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山形県産業振興ビジョン 平成27年3月

山形県産業振興ビジョンここに策定する「山形県産業振興ビジョン」では、「不断のイノベーションによる価値の 創造と “やまがた”の価値の発信を力強く推進し

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山形県産業振興ビジョン

平成27年3月

山 形 県

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活力あふれる“やまがた”の産業を目指して

本県では、「自然と文明が調和した理想郷山形」の実現に向け、

「産業の振興」と「地域の再生」の二つの視点を重視しながら、

四本の成長戦略を掲げ、各種施策を展開しております。その中で

も、本県産業の基盤を成す「中小企業の振興」をはじめとする

産業の振興は極めて重要です。

本県の産業は、多様な地域資源や幅広い技術の集積などを背景に、県民のたゆまぬ努力

により発展を続けてまいりました。その一方で、少子高齢化を伴う人口減少の進展、経済

のグローバル化の進展、原材料などの製造コストの上昇等への的確な対応が課題となって

おります。

このような中、これまで本県の産業振興施策の基礎としてきた「山形県産業振興プラン」

(平成 23年3月策定)の計画期間が終了するにあたり、今後5年間の産業振興の戦略と方

向性を明らかにし、新たな羅針盤・道しるべとなる次期の計画を策定することといたしま

した。

ここに策定する「山形県産業振興ビジョン」では、「不断のイノベーションによる価値の

創造と “やまがた”の価値の発信を力強く推進し 活力ある産業を集積」することを目

標に掲げ、その実現に向けて、「産業分野別の戦略」、「中小企業・小規模事業者の振興に関

する戦略」、「人材の確保・育成に関する戦略」の三つの戦略を提示しております。これら

の戦略においては、「山形県産業振興プラン」に基づくこれまでの施策をより深化させると

ともに、政府の「地方創生」や本県の人口減少対策と呼応して人材の県内定着・県内回帰

を促進する施策や、若者や女性等の能力の活用を図る施策、多様な技術・サービスの融合

などによる新事業の創出を促進する施策などを盛り込んでおります。

これらの施策を、異業種間や産学官金などの多様な連携を構築しながら、積極果敢に

展開することにより、県内至るところでイノベーションが絶え間なく生み出されるよう、

また、県内産業の価値を創造する力、発信する力が高まり、活力あふれる産業が集積し、

県民一人ひとりが喜びと幸せを実感できるよう、産業振興に力を注いでまいりますので、

産業界の皆様、県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

平成 27年3月

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目 次

1 策定にあたって ················································ 1

2 本県産業の現状と課題 ·········································· 2

3 本県産業の目指す姿 ··········································· 28

4 施策の展開

【戦略1】 やまがたの明日を切り拓く産業の振興 ··················· 30

◆ 競争力のあるものづくり産業群の形成 ······················· 31

◆ 地域づくりと連携した活力ある商業・まちづくりの推進 ······· 47

◆ 「観光立県山形」の実現 ··································· 51

◆ 本県産業のブランド力向上 ································· 57

◆ 新たな国際戦略の展開 ····································· 62

【戦略2】 やまがたの産業を担う中小企業・小規模事業者の振興 ····· 67

【戦略3】 やまがたの産業の源となる人材の確保・育成 ············· 74

◆ 産業を担う人材の確保 ····································· 74

◆ 付加価値を高める人材の育成 ······························· 79

5 目標指標 ····················································· 85

6 参考資料 ····················································· 87

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1 策定にあたって

(1) 策定の趣旨

本県においては、中長期的な県づくりの基本計画である「第3次山形県総合発展計

画」(計画期間:平成21年度から概ね10年間)において、県政運営の柱の一つと位置付

けた「産業・経済」分野における具体的な施策の展開方向と振興策を示す計画として、

「山形県産業振興プラン」を平成23年3月に策定し、これに基づき、各種施策の積極

的な展開を図ってきたところである。

この間、少子高齢化を伴う人口減少や地方から都市部への人口流出、経済のグロー

バル化の一層の進展とともに、東日本大震災や急激な為替変動などを経て社会経済状

況は大きく変化し、企業活動や県民生活に大きな影響を与えている。

このような中、「山形県産業振興プラン」の計画期間が平成26年度で終了することか

ら、本県に活力をもたらす産業の振興と雇用の創出を一体的に推進していくため、現

状や課題、取り巻く情勢などを踏まえながら、本県産業の目指す姿や、具体的な振興

策を明示した「山形県産業振興ビジョン」を新たに策定する。

(2) 性格

このビジョンは、「第3次山形県総合発展計画」における「産業・経済」分野の具体

的な施策の展開方向及び振興策を示すものである。

(3) 計画期間

このビジョンの計画期間は、平成27年度から平成31年度までの5か年とする。

なお、社会経済情勢の変化や施策の進捗状況等に応じて、適宜見直しを行うものと

する。

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2 本県産業の現状と課題

(1) 国内外における社会経済の動向

① 人口減少の進行と「地方創生」

日本の人口は、平成16年12月をピークに減少に転じ、今後も少子化の影響により

長期的に減少していく局面を迎えている。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の

将来推計人口(平成24年1月推計)」によれば、減少が次第に加速し、平成38年(2026

年)には1億2,000万人を下回る可能性がある。

こうした少子高齢化を伴う人口の減少は、高齢社会に対応して拡大する市場もあ

ると考えられるものの、全体としての市場規模の縮小や労働力人口の減少による産

業活力の低下など、社会経済に大きな影響を及ぼすことが懸念される。

人口減少・少子高齢化は特に地方において深刻であるが、この主な要因は高等教

育や雇用などの主要な機能が東京に一極集中し、若者が地方から首都圏に流出する

構造にある。これを是正し、各地域がそれぞれの特長を活かした自立的で持続的な

社会を創生するため、政府は政策の柱として「地方創生」を打ち出し、平成26年9

月に「地方創生」の司令塔機能を担う「まち・ひと・しごと創生本部」を設置する

とともに、同年12月には今後目指すべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しご

と創生長期ビジョン」及びこれを実現するための今後5か年の目標や具体的な施策

等を提示する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方における安定的

な雇用の創出、地方移住や企業の地方立地の促進などによる東京一極集中の是正、

地方の活性化に向けて政府を挙げて取り組むこととしている。「地方創生」におい

ては、地方版総合戦略の策定など、地方の主体的な取組みが求められることから、

本県においてもこうした政府の動向を踏まえた施策展開が必要である。

② 社会経済のグローバル化の進展と新興国における市場の拡大

近年、中国やロシア、ASEAN

(東南アジア諸国連合)などの新興

国の経済は日本を大きく上回る割

合で成長を続けており、購買力が飛

躍的に向上している。

このような動きは今後も続くも

のと予想され、世界経済の中におい

て新興国は、生産拠点としてだけで

なく、市場としてもその影響力を強

めていくものと考えられる。

こうした流れの中、国内市場の

縮小とも相まって、国内企業は海外取引に留まらず海外展開も進めてきており、国内

産業の空洞化が懸念されている。今後は、こうした動きが更に進行することが予想さ

れることから、県内中小企業にとっても、社会経済のグローバル化への対応とともに、

研究開発部門等、企業の根幹を担う機能の強化による競争力の強化を図ることが重要

【図1 各国の1人当たり国内総生産の伸び】

資料:総務省「世界の統計2014」 H12を100として指数化したもの

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である。

【図2 海外現地生産を行う企業の割合(アンケート調査結果)】 【図3 海外現地生産比率の推移(アンケート調査結果)】

資料:内閣府経済社会総合研究所「企業行動に関するアンケート調査報告書(平成26年度)」

※1 東京、名古屋の証券取引所第1部及び第2部に上場する企業2,445社が調査対象

※2 平成26年度は「実績見込み」、平成31年度は「見通し」の数値である

③ 原材料など製造コストの上昇

平成25年上半期を境に、円相場が1ドル80円前後から1ドル100円前後の円安に転

じ、平成26年終盤は110円を上回る水準で推移している。このことは、一部の輸出型

産業には追い風となる一方で、国外から輸入している原材料などの価格上昇を招き、

コストの増加要因となって企業収益を圧迫している。現在も同水準で推移しており、

影響を注視していく必要がある。

④ 東北地域への自動車関連産業の集積

平成5年11月の関東自動車工業㈱岩手工場の操業を契機に、これまで東北地域に

おいて自動車関連産業の集積が進んでいる。特にトヨタ自動車㈱は平成24年7月に

東北に立地するグループ3社を統合しトヨタ自動車東日本㈱を発足させ、東北を東

海、九州に次ぐ国内第3の生産拠点と位置付けるとともに、部品の現地調達を拡大

する方針を示している。こうした中、平成25年11月には、東北初のトヨタ自動車東

日本㈱のティア11

1 ティア1:完成品メーカーと直接取引を行う第一次下請業者(一次サプライヤー)

が本県から誕生した。これを契機に、企業間連携のもと、新技術・

新工法の提案や、たゆまない改善と物流効率化によるコストダウンを図り、取引拡

【図4 円相場(月中平均)の推移】

資料:日本銀行調べ

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大につなげていく必要がある。

⑤ 遅れている高速道路網の整備

本県の高速道路供用率は、全国や

東北地方の中でも低い水準にある。

また、東北中央自動車道、日本海

沿岸東北自動車道には共に複数の

分断箇所があり、観光交流や取引の

拡大などの観点から、早期の整備が

望まれる。

⑥ 技術の進化による新たなビジネスモデルの出現

技術の革新に伴い、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行

う電子商取引や、製造業者でありながら自社工場を全く保有せず、製造を完全に外

部委託によって行うファブレスなど、これまでの経営手法とは違った新しいビジネ

スモデルが次々と生み出され、今までの商品やサービスのあり方が大きく様変わり

してきている。 こうした時代の潮流をチャンスと捉え、「新しい儲ける仕組み(新ビジネスモデ

ル)」に果敢にチャレンジする環境を整備することにより、グローバル化に対応し、

競争力ある本県産業構造の構築を図る必要がある。

順位 都道府県 供用率

41 福井県 63.3%

42 鹿児島県 60.9%

43 高知県 58.8%

44 山形県 58.7%

45 北海道 55.3%

46 和歌山県 54.0%

47 神奈川県 48.4%

全国平均 75.3%

東北平均 74.0%

資料:全国高速道路建設協議会調べ(平成 26年 3月 31日現在)

【表1 高速道路の供用率と全国順位】

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(2) 本県産業の現状と課題

① 産業全般

(ア) 県内生産年齢人口の動向

山形県の人口は減少を続けており、近年、その減少幅は拡大している。このう

ち、生産年齢人口(15~64歳)は、全体の人口減少を上回る水準で減少しており、

今後もこうした傾向は続くものと見込まれている。

また、総人口に占める生産年齢人口の割合は、平成12年の62.1%から、平成22

年には59.6%に減少し、平成32年には55.1%になるものと見込まれる。

生産年齢人口や、その総人口に占める割合が減少していくことにより、総人口の

減少や少子高齢化に歯止めがかからず、将来において経済の縮小や労働力不足が懸

念される。このため、若者の県内定着の受け皿となる雇用の場の創出を産業振興と

一体的に進めるとともに、女性や高齢者を含め産業人材の確保・育成を図っていく

ことが急務となっている。

【表2・図5 山形県の年齢別人口比の推移】

資料:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の都道府県別将来推計人口(平成25年3月)」

※1 平成27年以降は推計値である。合計には「年齢不詳者」を含む。

2 ( )書きは前回等との増減数である。

(イ) 県内経済における各産業の動向

県内総生産は、平成12年度

をピークに減少し、その後回

復傾向にあったものの、平成

20~21年度に再び大きく落ち

込んだ。産業別内訳を見ると、

製造業とサービス業が同程度

であり、建設業は徐々に縮小

している。農業も年々縮小し

ているが、全国と比べると依

然として占める割合は大きい。

資料:山形県「県民経済計算」

【図6 県内総生産(名目)の推移】

65歳以上 合計

166,653 739,030 309,913 1,216,181

( ▲ 19,529 ) ( ▲ 33,070 ) ( 24,323 ) ( ▲ 27,966 )

149,787 696,447 322,690 1,168,924

( ▲ 16,866 ) ( ▲ 42,583 ) ( 12,777 ) ( ▲ 47,257 )

133,889 637,732 344,615 1,116,236

( ▲ 15,898 ) ( ▲ 58,715 ) ( 21,925 ) ( ▲ 52,688 )

118,553 584,884 358,751 1,062,188

( ▲ 15,336 ) ( ▲ 52,848 ) ( 14,136 ) ( ▲ 54,048 )

H17

H22

H27

H32

H12 186,182 772,100 285,590 1,244,147

人    口 (人)

0~14歳 15~64歳

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【図7 県内総生産の産業別内訳(金額ベース)】

資料:山形県「県民経済計算」、内閣府「平成24年 国民経済計算」

※ 県内総生産は年度、国内総生産は暦年の数値である

【図8 県内総生産の産業別内訳(構成比)】

資料:山形県「県民経済計算 平成24年度」、内閣府「平成24年 国民経済計算」

また、県内総生産に対する経済活動別の推移を見ると、本県の基幹産業である

製造業の好・不調が大きな影響を及ぼす傾向にある。

【図9 県内総生産に対する経済活動別の推移】

資料:山形県「県民経済計算 平成24年度」

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県外との取引の状況は、県全体としては移輸入2超過で、業種別の収支では特に

商業分野の移輸入超過額が大きくなっている。その一方で、製造業の一部業種や

農林水産業は移輸出3

【図10 県際収支

超過となっており、県外に製品や商品を売り出す「稼ぐ産業」

となっている。

4

の状況(H17)】

資料:山形県「産業連関表(平成17年)」

(ウ) 企業数、工場立地数

県内企業の数は、平成3年以降減少傾向にある。また、近年は県内事業所の開

業率が廃業率を下回るとともに、全国平均以下で推移する状況が続いている。

【図11 県内企業数の推移】

資料:総務省「事業所・企業統計」、「平成21年経済センサス基礎調査」、「平成24年経済センサス活動調査」

2 移輸入:県外で生産された商品やサービスを県内で購入すること

3 移輸出:県内で生産された商品やサービスを県外へ販売すること

4 県際収支:移輸出額-移輸入額

-600,000

-400,000

-200,000

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

業 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

品 

 

 

 

 

 

 

品 

 

 

 

品 

 

 

品 

 

鋼 

 

 

 

 

 

 

 

属 

 

 

 

 

 

品 

 

 

 

 

 

械 

 

 

 

 

械 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

械 

 

 

 

 

 

設 

 

 

 

 

 

 

 

給 

理 

 

業 

 

 

 

 

 

 

 

険 

 

 

 

 

産 

 

 

 

 

 

 

輸 

 

 

 

 

 

 

 

務 

 

 

 

 

 

 

 

究 

 

 

 

 

品 

 

 

 

 

 

明 

 

 

 

 

 

) 

県 

計 

 

(百万円)

県内生産額

県内需要合計

県際収支

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【図12 山形県、全国における開業率5、廃業率6

の推移】

資料:厚生労働省「雇用保険事業年報」

一方、地域経済に大きな活力を

もたらす工場立地の件数は、平成

23年以降全国的に増加しており、

本県においても平成25年は過去2

年を上回った。

新たに起業を目指す者や新分野

進出、新たな取組みにチャレンジ

する企業、地域の課題に積極的に対

応する企業等への支援に加え、県内外

の企業による県内への一層の投資を

促すことなどにより、県内経済の活

力を更に高めていくことが求められる。

5 開業率:一定の期間中に新規開業した事業所数の年平均を、その期間の初めに存在していた総事業所数で割った比率

6 廃業率:一定の期間中に廃業した事業所数の年平均を、その期間の初めに存在していた総事業所数で割った比率

【図 13 過去 3 ヵ年の工場立地件数の推移】

資料:経済産業省「工場立地動向調査」 ( )内の数値は、過去3ヵ年の合計数

4.7 4.5 4.5 4.6

4.8 4.7

4.1

3.9 3.8

4.0

3.6

3.2 3.4

3.8 3.8

4.4 4.3

3.6

4.2

4.0

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

H21 H22 H23 H24 H25

(%) 全国 開業率 全国 廃業率

山形県 開業率 山形県 廃業率

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(エ) 本県のブランド力

本県では、地域間競争の激化に対応し、本県経済の活性化と地域産業の振興を図

るため、「知っていただき、買っていただき、訪ねていただける『やまがた』の実

現」を目標とする「山形県総合ブランド戦略」を平成22年11月に策定し、県産品等

のブランド力向上と地域イメージの発信・活用に取り組んでいる。

民間調査会社の調査結果によれば、本県の魅力度は全国28位と中位に位置するも

のの、認知度は全国44位と下位に位置する。

【図14 山形県の魅力度】

資料:㈱ブランド総合研究所「地域ブランド調査2014」

【図15 山形県の認知度】

資料:㈱ブランド総合研究所「地域ブランド調査2014」

また、本県についての地域イメージを持つ人は5割程度であり、残る5割の人は

本県のイメージを持っていない状況にある。

【図16 山形県の地域イメージ】

資料:㈱ブランド総合研究所「地域ブランド調査2014」

(山形県の地域イメージを持つ人の割合) (山形県に持つ地域イメージ)

(回答率)

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そのほか、山形県産品の購入意欲は比較的高いものの、購入したいものとしてあ

げられた産品のうち、約4割が「さくらんぼ」であり、「さくらんぼ」の認知度は

非常に高いものの、それ以外の県産品の認知度は低い。

【図17 山形県産品の購入意欲度】

資料:㈱ブランド総合研究所「地域ブランド調査2014」

こうしたことを踏まえれば、本県は魅力はあるものの、その魅力が消費者に十分

に伝わっておらず、ブランド力は依然として高まっていない現状にあることから、

浸透度の高い効果的な情報発信により、県産品や観光資源の認知度向上を図ってい

く必要がある。

(県産品の購入意欲度(全国順位)) (購入/飲食してみたいものとしてあげられた県産品)

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② 製造業

(ア) 製造業の現状

本県製造業は、機械機器の製造などを行う加工組立型産業の構成比が高く、中

でも情報通信機器や電子部品・デバイス7

【図18 製造業の製造品出荷額等の構成割合(対全国比)】

の集積が高いことが特徴であるが、これ

ら以外にも幅広い技術分野の企業が集積しており、大きな強みとなっている。こ

のような強みを活かし、個々の企業の技術の更なる高度化を図りながら、情報サ

ービス産業など他産業も含め、相乗効果や総合力を発揮できる企業間連携や企業

集積を形成し、国内外における競争力を高めていくことが重要である。

資料:経済産業省「工業統計調査(平成25年)」

また、医療・福祉・健康、環境・エネルギー、食品など、今後成長が期待される

分野への進出を促進し、特定の業種や企業の動向に影響されにくい産業構造への移

行を図っていくことも求められる。

7 デバイス:特定の機能を持つ装置や電子回路などの構成要素となる個々の部品のこと

成長期待分野 背景・市場性等 本県の現状と可能性

自動車

関連産業

○自動車の世界販売台数は、2018 年

に 1 億台を超え、2020 年には 1

億 500 万台近くまで拡大が見込ま

れる。

○次世代自動車について、国では新車

販売に占める割合を 2030 年まで

に 50~70%とする目標

○ティア1企業など中核的企業の存在

○次世代自動車研究会の活動による技術や気運の

高まり

○工業技術センターが有する超精密加工技術や鋳

造技術をベースとした展開や部品の軽量化への

取組み

航空機

関連産業

○航空機産業の世界市場は、現在の約

50兆円から今後20年間で300兆

円まで拡大が見込まれる

○航空機メーカーとの取引企業など先行企業の存在

○山形県航空機産業地域戦略研究会の活動による技

術や気運の高まり

○航空エンジン大手企業の工場との近接性

【表3 今後成長が期待される分野】

食料品 飲料 繊維 家具 印刷 皮革 その他 はん用機械 生産用機械 業務用機械 電気機械 情報通信 電子部品・デバイス 輸送用機械 木材 バルプ・紙 化学 石油・石炭 プラスチック ゴム 窯業・土石 鉄鋼 非鉄金属 金属製品

全国 8.5 3.3 1.3 0.6 1.9 0.1 1.3 3.5 5.2 2.3 5.3 2.9 4.4 19.9 0.8 2.3 9.4 6.1 3.8 1.1 2.4 6.1 3.0 4.5

山形県 11.8 1.4 2.1 1.1 1.2 0.8 6.3 1.8 8.1 2.7 5.3 12.2 17.1 5.1 0.9 0.7 8.2 0.3 2.6 0.1 3.5 1.3 1.8 3.5

対全国比 138.8 42.4 161.5 183.3 63.2 800.0 484.6 51.4 155.8 117.4 100.0 420.7 388.6 25.6 112.5 30.4 87.2 4.9 68.4 9.1 145.8 21.3 60.0 77.8

