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2018 4 日立SDGsレポート 2030年に向けた日立のサステナビリティへの取り組み

日立SDGsレポート ー2030年に向けた日立のサステ …...2018 年4 月 日立SDGsレポート ー2030年に向けた日立のサステナビリティへの取り組みー現在そしてこれからも、日立は幅広い事業活動を通じて、社会や環境の課題解決

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2 0 1 8 年 4 月

日立SDGsレポート ー2030年に向けた日立のサステナビリティへの取り組みー

 現在そしてこれからも、日立は幅広い事業活動を通じて、社会や環境の課題解決に大きく貢献し、包摂的・共生的に、そして活気あふれる世界の構築をめざします。そのために、私たちがもつ革新的なソリューションを社会に提供し、パートナーやステークホルダーとの協創をさらに推進します。同時に、人々や地球環境に与えるネガティブインパクトを軽減し、緩和するために責任ある企業活動を行い、「持続可能な開発目標(SDGs)」などの国際的な目標達成に積極的に貢献していきます。 これが日立の考える「サステナビリティ」です。

日立の経営戦略と「持続可能な開発目標(SDGs)」

事業戦略で貢献する目標

お客様との協創によるイノベーション

誰もが暮らしやすいまちづくり

地域に根ざした水環境ソリューション

持続可能な社会を支えるエネルギー

新たな価値を生み出す金融サービス

健康で安心して暮らせる社会の実現

企業活動全体で貢献する目標

環境戦略

人財への投資

持続可能なバリューチェーンの構築

ダイバーシティ&インクルージョン

お客様との協創

人権の尊重

2030年に向けて

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経営者メッセージ

目次

執行役社長兼CEO

1

日立の経営戦略と「持続可能な開発目標(SDGs)」

 国連は2015年、貧困や不平等、不公正の撲滅、気候変動への対応など2030年までに達成すべき17の目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択しました。SDGsは単なる期待目標ではなく、世界中の企業、政府、地域社会に対し広く協力を求め、人類と地球の繁栄の実現をめざす具体的な行動計画です。 世界では今、SDGs達成とより良い世界の構築に向けて、企業が長期的視点に立った枠組みを策定し、積極的にサステナビリティを推進することが期待されています。

日立はSDGsのすべての目標の達成に対して直接的、間接的に貢献

企業活動全体で貢献する目標

事業戦略で貢献する目標

2

日立とサステナビリティ 創業以来100年を超える日立の歴史は、創業者・小平浪平の「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念の上に築かれています。日立は、社会が直面する課題に対応した製品やサービスの提供を通じて、企業理念が掲げる使命を果たしてきました。日立の「企業理念」と「日立創業の精神」は100年以上にわたり今日まで大切に受け継がれています。 こうした理念のもと、日立は社会イノベーション事業を積極的に推進しています。日立の強みであるOT(Operational Technology、制御・運用技術)、IT、プロダクト・システムの3つを融合させた社会イノベーション事業を通じて、今日、社会が直面している課題に応えるとともに、Quality of Lifeを向上させることで、持続可能な社会の実現に貢献します。

日立とSDGs 日立は、社会イノベーション事業において「電力・エネルギー」「産業・流通・水」「アーバン」「金融・社会・ヘルスケア」の4つを注力事業分野として展開しています。また、社会イノベーション事業を通じた価値創出をめざし、お客様のバリューチェーンをつなぎ経営課題を解決するIoTプラットフォームLumadaを提供しています。 日立の事業分野は多岐にわたり、SDGsの達成に幅広く貢献できます。2017年度には、執行役社長兼CEO 東原敏昭を議長とする「サステナビリティ戦略会議」において、SDGsの17目標とそれぞれにかかわる事業が及ぼすリスクと機会について検討し、日立の事業戦略を通じて達成に大きく貢献できる目標を17の中から5つ特定しました。 また、企業活動全体で貢献すべき目標としてSDGsから6つの目標を特定しました。この6つの目標は日立の事業・経営戦略すべてに関係しており、企業として長期的なサステナビリティに影響を与えるものであると考えます。 SDGs全17目標のうち上記を除く残り6つのSDGsに対して、短・中期的にどのように貢献できるかという点について、さらに検討していきます。日立は、SDGsのそれぞれの目標は相互にかかわっていると理解しており、SDGsの17の目標すべての目標達成に向けて、直接的、間接的に貢献していきます。

グローバルにおける産業用IoT市場規模

事業事例

事業戦略で貢献する目標

お客様との協創によるイノベーション目標9:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る*

* 目標の日本語訳は国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所による(以下同)

