Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
© OECD/IEA 2010
世界エネルギー展望世界エネルギー展望 20102010
2010年11月国際エネルギー機関
事務局長 田中伸男
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
背景背景: : 未曾有の不確実性未曾有の不確実性
世界経済は最悪の危機から脱しつつあるように見える
–しかし、この回復は持続可能なものか?
石油需給の価格感応度は弱まっている
–将来の価格変動にどのような影響をもたらすのか?
天然ガス市場は大変革のただ中にある
–ガス黄金時代の到来?
コペンハーゲン合意とG20の補助金改革は重要な進歩である
–しかし、取り組みはこれで十分か、完全に実施されるか?
中国をはじめ新興国が世界のエネルギーの将来像を方向づける
–これらの国の政策による世界への影響は?
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
WEO 2010WEO 2010のシナリオのシナリオ
新政策シナリオは、WEO 2010における中心的なシナリオ
> 各国においてまだ公式に採用されていないものも含め、最近発表された公約や計画が慎重に実施されることを想定
> 最近のエネルギー・気候変動政策の進展の功績や限界を評価するベンチマークとなる
現行政策シナリオは、2010年央時点で公式に採用されている既存の政策のみを考慮
> 従来のレファレンスシナリオに相当
450シナリオは、平均気温上昇を2Cにとどめるためのエネルギー
分野の道筋を示している
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
国際石油価格の見通し国際石油価格の見通し
廉価な石油の時代は終わった。しかし適切な施策により、国際エネルギー価格を抑えることができる。
シナリオCO2価格2035年
($/ tCO2)
国際石油価格2035年($/bbl)
実効石油価格2035年($/bbl)
現行政策 42 (EU) 135 152 (EU)新政策 50 (OECD) 113 134 (OECD)
450 120 (OECD ) 90 139 (OECD)
0
20
40
60
80
100
120
140
1980 1990 2000 2010 2020 20302035
$/bb
l (20
09年
価格
)現行政策シナリオ
新政策シナリオ
450シナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
現在の政策が着実に実行されれば、現在の政策が着実に実行されれば、変化を起こすことができる変化を起こすことができる
世界のエネルギー消費は36%増加するが、そのほぼ全ては中国をはじめとする非OECD諸国による。中国のエネルギー消費は75%増加する。
新政策シナリオにおける地域別一次エネルギー需要
0
2 000
4 000
6 000
8 000
10 000
12 000
14 000
16 000
18 000
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035
Mto
e その他
中国
OCED
WEO-2009:レファレンスシナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
0
2 000
4 000
6 000
8 000
10 000
12 000
14 000
16 000
18 000
Mto
e
1980 1990 2000 2010 2020 2030 2035
新政策シナリオにおける新政策シナリオにおける世界の一次エネルギー需要世界の一次エネルギー需要
新政策シナリオにおいては化石燃料が一次エネルギー構成の中心的な役割を維持する。しかし、そのシェアは2008年の81%から2035年には74%に減少する。
その他再生可能
バイオマス
水力
原子力
ガス
石油
石炭
WEO2009:レファレンスシナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
新政策シナリオにおける新政策シナリオにおける日本の一次エネルギー需要日本の一次エネルギー需要
日本の一次エネルギー需要は2008~2035年に年率0.2%で減少する。
エネルギー構成は大きく変化する。
0
100
200
300
400
500
600
1980 1990 2000 2010 2020 2030 2035
Mto
e その他再生可能
バイオマス
水力
原子力
ガス
石油
石炭
WEO2009:レファレンスシナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
- 600 - 300 0 300 600 900 1 200 1 500
他再生可能
水力
原子力
ガス
石油
石炭
Mtoe
