の2010～2015年における平均小売売上高は、年平均22.2%増加し、上位250社のグループ全体に比べ4倍を超える成長率を示した。この非常に高い成長率は、eコマースの売上高急増と活発なM&Aによるところが大きい。急成長企業50社の3分の2を超える企業（34社）は、2015年度の急成長小売企業50社にも入っており、対前年度成長率は25.9%に達している。これは上位250社全体の成長率の5倍に相当する。急成長企業50社に入るには、5年間の平均年間売上高成長率が12.3%以上を記録する必要があった。

しかし、好調な売上高が利益率の上昇には至ってない。急成長小売企業50社の平均純利益率が2.6%であったのに対し、上位250社は3.0%となっている。最終損益を公表した企業のうち純損失を計上したのは4社に留まったものの、急成長企業50社の最大手3社（JD.com、Albertsons Companies、Amazon. com）の利益率は低水準またはマイナスとなり、当グループ全体に極めて大きな影響を与えた。注：上位250社のうち、売上高の大半を小売事業が占めていない企業は、連結利益が小売以外の事業を主に反映しているため、当グループの利益率の対象からは除外している。

eコマースに特に注力し、急速に成長している小売企業が2社ある。中国eリテーラーのVipshopとJD.comである。Vipshopは、中国で初めてフラッシュセールを展開した企業で、2008年の設立以来、消費者とブランドパートナーの基盤を急速に拡大してきた。一方、中国最大のオンライン直販企業であるJD.comは、2015年にロシア語のウェブサイトを立ち上げ、国外でも成長を加速させている30。上位250社にランクインしているeリテーラーAmazon.comは、デロイトが2004年に調査を開始して以来、常に急成長企業50社に入っている。実店舗での売上高が減少しているため、中国の家庭用電化製品・器具の小売企業Suning Commerce Groupは、eコマース事業拡大に尽力している。2015年の同社の成長は、大部分がオンライン販売に起因し、その売上高は95%急増し、総売上高の3分の1超を占めるに至っている31。

急成長小売企業50社急成長小売企業50社は、2010～2015年の5年間にわたる平均年間売上高成長率に基づいて選定された。急成長企業50社のうち、2015年度の対前年成長率で上位50社にも入った企業は、一層優れた企業グループを構成している。これらの小売企業は、ランキングでは太字で示している。

・Smart & Final：非会員制のウェアハウスストア企業

・Hobby Lobby Stores：手工芸品の小売企業

・Ulta Salon, Cosmetics & Fragrance：ビューティーストアチェーン

・HSN：テレビホームショッピング、カタログ、インターネットの小売企業

・Sprouts Farmers Market：生鮮、自然、有機、グルテンフリーの商品に特化したローカル食料品チェーン

・American Eagle Outfitters：モール販売を主とする衣料品の小売企業

初めてランクインした新興市場の小売企業には、8,000店を超えるCUのフランチャイズ店を運営する韓国のBGFretail、インドネシアの2大コンビニエンス・ミニマートストアであるIndomarco Pr ismatama（Indomaretのブランド名で営業）および、Sumber Alfaria Trijaya（主にAlfamartのブランド名で営業）という急成長コンビニエンスストアチェーン3社が含まれる。中東では、Savola GroupのPanda Retail CompanyがサウジアラビアとUAEの各地でハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストアを運営している。

日本の家庭用電化製品・器具の小売企業である株式会社ノジマも、日本で5位の携帯電話小売企業ITX株式会社を2015年3月に買収し、それにより上位250社に加わった29。

2015年度は、13社の小売企業が上位250社に初めてランクインした。最上位はHomeplusで、163位に入っている。2015年10月、Tescoはバランスシート改善策の一環として、韓国を本拠地とするこの食料品チェーンを投資家グループに売却した27。2016年1月にCVC Capital PartnersとCanada Pension Plan Investment Boardによるプライベートエクイティ間取引で買収されたPetco Animal Suppliesは28、208位に入っている。売却決定前の2015年8月に提出された同社のS-1登録届出書によると、売上高は前年度の予想を上回り、業績報告に基づけば、このペット専門小売企業は2011年度から上位250社内に入っていたことになる。

新たにランクインした企業のうち5社の本拠地は新興市場で、7社は米国である。米国企業が優勢なのは、米ドル高の恩恵によるものと考えられる。ドル高により、上位250社のボーダーライン上にあった米国系の小売企業が、ドル建てランキングで他国の企業よりも上位に押し上げられたのである。新たに加わった米国企業には、次のようなものがある。

上位250社へ新たに加わった企業上位250社へ新たに加わった企業（2015年度）

上位250社における順位企業本拠地主要な業態


163 Homeplus Co., Ltd. 韓国ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア ne208 PETCO Animal Supplies, Inc. 米国その他専門店 5.1%222 Smart & Final Stores, Inc. 米国キャッシュアンドキャリー・ウェアハウスクラブ 12.4%227 BGFretail Co., Ltd. 韓国コンビニエンス・フォアコートストア 28.7%229 Hobby Lobby Stores, Inc. 米国その他専門店 2.7%231 株式会社ノジマ日本電化製品専門店 86.5%234 Ulta Salon, Cosmetics & Fragrance, Inc. 米国その他専門店 21.2%235 PT Indomarco Prismatama（Indomaret）インドネシアコンビニエンス・フォアコートストア 20.1%236 HSN, Inc. 米国無店舗 2.9%239 PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk（Alfamart）インドネシアコンビニエンス・フォアコートストア 15.5%240 Savola Group/Panda Retail Company サウジアラビアハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア 10.9%242 Sprouts Farmers Market, Inc. 米国スーパーマーケット 21.1%247 American Eagle Outfitters, Inc. 米国衣料品・靴専門店 7.3%

ne＝存在せず（事業分割または合併により設立）



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急成長小売企業50社（2010～2015年度）

成長率の順位

上位 250社における順位企業本拠地




CAGR¹



36 227 BGFretail Co., Ltd. 韓国 3,832 コンビニエンス・フォアコートストア 14.4% 28.7% 3.5%

37 117 Associated British Foods plc / Primark 英国 8,307 衣料品・靴専門店 14.4% 8.0% 4.1%

38 156 Coppel S.A. de C.V. メキシコ 6,146e デパート 14.3% 10.0% n/a

39 170 Lojas Americanas S.A. ブラジル 5,479 ディスカウントデパート 13.8% 11.0% 1.4%

40 144 Signet Jewelers Limited バミューダ 6,538 その他専門店 13.7% 14.2% 7.1%

41 221 Sports Direct International plc 英国 4,018 その他専門店 13.6% 2.6% 9.6%

42 230 株式会社コスモス薬品日本 3,788 ドラッグストア・薬局 13.5% 9.5% 2.8%

43 88 S.A.C.I. Falabella チリ 10,748 デパート 13.4% 9.9% 7.4%

44 38 LVMH Moët Hennessy- Louis Vuitton S.A. フランス 25,605 その他専門店 13.2% 17.8% 11.2%

