17
新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 平成28年12月 新潟県IT産業ネットワーク21(IT21) 0

新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

新潟県内のIT産業の現状と将来要望に関する調査報告書

平成28年12月

新潟県IT産業ネットワーク21(IT21)

0

Page 2: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

IT21では、「調査・提言事業」として「IT産業の振興とIT市場の活性化促進を目的とした調査・研究、およびこれらの成果を踏まえた行政等への提言、意見交換活動を行う。」こととしております。

新潟県IT産業ネットワーク21(IT21)は、新潟県内各地域の情報技術(IT)サービス産業

関連団体、IT関連企業を統括し、IT産業の振興と本県におけるIT活用の普及・高度化に資する事

業を実施するためのネットワークです。県内で活動するIT関連4団体(新潟市ソフトウェア産業協議

会、柏崎iTソフトウェア産業協会、特定非営利活動法人上越地域活性化推進機構、妻有ネットフォー

ラム)と、個別会員及び特別会員で構成する連邦型組織です。

IT21について

調査・提言事業について

1

本調査は「調査・提言事業」の一環で、行政等(県、NICO)に対するIT21としての提言をとりまとめることを目的としてアンケートを実施したものです。 報告書は、行政等への提言をとりまとめるにあたり、回答された企業(関連4団体の主要企業を含む)が抱える経営課題等の現状 をまとめ、IT21内で議論するための基礎資料としたものです。

本調査報告書について

Page 3: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

本調査の概略は、次のとおりです。 ○調査対象 IT21会員企業(正会員) 156社 うち、主にソフトウェア開発等の業種を行っている企業を対象 ○調査期間 平成28年7月8日(金)~29日(金) ○有効回答数 19社

調査の概略

2

本調査報告書は、次のように活用してIT21の提言をとりまとめることとしています。 ・本調査報告書を基礎資料として、IT21幹事会にて提言書の第一次案をとりまとめる。

・第一次案に対して、関連4団体に意見聴取し、意見があれば反映し、第二次案を作成する。

・第二次案に対して、IT21全会員に意見聴取し、意見があれば反映し、IT21の提言書として確定させる。

本調査報告書と提言の関係 本調査

(回答企業)

幹事会

関連4団体

総会

本調査報告書

提言書 (第一次案)

提言書 (第二次案)

提言書

意見・まとめ

議論・作成

意見反映

意見反映・決定

Page 4: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

回答企業の概略

5

3 5

3

3 ~1千万円

~2千万円

~5千万円

~1億円

それ以上 14

3

1 1 ソフトウェア業

情報処理サービス業

市場調査等

その他

資本金 業種

従業員数

1 1

8 4

3

2 ~5人

~10人

~50人

~100人

~200人

~500人

正規職員割合

1 3

14

0

2

4

6

8

10

12

14

16

~70%

~80%

~90%

~100%

1 5

7 3

1 1 0

1

2

3

4

5

6

7

8

~10%

~20%

~30%

~40%

~50%

~60%

女性職員割合

3

概要

Page 5: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

自己分析(自社製品・商品)

1

2

3

4

5

機能の独自性

強み(5⇔1)弱み 重要度高(5⇔1)低

1

2

3

4

5

機能の豊富さ

1

2

3

4

5

費用対効果

1

2

3

4

5

UI、 使い勝手

1

2

3

4

5

機能追加、不具合対策頻度

自社製品・商品に関し、「機能追加、不具合対策頻度」の重要性を認識するものの、強みになっていない。

4

12

5

2

無回答

自社開発パッケージソフト等の有無

概要

Page 6: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

自己分析(営業・提案力)

強み(5⇔1)弱み 重要度高(5⇔1)低

営業・提案力は、全体的に、重要である一方で、強みになっていない。また、展示会はあまり重要視していない。

1

2

3

4

5

顧客ニーズ等のヒアリング

1

2

3

4

5

提案内容、 提案書の内容

1

2

3

4

5

プレゼン テーション

1

2

3

4

5

Webによる 広報・宣伝

1

2

3

4

5

展示会における広報・宣伝

1

2

3

4

5

個別訪問による営業・商談

5

概要

Page 7: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

自己分析(ソフト開発力、設計・構築力、マネジメント力)