OECD
中国
その他
新興国が全てのエネルギーの新興国が全てのエネルギーの需要増加を牽引する需要増加を牽引する
非OECDでは、全てのエネルギー源の需要が増加。一方、OECDでは石炭と石油の需要が減少する。
新政策シナリオにおける一次エネルギー需要の増分, 2008‐2035年
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
化石燃料に対する補助金は化石燃料に対する補助金は価格シグナルをゆがめている価格シグナルをゆがめている
2009年の化石燃料消費に対する補助金額は3,120億ドル(2008年は5,580億ドル)。補助金減少額の大部分は国際エネルギー価格の下落によるもの。
化石燃料消費に対する国別補助金額, 2009年
トルクメニスタン
電力(化石燃料による発電)
ガス
石油
石炭
2008年からの補助金減少額
イラン
サウジアラビア
ロシア
インド
中国
エジプト
ベネズエラ
インドネシア
UAE
ウズベキスタン
イラク
クウェート
パキスタン
アルゼンチン
ウクライナ
アルジェリア
マレーシア
タイ
バングラディシュ
メキシコ
南アフリカ
カタール
カザフスタン
リビア
0
10億
ドル
20
40
60
80
100
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
新興国で急増する交通需要により新興国で急増する交通需要により石油消費が増大する石油消費が増大する
中国や他の新興国での自動車の普及により、世界の自動車保有台数は急増を続ける。一方、OECDでの増加はわずか。
0
200
400
600
800
1 000
1 200
1 400
1 600
1980 1990 2000 2008 2020 2035
100万
台 中国
その他非OECD
アメリカ
その他OECD
新政策シナリオにおける乗用車保有台数
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
0
20
40
60
80
100
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035
100万
b/d
原油:未開発油田
原油: 現在生産中の油田
原油計
石油生産における石油生産における原油の役割は縮小する原油の役割は縮小する
世界の石油生産は2035年に9,600万b/dに達する。NGLと非在来型石油が増加する一方で、(在来型)原油の生産は頭打ち。
新政策シナリオにおける世界の石油生産
非在来型石油
天然ガス液(NGL)
原油:未発見油田
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
石油生産量が増える一方で、石油生産量が増える一方で、生産国はより限られていく生産国はより限られていく
サウジアラビアとイラクの生産量が最も増加し、OPECの市場シェアは現在の41%から2035年には第一次石油危機(1973‐74年)前の水準に並ぶ52%に上昇する。
新政策シナリオにおける主要国の石油生産増分, 2009‐2035年
0 1 2 3 4 5 6
アルジェリア
リビア
ナイジェリア
カタール
イラン
クウェート
UAEベネズエラ
カナダ
カザフスタン
ブラジル
イラク
サウジアラビア
百万b/d
OPEC
非OPEC
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
ガス黄金時代の到来ガス黄金時代の到来??
ガスが世界のエネルギー需要で中心的役割を果たしていく
> 中国と中東に牽引され、ガス需要は44%増加
非在来型ガスが2035年までの世界の供給増分の35%を占め、アメ
リカ以外の生産国が台頭
ガスの供給過剰はまもなくピークに。しかし、その解消は極めてゆっくりと
供給過剰は、特にヨーロッパにおいて、原油価格連動からの離脱圧力をガス輸出国にかけ続ける
廉価なガス価格は発電におけるガス需要を増大させる一方で、再生可能エネルギーと石炭の需要を減退させる可能性がある
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
世界の発電において石炭が世界の発電において石炭が中心であり続ける中心であり続ける
OECDの石炭火力発電の減少は、中国など非OECDでの膨大な増加で相殺される。中国の石炭火力の新規追加容量は6億kWと、現在の日・米・EUの発電容量を超える。
0
2 000
4 000
6 000
8 000
10 000
12 000
1990 2000 2010 2020 2030 2035
10億
kWh
中国
インド
その他非OECD
OECD
新政策シナリオにおける地域別石炭火力発電量
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
再生可能エネルギーが主流の一角を再生可能エネルギーが主流の一角を占めるようになる占めるようになる……