 目標9の達成に向けては、さまざまな産業分野においてかつてないスピードでデジタライゼーションの進展がみられ、全世界にポジティブな影響を与えています。IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、AI(人工知能)を活用して、産業界はさらに効率性を高め、持続可能なものへと変貌を遂げつつあります。 日立は、OTとITの融合により、End to Endのバリューチェーン全体の情報を見える化・共有し、設計から調達・製造・流通・販売・物流・保守に至るまで、これまでの個別最適化ではなく全体最適化を実現します。

 環境保護、経済発展、社会的安定を推進させる主軸となるのが、持続可能な産業の発展です。効率性を高めてエネルギー消費量を削減した産業やサービスは、資源への依存度を下げ、環境への影響を最小化することができます。強靭なインフラネットワークの構築は、資材や労働力の可動性を高め、公平な富の分配と社会流動性の促進に貢献します。

 日立はOTとITを兼ね備えた数少ないグローバル企業の一つです。日立自身が製造業として、またお客様のニーズに応えて磨いてきた現場を動かすOT、データを分析・活用して経営を支援するIT、そしてこれらを支えるプロダクトを強みに、IoTプラットフォームLumadaをコアにしたデジタルソリューションを提供し、お客様の直面する課題解決と競争力向上に貢献しています。 日立はさらなる価値を創造するIoT時代のイノベーションパートナーとして、幅広いお客様との協創により、お客様とともに成長していくことをめざしています。

 日立が事業戦略で貢献する5つの目標は、社会イノベーション事業の注力4事業分野「電力・エネルギー」「産業・流通・水」「アーバン」「金融・社会・ヘルスケア」に密接に関連しています。それぞれの目標達成に向けて取り組むことは日立にとってのビジネス機会であると同時に、事業を通じて社会的価値を生み出すことでもあります。このセクションでは、各目標について今、世界で何が起きているのか、目標達成に向け私たちが担うべき社会イノベーション事業の役割とは何なのか、そして製品やサービスの提供を通して何ができるのかについてご紹介します。

出典:Grand View Research

日立がめざす姿 日立の取り組み

世界で起きていること

IoTを活用したスマートマニュファクチャリング

 空調機器のグローバルリーディングカンパニーであるダイキンは、国・地域をまたいだ生産性や品質のさらなる向上、熟練技能の伝承を重要課題と位置づけてきました。特に、空調機器内部には、冷媒が通る銅管が詰まっており、熱に弱い銅管を接続するにはろう付けと呼ばれる技能が必要ですが、テキストや実技だけでは伝わらない要素も多く、効率的な技能伝承が困難でした。そこで日立は、Lumadaを活用し熟練技術者と訓練者の技能をMan(人)・Machine(設備)・Material(材料)という3Mの観点から定量的に評価できる、ろう付け技能訓練支援システムを開発しました。このシステムは、2017年10月にダイキンの滋賀製作所ですでに運用開始され、今後ほかの国内拠点や海外拠点でも順次展開する予定です。

• 熟練技術者の作業をデータとして収集し、訓練者の作業と比較することで訓練者の改善点の把握を実現• これまで難しいと思われてきた分野において、効率的な技能取得が可能となり、訓練時間の短縮に寄与

事業インパクト

背景

1兆5,000億ドル

1,000 億ドル

3

日立が貢献しうる市場(2016年)

グローバル市場(2030年)

誰もが暮らしやすいまちづくり目標11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

 2030年には世界人口の約60%が都市に集中すると予測されています。土地は高騰し、都市部の生活は今まで以上に気候変動や、不充分な都市計画による社会的な影響を受けると考えられています。イノベーションを生み出す場として、また、持続可能な開発のキードライバーとして都市が注目される中、世界各地の都市空間をすべての人にとって安全で暮らしやすく、また、レジリエントなものにするため、効果的な取り組みが求められています。

スマートシティ市場規模

出典:Frost & Sullivan

4

世界で起きていること

 英国の都市間高速鉄道計画「IEP」を通じ、日立は従来の車両と比較して旅客輸送能力、信頼性、保守性および環境面で大幅に進化させた新型車両866両を納めています。また、運行時間も短縮され、都市間コネクティビティも改善されます。

• 地域やまちをつなぐことによる経済効果の創出• 環境にやさしくメンテナンス効率の高い鉄道車両• サプライチェーンを通じた、英国内における熟練技術者の育成および長期雇用の創出