強み(5⇔1)弱み 重要度高(5⇔1)低

「Webアプリ開発」「モバイルアプリ開発」「サーバ構築」「ネットワーク構築」「プロジェクトマネジメント」の重要性を認識するものの強みになっていない。

6

1

2

3

4

5

基幹業務システム開発

1

2

3

4

5

Webアプリ開発

1

2

3

4

5

モバイルアプリ開発

1

2

3

4

5

組み込みシステム開発

1

2

3

4

5

サーバ構築

1

2

3

4

5

DB構築

1

2

3

4

5

ネットワーク構築

1

2

3

4

5

プロジェクトマネジメント

概要

Page 8: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

自己分析(商圏)

強み(5⇔1)弱み 重要度高(5⇔1)低

商圏として、東京以外の「関東圏」、「その他大都市圏」、「新潟県内」の重要性を認識するものの強みになっていない。

7

1

2

3

4

5

東京

1

2

3

4

5

関東圏

1

2

3

4

5

新潟県内

1

2

3

4

5

地元(市町村レベル)

1

2

3

4

5

その他 大都市圏

1

2

3

4

5

近県

概要

Page 9: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

経営戦略と課題

戦略実現のための経営課題

うち、自社単独での解決が難しい経営課題

8

1 3

13

1 現状維持

市場浸透

新製品・サービス

開発

多角化

製品・市場戦略 ・商圏・販路の拡大、新規顧客の獲得(8) ・新技術の習得・新規分野の立ち上げ(5) ・製品の機能強化(3) ・マーケティング・営業力の開発(2) ・提案力の再強化(1) ・コンサル人材の確保 (1) ・人材の確保(1) ・自社製品の見直し(1) ・現行事業の安定的継続(1) ・ニアショア開発事業の戦略策定(1) ・他社(特に異業種)との協業(1) ・提携・協業先との競合解消(1) ・サービスコスト競争力の確保(1)

()内は意見数

・人材の確保、育成(4) ・マーケティング力強化(2) ・ネットワーク力強化 (1) ・営業力強化(1) ・新技術の習得(1) ・ニュービジネス進出のための他社との協創 (1) ・グループ会社と外販の両立(1) ・グループ会社間の役割分担(1)

多くの企業が「新製品・サービス開発」を経営戦略として掲げる。一方、自社単独での解決が難しい経営課題として、人材の確保、育成、各種の能力構築等が挙げられている。

戦略と課題

Page 10: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

最新技術等への関心、活用状況

9

関心あり

既に活用

今後活用 0

2

4

6

8

10

12

14

1613

6

16

12

4

16

12

9 9

3

10

5

8

6

1

3 3 4

6

関心が高いキーワードとして、IoT、ビッグデータ解析、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、SDN(Software Defined Network)が挙げられる。クラウドコンピューティングは活用が進んだが、IoT、ビッグデータ解析、人工知能は、まだ活用できていない。

戦略と課題

Page 11: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

認識している課題

10

人材

人材の確保(15) (うち新技術関連)(2) 人材育成(13) 高齢化(4) (うち知識・ノウハウ継承)(1) 人材の定着化(1)

資金

資金調達(手段)(4) 資金繰り(1) 研究開発資金、補助金の活用(1) 課題の優先度決定(1)

()内は意見数

専門知識・ノウハウ

最新技術への対応(6) アイデア創出(6) 専門知識、専門技術(2) 専門外(ハードウェア)対応(2) マーケティング(1) グローバルスタンダードへの対応(1)

チャネル

新規顧客、パートナー開拓(6) 顧客ニーズ発掘(3) 販売先の確保(3) 異業種企業との関係構築(1) 新市場に切り込む人材(1) 販売方法(1)