45 174 GS Retail Co., Ltd. 韓国 5,341 コンビニエンス・フォアコートストア 12.7% 25.0% 2.6%

46 161 Jumbo Groep Holding B.V. オランダ 5,909** スーパーマーケット 12.5% -2.7% 0.8%

47 110 Shoprite Holdings Ltd. 南アフリカ 9,038** スーパーマーケット 12.5% 14.4% 3.7%

48 46 Suning Commerce Group Co., Ltd. 中国 21,814 電化製品専門店 12.4% 24.4% 0.6%

49 57 Cencosud S.A. チリ 16,198 スーパーマーケット 12.4% 1.8% 2.1%

50 177 Berkshire Hathaway Inc. / Retailing operations

米国 5,235e その他専門店 12.3% 18.4% 11.6%

急成長企業50社の為替調整後の売上高加重平均 22.2% 25.9% 2.6%

上位250社の為替調整後の売上高加重平均 5.0% 5.2% 3.0%

急成長小売企業50社（2010～2015年度）

成長率の順位

上位 250社における順位企業本拠地




CAGR¹



1 157 Vipshop Holdings Limited 中国 6,084 無店舗 184.6% 64.4% 3.8%

2 36 JD.com, Inc 中国 26,991 無店舗 81.3% 54.5% -5.2%

3 17 Albertsons Companies, Inc. 米国 58,734 スーパーマーケット 74.1% 115.9% -0.9%

4 164 Axel Johnson AB / Axfood, Axstores スウェーデン 5,853** ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

49.2% 7.1% 2.4%

5 242 Sprouts Farmers Market, Inc. 米国 3,593 スーパーマーケット 47.4% 21.1% 3.6%

6 72 Steinhoff International Holdings N.V. 南アフリカ 13,155 その他専門店 44.5% 39.2% 9.0%

7 84 Southeastern Grocers, LLC 米国 11,145e スーパーマーケット 34.6% 1.9% n/a

8 198 OJSC Dixy Group ロシア 4,473 スーパーマーケット 33.5% 19.1% 0.2%

9 61 PJSC "Magnit" ロシア 15,677 コンビニエンス・フォアコートストア 32.0% 24.3% 6.2%

10 244 Grandvision N.V. オランダ 3,560** その他専門店 29.1% 13.8% 7.2%

11 212 Lenta Group ロシア 4,181 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

29.0% 30.3% 4.1%

12 239 PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk（Alfamart）インドネシア 3,620 コンビニエンス・フォアコートストア 28.0% 15.5% 1.0%

13 146 Yonghui Superstores Co., Ltd. 中国 6,469 ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

27.6% 14.4% 1.4%

14 81 CP ALL Plc. タイ 11,890** コンビニエンス・フォアコートストア 24.0% 9.3% 3.4%

15 33 Apple Inc. / Apple Retail Stores 米国 28,000e 電化製品専門店 23.4% 30.5% 22.8%

16 235 PT Indomarco Prismatama（Indomaret）インドネシア 3,709** コンビニエンス・フォアコートストア 23.1% 20.1% 1.5%

17 123 NIKE, Inc. / Direct to Consumer 米国 7,857 衣料品・靴専門店 22.3% 18.4% 11.6%

18 234 Ulta Salon, Cosmetics & Fragrance, Inc. 米国 3,715 その他専門店 22.1% 21.2% 8.2%

19 147 BİM Birleşik Mağazalar A.Ş. トルコ 6,439 ディスカウントストア 21.5% 20.5% 3.3%

20 62 Dollar Tree, Inc. 米国 15,498 ディスカウントストア 21.4% 80.2% 1.8%

21 10 Amazon.com, Inc. 米国 79,268 無店舗 20.8% 13.1% 0.6%

22 197 Woolworths Holdings Limited 南アフリカ 4,518 デパート 20.5% 15.0% 6.7%

23 138 Central Group タイ 7,029e デパート 19.6% 14.9% n/a

24 102 FEMSA Comercio, S.A. de C.V. メキシコ 9,572 コンビニエンス・フォアコートストア 19.4% 38.1% n/a

25 71 X5 Retail Group N.V. ロシア 13,378 ディスカウントストア 18.7% 27.6% 1.8%

26 152 Dufry AG スイス 6,204 その他専門店 18.7% 46.7% -0.6%

27 153 Emke Group / Lulu Group International アラブ首長国連邦 6,200e ハイパーマーケット・スーパーセンター・スーパーストア

17.3% 6.9% n/a

28 246 SMU S.A. チリ 3,538** スーパーマーケット 16.8% 17.8% 0.0%

29 231 株式会社ノジマ日本 3,782 電化製品専門店 16.3% 86.5% 2.9%

30 155 The SPAR Group Limited 南アフリカ 6,195** スーパーマーケット 16.1% 34.6% 1.9%

31 67 株式会社ファーストリテイリング日本 14,239** 衣料品・靴専門店 15.6% 21.6% 7.0%

32 159 Agrokor d.d. クロアチア 6,025** スーパーマーケット 15.6% 49.6% 2.4%

33 189 Ascena Retail Group, Inc. 米国 4,803 衣料品・靴専門店 15.1% 0.3% -4.9%

34 203 Hermès International SCA フランス 4,310e 衣料品・靴専門店 15.1% 17.6% 20.2%

35 132 エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社日本 7,231 デパート 14.5% 8.5% 1.5%

太字で示した企業は、2015年の急成長小売企業50社にも入っている。急成長企業50社と上位250社の平均純利益率では、小売業を主としていない企業の業績を除外している。

1 年平均成長率** 卸売および小売売上高を含む売上高e＝見通し


太字で示した企業は、2015年の急成長小売企業50社にも入っている。急成長企業50社と上位250社の平均純利益率では、小売業を主としていない企業の業績を除外している。

1 年平均成長率** 卸売および小売売上高を含む売上高e＝見通し


世界の小売業ランキング2017 | eリテーラー上位50社

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実店舗の役割を見直す小売企業

eコマースへの急速なシフトは、小売業界を文字通り一変させている。オンラインの成長率が小売売上高全体の成長率を上回る中で、小売企業は実店舗の合理化とeコマース事業の強化を進めている。eコマースが店舗の生産性に悪影響を与えていることから、多くの小売企業では、既存の店舗基盤が単純に大きすぎるという結論に至っている。その結果、店舗閉鎖が相次ぎ、より小規模で柔軟性に優れた店舗形態への移行を図ると共に、実店舗に新たな役割を与えている。小売店舗はオムニチャネル戦略においてますます重要な役割を担い、チャネルを超えたフルフィルメントセンター、オンラインで注文した商品の受取場所、返品・交換に便利な場所として機能しているほか、商品のショールームやブランド構築、消費者獲得のチャネルとしても活用されている。

モールへの客足の減少を受け、実店舗の大幅な削減を計画しているデパートや衣料品専門小売店が増加している。Macy’sもその一つである。2016年8月、同社は、売上高と利益率が近年減少を続けていたフルライン店舗約100店を閉鎖する方針を発表した。これらの店舗の大半は、2017年の早い時期に閉鎖される予定である。Macy’sは残りの店舗での購買体験を向上させると共に、デジタルとモバイルへの投資を加速させることを計画している44。

モールのほか、郊外の大規模小売店も、店舗の生産性低下を受けて拡張計画の見直しに動いている。Lowe’sとTargetの両社は、より小規模で柔軟性に優れた店舗を都市部で展開することに商機を見いだしており、近隣の人口動態に応じて規模と品揃えをカスタマイズすることを計画している。一方Targetは、店舗の平均規模が14万5,000平方フィートである中、5万平方フィート未満の新店舗を出店している。同社は数百店の小規模店舗を計画しており、2016年11月中旬時点ですでに30店舗が営業を開始している45。