事業インパクト

英国における鉄道システムの更新プロジェクト背景

 私たちは、快適なまちづくりを進めることで、そこに住み、働く人々にとって理想的な環境を提供することをめざしています。日立は、スマートシティ・イニシアティブを通じて、都市化がもたらすさまざまな課題の緩和、コスト削減、資源依存の軽減を支援していきます。こうした取り組みは経済面や環境面でのメリットにとどまらず、人や社会の安全性や快適性を高めたり、ストレスを軽減したり、余暇をより有意義に過ごせたりするようになるなど、社会面においても大きな効果をもたらします。 こうした中、私たちは、すべての都市の発展にとって、交通システムが大変重要な役割を担うものと考えています。交通システムの革新、コネクティビティの改善により、人々の生活をより豊かにできるものと考えており、その実現に向け、私たちはお客様やパートナーとの協創を推進していきます。

 鉄道の総合システムインテグレーターとして、日立は先進的な情報技術と制御技術を活用した、安全で信頼性の高い、革新的な鉄道ソリューションを提供することで、人と人をつなぎ、コミュニティの活性化、都市の発展に貢献します。こうしたものには高速車両や無人運転技術、予知保全、ダイナミックヘッドウェイ*ソリューションなどがあります。 また、真に包括的なモビリティシステムの実現に向けて、日立はEV(電気自動車)関連の技術開発にも取り組んでおり、快適な乗り心地、安全性の向上、渋滞の緩和、環境負荷の低減をめざしています。* ダイナミックヘッドウェイ:リアルタイムな旅客需要に応じ列車の運行本数を自動で最適化するソリューション。旅客満足度の向上および省エネやコスト削減を実現します。

日立がめざす姿 日立の取り組み

事業事例

日立が貢献しうる市場(2017年)

グローバル市場(2030年)

2兆8,000億ドル

1兆1,000 億ドル

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事業事例

地域に根ざした水環境ソリューション目標6:すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

 水は人々の社会生活に欠かせないものであり、送配水・水処理・水管理などが重要な役割を果たしています。日立は、上下水道事業体をはじめとして官民と協力して持続可能な水インフラを開発することで、効率的な水運用および水資源の適切な利用を実現し、すべての人々が安全・安心な水にアクセスできるように努めます。

 水は、人の生存と地球の存続には欠かすことができないものの一つです。水質、水の持続可能性、衛生管理、衛生へのアクセスは、持続可能な発展の中核をなしています。水ストレスは現在、社会に影響を及ぼす5大グローバルリスクの一つとみなされています。9人に1人は安全な水へのアクセスができず、都市化と産業化の進展が水不足を悪化させています。そして、効率的に水と衛生の管理を徹底するには、ステークホルダー全員の協力が不可欠です。

 日立は長年にわたり、水インフラ事業に取り組んでいます。幅広い実績と最新の技術を用い、水処理施設の監視制御や運転管理などを担うOTと、IoTや解析技術を用いた広域水運用などに代表されるITの両システムを融合して、浄水場、下水処理場および水の再利用設備といった重要インフラ施設を含めた、水環境トータルソリューションを提案します。 世界の国や地域が、それぞれ異なる水問題を抱えている中、日立は、地域のニーズに合わせたソリューションの設計、提供、および有効性の監視を実施していきます。日立の統合システムは、リアルタイムデータを水運用や水処理制御の効率化や最適化などに用いることで、さまざまな課題の解決に貢献していきます。

水市場の規模支出額

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿 日立の取り組み

世界で起きていること

「RemixWater」による水ソリューション事業のグローバル展開

 日立の「RemixWater」は、海水淡水化と下水再利用のプロセスを統合した工業用水や生活用水向け(飲料水レベル)の新しい省エネルギー・低環境負荷型の造水システムです。「RemixWater」は2016年、南アフリカ共和国第3の都市ダーバンで工事を開始、事業期間は4年間を予定しています。(NEDO*実証事業)* NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

• ポンプ消費電力削減(低下)による省エネルギー化• 濃縮水の塩分濃度を下げて環境負荷を軽減• 地域の水不足を解消、水不足に苦しむ地域への本格展開

事業インパクト

背景

日立が貢献しうる市場(2017年)

グローバル市場(2030年)

1兆2,000億ドル

3,000 億ドル

6

事業事例

持続可能な社会を支えるエネルギー目標7:すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

 日立は、再生可能エネルギーを安定的かつ効率的に供給することが、より豊かで持続可能な未来をつくる上で重要なことの一つであると考えます。 私たちは、エネルギー供給と地球温暖化対策のために、エネルギーバリューチェーンにおけるすべてのお客様との協創によるソリューション提案が有効だと考えています。