多くの企業で、人材の確保、人材育成、最新技術への対応、アイデア創出、新規顧客・パートナー開拓を課題として認識している。

戦略と課題

Page 12: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

支援策

11

必要とする支援策

最新のIT技術・スキルを県内で学べる場(5) 他業種とのネットワーク、ビジネスマッチング(4) イノベーション創出のための取り組み(2) 資金援助(2) 新技術習得(補助金)(1) 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) PL、PM候補者向け研修(1) IT人材とのマッチング(1) ハードウェア関連企業の紹介‘(1)

新潟県内IT産業発展へ向け必要と思うこと

()内は意見数

自社製品・サービス創出の文化、体制の構築(2) ビジネスマッチングの場(2) 業種を超えた「産」・組織を超えた「官」・枠にとらわれない「学」の連携(2) 首都圏からの受注(2) 受注しやすい規模の分業体制の構築(1) ソフトウェアパーク構想(1) テストプロジェクト(助成)の拡充(1) 新潟の特徴×ICT(酒造、食、福祉)(1) 新卒者地元就職の支援(1) IT人材の採用、育成(1) 技術動向、ビジネス、消費動向の情報提供(1) ユーザーへの啓発活動、理解促進のためのパンフレットの作成(1)

最新のIT技術やスキルに触れる機会、他業種とのネットワーク構築やビジネスマッチングの機会を求める声が大きい。 また、県内IT産業を発展させるためには、このほか、高効率な受注の体制構築や、新潟県ならではの特徴ある取り組みを望む声も挙げられている。

支援策

Page 13: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

人材の確保

12

()内は意見数

男性

理系 52.2%

男性

文系 15.7%

女性

理系 8.2%

女性

文系 23.9%

うち Uターン採用 13.8% Iターン採用 4.4%

新たな取り組み インターンシップの利用・検討(3) 県と一緒にUIJターン促進の検討(2) 東京の大学での説明会 (1) 中途採用の申請強化(ハローワーク)(1) 新規採用の再開(1) 職種別採用、紹介会社の利用(1) 就職説明会の積極的活用(1) 大学の学部・研究室への直接募集(1) プロフェッショナル人材の募集(1) 紹介動画の作成(1) 低学年学生へのアプローチ(1)

大学院卒 6.9%

大学卒 31.4%

短大卒 0.0%

専門

学校卒 10.7%

その他 3.1%

中途採用 25.8%

フルタイム 7.5%

パート

タイム 11.3%

派遣社員 3.1%

正規雇用職員 78.0%

新規採用(FY27)の状況 課題

人材確保そのもの(8) 希望するレベルの人材確保(6) 知名度不足(4) UIJターン人材の不足(3) 年度によるばらつき(1) ワークライフバランス(1) 応募する大学等の固定化(1)

希望に沿った人材の確保や、企業の知名度向上のための取り組みが必要。

人材の確保、育成

Page 14: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

人材育成

13

新卒採用者への教育

3 3 4

42.8

38.4

54.5

39.0

2 8 3 6

ビジネスマナー・コンプライアンス教育 グループ集合教育 情報セキュリティ IT基礎 プログラム開発 システム開発 ハードウェア系開発研修 ネットワーク系研修 WEB・DB系研修 ヒューマンスキル研修

数字は回答企業の平均 (単位:日)

0102030405060708090

100

020406080

100120140160180200

社員研修(全体)の内容

社員研修(全体)の受講形態

各社必要となる研修は様々であるが、内容によっては、県外での受講や、社内に外部講師を招へいしたり、場合によってはeラーニングも活用している。

(単位:人)

(単位:人)

人材の確保、育成

Page 15: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

今後のIT人材育成のあり方

14

経費 受講料が高額(4) 首都圏での受講は経費がかかる(3) どこで何があるか把握しづらい(1)