全国 17.0 全国 43.5 全国 39.5山形県 24.7 山形県 52.3 山形県 22.9

生活関連・その他産業 加工組立型産業 基礎素材型産業

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資料:県工業戦略技術振興課調べ

(イ) 本県製造業の技術力と試験研究機関等

県内企業の長年にわたる研鑚により、本県製造業の技術は東北では高い水準に

あり、中小企業庁が選定する「元気なモノ作り中小企業300社」に平成18年度から

の4年間で25社が選定されており、実数及び人口10万人当たりの企業数は東北で

最も多い。また、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、文部科学省の4省が連

携して実施している「ものづくり日本大賞」に平成17年度から平成25年度までの

5回で14件(東北経済産業局賞を含む件数)が選定されており、その人口10万人

当たりの件数も東北で最多である。

資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」 資料:経済産業省、厚生労働省、国土交通省、文部

科学省「ものづくり日本大賞」

成長期待分野 背景・市場性等 本県の現状と可能性

ロボット

関連産業

○ロボット産業の市場規模は、現在の

約 6000 億円から 2035 年には

9.7 兆円まで拡大が見込まれる

○国は「ロボットによる新たな産業革

命の実現」に向け、2020 年までに

ロボット市場を製造分野で 2 倍、サ

ービス分野で 20 倍に拡大する目標

○産業用ロボットに関するハードウェアに取り組

む企業の存在

○山形大学工学部や鶴岡工業高等専門学校でのロ

ボットに関する研究の実施

○工業技術センターでのロボットの要素技術であ

るセンシング技術の活用

環境・エネルギー

関連産業

○新エネルギー産業の世界市場は、

2010 年 30 兆円から 2020 年 86

兆円に拡大が見込まれる

○山形県新エネルギー事業化促進協議会の活動に

よる技術や機運の高まり

○バイオマスや小水力発電など地域資源を活用し

た再生可能エネルギーの事業化

○工業技術センターのセンシング及び情報処理技

術を活用した水や大気の環境測定器や生産現場

の省エネ診断システムの開発

医療・福祉・健康

関連産業

○医療機器の世界市場は年間約8%成

長しており、2017 年に約 44 兆円

に拡大することが見込まれる

○医療・福祉現場が有する課題解決に取り組む地域

の企業グループの存在

○県内企業が得意とする精密加工や電子・デバイス

技術の活用

○山形大学医学部での次世代型重粒子線がん治療

施設整備による機運の高まり

食品・農業

関連産業

○世界の食市場規模(日本市場を除く)

は 2009 年の 340 兆円から2020

には 680 兆円へ拡大が見込まれる

○県内各地に幅広い種類の食品製造業が集積

○山形大学、慶應先端研、工業技術センターの技術

シーズを活用した高度な機能性食品の開発

【図 19 「元気なモノ作り中小企業 300 社」

選定企業数(人口 10 万人当たり)】 【図 20 「ものづくり日本大賞」選定件数

(人口 10 万人当たり)】

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

山形県 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 福島県

(件)

H25

H24

H23

H22

H21

【実数】(14) (4) (7) (19) (7) (19)

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- 13 -

更に、近年東北地域に集積が進んでいる自動車関連産業について見れば、自動車

産業に関連する企業数は285社と福島県の297社に次いで東北地方で2番目に多く、

その技術も幅広い分野にわたっている。

【図21 東北の自動車関連企業数】 【図22 関連技術分野別企業数】

資料:㈱インテリジェントコスモス研究機構 資料:㈱インテリジェントコスモス研究機構 「東北の自動車関連企業マップ」(平成24年11月) 「東北の自動車関連企業マップ」(平成24年11月)

本県には、試験研究機関や高等教育機関が県内各地にバランスよく配置され、

本県製造業の技術力を支えている。このうち、県工業技術センターにおける技術

相談・技術指導や生産現場での指導件数は延べ8,000件以上に及び、技術支援にお

いて中核的な役割を果たしている。

平成25年に県が県内企業に対して実施したアンケートによると、県内企業が取

組みを強化したいあるいは関心がある分野として、食料品製造、医療・福祉機器、

自動車、エネルギー・発電分野が上位となっているほか、取引先企業に対する技

術面での提案力、独自技術や自社商品の開発、既存技術の高度化について、多く

の企業が今後の課題として回答している。

このため、県工業技術センターを中心とした技術相談機能の充実を図りながら、

こうした企業の支援ニーズに的確に対応し、高付加価値分野・成長期待分野への

参入や事業拡大を促進していくことが必要である。

また、本県の公設試験研究機関や高等教育機関では他に先駆けた先導的な研究

開発が行われており、山形大学においては有機エレクトロニクス8分野、慶應義塾

大学先端生命科学研究所においてはバイオテクノロジー9

分野において世界最先

端の技術が生み出され、ベンチャー企業も創出されている。このような、本県の

強みとする技術を活かした事業化の流れを更に加速し、産業集積へとつなげてい

くことが求められる。

8 有機エレクトロニクス:有機化合物を材料とする、半導体などの電子デバイスに関する工学・工業技術。有機EL(発

光体)、有機トランジスタ、有機太陽電池が代表的。 9 バイオテクノロジー:バイオロジー(生物学)とテクノロジー(技術)を組み合わせた合成語で、生命工学、生物工学

とも訳される。生物そのもの、あるいは生物の構成成分の機能を利用、応用、模倣する幅広い範

囲の技術のこと。

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【図23 県内の主な試験研究機関及び高等教育機関の状況】

資料:山形県調べ

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- 15 -

(ウ) 付加価値額等の状況

本県製造業の付加価値額は、平成19年に過去最高の1兆1,488億円となったが、

その後はリーマン・ショックや東日本大震災の影響などから1兆円を下回る水準

で推移している。また、従業者1人当たりの付加価値額は、全国平均の1,218万円

と比較して、30%程度低い849万円となっている。業種別に見てもほとんどの業種

で全国平均を下回っていることから、ものづくり企業の技術力向上と生産効率化

を併せて促進し付加価値生産性を高めるとともに、本県独自の先導的プロジェク

トの事業化、業種を超えた技術融合による新技術・新製品の開発、デザインの活

用やブランド化の促進など、付加価値額の拡大に向けた多様な取組みを進めてい

くことが必要である。

【図24 製造業付加価値額の推移】

資料:経済産業省「工業統計調査」

【図25 従業者1人当たり付加価値額】

資料:経済産業省「工業統計調査(平成25年)」

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③ 商業・サービス業

(ア) 商業の現状

県内の商業の状況は、平成24年で、商店数が15,281店、従業者数が92,687人、

販売額が2兆2,105億円となっている。平成19年から平成24年にかけては、卸売業

では従業者数と販売額、小売業では商店数、従業者数、販売額の全ての項目が減

少しており、大変厳しい状況にある。景気後退による消費の低迷、人口減少によ

るマーケットの縮小、インターネット販売の普及など販売手法の多様化、高速交

通網の発達による県外への商圏拡大などが要因として考えられることから、これ

らに対応し、商業の活性化を図っていく必要がある。

【表4 商業規模の推移】

資料:経済産業省「商業統計」、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス活動調査」 ※増加率は前回との比較である

【図26 県民のインターネットショッピング利用率】 【図27 買物目的で県外に外出する県民の割合】

資料:山形県「山形県の買物動向」 資料:山形県「山形県の買物動向」

(イ) 小売店舗の減少等による生活利便性の低下

品物が豊富にあり利便性の高い大型店の出店は、買物客の減少など既存の個店

や商店街に大きな影響を与えている。大型店や、自家用車等でのアクセスが容易

な郊外店の増加によって、中山間部のみならず中心市街地においても、買物人口

や居住人口の流出により小売店舗等が減少し、少子高齢化に伴うコミュニティ機

能の低下とも相まって、そこに暮らす住民の生活環境に不便さが生じている。

このような地域のニーズに対応したサービスを生み出し、商業機能と併せて提

供していくことにより、誰もが暮らしやすいまちをつくっていくことが課題とな

っている。

(単位:店、人、億円、%)

実数 増加率 実数 増加率 実数 増加率 実数 増加率 実数 増加率

商店数 20,684 ▲ 0.6 19,121 ▲ 7.6 18,592 ▲ 2.8 16,906 ▲ 9.1 15,281 ▲ 9.6

卸売業 3,980 7.8 3,477 ▲ 12.6 3,551 2.1 3,196 ▲ 10.0 3,234 1.2

小売業 16,704 ▲ 2.4 15,644 ▲ 6.3 15,041 ▲ 3.9 13,710 ▲ 8.8 12,047 ▲ 12.1

従業者数 110,372 4.2 107,842 ▲ 2.3 105,549 ▲ 2.1 99,082 ▲ 6.1 92,687 ▲ 6.5

卸売業 31,622 4.4 27,934 ▲ 11.7 27,468 ▲ 1.7 24,681 ▲ 10.1 23,769 ▲ 3.7

小売業 78,750 4.0 79,908 1.5 78,081 ▲ 2.3 74,401 ▲ 4.7 68,918 ▲ 7.4

年間商品販売額 32,899 ▲ 5.8 29,686 ▲ 9.8 28,332 ▲ 4.6 27,027 ▲ 4.6 22,105 ▲ 18.2

卸売業 19,383 ▲ 4.1 16,687 ▲ 13.9 15,987 ▲ 4.2 14,805 ▲ 7.4 11,330 ▲ 23.5

小売業 13,516 ▲ 8.1 12,999 ▲ 3.8 12,345 ▲ 5.0 12,222 ▲ 1.0 10,775 ▲ 11.8

H16 H19 H24H11 H14

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【図28 大型店舗の出店状況】

資料:山形県「山形県の買物動向」

【表5 市部・郡部別小売業商店数の推移】

資料:経済産業省「商業統計」、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス活動調査」

※ 庄内地域において、市町村合併により単純比較できない年度間は、全体の減少率を示している

(ウ) 中心商店街の活性化

大型店・郊外店等の増加に伴い、買物人口や居住人口が郊外に流出する傾向に

あることから、まちの「顔」である中心商店街の活力が低下しており、その再生・

活性化が課題となっている。

こうした中、本県では山形市、鶴岡市、酒田市、上山市の4市が中心市街地活

性化基本計画を策定し、国の認定を受けて事業を実施している。また、山形市、

鶴岡市、酒田市の3市における5つの商店街振興組合が地域商店街活性化法に基

づく商店街活性化事業計画を策定し、国の認定を受けて事業を実施するなど、国

の支援制度を活用し、にぎわいや活気の創出に意欲的に取り組む動きも見られる。

(エ) サービス業の状況

サービス業の業種は多岐に及び、通信業や情報サービス業、道路貨物運送業な

ど、産業や生活の基盤を成す業種も多い。本県においても多種多様なサービス業

が存在し、サービス業の生産額が県民総生産に占めるウェイトも高まっている。

また、少子高齢化やライフスタイルの多様化、産業の高度化、グローバル化の進

展などに伴い発生する新たなニーズに対応する事業の創出によってサービス業が

H14~24 H16~24 H19~24

市部 5,997 5,729 5,278 4,742 ▲20.9% ▲17.2% ▲10.2%

郡部 1,061 1,005 907 738 ▲30.4% ▲26.6% ▲18.6%

市部 630 639 578 495 ▲21.4% ▲22.5% ▲14.4%

郡部 602 581 545 435 ▲27.7% ▲25.1% ▲20.2%

市部 2,109 2,053 1,865 1,665 ▲21.1% ▲18.9% ▲10.7%

郡部 989 939 831 712 ▲28.0% ▲24.2% ▲14.3%

市部 2,844 2,755 3,155 2,794 ▲11.4%

郡部 1,412 1,340 551 466 ▲15.4%

合  計 15,644 15,041 13,710 12,047 ▲23.0% ▲19.9% ▲12.1%

▲20.4%▲23.4%

最上地域

置賜地域

庄内地域

H24減少率

H14 H16 H19

村山地域

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活性化していくことは、本県経済の発展のために重要である。このため、複数の

サービスやものづくりとサービスの融合、ICT10

【図29 本県のサービス業の業種別事業所数(平成24年2月1日)】

の新技術の活用など、既存の形

態にとらわれない新たな発想によるビジネスモデルが次々と生み出される環境づ

くりが必要である。

資料:総務省・経済産業省「平成24年経済センサス活動調査」

【図30 本県のサービス業の業種別売上高(平成23年)】

資料:総務省・経済産業省「平成24度経済センサス活動調査」

10 ICT:情報通信技術(Information and Communication Technology)。インターネットが普及し、双方向のコミュニ

ケーションが可能となったことから、IT(情報技術)に代わり用いられるようになっている。

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④ 観光

(ア) 観光入込客数等の状況

本県の観光入込客数は概ね4,000万人前後(うち県外客は約半数)で推移し、

平成23年度は東日本大震災の影響等により約3,540万人まで落ち込んだが、平成25

年度は4,017万人と、平成21年度以来4年ぶりに4,000万人を超えた。

また、平成25年の延べ宿泊者数は約543万人で全国では第28位である。

【図31 観光入込客数の状況】

資料:山形県「山形県観光者数調査」

【表6 都道府県別延べ宿泊者数】

資料:観光庁「宿泊旅行統計調査」

観光地類型別では、従来から本県観光の中心である温泉と名所・旧跡が減少傾向

にある一方、観光果樹園や産直施設、立ち寄り施設等(その他に分類)が増加し

ており、観光ニーズが多様化していることがうかがわれる。

平成26年6月から9月に実施された山形デスティネーションキャンペーンにお

ける取組み等を踏まえつつ、これまで発掘・磨き上げを行ってきた観光資源を活

用し、更なる観光誘客と魅力ある地域づくりを一体的に推進していくことが必要

である。

4,017万人

45.1%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

入込者数(

万人)

県内客 県外客 県外客の比率4,227万人

順位 都道府県名 延べ宿泊者数(人) 割合 順位 都道府県名 延べ宿泊者数(人) 割合1 東 京 都 49,189,870 11.19% 1 東 京 都 52,824,060 11.31%

2 北 海 道 28,591,870 6.51% 2 北 海 道 30,970,470 6.63%

3 大 阪 府 23,343,620 5.31% 3 大 阪 府 23,881,430 5.11%

13 福 島 県 10,585,930 2.41% 13 宮 城 県 11,334,990 2.43%

15 宮 城 県 10,042,560 2.29% 14 福 島 県 10,748,340 2.30%

25 岩 手 県 6,517,240 1.48% 27 岩 手 県 5,590,690 1.20%

28 山 形 県 5,559,550 1.26% 28 山 形 県 5,430,680 1.16%

31 青 森 県 4,546,440 1.03% 31 青 森 県 4,759,730 1.02%

41 秋 田 県 3,460,540 0.79% 41 秋 田 県 3,493,090 0.75%

439,495,120 100.00% 467,207,970総数

H25

総数

H24

年度

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【図32 観光地類型別入込客数の状況】

資料:山形県「山形県観光者数調査」

(イ) 外国人旅行者数等の状況

東日本大震災の影響等により平成24年に約3万2千人まで落ち込んだ本県の外

国人延べ宿泊者数は、平成25年に約3万7千人となり回復傾向にあるものの、原

発事故等の影響が払拭できず、震災前の水準には至っていない。

本県の外国人旅行者については、立ち寄り先・宿泊先にある程度の偏りが見られ

ることから、これを広げるための受入態勢づくりが必要である。

政府は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機とした海

外からの旅行者の拡大による地域活力の向上を図るため、観光立国実現に向けた施

策を強力に推進しており、本県においても、外国人旅行者の大半を占める台湾を始

め東アジアからの誘客を継続・強化することに加え、経済成長が著しいASEAN

諸国など幅広い国々への情報発信による知名度向上等、外国人旅行者の誘客に向け

た一層の取組みが必要である。

【表7 都道府県別外国人延べ宿泊者数】

資料:観光庁「宿泊旅行統計調査」

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

(単位:万人)

温泉

名所・旧跡

その他

道の駅

観光道路

スキー場海水浴場

山岳

順位 都道府県名 延べ宿泊者数(人) 割合 順位 都道府県名 延べ宿泊者数(人) 割合1 東 京 都 8,291,740 31.51% 1 東 京 都 9,830,950 29.34%

2 大 阪 府 3,060,850 11.63% 2 大 阪 府 4,314,500 12.87%

3 京 都 府 2,305,170 8.76% 3 北 海 道 3,069,750 9.16%

29 宮 城 県 90,330 0.34% 29 宮 城 県 106,600 0.32%

36 岩 手 県 45,990 0.17% 36 岩 手 県 65,320 0.19%

39 青 森 県 42,430 0.16% 37 青 森 県 62,480 0.19%

42 福 島 県 37,230 0.14% 41 福 島 県 41,830 0.12%

44 山 形 県 32,170 0.12% 42 山 形 県 37,410 0.11%

45 秋 田 県 27,580 0.10% 43 秋 田 県 36,140 0.11%

26,314,340 100.00% 33,511,380

H24

総数

H25

総数

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【図33 国別外国人旅行者受入客数の状況】

資料:山形県「外国人旅行者県内受入実績調査」

(ウ) 観光産業の振興

観光産業は、農林水産業、商業、工業その他の産業との関連が深い上に裾野も

広く、経済波及効果が大きい産業であることから、本県経済の持続的な発展や、

魅力ある活力に満ちた地域社会を実現する上で重要な役割を担う。 このため、地域資源を活用した魅力ある取組みの喚起や中核となる人材の育成

などにより観光産業の振興を図り、付加価値の創造や雇用の創出に結び付けてい

くことが重要である。

⑤ 国際経済交流

(ア) 貿易の状況

貿易額は、輸入額が輸出額を大幅に上回る状況が続いている。品目別では、コ

ンピュータ関連部材などの電気・電子機器・同部品が大きな割合を占める。また、

地域別では、輸出入ともアジアの割合が最も高く、その中でも中国が大きなウエ

イトを占めている。

【図34 貿易額の推移】

資料:山形県「山形県貿易実態調査」

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【図35 品目別貿易額の内訳】 【図36 地域別貿易額の内訳】

(百万円) (百万円)

資料:山形県「山形県貿易実態調査(平成24年)」 資料:山形県「山形県貿易実態調査(平成24年)」

海外との水平分業11

また、近年は、台湾・香港・タイ等の貿易障壁が比較的低い上、高所得者の割合

が高く、日本食品が浸透している市場を中心に、現地高級スーパーでのプロモー

ションや現地バイヤーとの信頼関係の構築などにより、県産農産物や加工食品の

輸出に取り組む事例も増えてきている。その結果、これらの地域における山形県

産品の定番化品目数は増加傾向にあり、山形ブランドが浸透してきている。

が進む中、海外の関連会社や取引会社に対して原材料・部材

等を輸出、安価な労働力を背景に生産・加工された部品・半製品等を大量に輸入し、

最終製品を県内で製造している状況にあると推測される。

【図37 農産物・農産加工食品の輸出定番化品目数の推移】

資料:山形県調べ(平成26年10月) ※ 定番化:2年以上の継続取引

11 水平分業:事業や製品の生産を、一社だけでなく、複数の企業が分業すること

34

56 58

77

46

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国内市場の縮小に伴い、海外との経済交流の拡大が課題となる中、アジア新興

国、中でも経済成長が著しいASEAN諸国との取引等を観光交流とともに推進

していくことが重要である。

(イ) 企業の海外進出

本県企業は、75社が130の事業所を設立している。海外への進出企業75社の主な

業種別内訳は、機械が28社、電機が14社、商社・食品・繊維が各5社であり、130

の事業所の主な業種別内訳は、機械が47事業所、電機が40事業所、商社・食品・

繊維が各5事業所となっている。

進出先では、東アジア地域が88事業所で全体の7割弱を占めており、その中で

も中国(香港を含む)が77事業所と最多である。近年では中国への一極集中に対

するリスク分散や中国国内の人件費の高騰などにより、ASEAN地域への進出

も28事業所と増えている。

【表8 本県企業の海外進出の状況】

企 業 事 業 所 業 種 別 業 種 別 地 域 別 国 別

1位 機 械 28 機 械 47 東アジア 88 中 国 77 2位 電 機 14 電 機 40 ASEAN 28 タ イ 15

3位 商社・食品・繊維 各5

商社・食品・繊維 各5 北 米 9 ベトナム 9

その他 18 その他 28 その他 5 その他 29 合計 75社 130事業所

資料:山形県調べ(平成26年10月)

(ウ) 酒田港の現状

酒田港は、本県の産業経済活動と広域交流活動を支える世界につながる県内唯

一の貿易港であり、国の重要港湾に位置付けられており、平成7年には国際定期

コンテナ航路が開設された。

平成15年には国から総合静脈物流拠点港(リサイクルポート12

また、政府の方針により港湾の選択と集中が図られる中、平成22年8月には全

国に103港ある重要港湾のうち43港が「新規の直轄港湾整備事業の着手対象とする

重要港湾」(いわゆる重点港湾)に選定され、酒田港もこの一つに選定された。

)の指定を受け、

リサイクル関連企業の立地が酒田臨海工業団地を中心に進んできている。

さらに、平成23年11月、日本海側港湾の港湾機能の強化を図り対岸諸国の経済

発展を我が国の成長に取り入れること等を目的とする日本海側拠点港に、リサイ

クル貨物の拠点港として選定された。

国際定期コンテナ航路貨物量は、東日本大震災により被災した太平洋側港湾の

代替機能を果たしたことなどから、平成23年には大幅に増加した。その後、コン

テナクレーン増設などの港湾機能強化を進めたことなどによって、平成26年に入

り、新たな航路が開設され国際定期コンテナ航路開設以来初めて週3便となり、

12 リサイクルポート:廃棄物やリサイクルに関して広域的な物流ネットワークの拠点となる港湾として、港湾管理者か

らの申請により国が指定し、拠点づくりを支援するもの。

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大口の新規貨物の取扱いも開始された。その結果、平成26年の貨物量は過去最高