 生産から消費に至るまで、日立はお客様のエネルギーパートナーとなるための取り組みを推進しています。風力、太陽光といった再生可能エネルギーをはじめ、あらゆる資源からクリーンなエネルギーをつくり出し、安定的で持続可能な電力供給を図っています。環境長期目標「日立環境イノベーション2050」の取り組みの一環として、大型の風力発電システムによるCO2排出量の削減、グローバルなエネルギーミックスにおいて再生可能エネルギーの割合の拡大目標達成に貢献します。 また、日立のスマートエネルギーは最新テクノロジーと社会イノベーションを融合したインフラであり、デマンドレスポンスからマイクログリッド、バーチャルパワープラントに至るまで、エネルギーが必要なときに効率的に提供されるような革新的なソリューションを提供します。

世界の再生可能エネルギー投資額

出典:国際エネルギー機関(IEA)

日立がめざす姿 日立の取り組み

クリーンな風力発電

 日立では、従来の2MWクラス風力発電システムに加えて、2015年に洋上発電所向けの5.2MWの大型ダウンウィンド型風力発電システムを開発しました。また、2016年には翼長を伸ばすことで受風面積を拡大し、年間平均風速7.5m/s未満の低風速地域でも発電量を増加できるHTW5.2-136をラインアップに加えました。これによりお客様の幅広いニーズに対応し、今後も拡大が見込まれる風力発電システム市場で積極的に事業を展開していきます。日本国内では、これまで280基を受注し、180基が稼働中です。日立は、社会インフラを支える電力システムの提供を通じて、低炭素社会の実現に貢献していきます。

• 従来機に比べ、受風面積を15%拡大• 低炭素発電システムの事業展開• 風力発電システム1基につき年間4,837tのCO2排出量削減を実現

事業インパクト

背景

世界で起きていること エネルギーは現代社会になくてはならないものです。エネルギーは単に技術の発展を促進するというだけではなく、グローバルでのコミュニケーションや、ヘルスケアサービス、輸送システムの相互乗り入れなど私たちの暮らしを支えるサービスを提供してくれます。しかしながら、まだ世界中で10億人もの人々が電気を利用できていないという現実があります。さらに、世界中に供給されるエネルギーの多くは、CO2排出量の多い炭素資源によるものであり、労働力への依存度が高いのが現状です。

日立が貢献しうる市場(2017年)

グローバル市場(2030年)

1兆ドル

3,300 億ドル

7

事業事例

新たな価値を生み出す金融サービス目標9:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

 世界経済の急速な変化により、新しい金融サービスが次々と創出されています。FinTech

は、デジタルバンキングの未来を塗り替え、金融機関のあり方を変えつつあり、機敏性、柔軟性、拡張性を備えた形態へと進化しています。 金融機関における的確な経営判断と顧客満足度の向上には、デジタル化を加速し、入手した情報を最大限に活用することが求められます。 日立はIoTやAI、ビッグデータ解析といった技術を通して、サービスの差別化や業務上の意思決定の支援など、金融サービスの活性化や高度化を推進します。

 日立はお客様のインフラの刷新、業務の合理化、生産性の向上を実現します。IoTプラットフォームLumadaにより、時間、エネルギー、コストを削減するオープンイノベーションを推進しています。 日立は、ビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどにかかわる技術開発を推進し、FinTechをはじめとする金融イノベーションに積極的に取り組んでいます。Lumadaを活用して、すべての人にとって利用しやすい金融サービスを提供するべく着々と変革を進めています。 お客様との協創は、お客様だけでなくその先の利用者にとっても、より効率的で、コンパクトかつ安全な金融ネットワークを創出します。日立は、今後もFinTechを活用して、世界の金融機関の利用者の利便性を高めることのできる革新的な金融サービスを提供していきます。

デジタルファイナンスのGDPへのインパクト

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿 日立の取り組み

金融機関との協創によるサービス創出銀行AIやビッグデータなどのデジタル技術を活用したサービス・ 中小企業向けレンディング(資金調達支援)サービスの提供・ 融資審査サービスの改善・ 最新ビジネスマッチングサービスに対するPoC*検証* PoC:Proof of Conceptの略。新たな概念やアイデア実現の可能性を確かめるために実施する、簡単または部分的な試行

ブロックチェーン分野での取り組み・ ブロックチェーン技術の利用環境を提供するクラウドサービス・ サプライチェーン領域におけるブロックチェーン技術の活用に関する共同実証