上位250社の小売企業がeリテーラー上位50社の大半を占める

世界の小売企業上位250社の選定と分析に加えて、デロイトでは毎年、世界のeリテーラー上位50社のランキングを作成している。これら上位50社の分析から次のことが分かる。

・世界の小売企業上位250社に入る企業が引き続きeリテーラー上位50社の大半を占めている。2015年度は、eリテーラー上位50社の80%（40社）が上位250社に入っている企業であった。

・eリテーラー上位50社の大部分が米国（26社）または欧州（19社）のいずれかに本拠地を置いている。その他の5社は新興市場の企業であった（4社が中国、1社がブラジル）。急成長している最大のeコマース企業の中には、アジアを本拠地としているものもあるが、アジアでは、eリテーラーではなくオンラインマーケットプレイスがeコマースの代表的なモデルとなる傾向がある。これらのサードパーティマーケットプレイスは、eリテーラー上位50社から除外されている。

・eリテーラー上位50社のうち、12社は無店舗またはウェブ専業の小売企業である。これには、2015年度に初めてeリテーラー上位50社に加わった米国企業であり、家具・インテリアや装飾品を販売する世界最大のオンラインストアの1つであるWayfairと、中低所得の消費者向けに幅広い衣料品や雑貨を取り揃えているマルチブランドのオンライン小売企業Bluestem Groupの2社が含まれている。

・買収によって、2015年度に初めてeリテーラー上位50社に入った新参企業も2社あった。スイス最大の小売協同組合であるMigrosは、2015年4月にスイスのオンライン市場大手Digitec Galaxusの経営権を取得し、それによりeコマースの売上高が47.3%急増している42。一方、Neiman Marcusについても、2014年10月に買収したドイツのオンラインファッション小売企業mytheresa.comの売上高の一部が加算された結果、2015年度の業績が押し上げられた43。

・2015年度は、5社がeリテーラー上位50社から除外された。ロシアの大手eリテーラーUlmartとフランスのグローバル小売グループAuchanは、通貨下落の影響でドル建てのランキングから外れた。コンピューターハードウェア・ソフトウェアのオンライン小売企業Neweggは、ファーストパーティの販売を主体にした業態から、サードパーティマーケットプレイスへの戦略転換を図っている。Lands’ Endは、2015年度に無店舗売上高が8%減少したことで、上位50社から除外された。一方、Toys “R” Usはeコマースで8.3%の売上高成長率を記録したものの、Neiman Marcus Groupに追い越され、ランキング内に留まることができなかった。

・eリテーラー上位50社は、平均で総小売売上高の15.7%をオンライン事業から得ている。これは上位250社内のeコマースグループの8.7%のほぼ2倍に相当する。

・eリテーラー上位50社は、2015年度にeコマース売上高を総小売売上高ベースで平均19.6%伸ばした。この成長率は、2011～2015年の同グループの年平均成長率22.0%よりやや低い。

・オンラインの拡大は鈍化しているものの、小売売上高に占めるデジタルチャネルの割合は拡大を続けている。2015年度、上位250社のうち、eコマース対応企業については、総小売売上高の8.7%をeコマースが占め、2014年度の7.6%、2013年度の6.2%から上昇した。前述した専業eリテーラー3社を除外すると、2015年度の総小売売上高に占めるオンライン売上高の割合は5.6%に低下する。

・上位250社内の多くの小売企業にとって、eコマースは売上拡大の主な牽引役となっている。eコマース事業者151社の総小売売上高の増加分のうち、35.3%がデジタルチャネルを通じて生み出されている（Amazon、JD、Vipshopを除外した場合は22.5%）。また、62社の小売企業では、拡大の（全部ではないにしても）大部分をオンライン売上高が占めた。

・eコマース対応のウェブサイトを保有している小売企業（41社）の4分の3超は、2015年度の小売売上高成長率がマイナスになっている。当該企業の多く（33社の小売企業）は、eコマースが売上高減少の埋め合わせに寄与した。また、別の12社の小売企業では、eコマース事業の貢献がなければ、成長率がマイナスになっていた。

世界の小売業界を変革するeコマース

eコマースは、引き続き小売業界の成長の主な原動力となっている。売上高に占める割合が一層の拡大を続けており、世界中で小売業界を変革し続けている。小売売上高拡大におけるデジタルチャネルの影響について理解を深めるため、デロイトでは、世界の小売企業上位250社のeコマース活動を分析し、eリテーラー大手50社の年間ランキングを調査している。eコマースへの急速なシフトに伴い、多くの小売企業がオンライン事業を強化する中、実店舗の規模と役割について再検討している。

eコマースが上位250社の売上拡大を牽引

2015年度は、小売企業上位250社のうち182社についてeコマースの売上情報を入手できた（企業による報告やPlanet Retail、Internet Retailerなどによる概算）。これらの企業の分析から、次のことが明らかになっている。

・クリック&コレクトサービスが急速に台頭し、オンライン事業を立ち上げる小売企業（食料品販売主体の企業を含む）が増加している。その結果、上位250社のうち商取引用のウェブサイトを持たない小売企業の数は減少を続け31社になった。こうした企業の大半は、スーパーマーケット、ハードディスカウントストア、コンビニエンスストアの運営会社である。

・eコマースを展開している小売企業では、オンライン売上高の成長スピードが鈍化しているものの、総売上高の成長スピードに比べると依然として高い水準を維持している。上位250社のうち、eコマース事業者151社の2015年度におけるオンライン売上高の平均成長率は18.3%で、当該企業の総小売売上高成長率4.1%の4.5倍に達している。このeコマース成長率は、2014年度の20.3%や2013年度の21.1%に匹敵する水準である。Amazon.com、JD.com、Vipshop（上位250社のうちウェブ専業の小売企業3社）を分析から除外した場合、2015年度のeコマース成長率は15.5%、総売上高の成長率も3.5%と、いずれも低下している。

eリテーラー上位50社当eリテール（オンライン小売業）分析では、企業が在庫を保有して消費者に直接販売するB2Cのeコマース（電子商取引）のみを対象とする。多数の販売者をまとめるeマーケットプレイスあるいはファシリテーター事業を主とする企業は除外される。そのような企業の収益は、大部分が第三者（消費者、または在庫を保有している他の企業）の支払う販売手数料から生じており、商品の販売から直接得られたものではないためである。


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eリテーラー上位50社（2015年度）

2015年度の eリテーラー上位50社の売上高順位

2015年度の上位250社における小売売上高順位企業本拠地

2015年度のコマースの小売

売上高（100万米ドル）

2015年度の総小売売上高

に占める eコマースの小売売上高の

割合

2015年度の eコマースの

成長率

2011～ 2015年度の eコマースの

CAGR1 備考

1 10 Amazon.com,Inc. 米国 79,268 100.0% 13.1% 17.2%損益計算書の純製品売上高の数値（Amazonが記録上の販売者のもので、サードパーティの売上高を除く）

2 36 JD.com,Inc 中国 26,991 100.0% 54.5% 68.3% 損益計算書に計上されたオンライン直販の数値

3 33 Apple Inc. 米国 24,368e 46.5% 18.2% 26.9%

4 1 Wal-Mart Stores,Inc. 米国 13,700 2.8% 12.3% 21.0%

5 46 Suning Commerce Group Co.,Ltd. 中国 8,095e 37.1% 95.0% 70.9%

6 92 Otto（GmbH & Co KG）ドイツ 7,181 68.0% 0.5% 5.1%2016年に整理された3SIのeコマース小売事業を前年度の売上高から除外した場合の2015年度の成長率は＋8.8%