の13,799TEU13

【図38 酒田港国際定期コンテナ航路貨物量の推移】

を記録し、今後更なる増加が見込まれている。

資料:山形県調べ

一方、県が村山地域及び置賜地域の企業に対して行ったアンケート調査結果に

よれば、海上コンテナ貨物の輸出入において酒田港を利用する割合は、輸入で

約9%、輸出で約2%に留まっており、航路・便数等に優位性がある京浜港を利用

する割合が輸入で約64%、輸出で約83%と高くなっている。

また、酒田港を利用するために必要な条件としてリードタイム14

【図39 酒田港を利用するために必要な条件】

の短縮、コス

トの低減等が挙げられており、酒田港の一層の利用増加を図るためには、これら

の課題解決に向けた取組みを進め、県内企業が利用しやすい環境を整備していく

ことが求められる。

資料:山形県調べ(平成24年12月)

13 TEU:Twenty-foot Equivalent Unitの略。コンテナ貨物の貨物量を表す単位で、20フィートコンテナの大きさに換算

するもの。海上コンテナには主に20フィートコンテナと40フィートコンテナの2種類があり、それぞれが1TEU、

2TEUとなる。 14 リードタイム:輸出入等貨物の輸送に要する期間のこと。

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

増便によるリードタイムの短縮

直行便の運航によるリードタイムの短縮

コスト(海上運賃・陸送運賃等)の低減

小口混載貨物サービスの充実

その他

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⑥ 本県の中小企業・小規模事業者

本県の企業数の99%以上が中小企業、そのうちのおよそ9割が小規模事業者であ

り、中小企業・小規模事業者は本県産業の原動力となっている。

【表9 中小企業・小規模事業者の定義】

出典:中小企業基本法、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律

【表10 規模別企業数(民営、非一次産業、平成24年)】

資料:中小企業庁「中小企業白書(2014年版)」

本県の中小企業は経営革新や新事業展開には積極的であり、経営革新や企業・産業

間連携、地域資源の活用などにより新たな分野での事業開拓を図るための計画で国

から認定を受けた件数は、人口10万人当たりでは東北6県で最も多くなっている。

【図40 経営革新承認及び新たな分野での事業計画認定の状況(人口10万人当たり )】

資料:山形県調べ(平成26年3月)

中小企業・小規模事業者は大企業に比べ迅速な意思決定や機動的・柔軟な対応が

可能という強みを持つ一方、研究開発や人材育成、補助金の獲得など、自社のレベ

ルアップのために必ずしも十分な経営資源を割くことができないという弱みを有す

る。このような中小企業・小規模事業者の特性を踏まえ、強みを伸ばし弱みを補う

きめ細かな支援を行うことにより、国際競争の激化や原材料高騰など厳しい経営環

境の中にある中小企業・小規模事業者の元気再生を図っていくことが本県経済を発

展させていく上で重要である。

・製造業その他: 資本金3億円以下  又は 従業者数300人以下

・卸売業:    資本金1億円以下  又は 従業者数100人以下

・小売業:    資本金5千万円以下 又は 従業者数 50人以下

・サービス業:  資本金5千万円以下 又は 従業者数100人以下

・製造業その他:   従業者数20人以下

・商業・サービス業: 従業者数5人以下

中小企業

小規模事業者

企業数構成比(%)

企業数構成比(%)

企業数構成比(%)

企業数構成比(%)

山形県 42,277 99.9 37,527 88.6 62 0.1 42,339 100.0

全国 3,852,934 99.7 3,342,814 86.5 10,596 0.3 3,863,530 100.0

中小企業大企業 合計

うち小規模事業者

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⑦ 本県産業を支える人材

産業を支える最も重要な要素は人材と言われている。本県製造業を支える人材に

関しては、例えば生産年齢人口(15~64歳)10万人当たりの技能検定合格者数が317.2

人と東北でトップ、全国でも5位であるなど、優れた技術者・技能者が多い。また、

本県の公立高等学校(全日制)の生徒数に占める工業系学科の生徒数の割合は全国

トップであり、技術者育成が学校教育面からも強く支えられている。一方、平成24

年における製造業就業者の年齢別構成割合を10年前と比較すると、50代後半以降の

年代で増加、30代前半以前の年代で減少しており、高齢化の傾向にある。

【図41 東北6県における生産年齢人口10万人当たりの技能検定合格者数】

資料:厚生労働省「平成25年度技能検定実施状況」、総務省「人口推計(平成25年10月1日現在)」を基に山形県で作成

【表11 公立高等学校(全日制)の生徒数に占める工業系学科の生徒数の割合(上位5都道府県)】

資料:文部科学省「学校基本調査」を基に山形県で作成

【図42 製造業就業者の年齢構成割合】

資料:総務省「就業構造基本調査」

このため、若者が科学やものづくりへの興味を持ち続ける取組みを進め、製造業へ

の就業を促進しながら、熟練の技術・技能を継承する若年技術者へと育成していくこ

167.0

226.4

137.7

202.0

317.2

155.7

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

300.0

350.0

青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県

(人)

34位 5位31位 19位 24位 32位

順位 都道府県 構成比(%)

順位 都道府県 構成比(%)

順位 都道府県 構成比(%)

1 山形県 15.1 1 山形県 15.2 1 山形県 14.9

2 佐賀県 14.8 2 佐賀県 14.9 2 佐賀県 14.8

3 山口県 14.5 3 山口県 14.6 3 山口県 14.4

4 宮崎県 14.2 4 宮崎県 14.3 4 大分県 14.09

5 青森県 14.1 5 大分県 14.2 5 宮崎県 14.07

平成24年度 平成26年度平成25年度

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とが課題となっている。また、本県製造業の成長期待分野への参入を促進する上では、

その担い手となる技術者等を育成することが欠かせない。

商業においては、大型店・郊外店への買物人口の流出や後継者不足を原因とする休

業・廃業により中心商店街等における商業機能やにぎわいの低下が課題となっている。

まちのにぎわいを取り戻し、活性化するには、商店街組織や商店主のみならず、市民

団体や学生など新たな担い手の参加を促進することが重要である。

観光においては、観光産業の基盤強化を図り競争力を高めていくため、中核的人

材の育成や、観光事業者と様々な分野の人々との協働を促進していくことなどが求

められる。

また、アジア等海外の経済成長を取り込み本県経済の活性化を図る上では、海外

の文化や市場特性などに関する知識やコミュニケーション能力を備え、国際取引や

誘客を担うことのできる人材の育成が必要である。

産業人材の育成は、学童期から就業後までライフステージに応じた取組みが必要

であり、教育機関と連携して取り組むことが重要である。

少子高齢社会が全国よりも速い速度で進行する中で、本県産業に必要な人材を如

何に確保していくかが重要な課題であり、若者・女性等の県内就業や就業継続の促

進、未就職者の雇用につながるスキルアップの促進、雇用のミスマッチへの対応な

ど、多様な産業人材の確保策を進めていく必要がある。

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3 本県産業の目指す姿

(1)基本目標

『 不断のイノベーションによる価値の創造 と

“やまがた”の価値の発信 を力強く推進し

活力ある産業を集積 』

~本県の強みや特長を活かした、多様な“連携”の構築~

(2)本県産業の目指す姿

① 付加価値の高い製品やサービスを生み出す産業

・ 国内外をリードする先端的な研究開発の成果を活用した製品やサービス、業種を

超えた技術融合やイノベーションによって社会の課題・ニーズに的確に対応する製

品やサービスなど、付加価値の高い製品やサービスが本県の企業によって相次いで

生み出されている。

・ 本県企業の99%以上を占める中小企業・小規模事業者が、迅速性・柔軟性・機動

力といった中小・小規模ならではの強みを活かし、技術力など実力を十分に発揮し

ながら事業を展開し、高い付加価値を生み出すとともに地域の雇用を支えている。

② 外部環境の変化に強く、高い評価と信頼を獲得する産業

・ 高い開発力や提案力を持つ人材が集積し、独自性の高い製品やサービスを創出し

安定的に供給し続けることにより、本県の産業が国内外において高い評価や信頼を

勝ち得るとともに、あらゆる技術の融合や技術革新による新しいツールの活用によ

って新たな課題に対応するビジネスが次々と生み出されることにより、景気変動や

国際情勢、特定の企業の動向など外部環境の変化にも柔軟に対応することができる。

・ 海外取引等をグローバルに展開し、新興国等の経済成長を取り込み発展を続ける

企業が数多く存在する。

③ 活発な研究開発により発展の芽を絶えず生み出す産業

・ 大学等の教育機関や試験研究機関など多様な主体による研究開発が活発に行われ

ることにより、新たな知恵・知識や技術が次々と生み出され、本県産業の強みとな

っている。

④ 多様な連携のもと、新たな分野への展開や取引拡大を進める産業

・ 大学や企業、行政、産業支援機関等が有する様々な技術・ノウハウ等を活用し、

企業が技術力や営業力を高め、新分野への進出や取引の拡大を積極的に行っている。

・ 異なる技術を持つ複数の企業同士が的確に連携し、ユニット単位や複数工程の受

注を可能とするなど取引の幅を広げている。

⑤ 地域資源を活用し、国内外からの様々な活力を誘引する産業

・ 本県が強みを有する分野や今後成長が見込まれる分野などにおいて、県内外の企

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業による投資が活発に行われるとともに、企業活動の担い手となる人材が県内に流

入・定着している。

・ 県内各地の観光地や商店街等が地域資源を活かして魅力を向上させるとともに、

それによって本県の認知度向上・イメージアップが図られたことにより、国内外か

らの観光客や買物客が多数来訪・回遊し、県内各地に賑わいと活気が感じられる。

⑥ 県民一人ひとりの能力が発揮できる多様な産業

・ 県民一人ひとりがその能力や事情に応じて活躍できる多様な就業の場があり、そ

の情報が就業希望者に的確にもたらされることにより、誰もが職に就き活き活きと

働くことができる。

・ 創業を応援する県民の気運と充実した支援制度を背景に、高いビジネスマインド

を持つ新たな事業者が生まれ、成長を続けている。

(3)施策の展開

本県産業の目指す姿の実現に向けて、今後5年間で実行すべき施策について、以下

の3つの戦略を提示し、これに沿って各種施策を進めるとともに、必要に応じて効果

的に組み合わせながら施策展開をしていく。

【戦略1】 やまがたの明日を切り拓く産業の振興

◆ 競争力のあるものづくり産業群の形成

◆ 地域づくりと連携した活力ある商業・まちづくりの推進

◆ 「観光立県山形」の実現

◆ 本県産業のブランド力向上

◆ 新たな国際戦略の展開

【戦略2】 やまがたの産業を担う中小企業・小規模事業者の振興

【戦略3】 やまがたの産業の源となる人材の確保・育成

◆ 産業を担う人材の確保

◆ 付加価値を高める人材の育成

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4 施策の展開

【戦略1】 やまがたの明日を切り拓く産業の振興

○ 人口減少・少子高齢化や経済のグローバル化の進展、原材料等の価格上昇など社会経

済を取り巻く課題に対応し、本県経済を持続的に発展させていくためには、製造業・商

業・観光等の各分野において、本県の強みや特長を活かし、多様な連携を図りながら、

次々とイノベーションが生み出される環境をつくり、高い付加価値を生み出す産業を構

築していくことが重要である。 ○ 政府が推進する「地方創生」における地方への人材還流の方向を踏まえるとともに、

県の関係部局が連携して推進する人口減少対策と連携し、若者や女性を中心に人材の県

内定着・県内回帰へとつながる、戦略的な産業振興・雇用創出を図っていく。 ○ ものづくり産業について、個々の企業の技術力・経営力等を強化しながら、業種の枠

を超えたあらゆる分野との技術融合、技術を核とした企業間連携や産学官金の連携、試

作支援機能の強化を図るなどして、市場のニーズに適合した製品を開発・供給していく

とともに、本県の世界最先端技術を活用した分野や今後成長が期待される分野における

事業化の促進、企業誘致の推進などにより、国内外において競争力のあるものづくり産

業群を形成していく。

○ 商業について、インターネット販売など販売手法の多様化に対応しながら、魅力や特

色のある個店・商店街づくりを推進するとともに、高齢者や周辺地域など買物が困難な

人や地域のニーズに対応した利便性の高いサービスの展開などにより、集客力や収益力

を高め、商業とまちの活性化を図っていく。 ○ 観光について、県民総参加・全産業参加により、各地域が観光地としての魅力を高め、

外国人観光客を含めた受入態勢を充実するとともに、地域と観光産業が連携しながら、

情報を効果的に発信し戦略的な誘客活動を展開することにより、来訪者の更なる増加

と、他産業への波及による本県経済の活性化、観光立県の実現を図っていく。 ○ これらの振興策に加え、各業種において商品・サービスの認知度やブランド力の向上、

海外との取引や交流の拡大を図り、人口減少等に伴い国内マーケットが縮小する中にあ

っても高い付加価値の確保を目指していく。

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◆ 競争力のあるものづくり産業群の形成

(1)世界最先端の技術を活かした付加価値額の拡大

◎ 有機エレクトロニクス関連技術を活かした取組みの促進

≪主な取組内容≫

・ 有機EL照明の企画・製造から販売・メンテナンスまで一貫して取り組む県内企業グルー

プの拡大・強化

・ 有機EL照明の特性を活かせる分野の各業界リーダーを活用した全国展開の推進

・ 産学官が連携して有機エレクトロニクス関連産業の集積を目指す「地域イノベーション戦

(施策の展開方向)

・ 有機EL照明について、県内企業の生産体制を強化し、市場の拡大を図る。 ・ 有機太陽電池、有機トランジスタ、次世代蓄電池等の有機EL以外の有機エレクトロ

ニクス分野については、山形大学と県内企業との共同研究を促進させるなどの実用化に

向けた取組みを推進する。 ・ 世界市場での優位性確保に向け、我が国の有機EL照明の規格が国際標準となるよう、

政府による取組みを加速するための働きかけを強化していく。

【基本的考え方】

・ 本県の強みである先端分野(有機エレクトロニクス・バイオテクノロジー)について、こ

れまでの取組みの成果を活かし、大学等の研究成果の実用化、事業化とともに、関連産業の

集積を促進していく。 ・ 本県には幅広い技術分野の企業が集積しており、独自技術を持つ中小企業も多く、世界最

先端の技術開発の取組みも進められている。これらの技術の更なる高度化やオンリーワン技

術の育成、企業間や産学官金等が連携した新技術開発の促進、新製品のスピーディな開発・

提案のための試作支援の強化などにより、技術の融合を図り、成長期待分野への参入を促進

するなど、不断のイノベーションを実現していく。 ・ 高度化・多様化する企業の技術課題への対応を図るとともに、今後の成長期待分野への参

入やイノベーションを先導していくため、工業技術センターの役割・機能等を見直し、効果

的かつ効率的な支援体制を構築していく。 ・ ものづくり企業に対し製品化や事業化、取引拡大に向けた効果的な支援を行っていくため、

産業支援機関による支援機能の強化を図る。 ・ 人口減少等、社会情勢の現状や変化を踏まえ、山形の強みを活かした企業誘致や人口流出

を抑制し雇用の安定化を図るための企業誘致を展開する。 ・ ものづくり企業群が、あらゆる分野との技術融合を図る環境をつくり、次々とイノベーシ

ョンが生み出され、活力みなぎる産業を形成していく。

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略推進プログラム」の推進

・ 山形大学と県内中小企業との有機エレクトロニクスに関する共同研究に対する支援

・ 山形大学の有機エレクトロニクス研究に関する競争的資金の獲得に向けた政府への働きか

けの強化

・ 山形大学の有機EL照明の国際標準化の提案に対する政府による支援に関する働きかけの

強化

◎ バイオテクノロジーを活かした事業化の促進

≪主な取組内容≫ ・ 慶應先端研の研究水準の維持・向上を図り拠点性を高めるための、同研究所の研究教育活

動に対する支援 ・ 同研究所の研究成果の活用を促進するための、コーディネート活動、研究者の交流、企業

との共同研究等の取組みへの総合的な支援 ・ 県内への企業集積を支援する制度の活用による、バイオテクノロジー関連の研究開発や生

産の拠点形成の促進 ・ 山形県合成クモ糸繊維関連産業集積会議を中心とした全県的な支援体制の構築及び集積施

策の検討・調整 ・ 県内大学、公設試験研究機関等による技術相談、評価・分析、研究開発等支援を通した、

合成クモ糸繊維関連の事業化の促進、及び県内企業との技術連携や取引拡大等の促進

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

有機エレクトロニクス関連技術を活かした取組みの促進

有機EL照明に取り組む県内企業グループの拡大・強化

有機EL照明の全国展開の推進

山形大学と県内中小企業の共同研究の支援

(施策の展開方向)

・ 慶應義塾大学先端生命科学研究所(慶應先端研)の最先端の研究水準の維持・向上を

図り拠点性を高めることにより、バイオテクノロジー関連産業の集積や県内企業との事

業化に向けた共同研究を推進・拡大し、医療、農業・食品、環境等の幅広い分野で先導

的なバイオ研究成果を活かした地域活性化を促進する。 ・ 慶應先端研発ベンチャー企業による合成クモ糸繊維の事業化促進及び当該ベンチャー

企業を核とした関連産業及び周辺産業の集積によるクラスター形成を推進する。

県内企業グループの営業力強化・新規参入支援

業界リーダーへアプローチによる全国展開を推進

共同研究の拡大に向けた支援

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

バイオテクノロジーを活かした事業化の促進

慶應先端研の研究教育活動に対する支援

慶應先端研の先導的な研究成果の活用促進

合成クモ糸繊維関連の事業化の促進、及び県内企業との技術連携や取引拡大等の促進

(2)ものづくり技術を核とした付加価値額の拡大

◎ ものづくり企業の技術力等の強化

≪主な取組内容≫

・ 工業技術センターにおける、企業訪問等による企業の課題やニーズの積極的な把握と、分

野横断的なタスクチーム編成、産業支援機関や大学等との連携などによる的確かつ迅速な支

援の実施 ・ 生産現場の徹底したムダ取りや生産ライン・生産方式の変更への対応等、「生産改善アド

バイザー」や「ものづくりシニアインストラクター」等の専門家による経営改善や生産効率

改善への支援 ・ ものづくり企業の技術の高度化を図るための生産設備の導入に対する支援

・ 工業技術センターにおける新技術に関する研究開発や、企業との共同研究の実施 ・ (公財)山形県産業技術振興機構による技術研修の実施

(施策の展開方向)

・ 工業技術センターによる技術支援体制を充実・強化し、高度化・多様化する県内企業

の技術的課題の解決と製品化・事業化に向けた支援を重点的に行う。 ・ 製品の高品質化、原材料など製造コストの低減、短納期等に対応できる生産体制を確

立し、ものづくり企業の生産基盤の強化を図るため、専門家等による指導体制を強化す

る。 ・ 多種多様な生産要求に応えるための、ものづくり企業の技術の高度化に対応した支援

を強化する。 ・ 本県のものづくり技術の発展可能性や企業のニーズを踏まえながら、将来を見据えた

新技術(独自技術・オンリーワン技術など)の創出や高度化を図っていく。 ・ 本県が持つ幅広い技術の担い手となる人材を育成するとともに、これまでに培われて

きた優れた技術・技能の着実な伝承を図っていく。

コーディネート活動、研究交流、共同研究支援

慶應先端研による世界最先端の研究推進

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・ 工業技術センターによる高度研究人材の育成に向けたORT15

・ ものづくりマイスター

の実施 16

等による企業・高校等での実技指導

◎ 新技術・新製品の開発促進

≪主な取組内容≫ ・ 工業技術センターにおける、企業が解決を望む技術課題に取り組むニーズ対応研究と、将

来の市場で競争力ある製品群に展開していくためのシーズ創生研究の実施 ・ 工業技術センターと(公財)山形県産業技術振興機構を中心に産学官が連携した勉強会・ 研究会活動の活性化

・ 産学官連携コーディネータによる研究開発プロジェクトの芽出しから外部資金の獲得など

のプロジェクトマネジメントの実施

・ 補助金等による市場調査、研究開発、販路開拓、設備投資までの一貫した支援の実施 ・ 県内企業が取引先からのニーズに迅速に対応したり、あらゆる分野の技術融合から生み出され

る新技術・新製品の提案を加速させるための、工業技術センターにおける試作支援機能の強化 ・ 新製品や新サービスなどの開発に取り組む企業に対する、産業支援機関が連携した技術 開発やマーケティング、販路開拓などの支援

・ 工業技術センターにおける新技術に関する研究開発や、企業との共同研究の実施(再掲) ・ 工業技術センターによる高度研究人材の育成に向けたORTの実施(再掲)

◎ 企業間連携の強化

15 ORT(On the Research Training):研究開発人材の育成を行うため、研修生を職場に受け入れ、研究課題を定めて

マンツーマンで実施する研修 16 ものづくりマイスター:厚生労働省が認定する高度な技能者。中小企業や教育訓練機関等で若年技能者へ実技指導を

行い、技能継承及び後継者の育成を行う。

(施策の展開方向)

・ 成長分野への参入や新たな事業展開を目指す企業グループが次々と生み出され、事業

収益の増加につなげていけるよう、企業グループの立ち上げを支援していく。 ・ 現在活動している勉強会や研究会等の活動を活性化し、企業同士の理解や信頼関係を

更に深め、共同による新たな事業展開(新製品の共同開発や共同受注等の取組み)を促

進していく。 ・ 新製品の共同開発や共同受注等の取組みに対し、工業技術センターと産業支援機関が

(施策の展開方向)

・ 本県の企業や大学、公設試験研究機関等が持つシーズを活かし、あるいは複数のシー

ズを効果的に組み合わせ、新たな価値を創造する研究開発を、産学官金が連携しながら

創出するとともに事業化まで支援する。 ・ 業種の枠を超えたあらゆる分野の技術融合を促進し、そこから生まれる新しい技術や製

品の開発を加速するため、試作支援機能を強化する。 ・ 企業の開発力の強化を図るため、企業において研究開発や設計等を担う人材の育成を推

進していく。

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≪主な取組内容≫ ・ 成長期待分野等に係る協議会や研究会の運営等による、県内企業間の情報共有や意見交換