保険医療ビッグデータ分析で、生命保険の加入範囲拡大に向けた取り組みを実施

証券AI適用による証券業務(売買審査、貸株取引)の効率向上

9兆2,000億ドル

世界で起きていること 包括的で持続可能な経済成長を達成するには、個人、企業ともそれぞれの目的や状況にあった金融サービスが利用できなければなりません。開発途上国では、口座開設に伴う費用、手続き、銀行までの距離といった理由から従来のサービスを利用できるのは少数の人に限られていましたが、コネクティビティの向上、携帯電話の普及に伴い、より多くの人々が金融サービスを利用できる機会が拡大しつつあります。金融サービスをめぐる環境の変化を踏まえ、誰もが利用しやすく柔軟性の高い革新的なシステムを開発し、新たな課題と技術的進歩に対応していく必要があります。

融サービスが利用できなければなりません。開発途上国では、口座開設に伴う費用、手続き、銀行までの距離といった理由から従来のサービスを利用できるのは少数の人に限られていましたが、コネクでの距離といった理由から従来のサービスを利用できるのは少数の人に限られていましたが、コネク

グローバル市場(2017年)

グローバル市場(2030年)

8,600億ドル

事業事例

健康で安心して暮らせる社会の実現目標3:あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

 日立は日々の社会におけるさまざまな課題を明らかにし、またこれに取り組むことで、人々のQuality of Lifeの向上をめざしています。この取り組みの中で、ヘルスケアは社会を支える必要不可欠なインフラと位置づけられます。われわれは、世界のすべての人がスマートユニバーサルケアを享受できるような次世代システムを創出し、ヘルスケア分野において大きな変化を起こしていくことが必要だと考えています。 この実現には、ヘルスケアにおける社会イノベーションとデジタル化が鍵となります。デジタル技術、IoT、高度な解析技術の融合は、費用対効果の高い次世代ヘルスケアを支える医療イノベーションをもたらすことができます。

 人々の健康は、豊かで持続可能な社会の基盤となるものです。人間の寿命は世界的に大幅に伸びています。しかし、疾病の根絶をはじめとした、新旧さまざまな保健分野の課題の解決にはさらなる努力が必要です。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)*を達成するには、世界中のすべての人が最高水準のヘルスケアを享受できるようにしていくという、強いコミットメントが必要です。* ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC):すべての人が生涯を通じて必要なときに基礎的なヘルスケアサービスを負担可能な費用で受けられること

 日立は、画像診断装置や粒子線治療システムなどの医療機器のほか、ITやAIの技術を活用した医療施設運用システムや電子カルテなど、診療や治療をより有用なものとする製品を提供しています。日立はこれらの分野の取り組みを進めることで治療効果の向上に貢献します。

ヘルスケア市場規模

出典:Frost & Sullivan

 日立が開発した術中MRIシステム(iMRI)は、デジタル手術支援ソリューションの中核技術の一つで、手術中に取り残した病変がないか確認ができるようにするものです。ここで用いる永久磁石型オープンMRIは、従来の超電導型高磁場MRIと比べ、ランニングコストを30%削減できるばかりでなく、高画質な撮像ができるという特長があります。その有用性から日立のオープンMRIは広く用いられ、多くの患者が質の高いヘルスケアサービスを受けることができるようになりました。日立はさらなるiMRIの普及をめざし、途上国において医療従事者を対象としたiMRI活用のための運用教育支援も行っています。

事業インパクト

日立がめざす姿 日立の取り組み

世界で起きていること

iMRIを使った外科療法効果の改善

背景• iMRIで撮影した高画質画像により脳神経  外科手術をサポート、生存率の向上に貢献• 低コスト、高効率の手術環境をグロー  バルに提供

日立が貢献しうる市場(2017年)

グローバル市場(2030年)

8

5兆4,000億ドル

4,300 億ドル

企業活動全体で貢献する目標

環境戦略目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

 SDGsを定めた「持続可能な開発のため

の2030アジェンダ」が国連で採択され、

ESG(環境・社会・企業統治)が注目されまし

た。また、意欲的な温暖化対策を盛り込んだ

「パリ協定」が国連気候変動枠組条約第21回

締約国会議(COP21)で採択されて、気候変

動への対策が活発化しています。このような

中で、企業や産業界に対する社会の期待が

高まっており、日立も優れた製品、OTとITを

融合した社会イノベーション事業を通じて

世界的な環境課題解決に貢献していきます。

 日立は2016年9月、環境長期目標「日立環

境イノベーション2050」を発表しました。こ

の日立がめざす社会である「低炭素社会」

「高度循環社会」「自然共生社会」の実現に向

け取り組んでいきます。

 日立はSDGsが掲げる17目標のうち、企業活動全体で達成に取り組む目標として6つを特定しています。これらはステークホルダーの日立への期待であり、社会に対して果たす責任であると認識しています。また、日立にとっても持続可能な経営の実現に影響するため、重要だと考えています。 このセクションでは、事業戦略で貢献する5つの目標と同様に、世界で起きていること、日立がめざす姿を説明し、ケーススタディでは日立の具体的な取り組みを紹介します。