7 9 Tesco PLC 英国 6,539e 8.1% 9.0% 12.9%

8 157 Vipshop Holdings Limited 中国 6,084 100.0% 64.4% 127.7% 損益計算書に計上された商品売上高

9 97 Liberty Interactive Corporation 米国 5,146 51.5% -1.0% 7.1%

QVC.comとその他のeリテール子会社を含む。2014年12月にProv ide Commerceを売却、2015年7月にBackcountry.comを売却、2015年10月にzulilyを買収

10 35 Macy's,Inc. 米国 4,850e 17.9% n/a n/a

11 6 The Home Depot,Inc. 米国 4,690e 5.3% 25.4% 38.2%

12 25 Best Buy Co.,Inc. 米国 4,000 10.1% 13.5% 15.1% 国内セグメントのオンライン売上高

13 19 Casino Guichard-Perrachon S.A. フランス 3,756 7.3% -2.4% 11.0% Cnovaの事業セグメント

14 2 Costco Wholesale Corporation 米国 3,500e 3.0% 17.6% 16.1%

15 n/a Zalando SE ドイツ 3,286 100.0% 33.6% 55.2%

16 148 Home Retail Group plc 英国 3,040e 47.4% 0.8% 6.5%2016年2月に整理されたHomebaseを前年度の売上高から除外した場合の2015年度の成長率は＋49%

17 65 John Lewis Partnership plc 英国 3,002e 20.2% 13.1% 25.1%

18 68 Nordstrom,Inc. 米国 2,832 20.1% 20.2% 26.7% Nordstrom.com、Nordstromrack.com、HauteLookを含む

19 52 Kohl's Corporation 米国 2,800e 14.6% 30.0% 29.6%

20 n/a Shop Direct Group 英国 2,763e 100.0% 25.8% 10.4%

21 170 Lojas Americanas S.A. ブラジル 2,755NS 50.3% 13.2% 20.8% B2W Companhia Digital

22 26 Centres Distributeurs E.Leclerc フランス 2,613e 6.7% 20.0% 55.2%E.Leclerc Dr iveを通じた売上高（インターネットで注文し、Driveで受け取るもの）＋食料品以外の専門店のeコマース

23 60 The Gap,Inc. 米国 2,530 16.0% 1.2% 12.8%

24 149 Next plc 英国 2,525NS 39.8% 9.1% 11.1%NEXT Directoryの業績を含む。ある程度のカタログ販売を含むが、オンラインの売上高が中心

25 185 Williams-Sonoma,Inc. 米国 2,523NS 50.7% 6.4% 11.5% 一部除外できなかったカタログ販売を含む

26 11 Target Corporation 米国 2,510e 3.4% 32.9% 22.6%

27 89 Staples,Inc. 米国 2,500e 23.3% 0.0% 1.8% B2C eコマースの売上高概算

2015年8月、中国最大の家庭用電化製品・器具の小売企業Suning Commerce Groupは、eリテールと実店舗を統合する1つの試みとして、中国最大の商業用不動産開発業者であるDalian Wanda Commercial Propertiesと提携を結んだ48。Wandaは経済の減速とオンラインでの激しい競争に直面しており、中国各地のショッピングセンターでアンカーテナントとして約90店舗のデパートを運営していたが、そのほぼ半数を閉鎖し、空いたスペースをSuningブランドの新業態店舗として使用する決定を下した。このいわゆる「クラウド」店舗は、ショッピングセンターの商圏の人口や消費特性に合わせたカテゴリーミックスを導入している。また、商品の品揃えを充実させるため、店舗の約半分は、買い物客が商品を見て、触って、試した後にオンラインで発注や宅配を依頼できる専用のエリアとなっている。Suningの店舗では通常、2万～3万品目を扱っているが、オンラインでは1,500万SKU（最小在庫管理単位）を提供している。同社は、今後数年間で既存の1,600店舗のうち600店舗をこの形態に転換することを計画している。また、クラウド店舗は新しいWanda Plazaモールにも出店される予定である。

Wandaとの契約が交わされたのは、SuningがAlibabaとの提携を発表したわずか1ヶ月後であった。この提携により、巨大eコマース企業のAlibabaは競合関係にあるSuningの株式を20%取得している49。この出資の後、SuningはAlibabaのTmall.comプラットフォーム上に旗艦店を出店した。Alibabaのeコマース資産と大規模なオンライントラフィックをSuningの実店舗、物流施設、アフターサービスセンターと組み合わせることで、家庭用電化製品・器具をより簡単に購入できるようにすることが今回の提携の狙いである。

Lowe’sは2015年に新たな都市コンセプトを発表し、2店舗を出店してマンハッタンの小売市場に初めて参入した46。約3万平方フィート（標準的な小売大規模店の約4分の1の規模）の新店舗は、都市の狭い生活空間に対応した品揃えを特徴としており、新規仕入先の商品も取り扱う。買い物客は、3D画像を通じて電化製品などの商品を実物大で見ることができるほか、内部の様子も分かるようになっている。また、最新鋭のタッチスクリーンが店内各所に設置されており、買い物客はLowe’sが扱う全ての商品を確認した上で、発注や配送を依頼することができる。

中国では、大規模店が飽和状態に近づく中、景気の冷え込みとeコマースの急速な台頭が、多くの従来型小売企業に深刻な脅威をもたらしている。拡張計画を見直し、本格的にeコマースにおける競争力を獲得しようとする中、オンラインとオフラインを融合させる動きが勢いを増している。

Carrefourは中国でマルチチャネル・マルチフォーマットによる事業展開を進めており、消費者に対してより多様かつ柔軟な選択肢を提供している。利便性を求める声が高まっている中国の消費者に対応するため、同社は引き続き経営の重点を従来のハイパーマーケット事業から、コンビニエンスストアCarrefour ExpressやコンパクトなローカルスーパーマーケットをコンセプトとするCarrefour Easyなど、より小規模な店舗形態へとシフトさせている。Easyの店舗では入口にLEDディスプレイが設置されており、買い物客は店舗に在庫がない場合でもQRコードをスキャンして商品を購入できる。また、Carrefourは2015年6月に中国でオンライン販売を開始しており、実店舗で、オンラインで販売した品目を提供すると共に、オンライン注文の返品や交換を受け付けている47。

