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ESRI Discussion Paper Series No.223 DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか 大村昌弘 September 2009 内閣府経済社会総合研究所 Economic and Social Research Institute Cabinet Office Tokyo, Japan

DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

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Page 1: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

ESRI Discussion Paper Series No.223

DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との

相関・因果関係に関する分析:

GDPはどこまでODA支出を説明できるか

大村昌弘

September 2009

内閣府経済社会総合研究所 Economic and Social Research Institute

Cabinet Office Tokyo, Japan

Page 2: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

ESRIディスカッション・ペーパー・シリーズは、内閣府経済社会総合研究所の研

究者および外部研究者によって行われた研究成果をとりまとめたものです。学界、研究

機関等の関係する方々から幅広くコメントを頂き、今後の研究に役立てることを意図し

て発表しております。 論文は、すべて研究者個人の責任で執筆されており、内閣府経済社会総合研究所の見

解を示すものではありません。 The views expressed in “ESRI Discussion Papers” are those of the authors and not those

of the Economic and Social Research Institute, the Cabinet Office, or the Government of Japan.

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DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との

相関・因果関係に関する分析:

GDPはどこまでODA支出を説明できるか

大村昌弘∗

内閣府経済社会総合研究所

2009年9月

∗本論文作成に当たっては、計量経済分析に関して成蹊大学教授井上智夫氏に多くの点でご指導

をいただいた。心より御礼申し上げる次第である。また、2009年 7 月 16 日、経済社会総合

研究所において行われたセミナーにおいて、コメンテーターをつとめていただいた小浜裕久静岡

県立大学教授、岩田一政所長、中藤泉次長、杉田伸樹前総括政策研究官、私市光生総括政策研究

官、田口博之前総務部長及び大来洋一客員主任研究官から多くの貴重なコメントをいただいたこ

とに深く感謝申し上げる。堀雅博主任研究官からは有益なご示唆をいただいた。勝見博経済研修

所総務部長、赤澤和彦同研修企画官補佐、山田俊宏政策調査員にもお世話になった。文中のあり

うべき過ちは筆者の責任である。 内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官。

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要旨

ODAに関する国際目標が、もっぱらドナー国のODA支出とGDPとの関係に注目して

いることの妥当性に関して過去のデータに基づいて検証した。クロスセクション分析では、

各種説明変数の中でGDPの説明力が際立って高く、租税負担率、経常収支、失業率、公

的債務が次ぐ。ODAとGDPとの単回帰分析では、GDPの回帰係数が、1990年代

初頭以降1997年まで下降し、その後安定、2002年以降持ち直した趨勢が明らかと

なった。こうした傾向は、1990年代前半において国際援助理念が模索期にあったこと、

また、2000年代に入りモンテレー合意に象徴されるように各国の援助コミットメント

が再確認されたことと平仄が合っている。パネルデータ分析においては、GDPのみを説

明変数とするモデルの説明力が一番高く、GDP、公的債務、財政収支、経常収支の 4 変数

を用いるモデルがそれに次ぐ。1 変数モデルにおいて、GDPの回帰係数は、0.2077

であり、DAC諸国のGDPが100億ドル増加すると、ODA支出が2077万ドル増

加することになる。GDP 以外では、公的債務、財政収支、経常収支についてその順序で説

明力が認められた。時系列分析では、重回帰における説明変数の中で、GDPが最も多く

のケースで採用され、租税負担率、経常収支、失業率、公的債務が次ぐ。DAC等におい

て、GDPとODA支出との関係に注目し、国際目標を作成したり、その比率をモニター

することには妥当性があると言えよう。しかし、GDP以外の経済指標(パネルデータ分

析によれば、公的債務、財政収支、経常収支、回帰分析によれば、租税負担率、経常収支、

失業率、公的債務)にも比較的強い説明力が認められるので、これら指標の動向にもしか

るべく留意することが適当である。

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Analysis on correlations and causal relations between ODA disbursement and economic indicators including GDP among DAC countries :

How much can GDP explain ODA disbursement?

Masahiro OMURA (Senior Research Fellow, Economic and Social Research Institute, Cabinet Office)

Abstract ODA disbursements of donor countries have been examined and compared at international fora including DAC. Mostly attention has been paid to ODA/GDP ratio. International target of 0.7% ODA/GDP ratio has been maintained since the 1970s. The premise is that GDP determines ODA. Other economic indicators such as fiscal and international balances might explain ODA disbursement to some extent. So far attention has been centered on GDP. This paper analyzes relations between ODA disbursement and economic indicators including GDP and shows how much GDP can explain ODA. It uses cross-section, time series and panel data analyses. Cross-section analysis examined the data between 1991 and 2006 covering the period after the end of the Cold War. ODA disbursement was regressed against eight variables including GDP, GDP growth rate, fiscal balance, government debt, current account balance, international reserves, total tax rate, and unemployment rate. Backward elimination method was employed to identify more relevant variables – GDP, tax rate, current account balance, unemployment rate and government debt in that order. Simple linear regression between ODA and GDP reveals a downward trend in the coefficient of GDP between 1992 and 1997 and an upward trend between 2002 and 2005. These trends respectively coincide with uncertainty about aid motives in the early 1990s and renewed motivation in the early 2000s exemplified by the Monterrey consensus. Panel data analysis was conducted using four variables including GDP, government debt, fiscal balance and current account balance after an elimination of four less relevant variables in an eight variable model. A single variable model with GDP was found to have slightly higher overall R-squared than a four variable model. The coefficient of GDP was 0.2077 in the former, indicating ODA increase of 20.77 million dollars was realized by GDP increase of 10 billion dollars by the DAC countries. In the four models examined the coefficients of GDP were found to have the highest t-scores. The government debt, fiscal balance and current account balance were also found to

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have an explanatory power in that order. In the time series analysis, ODA was regressed against GDP together with the first time lag of ODA. The result showed that ten DAC member countries had a long term dynamic multiplier of more than 0.7 per cent. A multi-variable regression was conducted with logarithm conversion as well as with the backward elimination. The variable most heavily selected was GDP followed by tax rate, current account balance, unemployment rate and government debt in that order. The serial correlation was mostly not confirmed. Impulse reaction analyses were conducted based on VAR models between real ODA and real GDP using differences to eliminate a unit root. In most cases the accumulative effect of GDP to ODA was positive, and that of ODA to GDP was the same in many cases, though Granger causality was not confirmed in many cases. ECM analysis was conducted in the cases of two countries which were found to have cointegration relations. The results of multi-variable regressions as well as panel data analyses showed that GDP has the strongest explanatory power among economic indicators regarding ODA disbursements. It seems adequate that international fora including the DAC focus their attention to the relations between ODA and GDP and monitor ODA/GDP ratios. It would be appropriate, however, due attention be also paid to other economic indicators (according to panel data analyses, governmental debt, fiscal balance and current account balance, and according to cross-section and time series regression analyses, tax rate, current account balance, unemployment rate and government debt) in the analysis of ODA disbursements as they also have relatively strong explanatory power regarding ODA disbursements.

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1.背景 1.1 はじめに わが国を含む先進国の ODA 支出(disbursement)に関しては、OECD 開発援助委員会

(DAC)の場等において、各国の国際貢献度に関する比較検討が行われている。その際に

は、各国の ODA 純支出2 の GDP に対する比率が主たる指標とされ、各国はODA純支出

のGDPに対する比率(ODA・GDP比率)を高めることが求められている。国連のミ

レニアム開発目標においても、指標 32 として、「DAC ドナー諸国の ODA 純量の対 GNI比(世界 ODA の 0.7%目標、後発開発途上国向け 0.15%目標)」が掲げられている。O

DA支出は、GDPの大きさによって決まるということが前提とされている。各国のO

DA支出に影響を与えうる経済指標としては、他にも、財政収支や国際収支なども考え

られるが、これまでのところでは、GDPとの関係に注意が集中している。これは適当

なことであろうか。GDPとODA支出との関係に加え、GDP以外の経済指標とOD

A支出の関係についても分析するとどのような結果になるのだろうか。 GDPとODA支出との関係について、実際のデータを下に、その相関・因果関係を

調べれば、他の経済指標をさておきGDPとの関係に注意を集中させることの当否を評

価しうる。しかし、これまで、DAC 年次報告等 DAC による出版物等においては、ODA・

GDP比率への言及はなされているが、ODA支出とGDPとの相関・因果関係について

の分析は行われていない。政策論議においては、ODA支出のGDPに対する比率が注目

されており、対GDP比 0.7%など一定の比率が達成されるべき国際的な目標とされている。

本論は、政策論議の参考として、ODA支出とGDPをはじめとする各種経済指標との関

係について客観的な分析を行うことを目的としている。 GDPはODA支出に影響を与えるのか、財政事情などその他の経済指標はどうか。も

し影響を与える場合、その影響力はどのくらいの大きさなのかを分析する。DAC諸国を

対象として、この影響力をクロスセクションで過去にさかのぼって分析するとともに、時

系列で各国別にも分析する。また、DAC諸国の過去にさかのぼったデータ全体を利用し

て、パネルデータ分析も行う。 分析は、以下の順序で行う。 (1)ODA支出とGDPを含む各種経済指標との関係(クロスセクション分析) (2)ODA支出とGDPを含む各種経済指標との関係(パネルデータ分析) (3)ODA支出とGDPを含む各種経済指標との関係(時系列分析、VAR モデルを含む) 1.2 先行研究及びDACにおける議論 先進国の ODA に関しては、OECD 開発援助委員会(DAC)が毎年、各国からの報告

を取りまとめ、統計集を含む年次報告(OECD Journal on Development:Development Co-operation Report)として発行している。OECD は、同報告書等において、上記1.の

2 「純」支出は、総支出から借款の返済(元本分)を差し引いた額である。

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とおり、各国の ODA 純支出と GNP との比率等を用いて、国際比較を行っている。200

7年版DAC年次報告のDAC議長による概観においては、以下のような援助総量に注目

した記述が見られる。 “Back in 2003, I suggested two measures of progress on aid volume. The first was that in 2006 donors should

deliver at least USD 75 billion (at 2002 prices and exchange rates) in net disbursements, compared to a 2002 baseline

of USD 57.5 billion. This headline commitment has been fulfilled: donors reported net ODA disbursements in 2006

which equate to USD 77.8 billion at those prices and exchange rates.