を行う場の提供 ・ 工業技術センターによる、企業間の技術連携のコーディネートや、連携の核となる企業へ

の活動方向に関する助言・指導 ・ 工業技術センターと産業支援機関の支援チームによる、製品開発や販路開拓等への支援 ・ 展示商談会、見本市等への複数企業による共同出展に対する重点的な支援

・ 県内企業が取引先からのニーズに迅速に対応したり、あらゆる分野の技術融合から生み出

される新技術・新製品の提案を加速させるための、工業技術センターにおける試作支援機能

の強化(再掲) ・ 異業種企業による商品開発モデル事業の実施と情報発信

◎ デザインを活用した価値の創造

≪主な取組内容≫ ・ 山形エクセレントデザイン展の開催や、ホームページやSNS17

の情報発信 等を活用した山形のデザイン

・ 県内外のデザイナーと県内ものづくり企業とのマッチング支援 ・ 商品のブラッシュアップや販路開拓に関する研修の実施 ・ 県内企業と東北芸術工科大学との共同によるデザインを活用した商品開発等への支援 ・ 東北芸術工科大学、デザイン関係団体、工業技術センターによるデザインに関する相談窓

口の運営 ・ 3Dプリンタの活用による試作支援など、工業技術センターによるデザインを活用した企業の

製品開発への支援

17 SNS(Social Networking Service):インターネット上で、個人間のコミュニケーションを促進し、社会的なネッ

トワークの構築を支援するサービス。Twitter(ツイッター)、Facebook(フェ

イスブック)など。

(施策の展開方向)

・ 工業技術センター、東北芸術工科大学、デザイン関係団体が連携し、経営者のデザイ

ンに対する理解の深化、デザインスキルを持つ人材の育成、山形発のオリジナルデザイ

ンの育成等により企業のデザイン力の向上を図る。 ・ 開発する製品の付加価値を高めるため、ものづくり技術と併せ、デザインの視点も重

視した支援を行う。

連携して支援を行い、成功事例の創出を促進することにより、企業グループの取組みの更

なる強化と他の企業への波及を図っていく。 ・ 業種の枠を超えたあらゆる分野の技術融合を促進し、そこから生まれる新しい技術や製

品の開発を加速するため、試作支援機能を強化する。(再掲) ・ 異業種の企業による商品開発を促進するとともに、他の異業種交流グループへの波及

を図っていく。

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◎ 知的財産 18

の戦略的な創出と活用の促進

≪主な取組内容≫ ・ 本県の知的財産戦略の見直しを行うとともに、新戦略に基づく施策を展開 ・ 「山形県知的所有権センター」における、特許庁の「知財総合支援窓口」を活用した知的

財産に関するワンストップによる相談・助言等の実施 ・ 県内中小企業等に対する知的財産に関する普及啓発の実施

◎ ICTの活用強化

≪主な取組内容≫ ・ (一社)山形県情報産業協会等の業界団体と連携した研究会や交流会の開催等による、 ものづくり企業におけるICTの活用の啓発と導入の促進

・ 工業技術センターによる最新の技術情報の調査研究や県内企業への普及のための研修の実

施、先導的な技術や製品の開発と県内企業への技術移転

・ 産業技術短期大学校等における組込みソフトウェア技術者の育成のための講座等の実施

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

ものづくり企業の技術力等の強化

工業技術センターの技術支援体制の充実・強化

工業技術センターにおける 研究開発、共同研究、ORT研修の実施

勉強会・研究会活動の活性化

新技術・新商品の開発促進

研究開発プロジェクトのマネジメント機能の強化

補助金等による市場調査、研究開発、販路開拓、設備投資までの一貫した支援

工業技術センターの技術支援体制の充実・強化(再掲)

18 知的財産:①発明、考案、意匠、著作物など、人間の創造的活動により生み出されるもの、②商標、商号など、商品

やサービスを表示するもの、③営業秘密、ノウハウなど、事業活動に有用な技術上又は営業上の情報 の総

称。これらの中から法律上の手続を経て権利化されたもの(特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権

など)を「知的財産権」又は「知的所有権」という。

(施策の展開方向)

・ ものづくり企業の付加価値を高めるため、ICTとものづくり技術の融合による新た

な製品の開発やICTの導入による生産効率化等、ICTの活用を促進する。

(施策の展開方向)

・ 県内中小企業等の競争力を生み出すため、知的財産の戦略的な創出と活用を推進する。

・分野を横断する技術支援 ・他の研究機関や産業支援機関との連携強化

・既存の研究会活動等の活性化 ・新たな研究会等の立上げ

産学官連携コーディネータの配置

・分野を横断する技術支援 ・他の研究機関や産業支援機関との連携強化

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

企業間連携の強化

県内企業間の情報共有や意

見交換を行う場の提供

工業技術センターと産業支

援機関の支援チームによる、

製品開発や販路開拓等への

支援

複数の企業で展示会等へ共

同出展する場合の重点的な

支援

デザインを活用した価値の創造

山形エクセレントデザイン展の開催や、ホームページやSNS等を活用した山形のデザインの情報発信

デザインを活用したものづくりの促進

知的財産の戦略的な創出と活用の促進

知的財産戦略の見直しと新戦略に基づく施策の実施

山形県知的所有権センターにおける知的財産に関するワンストップ相談・助言等の実施

県内企業等に向けた知的財産に関する普及啓発の実施

ICTの活用強化

情報産業協会等との連携に

よる研修会や講習会の開催

工業技術センターによる最

新の技術情報の調査研究や

県内企業への普及のための

研修の実施

産業技術短期大学校等にお

ける組込みソフトウェア技

術者の育成のための講座等

の実施

異業種との連携促進による販路拡大支援

エクセレン

トデザイン

選定・顕彰

エクセレン

トデザイン

選定・顕彰

エクセレン

トデザイン

選定・顕彰

エクセレン

トデザイン

エクセレン

トデザイン

デザイナーとものづくり企業のマッチング支援

デザイナーとものづくり企業の連携による 製品開発への支援

ホームページ、SNS等による情報発信

戦略見直し 新知財戦略に基づく施策の実施(H28.4~)

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(3)成長期待分野への参入促進による付加価値額の拡大

◎ 県内の技術集積を踏まえた成長期待分野への参入促進

≪主な取組内容≫ (共通) ・ 成長6分野別の参入可能性や技術的優位性を踏まえ、分野別に参入に向けた適切な目標を設定し、

進捗を検証し・改善する仕組み(PDCAサイクル)を確立していく。

(自動車) ・ 自動車メーカーとの取引の基盤となる企業のたゆまないカイゼンの実施体制構築に向け

た、生産改善アドバイザーによる指導

・ 自動車産業ディレクターによる、県内企業の技術力や生産体制などを踏まえた効果的な

マッチングや必要な研修などの診断・指導の実施

・ 大学や試験研究機関が保有する技術シーズと自動車メーカー等のニーズとのマッチング

の支援

・ 自動車メーカーが取引相手に求める要件について理解し、把握するための研修会の開催

・ 全県域に及ぶ効率的な物流システムの構築への支援

・ 自動車メーカー等に対する県内企業の紹介や個別商談会の開催

・ プラグインハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などの次世代自動車の実用化・製

品化を見据えた技術開発の促進

(航空機) ・ 航空機産業の商流や制度に精通している人材を県内企業に派遣し、航空機メーカーが求

める技術の習得や生産管理体制の整備への支援や、人脈を活かした取引支援を実施

・ 「JIS Q 9100」及び「NADCAP」の認証取得の取組みへの支援

・ 高精度加工などの技術支援及び必要な高度生産設備の導入に関する支援制度の充実

・ 航空機メーカー等との商談会の開催や国内外の航空宇宙産業の展示会への出展支援によ

るマッチング機会の創出

・ 県内での一貫生産体制の構築に向けた企業間連携の促進

・ 工業技術センターのシーズを活用した材料の加工技術の開発に向けた検討

・ 金融機関との連携による航空機産業への参入に向けた資金繰り支援

(ロボット) ・ 工業技術センター、産業支援機関、県内企業、高等教育機関と連携した、研究会の立ち

上げや産業創出に向けた検討

・ 市場のニーズを見据え、工業技術センターが有する制御や認識、センサなどの技術シー

ズの県内企業での活用可能性の検討

(施策の展開方向)

・ 今後の成長が期待される、①自動車、②航空機、③ロボット、④環境・エネルギー、

⑤医療・福祉・健康、⑥食品・農業の6分野について、市場の動向、業界の特性、求め

られる技術水準や本県企業の技術的可能性などを踏まえ、分野別の戦略を明らかにした

上で、産学官金の連携や多様な技術の結集を図りながら参入を促進していく。

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(環境・エネルギー) ・ 新エネルギー事業化促進協議会に対する最新の技術動向や企業の先導的な取組み情報の

提供やセミナーの開催

・ 工業技術センターにおける、エネルギーマネジメントシステムに関する技術などの研究

開発の実施と、県内企業への技術移転

(医療・福祉・健康) ・ 医療・福祉機器分野への参入に取り組む県内企業グループ同士の情報共有や、医療機関

や福祉施設等との連携による、現場ニーズの見極めに関する体制強化

・ 医療機器メーカーOBによる事業化戦略をはじめとした多角的な指導の実施

・ 医療機器等の製造・販売に求められる医薬品医療機器等法に基づく認証取得の取組みへ

の支援

・ 県内企業が得意とする精密加工技術と電子・デバイス技術の融合により福祉・健康機器

を開発し、福祉・健康関連分野への参入を支援

(食品・農業) ・ 企業等がこれまで培ってきた製造・加工技術を活かし、工業技術センターや大学等が連

携した付加価値の高い製品開発の支援

・ 工業技術センターと農業総合研究センターが連携した食品加工技術に関する支援 ・ 地域の農業現場が有する課題を地域の企業グループが解決する取組みに対する支援 ・ 食品製造業者等、複数企業の連携による技術力・デザイン力の底上げと商品開発支援の

実施 ・ 工業技術センターにおける分析技術を活かした食味等の可視化による技術及び製品開発

の支援

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

県内の技術集積を踏まえた成長期待分野への参入促進

成長6分野別のPDCAサイ

クルの実施

自動車関連産業への参入促

競争力のある見積書の作成支援

共同物流網の構築

提案訴求力のある新製品の開発

自動車メーカー等に対する展示商談会・個別

商談会の開催

次世代自動車に必要な技術の紹介や技術

開発の支援

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

県内の技術集積を踏まえた成長期待分野への参入促進

航空機関連産業への参入促

ロボット関連産業への参入

促進

環境・エネルギー関連産業へ

の参入促進

医療・福祉・健康関連産業へ

の参入促進

食品・農業関連産業への参入

促進

研究会 立上げ

・共同研究等の実施 ・競争的資金の獲得 など

研究 開発

県内企業への技術移転

・認証取得支援の実施

・商談会・展示会等のマッチング機会の創出

・工業技術センターによる加工技術支援

新エネルギー事業化促進協議会における情報提供やセミナーの開催

工業技術センターでのエネルギーマネジメントシステム関連技術に関する研究開発と県内企業への技術移転

・地域の企業グループに対する支援 ・県内の企業グループや山大医学部と連携した、

県全体を統括する組織の設置・運営 ・医療機器OBなどによる多角的な指導 ・医薬品医療機器等法に基づく認証資格の取得 支援

・地域の課題を地域の企業グループが解決する仕組みに対する支援

・工業技術センターと農業総合研究センターが連携した開発支援

・工業技術センターにおける分析技術を活かした食味等の可視化による技術及び製品開発支援

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(4)新たな付加価値を生み出す研究開発の促進

◎ 工業技術センターによる研究開発の推進

≪主な取組内容≫ ・ 企業が解決を望む技術課題に取り組むニーズ対応研究と、将来の市場で競争力ある製品群

に展開していくためのシーズ創生研究の実施(再掲) ・ 成長期待分野における、企業と一体となった協議会・研究会活動や共同研究の実施

◎ 産学官金の連携促進

≪主な取組内容≫ ・ 工業技術センターと大学等との研究者間の交流強化による、研究シーズ等の相互活用や共

同での課題解決の促進 ・ 工業技術センターと(公財)山形県産業技術振興機構を中心に産学官が連携した勉強会・ 研究会活動の活性化(再掲)

・ 産学官連携コーディネータによる研究開発プロジェクトの芽出しから外部資金の獲得など

のプロジェクトマネジメントの実施(再掲)

・ 金融機関が持つ企業情報や市場分析力、事業化の目利き力等を活用し、事業化可能性の高

い研究開発プロジェクトの創出とその事業化を促進するための産学官金による連携体制の

構築

◎ 効果的かつ効率的な研究開発の推進

(施策の展開方向)

・ 外部専門家による研究評価システム(PDCAサイクル)を強化しながら、県試験研

究機関による多様なニーズに基づく研究を推進し、新しい技術や価値の創造を図り、そ

の成果を着実に社会に還元することにより、産業の振興及び県民生活の向上に貢献する。

(施策の展開方向)

・ 工業技術センターを中核に高等教育機関や県試験研究機関等が持つ研究シーズを活用

した本県独自の産学官連携事業の創出を促進する。

・ 金融機関との連携による産学官連携事業の産業化支援や大学発ベンチャー等の創出を

促進する。

(施策の展開方向)

・ これまで取り組んできた研究開発によって蓄積されたシーズを活かし、大学等や他の 公設試験研究機関とも連携しながら、県内企業や市場のニーズに適合した実用性の高い 研究開発を推進していく。

・ 今後成長が期待される6分野への県内企業の参入を促進するための技術開発や技術移

転を推進していく。

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≪主な取組内容≫ ・ 外部専門家による助言を受けるアドバイザリー・ボードの活用機会の拡充 ・ 研究評価委員会による評価結果に基づく効果的かつ効率的な研究開発の推進 ・ 競争的資金の積極的活用による研究開発の推進 ・ 県試験研究機関研究者の研究力向上のための、若手研究者による先導的分野などの芽出し

研究に要する経費の支援や研究者の意欲発揚のための優れた研究成果に対する顕彰の実施

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

工業技術センターによる研究開発の推進

ニーズ対応研究とシーズ創生研究の実施

成長期待分野における、企業と一体となった協議会・研究会活動や共同研究の実施

産学官金の連携促進

研究者・技術者間の交流促進

産業支援機関や金融機関と

の連携による事業化を見据

えた研究シーズの創出

効果的かつ効率的な研究開発の推進

アドバイザリー・ボードの拡充

研究評価に基づく研究開発の推進

競争的資金を活用した研究開発の推進

若手研究者の研究経費の支援及び優れた研究成果の顕彰の実施

・ 多様化する地域課題に的確に対応するため、若手研究者の研究への取組みを支援する

など、県試験研究機関研究者の研究力向上を図る。

交流会 等の 開催

PDCAサイクルによる事業管理

情報交 換会等 の開催

PDCAサイクルによる事業管理

研究評価手法の改善(PDCAサイクル)

若手チャレンジ研究の推進、顕彰の実施

アドバザリー・ボードの活用機会拡充

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(5)ものづくり産業支援機関等の連携強化

◎ ものづくりに係る産業支援機関等の連携強化

≪主な取組内容≫

・ ものづくり技術に関する相談については、中小企業総合相談窓口とも連携しながら、工業

技術センターが中核機関となってワンストップで対応 ・ (公財)山形県産業技術振興機構が大学等との連携や国などの競争的資金の獲得をコーデ

ィネートし、研究開発プロジェクトへと発展させ、マネジメントを実施 ・ 量産化技術の開発や生産設備導入、ビジネスモデルの策定、国内外の販路開拓など、産業

支援機関等の連携による事業化に向けた総合的な支援 ・ 工業技術センターや、(公財)山形県企業振興公社、(公財)山形県産業技術振興機構など

の産業支援機関のあり方のついての検討

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

ものづくりに係る産業支援機関等の連携強化

工業技術センターにおける技術に関するワンストップ相談の実施

(公財)山形県産業技術振興機構による研究開発プロジェクトのコーディネートとマネジメントの実施

(施策の展開方向)

・ 工業技術センターと産業支援機関が連携して県内企業の技術支援ニーズにワンストッ

プで対応していく。 ・ 新たな価値を創造する研究開発については、(公財)山形県産業技術振興機構がプロジ

ェクトマネジメントを行い、製品化等の成果創出につなげるとともに、産業支援機関が

連携して事業化まで切れ目の無い支援を行っていく。 ・ 日々進化する技術の動向や、市場動向、企業のニーズを踏まえ、ものづくりに関する

支援体制の最適化を図るため、産業支援機関の支援機能の強化を図っていく。

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(6)企業誘致の推進による付加価値額の拡大

◎ 山形の強みを活かした分野や人口流出の抑制につながる企業誘致の展開

≪主な取組内容≫ ・ 強みを活かせる分野を中心としたターゲット企業の選定及び継続的な個別訪問の実施 ・ 関係団体への参画による情報収集及び専門機関とのタイアップによる誘致活動の展開 ・ 今後の成長が見込まれる分野における投資情報収集のため、信用調査機関のノウハウ等を

活かした調査の実施 ・ 若者や女性、首都圏からのUターン者等の志向の把握のための調査の実施及びUターン者

等への県内情報の提供 ・ 先端技術分野についての関係機関・団体等と連携 ・ 山形県自動車産業振興会議等、関連団体・企業との連携 ・ 自動車産業ディレクターの人脈の活用による自動車関連企業の経営層に対するアプローチ

の実施 ・ 企業の本社機能や研究開発機能等の立地促進に向けた支援の強化

◎ 立地促進に向けた投資環境の整備とPR

(施策の展開方向)

・ 関係機関と連携した高速交通網(高速道路、国道、空港、港湾)の継続的な整備を推 進する。

・ 県内投資を促進する各種制度を充実・活用していく。 ・ 機会を捉えたトップセールスや、首都圏におけるセミナーの実施等、企業に対する情報

提供、PRを強化していく。 ・ 政府の「地方創生」による企業の地方拠点強化の方向を踏まえ、若者や女性等が能力

(施策の展開方向)

・ 本県の強みや優位性を活かした企業誘致及び人口流出を抑制し雇用の安定化を図るた

めの企業誘致を展開する。 ・ 強みを活かせる分野として、有機エレクトロニクス、バイオテクノロジー、超精密加

工等の先端技術関連企業や、本県の多様な技術力を持つ企業の集積を活かした自動車関

連企業等の誘致を推進する。 ・ 今後成長が見込まれる医療・福祉・健康、食品・農業関連等の分野の企業誘致を推進

する。 ・ 大学、高等専門学校の卒業者の大部分が県外に就職している状況にあることから、若

者や女性、Uターン者、大学生等が志向する業種の企業等の積極的な誘致を推進する。 ・ 政府の「地方創生」による企業の地方拠点強化の方向を踏まえ、若者や女性等が能力

を活かすことのできる新たな産業集積の実現に向け、企業の本社機能や研究開発機能等

の誘致に向けた取組みを強化する。

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≪主な取組内容≫ ・ 高速道路や本県と隣接県とを結ぶ国道の整備促進に向け、関係機関との連携の強化

・ 酒田港の整備促進に向けた、関係機関との連携の強化

・ 生産拠点の分散化など企業活動の動向に的確に対応できるよう、企業立地促進補助金の充

実・強化

・ 企業立地促進法による税制優遇制度等の積極的な活用

・ ホームページや企業立地ガイド等によるPRの強化

・ 県内企業の優れた技術力等の紹介や投資環境のPRを行うための大都市圏における企業立

地セミナーの開催、及び機会を捉えたトップセールスの展開

・ 企業との懇談会や立地企業への訪問活動を通じた企業ニーズの把握及びフォローアップ

・ 国内投資や本社機能等の地方移転を促進する優遇税制の導入やエネルギーコスト削減等に

関する政府への要請

・ 企業の本社機能や研究開発機能等の立地促進に向けた支援の強化(再掲)

◎ 誘致推進体制の充実・強化

≪主な取組内容≫ ・ 企業からの要望や問合せ等に迅速に対応するためのワンストップサポート体制の充実 ・ 各部局及び県外事務所との情報の共有化・連携の強化 ・ 市町村や関係機関との連携強化

・ 情報収集強化のための関係機関との連携強化、県出身者等のつながりの活用

・ 経済団体や業界団体との情報交換の強化

(施策の展開方向)

・ 企業の各種相談に対応するワンストップサポートセンターの機能を強化していく。 ・ 県と市町村及び関係機関の連携体制の強化を図る。 ・ 本県関係者等とのつながりを最大限に活用した企業誘致活動を推進する。

を活かすことのできる新たな産業集積の実現に向け、企業の本社機能や研究開発機能等 の誘致に向けた取組みを強化する。(再掲)