1 年平均成長率e = 見通し　　　　NS = 無店舗の総売上高　　　　n/a = 入手不可　　　　ne = 存在せず



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eリテーラー上位50社（2015年度）

2015年度の eリテーラー上位50社の売上高順位

2015年度の上位250社における小売売上高順位企業本拠地

2015年度のコマースの小売

売上高（100万米ドル）

2015年度の総小売売上高

に占める eコマースの小売売上高の

割合

2015年度の eコマースの

成長率

2011～ 2015年度の eコマースの

CAGR1 備考

28 66 Dixons Carphone plc 英国 2,293e 15.9% 10.0% 26.4%

29 n/a vente-privee.com フランス 2,222e 100.0% 17.6% 16.1%

30 13 Metro Ag ドイツ 2,172e 3.2% 26.0% 48.6%

31 39 Sears Holdings Corporation 米国 2,050e 8.2% n/a n/a

32 n/a Wayfair Inc. 米国 2,040 100.0% 85.2% 80.1%

33 78 L Brands,Inc. 米国 1,922NS 15.8% 6.2% 2.5% カタログ販売とeコマースを含む

34 236 HSN,Inc. 米国 1,845e 50.0% 7.1% 9.5%

35 123 NIKE,Inc. 米国 1,841e 23.4% 51.0% 45.7%

36 23 Koninklijke Ahold N.V. （現Ahold Delhaize）オランダ 1,828 4.3% 29.9% 37.8%

37 28 J Sainsbury plc 英国 1,813e 5.2% 8.8% 11.8%

38 15 Lowe's Companies,Inc. 米国 1,770e 3.0% 26.0% 36.8%

39 130 Office Depot,Inc. 米国 1,750e 24.1% 30.8% 17.3% B2C eコマースの売上高概算

40 n/a ASOS Plc 英国 1,740 100.0% 17.2% 23.5% 小売売上高のみ（第三者の売上高と配送収入は除外）

41 47 H & M Hennes & Mauritz AB スウェーデン 1,734e 8.0% 36.5% 34.7%

42 n/a Bluestem Group,Inc. 米国 1,720NS 100.0% 297.8% ne

43 n/a Ocado Group plc 英国 1,700 100.0% 16.7% 16.6%

44 41 Migros-Genossenschafts Bund スイス 1,665 6.8% 47.3% 24.6%

45 n/a Overstock.com,Inc. 米国 1,658 100.0% 10.7% 12.0%

46 7 Carrefour S.A. フランス 1,556e 1.8% 7.8% 9.2% 2016年1月に買収したRue du Commerceは除外

47 n/a E-Commerce China Dangdang Inc. 中国 1,450 100.0% 18.0% 26.2% 損益計算書に計上された商品売上高の数値

48 74 J.C.Penney Company,Inc. 米国 1,415e 11.2% 15.5% -1.4%

49 n/a L.L.Bean,Inc. 米国 1,413e 88.3% 10.0% 7.4%

50 181 Neiman Marcus Group LTD LLC 米国 1,338 26.3% 16.5% 15.3%

eリテーラー上位50社平均 15.7% 19.6% 22.0%

1 年平均成長率e = 見通し　　　　NS = 無店舗の総売上高　　　　n/a = 入手不可　　　　ne = 存在せず


世界の小売業ランキング2017 | 調査手法および情報源

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上位250社の順位に対する為替レートの影響

前年度からの順位の変化は、概して企業の小売売上高の増減によるものである。ただし、対米ドルで下落した通貨で2015年の報告を行う企業は、同一条件下では、2014年に比べ低い順位になる可能性がある。逆に、対米ドルで上昇した通貨で報告を行う企業は、順位が上がる可能性がある。

2015年、米ドルの価値は大半の主要通貨に対して上昇した。その背景には、米国の好調な経済成長や金利の上昇、欧州や日本に対する積極的な金融政策の期待、米国の金融政策の引き締め観測などがある。暦年ベースでユーロは、ドルに対し16%下落した。英国ポンドはこれに比べれば小幅だが、それでも7%下落した。その後、2016年には、EU離脱を巡る国民投票（2016年6月23日）を受けて30年ぶりの低水準に落ち込んだ。日本円は2015年全体を通じて下落した。カナダドル、メキシコペソ、ブラジルレアル、南アフリカランドのほか、上位250社の小売企業が決算に使用しているほぼすべての通貨も同様に下落した。下落幅が最も大きかった通貨は、2015年に対米ドルで38%下落したロシアルーブルであった。

出典：OANDA

グループの財務実績

本レポートでは、グループの財務実績を理解するための主な尺度として、単純平均ではなく売上高加重平均を使用している。つまり、小規模な企業よりも大規模な企業の業績のほうが、総合平均に対して与える影響が大きい。順位付けおよびグループ間の比較を容易にするためにデータを米ドルに換算しているため、平均成長率も為替相場の動きに合わせて補正されている。これらの平均業績は概して単純平均と同様の動きを示すが、ベンチマーク分析の目的に一層合った代表値となっている。

グループの財務実績は、データのある企業にのみ基づいている。全企業についてすべてのデータ要素を入手できたわけではない。上位250社のうち、売上高の大半を小売事業から得ていない企業は、連結利益が主に小売以外の事業を反映しているため、グループの利益率（純利益率と総資産利益率）の計算から除外されている。

また、注意すべきは、各企業に使用された特定年度の財務情報は、その財務報告が最初に発行された日付現在のものを利用している点である。企業が事業の再編を反映させるためや会計処理の変更の結果として過年度の業績を訂正している場合があるが、そうした訂正はこのデータに反映されていない。

この調査は会計報告ではない。本レポートの目的は、一定期間にわたる市場の動的変化とそれが小売業界の構造に及ぼす影響について、正確な考察を行うことである。こうしたことから、各企業の成長率が公表済みの他の業績と一致しない場合がある。

小売売上高は、食料品サービスが小売店内で提供商品の1つとして販売されている場合や、レストランが企業の店舗内にある場合は食料品サービスの売上高を含むが、別個の食料品サービスやレストラン事業については、除外可能な限り含んでいない。小売売上高は、手直し、修理、保守、設置など企業の小売事業に関連したサービスの売上高、燃料の売上高および会費も含む。ただし、小売売上高の大半を自動車燃料の販売から得ている小売企業は、基本的にガソリンスタンドと見なされ、上位250社の検討から除外されている。小売売上高は、ウェアハウスクラブ、キャッシュアンドキャリー事業、DIYウェアハウス、自動車部品店など、小売店から得られたB2Bの売上高を含む。

売上高の数値は、フランチャイズ店、ライセンス店または独立した協同組合加盟店の小売バナーの売上高を含まない。ただし、使用料やフランチャイズまたはライセンス料については含む。グループの売上高は、そうしたネットワーク化された事業や独立系の店舗に対する卸売売上高を含む。小売売上高は、アフィリエイトや加盟店への卸売売上高を含むが、従来の卸売などB2Bの売上高については、除外可能な限り含まない（ただし、そうした売上高を小売店舗から得ている場合を除く）。垂直統合された企業については、小売売上高、管理下にある卸売スペースの売上高（フランチャイズ店、リースされた店内ショップや営業スペースの売上高）、その他の小売関連売上高（フランチャイズまたはライセンス料、使用料、販売手数料など）の組み合わせが小売売上高の金額に含まれる。

eコマースの企業の小売売上高については、その企業が直接的なB2Cの販売者である場合の売上高のみを含む。第三者の販売者の売上高および第三者の販売手数料は含まない。

企業を小売売上高の業績で順位付けるうえでの共通基準として、米国以外の企業については、売上高を米ドルに換算した。したがって、為替レートが結果に対して影響を与えている。OANDA.comが為替レートの情報源である。各企業の業績を米ドルに換算するにあたり、その企業の事業年度における日次為替レートの平均を使用した。ただし、各企業の2015年度の前年度比成長率と2010～2015年度の年平均成長率（CAGR）については、各企業の現地通貨で計算した。

企業を世界の小売企業上位250社に選定する判断は、各社の2015事業年度の自動車を除く小売売上高に基づいて行った（対象は2016年6月までに期末を迎える各社の事業年度）。選定基準としては、企業の小売事業が選定に十分な規模である限り、売上高の大部分を小売業から得ている必要はない。本レポートでは、プライベートエクイティやその他の投資会社は小売業の主体と見なさず、個別の事業会社のみを対象としている。