Most, but not all, DAC members have announced medium-term commitments to increase ODA, at least to 2010

(Table 1.1), and there is a common commitment to double ODA to Africa from 2004 to 2010.“

学術論文としては、Michael Beenstock による研究(1980)がある。3 Beenstock は、

各国のマクロ経済指標とODA支出との因果関係を多変数回帰で分析した。結論として、

各国のODA支出は、失業、経常収支、財政収支、GNP成長率を反映しているとしてい

る。この分析では、1960年から1976年までの17年間における、カナダ、フラン

ス、ドイツ、日本、英国、米国、オランダ、スウェーデンという8カ国のデータを用い、

クロスセクションと時系列のデータをプールして分析している。4 1.3 対GDP比国際目標設定にいたる経緯 現在では、ODAの対GDP比 0.7%という目標は所与のものとされ、なぜこの比率

が目標とされるのかについての議論は少ない。この目標の過去の経緯について簡単にま

とめると次の通りである。1960 年、国連総会において、先進国全体として、国民所得

(national income)の1%の資金を途上国に振り向けるべきであるとの決議が成立し

た。1964 年のUNCTADIにおいて、この目標は、個々の先進国のそれぞれが達成

すべきとされた。1968 年、UNCTAD II において、「GNPの」1%が目標であるとの

再定義が合意され、DAC諸国も原則として受け入れた。この目標の根拠としては、途

上国の経済成長等のため必要とされる外部資金が挙げられた。DACにおいては、各国

の財政負担を公平に測ることに重点が置かれた。そこで公的な資金の流れに限定される

こととなった。 1969年のピアソン委員会報告「開発と援助の構想」(わが国からは大来佐武郎氏が参

加)は、その勧告の中で、援助量の増大を主張し、途上国が6%の成長を達成するために

は、富裕国の国民総生産の1%程度の規模の政府援助ならびに民間投資を含めた外部資源

が必要となるので、この1%の目標を1975年までに達成することを勧告している。さらに、

同報告は、贈与ベースでの政府開発援助が特に必要であるとして、政府開発援助は、19

75年までに供与国の国民総生産の0.70%に高められるべきであり、これは、いかな

3 Political Economy of Official Development Assistance by Michael Beenstock (1980) 4 回帰分析の結果、誤差項に系列相関が見られた。回帰分析を行った 10 のケースにおいて、

DWは、最小で 0.416、最大で 1.6 であり、判定不能なケース1つを除き、いずれにおいても正

の系列相関がある。

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る場合にも1980年以前に達成されなければならないとしている。ピアソン委員会報告

を受けて、国連総会は、1970年10月、1970年代を第2次国連開発の10年と定

める第2次国連開発の10年のための国際開発戦略決議(2626(XXV))を採択した。

この決議では、それぞれの先進国は、公的開発援助を漸進的に増加させ、この10年の半

ばまでにGNPの0.7%に到達させるよう最善の努力を行う旨定めた。 GNP0.7%目標は、その後も上述の通り、国連ミレニアム開発目標で言及がなされ

るなど機会あるごとに確認されている。 1.4 東西冷戦終了後の経済協力をめぐる世界情勢 1989年のベルリンの壁崩壊に象徴される東西冷戦の終了過程は、欧州における大幅

な緊張緩和をもたらした5。その結果、東西両陣営による第三世界における影響力確保のた

めの援助競争は終わりを告げた。ドナー諸国によるODA供与の動機は、政治的側面と経

済的側面の双方があり、各国により事情も異なり多面的であるが、多くの国にとっての冷

戦期における主要な動機のひとつがその意義を失ったといえる。他方、ソ連邦の崩壊は、

ロシアの周縁に数多くの新たな独立国を発生させ、それは新たな援助の需要をもたらした。

それを象徴するのが、1991年の欧州復興開発銀行(EBRD)の発足である。 1990年代は、東西対立の重石が外れた新たな国際環境の中で、国際援助の新しい意

義が模索された10年であったといえよう。様々な開発課題をテーマとした国際的な大会

議(メガ・コンファレンス)が数多く開催された。万人のための教育世界会議(1990

年)、国連環境開発会議(1992年)、国連人口開発会議(1994年)、社会開発サミッ

ト(1995年)、第4回世界女性会議(1995年)、世界食糧サミット(1996年)、

世界教育フォーラム(2000年)などである。これらの会議を通じて形成された国際的

な合意は、DACにおいて集約され、成果重視の潮流の下で、数値目標を含む新開発戦略

(1996年)として結実した。新開発戦略は、追加的に新たな要素を取り込み、支持基

盤をDACメンバー国から国連加盟国へ拡大した上で、国連ミレニアム開発目標へと姿を

変えた。国連ミレニアム開発目標は、1990年代を通じた新たなコンセンサス作りの成

果といえる。 2001年9月、国連事務総長によるミレニアム開発目標発表とほぼ時を同じくして、

米国同時多発テロ事件が勃発した。ナイン・イレブンは、各方面に様々な影響を与えたが、

国際援助動向にも大きな影響を与えた。テロの温床となる貧困の撲滅という考え方が影響

力を増したことはそのひとつである。DACなどにおける国際的な援助政策協議において、

アフリカ開発の問題は中心的な位置を占めている。アフリカ開発に関しては、1990年

代前半よりわが国は、アフリカ開発会議(TICAD)プロセスを通じ、国際的な議論に

貢献してきている。TICADプロセスの大きな特徴のひとつは、アフリカのオーナーシ

ップの尊重である。第2回アフリカ開発会議(1998年)は、アフリカ開発のための数

5 1991 年 7 月の米ソによる第一次戦略兵器削減条約(START)への調印をもって冷戦の終結とされる。

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値目標を含む優先的政策・行動を明記した東京行動計画を作成した。TICADプロセス

に触発され、アフリカのオーナーシップの下に、アフリカ開発のための新パートナーシッ

プ(NEPAD)が成立したのは、2001年10月のことだった。新たな開発の10年

の始まりに当たり、MDG、9・11、NEPADという大きな影響力を有する出来事が

重なった。 2002年3月、メキシコのモンテレーにおいて国連開発資金国際会議が開催された。

この会議に先立ち、国連や世界銀行が、ミレニアム開発目標を実現するためには年間50

0億ドルのODAを倍増する必要があるとの発表を行った。この会議で採択されたモンテ

レー合意においては、0.7%目標を達成していない先進国は、同目標達成のため具体的

な努力を行うことが要求された。この目標は、2008年のドーハ会議でも確認された。 2.分析の枠組み 本分析では、DAC 加盟国を分析の対象とする。6 いわゆるドナー諸国の中で、中核をな

しており、加盟国の間でODAの量や質に関する国際協調が行われている。わが国との比

較を行うのに一番適切なのがこれら諸国である。被説明変数としてはODA純支出、説明

変数としては、GDP(名目)、GDP成長率(実質)、政府財政収支(対GDP比)、

公的債務(グロス、対GDP比)、経常収支(対GDP比)、外貨準備高、租税負担率、

失業率の8変数を用いる。7 DAC諸国の ODA 支出については DAC の統計、GDP、財

政収支、公的債務残高、経常収支、租税負担率等の経済指標に関しては OECD の統計(OECD Stat or Economic Outlook)を利用する。外貨準備高についてはIMFの統計を使用する。 ODA支出は、ODA予算を援助実施機関が執行することによって発生する。その際に

は、ODA 吸収(absorption)能力等の相手国の事情も影響を与える。GDPを含む経済指

標は、ODA予算を含む政府予算に影響を与え、ODA予算がODA支出に影響を与える。

政府予算に影響を与えるものとしては、経済要因に加え、政治要因もある。本論において

は、政治要因及び相手国側の事情は分析の対象としない。 ODA支出 = f(GDP、GDP以外の経済要因、政治要因、相手国の事情)

本論では、ODA支出に影響を与える経済的な諸要素のうち、まずこれまで特に注目され

ているGDPに焦点を当てて、ODA支出とGDPとの相関関係、因果関係を分析する。

右に続き、ODA支出とGDPを含む各種経済要因との関係について検討する。 具体的には以下のような関係を想定し、相関関係を調べると共に回帰分析を行う。 分析1 ODA支出とGDPとの関係

6 DAC加盟国は、豪州、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ド

イツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノル

ウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカの22カ国。他に欧州委員会も

DACメンバーであるが、主権国家ではないので今回の分析の対象とはしなかった。 7 説明変数の選択は、筆者の日本政府やDAC事務局における経験や先行研究を判断材料として行った。

租税負担率は、公的サービスへの選好を示す指標として採用した。

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ODAit = α+β・GDPit + εit i=1,…….22, t=1991,……….2006 (2.1) 分析 2 ODAとGDPを含む経済指標との関係 ODAit = α+β1GDPit+β2RGDPGit+β3TAXRit+β4GOVBALRit+β5

GOVDEBTRit+β6CARit+β7INTRESit+β8UNEMit+εit i=1,…….22, t=1991,……….2006 (2.2)

ここで、ODAはODA純支出、GDPは名目GDP、RGDPGは実質GDP成長率、

TAXRは租税負担率、GOVBALRは財政収支(対GDP比)、GOVDEBTRは公

的債務(対GDP比)、CARは経常収支(対GDP比)、INTRESは外貨準備高、U

NEMは失業率である。 3.クロスセクション分析 3.1 ODA支出とGDPとの関係 - 単回帰分析 本節においては、冷戦終了後の1991年以降の各年について、DAC諸国のODA純

支出と GDP との相関・因果関係に関する分析を行う。上記のような世界情勢の下で、DA

C諸国のGDPとODA支出はどのように推移し、両者の間にはどのような関係があった

のだろうか。 3.1.1 相関係数による分析 1991年から2006年までの各年における、DAC諸国のGDPとODA支出との

相関係数は図3-1の通りである。 図3-1 DAC諸国のGDPとODA支出との相関係数

相関係数は、1990年代前半に急速に低下し、1995年に底に達した。1990年

代後半、かなり持ち直したが、依然として1990年代当初よりかなり低かった。200

1年以降、係数は大幅に上昇し、2006年まで高い数値が維持されている。DAC諸国

は、全体的傾向として、1990年代においては、GDPの水準とODA支出とをあまり

強く関連付けないでいた。この傾向は、2001年以降大きく変化し、2000年代にお

いては、DAC諸国は、全体的傾向として、GDPの水準とODA支出とを強く関連付け

るようになったと理解することができる。 3.1.2 回帰分析 1991年から2006年までの各年について、GDPを説明変数、ODA支出を被説

明変数とする回帰分析を行う。各年における、GDPの回帰係数及びt統計量並びに各回

帰結果の決定係数をまとめると以下の通りである。 表3-1 クロスセクション回帰分析(1991-2006年)

図3-2 GDP 回帰係数の推移(1991-2006年) GDPの回帰係数に関するt統計量は、いずれの年においても3を越えており、同係数

は1%水準で有意である。回帰係数の推移を見ると、1990年代初頭は、0.0022

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すなわち、GDP百万ドルの変化に対してODA支出は2200ドル反応する関係にあっ

た。その後、同係数は低下を続け、1997年には、0.0010すなわちGDP百万ド

ルの変化に対してODA支出は1000ドルの反応という低い水準になった。この数値は、

2002年以降上昇し、2005年には0.0023すなわちGDP百万ドルの変化に対

してODA支出が2300ドル反応する水準に至った。 図3-3 決定係数の推移(1991-2006年)