発電部門に牽引され、再生可能エネルギー利用は2008年から2035年の間に3倍増。再生可能エネルギーによる発電量シェアは2008年の19%から2035年には32%に。
新政策シナリオにおける再生可能エネルギーの一次需要
0 100 200 300 400 500
EU
アメリカ
中国
ブラジル
インド
アフリカ
アジア太平洋OECD
Mtoe
2008
2035
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
再生可能エネルギーには十分な政府の再生可能エネルギーには十分な政府の支援が必要支援が必要
再生可能エネルギーへの政府支援は2009年の570億ドルから2035年には2,050億ドルに達
し、重要なドライバーであり続ける。化石燃料価格の上昇と投資コストの低減も寄与する。
新政策シナリオにおける再生可能エネルギーへの世界の年間支援額10
億ドル
(200
9年価
格)
バイオ燃料
再生可能エネルギー
による発電
0
30
60
90
120
150
180
210
2007 2008 2009 2015 2020 2025 2030 2035
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
世界のエネルギーにおける世界のエネルギーにおける中国のさらなる役割拡大は必至中国のさらなる役割拡大は必至
中国のエネルギー・システムの発展は世界の石油、ガス、石炭、さらには気候変動抑制の見通しに大きな影響を及ぼす。
0% 20% 40% 60% 80% 100%
再生可能エネルギー需要
ガス需要
GDP
エネルギー需要
発電容量
ガス純輸入
石油需要
CO2排出
石油純輸入
石炭需要2000-2008
2008-2035
新政策シナリオにおける世界の主要指標の純増分に対する中国のシェア
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
中国は低炭素技術市場の中国は低炭素技術市場のリーダーとなるリーダーとなる
乗用車販売台数
追加発電容量
2035年までの世界の累積追加量に対する中国のシェア
中国市場の巨大さゆえに、中国の低炭素エネルギー技術の普及促進は、コスト低減において重要な役割を果たし、全ての国々の利益となる。
85百万kW
335百万kW105百万kW
0%
10%
20%
30%
太陽光 風力 原子力 電気&プラグインハイブリッド
8.5百万台
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
カスピ海諸国の資源がカスピ海諸国の資源が世界のエネルギー安全保障を強化しうる世界のエネルギー安全保障を強化しうる
カスピ海諸国の石油生産量はカザフスタンにより2035年に520万b/dまで引き上げられる。ガス生産量はトルクメニスタン・アゼルバイジャンにより3,100億m3超まで増加する。
新政策シナリオにおけるカスピ海沿岸諸国の石油・ガス見通し
0
1
2
3
4
5
6
2000 2009 2020 2035
100万
b/d
石油純輸出 石油国内消費
0
50
100
150
200
250
300
350
2000 2009 2020 2035
10億
m3
ガス純輸出 ガス国内消費
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450450シナリオシナリオ::3.53.5C C からから 22C C への道筋への道筋
450シナリオは平均気温上昇を2Cにとどめるためのエネルギー
分野の道筋を示している
2020年まではコペンハーゲンで合意した公約をより精力的に実
施し、それ以降はさらに対策を強化すると仮定
コペンハーゲン合意の公約の失敗: > 不透明な公約が多数あり、2020年の削減量に関して39億トン相当
の不確かさがある
> 公約の多くが野心的でないため、 2 C の目標を達成するための2010~2030年の費用はWEO 2009より1兆ドル増加。
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450450シナリオシナリオ: : どのように達成しうるかどのように達成しうるか??
450シナリオでは、省エネルギーが2010~2035年で必要な削減量の53%をまかなう。同時に、再生可能エネルギー、CCS、原子力も重要。
450シナリオにおける世界の技術別エネルギー起源CO2排出削減(現行政策シナリオ比)
20
25
30
35
40
45
2008 2015 2020 2025 2030 2035
10億
t
省エネルギー 53%再生可能エネルギー 21%バイオ燃料 3%原子力 9%CCS 15%
累積削減量シェア2010-2035年
426億t
217億t450シナリオ
209億t
現行政策シナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450シナリオ: どのように達成しうるか?