上位250社のランキングを作成するにあたり多くの情報源を参考にした。財務データやその他の企業情報に関する主な情報源は、年次報告書、SECへの提出書類および各社のプレスリリース、ファクトシートまたは企業ウェブサイトに記載されている情報である。企業の公開情報を利用することができない場合は、その他の公的な情報源（業界誌による予測、業界分析報告書および企業情報のさまざまなデータベースなど）を使用した。

米国以外の小売企業のデータは、その多くをPlanet Retailから入手した。Planet Retailは、グローバルな情報、分析、ニュースおよびデータの優れた提供元で、全世界の211の市場にわたって9,000社を超える小売事業や食料品サービス事業をカバーしている。Planet Retailの拠点は、ロンドン、フランクフルト、ボストンにある。詳細については、www.planetretail.netにアクセスされたい。

グループの売上高は、小売企業の親会社の連結純売上高を反映しており、親会社自体が小売業を主としているかどうかを問わない。同様に、利益（損失）と総資産の数値も、親会社の連結業績を反映している。未上場の企業が総売上高のみを報告している場合、この数値はグループの売上高として記載され、「g」という脚注が付けられている。売上高の数値は、少数株主で構成される企業の小売事業を含まない。

本レポートでの小売売上高の数値は、企業の連結純売上高のうち小売業の部分のみを反映している。したがって、報告された売上高の数値から小売業以外の事業を差し引いた調整を反映している場合がある。

調査手法および情報源


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Reinalt-Thomas Corporation (dba Discount Tire/America's Tire) 211Reitan Group 135Rewe Combine 22Rite Aid Corporation 37Ross Stores, Inc. 80S Group 91S.A.C.I. Falabella 88Save Mart Companies (formerly Save Mart Supermarkets), The 206Savola Group/Panda Retail Company 240Schwarz Unternehmenstreuhand KG 4Sears Holdings Corporation 39Seven & i Holdings Co., Ltd. 20Shanghai Bailian Group Co., Ltd. 121Sherwin-Williams Company / Paint Stores Group, The 133Shimamura Co., Ltd. 196Shoprite Holdings Ltd. 110SHV Holdings N.V. / Makro 207Signet Jewelers Limited 144SM Investments Corporation 191Smart & Final Stores, Inc. 222SMU S.A. 246Sonae, SGPS, SA 175Southeastern Grocers, LLC 84SPAR Group Limited, The 155Spar Holding AG 95Sports Direct International plc 221Sprouts Farmers Market, Inc. 242Staples, Inc. 89Stater Bros. Holdings Inc. 209Steinhoff International Holdings N.V. 72Sundrug Co., Ltd. 210Suning Commerce Group Co., Ltd. 46SuperValu Inc. 103Système U, Centrale Nationale 49Takashimaya Company, Ltd. 136Target Corporation 11Tengelmann Warenhandelsgesellschaft KG 109Tesco PLC 9Tiffany & Co. 226TJX Companies, Inc., The 31Tokyu Corporation 237Toys "R" Us, Inc. 82Tractor Supply Company 151Tsuruha Holdings Inc. 199Ulta Salon, Cosmetics & Fragrance, Inc. 234UNY Group Holdings Co., Ltd. 116Valor Holdings Co., Ltd. 223Vipshop Holdings Limited 157Walgreens Boots Alliance, Inc. (formerly Walgreen Co.) 5Wal-Mart Stores, Inc. 1Wegmans Food Markets, Inc. 119Wesfarmers Limited 21Whole Foods Market, Inc. 63Williams-Sonoma, Inc. 185WinCo Foods LLC 154Wm Morrison Supermarkets PLC 40Woolworths Holdings Limited 197Woolworths Limited 24X5 Retail Group N.V. 71XXXLutz Group 204Yamada Denki Co., Ltd. 70Yodobashi Camera Co., Ltd. 162Yonghui Superstores Co., Ltd. 146

Izumi Co., Ltd. 176J Sainsbury plc 28J. C. Penney Company, Inc. 74J. Front Retailing Co., Ltd. 113JD.com, Inc 36Jerónimo Martins, SGPS, S.A. 64John Lewis Partnership plc 65Jumbo Groep Holding B.V. 161Kering S.A. 137Kesko Corporation 131Kingfisher plc 59Kohl's Corporation 52Koninklijke Ahold N.V. (now Ahold Delhaize) 23Kroger Co., The 3K's Holdings Corporation 172L Brands, Inc. 78Lawson, Inc. 217Lenta Group 212Liberty Interactive Corporation 97Life Corporation 182Loblaw Companies Limited 29Lojas Americanas S.A. 170Lotte Shopping Co., Ltd. 42Louis Delhaize S.A. 107Lowe's Companies, Inc. 15LVMH Moët Hennessy-Louis Vuitton S.A. 38Macy's, Inc. 35Majid Al Futtaim Holding LLC 160Marks and Spencer Group plc 58Matsumotokiyoshi Holdings Co., Ltd. 200McKesson Corporation / Celesio AG 194Meijer, Inc. 56Menard, Inc. 96Mercadona, S.A. 48Metro Ag 13Metro Inc. 98Michaels Companies, Inc., The 187Migros-Genossenschafts Bund 41Müller Holding Ltd. & Co. KG 219Neiman Marcus Group LTD LLC 181Next plc 149NIKE, Inc. / Direct to Consumer 123Nitori Holdings Co., Ltd. 233Nojima Corporation 231Nonggongshang Supermarket (Group) Co. Ltd. 214Nordstrom, Inc. 68NorgesGruppen ASA 108Norma Lebensmittelfilialbetrieb Stiftung & Co. KG 249Office Depot, Inc. 130OJSC Dixy Group 198O'Reilly Automotive, Inc. 118Organización Soriana, S.A.B. de C.V. 139Otto (GmbH & Co KG) 92Overwaitea Food Group 243PETCO Animal Supplies, Inc. 208PetSmart, Inc. 127Pick n Pay Stores Limited 171PJSC "Magnit" 61President Chain Store Corp. 158PT Indomarco Prismatama (Indomaret) 235PT Sumber Alfaria Trijaya Tbk (Alfamart) 239Publix Super Markets, Inc. 30Ralph Lauren Corporation 224

DCM Holdings Co., Ltd. 250Debenhams plc 241Décathlon S.A. 94Defense Commissary Agency (DeCA) 169Deichmann SE 180Delhaize Group SA (now Ahold Delhaize) 34Demoulas Super Markets, Inc. (dba Market Basket) 190Dick's Sporting Goods, Inc. 129Dillard's, Inc. 143Dirk Rossmann GmbH 111Distribuidora Internacional de Alimentación, S.A. (Dia, S.A.) 99Dixons Carphone plc 66dm-drogerie markt GmbH + Co. KG 106Dollar General Corporation 50Dollar Tree, Inc. 62Don Quijote Holdings Co., Ltd. (formerly Don Quijote Co., Ltd.) 150Dufry AG 152E.Land World Ltd. 173Edeka Group 18Edion Corporation 166El Corte Inglés, S.A. 73El Puerto de Liverpool, S.A.B. de C.V. 183E-MART Inc. 86Emke Group / Lulu Group International 153Empire Company Limited 53Esselunga S.p.A. 125FamilyMart Co., Ltd. 245Fast Retailing Co., Ltd. 67FEMSA Comercio, S.A. de C.V. 102Foodstuffs North Island Ltd. 202Foot Locker, Inc. 126Forever 21, Inc. 201GameStop Corp. 104Gap, Inc., The 60Giant Eagle, Inc. 101Globus Holding GmbH & Co. KG 122Gome Home Appliance Group 69Grandvision N.V. 244Groupe Adeo SA 55Groupe FNAC S.A. 205Grupo Comercial Chedraui, S.A.B. de C.V. 186Grupo Eroski 168Gruppo Eurospin 188GS Retail Co., Ltd. 174H & M Hennes & Mauritz AB 47H.E. Butt Grocery Company 44H2O Retailing Corporation 132Hermès International SCA 203Hobby Lobby Stores, Inc. 229Home Depot, Inc., The 6Home Retail Group plc 148Homeplus Co., Ltd. 163HORNBACH Baumarkt AG Group 225HSN, Inc. 236Hudson's Bay Company 114Hy-Vee, Inc. 105ICA Gruppen AB 83Iceland Topco Limited 220IKEA Group (INGKA Holding B.V.), The 27Inditex, S.A. 43Ingles Markets, Inc. 238Isetan Mitsukoshi Holdings Ltd. 90ITM Développement International (Intermarché) 32