決定係数は、相関係数と同様の推移を示している。1990年代初めと2002年以降、

回帰分析モデルの説明力が強く、1990年代は初頭を除き、説明力が比較的に弱い。 3.1.3 分析結果の解釈 以上のようなクロスセクション分析結果は、上記1.4の東西冷戦終了後の経済協力を

めぐる世界情勢と平仄が合っている。東西冷戦の終了により、欧米諸国は、それまでの主

要な援助動機のひとつを失うことになった。当時は、主要国の援助疲れという言葉が頻繁

に聞かれた。こうした援助疲れは、1990年代における各国のGDPとODA支出との

相関関係の低下をもたらしたと考えられる。ODA支出は、各国の国内プロセスにおいて、

義務的支出ではなく裁量的支出であると考えられる。それを前提とすれば、援助に対する

動機付けが弱まれば、GDPの伸びに応じて、ODA支出を伸ばしていくための財政手当

てがとりにくくなると考えられる。 こうした援助疲れからの回復を狙って、90年代を通じて、DAC、国連、TICAD

プロセス、NEPADなどのフォーラムで様々な動きがあった。こうした援助コミュニテ

ィによる努力の下地があった中で、米国における政権交代とそれに機を合わせた9・11

の発生とがあいまって、2001年以降、国際援助潮流が大きく変わったと解釈すること

ができる。それを象徴するのが、モンテレー合意である。2001年以降、各国は同合意

に基づき、ODA支出の対GDP比率の改善を念頭に援助量の増加に務め、それが結果に

現れていると考えられる。 3.1.4 対数変換を用いた単回帰分析 回帰分析においては、はずれ値による影響の有無に注意が必要である。本件分析の場合、

米国のケースがはずれ値となって、分析結果に影響を与えている可能性がある。そこで、

ODA 及び GDP の双方について対数を取り、回帰分析を行った結果をとりまとめると表3

-2の通りである。 表3-2 クロスセクション単回帰分析(対数使用)

GDP の回帰係数は、1992年に0.98に達した後低下し、1997年以降は0.8前

後の値を取っている。決定係数は、1994 年から1997年にかけて低下し、その後持ち

直している。 図3-4 GDP 回帰係数の推移(対数使用)

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図3-5 単回帰決定係数の推移(対数使用) 各国別に、ODA・GDP 比率の推移をとりまとめると図3-6の通りである。米国における

比率の推移は、対数を使用しない単回帰分析におけるGDP回帰係数の推移と近似している。

他方、米国以外の国についても、2000年代に入った後、一様に比率の上昇が見られる

(日本は例外)。1990年代においては、比率が低下しているケースが多い。米国の動向

が分析結果に影響を与えていることは認められるが、それのみに結果が左右されていると

まではいえない。 図3-6 各国別 ODA・GDP 比率の推移

3.2 ODA支出とGDPを含む経済指標との関係 - 重回帰分析 本節においては、1991年以降の各年について、DAC諸国のODA純支出とGDP

を含む経済指標との相関・因果関係に関する分析を行う。GDP以外の経済指標を考慮に

入れた場合、GDPのODA支出に対する説明力にどのような変化があるだろうか。GD

P以外の経済指標として、ここでは、実質GDP成長率、租税負担率、財政収支、公的債

務、経常収支、外貨準備、失業率の 7 変数を取り上げる。上記(2.2)式の想定の下で

分析する。 3.2.1 相関係数による分析 1991年から2006年までの各年における、DAC諸国のODA支出と各種経済指

標との相関係数は、表3-3の通りである。 表3-3 ODA支出と各種経済指標の相関係数

各種指標のうち、GDPと外貨準備の相関係数が高い。これらに関してグラフで表示す

ると図3-7の通りである。2000年までは、GDP、外貨準備共に高い相関を示して

いるが、2001年以降、外貨準備の相関係数が急速に低下している。 図3-7 ODA支出とGDP、外貨準備の相関係数の経年推移

3.2.2 重回帰分析 1991年から2006年までのDAC加盟国に関するクロスセクション・データを用

いて、ODA支出を被説明変数、GDP、外貨準備、GDP成長率、租税負担率、財政収

支、公的債務、経常収支、失業率を説明変数とする回帰分析を行う。上記(3.2.1)の相関

係数による分析を通じて、各年次ごとに各説明変数の有意性にバラツキがあることが予想

される。各年次について、変数減少法8 を用いて分析し、各説明変数の回帰係数を求める

と以下の表3-4の通りである。有意確率が低く選択されなかった変数の係数は none とし

8 すべての変数を含んだモデルを構築、順次それぞれの変数を除去することを検討。一番有意性が

低い変数を選出。その変数の帰無仮説の確率が10%以上あるとモデルから除去。

11

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てある。GDP及び外貨準備の回帰係数の推移をグラフにするとそれぞれ図3-8、図3

-9、各年次の修正済み決定係数の推移は図3-10の通りである。 表3-4 クロスセクション重回帰分析

図3-8 GDP の回帰係数(クロスセクション重回帰) 図3-9 外貨準備の回帰係数(クロスセクション重回帰) 図3-10 修正済み決定係数(クロスセクション重回帰)

図3-10の修正済み決定係数をみると、1991年に0.71となったのが最低であ

り、1997年までは概ね0.7台であるが、1998年以降は大体0.9前後で推移し

ている。モデルの説明力は高い。各説明変数の回帰係数が選択された年次の数を比較する

と、GDP(1995年を除くすべての年)、外貨準備(11)租税負担率(5)、GDP

成長率、財政収支、経常収支(各1)、公的債務、失業率(各0)の順である。 各回帰係数の符号を見ると、GDP(すべて正)、外貨準備(すべて正)、租税負担率(す

べて正)、経常収支(正)については、想定どおり、GDP成長率(負)及び財政収支(負)

については、想定とは逆である。 GDPの回帰係数の推移は上記 3.1.2 の単回帰分析の結果とほぼ同様であるが、1993

年から2000年まで(1996年を除く)0.001を下回る低い水準となっている。

外貨準備の回帰係数は、1996年以降急激に低下している。 3.2.3 対数変換を用いた重回帰分析 本件データのうち、ODA 支出、GDP 及び外貨準備は数値データを使用しているが、そ

の他のデータはパーセント表示となっている。このデータのばらつきの違いを改善するた

め右3変数のデータについて対数変換することにする。対数変換後の散布図と対数変換前

の散布図を比較すると、前者のほうがばらつきが良く、回帰分析でも説明力の向上が期待

される。 図3-11 対数変換後と変換前の散布図

上記3.2.2と同様に変数減少法を用いて分析した結果を取り纏めると表3-5の通りであ

る。 表3-5 クロスセクション重回帰分析(対数使用)

対数変換前のモデルと比べて、16年次中3年次を除き決定係数が増加した。1つの年次

を除き決定係数は0.8以上の高い値となっている。モデルの説明力は更に増している。

説明変数として想定した8変数のうち、採用された年次が少ない外貨準備(4年次)、GDP成長率(2年次)、財政収支(1年次)を除いたモデルは以下の通りである。 lnODAit = α+β1t lnGDPit+β2tTAXRit+β3tGOVDEBTRit+β4tCARit+

β5tUNEMit+εit i=1,…….22, t=1991,……….2006 (3.1) 上記モデルに残された5つの変数の説明力を比較すると、説明力の強い順に以下の通り

である。各変数の符号も想定通りである。その他の変数(外貨準備、GDP 成長率、財政収

12

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支)については、選択された年次が 4 年次以下と有意性が低い。 (i) GDP すべての年次において1%水準で有意。符号はすべて正。 (ii) 租税負担率 1つの年次を除き選択されており、9年次において1%水準で有意。符

号はすべて正。 (iii) 経常収支 13年次で選択されており、7年次において1%水準で有意。符号はすべ

て正。 (iv) 失業率 10年次で選択されており、6年次において1%水準で有意。符号はすべて

負。 (v) 公的債務 8年次で選択されており、5年次において5%水準以上で有意。符号はす

べて負。 4.パネルデータ分析 4.1 パネルデータ分析の手順 1991年から2006年までのODA支出及びGDPを含む各種経済指標の数値をパ

ネルデータとみなして分析を行う。まず、以下の通り、説明変数を1つ(GDP)にした

場合を取り上げ、概ね以下の通りのパネルデータ分析の手順を4.2で実際に数値を挙げ

て示す。 ODAit = α+βGDPit+νi+εit i = 1, 2, .......,22,t = 1991,…………,2006 (4.1) ここで、νiは個体特有の効果、εitはその他の攪乱項。 (1) 固定効果モデルを用いて推定(式 4.1を各個体別の平均値からなる式に変換し両式の

差分を取った式を最小二乗法で推計) (2) F検定により固定効果モデルがプーリング推定に対して正当化されるか確認(νがす

べての固体について等しいとの帰無仮説を検定)。 (3) 変量効果モデルにより推定(個体特有効果は説明変数と相関していないことを仮定)。 (4) ラグランジェ乗数法(Lagrange Multiplier Test)により、変量効果モデルがプーリン

グ推定に対して正当化されるか確認(固体特有効果の分散が0であるとの帰無仮説の

検定)。 (5) 固定効果モデルと変量効果モデルをハウスマン検定により選択。個体特有効果が説明

変数と無相関であるとの帰無仮説を立て、カイ2乗検定。仮説が棄却されると固定効

果モデルが正当化される。 4.2 ODA支出とGDPとの関係 固定効果モデルを用いて推計した結果は以下の通り。

13

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F test that all u_i=0: F( 21, 324) = 33.00 Prob > F = 0.0000 rho .72622851 (fraction of variance due to u_i) sigma_e 1247.2448 sigma_u 2031.3943 _cons 761.1546 158.213 4.81 0.000 449.9002 1072.409 gdp .0020769 .0001352 15.36 0.000 .0018109 .0023429 oda Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval]

corr(u_i, Xb) = -0.4689 Prob > F = 0.0000 F(1,324) = 235.96

overall = 0.6918 max = 16 between = 0.7517 avg = 15.8R-sq: within = 0.4214 Obs per group: min = 11

Group variable: stateno Number of groups = 22Fixed-effects (within) regression Number of obs = 347

F=33 > F0.05 = 1.52 であり、固体特有効果は同じではない。よって、プーリ

ング推定法は棄却され、固定効果モデルが採択された。 次に変量効果モデルによる推定を行った結果は次の通り。

rho .6753727 (fraction of variance due to u_i) sigma_e 1247.2448 sigma_u 1798.999 _cons 908.1867 408.7321 2.22 0.026 107.0865 1709.287 gdp .0019243 .000113 17.02 0.000 .0017027 .0021458 oda Coef. Std. Err. z P>|z| [95% Conf. Interval]

0.7954 0.8292 0.8292 0.8292 0.8292 min 5% median 95% max theta

corr(u_i, X) = 0 (assumed) Prob > chi2 = 0.0000Random effects u_i ~ Gaussian Wald chi2(1) = 289.73

overall = 0.6918 max = 16 between = 0.7517 avg = 15.8R-sq: within = 0.4214 Obs per group: min = 11