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

山形の強みを活かした分野や人口流出の抑制につながる企業誘致の展開

ターゲット企業への継続的

な企個別訪問の展開

関係団体への参画による情

報収集、専門機関とのタイア

ップ等による企業誘致活動

の展開

若者や女性、首都圏からのU

ターン者等の県内の定着に

つながる企業の誘致の促進

先端技術分野の産業クラス

ター形成のため、関係機関等

と連携した誘致活動の展開

自動車関連企業の経営層へ

のアプローチ及び継続的な

誘致活動の展開

立地促進に向けた投資環境の整備とPR

高速道路や国道等道路イン

フラの整備促進、酒田港の整

備促進に向けた関係機関と

の連携

企業活動の動向に的確に対

応できる企業立地促進補助

金の充実・強化

大都市圏における企業立地

セミナーの開催、機会を捉え

たトップセールスの展開、ホ

ームページや企業立地ガイ

ド等による投資環境のPR

懇談会や立地企業への訪問

活動を通じた企業ニーズの

把握及びフォローアップ

誘致推進体制の充実・強化

ワンストップサポートセン

ターの充実・強化

市町村及び関係機関との連

携体制の強化

本県関係者への継続的な訪

問及び情報収集

産業クラスターの形成段階に応じた見直し

自動車関連企業の進出状況に応じた見直し

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◆ 地域づくりと連携した活力ある商業・まちづくりの推進 (1) 中心市街地の活性化

◎連携体制づくり、ビジョンづくり、実施の促進

≪主な取組内容≫ ・ 先進事例の情報提供などによる市町村等の意識の啓発 ・ まちづくりに関する合意形成に基づくビジョンづくりや事業実施の支援による、成功モデ

ルづくりとその発信 ・ 中心市街地の規模や取組み実態に応じた連携組織「まちづくりプラットフォーム」の形成 の支援

・ 県内大学の教員や学生、まちづくりの実践者等を対象とする研修会・交流会等を通じた、 まちづくりを支える人材の育成とネットワークの形成

【基本的考え方】

・ 少子高齢化が進展する中、住宅・商業施設・公共施設等の郊外立地により都市が拡大する

一方で、中心市街地の空洞化などにより、多くの商店街は厳しい経営状況にある。商店街は

まちの活力の源であることから、地域や市町村の主体的な取組みを促進し、商店街の活性化

を図っていくことが必要である。 ・ 県は、施策や先行事例等に関する積極的な啓発を行い、地域や市町村における意欲的な取

組みを喚起するとともに、意欲的な取組みに対して重点的に支援していく。 ・ 商店街や中心市街地の活性化の基盤となる人材の育成や組織づくり等を促進していくとと

もに、商店街のにぎわい創出に向けた、魅力ある個店や特色ある商店街づくりや、複数の商

店街の連携による活性化、販売手法の多様化への対応を図っていく。 ・ 少子高齢化の進行や、商店や公共交通機関の減少等に伴う商業機能の低下、住民同士の交

流・助け合い機能の低下等の地域課題やニーズに対応し、あらゆる分野との融合やICT等

の新技術を活用などによる新たなビジネスモデルを創出し、利便性が高く暮らしやすいまち

づくりを促進していく。

(施策の展開方向)

・ 中心市街地活性化やまちづくりに関する市町村等の意識の啓発を図り、意欲的な取組み

を喚起するとともに、市町村と連携した事業展開や支援を行い、その成果を波及させてい

く。 ・ 商店街組織や商店主をはじめ、企業、専門家、市民団体、学生、市町村等、まちづくり

の多様な主体による連携体制づくりを促進するとともに、その連携体制のもとで行われ

る、商店街や中心市街地の活性化に向けたビジョンづくりとその実施を促進する。 ・ 県内の大学が持つ知見やコーディネート機能を活用し、まちづくりを支える人材の掘り

起こしや育成を促進する。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

連携体制づくり、ビジョンづくり、実施の促進

まちづくりに対する合意形成に基づくビジョンづくりや事業実施に対する支援

中心市街地の規模や取組み実態に応じた「まちづくりプラットフォーム」の形成支援

(2) 個店や商店街の魅力向上

◎ 個店や商店街の魅力の創造・発信と商店街間の連携促進

≪主な取組内容≫ ・ 特色ある商店街のビジョンづくりや、国等の補助事業を活用した個店の魅力アップを図る 取組みへの支援

・ ブログ等をはじめ各種メディアや研修会等を活用した、商店街の魅力や取組みの情報発信 ・ 商店街の空き店舗等を活用し、若者や女性等の就労・起業につなげていくためのチャレン ジショップやコミュニティカフェ等交流施設の設置運営など、商店街の取組みに対する国等 の補助事業を活用した支援

・ 各商店街の取組み成果の共有と連携・協力による活性化の促進

◎ 熱意とアイデアにあふれた人材の育成・組織づくり

≪主な取組内容≫ ・ 国の事業の活用による、商店街の活性化を中心となって推進できる人材の育成

(施策の展開方向)

・ 歴史、文化、建築、街並み、自然、食、特産物等の地域資源を活用した個店や商店街の

魅力づくりを促進するとともに、特色ある商店街として県内外に発信し、買物客の増加を

図っていく。 ・ 新しい発想と意欲をもった若者や女性等の就業につながる業種の商店街への出店を促進

していくことにより、商店街の魅力を高め、賑わいを創出していく。 ・ 複数の商店街の交流を通して、他の商店街の取組みに学び、連携した魅力づくりを促進

する。

(施策の展開方向)

・ 各個店が経営に追われ商店街の活性化に従事する人材が不足していることから、賑わい

創出の企画等まちづくりの実務を担う人材の育成を図るとともに、企画の実践に向けた組

織づくりを促進する。 ・ 国等の補助事業を活用した積極的なまちづくり活動を促進するため、商店街組織の法人

化に向けて組織体制の強化を図っていく。

組織形成等に対する支援

計画事業等に対する支援

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・ まちづくりサポーターによる地域のまちづくり活動への支援を通じた担い手の育成 ・ ワークショップ開催等によるまちづくりを支える人材の発掘と活動組織の立ち上げ支援 ・ 商店街の組織体制強化を図るための運営に係る指導や人材育成への支援

◎ インターネット販売等の新たな販売手法の導入促進

≪主な取組内容≫ ・ インターネットを活用した通信販売等への新規参入や販売力強化のための支援

・ 新たな販売手法の導入に向けたビジネスモデルづくりと実践、成果の普及啓発

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

個店や商店街の魅力の創造・発信と商店街間の連携促進

国等の補助事業の活用による特色ある商店街活動に向けたビジョンづくりへの支援

ブログ等をはじめ各種メディアや研修会等を活用した、商店街の魅力や取組みの情報発信

熱意とアイデアにあふれた人材の育成・組織づくり

まちづくりサポーターによる地域のまちづくり活動への支援を通じた担い手の育成

ワークショップ開催等によるまちづくりを支える人材の発掘と活動組織の立ち上げ支援

インターネット販売等の新たな販売手法の導入促進

インターネット通信販売への新規参入や販売力強化のための支援

(3)利便性向上による暮らしやすいまちづくり

◎ 地域のニーズに対応した商業・サービス業の新たな事業の創出

(施策の展開方向)

・ 成功事例の情報収集、発信を通じて、新たなサービスの創出に向けた意識の啓発を図る。 ・ 異なるサービスの融合や、ものづくりとサービスとの融合、ICT等の新技術の活用な

どによって、地域ニーズに対応した新たな生活支援サービス事業等の創出を図る。

まちづくりサポーターを委嘱 地域での人材育成活動を支援

(施策の展開方向)

・ 買物客の県外都市への流出に加えインターネットによる通信販売の普及などにより、個

店の競争が激化していることから、県内商業者の競争力の強化に向け、インターネット販

売等の新たな販売手法の導入を促進する。

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≪主な取組内容≫ ・ インターネットの活用やセミナーの開催等を通じた新たなサービスの創出事例等に関する

情報提供 ・ 先行事例の調査・分析結果を踏まえた、生活支援サービスなど新たなサービスの創出に向 けたモデル事業の実施と成果の波及 ・ 新しい発想と意欲をもった若者・女性等に対する創業支援

・ 国等の補助事業の活用による宅配事業、移動販売、出張販売、買物客の送迎などの取組み

への支援 ・ 新たなサービスを行うための創業や新分野進出などの取組みに対する支援 ・ 地域のニーズへの対応を図るためのICTの活用促進

◎ コミュニティ機能の充実による買物客の確保

≪主な取組内容≫

・ まちづくりの実行計画に基づき商店街等が行う、空き店舗を活用するなどしたコミュニテ

ィ機能の充実に向けた取組みに対する支援 ・ 商店街の空き店舗等を活用し、若者や女性等の就労・起業につなげていくためのチャレン ジショップやコミュニティカフェ等交流施設の設置運営など、商店街の取組みに対する国等 の補助事業を活用した支援(再掲)

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

地域のニーズに対応した商業・サービス業の新たな事業の創出

国等の補助事業の活用による宅配事業、移動販売等への支援

新たなサービスを行うための創業や新分野進出などの取組みに対する支援

コミュニティ機能の充実による買物客の確保

空き店舗の活用を図るなど国等の補助事業を活用した商店街の取組みへの支援

(施策の展開方向)

・ 高齢者や子育て家族への支援、祭りや郷土芸能等の伝承活動等を通して商店街における

交流、助け合いなどのコミュニティ機能を充実することにより、地域住民と商店街との結

び付きを強め、固定客の確保・拡大を図る。

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◆ 「観光立県山形」の実現

(1)魅力ある地域づくりの推進

◎ 県民の学習機会の充実、郷土愛やおもてなしの心の育成

≪主な取組内容≫ ・ 学校での学習成果をもとに、修学旅行先での地域資源等のPRや訪問交流の実施

・ 豊かな山岳資源、最上川が育んだ舟運文化など、県内各地に存在する多様な地域資源に関

する学習・体験機会の創出

・ 県ホームページ等を活用した県産品に関する情報発信やものづくり生産現場を体験できる

機会の充実などによる県産品愛用やおもてなしの気運の喚起

【基本的考え方】

・ 県民総参加と全産業参加による観光振興施策の実施を通じて、観光による交流人口の拡大

を図り、本県経済を持続的に発展させるとともに、魅力ある活力に満ちた地域社会を築くこ

とによって、「観光立県山形」の実現を目指す。

・ 県民が地域の魅力を再認識し、訪れる旅行者をおもてなしの心で受け入れ、交流人口の拡

大による地域経済の活性化を目指すことで、観光流動の創出による好循環の実現を図る。

・ 次の5つのメインテーマを設定し、県内外の観光客から高い関心を集めている観光資源を活

かしながら、「観光立県山形」の実現に向けた観光振興施策を着実かつ一体的に推進していく。

▶ 精神文化ツーリズム(地域で大切に受け継がれてきた精神文化をテーマとしたもの)

▶ 食・温泉ツーリズム(地域の食や県内各地に湧出する温泉をテーマとしたもの)

▶ 山岳・森林ツーリズム(登山やトレッキングなど山岳や森林、自然をテーマとしたもの)

▶ 産業ツーリズム(伝統産業や世界に誇る先端産業などをテーマとしたもの)

▶ スポーツツーリズム(スポーツ観戦やスポーツ大会への参加をテーマとしたもの)

(施策の展開方向)

・ 学校や大学など教育機関での地域の魅力を学ぶ機会(観光教育、地域学)を更に充実

し、地域への理解を深めるとともに、地域団体や観光事業者等とも連携して、学びの成

果を活かし交流拡大につなげていく。 ・ 豊かな山岳資源や最上川等の山形の自然や歴史、文化の魅力などを広く県民が知り、

新たな観光流動を喚起するため、学びと体験の機会を充実していく。 ・ 県内企業と連携した工場見学会などの訪問機会を充実し、県産品の魅力を知り、愛用

やおもてなしの機運を喚起していく。また、地域資源の理解を深める機会を設けたり、

本県観光情報の発信等に取り組む県内企業を支援していく。 ・ 観光ボランティアなど地域団体、県内企業、学校など関係機関や団体と幅広く連携し、

観光者のおもてなしに向けた自主的な取組みを促進していく。

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・ 地域の観光資源に関する理解を深める企業内研修に対する講師派遣や営業活動における取

引先企業等への観光情報の紹介等への支援

・ 地域における地域資源の案内や保全活動などの取組みを支援し、訪れる観光客を地域を挙

げておもてなしする県民運動を展開

◎ 地域資源の保全と滞在しやすい地域づくり

≪主な取組内容≫ ・ スムーズに観光地に到達することができる案内表示のデザイン指導と制作への支援、及び

自然景観にも配慮し、外国人旅行者にもわかりやすいデザインの案内板の設置と普及の促進

・ 市町村と連携した、道路情報や観光スポット、イベント情報の提供などの機能強化

・ バス、タクシーやレンタカー事業者と連携した、観光者のニーズに応じた移動手段の情報

発信等

・ 連泊特典や「泊食分離19

・ 無料公衆無線LANの整備や利用しやすい観光地のトイレの整備

」の導入、周辺飲食店等と連携したサービスの提供などによる観

光者の選択肢の拡大

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

県民の学習機会の充実、郷土愛やおもてなしの心の育成

山形の自然や歴史、文化の魅力を学び、体験する機会の充実

観光客を地域を挙げておもてなしする県民運動の展開

19 泊食分離:旅館などにおいて、「1泊2食付き料金」のように宿泊料金と食事料金を一体化せず、別立てにすること。

(施策の展開方向)

・ 観光者がスムーズに観光地を訪れることが出来る、わかりやすい、景観等にも配慮し

た案内表示整備に向けて支援していく。また、良好な街並み景観の活用などによる新た

な交流人口の創出に向けて支援していく。 ・ 交流人口の更なる拡大に向けて、県内各地域や隣接各県を結ぶ高速道路網等の整備を

一層推進し、また、「道の駅」やSA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア)を

広域周遊の起点となる観光総合窓口として位置付け、観光者の利便性の向上を図り、観

光流動の活性化に向けて支援していく。さらに、最寄り駅や空港等から観光地までの移

動手段(二次交通)の確保及び利便性の向上を図っていく。 ・ 多様化する観光ニーズに的確に対応するとともに、滞在型観光の展開を促進していく。 ・ 快適かつ安心して滞在することが出来る観光地づくりに向けて支援していく。

豊かな自然や山岳資源等に関する学びと体

験の機会を創出

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

地域資源の保全と滞在しやすい地域づくり

バス、タクシーやレンタカー事業者と連携した二次交通の利便性向上のための取組み

連泊特典や「泊食分離」の導入、周辺飲食店等と連携したサービスの提供などによる観光者の選択肢の拡大

誰もが快適かつ安心して滞在することができる観光地づくりに向けた支援

(2)戦略的な誘客施策の展開

◎ 戦略的な情報発信

≪主な取組内容≫ ・ 5つのメインテーマの発信に際しての「対象(ターゲット)」や「方法(ツール)」の分

・ 本県観光ブランドの認知度向上や定着に向けた、市町村や民間事業者等との積極的な連携

・ 5つのメインテーマについて、県内事業者と連携し、山形への関心が高く、山形ファンと

なることが期待される対象者向けの継続的なPRイベントの実施(山形ファンクラブ会員や

「やまがた特命観光・つや姫大使」、国内外の県人会ネットワークと連携)

・ 発信力の高い「やまがた特命観光・つや姫大使」によるブログやフェイスブックなどのS

NSを利用した情報発信の促進

◎ 観光に関する情報の収集・分析

≪主な取組内容≫ ・ 観光GDP20

・ 県や市町村職員研修における、観光産業の経済波及効果や地域活性化等に関する講座の新

の推計や施策効果の検証等

20 観光GDP:観光産業が生み出す付加価値。観光産業を構成する各産業の付加価値のうち観光に対応する額の積上げ。

(施策の展開方向)

・ 本県を訪れる観光者の動向等を調査し、属性(世代、関心事など)の分析に基づく旅

行者区分(視点)に応じ観光情報を発信していく。 また、「待ち」の姿勢から「攻め」の情報発信への転換を推進していく。

(施策の展開方向)

・ 大学等と連携した観光者の動向調査や観光産業に関する分析等を推進し、戦略的な誘

客施策に活かしていく。

無料公衆無線LANの整備や観光地のトイ

レ整備など

観光者ニーズに応じ、バス、タクシーやレ

ンタカー事業者と連携した情報発信等

宿泊施設と周辺飲食店等の連携による割引

特典や「昼ごはんプロジェクト(仮称)」

等の取組み

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

戦略的な情報発信

山形ファンとなることが期待される対象者向けの継続的なPRイベントの実施

個人の発信力を活用したブログやフェイスブック等のSNSによる情報発信の促進

観光に関する情報の収集・分析

観光産業の経済波及効果や

地域活性化等に関する研修

の実施

(3)観光産業の振興による地域活性化

◎ 観光産業の基盤強化

≪主な取組内容≫ ・ 「山形観光アカデミー21

・ 育成した人材と観光地をマッチングし、県内観光地へ新たな人材の定着を促進

」のカリキュラムの充実・強化による、観光産業を支える人材の

意識向上やスキルアップ、人的ネットワークの形成に向けた支援

・ 観光産業をけん引していく人材の育成のあり方や方法等に関する検討

・ 5つのメインテーマやニューツーリズム22

・ ランドオペレーター

の開発や提案に向け、地域ニーズ等に応じた支

援の実施 23

の育成や活用促進

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

観光産業の基盤強化

観光人材を育成するための研修カリキュラムの充実強化

ニューツーリズムの開発や提案に向け、地域ニーズ等に応じた支援の実施

21 山形観光アカデミー:県内の観光事業者による自主的な人材育成機関として、平成2年に設立されたもの。

現在、企業の経営者や社員の資質や接遇能力の向上等の研修を行っている。 22 ニューツーリズム:従来の物見遊山的な観光旅行とは異なり、人や自然など、観光資源と気付かれていなかった地域

ならではの資源を新たに活用し、体験・交流の要素を取り入れた旅行の形態。 23 ランドオペレーター:地域の個性や特色を活かした手法により、旅行者のニーズに即した観光の現地手配を総合的に

行う個人や組織。

(施策の展開方向)

・ 県内観光地における中核的人材(地域プレーヤー)の育成を行っていく。 ・ 新しい交流の起爆剤となる付加価値の創出に向けて、地域資源を新たな視点で発掘・

磨き上げ、活用・再生していくため、金融機関・産業界・旅行業者等による総合支援策

を構築していく。

やまがた観光特命・つや姫大使や国内外の

県人会等への情報提供と情報発信の支援

首都圏や中京圏等の大規模マーケットにお

けるシンポジウムや観光イベントの開催

観光産業を支える人材の意識向上やスキルアッ

プ、人的ネットワークの形成等の支援

金融機関・産業界・旅行業等からなる総合支援策

の構築及びモデル事業の実施

観光産業をけん引

していく人材育成

のあり方等の検討

検討に基づく人材育成施策

等の実践

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(4)外国人の来訪促進や近隣県との連携などによる交流人口の拡大

◎ 国内外からの広域的な観光流動の創出

≪主な取組内容≫ ・ 地方空港間の連携による新たな広域観光ルートの開発や、リゾート列車を基軸とし、沿線

の魅力を付加した滞在型観光ルートの開発

・ 雪を基本軸として、精神文化、食・温泉、自然や健康といった観光素材を組み合わせるな

ど、地域間競争に埋没しない、満足度の高い海外向け観光商品の開発

・ 海外現地商談会でのPRやバイヤーの招請事業に併せた観光地案内など、経済交流と一体

となった効果的な海外誘客事業の展開

・ チャーター便就航に向けて官民一体となった取組みの実施のほか、羽田空港の積極的な

乗り継ぎ利用や、隣県空港からのバス利用などによる利便性向上に向けた取組みを強化し、

本県への誘客を拡大

・ 案内表示の多言語表記や無料公衆無線LAN環境の整備、免税店の導入拡大のほか、カー

ド決済可能な観光施設等の拡大に向けた支援の実施

◎ コンベンションの誘致等による交流人口の拡大と地域経済の活性化

≪主な取組内容≫

・ 市町村やコンベンション誘致団体、大学等と連携したコンベンションの誘致の推進のほか、

アフターコンベンション24

・ 映画のロケーションの誘致等に向けた支援

による誘客に向けた的確な観光情報の提供

・ 「蔵王坊平アスリートヴィレッジ」など県内スポーツ施設の有効活用による合宿の誘致促進

や、各種スポーツ大会の招致に向けた取組みの推進

・ 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、事前合宿の誘致の取組

みのほか、会場地から本県への誘客につなげるモデルルート等の国内外に向けた情報発信

24 アフターコンベンション:コンベンション(見本市・シンポジウム・博覧会など)の後の催しや懇親会。

(施策の展開方向)

・ 国内外からの誘客拡大に向けて、近隣県等と共同誘客事業を積極的に展開し、相互連

携による相乗効果を創出していく。 ・ 外国人誘客のための基本コンセプト及び地域別誘客の方向性を明確にし、対象国の市

場特性や嗜好に応じて、高い訴求力を有する本県の観光素材を提供する誘客施策を推進

していく。 ・ 対象国から本県への航空アクセスの状況等を踏まえた、利便性の更なる向上に向けた

取組みを実施していく。また、案内表示の多言語表記や無料公衆無線LAN環境の整備

など、外国人誘客に向けた受入態勢の整備を推進していく。

(施策の展開方向)