小売企業上位250社（アルファベット順）

A.S. Watson Group 51Abercrombie & Fitch Co. 248Academy Ltd. (dba Academy Sports + Outdoors) 193Advance Auto Parts, Inc. 100Aeon Co., Ltd. 14Agrokor d.d. 159Albertsons Companies, Inc. 17Aldi Einkauf GmbH & Co. oHG 8Amazon.com, Inc. 10American Eagle Outfitters, Inc. 247Apple Inc. / Apple Retail Stores 33Arcs Co., Ltd. 216Army and Air Force Exchange Service (AAFES) 134Ascena Retail Group, Inc. 189Associated British Foods plc / Primark 117Auchan Holding SA (formerly Groupe Auchan SA) 16AutoZone, Inc. 93Axel Johnson AB / Axfood, Axstores 164Barnes & Noble, Inc. 215Bauhaus GmbH & Co. KG 165Bed Bath and Beyond Inc. 79Beisia Group Co., Ltd. 140Belk, Inc. 213Belle International Holdings Limited 145Berkshire Hathaway Inc. / Retailing operations 177Best Buy Co., Inc. 25BGFretail Co., Ltd. 227Bic Camera Inc. 142Big Lots, Inc. 178BİM Birleşik Mağazalar A.Ş. 147BJ's Wholesale Club, Inc. 75Burlington Stores, Inc. 179C&A Europe 124Canadian Tire Corporation, Limited 112Carrefour S.A. 7Casino Guichard-Perrachon S.A. 19Cencosud S.A. 57Central Group 138Centres Distributeurs E. Leclerc 26China Resources Vanguard Co., Ltd. 54Chongqing Department Store Co., Ltd. 192Chow Tai Fook Jewellery Group Limited 128Coach, Inc. 232Colruyt Group 120Compagnie Financière Richemont SA 141Conad Consorzio Nazionale, Dettaglianti Soc. Coop. a.r.l. 77Coop Danmark A/S 167Coop Group 45Coop Italia 76Coop Norge, the Group 184Coop Sverige AB 228Co-operative Group Ltd. 87Coppel S.A. de C.V. 156Cosmos Pharmaceutical Corp. 230Costco Wholesale Corporation 2CP ALL Plc. 81CVS Health Corporation 12Dairy Farm International Holdings Limited 85Dansk Supermarked A/S 115Darty plc 218Dashang Co., Ltd. 195

世界の小売業ランキング2017 | 脚注

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世界の小売業ランキング2017 | 脚注

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38. Dufry AG. “DufryがWorld Duty Freeの50.1%の株式を取得完了” （2015年8月7日）https://www.dufry.com/en/press_release/2015-08-07/dufry-successfully-closes-acquisition-501-stake-world-duty-free

39. Reuters. “NojimaがITXの過半数の株式を取得完了”（2015年3月2日）http://www.reuters.com/finance/stocks/7419.T/key-develop ments/article/3163846

40. Agrokor Group. “AgrokorがMercator買収プロセスを成功裏に完了”（2014年6月27日）http://www.agrokor.hr/en/news/agrokor-successfully-closes-mercator-acquisition-process/

41. H2O Retailing Corporation. “アニュアルレポート – 弊社株主へのメッセージ2015”（2015年6月24日）https://www.h2o-retailing.co.jp/annual/pdf/sh_2015.pdf

42. Migros-Genossenschafts-Bund. “Migrosアニュアルレポート2015”https://report.migros.ch/2015/en/report-2015/finances-en/acquisitions-and-disposals/

43. Neiman Marcus Group LTD LLC. “Neiman Marcus GroupがMytheresa.comの買収へ”（2014年9月15日）http://www.businesswire.com/news/home/20140915005200/en/Neiman-Marcus-Group-Acquire-Mytheresa.com

44. Macy’s Inc. “Macy’s, Inc.が利益ある成長に至らせ株主の利益を強化する動きの概略を説明”（2016年8月11日）http://investors.macysinc.com/phoenix.zhtml?c=84477&p=irol-newsArticle&ID=2194923

45. Target Corporation. “Targetは、ターゲットを絞った小型店舗でミレニアル世代を狙う”（2016年10月4日）http://www.wsj.com/articles/target-goes-after-younger-market-with-small-focused-stores-1475597213

46. Lowe’s Companies Inc. “大型店の時代が色あせた今、LoweがManhattan地区にねじ込んで来た”（2015年7月31日）http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-31/lowe-s-squeezes-into-tight-manhattan-space-as-big-box-era-fades

47. Carrefour China. “分析: Carrefour Chinaがコンビニの拡大を狙う”（2016年8月16日）https://www.retail-week.com/topics/international/analysis-carrefour-china-targets-convenience-expansion/7011218.article

48. Dalian Wanda Commercial Properties Co. Ltd. “WandaとSuningがオンラインとオフラインのパートナーシップを構築するため協定を締結”（2015年9月6日）http://www.wanda-group.com/2015/latest_0906/974.html

49. Alibaba Group Holding Limited. “AlibabaとSuning Commerceが戦略的提携を締結”（2015年8月10日）http://www.alibabagroup.com/en/news/article?news=p150810

23. Dollar Tree Inc. “Dollar TreeがFamily Dollarの買収を完了”（2015年7月6日）http://corporate.familydollar.com/pages/newsjuly2015.aspx

24. The Kroger Co. “KrogerがRoundyの株式公開買い付けを完了（2015年12月18日）http://ir.kroger.com/file/Index?KeyFile=32304683

25. NorthJersey.com. “店舗側の対応時間が足りなくなったため、A&Pは倒産計画の延期を依頼”（2015年11月11日）http://www.northjersey.com/news/business/a-p-to-seek-more-time-1.1452736

26. Koninklijke Ahold Delhaize N.V. “AholdとDelhaize GroupがUS連邦取引委員会から許可を受けた後の買収を完了（2016年7月23日）http://hugin.info/130711/R/2030304/755166.pdf

27. Tesco PLC. “2015/2016中間報告”（2015年10月7日）https://www.tescoplc.com/news/news-releases/2015/interim-results-20152016/

28. Financier Worldwide. “PetcoがCVC/CPPIBによって46億米ドルの契約で買収”（2016年2月）https://www.financierworldwide.com/petco-acquired-by-cvc/cppib-in-46bn-deal/#.WCNcjvkrLIU