Group variable: stateno Number of groups = 22Random-effects GLS regression Number of obs = 347

Lagrange Multiplier 検定を行うと、個体特有効果の分散は0ではない。従って、プーリ

ング推定法は棄却され、変量効果モデルが採択される。 ハウスマン検定を行うと、5%水準で、検定量はカイ二乗分布の臨界値を越えている。説

明変数と個体特有効果との間の相関がないとは言えない。従って、固定効果モデルが採択

される。 固定効果モデルによると、GDPの係数は、0.002077、t統計量は15.36、

全体的な決定係数は、0.6918である。DAC加盟国全体のGDPが百万ドル増加す

ると、DAC全体のODA支出は2077ドル増加することになる。 4.3 ODAとGDPを含む経済指標との関係

14

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次に、GDP以外の経済指標も含め多変数で変数減少法による分析を行う。9 まずGDPに、実質GDP成長率、租税負担率、財政収支、公的債務、経常収支、外貨

準備、失業率の 7 説明変数を加えた8説明変数でパネルデータ分析する。8説明変数を用

いた固定効果モデル推定において、回帰係数が5%水準で有意でない4変数(実質GDP

成長率、租税負担率、失業率、外貨準備)を除外すると、GDP、財政収支、公的債務、経

常収支の4説明変数が残される。上記4.1の手順で検定すると固定効果モデルが選択さ

れる。 GDP、財政収支、公的債務、経常収支の4説明変数から1説明変数まで、t値が一番低

い変数を1つずつ減少させて計算し、結果を取り纏めると、以下の表4-1の通り。決定

係数に大きな違いはないが、1変数(GDP)、4変数(GDP、公的債務、財政収支、経常

収支)、3変数(GDP、公的債務、財政収支)、2変数(GDP、公的債務)の順に決定

係数が大きい。GDPの回帰係数は、0.2240から0.2077の間の値を取ってい

る。1変数の推定の場合で、GDPが100億ドル増加するとODA支出が2077万ド

ル増加。4変数の推定の場合で、GDPが100億ドル増加するとODA支出が2240

万ドル増加、財政収支の対GDP比が1%改善するとODA支出は9905万ドル減少、

公的債務のGDP比が1%増加するとODA支出は3162万ドル減少、経常収支の対G

DP比が1%改善するとODA支出は7401万ドル増加する。 表4-1 多変数パネルデータ分析 4 変数 3 変数 2変数 1変数

GDP 0.223957 0.216984 0.21088 0.207688

t値 16.19 15.97 15.51 15.36

財政収支 -0.99048 -0.70344

t値 -3.71 -2.97

公的債務 -0.31624 -0.26995 -0.22513

t値 -5.27 -4.75 -4.06

経常収支 0.740059

t値 2.28

決定係数 0.663 0.6577 0.6513 0.6918

固定効果 ○ ○ ○ ○

5.時系列分析(VAR モデルを含む)

9 計算の都合上、本節の計算では、ODA数値を100分の1(単位1億ドル)、GDP数値を1000

0分の1(単位100億ドル)、外貨準備を1000分の1(単位10億ドル)に調整している。これに伴

い、例えば、ODAに対するGDPの回帰係数は元の数値を用いた場合の100倍になっている。

15

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5.1 ODA支出とGDPとの関係 - 単回帰分析 本節においては、各国別に、1991年から2006年までのデータをもとに時系列の

分析を行う。 5.1.1 グラフによる分析 DAC加盟各国ごとに、GDPとODA支出との関係を散布図と回帰直線を用いて表現

すると図5-1 左側の通りである。両者の相関関係が明らかに見て取れるケースとさほ

ど明らかでないケースとがあることがわかる。回帰直線に沿って分散しているケースもあ

るが、分散の仕方から、系列相関があることを予期させるケースも多い。 図5-1 GDPとODA支出及びODA・GDP比との関係

5.1.2 相関係数による分析 各国別に、GDPとODA支出との相関係数を求め、係数値が大きい順に並べると表5

-1の通りである。0.9台の高い相関関係を有する国(ルクセンブルク、ギリシャ、ア

イルランド、ノルウェー)がある一方、0.1台ないし0.0台の国(フランス、イタリ

ア)もあり、負の相関関係を有する国(日本)もある。各国別による相関係数の相違はき

わめて大きい。しかし、DAC加盟国の半数(11カ国)は、0.79以上の高い相関関

係を有している。相関係数が0.4以上の国が大半(17カ国、77%)であり、0.4

以下の国は、ドイツ、フィンランド、フランス、イタリア、日本の5カ国である。 表5-1 GDPとODA支出との相関係数(各国別)

5.1.3 回帰分析 各国別に、GDPを説明変数、ODA支出を被説明変数とする回帰分析を行い、ダービ

ン・ワトソン(DW)統計量を求める。結果を取りまとめ、GDPの回帰係数の大きい順に

並べると以下の表5-2の通りである。 表5-2 ODA支出とGDPとの関係―各国別の回帰分析

3カ国(ギリシャ、日本、ポルトガル)を除き、5%水準で系列相関が認められるので

これらの国については検定は利用できない。日本については、決定係数が小さく、t統計

量も有意ではない。10 5.1.4 1次ラグを追加したモデル 以上の結果を踏まえて、説明変数に被説明変数の1次ラグを追加したモデルを導入する。

ODAit = α+β・GDPit + γ・ODAit-1 +εit i=1,…….22, t=1991,……….2006

(5.1) これを ODA について解くと、

10 Newey and West が提唱した共分散推定によれば系列相関があっても t 統計量を算出できる(表 5-2 NWt 統計量)。

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ODAit = βΣγjGDPit-j + Σγjεit-j + αΣγj ここで、|γ|<1 ならば、

ODAit / GDP = β(1+γ+γ2+γ3+・・・)= β・(1-γ)-1 βは短期的動学乗数、β・(1-γ)-1 は長期的動学乗数である。 各国について、上記(5.1)のモデルに関する回帰分析を行い結果をまとめると表5

-3の通り。 表5-3 各国別1次ラグを含む回帰分析

系列相関に関しては、3カ国(イタリア、スペイン、米国)については確認されるが、

その他の国については、必ずしも確認されない(表5-3下部)。修正済み決定係数も3カ

国(イタリア、日本、ポルトガル)を除き良好である。モデルの説明力は高い。ODA 支出

に関する長期的動学乗数(表の l-t gdp)を見ると、0.7%以上の高い値をとっているの

は、10カ国(オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、

ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、スイス)である。このうち、カナダ、ドイツ以

外は、ラグ項を含まないモデルによる分析においても回帰係数が上位12位以内に入って

いる。カナダとドイツについては、共に短期的乗数が小さい。 5.1.5 まとめ 各国別に時系列データを分析すると、DAC 諸国の大半において、GDPとODA支出と

の間に強い相関関係があることがわかった。他方、ドイツ、フィンランド、フランス、イ

タリア、日本の5カ国については、相関関係が弱い。日本については、弱い負の相関関係

が認められる。各国ごとのGDPの回帰係数を比較すると、係数が大きい国からマイナス

の国まで大きな差異があることがわかる。最大は、ルクセンブルクの0.011047で

あり、同国では、GDPが100万ドル増えると、ODA支出は約11000ドル増加す

ると推定される。系列相関を考慮して1次ラグを含むモデルを分析した結果を見ると、長

期的動学乗数が0.7%以上の高い値を示す国が10カ国ある。 5.2 GDPとODA・GDP比との関係 本節においては、各国別に、GDPの変化がODA・GDP比にどのような影響を及ぼ

すかを検討する。 5.2.1 グラフによる分析 DAC加盟国ごとに、GDPとODA・GDP比との関係を散布図と回帰直線を用いて

表現すると図5-1 右側の通りである。国によって、GDPの増加がODA・GDP比

の増加につながるケースと、減少につながるケースとがあることがわかる。 5.2.2 GDPとODA・GDP比との関係 例を挙げて考える。上記5.1の回帰分析の結果、オーストリアの場合、GDPとOD

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Aの関係は以下の通りと推定される。 ODA=0.0077*GDP―1086 従って、 ODA/GDP=0.0077-1086/GDP オーストリアの場合、ODA・GDP比は、GDPの増加に伴い増加する。一般に、G

DPとODAとの関係に関する推定式の定数項の符号がマイナスであれば、GDPの増加

に伴いODA・GDP比は増加する(右上がり)。逆に、推定式の定数項の符号がプラスで

あれば、GDPの増加に伴いODA・GDP比は減少する(右下がり)。 5.2.3 各国別の分析 各国別に、回帰分析の推定式から、定数項を抜き出し、その符号に基づき右上がりか否

かを推定した結果は表5-4の通りである。GDPの増加に伴いODA・GDP比が増加

する(右上がり)のは、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、アイルランド、ルクセンブ

ルク、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリ

カの 12 カ国である。GDPの増加に伴いODA・GDP比が減少する(右下がり)のは、

豪州、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オラン

ダ、ノルウェーの10カ国である。 表5-4 GDPとODA・GDP比との関係

5.3 ODAとGDPを含む経済指標との関係 - 重回帰分析 本節においては、各国別に、1991年から2006年までのデータをもとに時系列の

分析を行う。上記(2.2)式の想定の下で分析を行う。 5.3.1 グラフによる分析 DAC加盟各国ごとに、ODA支出とGDPを含む経済指標との関係を散布図を用いて

表現すると図5-2の通りである。ODA支出と各種経済指標との間で相関関係が明らか

に見て取れるケースとさほど明らかでないケースとがあることがわかる。相関関係が見ら

れる場合にも、線形の相関が見られるケースと非線形の相関が見られるケースとがある。 図5-2 ODA支出と各種経済指標との関係(散布図)

5.3.2 相関係数による分析 各国別に、ODA支出と各種経済指標との相関係数を求めると表5-5の通りである。

GDPについては、強い(0.7を越える)ないし中程度(0.4を越え 0.7 以下)の正の

相関を示している国が 22 カ国中 18 カ国ある。GDP以外の各変数について見ると、外貨

準備は、強い正の相関を示す国が 5 カ国ある一方、強い負の相関(-0.7を越える)を

示す国が 3 カ国ある。GDP 成長率は、相関関係が弱いないしほとんどない(-0.4以上

0.4以下)国が 18 カ国ある。租税負担率は、強い正の相関を示す国が 3 カ国、中程度の

18

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正の相関を示す国が 2 カ国ある一方、中程度の負の相関(-0.7以上-0.4未満)を