日立がめざす姿世界で起きていること 気候変動は、産業界全般において持

続可能性にかかわる重要課題です。気

候変動は世界中すべての国の経済や

人々の生活に大きな影響を与えます。

現状を放置すれば、未来に向けた成長

を阻害するだけでなく、これまでに築

かれた進歩をも崩壊しかねません。ま

た、食糧や水の不足といった脅威が深

刻化する可能性があります。

9

低炭素社会をめざすために 高度循環社会をめざすために 自然共生社会をめざすために

自然資本へのインパクトのバリューチェーンを通じてCO2排出量 お客さまや社会とともに

長期目標を実現するために、 3年ごとに環境活動項目と目標を設定

日立環境イノベーション2050

削減

2050年度

削減

2030年度

(2010年度比)

水・資源循環型社会を構築

水・資源利用効率2050年度

改善(日立グループ内 2010年度比)

ケーススタディ

10

日立は、温室効果ガス排出量の削減を高いレベルで実現するために、CO2排出量を 2 0 5 0年度までに 8 0%削減(2010年度比)するという目標を策定しました。日立はバリューチェーン全体を通じて、この目標を達成していきます。まず、バリューチェーン全体の中で多くを占める製品やソリューションの「使用」

段階での排出量を削減します。 製品の高効率化や、低炭素エネルギーの供給を実現するほか、革新的技術・ソリューションを生み出し、お客様や社会へ貢献していきます。併せて、自社の事業活動における「生産」段階でのCO2排出量も削減していきます。

 日立は、ファクトリー&オフィスにおける生産の高効率化、高効率機器・装置の導入、再生可能エネルギーの採用などにより、生産に伴うCO2排出量削減を推進します。

 日立大みか事業所は、日立を代表する「スマートな次世代ファクトリー」です。IoTプラットフォームLumadaを活用した省エネルギーソリューションと生産効率向上ソリューションにより、生産性の向上を図るとともに環境への負荷を減らす取り組みを進めています。

低炭素社会

「生産」段階でのCO2排出量削減を実現

 日立は、資源の効率的な利用を徹底し、高度循環社会の実現に貢献するために、日立が使用する水・資源の利用効率を2050年度までに2010年度比で50%

改善するという目標を掲げ、以下のような取り組みを推進しています。

高度循環社会

高度循環社会の実現

 日立は、生態系が適切に保たれ、自然の恵みを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現するため、日立の事業活動が生態系に及ぼす「負のインパクト(環境負荷)」の低減および、最先端の技術と人的資源を用いた自然資本の回復に努めています。

自然共生社会

事業活動に伴う環境負荷の低減

「正のインパクト」の最大化

自然資本への「負のインパクト」の最小化

水利用効率の改善

• 淡水使用量の削減

• 水不足リスクへの対応

資源利用効率の改善

• 廃棄物発生量の削減

• 天然資源の効率的利用

日立のバリューチェーン各ステージでの温室効果ガス排出量の割合廃棄・リサイクル

日立のバリューチェーン各ステージでの温室効果ガス排出量の割合使用

(全ライフサイクル分を加算)輸送

日立のバリューチェーン各ステージでの温室効果ガス排出量の割合

輸送輸送輸送輸送輸送輸送輸送輸送生産原材料・

部品の調達

お客様

省エネルギーソリューション

生産効率向上ソリューション

お客様 お客様 お客様

日立IoTプラットフォームLumada

ケーススタディ

人財への投資目標4:すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

持続可能なバリューチェーンの構築目標12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する

 日立にとって従業員は会社の未来を支える重要な存在であると同時に、SDGs達成に貢献して社会変革を実現するための推進力でもあります。日立は従業員のキャリア開発を支援する取り組みを推進し、個々のキャリアプランに沿って、多様な研修を提供しています。

 日立はまた、知識と技術を活用して次世代を担う人財の育成に取り組んでいます。社会貢献活動方針に基づき、日立財団とともに、さまざまな活動を行っています。

 日立は、社会貢献活動の一環として、次世代リーダー育成のための教育プログラム「日立ヤングリーダーズ・イニシアティブ

(HYLI)」を実施し、ASEAN7カ国に日本を加えた8カ国から選抜された学生たちが、各国政府、ビジネスリーダー、学術研究者、NGOなどさまざまな分野を代表する人々