・ 市町村やコンベンション誘致団体、大学等と連携し、コンベンションやスポーツ大会

等の更なる誘致・開催に向けて支援していく。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

国内外からの広域的な観光流動の創出

対象国の市場特性や嗜好に応じた海外誘客施策の推進

外国人誘客に向けた受入態勢の整備推進

コンベンションの誘致等に

よる交流人口の拡大と地域

経済の活性化

コンベンション等の更なる誘致の実現

無料公衆無線LAN等の整備と おもてなし研修等の実施

日台観光サミットの開催

雪を基軸に、本県海外事務所、コーディネーターや

現地政府機関等と連携した誘客施策の推進

コンベンションの誘致に向けた

支援メニューの拡充等

日台観光サミットの開催等を契機とし

た誘客施策の推進

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◆ 本県産業のブランド力向上

(1)コアな「やまがたファン」づくり

◎ 情報拡散の中核となる「やまがたファン」の発掘と活用の推進

≪主な取組内容≫ ・ メディアやSNSの活用など、ブランド力向上に向けた効果的・効率的な情報発信につい

ての手法の整理と事例の分析を行うとともに、その手法を踏まえた戦略的な情報発信を推進 ・ 主要都市等で開催する物産展や展示会など、様々な場面を捉えた情報発信の推進

・ ふるさと納税制度を活用した山形県産品の魅力の発信と山形のファンの創出促進 ・ 発信力の高い「やまがた特命観光・つや姫大使」によるブログやフェイスブックなどのS

NSを利用した情報発信の促進(再掲) ・ 県産品等について発信したくなるような情報の充実・整理を行い、山形ファンクラブ会員

や著名人等へ提供するなど、発信する意欲の向上に向けた取組みの推進 ・ 各界有識者等へ優れた県産品を提供し評価を求めることで、消費者ニーズの把握と県産品

のブラッシュアップを図るとともに、県産品に対する好意的感想の拡散を図る取組みを実施

【基本的考え方】

・ 本県産業の振興を図っていくためには、消費者等が山形の産品、サービス、観光などの県

産品等の魅力を知り、選んでもらえるよう、県産品等のブランド力の向上が重要となる。 ・ ブランド力を向上させていくためには、県産品等の魅力の創出や魅力を把握し磨き上げる

取組みを行うとともに、その魅力を的確に消費者に伝え、更に、口コミ等により情報が拡散

するような取組みと県産品等が購入できる機会を高める取組みが必要である。 ・ また、このような取組みを進めるに当たっては、県民が県産品等や地域資源の魅力をしっ

かりと認識し、県民自らが情報発信者となり県産品等の魅力を伝えるという気運を醸成して

いく必要がある。

(施策の展開方向)

・ 効果的な情報発信事例の収集や分析を行い、情報発信の効果的なやり方などを事業者

等に提案する。

・ 自主的に山形の情報を発信する人を「コアな『やまがたファン』」として位置づけ、本

県出身者や本県に興味を持っている人に「コアな『やまがたファン』」となっていただけ

るよう、山形の魅力を体験する機会の提供や県産品の情報提供を行うとともに、情報を

発信する意欲の向上を図る取組みを推進する。 ・ 優れた情報発信力を持つ著名人や各界有識者を活用して情報拡散を図る取組みを推進

する。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

情報拡散の中核となる「やま

がたファン」の発掘と活用の

推進

ブランド力の向上に向けた戦略的な情報発信

主要都市等で開催する物産展や展示会など、様々な場面を捉えた情報発信の推進

有識者等に対する県産品の提供及び求評によるブラッシュアップと情報発信

(2)県産品や観光資源の情報発信、魅力向上等

◎ 効果的な情報発信の推進

≪主な取組内容≫ ・ アンテナショップの「情報発信機能」「情報受信機能」「県内へのフィードバック機能」の

一層の強化と新たな機能の検討 ・ パートナーショップ 25

・ メディアやSNSの活用など、ブランド力向上に向けた効果的・効率的な情報発信につい

ての手法の整理と事例の分析を行うとともに、その手法を踏まえた戦略的な情報発信を推進

(再掲)

等の拡大とアンテナショップとの連携強化による効果的な情報発信

・ 山形ファンクラブ会員の増加に向けた取組みと会員に対するタイムリーかつ効果的な情報

提供 ・ 山形の優れた地域資源や県産品等の魅力を活用し山形の地域イメージを向上させる取組みを進

めるとともに、その地域イメージや県産品等が生み出された背景等の物語性を積極的に活用した

県産品等の情報発信を推進 ・ ふるさと納税制度を活用した県産品の魅力の発信と山形のファンの創出促進(再掲)

25 パートナーショップ:首都圏において、本県の郷土料理の提供や本県産の食品等の販売を行い、本県の情報発信に協

力いただける店舗

(施策の展開方向)

・ 本県の知名度向上を図るため、情報受発信拠点であるアンテナショップの機能を強化

する。 ・ アンテナショップと首都圏における本県にゆかりのある店舗との連携による効果的な

情報発信を行っていく。 ・ アンテナショップ利用者を中心に会員を募っている山形ファンクラブ会員の増加を図

るとともに、会員に対する情報提供を充実させていく。 ・ 山形の優れた地域資源や県産品等を活用し、山形のイメージアップに資する効果的な

情報発信を推進していく。

「山形県の観光と物産展」等の開催

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◎ 購入機会の創出

≪主な取組内容≫ ・ パートナーショップ等の拡大及びアンテナショップにおける取扱商品の一層の充実 ・ 首都圏で開催されるイベント等の機会を活用した県産品のPR及び販売の実施 ・ 主要都市の大手百貨店等で開催する物産展等の開催への支援

・ インターネットを活用した通信販売等への新規参入や販売力強化のための支援(再掲) ・ 産業支援機関による多様な販売チャネルの開拓や商談会の開催、取引先企業の紹介・あっ

せんの取組みの促進

◎ 県産品等の魅力向上

≪主な取組内容≫ ・ 中小企業等が行う新技術・新商品・新サービスの開発や事業化の取組みに対する補助

・ 工業技術センターと農業総合研究センターが連携した食品加工技術に関する支援(再掲) ・ 県内外のデザイナーと県内ものづくり企業とのマッチング支援(再掲) ・ 地場産業や伝統的工芸品産業の組合等が行う地域資源を活用した新商品・新技術開発や販

路開拓を図る取り組みへの支援 ・ 地域イメージやこだわり、歴史などの県産品等が生み出された背景等の物語性を活用した

訴求力のある販売方法の促進 ・ アンテナショップにおいて、新商品を一定期間テスト販売し、販売状況や消費者の反応を

フィードバックする「トライアル販売」の実施 ・ 各界有識者等へ優れた県産品を提供し評価を求めることで、消費者ニーズの把握と県産品

のブラッシュアップを図るとともに、県産品に対する好意的感想の拡散を図る取組みを実施

(再掲)

・ 地域における地域資源の案内や保全活動などの取組みを支援し、訪れる観光客を地域を挙

げておもてなしする県民運動を展開(再掲)

(施策の展開方向)

・ 多様化する消費者の購買行動に対応しながら、より多くの人に県産品等を購入する機会

を持ってもらえるよう、店舗などによる対面式の販売方法のほか、インターネットを活用

した通信販売など、多くの購入の場づくりを促進していく。

(施策の展開方向)

・ デザインを活用した商品開発の促進や、歴史的・文化的背景等に根差した地域資源を活 かした商品づくり、販売方法の展開などを促進する。

・ アンテナショップ等を活用して捉えた消費者ニーズを的確に作り手にフィードバック

させる取組みを推進していく。 ・ 山形のブランド力の向上を図るためには、商品力だけでなく、地域そのものの魅力を

高めていくことが重要であり、広域的な交流を生み出せる魅力あるまちづくりを進める

とともに、観光客が安心して滞在できる地域づくりを進める。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

効果的な情報発信の推進

アンテナショップの「情報発信機能」「情報受信機能」「県内へのフィードバック機能」の一層の強化と新たな機能の検討

パートナーショップ等の拡大とアンテナショップとの連携強化による効果的な情報発信

山形ファンクラブ会員の増加に向けた取組みと情報提供の充実

購入機会の創出

県産品販売・PR機会の充実

インターネット通信販売への新規参入や販売力強化のための支援(再掲)

県産品等の魅力向上

地場産業・伝統的工芸品産業産地組合等が行う地域資源を活用した新商品・新技術開発や販路開拓等の取組みへの支援

アンテナショップにおける「トライアル販売」の実施

(3)県民の気運醸成

◎ 県産品愛用運動の更なる推進

≪主な取組内容≫ ・ 県民に、県産品を知って、買って、使ってその良さを発信いただけるよう、県産品の利用

を促進する「県産品愛用運動」の推進 ・ 「乾杯は県産酒で!」運動など、個別分野に焦点をあてた県産品の消費拡大のための取組

みの実施

(施策の展開方向)

・ 県産品等のブランド力の向上に向けては、行政や企業だけでなく、県民一人ひとりに

よる主体的な取組みが重要となることから、県産品愛用運動を通し、県民が県産品等の

魅力を知り、その魅力をより高め、発信していく気運の醸成を図っていく。

メールマガジン、ダイレクトメールの発信

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◎ 県民が地域の魅力を学び再認識する機会の充実

≪主な取組内容≫ ・ ホームページへの掲載など、インターネットを活用した県産品等に関する情報発信の機会

の充実 ・ 豊かな山岳資源、最上川が育んだ舟運文化など、県内各地に存在する多様な地域資源に関

する学習・体験機会の創出(再掲)

・ 県ホームページ等を活用した県産品に関する情報発信やものづくり生産現場を体験できる

機会の充実などによる県産品愛用やおもてなしの気運の喚起(再掲)

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

県産品愛用運動の更なる推進

県民に、県産品を知って、買って、使ってその良さを発信いただけるよう、県産品の利用を促進する「県産品愛用運動」の推進

個別分野に焦点をあてた県産品の消費拡大のための取組みの実施

県民が地域の魅力を学び再

認識する機会の充実

インターネットを活用した県産品等に関する情報発信の充実

(施策の展開方向)

・ 県民が優れた県産品等とそのバックグラウンドにあるこだわりや歴史などを学ぶ機会

を拡大していく。

登録企業・協力店拡大、ホームページの運営

啓発活動の拡充

「乾杯は県産酒で!」の推進

贈答での県産品利用の促進

インターネットでの情報発信

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◆ 新たな国際戦略の展開

(1) 県内企業の海外取引の拡大

◎ 県産品の輸出拡大

≪主な取組内容≫ ・ 現地向けパッケージデザインの開発等、現地ニーズを踏まえた商品づくりに対する支援や

現地メディアを活用した食と観光の一体的なPRなど、現地での認知度向上に向けた情報 発信

・ 輸出パートナー(現地卸売業者、輸出業者等)の発掘・確保のための現地商談会の開催や 海外見本市等への出展、及び輸出パートナーの招聘による新たな商品の提案、輸出パートナー と連携した販売プロモーションの実施など、県産品の定番化に向けた輸出ルートづくり

・ 貿易セミナーの開催による輸出機運の醸成、海外市場の基礎知識の習得等、輸出に取り組

む県内事業者や輸出品目の掘り起こし

【基本的考え方】

・ 人口減少による国内市場の縮小を背景に、成長が著しいアジア諸国などの活力を取り込ん

で本県産業の安定的な発展と地域活性化を図るため、海外との交流・取引を拡大させていく

重要性が増している。

・ 「実りの国‐Fruitful Yamagata‐」ブランドの形成に向けて、本県の持つ美しい自然や景

観、はっきりした四季の変化の中で育まれてきた食と農、自然と調和した人々の暮らしや精

神文化を活かし、「質の高い」「多様で豊かな」食の輸出と観光の誘客を一体的に推進する。

・ 台湾、香港、中国に加え成長著しいASEAN(東南アジア諸国連合)を重点地域として

取組みを進めるとともに、インド、ヨーロッパなど新たな市場の調査・発掘にも着手する。

・ 県産品の販路拡大、観光誘客、県内企業の海外取引拡大を推進するため、現地情報の収集

体制を強化するとともに、信頼できるパートナーを発掘し、良好な関係を構築する。

・ 県内唯一の貿易港である酒田港の振興等に取り組むことにより、県内企業等の多様な貿易

形態に対応できる国際物流環境の整備を図り、本県における貿易拡大につなげていく。

・ 多様な国際交流を数多く生み出し、経済交流に結び付けていくとともに、その担い手とな

る、外国語と国際感覚を身に付けたグローバル人材を育成する。

(施策の展開方向)

・ 今後とも経済成長が見込まれる中国、ASEANを中心としたアジア諸国の活力を取

り込み、地域活性化につなげるため、各国のマーケットの状況等を踏まえた戦略的な輸

出促進事業を展開し、県産品の販路拡大を積極的に進めていく。

・ 海外在住コーディネーターの活用などにより、現地の市場や企業、政府の動向などの

情報を速やかに収集するとともに、これらの情報や現地の市場特性、商習慣など、県内

事業者が必要とする情報を速やかに提供し、相談できる仕組みを構築するなど現地支援

体制を強化していく。

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・ 現地活動拠点や県内の海外取引に関する支援機関(県国際経済振興機構、ジェトロ山形 等)における海外取引に関するコーディネート機能の充実・強化

・ 現地活動拠点やコーディネーターの活用と、県内の海外取引に関する支援機関、金融機関、

自治体など関係機関との連携による現地情報の収集と提供及びワンストップ相談体制の 構築

◎ ものづくり企業の海外取引等への支援

≪主な取組内容≫ ・ 現地活動拠点やコーディネーターの活用と、県内の海外取引に関する支援機関、金融機関、

自治体など関係機関との連携による現地情報の収集と提供及びワンストップ相談体制の構

築(再掲) ・ 海外取引支援アドバイザーによるものづくり企業への助言指導 ・ 海外経済情勢の調査や現地企業等との取引拡大のためのミッション団派遣、現地企業等 との商談会の開催

・ 留学生や海外青年協力隊OB・OGのものづくり企業における活用の促進、経営者や現地 駐在員候補者に対する研修の実施など、海外取引等に資する人材の確保・育成

◎ 酒田港の振興等による国際物流の拡充

≪主な取組内容≫ ・ 県内外の荷主の獲得を目指したポートセールスの展開と様々な媒体を通じた広報活動によ

る効果的な情報発信 ・ 国際定期コンテナ航路における既存航路の拡充、新規航路の開拓 ・ 企業の物流実態及びニーズを踏まえた酒田港の物流機能強化対策の検討及びサービスの提

(施策の展開方向)

・ 海外在住コーディネーターの活用などにより、現地の市場や企業、政府の動向などの

情報を速やかに収集するとともに、これらの情報や現地の市場特性、商習慣など、県内

事業者が必要とする情報を速やかに提供し、相談できる仕組みを構築するなど現地支援

体制を強化していく。(再掲) ・ 販路の開拓など、ものづくり企業の海外におけるビジネス展開への支援を強化してい

く。

(施策の展開方向)

・ 酒田港について、国際定期コンテナ航路の拡充・港湾機能強化等による利便性の向上、

官民一体となったポートセールス、リサイクルネットワークの拠点化などの利用拡大に

向けた取組みを推進し、国際物流拠点としての振興を図る。 ・ 羽田空港の国際定期便の増便、那覇空港の国際物流拠点化の推進など、国際航空貨物

を取り巻く環境が変化する中で、航空機を活用した国際物流についての情報収集に努め

るなど、その可能性などについて様々な角度から検討していく。

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・ コンテナ取扱貨物量の増加に対応した荷役 26体制の確保、コンテナヤード 27

・ 岸壁や防波堤等の港湾施設の計画的な整備 拡張の検討

・ 酒田港の物流拡大に向けた、酒田港周辺や後背地への企業の誘致・産業集積による基幹貨 物の創出及び対岸諸国等における新たな需要の掘り起こし

・ 他港と連携した酒田港のリサイクル貨物輸送拠点化の推進 ・ 航空機活用による国際物流についての情報収集及び県産品輸出における利用の可能性等の

検討

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

県産品の輸出拡大

海外市場を意識した付加価値の高い商品づくり

現地での認知度向上に向けた情報発信

県産品の定番化に向けた輸出ルートづくり

輸出に取り組む県内事業者や輸出品目の掘り起こし

輸出に係るコーディネート機能の強化

関係機関との連携による輸出促進に向けた一体的な取組み

ものづくり企業の海外取引等への支援

海外取引等に資する人材の確保・育成

海外経済情勢の調査や現地企業等との取引拡大のためのミッション団派遣、ビジネス商談会の開催

酒田港の振興等による国際物流の拡充

酒田港利用貨物の掘り起こし

酒田港の機能強化による利便性向上

航空機の活用による国際物流ルートの検討

26 荷役:海上輸送される貨物の船積み・船卸し作業 27 コンテナヤード:船に積み卸すコンテナの受け渡し、保管等を行う場所

現地活動拠点、現地コーディネーター等の活用による情報収集、県内企業への提供

輸出先国ニーズの把握

輸出用商品の開発支援

食と観光の一体的なPR活動の展開など

輸出支援機関による相談サービスの提供、

取引支援(各種商談のフォローアップ)

ポートセールス、情報発信、企業誘致・産業集積の取組み、新規市場・取引先の開拓

国際定期コンテナ航路の増便、大型化、中国便就航 極東ロシア便就航に向けた取組み (トライアル輸送、他港との連携)

防波堤等の整備による港湾機能の強化

航空機活用による国際物流の情報収集、可能性等検討

本格輸出(販売プロモーション)

新規市場の調査、人脈の形成

商談会開催や輸出パートナーの招聘

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(2) 海外からの観光誘客の拡大

◎ 海外誘客の推進

≪主な取組内容≫ ・ 雪を基本軸として、精神文化、食・温泉、自然や健康といった観光素材を組み合わせるな

ど、地域間競争に埋没しない、満足度の高い海外向け観光商品の開発(再掲)

・ 海外現地商談会でのPRやバイヤーの招請事業に併せた観光地案内など、経済交流と一体

となった効果的な海外誘客事業の展開(再掲)

・ チャーター便就航に向けて官民一体となった取組みの実施のほか、羽田空港の積極的な

乗り継ぎ利用や、隣県空港からのバス利用などによる利便性向上に向けた取組みを強化し、

本県への誘客を拡大(再掲)

・ 案内表示の多言語表記や無料公衆無線LAN環境の整備、免税店の導入拡大のほか、カー

ド決済可能な観光施設等の拡大に向けた支援の実施(再掲)

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

海外誘客の推進

対象国の市場特性や嗜好に応じた海外誘客施策の推進 (再掲)

外国人誘客に向けた受入態勢の整備推進(再掲)

(3) 国際交流の拡大

◎ 多様な国際交流の促進

(施策の展開方向)

・ 多様な国際交流を促進し、経済交流への発展を図る。 ・ 県民の国際理解教育及び外国語教育等を充実し、グローバル人材の育成を推進する。 ・ 在住外国人が国籍に関わらず暮らしやすい環境の整備を継続すると共に、在住外国人

が地域の一員として活躍できるよう、在住外国人との協働を促進する。

(施策の展開方向)

・ 外国人誘客のための基本コンセプト、誘客方針及び地域別誘客の方向性を明確にし、

対象国の市場特性や嗜好に応じて、高い訴求力を有する本県の観光素材を提供する誘客

施策を推進していく。(再掲) ・ 対象国から本県への航空アクセスの状況等を踏まえた、利便性の更なる向上に向けた

取組みを実施していく。また、案内表示の多言語表記や無料無線公衆LAN環境の整備

など、外国人誘客に向けた受入態勢の整備を推進していく。(再掲)

無料公衆無線LAN等の整備と おもてなし研修等の実施

日台観光サミットの開催

雪を基軸に、本県海外事務所、コーディネーターや

現地政府機関等と連携した誘客施策の推進

日台観光サミットの開催等を契機とし

た誘客施策の推進

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≪主な取組内容≫ ・ 海外現地活動拠点などを通じて、中国やASEAN等との技術交流や文化交流など、様々な

人的交流を活発化し、交流をきっかけとして経済交流への発展を促進 ・ 県内大学が行う留学・海外研修事業や社会人向け講座への支援 ・ 在住外国人を講師として派遣する仕組みの創設など、社会人や大学生向けのグローバル人材

育成事業への支援を強化 ・ 留学生や海外青年協力隊員OB・OGなどの県内企業における活用の促進 ・ 外国人が暮らしやすい環境を整備するため、外国人に分かりやすい公共表示や情報提供、商

業施設等での多言語対応の取組みを促進 ・ 国際交流団体に登録している語学や国際理解などの国際交流サポーター・ボランティアスタ

ッフの拡充

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

多様な国際交流の促進

国際交流から経済交流への発展

県内大学が行う留学・海外研修事業や社会人向け講座への支援

在住外国人との協働の拡大

キーパーソン招

致と関係強化 経済交流の事業化

県内大学との協力関係の構築

県内大学が行う留学・海外研修事業や

社会人向け講座への支援

国際交流サポーター・ボランティアスタッフの拡充

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【戦略2】 やまがたの産業を担う中小企業・小規模事業者の振興

(1)産業の新たな主体の創出促進

◎ 創業の促進

≪主な取組内容≫ ・ 新しい手法や新しい発想によって生み出されるビジネスモデルに関する情報の収集と発信 ・ 各産業支援機関が連携した相談窓口体制による、新規創業、事業承継や後継者による新事