示す国が7カ国ある。財政収支については、中程度以上の正の相関を示す国が4カ国ある

一方、相関関係が弱いないしほとんどない国が15カ国ある。公的債務については、中程

度以上の負の相関を示す国が 11 カ国ある。経常収支については、中程度以上の正の相関を

示す国が 6 カ国、中程度以上の負の相関を示す国が 10カ国ある。失業率については、中程

度以上の負の相関を示す国が 8 カ国、中程度以上の正の相関を示す国が 3 カ国ある。 表5-5 時系列多変数相関係数

5.3.3 時系列重回帰分析 DAC加盟国それぞれの時系列データを用いて、ODA支出を被説明変数、GDP、外

貨準備、GDP成長率、租税負担率、財政収支、公的債務、経常収支、失業率を説明変数

とする回帰分析を行う。上記相関係数による分析を通じて、各国ごとに各説明変数の有意

性にバラツキがあることが想定される。変数減少法を用いて分析し、各説明変数の回帰係

数を求めると以下の表5-6の通りである。有意確率が低く選択されなかった変数の係数

は none としてある。11 ここで、DW 値を見ると、すべての国について、系列相関は否定

されるかあるいは未定であり、系列相関が確認されるケースはない。日本については、す

べての変数の有意性が低く選択されなかった。日本に関しては、このモデルの説明力は弱

い。 表5-6 時系列重回帰分析

決定係数をみると、日本を除き、モデルの説明力は高い。決定係数が0.9以上の国が 9カ国(豪州、ベルギー、フィンランド、ギリシャ、ルクセンブルク、ニュージーランド、

ノルウェー、スペイン、英国)、0.8台の国が 7 カ国(カナダ、デンマーク、フランス、

ドイツ、イタリア、オランダ、アメリカ)、0.7台の国が 4 カ国(オーストリア、ポルト

ガル、スウェーデン、スイス)である。 各説明変数の回帰係数が選択された国の数を比較すると、GDP(15 カ国)、租税負担率

(11 カ国)、経常収支(11 カ国)、失業率(10 カ国)、公的債務(7 カ国)、外貨準備(6 カ

国)、財政収支(6 カ国)、GDP成長率(5 カ国)の順である。 各回帰係数の符号を見ると、GDP(1 国を除き正)、GDP成長率(すべて負)、経常収

支(2 カ国を除き負)、失業率(2 カ国を除き正)については比較的そろっているが、その

他の変数は、国により正と負とに分かれている。 5.3.4 対数変換を用いた時系列重回帰分析 クロスセクション重回帰分析の場合(3.2.3)と同様の理由により、ODA 支出、GDP 及

び外貨準備について対数変換し、各国別に時系列データを変数減少法により分析した結果

を取り纏めると表5-7の通りである。 11 アイルランドについては、欠落値がある関係ですべての変数が推定されなかった。

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表5-7 時系列重回帰(対数変換)

ここで、DW 値を見ると、過半数の国について対数変換前のモデル(上記 5.3.3)よりも数

値が改善している。すべての国について、系列相関は否定されるかあるいは未定であり、

系列相関が確認されるケースはない。日本については、すべての変数が選択されなかった。

日本に関しては、このモデルの説明力は弱い。その他の国の決定係数を見ると、2カ国を

除き0.7以上である。 各説明変数の説明力をその回帰係数が選択された国の数及び有意水準に基づき比較する

と、説明力の強い順に以下の通りである。上位 5 つの変数はその順位を含め、クロスセク

ション分析の場合(3.2.3)と同様である。 (i) GDP 14 カ国で選択されており、その全ての国において1%水準で有意。符号は、1

カ国を除き正。 (ii) 租税負担率 12 カ国で選択されており、6 カ国で1%水準、4 カ国で5%水準で有意。

符号は、7カ国で正、5カ国で負。 (iii) 経常収支 11 カ国で選択されており、7 カ国で1%水準、3カ国で5%水準で有意。

符号は、9カ国で負、2 カ国で正。 (iv) 失業率 7 カ国で選択されており、その全ての国において1%水準で有意。符号は、1カ国を除き正。 (v) 公的債務 7 カ国で選択されており、6カ国で1%水準で有意。符号は、5 カ国で負、

2 カ国で正。 (vi) 外貨準備 7 カ国で選択されており、3 カ国で1%水準、4 カ国で5%水準で有意。符

号は、5 カ国で負、2 カ国で正。 (vii) 財政収支 5 カ国で選択されており、その全ての国において1%水準で有意。符号は、

4 カ国で負、1 カ国で正。 (viii) GDP 成長率 3 カ国で選択されており、その全ての国において1%水準で有意。符

号は、全て負。 5.4.VAR モデルを用いた分析 本節では、回帰分析及びパネルデータ分析において、ODA 支出に対する影響力が最も大

きいと認められた GDP と ODA 支出との時系列関係について、VAR モデル(ベクトル自己

回帰モデル:Vector Autoregressive Model)による分析を試みる。本節においては、VARモデルの特性に鑑み、1970年から2006年までのデータを用いる。 5.4.1 分析の手順 ODA支出及びGDPについて、単位根を持つことを帰無仮説として ADF テスト

(Augmented Dickey-Fuller Test)で検定し、単位根の存在が棄却されなかった場合には階

差をとり、再度 ADF テストを行う。これを単位根の存在が棄却されるまで行う。その後、

その階差について VAR モデルで推定する。

20

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5.4.2 豪州の場合 豪州の場合を例にとって、分析の手順を以下の通り示す。単位根検定は、5%水準で行

うこととする。ODA支出、GDPいずれのデータについてもGDPデフレーター12を用いて実

質値にし、対数を取る。対数変換実質ODA支出について単位根の有無をADFテスト

(Augmented Dickey-Fuller Test)で検定する。結果は、帰無仮説(単位根を持つ)の確率

(P値)が0.29であるので、帰無仮説は棄却できない。対数変換実質GDPについても、

帰無仮説の確率が0.95であり帰無仮説は棄却できない。対数変換実質ODA、対数変換

実質GDPそれぞれについて階差をとり、ADFテストを行うと帰無仮説のP値はそれぞれ0、

0.001であり、いずれも帰無仮説を棄却できる。ラグ次数は仮に1とし、ラグ次数選

択基準で比較すると、AIC(Akaike Information Criterion)などが1次ラグを最適とする結果が

出る。そこで、1次の階差VARモデルで推定を行った結果をまとめると以下の通り。

logODADEFt = -0.20 logODADEFt-1+0.79 logGDPDEFt-1-0.0034 (-1.18) (0.94) (-0.11)

Adj R-squared 0.0062

logGDPDEFt = 0.020 logODADEFt-1+0.43 logGDPDEFt-1+0.0067 (0.61) (2.71) (1.13)

Adj R-squared 0.15 ここで、logODADEFt及び logGDPDEFtは、それぞれ t 期における実質 ODA 支出及び

実質 GDP の対数変換値。()内はt値。 上記推定結果に基づき、インパルス反応分析を行うと、図5-3 Australia の通り。

図5-3 インパルス反応分析 実質 GDP の階差は、実質 ODA 支出の階差に対し第2期にプラスの影響を与えるが、その

後影響力は収束する。実質 ODA の階差は、実質 GDP の階差に対し第 2 期にプラスの影響

を与えるがその後影響力は収束する。右側の図は、累積の効果を表す。いずれの変数も他

の変数に累積でプラスの影響を与える。ただし、両変数とも他の変数に対するグレンジャ

ー因果関係は確認できない(表5-8)。 5.4.3 その他の各国の結果とまとめ その他の諸国に関しても同様の手順で分析し、インパルス反応分析結果をまとめると図

5-3の通り。インパルス反応分析において、GDP から ODA 及び ODA から GDP への影

響の符号をグラフから読み取りまとめると、表5-8の通り。GDP から ODA への影響に

ついては、プラスの影響が見られる国が多い。これらの国のうち、オーストリア、フィン

ランド、ニュージーランド、英国、米国についてはグレンジャー因果関係も確認できる。

マイナスの影響が見られるのは、カナダ、デンマーク、ノルウェー、スイスの4カ国であ

12 GDPデフレーターは IMF 統計を用いる。

21

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る。この4カ国の中でグレンジャー因果関係が確認できるのはカナダのみである。ODA

からGDPへの影響についてもプラスの影響が見られる国が多い。これらの国のうち、ベ

ルギー、スウェーデン、英国についてはグレンジャー因果関係が確認できる。マイナスの

影響が見られるのは、フランス、イタリア、オランダ、スイス、米国の5カ国である。こ

の5カ国の中でグレンジャー因果関係が確認できるのは米国のみである。 表5-8 各国別インパルス反応の符号

5.4.4 共和分に関する分析

上記のVAR分析に関して、時系列ODAとGDPが非定常過程でありかつ両者の線形結合

が定常である、すなわち共和分関係にある場合に階差VARモデルを用いると、長期均衡関

係に関する情報を利用することができない。このような場合には、VEC(Vector Error

Correction)モデルを用いる。本節において分析の対象としている 17 カ国について、Johansen

テストにより共和分の有無を検定すると、2 カ国(デンマーク及びニュージーランド)を除き共和

分関係は無い。デンマークとニュージーランドについてVECモデルにより推定し、インパルス

反応分析を行った結果は、図5-4の通りである。この 2 国のケースについて、グレンジャー

因果関係に関する結論はVECモデルによっても変更はない。

図5-4 共和分関係に関する分析

5.5 無償援助を被説明変数とする場合 DAC諸国の中で、日本を含め少数の国は、有償援助の比率が比較的高い。DAC の統計

に基づいて、各国の無償援助比率(無償援助/ODA 純支出)の時系列平均値をみると(表5

-9)、同比率が0.95以下の国は、比率が低い順に、日本(0.749)、スペイン(0.788)、ポルトガル(0.862)、イタリア(0.932)の 4 カ国である。

表5-9 各国の無償援助比率

無償援助(GRANTS)を被説明変数とし、GDPと GRANTS の 1 次ラグを説明変数と

するモデルを考える。 GRANTSit = α+β・GDPit + γ・GRANTSit-1 +εit i=1,…….22,

t=1991,……….2006 (5.2) 5.1.4 と同様、βは短期的動学乗数、β・(1-γ)-1 は長期的動学乗数である。 各国について、上記(5.2)のモデルに関する回帰分析を行い結果をまとめると表5

-10の通り。上記 4 カ国について、モデルの当てはまり状況を修正済み決定係数でみる

と、もともと当てはまりがよかったスペインはこのモデルでも当てはまりが良く、その他

の 3 カ国については、大幅に係数が増加しており、4 カ国ともこのモデルの方が当てはまり

がよい。日本について見ると、短期動学乗数は、0.0016、長期動学乗数は、0.0

024となって、正の値を取っている。 表5-10 各国別1次ラグを含む回帰分析(無償)

22

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6.結論 ODAの対GDP比に関する国際目標は、DAC によるODAの定義と同じ頃、1960

年代末から存在する。開発途上国の開発に必要とされる外部資源を確保するため、国際社

会がそうした目標を制定してきた。この目標は、機会あるごとに様々な国際フォーラムに

おいて再確認がなされてきている。多くのドナー国は、この目標を受け入れているが、こ

れまでのところ実際に達成した国は限られている。13 本論においては、こうした国際目標

が、ドナー国のODA支出とGDPとの関係に注目していることの妥当性、裏を返して言

えば、ODA支出とその他の経済指標との関係には注目していないことの妥当性に関して、

DAC諸国のデータを用いてODA支出とGDPをはじめとする8経済指標(GDP、G

DP成長率、財政収支、公的債務、経常収支、外貨準備高、租税負担率、失業率)との相

関関係や因果関係を分析して検証した。 クロスセクション分析では、冷戦終了後の1991年以降の各年について、ODA支出

を被説明変数とする回帰分析を行った。各種経済指標について、一部対数変換も用い、変

数減少法により分析した。1つの年次を除きすべての年次について修正済み決定係数は0.