29. Reuters. “NojimaがITXの過半数の株式を取得完了”（2015年3月2日）http://www.reuters.com/finance/stocks/7419.T/key-develop ments/article/3163846

30. Internet Retailer. “中国のJD.comがe-コマースサイトでロシアへ進出”（2015年6月16日）https://www.internetretailer.com/2015/06/16/chinas-jdcom-moves-russia-e-commerce-site

31. Selerity Global Insight. “Suning Commerce Groupが2015年の売上高が24%拡大したことを報告”（2016年2月29日）https://sgi.seleritycorp.com/suning-commerce-group-reports-24-increase-in-revenue-for-2015/

32. Albertsons Companies Inc. “AlbertsonsとSafewayが買収取引を完了”（2015年1月30日）http://www.albertsons.com/albertsons-and-safeway-complete-merger-transaction/

33. Dollar Tree Inc. “Dollar TreeがFamily Dollarの買収を完了”（2015年7月6日）http://corporate.familydollar.com/pages/newsjuly2015.aspx

34. Ascena Retail Group Inc. “Ascena Retail Group Inc.がANN INCの段階的買収の完了を報告”（2015年8月21日）http://www.ascenaretail.com/news.jsp

35. Signet Jewelers Limited. “Signet JewelersがZale Corporationの買収を完了”（2014年5月29日）http://www.signetjewelers.com/investors/news-releases/news-release-details/2014/Signet-Jewelers-Completes-Acquisition-of-Zale-Corporation/default.aspx

36. Steinhoff International Holdings N.V. “2015年6月期末年度の監査記録）http://www.steinhoffinternational.com/downloads/2015/audited_results_for_the_year_ended_30_June_2015.pdf

37. FEMSA Comercio, S.A. de C.V. “FEMSA ComercioがGrupo Socofarの過半数の株式を取得完了”（2015年9月23日）http://ir.femsa.com/releasedetail.cfm?releaseid=932872

12. eBay. “仮想現実のデパート”https://vr.ebay.com.au

13. Wal-Mart Stores Inc. “ポートフォリオマネージメントへの焦点を強化し続けるWalmart”（2016年1月15日）http://news.walmart.com/news-archive/2016/01/15/walmart-continues-sharpened-focus-on-portfolio-management

14. The Kroger Co. “KrogerがRoundyの株式公開買い付けを完了”. （2015年12月18日）http://ir.kroger.com/file/Index?KeyFile=32304683

15. Walgreens Boots Alliance Inc. “WalgreensとAlliance Bootsが合併の第二段階を完了し、まずは薬局主導の健康と福祉のグローバル企業を組織（2014年12月31日）http://www.walgreensbootsalliance.com/newsroom/news/walgreens-and-alliance-boots-complete-step-2-of-merger-to-form-first-global-pharmacy-led-health-and-wellbeing-enterprise.htm

16. Tesco PLC. “2015/2016中間報告”（2015年10月7日）https://www.tescoplc.com/news/news-releases/2015/interim-results-20152016/

17. Metro AG. “METRO GROUPがGaleria Kaufhofの売却を成功裏に完了”（2015年9月30日）https://www.metrogroup.de/en/media/press-releases/2015/ 09/30/metro-group-successfully-concludes-sale-of-galeria-kaufhof

18. Metro AG. “METRO Cash & Carryがデンマークビジネスの一部をEuro Caterへ売却”（2014年10月10日）https://www.metrogroup.de/en/investor-relations/ir-news/ 2014/10/10/metro-cash-and-carry-sells-parts-of-the-danish-business-to-euro-cater

19. Metro AG. “METRO GROUPがギリシャにおける卸売業を処分”（2014年11月25日）https://www.metrogroup.de/en/investor-relations/ir-news/ 2014/11/25/metro-group-divests-wholesale-activities-in-greece

20. Metro AG. “METRO GROUPがTCCへのMETRO Cash & Carry Vietnamの売却を完了”（2016年1月7日）https://www.metrogroup.de/en/investor-relations/ir-news/2016/01/07/metro-group-completes-sale-of-metro-cash-carry-vietnam-to-tcc

21. Metro AG. “METRO GROUPが強力な卸売と小売のグループへの会社分割を準備”（2016年3月30日）https://www.metrogroup.de/en/investor-relations/ir-news/2016/03/30/metro-group-prepares-demerger-into-two-independent-strong-wholesale-and-retail-groups

22. Albertsons Companies Inc. “AlbertsonsとSafewayが合併取引を完了”（2015年1月30日）http://www.albertsons.com/albertsons-and-safeway-complete-merger-transaction/

1. Fortune. “Amazon: 勢いを増すAmazon Prime、WalmartやTargetをさらに脅かす”（2015年12月3日）http://fortune.com/2015/12/03/amazon-prime-walmart-target/

2. Fastcompany.com. “Cuyana: 女性へより少ない買い物を呼びかけることで拡大を図るファッションブランド”（2016年6月30日）https://www.fastcompany.com/3061008/cuyana-the-clothing-brand-that-plans-to-scale-by-asking-women-to-buy-fewer-things

3. The Washington Post. “消費者は大量生産品よりも厳選された商品の購買体験を重視する傾向へ- 小売企業にとっての悪いニュース”（2016年1月8日）https://www.washingtonpost.com/business/economy/shoppers- are-choosing-experiences-over-stuff-and-thats-bad-news-for- retailers/2016/01/07/eaa80b5a-b4a7-11e5-a76a-0b5145e8679a_story.html

4. The Huffington Post. “H&M: H&Mがあなたに「Conscious（意識）」して欲しくないこと”（2016年10月31日）http://www.huffingtonpost.com/entry/what-hm-doesnt-want-you-to-be-conscious-about_us_581252a3e4b09b190529c1fe

5. FT. “Unilever: Unileverのドリンクのリバイバルによるロンドンでのティータイムの再来”（2014年4月29日）http://www.ft.lk/2014/04/29/tea-time-again-in-london-as-unilever-brews-up-a-drinks-revival

6. Forbes. “Vipshop: 中国の最高級e-コマース在庫を持つVipshopと出会おう”（2013年11月26日）http://www.forbes.com/sites/hengshao/2013/11/26/meet-v ipshop- the-h ighest -va lued-ch inese-e-commerce-stock/#14579f3f3ea4

7. Stanford Business. “HSN: Mindy Grossman氏がいかにしてHSNを建て直したか”（2014年6月5日）https://www.gsb.stanford.edu/insights/how-mindy-grossman-turned-around-hsn

8. Business Insider. “Amazon: 22の図表で示すAmazon Primeの驚くべき成長”（2016年5月1日）http://www.businessinsider.com/the-incredible-growth-of-amazon-prime-2016-4

9. Ecommerce News. “欧州におけるオンライン食料品小売業の状況”（2015年7月9日） https://ecommercenews.eu/the-state-of-online-grocery-retail-in-europe/

10. Dallas News. “確約：SproutsがDallasにおける食料品デリバリーでAmazonとペアを組む”（2016年6月2日）http://www.dallasnews.com/business/business/2016/06/02/in-the-bag-sprouts-pairs-with-amazon-for-dallas-grocery-deliveries

11. Lowe’s. “LoweがLoweBotを発表 – ベイエリアにおける改装に関するショッピングエクスペリエンスを強化する次世代ロボット”（2016年8月30日）https://newsroom.lowes.com/news-releases/lowesintroduce slowebot-thenextgenerationrobottoenhancethehomeimprovementshoppingexperienceinthebayarea-2/

脚注

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