新政策シナリオから450シナリオへの移行には、CCSなど割高な削減オプションの役割が増す。
450シナリオにおける世界の技術別エネルギー起源CO2排出削減(新政策シナリオ比)
20
25
30
35
40
45
2008 2015 2020 2025 2030 2035
10億
t
省エネルギー 50%再生可能エネルギー 18%バイオ燃料 4%原子力 9%CCS 20%
累積削減量シェア2010-2035年
426億t
354億t
217億t
現行政策シナリオ
450シナリオ
新政策シナリオ
137億t
71億t
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450450シナリオシナリオ: : 削減はどこで削減はどこで??
450シナリオでは、中国とアメリカが現行政策シナリオ比で必要とされる2010~2035年の累積削減量の48%を削減。
450シナリオにおける世界の国別エネルギー起源CO2排出削減(現行政策シナリオ比)
20
25
30
35
40
45
2008 2015 2020 2025 2030 2035
10億
t
中国 33%アメリカ 15%EU 9%インド 8%中東 5%ロシア 3%
その他 24%
累積削減量シェア2010-2035年
日本 3%
426億t
217億t
現行政策シナリオ
450シナリオ
209億t
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
22 CCの目標達成には世界のエネルギーの目標達成には世界のエネルギーのの急速な脱炭素化が必要急速な脱炭素化が必要
二酸化炭素原単位は1990~2008年と比べ、 2008~2020年には2倍の速さで、2020~2035年には4倍速での改善が必要。
450シナリオにおけるCO2原単位の年平均改善率
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
1990-2008 2008-2020 2020-2035
4倍速の改善が必要
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
発電における根本的な変革が必要発電における根本的な変革が必要
450シナリオにおいて、低炭素発電は2035年に4倍に増加し、
世界の発電量の4分の3以上のシェアを占める。
世界の方式別、シナリオ別発電シェア
450シナリオにおける低炭素発電の追加分
新政策シナリオにおける低炭素発電
450シナリオにおける
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2010 2015 2020 2025 2030 2035
化石燃料発電
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
…… さらに運輸でもさらに運輸でも
2035年には乗用車・小型トラック新車販売の39%がプラグイン・ハイブリッド車と電気自動車と
なる。電力部門の劇的な脱炭素化に裏打ちされ、排出削減に大きく貢献する。
450シナリオにおけるプラグイン・ハイブリッド車、電気自動車販売台数と
発電におけるCO2原単位(右軸)
電気自動車
プラグイン・ハイブリッド車
発電部門におけるCO2原単位(世界)
0
100
200
300
400
500
600
700
g/kW
h
0
10
20
30
40
50
60
70
2010 2015 2020 2025 2030 2035
100万
台
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
ピークオイルは朗報か悲報かピークオイルは朗報か悲報か??