8以上であり、モデルの説明力は高い。各種説明変数の中では、GDPの説明力が際立っ

て高い。次いで、租税負担率、経常収支、失業率、公的債務の順である。ODA支出とG

DPとの間の単回帰分析では、GDPの回帰係数が、1990年代初頭以降1997年ま

で下降し、その後安定、2002年以降持ち直した趨勢が明らかとなった。このことは、

冷戦終了後の経済協力をめぐる世界情勢と平仄が合っている。重回帰分析でもほぼ同様の

結果が得られた。国際的な援助理念の変遷がDAC諸国のODA支出に影響を与えるとい

う仮説を裏付ける結果となっている。 パネルデータ分析においては、ODA支出に対して、GDPを含む8つの経済指標で説

明するモデルから出発し、変数減少法で分析した。回帰係数が有意な4変数以下のモデル

の比較では、GDPのみを説明変数とするモデルの説明力が一番高かった。このモデルの

GDPの回帰係数は、0.2077であり、GAC諸国のGDPが100億ドル増加する

と、ODA支出が2077万ドル増加することになる。1変数モデルに次いで説明力が高

かったのは、GDP、公的債務、財政収支、経常収支の4変数を説明変数とするモデルで

ある。いずれのモデルにおいても、GDPの説明力が際立って高かった。ただし、公的債

務、財政収支、経常収支についてもその順序で説明力が認められた。14 時系列分析では、ODA支出をGDPとODA支出の1次ラグで回帰したモデルの分析

からは、長期的動学乗数が0.7%以上の高い値を示す国が10カ国あることが判明した。

このモデルの場合、DW値も2に近い値をとるケースが多く、系列相関の問題は回避され

13 2008年においては、デンマーク、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデン。 14 財政収支の符号が負になっている。これは、財政収支改善には ODA 予算の削減が伴っていることを

反映していると考えられる。

23

Page 26: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

ていると考えられる。GDP以外の経済指標も導入した多変数での対数変換を用いた重回

帰において、変数減少法で分析した結果、説明変数の中で、GDPが最も多くの国のケー

スで採用された。それに続くのは、租税負担率及び経常収支だった。15 この重回帰分析に

おいても、DW値は、2に近い値をとっているケースが多い。 階差を利用したVARモデルを用いて、実質ODA支出と実質GDPとの関係をインパ

ルス反応で分析したところ、GDP から ODA への累積の影響は概ねプラス、ODA から GDPへの影響についてもプラスに働いている国のほうが多いことがわかった。ただし、グレン

ジャー因果関係は確認できないケースが多い。 ODA支出とGDPを含む経済指標との関係に関する重回帰分析(上記3.2及び5.

3)及びパネルデータ分析の結果から、ODA支出について、各種経済指標の中でGDP

の説明力が一番高いことがわかる。DACをはじめとする国際フォーラムにおいて、GD

PとODA支出との関係に注目し、国際目標を作成したり、その比率をモニターすること

には妥当性があると言えよう。しかし、GDP以外の経済指標(パネルデータ分析によれ

ば、公的債務、財政収支、経常収支、回帰分析によれば、租税負担率、経常収支、失業率、

公的債務)にも比較的強い説明力が認められるので、これら指標の動向にもしかるべく留

意することが適当である。

15 GDPの符号は、ほとんどの国で正であるが、租税負担率の符号はそろっておらず、経常収支の符号

は多くの国で負となっている。

24

Page 27: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

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http://www.oecd.org/document/35/0,3343,en_2649_37413_42458595_1_1_1_1,00.html OECD.Stat,    http://stats.oecd.org/WBOS/index.aspx 

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United Nations, FOLLOW-UP INTERNATIONAL CONFERENCE ENDS WITH ADOPTION OF

TEXT CALLING FOR FURTHER MEETING ON WORLD FINANCIAL CRISIS, 2008

25

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山本拓 『経済の時系列分析』創文社、1988年

26

Page 29: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図表一覧

表3-1 クロスセクション回帰分析(1991-2006年)

表3-2 クロスセクション単回帰分析(対数使用) 表3-3 ODA支出と各種経済指標の相関係数

表3-4 クロスセクション重回帰分析

表3-5 クロスセクション重回帰分析(対数使用)

表4-1 多変数パネルデータ分析

表5-1 GDPとODA支出との相関係数(各国別)

表5-2 ODA支出とGDPとの関係―各国別の回帰分析

表5-3 各国別1次ラグを含む回帰分析

表5-4 GDPとODA・GDP比との関係

表5-5 時系列多変数相関係数

表5-6 時系列重回帰分析

表5-7 時系列重回帰(対数変換)

表5-8 各国別インパルス反応の符号

表5-9 各国の無償援助比率

表5-10 各国別1次ラグを含む回帰分析(無償)

図3-1 DAC諸国のGDPとODA支出との相関係数

図3-2 GDP 回帰係数の推移(1991-2006年)

図3-3 決定係数の推移(1991-2006年)

図3-4 GDP 回帰係数の推移(対数使用) 図3-5 単回帰決定係数の推移(対数使用) 図3-6 各国別 ODA・GDP 比率の推移 図3-7 ODA支出とGDP、外貨準備の相関係数の経年推移

図3-8 GDP の回帰係数(クロスセクション重回帰)

図3-9 外貨準備の回帰係数(クロスセクション重回帰)

図3-10 修正済み決定係数(クロスセクション重回帰)

図3-11 対数変換後と変換前の散布図

図5-1 GDPとODA支出及びODA・GDP比との関係

図5-2 ODA支出と各種経済指標との関係(散布図)

図5-3 インパルス反応分析

図5-4 共和分関係に関する分析

27

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図3-1 DAC諸国のGDPとODA支出との相関係数

表3-1 クロスセクション回帰分析(1991-2006年)

回帰係数 t 統計量 決定係数1991 0.002204 7.52 0.001591 0.002818 0.74851992 0.002166 7.08 0.001526 0.002807 0.7251993 0.001859 6.06 0.001217 0.002502 0.65881994 0.001786 5.19 0.001066 0.002507 0.58621995 0.001428 3.62 0.000602 0.002254 0.40811996 0.001419 5.81 0.00091 0.001929 0.62781997 0.001032 4.6 0.000564 0.001501 0.51371998 0.001203 5.63 0.000758 0.00165 0.61291999 0.001193 5.18 0.000713 0.001673 0.57322000 0.001226 5.27 0.000741 0.001712 0.58112001 0.001238 8.34 0.000929 0.001548 0.77682002 0.00135 10.25 0.001075 0.001625 0.842003 0.001536 10.9 0.001242 0.00183 0.8562004 0.001708 11.86 0.001408 0.002009 0.87552005 0.002307 13.87 0.001961 0.002655 0.90582006 0.001828 9.41 0.001423 0.002234 0.8158

図3-2 GDP回帰係数の推移(1991-2006年)

95%信頼区間

GDPとODAの相関係数

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

GDPとODAの相関係数

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

GDPの回帰係数と95%信頼区間(単回帰)

00.00050.001

0.00150.002

0.00250.003

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

95%上限

回帰係数推定値

95%下限

28

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図3-3 決定係数の推移(1991-2006年)

決定係数(単回帰)

00.10.20.30.40.50.60.70.80.91

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

29

Page 32: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表3-2 クロスセクション単回帰分析(対数使用)

回帰係数 t統計量 修正決定係数1991 0.9589 8.87 0.7327 1.1851 0.79541992 0.9822 8.63 0.7441 1.2203 0.78621993 0.9647 9.2 0.7451 1.1843 0.80691994 0.9347 9.47 0.728 1.1413 0.81591995 0.8630 8.31 0.6457 1.0803 0.7731996 0.8666 8.16 0.6451 1.0881 0.75751997 0.8015 7.65 0.5828 1.0202 0.73231998 0.8311 8.21 0.62 1.0422 0.75981999 0.8192 8.01 0.6059 1.0324 0.75062000 0.8375 8.05 0.6205 1.0546 0.75242001 0.8176 8.18 0.609 1.0261 0.75822002 0.8212 8.54 0.6207 1.0217 0.77422003 0.7990 7.99 0.5904 1.0077 0.74952004 0.7759 8.33 0.5815 0.9702 0.7652005 0.8461 8.95 0.6488 1.0434 0.79012006 0.8162 8.33 0.6119 1.0205 0.7652

図3-4 GDP回帰係数の推移(対数使用)

図3-5 単回帰決定係数の推移(対数使用)

95%信頼区間

Adj R-sq

0.68

0.7

0.72

0.74

0.76

0.78

0.8

0.82

0.84

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

GDP(対数)の回帰係数と95%信頼区間(単回帰)

0

0.20.4

0.6

0.8

11.2

1.4

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

95%上限

回帰係数推定値

95%下限

30

Page 33: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図3-6 各国別ODA・GDP比率の推移

.002

.002

5.0

03.0

035

.004

.004

5od

agdp

r

1990 1995 2000 2005year

Germany odagdpr

.002

.004

.006

.008

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

France odagdpr

.001

5.0

02.0

025

.003

.003

5od

agdp

r

1990 1995 2000 2005year

Australia odagdpr

.001

.002

.003

.004

.005

.006

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Austria odagdpr

.003

.004

.005

.006

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Belgium odagdpr

.001

.002

.003

.004

.005

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Canada odagdpr

.01

.011

.012

.013

.014

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Denmark odagdpr

.002

.004

.006

.008

.01

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Finland odagdpr

31

Page 34: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

.000

8.0

01.0

012

.001

4.0

016

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Greece odagdpr

.001

.002

.003

.004

.005

.006

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Ireland odagdpr

.001

.002

.003

.004

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Italy odagdpr

.002

5.0

03.0

035

.004

.004

5.0

05od

agdp

r

1990 1995 2000 2005year

Japan odagdpr

.003

.004

.005

.006

.007

.008

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Luxembourg odagdpr

.006

.007

.008

.009

.01

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Netherlands odagdpr

.001

.001

5.0

02.0

025

.003

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

New Zealand odagdpr

.008

.01

.012

.014

.016

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Norway odagdpr

32

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.000

5.0

01.0

015

.002

.002

5od

agdp

r

1990 1995 2000 2005year

US odagdpr

.002

.003

.004

.005

.006

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

UK odagdpr

.001

.002

.003

.004

.005

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Portugal odagdpr

.001

5.0

02.0

025

.003

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Spain odagdpr

.006

.008

.01

.012

.014

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Sweden odagdpr

.004

.005

.006

.007

odag

dpr

1990 1995 2000 2005year

Switzerland odagdpr

33

Page 36: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表3-3  実質 租税 財政 公的 経常GDP 負担率 収支 債務 収支成長率