時間

連続(3日)の研修は厳しい(4) 新潟市の開催で参加しづらい(1) 内部講師の工数がかなりかかる(1) 毎年同じ時期(繁忙期)に実施され、受講しにくい(1)

()内は意見数

必要なスキルが一般的な研修で習得できない(2) 実践型の研修をもっと増やしてほしい(1) テクニカルスキルで汎用的な研修は一定の期間が必要で受講困難(1) 新潟市の開催で参加しづらい(1) システム監査の資格取得者向けの研修がない(1) DB研修コースがなくなった(1) 誰もが学ぶべき普遍的な研修をやって欲しい(1) SEリーダ、PMの育成(1) PMPの資格取得(1)

内容

外部研修をもっと活用したい(1) AIに関わる技術のハンズオントレーニングに参加したい(1) Web形式での受講形態が進めばよい(1) 自主的に学ぶ人材育成の仕組みを検討中(1)

その他

人材育成について、経費は安く、受講日が連続しない研修が望まれている一方で、実践型研修の拡充や、特別な研修を望む声もある。 また、新潟市から遠方の企業からも受講しやすい研修を望む声もある。

人材の確保、育成

Page 16: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

NICO高度IT人材育成研修について

15

NICO高度IT人材育成研修 今後の必要性

不満

必要 13

不要 0

無回

答 6

【理由】 コスト(費用・時間)(11) まだ利用が進んでいない(3) 県内だから(2)

より安価に(助成金等活用)(2) 上越、中越地域での開催(2) 講師派遣のメニュー(1) SEリーダやPMの実践研修(1)

受講

する 10 受講

しない 3

無回

答 6

受講料値上げの場合の 受講可能性

県内他団体、県外で受講を検討(9) コストが上昇し厳しい(4) 内容によっては値上げしても受講(3) 人数を絞る(3) eラーニング、通信教育の活用(3) 受講者が多いものは講師を招く(1) 社内教育体制の強化(1)

当該研修がなくなった場合の可能性

NICO高度IT人材育成研修は、コスト面から今後も必要性が高い。 研修内容により値上げしても受講するとの声もある。当該研修がなくなった場合の影響(受講人数を絞ったり、場合によってはeラーニング等を活用したり)は大きい。

人材の確保、育成

Page 17: 新潟県内のIT産業の現状と将来要望に 関する調査報告書 · 営業、マーケティングのスキルアップ研修等(1) pl、pm候補者向け研修(1)

総論・課題

16

【新潟県IT産業の状況】 ITを活用した技術革新が急速に進み、産業のみならす社会全体をITが大きく変えようとしている。 IDC Japanが2016/1/13に発表した「国内IT市場 地域別予測」によると、東京をはじめとする大都市圏のIT投資が増える中、新潟県を含む北陸/甲信越地域におけるIT投資の前年度比成長率は 年々減少し、2018年以降はマイナスに転じることが予想されている。 このような中、新潟県のIT産業は、県として下請け構造からの脱却を図り高付加価値型産業への転換を目標に、主体的な自社製品・パッケージ製品開発を促進するための施策を実施してきたが、デジタルビジネス時代へ向けた意識(マインド)の転換やビジネスにおける実践も充分進んでいるとは言えない。

【まとめ】 前述の課題を解決し、県内のIT産業を発展させるとともに県内企業のIT経営や最新技術導入による効率化・高度化を促進することにより、魅力ある企業を育て、県内産業の発展に寄与することが期待される。

【新潟県IT産業の課題】 1.ビジネスマッチング 他業種とのネットワーク構築やビジネスマッチングの機会 2.人材の確保・育成 最新技術への対応・アイデア創出、営業・提案力の強化向上 希望する人材の確保やそのための企業の知名度 3.新潟県ならではの取り組み 新潟県の特徴×ICT(酒造、食、福祉)など 4.最新技術情報の入手及びその活用 IoT、ビッグデータ解析、人工知能(AI) など