2020年を前に石油需要は8,800万b/dでピークに達し、2035年に8,100万b/dに減少する。OECDでの需要の急減が、非OECDの持続的な需要増を相殺する。
450シナリオにおける石油需要
450シナリオでの世界需要
地域間(バンカー)
その他非OECD
インド
中国
OECD
右軸(2008年比):
2009 2015 2020 2025 2030 2035
100万
b/d
68
72
76
80
84
88
92
96
100
100万
b/d
-16
-12
-8
-4
0
4
8
12
16 新政策シナリオでの世界需要
需要ピーク
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
気候変動とへの取り組みは費用だけで気候変動とへの取り組みは費用だけでなく、経済的利益ももたらすなく、経済的利益ももたらす
450シナリオでの5大石油輸入国の2035年の石油輸入額は、新政策シナリオより約5,600億ドル、3分の1少ない。
主要国における石油輸入額の対GDP比
0%
1%
2%
3%
4%
5%
6%
7%
8%
EU アメリカ 日本 中国 インド
1980
2008
2009
2035: 新政策シナリオ
2035: 450シナリオ
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450シナリオにおける日本
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450450シナリオにおける日本シナリオにおける日本
450シナリオでは、省エネルギーが2010~2035年の必要削減量の44%をまかなう。
450シナリオにおける日本のエネルギー起源CO2排出削減(現行政策シナリオ比)
2008 2015 2020 2025 2030 2035
10億
t
省エネルギー 44%再生可能エネルギー 21%バイオ燃料 1%原子力 20%CCS 14%
累積削減量シェア2010-2035年
9.6億t
4.4億t450シナリオ
5.1億t
現行政策シナリオ
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.1
1.2
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450450シナリオにおける日本シナリオにおける日本
450シナリオにおける日本のエネルギー起源CO2排出削減(新政策シナリオ比)
2008 2015 2020 2025 2030 2035
10億
t
省エネルギー 41%再生可能エネルギー 23%バイオ燃料 1%原子力 14%CCS 20%
累積削減量シェア2010-2035年
4.4億t450シナリオ
3.2億t
現行政策シナリオ
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.1
1.2
新政策シナリオ
7.6億t
9.6億t
1.9億t
新政策シナリオから450シナリオへの移行においては、廉価なオプションによる削減余地が限られているため、CCSなどに一層依存することになる。
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
450シナリオにおける日本の発電部門
450シナリオにおいて、低炭素発電のシェアは、現在の42%から
2035年には88%を占めるようになる。
日本の方式別、シナリオ別発電シェア
450シナリオにおける低炭素発電の追加分
新政策シナリオにおける低炭素発電
450シナリオにおける化石燃料発電
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2010 2015 2020 2025 2030 2035
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
2035年には乗用車・小型トラック新車販売の52%がプラグイン・ハイブリッド車と電気自動車と
なる。電力部門の劇的な脱炭素化に裏打ちされ、排出削減に大きく貢献する。
450シナリオにおけるプラグイン・ハイブリッド車、電気自動車販売台数と
発電におけるCO2原単位(右軸)
電気自動車
プラグイン・ハイブリッド車
発電部門におけるCO2原単位(日本)
0
0.4
0.8
1.2
1.6
2.0
2.4
2.8
3.2
2010 2015 2020 2025 2030 2035
100万
台
0
50
100
150
200
250
300
350
400
g/kW
h
450450シナリオにおける日本の運輸部門シナリオにおける日本の運輸部門
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
まとめまとめ
最近の発表された政策は変化を起こすことができるが、持続可能なエネルギーの将来に必要なものには程遠い。
コペンハーゲンでの各国の公約が野心的でないため、 2Cの目標
達成のコストは増加し、達成できる可能性は低下。
> 2020年までに公約が完全に実施されない限り、目標の達成はとても無理である。
廉価な石油の時代は終わった。しかし適切な施策により、国際エネルギー価格を抑えることができる。
再生可能エネルギーは主流の一角を占めるようになるが、その競争力を高めるには長期的な支援が必要である。
化石燃料補助金を廃止して価格を適正化することは、エネルギー需要を節減する最も効果的な手法である。
IEEJ:2010年11月掲載
© OECD/IEA 2010
日本へのメッセージ日本へのメッセージ
新興国をはじめとする世界のCO2排出量が増大する中、日本国内
の排出削減ポテンシャルは限定的で割高。しかし、低炭素技術の開発・普及を通じた世界の排出削減に貢献することができる。
とりわけ石油の購入価格が上昇する中で、徹底した低炭素経済を構築することにより日本は強みを最大化できる。
エネルギー・システムの一層の効率化、非在来型石油・ガスの活用や供給元の多様化、ガス調達価格の値下げの取組みなども、安定的で持続可能な社会の実現へ向け有効である。
再生可能エネルギーの大規模導入に必要な地域間の系統連携の強化、原子力の稼働率向上 など、低炭素エネルギーの導入を促進する政策が必要。
IEEJ:2010年11月掲載
お問合せ:[email protected]