1991 0.858 0.7581 0.2995 -0.364 0.1628 0.0334 0.0579 -0.24641992 0.844 0.7816 0.2636 -0.3667 0.2856 -0.022 0.0573 -0.32811993 0.7988 0.8369 0.034 -0.3836 0.2343 -0.0608 -0.0564 -0.31581994 0.7529 0.8661 -0.4054 -0.4163 -0.0208 -0.014 -0.0064 -0.29231995 0.6325 0.9014 -0.3265 -0.3203 -0.2874 0.1133 -0.1096 -0.18351996 0.7899 0.7558 -0.1051 -0.2706 -0.1911 0.1049 -0.0737 -0.12761997 0.7128 0.7874 -0.3222 -0.2635 -0.238 0.1514 -0.0075 -0.13491998 0.7829 0.8629 -0.4702 -0.2799 -0.533 0.2589 0.0131 -0.14241999 0.7571 0.8555 -0.4206 -0.3084 -0.4551 0.3281 0.0115 -0.11132000 0.7623 0.8497 -0.2698 -0.3622 -0.3406 0.3461 -0.0825 -0.12862001 0.8814 0.6849 -0.4638 -0.3299 -0.329 0.2734 -0.1093 -0.04632002 0.9174 0.5945 -0.3325 -0.3802 -0.5042 0.2863 -0.141 -0.0062003 0.9277 0.4423 -0.1012 -0.3504 -0.5525 0.2899 -0.1416 0.05512004 0.9357 0.3564 -0.1284 -0.344 -0.3695 0.2232 -0.1504 -0.01622005 0.9517 0.3597 -0.1898 -0.3419 -0.3342 0.2872 -0.1158 -0.03552006 0.9032 0.3246 -0.2633 -0.2742 -0.2892 0.2557 -0.0828 0.0126

図3-7 ODA支出とGDP、外貨準備の相関係数の経年推移

失業率

ODA支出と各種経済指標の相関係数

GDP 外貨準備

ODAとGDP、外貨準備の相関

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

相関

係数

gdp

intres

34

Page 37: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図3-8 GDPの回帰係数(クロスセクション重回帰)

(注)1995年の数値は前後の年次の数値の平均値を取っている。

図3-9 外貨準備の回帰係数(クロスセクション重回帰) 

図3-10 修正済み決定係数(クロスセクション重回帰)

GDPの回帰係数(重回帰)

0

0.0005

0.001

0.0015

0.002

0.0025

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

外貨準備(重回帰)

0

0.02

0.04

0.06

0.08

0.1

0.12

0.14

1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002

修正済み決定係数(重回帰)

00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

1

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

35

Page 38: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図3-11 対数変換後と変換前の散布図

対数変換後(2006年)

対数変換前(2006年)

lnoda

lngdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

lnintres

unem

6

8

10

6 8 10

10

12

14

16

10 12 14 16

2

4

6

2 4 6

30

40

50

30 40 50

0

10

20

0 10 20

0

100

200

0 100 200

-10

0

10

20

-10 0 10 20

5

10

15

5 10 15

4

6

8

10

4 6 8 10

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

0

10000

20000

0 10000 20000

0

5000000

1.00e+07

1.50e+07

0 50000001.00e+071.50e+07

2

4

6

2 4 6

30

40

50

30 40 50

0

10

20

0 10 20

0

100

200

0 100 200

-10

0

10

20

-10 0 10 20

0

200000

400000

600000

0 200000 400000600000

4

6

8

10

4 6 8 10

36

Page 39: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表3-4 クロスセクション重回帰分析GDP 外貨準備 GDP成長 租税負担 財政収支 公的債務 経常収支 失業率 修正決定係数

1991 0.002052*** none none none none none none none 0.71731992 0.00138*** 0.074552** none none none none none none 0.75921993 0.000915** 0.095997*** none none none none none none 0.75831994 0.00073** 0.114378*** none none none none none none 0.78251995 none 0.117948*** none none none none none none 0.8021996 0.001057*** 0.052078*** none 112.3037* none none none none 0.78861997 0.000601*** 0.042293*** none none none none none none 0.72341998 0.000725*** 0.060296*** none 73.62809** none none none none 0.88961999 0.000793*** 0.050752*** none 73.35056** none none none none 0.91742000 0.000854*** 0.041245*** none 56.46739* none none none none 0.93712001 0.00102*** 0.01918*** none none none none none none 0.91182002 0.001243*** 0.015456*** none 64.42372* none none none none 0.91742003 0.00146*** none none none -240.383** none 114.9271* none 0.89152004 0.001708*** none none none none none none none 0.86922005 0.002287*** none -580.859* none none none none none 0.91262006 0.001829*** none none none none none none none 0.8066

*** 1%水準で有意 ** 5%水準で有意 * 10%水準で有意

37

Page 40: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表3-5 クロスセクション重回帰分析(対数使用)lnGDP ln外貨準備 GDP成長 租税負担 財政収支 公的債務 経常収支 失業率 修正決定係数

1991 0.8263814*** none none 0.0510516*** none -0.0053986** none -0.0648426** 0.92591992 0.8171394*** none none 0.0568363*** none -0.0070304*** none -0.0906148*** 0.94831993 0.7627997*** none none none none none none none 0.70031994 1.051852*** none none 0.0467471* none -0.0109943* 0.1230945** none 0.83271995 0.7879458*** 0.3648214** none 0.0586476** none -0.0101686* 0.0691328** none 0.86821996 0.8675267*** 0.3127902*** none 0.063536*** none -0.0114091*** 0.0938562*** none 0.92741997 0.7854201*** 0.2724607** none 0.0521789*** none -0.0121687** 0.0652491** none 0.87181998 0.9486778*** none none 0.0521729*** none none 0.0603766** -0.0970382*** 0.88221999 0.8063646*** 0.1910049** none 0.0409844*** none none 0.0595581*** -0.0959588*** 0.92572000 1.015646*** none none 0.0432983** none none 0.0405923** -0.1145711*** 0.89912001 1.004626*** none none 0.0396086*** none none 0.0479466*** -0.122367*** 0.92212002 1.034809*** none none 0.0381717** none none 0.0559557*** -0.1104765** 0.92452003 0.9904148*** none none 0.034314** none none 0.0825777*** none 0.93642004 0.9413381*** none none 0.0396031** none none 0.0456758** -0.0841983* 0.8882005 1.090082*** none 0.0759443** 0.0586886*** -0.0193648* -0.0026889** 0.0562233*** -0.0831958*** 0.98672006 1.066398*** none 0.1100027* 0.0526876*** none -.0039427* 0.0424781*** -.0667137* 0.9565