業展開等に取り組む中小企業・小規模事業者に対する支援の実施 ・ 女性を対象としたセミナーの開催や若者をはじめ多様な主体に向けた創業ノウハウを身に

つける創業塾の開催 ・ 若者や女性等の創業を支援する融資制度や事業立上げを支援する創業助成金等の拡充

・ 本県での創業に向けた首都圏での説明会や先輩創業者との交流会の実施

本県企業の太宗が中小企業・小規模事業者であり、本県経済をけん引する力の源泉である

ことから、そうした中小企業・小規模事業者の創出や元気再生を図ることが重要である。ま

た、技術の革新などにより、従来の手法・業態にとらわれないビジネスモデルが次々と生み

出されている中、新しい発想と意欲を持ちチャレンジ精神豊かな若者や女性等の挑戦を促進

し、本県産業の活性化と人材の県内定着・県内回帰を図っていくことも重要である。

このため、創業や事業承継、後継者による新事業展開への支援を強化し産業の新たな主体

を積極的に生み出していくとともに、人材、設備、資金、情報といった経営基盤の強化を図

りながら、取引の拡大と生産性の向上、新技術・新商品開発と販路開拓を促進し、中小企業・

小規模事業者の付加価値生産性を向上させていく。

また、中小企業・小規模事業者の持続的発展に向けた前向きな取組みを促進していくこと

により、中小企業・小規模事業者の活力向上を図っていく。

さらに、身近で中小企業・小規模事業者が抱える多様な課題への相談に応じ、その解決に

向けて産業支援機関等が連携し総合的な支援を行うなど、中小企業・小規模事業者に対し、

実態やニーズを踏まえきめ細かく迅速なサポートを行っていく。

(施策の展開方向)

・ 産業支援機関等が連携し、創業に必要な情報の提供、事業計画立案や資金確保などの

一貫した支援を行うとともに、産業支援機関等において創業支援の中核となる専門人材

の配置や育成の強化を図る。 ・ 新しい発想と意欲を持ちチャレンジ精神豊かな若者や女性等、多様な主体を対象とし

た、創業のための準備や手続、参考事例等の情報発信を強化するなど、創業しやすい環

境をつくる。 ・ 人材の県内回帰の促進に向け、U・Iターン者に対する創業支援を強化する。 ・ 関係機関と連携し創業の気運を醸成するとともに、起業マインドを持った人材の育成

を図る。

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・ U・Iターン者向けの創業支援制度の新設 ・ 産業支援機関職員等のインキュベーションマネージャーの認定取得の支援、及び創業支援

施設等への配置

◎ 円滑な事業承継、後継者による新事業展開の促進

≪主な取組内容≫ ・ 各産業支援機関が連携した相談窓口体制による、新規創業、事業承継や後継者による新事

業展開等に取り組む中小企業・小規模事業者に対する支援の実施(再掲) ・ 「事業引継支援センター」との連携による、後継者問題を抱える中小企業・小規模事業者

の事業引継ぎ支援の実施

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

創業の促進

各産業支援機関が連携した相談窓口体制による支援の実施

産業支援機関職員等のインキュベーションマネージャーの認定取得の支援、及び創業支援施設等への配置

円滑な事業承継、後継者によ

る新事業展開の促進

各産業支援機関が連携した相談窓口体制による支援の実施(再掲)

「事業引継支援センター」との連携による事業引継ぎ支援の実施

(2)中小企業・小規模事業者の付加価値生産性の向上

◎ 取引拡大、生産性向上の支援

(施策の展開方向)

・ 県内中小企業の受注を拡大するため、大都市圏における取引に関する情報収集力を強

化するとともに、取引の仲介・あっせんの量的拡大を図る。 ・ 企業の受注力を向上させ、新たな受注の獲得や取引の拡大を図るため、現場改善指導

の実施などにより、県内中小企業の製品の高品質化や生産コストの低減、短納期への対

応など、取引先からの要求への対応力を高めていく。

(施策の展開方向)

・ 中小企業・小規模事業者の事業承継や後継者による新事業展開に関する課題解決を図

るための相談・支援体制を充実する。

セミナー開催、創業助成金、フォローなど

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≪主な取組内容≫ ・ 大都市圏において発注情報の収集と産業支援機関への提供等を行う人材の配置 ・ 産業支援機関による多様な販売チャネルの開拓や商談会の開催、取引先企業の紹介・あっ

せんの取組みの促進(再掲) ・ 生産現場の徹底したムダ取りや生産ライン・生産方式の変更への対応等、「生産改善アド

バイザー」や「ものづくりシニアインストラクター」等の専門家による経営改善や生産効率

改善への支援(再掲) ・ 県・工業技術センター、(公財)山形県企業振興公社、大学、金融機関による県内中小企

業・小規模事業者の取引拡大等に向けた協力体制の構築

・ 工業技術センターにおける、技術指導、ORT、共同研究、研究会活動等を通した県内企

業の技術の高度化による取引拡大への支援

・ 複合加工化やユニットの受注を図るための企業間連携の促進(企業間の交流機会の提供、

連携ネットワークの構築促進など)

・ 営業用資料の作成法や企業ホームページの効果的活用に関する研修会の開催や専門家を活

用したプレゼンテーション技術の指導などによる営業力の強化に向けた支援

◎ 市場ニーズを踏まえた新製品等の開発と販路開拓の支援

≪主な取組内容≫ ・ 新商品や新サービスなどの開発に取り組む中小企業・小規模事業者に対する、産業支援機

関が連携した、技術開発やマーケティング、販路開拓などの支援 ・ 産業支援機関との連携による、中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新・新連携28

28 新連携:事業分野を異にする事業者が有機的に連携し、その経営資源(設備、技術、個人の有する知識、技能その他)

を有効に組み合わせて、事業活動を行うことにより、新たな事業分野の開拓を図ること

中小企業地域資源活用促進法に基づく地域資源活用、農商工等連携促進法に基づく農商工連

携の取組みの促進

(施策の展開方向)

・ 市場のニーズを踏まえ、新製品や新サービスなどの開発に取り組む中小企業・小規模

事業者に対して、その開発に係る技術・ノウハウ、資金等への支援を行うとともに、開

発品の市場開拓等に関する支援を行う。 ・ より付加価値の高い製品等の開発・販路開拓に向け、産学官や企業間の連携を促進す

る。また、本県の豊富で優れた資源を生産する農林水産業と、食品加工産業、観光産業

など異業種との連携を深めることにより、農商工連携による地域資源を活用した新たな

製品の開発や新サービスの創出、販路開拓に関する支援を行う。 ・ 業種の枠を超えたあらゆる分野の技術融合を促進し、そこから生まれる新しい技術や製

品の開発を加速するため、試作支援機能を強化する。(再掲)

・ 工業技術センターによる県内企業に対する技術高度化の支援を強化し、受発注開拓支

援機関等との連携による取引拡大を推進していく。 ・ 受注品の複合加工化やユニット化による付加価値額の拡大を図っていく。

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・ 中小企業等が行う新技術・新商品・新サービスの開発や事業化の取組みに対する補助(再

掲) ・ 工業技術センターと農業総合研究センターが連携した食品加工技術に関する支援(再掲) ・ 営業用資料の作成法や企業ホームページの効果的活用に関する研修会の開催や専門家を活

用したプレゼン技術の指導などによる営業力の強化に向けた支援(再掲)

・ 県内企業が取引先からのニーズに迅速に対応したり、あらゆる分野の技術融合から生み出

される新技術・新製品の提案を加速させるための、工業技術センターにおける試作支援機能

の強化(再掲)

◎ 経営基盤のサポート

≪主な取組内容≫ ・ 工業技術センターや産業技術短期大学校、(公財)山形県産業技術振興機構等による研修

やカリキュラムの実施 ・ 設備導入に対する助成制度や設備貸与制度による、中小企業・小規模事業者の技術力向上

や受注量拡大に対応するための設備導入の支援

・ 中小企業・小規模事業者の設備投資や経営安定のための融資制度の実施 ・ 中小企業・小規模事業者の信用保証料の負担軽減 ・ 国、県等の支援施策や経営相談窓口の周知、啓発を行うパンフレット等の作成・配布やホ

ームページの充実、企業訪問などによる中小企業・小規模事業者に対するきめ細かな情報の

提供

・ 県内企業等を対象とした、事業継続計画(BCP)に係る説明会・勉強会の開催、専門家

を活用した具体的な計画策定に関する支援

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

取引拡大、生産性向上の支援

多様な販売チャネルの開拓や商談会の開催、取引先企業の紹介・あっせんの取組みの促進

(施策の展開方向)

・ 中小企業・小規模事業者のニーズを踏まえ、公設試験研究機関、教育機関や産業支援

機関が連携しながら人材育成を行う。 ・ 付加価値向上を目指す中小企業・小規模事業者の設備投資を支援する。 ・ 低利融資制度及び信用補完制度により、中小企業・小規模事業者の資金調達の円滑化

を図る。 ・ 中小企業・小規模事業者に支援施策等の情報が行き届くよう、インターネットをはじ

め様々な手段を活用した分かり易い情報提供を行う。

・ 自然災害等が発生した場合でも事業活動が継続できるようにするための事業継続計画

(Business Continuity Plan;BCP)策定を促進する。

商談会の開催、取引あっせん

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

市場ニーズを踏まえた新製

品等の開発と販路開拓の支

経営革新計画等の策定・承認等の促進による新製品開発や販路開拓支援

経営基盤のサポート

商工業振興資金や設備貸与、補助金等による支援

ガイドブックの作成・配布

事業継続計画(BCP)の周知と策定支援

(3)中小企業・小規模事業者の活力向上

◎ 事業の持続的発展に向けた前向きな取組みの促進

≪主な取組内容≫ ・ 商工団体等の連携による、中小企業・小規模事業者の販路開拓や経営革新計画策定等に向

けた支援 ・ 商工会・商工会議所が中小企業・小規模事業者の活性化のために行う地域特性を踏まえた

独自の事業等への支援

・ 商工会・商工会議所が、小規模基本法29、小規模支援法30

に基づき策定する、小規模事業者

を伴走型で支援するための事業計画への助言

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

事業の持続的発展に向けた

前向きな取組みの促進

販路開拓や経営革新等の促進

商工団体等の支援機能の強化

29 小規模基本法:小規模企業振興基本法(平成 26年 6月 27日法律第 94号) 30 小規模支援法:商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成 26年 6月

27日法律第 95号)

(施策の展開方向)

・ 中小企業・小規模事業者の持続的発展に向け事業の拡大や経営革新等を成長段階に応

じ支援する。 ・ 中小企業・小規模事業者にとって極めて身近な存在で、日々経営指導を行っている商

工団体等の支援機能を強化し、きめ細かな対応により、各種施策の認知度向上と活用の

促進を図る。

商工会・商工会議所の独自事業への支援

商工団体等による販路開拓や経営革新計画策定等の支援

経営革新計画等の策定・承認等の促進

商工業振興資金、設備貸与、補助制度の実施

ガイドブック作成、関係機関等への配布

事業継続計画の勉強会、専門家による策定支援

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(4)トータルサポート体制による中小企業・小規模事業者のサポート

◎ 産業支援機関等による総合的な支援

≪主な取組内容≫ ・ 全県及び県内ブロック単位のプラットフォーム31

・ 各産業支援機関における相談・指導体制の機能強化を図るとともに、産業支援機関相互の

連携を緊密にし、総合的な支援を実施(「山形県中小企業総合相談窓口」の機能強化)

において、協議会や研修会等の開催によ

る各種支援施策等の情報共有やそれぞれの専門分野を活かした連携による効果的な支援を

実施

・ より高度化・専門化する中小企業・小規模事業者が抱える経営課題に対して、民間の専門

家を活用した支援を実施 ・ 中小企業・小規模事業者に対して技術・経営面に関する助言・指導及び取引支援を行うため

の体制の整備・充実 ・ 県と「やまがた中小企業支援ネットワーク会議」等の支援組織との連携による中小企業・

小規模事業者の経営改善や事業再生の支援

◎ 中小企業・小規模事業者の実態やニーズを踏まえた施策の展開

≪主な取組内容≫ ・ 県内主要製造業や下請企業を対象とした、企業の生産動向や業況、雇用情勢等に関する現

地調査の定期的な実施 ・ 県の中小企業・小規模事業者支援施策等に関する、中小企業・小規模事業者との意見交換

会や、産業支援機関、産業界等との意見交換会の定期的な開催 ・ 国、県等の支援施策や経営相談窓口の周知、啓発を行うパンフレット等の作成・配布やホ

ームページの充実、企業訪問などによる中小企業・小規模事業者に対するきめ細かな情報の

31 プラットフォーム:商工会・商工会議所、金融機関、大学等試験研究機関、公社、中央会等企業支援に係る基盤体制

のこと

(施策の展開方向)

・ 中小企業・小規模事業者に対し、地域単位など身近な相談体制を活用し、産業支援機関

や研究・教育機関と密接に連携しながら、様々な課題に対する総合的な支援を行っていく。 ・ 創業者等や新分野進出、経営革新、新連携等に取り組む中小企業・小規模事業者に対し、

各産業支援機関が専門性を活かし効果的な支援を行っていく。

(施策の展開方向)

・ 中小企業・小規模事業者の実態やニーズを踏まえた施策の展開を図るため、業況等に関

する調査を実施するとともに、産業支援機関、産業界の意見や企業の「生の声」を聴取す

る。 ・ 中小企業・小規模事業者による支援制度の活用を促進するため、きめ細かな情報提供・

周知や、事務手続に関する負担軽減に努める。

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提供(再掲)

・ 申請書類の簡素化、審査手続の弾力化など、中小企業・小規模事業者が利用しやすい支援

制度の設計と運用

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

産業支援機関等による総合的な支援

山形県中小企業総合相談窓口による一元的な相談・指導

中小企業・小規模事業者の実

態やニーズを踏まえた施策

の展開

県内主要製造業や下請企業を対象とした、企業の生産動向や業況、雇用情勢等に関する現地調査の定期的な実施

中小企業・小規模事業者との意見交換会や、産業支援機関、産業界等との意見交換会の定期的な開催

総合相談窓口による一元的支援

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【戦略3】 やまがたの産業の源となる人材の確保・育成

◆ 産業を担う人材の確保

【基本的考え方】

・ 人口減少・少子高齢化が進行する中、本県産業の活力向上を図るため、高卒人材の着実な

県内定着を図りつつ、県内の大学生等の県内就職を促進していくとともに、県外にいる大学

生等の県内就職への誘引を強化していく。また、女性の就業についても、出産などの女性特

有の課題も踏まえながら促進していく。 ・ 「地方創生」における地方への人材還流の方向を踏まえ、産業振興と企業誘致により県内

の雇用の受け皿の拡大を図りつつ、県外在住者の県内へのU・Iターンによる就職をより一

層促進する。 ・ 未就職者の早期の就職を実現するため、雇用につながるスキルの向上を、県内企業のニー

ズも踏まえて支援していく。 ・ 県内企業と求職者の双方のニーズに適合した安定的な雇用の実現に向け、離転職者の職業

能力開発や雇用のマッチングに向けた相談・支援を行うとともに、県内産業や企業への理解

を深める取組みを進める。 ・ 県内産業を支える労働力を確保するため、高齢者や障がい者の雇用の促進を図る。

企業活動において、企業の体質強化や活性化を推進し、また、生産性向上や競争力強化の

原動力となっているのは人であり、まさに人材はやまがたの産業をつくりだす根源である。 一方、少子化と大学生を中心とした若者の県外流出によって、本県の人口は減少を続けて

おり、昨今では景気回復による求人数の増加とも相まって、県内企業の人材確保に支障が生

じている。経済のグローバル化が進展する中、本県産業が国内外において競争力を高めてい

くには、人口減少が続く中にあっても、必要な人材を質的・量的に確保し、より高度な人材

へと育成することによって、本県産業の基盤強化を図っていくことが不可欠である。 このため、人材の確保については、政府が推進する「地方創生」における地方への人材還

流の方向を踏まえるとともに、県の関係部局が連携して推進する人口減少対策と一体的に、

人材の県内定着・県内回帰へとつながる、戦略的な産業振興・雇用創出を図るとともに、雇

用に伴う課題に教育機関や雇用に関する支援機関等と連携しながら的確に対応し、若者等の

県内への就職を拡大していく。 また、人材の育成については、産業界のニーズを踏まえ、産業支援機関や教育機関の機能

やシーズを効果的に活用し技術・技能の伝承や高度化を図るとともに、成長期待分野への参

入促進に資する人材の育成など、今後の本県産業の発展方向を見据えた戦略的な施策を展開

していく。

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(1)若者・女性等の県内就業促進、雇用につながるスキルの向上、雇用のミスマッチ等

の課題への対応

◎ 高等教育機関等の卒業者人材の確保

≪主な取組内容≫ ・ 県、企業、商工関係団体等が連携した総合的な就職支援サイトの開設による、若者等に対

する県内企業や求人、インターンシップ等に関する情報発信の強化 ・ 「ものづくりヤマガタ情報サイト」の拡充による、若者や女性等をターゲットとした本県

製造業の魅力発信の強化 ・ 主に首都圏への進学者を対象とする、県内企業による説明会の開催 ・ 子どもや就職前の若者とその保護者や教師に対して県内企業の魅力を伝え、認知度の向上

を図る取組みの実施 ・ 学生の県内就職率の向上に向けた、高等教育機関等と県内企業との連携強化や、学生と県内

企業とのマッチングを図るコーディネート活動の展開 ・ Uターン情報センターや県外事務所によるU・Iターン希望者の県内企業への就職に向け

た支援 ・ 県内企業への就職活動を行う若者への経済的支援

・ 若者や女性、首都圏からのUターン者等の志向を把握するための調査、及びUターン者等

に対する県内産業や企業、雇用等に関する情報の提供 ・ 企業の本社機能や研究開発機能等の立地促進に向けた政府への提案と支援の強化(再掲)

◎ 若者や女性等の県内就業・創業の促進

(施策の展開方向)

・ 若者等への県内産業や企業、雇用等に関する情報発信を強化するほか、企業説明会の

開催、学生と県内企業とのマッチング、県外から県内企業への就職活動を行う学生の経

済的負担の軽減などにより、県内の大学生等の県内就職を促進するとともに、県外在住

の大学生等の県内就職に向けた誘引を強化する。 ・ 大学、高等専門学校の卒業者の大部分が県外に就職している状況にあることから、若

者や女性、Uターン者、大学生等が志向する業種の企業等の積極的な誘致を推進する。(再

掲) ・ 政府の「地方創生」による企業の地方拠点強化の方向を踏まえ、若者や女性等が能力

を活かすことのできる新たな産業集積の実現に向け、企業の本社機能や研究開発機能等

の誘致に向けた取組みを強化する。(再掲)

(施策の展開方向)

・ 若年労働者の正社員化を支援するなど、働きやすい職場の創出を図り、県内就職を促

進する。 ・ 女性が働きやすく活躍できる雇用環境の充実を図る。

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≪主な取組内容≫

・ 正社員化に向けた若年労働者への研修、キャリア・カウンセリング、職業紹介等の一体的

支援の実施 ・ 女性の雇用環境改善に向けた雇用環境改善アドバイザーによる事業主等への各種法制度の

周知・啓発等の実施及び県内各地における周知・啓発を目的としたセミナーの開催 ・ 子どもや就職前の若者とその保護者、教師に対して県内企業の魅力を伝え、認知度の向上

を図る取組みの実施(再掲) ・ 若者や女性等の創業を支援する融資制度や事業立上げを支援する創業助成金等の拡充(再

掲)

・ 県、企業、商工関係団体等が連携した総合的な就職支援サイトの開設による、若者等に対

する県内企業や求人、インターンシップ等に関する情報発信の強化(再掲) ・ 「ものづくりヤマガタ情報サイト」の拡充による、若者や女性をターゲットとした本県製

造業の魅力発信の強化(再掲)

◎ U・Iターンの促進

≪主な取組内容≫ ・ 「やまがた21人財バンク」の運営を通じた、U・Iターン希望者と県内企業双方への情

報提供とマッチング支援 ・ 県内企業就職ガイダンスの開催等による、県外在住者の県内就職へ向けた支援 ・ 県内企業への就職活動を行う若者への経済的支援(再掲)

・ 本県での創業に向けた首都圏での説明会や先輩創業者との交流会の実施(再掲) ・ U・Iターン者向けの創業支援制度の新設(再掲) ・ 移住コンシェルジュ(本県への移住相談に対応する専任職員)との連携、機能提供日の拡 大によるUターン情報センターの支援機能の強化

・ Uターン情報センターや県外事務所によるU・Iターン希望者の県内企業への就職に向け た支援(再掲)

(施策の展開方向)

・ 県外在住者に対するU・Iターンのための情報提供、U・Iターン希望者に対する県

内企業への就職支援を行う。 ・ U・Iターン者による創業を促進する。 ・ 首都圏での本県への就職支援の窓口となるUターン情報センターの利用者ニーズを踏

まえた支援機能の強化を図る。

・ 新しい発想と意欲を持ちチャレンジ精神豊かな若者や女性等の創業を促進する。 ・ 子どもや就職前の若者が県内産業や企業を知る機会の充実を図るとともに、保護者に

対する情報の提供を行う。

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◎ 就職に向けたスキルアップの支援

≪主な取組内容≫ ・ 県、労働局及び(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構と連携し、民間教育訓練機関の機

動性を有効活用した委託訓練の実施 ・ 県立職業能力開発短期大学校(産業技術短期大学校及び同庄内校)、県立職業能力開発校 (山形職業能力開発専門校及び庄内職業能力開発センター)における、技術動向や地域産業 のニーズを踏まえた高度又は専門分野の職業訓練の実施

◎ 雇用に関する相談とマッチング

≪主な取組内容≫ ・ 若者を対象とした面接指導やキャリア・カウンセリングの実施 ・ 就職に関連する生活相談(住宅、生活資金など)への対応

・ 多様な課題を含む雇用相談に対する複数の支援機関が連携した支援の実施 ・ 「やまがた21人財バンク」の運営を通じた、U・Iターン希望者と県内企業双方への情

報提供とマッチング支援(再掲)

◎ 高齢者や障がい者の雇用の促進

≪主な取組内容≫ ・ 高年齢者雇用確保措置(①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の廃止、のい