とともに、地域や国際社会が抱える課題について討論する場を提供しています。1996

年の開始以来、3 0 0人を超える学生がHYLIに参加しており、日立はこの取り組みを通じてアジアにおける次世代の人財育成に貢献しています。

日立がめざす姿世界で起きていること 教育は、世界の人がより健康的で持続可能な生活を送るために必要であり、SDGsの目標4だけでなくその他多くの目標達成にも密接にかかわっています。しかし、現状では、すべての人が平等に教育を受ける機会は与えられておらず、地球上の1億300万人もの若者が基本的な読み書きさえできません。そのうち60%が女性と女児です。世界中に平等な教育機会を創出するためには、さらなる努力が必要です。

ケーススタディ

 日立は、バリューチェーン全体を通じ、製品・サービスの持続可能性を確保しなければならないと考えています。また、日立の革新的なソリューションが幅広い分野のお客

様をサポートすることで、環境や社会に与える影響を低減し、世界中の人々に持続可能なライフスタイルやより良い暮らしを提供していきます。

 日立はサプライヤーとともに調達活動の改善を継続して行っています。2015年度にサプライチェーンにおける人権リスクの評価、優先度づけ、リスク低減のための対策を検討し、その結果を踏まえて2016年度に「日立グループ サプライチェーンCSR調達ガイドライン」を全面的に改訂しました。本ガイドラインは、日立グループのサプライヤー合計約30,000社に配布し、環境・社会

に対する日立の取り組みの周知徹底を図っています。また、CSRモニタリング(自己点検)とCSR監査を定期的に行い、関連するリスクや課題を診断し、サプライヤーがガイドラインを遵守しているか確認しています。さらにグリーン調達システム「A Gree'Net」を構築し、製品に含まれる化学物質の情報など、環境に関する情報をサプライヤーから随時入手し、適切な管理を実施しています。

日立がめざす姿世界で起きていること グローバル社会において、現在の消費傾向や生産形態が続く限り、環境破壊の進行を止めることはできません。同時に強制労働や児童労働などの人権侵害、労働安全衛生にかかわる問題、バリューチェーンにおける腐敗行為といった社会課題についても解決を遅らせることとなります。

11

ケーススタディ

ダイバーシティ&インクルージョン目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る  目標8:すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する

お客様との協創目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

日立がめざす姿世界で起きていること 性別による不平等は多くの分野に依然として残っており、社会のさらなる発展を妨げています。女性と女児に対する平等な教育機会の提供、保健・医療の利用機会の拡大、女性へのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の提供、そして政治経済の意思決定プロセスに対する平等な参加などを実現することは経済的・社会的にも良い効果をもたらし、持続可能な発展につながります。

ケーススタディ

 日立のお客様のニーズと今日社会が直面している課題は常に変化しています。こうした変化に迅速かつ効率的に対応するにはお客様やパートナーとの協創が必要不可欠です。政府・公共機関・民間企業などとの

協働により、課題を共有し、意見を交換し、社会に新たな価値を創出していきます。日立がめざすのは、人々のQuality of Lifeの向上と持続可能な社会の発展への貢献です。

 2016年、日立は東京大学とともに「日立東大ラボ」を設置しました。従来の課題解決型の産学連携から発想を転換し、日本政府が提唱する「超スマート社会」の実現(Society

5.0)に向けたビジョンを創生・発信し、オープンイノベーションで課題解決に取り組みます。新たなオープンイノベーションの先駆

けとして、ICTの発展、スマートトランスフォーメーションなどを融合した分野で協創を推進しています。また、将来の社会課題を解決するためのイノベーションが必要であるという共通認識のもと、日本国内にさらに3つの共同研究拠点を設置しました。

日立がめざす姿世界で起きていること 国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成には、各国政府、民間セクター、市民社会の結束が必要です。すべての国が、SDGsの17目標を共有して「誰一人取り残さない」ためのアクションを取るよう呼び掛けています。

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 ダイバーシティはイノベーションの源泉であり、日立の成長エンジンです。性別・国籍・職歴・年齢・性的指向・価値観といった違いを「その人がもつ個性」と捉え、それぞれの個性を尊重し、組織の強みとなるよう生かすことで、個人と組織の持続的成長につなげることが日立のダイバーシティ&インクルージョンです。 多様な力を結集し、優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によっ