ずれか)に係る制度の周知徹底 ・ 障がい者向け職業訓練の実施 ・ 障がい者雇用に積極的な企業の認定、県ホームページ上での認定企業の取組みの紹介

(施策の展開方向)

・ 高齢者の経験や能力を県内企業において発揮してもらうため、雇用の機会その他の多

様な就業の機会を確保する。 ・ 障がい者向け職業訓練の実施や、企業における障がい者の雇用拡大に関する普及啓発

を行うことにより、意欲ある障がい者の雇用の促進を図る。

(施策の展開方向)

・ 山形県若者就職支援センター、山形県求職者総合支援センターにハローワークを加え

たワンストップ相談窓口による総合的な就職支援を行う。 ・ インターネットを活用した情報提供により、U・Iターン希望者と県内企業とのマッ

チングを支援していく。

(施策の展開方向)

・ 雇用情勢及び地域産業の多様な人材ニーズに的確に対応し、求職者が就職に必要な技

能及び知識を習得するため、民間教育訓練機関を活用した訓練機会を提供する。 ・ 地域産業のニーズに対応し、県立職業能力開発施設において実践的技術者等を育成す

る機能の充実を図っていく。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

高等教育機関等の卒業者人材の確保

総合的な就職支援サイトの開設による、若者等に対する県内企業や求人、インターンシップ等に関する情報発信の強化

県内企業への就職活動を行う若者への経済的支援

若者や女性等の県内就業・創業の促進

正社員化に向けた若年労働者への研修、キャリア・カウンセリング、職業紹介等の一体的支援の実施

アドバイザーによる女性の雇用環境改善に向けた各種法制度の周知・啓発及びセミナーの開催

若者や女性等をターゲットにした県内製造業の魅力発信

U・Iターンの促進

「やまがた21人財バンク」の運営を通じたU・Iターン就職希望者と県内企業双方への情報提供とマッチング

県内企業への就職活動を行う若者への経済的支援(再掲)

県内企業就職ガイダンスの開催等による県外在住者の県内就職へ向けた支援

就職に向けたスキルアップ

の支援

求職者に対する民間教育訓練機関を活用した職業訓練の実施

県立職業能力開発施設における技術動向や地域産業のニーズを踏まえた高度又は専門分野の職業訓練の実施

雇用に関する相談とマッチング

若者を対象とした面接指導やキャリア・カウンセリングの実施

就職に関連する生活相談(住宅、生活資金など)への対応

多様な課題を含む雇用相談に対する複数の支援機関が連携した支援の実施

高齢者や障がい者の雇用の

促進

高年齢者雇用確保措置(①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の廃止、のいずれか)に係る制度の周知徹底

障がい者向け職業訓練の実施

障がい者雇用に積極的な企業の認定、県HP上での認定企業の取組みの紹介

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◆ 付加価値を高める人材の育成

(1)ものづくり産業を支える人材の育成

◎ 成長期待分野への参入や競争力強化に向けたものづくり人材育成の推進

≪主な取組内容≫ ・ 県内のものづくり人材育成に関する、産業界、教育機関などによる連携体制の構築 ・ 企業の経営者・後継者を対象とした、マネジメント及び新分野進出等に関する研修の実施 ・ 成長期待分野を担う高度な技術者の育成に向けた研修等の実施 ・ 産業技術短期大学校等における組込みソフトウェア技術者の育成のための講座等の実施

(再掲)

(施策の展開方向)

・ 成長期待分野(自動車、航空機、ロボット、環境・エネルギー、医療・福祉・健康、

食品・農業)に対する経営者の理解を深めるとともに、各分野を担う高度な技術者を育

成する。 ・ 産業界のニーズ、産業構造の変化、ICTとものづくりの融合の進展など、ものづく

りを取り巻く環境の変化に柔軟に対応できる人材の育成を図る。 ・ シニア世代のこれまで培われた豊富な知識、経験を活かし、生産現場改善指導者とし

ての育成・活用を図る。 ・ 労働者や企業経営者が自らの能力等を高めるための自己啓発の機会を提供していく。 ・ 異業種との交流を促進することにより、若手人材の向上心を喚起するとともに、新た

なビジネスの創出につながる業種の枠にとらわれない発想力等の向上を図る。

【基本的考え方】 ・ 就職前(小学生~大学生)から就職後(新入社員~経営者)まで、ライフステージに応じ

た人材育成を進めるとともに、就業後の人材を中心にグローバル化の更なる進展など社会経

済状況の変化及び産業界のニーズを的確に踏まえた戦略的な人材育成を教育機関、産業支援

機関等と連携し進めていく。 ・ 本県のものづくり産業の持続的な発展に向け、成長期待分野への参入や競争力の強化を図

る上で必要な人材の育成、本県の強みである高い技術・技能を承継し将来を担う若手技術者

の育成、職業訓練の実施等により、ものづくり産業を支える人材を育成していく。 ・ 商業・まちづくり、観光を支える人材についても、それぞれに求められる能力の習得に向

けた取組みを促進するとともに、より効果的な人材育成の仕組みづくりや、人材のネットワ

ークづくりについても支援していく。 ・ 業種にとらわれない新たなビジネスを発案し実践する能力を備えた若手人材等の育成を図

っていく。

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・ 工業技術センターにおける高度研究人材の育成に向けたORTの実施(再掲) ・ (公財)山形県産業技術振興機構による技術研修の実施(再掲)

・ 生産現場の徹底したムダ取りや生産ライン・生産方式の変更への対応等、「生産改善アド

バイザー」や「ものづくりシニアインストラクター」等の専門家による経営改善や生産効率

改善への支援(再掲) ・ 県立職業能力開発施設における企業ニーズを踏まえた多様な在職者訓練の実施

◎ 若年技術者の育成強化及び技術の承継

≪主な取組内容≫ ・ 県立職業能力開発施設と専門高校が連携した高校生の技能向上の支援 ・ 「ものづくりヤマガタ情報サイト」の拡充による、若者や女性等をターゲットとした本県

製造業の魅力発信の強化(再掲) ・ 「やまがた技能五輪・アビリンピック2016」参加に向けた選手育成を行う団体等に対

する支援 ・ 技能グランプリ等の大会入賞者による企業・高校等での技術指導 ・ ものづくりマイスター等による企業・高校等での実技指導(再掲)

・ 県立職業能力開発施設における企業ニーズを踏まえた多様な在職者訓練の実施(再掲)

◎ 職業訓練の実施・支援

(施策の展開方向)

・ 労働者個々人の主体的なキャリア形成への取組みを支援するため、労働者の持つ技能の

客観的な評価制度を実施する。 ・ 企業が求める人材を育成するため、労働者の能力開発やキャリア形成のための積極的な

取組みを支援する。 ・ 地域産業のニーズに対応し、県立職業能力開発施設において実践的技術者等を育成する

機能の充実を図っていく。(再掲)

(施策の展開方向)

・ 就職前の若者やその保護者に対して、教育機関とも連携しながら、ものづくりのやり

がいや県内企業の優れた製品、高い技術等の魅力を伝え、若者をものづくり産業へと導

く取組みを行っていく。また、県内企業で女性がいきいきと働く姿などの情報を発信し

て、女性の県内ものづくり企業への就職を促進する。 ・ 「やまがた技能五輪・アビリンピック2016」の開催を契機とし、若手技術者の育

成を強化するとともに、幅広く技能の振興・啓発を図る。 ・ 熟練技術者が持つ優れたものづくり技術の次代を担う若年技術者への承継を支援して

いく。 ・ 就業後における能力向上を図るため、業務内容等に応じて必要な知識・技術が習得で

きる機会を提供していく。

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≪主な取組内容≫ ・ 技能検定の実施 ・ 労働者の能力開発やキャリア形成を図るための認定職業訓練を実施する団体への支援

・ 県立職業能力開発短期大学校(産業技術短期大学校及び同庄内校)、県立職業能力開発校

(山形職業能力開発専門校及び庄内職業能力開発センター)における、技術動向や地域産業

のニーズを踏まえた高度又は専門分野の職業訓練の実施(再掲) ・ 訓練課程の充実や高等教育機関との連携・協力などによる県立職業能力開発短期大学校の

人材育成機能の強化

◎ 科学技術の発展を担う人材育成の推進

科学コミュニケーター32

≪主な取組内容≫

・ 科学・ものづくりに触れ合う機会の拡充のための関係機関との連携の推進 ・ 科学コミュニケーターの派遣による科学教室等の開催への支援

・ 産業科学館を活用した科学・ものづくりに触れ合う機会の充実 ・ 県内の若手研究者を対象とした山形県科学技術奨励賞の授与

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

成長期待分野への参入や競争力強化に向けたものづくり人材育成の推進

成長期待分野を担う高度な技術者の育成支援

企業経営者等を対象とした研修の実施

工業技術センターにおける 研究開発、共同研究、ORT研修の実施

県立職業能力開発施設における多様な在職者訓練の実施

32 科学コミュニケーター:子どもたちや一般の人々に科学をわかりやすく解説し、科学への認識を深める活動を実施す

る者。本県においては、「サイエンス・ナビゲーター」という名称で、公民館活動やPTA事

業など地域主体の体験型科学教室等に派遣を行う事業を実施している。

(施策の展開方向)

・ 県や教育機関、研究機関、産業界、地域コミュニティ等が連携しながら、科学イベント

の開催や科学コミュニケーター32の派遣等を通じて、子どもや若者が県内で身近に科学や

ものづくりを学ぶ機会の拡充を図る。 ・ 県内の優れた若手研究者を表彰することにより、その研究意欲の向上を図り、本県の科

学技術を担う若手研究人材の育成に繋げていく。

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

若年技術者の育成強化及び技術の承継

「やまがた技能五輪・アビリンピック2016」参加に向けた選手育成を行う団体等に対する支援

技能グランプリ等の大会入賞者による企業・高校等での技術指導

ものづくりマイスター等による企業・高校等での実技指導

職業訓練の実施・支援

技能検定の実施

認定職業訓練を実施する団体への支援

県立職業能力開発施設における技術動向や地域産業のニーズを踏まえた高度又は専門分野の職業訓練の実施

科学技術の発展を担う人材

育成の推進

科学・ものづくりに触れ合う機会の拡充のための関係機関の連携推進、科学イベント開催や科学コミュニケーターの派遣による科学教室の開催

産業科学館を活用した科学・ものづくりに触れ合う機会の充実

県内の若手研究者を対象とした山形県科学技術奨励賞の授与

(2)商業や観光等を支える人材の育成

◎ 商業・まちづくりを支える人材の育成

育成訓練に係る 材料費等の助成

技能検定課題等をテーマに、ものづくりマイス

ターを始めとした熟練指導者による実技指導

認定職業訓練を実施する企業等に対する、訓練

実施費用及び施設・設備整備費用の一部助成

産業科学館での科学やものづくりに関する イベント等の開催

科学教育関係機関の連携会議の開催

科学イベントの実施 サイエンス・ナビゲーターの育成・派遣

(施策の展開方向)

・ 人材育成のスキルと専門性を備える大学や、まちづくりの実践家、多様な分野の専門

家、異業種に携わる者たちが連携して、商店街やまちづくりを支える人材を育成する。

・ 伝統的工芸品産業の産地の維持と発展を図るため、後継者の確保や若手従事者の育成を

図っていく。 ・ 異業種との交流を促進することにより、若手人材の向上心を喚起するとともに、新た

なビジネスの創出につながる業種の枠にとらわれない発想力等の向上を図る。(再掲)

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≪主な取組内容≫ ・ 国の事業の活用による、商店街の活性化を中心となって推進できる人材の育成(再掲) ・ 県内大学の教員や学生、まちづくりの実践者等を対象とする研修会・交流会等を通じた、ま ちづくりを支える人材の育成とネットワークの形成(再掲)

・ まちづくりサポーターによる地域のまちづくり活動への支援を通じた担い手の育成(再掲) ・ 伝統的工芸品産業の産地組合が実施する後継者を確保し育成するための事業や、若手従事

者等に対する伝統技術の承継及び向上のための研修等への支援の充実

◎ 観光地の中核的人材の育成

≪主な取組内容≫ ・ 「山形観光アカデミー」のカリキュラムの充実・強化による、観光産業を支える人材の意

識向上やスキルアップ、人的ネットワークの形成に向けた支援(再掲)

・ 観光産業をけん引していく人材の育成のあり方や方法等に関する検討(再掲)

・ ランドオペレーターの育成や活用促進(再掲)

◎ グローバル人材の育成

≪主な取組内容≫ ・ 県内大学が行う留学・海外研修事業や社会人向け講座への支援(再掲) ・ 在住外国人を講師として派遣する仕組みの創設など、社会人や大学生向けのグローバル人

材育成事業への支援を強化(再掲) ・ 留学生や海外青年協力隊員OB・OGなどの県内企業における活用の促進(再掲)

項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

商業・まちづくりを支える人材の育成

まちづくりサポーターによる地域のまちづくり活動への支援を通じた担い手の育成(再掲)

伝統的工芸品産業産地組合が実施する後継者確保育成事業、技術承継のための研修等への支援の充実

(施策の展開方向)

・ 海外との取引拡大、海外からの観光誘客などを進める上で求められる海外との経済交

流を担う人材の育成を進めるため、県民の国際理解を促進するとともに、外国語教育等

の充実を図る。

(施策の展開方向)

・ 県内観光地における中核的人材の育成に向けた支援の拡充を図る。 ・ 異業種との交流を促進することにより、若手人材の向上心を喚起するともに、新たな

ビジネスの創出につながる業種の枠にとらわれない発想力等の向上を図る。(再掲)

まちづくりサポーターを委嘱 地域での人材育成活動を支援

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項目 主なもの H27 H28 H29 H30 H31

観光地の中核的人材の育成 観光人材を育成するための研修カリキュラムの充実・強化

グローバル人材の育成 県内大学が行う留学・海外研修事業や社会人向け講座への支援(再掲)

県内大学が行う留学・海外研修事業や社会人向け講座を支援

県内大学との協力関係の構築

観光産業を支える人材の意識向上やスキルアッ

プ、人的ネットワークの形成等の支援

検討に基づく人材育成施策

等の実践 観光産業をけん引

していく人材育成

のあり方等の検討

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5 目標指標

このビジョンの計画期間である5年後の目標を以下のとおり定める。

戦略・分野 指標名 現在の状況 目標値

(平成 31年度)

戦略1 やまがたの明日を切り開く産業の振興

競争力のあるものづく

り産業群の形成 製造業付加価値額

8,264 億円

(平成 25 年) 1 兆 2,500億円

工業技術センターによ

る製品化支援件数

28 件

(平成 25 年度) 50 件

企業立地件数 22 件

(平成 25 年) 25 件

地域づくりと連携した

活力ある商業・まちづ

くりの推進

県の支援による商業・

サービス業の新事業創

出数

- 件

(平成 27 年度より事業実施) 20 件

小売業の1店舗当たり

の年間商品販売額

8,944 万円

(平成 24 年) 9,900 万円

「観光立県山形」の実

現 観光消費額

1,828 億円

(平成 25 年) 2,100 億円

本県産業のブランド力

向上

山形ファンクラブ会員

22,063人

(平成 25 年度) 40,000人

アンテナショップの

来店者数

64 万人

(平成 25 年度) 80 万人

新たな国際戦略の展開 海外取引を行う県内企

業数

191社

(平成 25 年) 240社

県産農産物の輸出量 227t

(平成 25年度)

650t

(平成 28年度)

酒田港国際定期コンテ

ナ航路貨物量

13,799TEU

(平成 26 年) 35,000TEU

戦略2 やまがたの産業を担う

中小企業・小規模事業者

の振興

県の支援による創業件

40 件

(平成 25 年度) 60 件

山形県企業振興公社に

おける商談成立件数

204件

(平成 25 年度) 300件

戦略3 やまがたの産業の源と

なる人材の確保・育成

公共職業紹介による 正社員就職人数

11,248人

(平成 25年度) 14,000人

県による人材育成事業

の受講者数

3,603 人

(平成 25 年度) 4,000 人

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参 考 資 料

1 山形県産業構造審議会委員名簿

2 山形県産業振興ビジョンの策定経過

3 諮問・答申

4 山形県産業構造審議会条例

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1 山形県産業構造審議会委員名簿

(五十音順;敬称略) (任期:平成26年6月1日~平成28年5月31日)

氏名 役職名 備考

委員 秋 保 正 喜 (株)マスコエンジニアリング

取締役

安 彦 宗一郎

アヒコファインテック(株)

代表取締役 部会長職務代理者

飯 塚 博

山形大学

工学部長

会長職務代理者

部会長

池 田 真知子

(株)一久旅館

若女将

石 澤 眞里子

(株)山形電機製作所

代表取締役社長

伊 藤 久 美

まるい食品(株)

代表取締役

大 泉 敏 男

連合山形

会長

是 川 晴 彦

山形大学人文学部

教授

清 野 寿 啓

山形パナソニック(株)

代表取締役社長

相 馬 佳 苗

オフィスK&M

代表

長 智香子 (有)ちょうさん

新 関 さとみ

さとみの漬物講座企業組合

理事長

芳 賀 吉 徳

キューブワン情報(株)

代表取締役

長谷川 吉 茂

(一社)山形県銀行協会

会長 会長

廣 田 良 子

無印良品 七日町・イオン山形北

マネージャー

松 田 眞知子

(株)丸八鉄工所

代表取締役

宮 原 育 子

宮城大学事業構想学部

教授

和 田 弥寿子

和田酒造(資)

研究員

(平成26年6月1日現在)

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2 山形県産業振興ビジョンの策定経過

年月日 実施内容

平成 26年6月 10日

第 1回産業構造審議会

・委員の委嘱

・会長互選、会長職務代理者の指名

・次期産業振興プランの策定の諮問

・策定方針(計画の位置付け、期間、スケジュール等)の決定

・ものづくり部会設置、部会長互選、部会長職務代理者の指名

・本県産業の現状と課題の整理

・次期産業振興プランの全体像イメージの検討

平成 26年8月 26日 第1回ものづくり部会

・本県ものづくり産業の現状と課題の整理

・本県ものづくりの発展方向性及び今後の振興方策等の検討

平成 26年9月 12日 第2回産業構造審議会

・次期産業振興プラン中間とりまとめ(案)の審議

平成 26年9月 16日

平成 26年 10月~11月

商工支援団体等との意見交換会

中小企業との意見交換会(県内8地域)

平成 26年 12月 次期産業振興プラン中間とりまとめ

平成 27年1月7日

第2回ものづくり部会

・山形県ものづくり技術振興戦略(案)の審議

平成 27年2月 10日 第3回産業構造審議会

・次期産業振興プラン答申(案)の審議

平成 27年2月 24日 次期産業振興プラン答申

平成 27年2月 25日

~平成 27年3月 17日

次期産業振興プラン(案)に関する県民からの意見募集(パブリ

ック・コメント)の実施

平成 27年3月 策定

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3 諮問・答申

諮 問

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答 申

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4 山形県産業構造審議会条例

平成7年3月 17日

山形県条例第 16号

(設置)

第1条 商工労働観光部の所掌に係る産業構造に関する重要事項を調査審議させるため、

山形県産業構造審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(職務)

第2条 審議会は、知事の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議する。

(1) 産業構造に関する施策の基本となるべき事項

(2) 産業構造の変化に対応した総合的な施策に関する事項

(3) その他産業構造に関する重要事項

2 審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、知事に意見を述べることができる。

(組織)

第3条 審議会は、委員 30人以内で組織する。

2 審議会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くこと

ができる。

(委員及び臨時委員)

第4条 委員及び臨時委員は、産業構造に関し学識経験を有する者及び関係行政機関の職

員のうちから、知事が任命する。

(任期)

第5条 産業構造に関し学識経験を有する者のうちから任命される委員の任期は、2年と

する。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 臨時委員の任期は、特別の事項に関する調査審議を終了するまでとする。

(会長)

第6条 審議会に会長を置き、委員の互選によって定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員が、

その職務を代理する。

(会議)

第7条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 会長は、前項の会議の議長となる。

3 第1項の会議は、委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数が出席しなければ、開

くことができない。

Page 97: 山形県産業振興ビジョンここに策定する「山形県産業振興ビジョン」では、「不断のイノベーションによる価値の 創造と “やまがた”の価値の発信を力強く推進し

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4 審議会の議事は、出席した委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数で決し、可否

同数のときは、議長の決するところによる。

(部会)

第8条 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員及び臨時委員は、会長が指名する。

3 部会に部会長を置き、その部会に属する委員の互選によって定める。

4 部会長は、部会の事務を掌理する。

5 部会長に事故があるとき又は部会長が欠けたときは、その部会長があらかじめ指名す

る委員が、その職務を代理する。

6 前条の規定は、部会について準用する。この場合において、同条第1項及び第2項中

「会長」とあるのは「部会長」と、同条第3項及び第4項中「委員及び」とあるのは「当

該部会に属する委員及び」と読み替えるものとする。

7 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもって審議会の決議とすることが

できる。

(意見の聴取)

第9条 審議会及び部会は、必要があるときは、委員及び臨時委員以外の者に対し、会議

に出席し、意見を陳述することを求めることができる。

(幹事)

第 10条 審議会に、幹事を置く。

2 幹事は、県の職員のうちから、知事が任命する。

3 幹事は、会長の命を受けて審議会の事務に従事する。

(庶務)

第 11条 審議会の庶務は、商工労働観光部において処理する。

(委任)

第 12条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会

に諮って定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成7年4月1日から施行する。

(山形県企業振興委員会条例の廃止)

2 山形県企業振興委員会条例(昭和 38年7月県条例第 36号)は、廃止する。