て、お客様の多様なニーズに応えていきます。特に女性のキャリア促進に関しては、男女同一報酬方針の徹底はもちろん、積極的な登用を推進しています。 今後も多様な意見・価値観を経営に反映することを目的に、意思決定への女性の参画をより一層推進し、現在2.5%である役員層の女性比率を、2020年度までに10%にする目標を定めました。

 日立は、女性従業員を対象とした「グローバル女性サミット」を毎年開催しています。2017年度のサミットは米国で開かれ、9カ国のグループ会社21社から、120人以上が出席しました。

 イベントでは、執行役社長兼CEO 東原敏昭や社外からのスピーカーによる基調講演のほか、職場におけるアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)や自身のキャリア開発といったさまざまなテーマでワークショップが開かれました。

ケーススタディ 人権尊重の啓発

人権の尊重

 バリューチェーンが世界規模で拡大する中、日立は、多様な労働環境や商習慣、取引慣行に直面しています。そこでまず2013年に「日立グループ人権方針」を策定し、グループ内だけでなく、お客様や事業にかかわる人々の人権尊重の方法を追求していくことを明確にしました。従業員に対する適

切な教育を実施し、事業活動全体にこの基本原則を適用することにより、企業としての人権尊重の責任を果たしていきます。日立の人権尊重への取り組みはSDGsの17目標の中でも、特に目標4、5、8、12の達成に貢献するものと考えています。

 日立は経営トップのリーダーシップのもと、すべての役員および従業員に対し人権尊重に関する教育活動を行っています。12月10日の「世界人権デー」には執行役社長

兼CEO 東原敏昭から、日立製作所およびグループ会社の国内外の役員および従業員に対して毎年人権メッセージを配信しています。

人権に配慮した事業の遂行

 2015年度は調達部門、2016年度は人財部門において、人権デュー・ディリジェンスを実施し、既存の仕組みを整理するとともに、サプライチェーンおよびグループ従業

員に対する人権リスクの評価、優先度づけ、改善策の検討を行いました。この評価結果を踏まえ、具体的かつ効果的な人権リスク軽減策に反映していきます。

日立がめざす姿世界で起きていること 人権の尊重は、SDGsの17目標すべての根底にあるものです。SDGs達成に向けて、バリューチェーン全体を通じて、人権に対して事業活動が及ぼす負のインパクトを低減することが重要になっています。 人権の尊重は、グローバル企業にとって最優先課題であると同時に、取り組みの推進が最も難しい課題でもあります。国連が発表した「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際的な基準に則り、企業が人権問題に取り組むことが期待されています。 企業には単に「人権を侵害しない」という原則以上の取り組みが求められており、人権の尊重はSDGsの17目標すべての達成につながっています。

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日立がめざす姿

 世の中は絶えず変わり続けています。そして今、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げたSDGs策定により「誰一人取り残さない」世界の実現のために大きな変化が生まれつつあります。 日立は社会イノベーション事業を通じて、SDGs達成に向けた取り組みを継続していきます。また同時に、日立の事業活動が社会や環境に及ぼすリスクを明確にし、効率的な対策を講じていきます。 2030年を期限とするSDGs達成は決して最終的なゴールではなく、持続可能な未来の構築に向けて、SDGsの理念への理解を深め世界中に普及させるまでの過程にすぎません。人々の生活に不可欠な水やエネルギー、Quality of Lifeの向上、誰もがともに成長するための平等な機会といった人間が生きていく上での基本的なニーズが満たされるよう、持続可能な世界の実現に貢献していきます。 日立は、持続可能な成長に向けた経営体制の構築を進め、グローバルでのステークホルダーとのコミュニケーションおよびエンゲージメントに積極的に取り組んでいきます。将来の課題を認識し、その解決に総力を挙げて取り組み、SDGsの目標達成をめざします。社会のサステナビリティを意識した経営に取り組むことは、企業のサステナビリティの実現にもつながると考えています。

次のステップへ

 日立は、これからも社会イノベーション事業を通じて社会に貢献していきます。2018年度以降は、社会課題の解決を目標とした新たなビジネスの可能性を追求していきます。社会イノベーション事業が提供する社会的、環境的価値に対して、具体的かつ定量的なKPIを設定し、その進捗を確認しながら、さらなる事業の進化をめざします。 日立では、長期的な視点からSDGsの全17目標について検討を重ね、2021年度に向けた次期中期経営計画にサステナビリティ戦略を組み込んでいきます。 日立のサステナビリティ戦略の進捗状況と成果については「日立 サステナビリティレポート」で報告します。

2030年に向けて

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株式会社 日立製作所 サステナビリティ推進本部 | 2018.04