*** 1%水準で有意 ** 5%水準で有意 * 10%水準で有意

38

Page 41: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図5-1

Australia

Austria

Belgium

Canada

GDPとODA支出及びODA・GDP比との関係GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

500

1000

1500

2000

300000 400000 500000 600000 700000gdp

oda Fitted values

.001

5.0

02.0

025

.003

.003

5

300000 400000 500000 600000 700000gdp

odagdpr Fitted values

050

010

0015

00

150000 200000 250000 300000gdp

oda Fitted values

.001

.002

.003

.004

.005

.006

150000 200000 250000 300000gdp

odagdpr Fitted values

500

1000

1500

2000

200000 250000 300000 350000gdp

oda Fitted values

.003

.004

.005

.006

200000 250000 300000 350000gdp

odagdpr Fitted values

1500

2000

2500

3000

3500

4000

600000 800000 1000000 1200000gdp

oda Fitted values

.001

.002

.003

.004

.005

600000 800000 1000000 1200000gdp

odagdpr Fitted values

39

Page 42: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Denmark

Finland

France

Germany

GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

1200

1400

1600

1800

2000

2200

100000 120000 140000 160000 180000 200000gdp

oda Fitted values

.01

.011

.012

.013

.014

100000 120000 140000 160000 180000 200000gdp

odagdpr Fitted values

200

400

600

800

1000

80000 100000 120000 140000 160000 180000gdp

oda Fitted values

.002

.004

.006

.008

.01

80000 100000 120000 140000 160000 180000gdp

odagdpr Fitted values

4000

6000

8000

1000

012

000

1000000 1200000 1400000 1600000 1800000 2000000gdp

oda Fitted values

.002

.004

.006

.008

1000000 1200000 1400000 1600000 1800000 2000000gdp

odagdpr Fitted values

5000

6000

7000

8000

9000

1000

0

1500000 2000000 2500000 3000000gdp

oda Fitted values

.002

.002

5.0

03.0

035

.004

.004

5

1500000 2000000 2500000 3000000gdp

odagdpr Fitted values

40

Page 43: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Greece

Ireland

Italy

Japan

GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

100

200

300

400

150000 200000 250000 300000gdp

oda Fitted values

.000

8.0

01.0

012

.001

4.0

016

150000 200000 250000 300000gdp

odagdpr Fitted values

020

040

060

080

010

00

50000 100000 150000 200000gdp

oda Fitted values

.001

.002

.003

.004

.005

.006

50000 100000 150000 200000gdp

odagdpr Fitted values

1000

2000

3000

4000

5000

1000000 1200000 1400000 1600000 1800000gdp

oda Fitted values

.001

.002

.003

.004

1000000 1200000 1400000 1600000 1800000gdp

odagdpr Fitted values

8000

1000

012

000

1400

0

2500000 3000000 3500000 4000000gdp

oda Fitted values

.002

5.0

03.0

035

.004

.004

5.0

05

2500000 3000000 3500000 4000000gdp

odagdpr Fitted values

41

Page 44: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Luxembourg

Netherlands

New Zealand

Norway

GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

5010

015

020

025

030

0

15000 20000 25000 30000 35000gdp

oda Fitted values

.002

.004

.006

.008

.01

15000 20000 25000 30000 35000gdp

odagdpr Fitted values

2000

3000

4000

5000

6000

300000 400000 500000 600000gdp

oda Fitted values

.006

.007

.008

.009

.01

300000 400000 500000 600000gdp

odagdpr Fitted values

5010

015

020

025

030

0

40000 60000 80000 100000 120000gdp

oda Fitted values

.001

.001

5.0

02.0

025

.003

40000 60000 80000 100000 120000gdp

odagdpr Fitted values

1000

1500

2000

2500

3000

50000 100000 150000 200000 250000gdp

oda Fitted values

.008

.01

.012

.014

.016

50000 100000 150000 200000 250000gdp

odagdpr Fitted values

42

Page 45: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Portugal

Spain

Sweden

Switzerland

GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

200

400

600

800

1000

120000 140000 160000 180000 200000 220000gdp

oda Fitted values

.001

.002

.003

.004

.005

120000 140000 160000 180000 200000 220000gdp

odagdpr Fitted values

1000

2000

3000

4000

600000 800000 1000000 1200000 1400000gdp

oda Fitted values

.001

5.0

02.0

025

.003

600000 800000 1000000 1200000 1400000gdp

odagdpr Fitted values

1500

2000

2500

3000

3500

4000

150000 200000 250000 300000gdp

oda Fitted values

.006

.008

.01

.012

.014

150000 200000 250000 300000gdp

odagdpr Fitted values

800

1000

1200

1400

1600

1800

150000 200000 250000 300000gdp

oda Fitted values

.004

.005

.006

.007

150000 200000 250000 300000gdp

odagdpr Fitted values

43

Page 46: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

UK

US

GDPとODA支出との関係 GDPとODA・GDP比との関係

2000

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oda Fitted values

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.006

1000000 1200000 1400000 1600000 1800000 2000000gdp

odagdpr Fitted values

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000

2000

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3000

0

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oda Fitted values

.000

5.0

01.0

015

.002

.002

5

6000000 8000000 1.00e+07 1.20e+07 1.40e+07gdp

odagdpr Fitted values

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Page 47: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-1 GDPとODA支出との相関係数(各国別)国名 相関係数ルクセンブルク 0.9848ギリシャ 0.952アイルランド 0.9403ノルウェー 0.9006デンマーク 0.8859スペイン 0.8666英国 0.8631オランダ 0.861ニュージーランド 0.8212ベルギー 0.7975オーストリア 0.7924アメリカ 0.7758スイス 0.7245豪州 0.6882スウェーデン 0.6573ポルトガル 0.4716カナダ 0.4379ドイツ 0.3825フィンランド 0.3725フランス 0.1143イタリア 0.0488日本 -0.2045

表5-2 ODA支出とGDPとの関係ー各国別の回帰分析国名 回帰係数 t統計量 決定係数 DW統計量NW t統計量ルクセンブルク 0.011047 21.24 0.9699 0.9322 21.33ノルウェー 0.010833 7.75 0.8112 0.6099 5.67スウェーデン 0.009496 3.26 0.432 0.4058 2.09デンマーク 0.008522 7.15 0.7849 0.7473 5.97オーストリア 0.007717 4.86 0.6279 1.1048 3.51ベルギー 0.007031 4.95 0.6361 1.0928 4.24オランダ 0.006997 6.33 0.7414 0.5832 4.32英国 0.006814 6.4 0.745 0.3241 3.9スイス 0.006109 3.93 0.5249 0.8626 3.09アイルランド 0.00605 10.34 0.8842 0.4607 6.74スペイン 0.002694 6.5 0.751 0.4581 4.05フィンランド 0.002647 1.5 0.1387 0.4622 1.03ニュージーランド 0.002482 5.38 0.6744 0.5747 3.87ポルトガル 0.002448 2 0.2224 2.2649 2.55アメリカ 0.002096 4.6 0.6019 0.569 3.04ギリシャ 0.001903 9.33 0.9063 2.2277 15.14ドイツ 0.001818 1.55 0.1463 0.3809 1.04豪州 0.001639 3.55 0.4737 0.3882 2.31カナダ 0.001405 1.82 0.1917 0.3923 1.12フランス 0.00072 0.43 0.0131 0.2882 0.29イタリア 0.000233 0.18 0.0024 0.9779 0.13日本 -0.000773 -0.78 0.0418 1.5787 -0.87

45

Page 48: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-3 各国別1次ラグを含む回帰分析国名 gdp t値 oda(-1) t値 Ajt R-sq l-t gdp 表5-2順位Australia 0.0007 2.35 1.2302 7.03 0.8853 na 18Austria 0.0050 2.11 0.5114 1.78 0.6524 0.0103 5Belgium 0.0046 2.3 0.4957 1.99 0.6889 0.0091 6Canada 0.0012 2.54 0.8793 5.16 0.7367 0.0101 19Denmark 0.0032 1.43 0.6220 2.45 0.8021 0.0085 4Finland 0.0035 4.45 0.5941 5.27 0.8029 0.0085 12France 0.0017 1.92 1.0113 6.66 0.7558 na 20Germany 0.0016 2.07 0.9460 5.23 0.7045 0.0289 17Greece 0.0021 3.2 -0.0275 -0.08 0.8897 0.0020 16Ireland -0.0004 -0.4 1.4115 7.18 0.9741 na 10Italy 0.0009 0.7 0.5075 2.01 0.1429 0.0018 21Japan -0.0008 -0.67 0.2041 0.73 -0.0586 -0.0010 22Luxembourg 0.0033 1.36 0.8089 3.31 0.9803 0.0171 1Netherlands 0.0019 1.21 0.9194 4.01 0.8622 0.0233 7New Zealand 0.0011 1.86 0.7496 3.66 0.8186 0.0042 13Norway 0.0034 1.65 0.8904 4.33 0.9177 0.0311 2Portugal 0.0028 1.72 -0.1336 -0.45 0.0809 0.0025 14Spain 0.0007 1.66 1.1288 5.64 0.9214 na 11Sweden 0.0052 2.67 1.0026 5.64 0.8329 na 3Switzerland 0.0028 1.46 0.6433 2.64 0.6338 0.0079 9United Kingdom 0.0014 1.71 1.1309 8.77 0.962 na 8United States 0.0011 2.17 0.6816 3.5 0.8012 0.0034 15

BGT DAT 系列相関1 lag 2 lags 1 lag 2lags 25%水準 5%水準

Australia 0.6315 0.7137 0.6784 0.788 なしAustria 0.3528 0.6249 0.4091 0.7118 なしBelgium 0.0631 0.1224 0.0604 0.1178 あり なしCanada 0.0951 0.092 0.1039 0.0729 あり なしDenmark 0.1682 0.3114 0.1991 0.3817 あり なしFinland 0.5083 0.5349 0.564 0.6279 なしFrance 0.0985 0.1877 0.1084 0.2146 あり なしGermany 0.9936 0.9427 0.9945 0.9611 なしGreece 0.1253 0.1757 0.1461 0.1747 あり なしIreland 10 0.593 0.1779 0.6432 0.2004 あり なしItaly 0.0296 0.0519 0.0172 0.021 あり ありJapan 0.1538 0.2234 0.181 0.2654 あり なしLuxembourg 0.509 0.6999 0.5647 0.7766 なしNetherlands 0.7886 0.5777 0.8179 0.6687 なしNew Zealand 0.1931 0.0695 0.2298 0.042 あり なしNorway 16 0.3316 0.5204 0.3868 0.6138 なしPortugal 0.3145 0.3724 0.3684 0.4552 なしSpain 0.0564 0.0313 0.0512 0.0042 あり ありSweden 0.0548 0.0887 0.0492 0.0681 あり なしSwitzerland 0.8119 0.9697 0.8382 0.9796 なしUnited Kingdom 0.1132 0.2212 0.1282 0.2623 あり なしUnited States 0.0252 0.0715 0.0126 0.0445 あり あり

BGT Breusch-Godfrey LM test for autocorrelationDAT Durbin's alternative test for autocorrelation

46

Page 49: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-4  GDPとODA・GDP比との関係国名 定数項 右上がり豪州 357.93 Xオーストリア -1086.27 Oベルギー -765.86 Oカナダ 1124.1 Xデンマーク 472.07 Xフィンランド 204.78 Xフランス 6193.5 Xドイツ 3137.18 Xギリシャ -157.62 Oアイルランド -285.6 Oイタリア 2278.74 X日本 13531.67 Xルクセンブルク -109.36 Oオランダ 423.41 Xニュージーランド -44.26 Oノルウェー 47.81 Xポルトガル -68.27 Oスペイン -490.42 Oスウェーデン -0.12 Oスイス -225.47 O英国 -4772.49 Oアメリカ -6134.63 O

47

Page 50: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図5-2Australia

Austria

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

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1500

2000

1000 1500 2000

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200000 400000 600000 800000

0

2

4

6

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26

28

30

32

26 28 30 32

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0

5

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20 30 40

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10000 20000 30000 40000

4

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4 6 8 10

oda

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car

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0 500 1000 1500

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300000

150000 200000 250000 300000

0

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4

0 2 4

40

45

40 45

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-4

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0

-6 -4 -2 0

60

70

80

60 70 80

-4

-2

0

2

-4 -2 0 2

0

20000

0 20000

3.5

4

4.5

5

3.5 4 4.5 5

48

Page 51: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Belgium

Canada

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

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govdebtr

car

intres

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500

1000

1500

2000

500 1000 1500 2000

200000

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350000

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44

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42 44 46

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5000 10000 15000

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6 8 10

oda

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1000000

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60000080000010000001200000

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0

5

-5 0 5

34

36

38

34 36 38

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-5

0

5

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60 80 100

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0

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49

Page 52: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Denmark

Finland

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

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rgdpg

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car

intres

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1000

1500

2000

2500

1000 1500 2000 2500

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100000 150000 200000

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46

48

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46 48 50

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40 60 80

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2

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0

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20000

30000

0 10000 20000 30000

4

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4 6 8 10

oda

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0 500 1000

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46

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44 46 48

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0

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20 40 60

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0

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Page 53: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

France

Germany

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

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car

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45

42 43 44 45

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-4

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60

80

40 60 80

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2

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20000 25000 30000 35000

8

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12

8 10 12

oda

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1500000 2000000 2500000

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35 36 37

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40 50 60 70

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0 5 10

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40000

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51

Page 54: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Greece

Ireland

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

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govbalr

govdebtr

car

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300

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200 300 400

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200000

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25 30 35

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100 110 120

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0 5000 10000 15000

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6 8 10 12

oda

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500

1000

0 500 1000

50000

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200000

50000 100000150000 200000

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0 5 10

30

35

40

30 35 40

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5

-5 0 5

30

40

50

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30 40 50 60

-5

0

5

-5 0 5

0

2000

4000

6000

0 2000 4000 6000

5

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15

5 10 15

52

Page 55: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Italy

Japan

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

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2000 4000 6000

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38 40 42 44

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20000 30000 40000

6

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6 8 10 12

oda

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rgdpg

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govbalr

govdebtr

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8000

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12000

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8000 10000 12000 14000

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26 27 28 29

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50 100 150 200

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0 200000 400000 600000

2

4

6

2 4 6

53

Page 56: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Luxembourg

Netherlands

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

0

100

200

300

0 100 200 300

10000

20000

30000

40000

10000 20000 30000 40000

0

5

10

0 5 10

34

36

38

40

34 36 38 40

0

5

10

0 5 10

8

9

10

11

8 9 10 11

8

10

12

14

8 10 12 14

0

100

200

0 100 200

2

3

4

5

2 3 4 5

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

2000

4000

6000

2000 4000 6000

200000

400000

600000

200000 400000 600000

0

5

0 5

35

40

45

35 40 45

-10

-5

0

-10 -5 0

50

100

50 100

0

5

10

0 5 10

0

20000

0 20000

2

4

6

2 4 6

54

Page 57: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

New Zealand

Norway

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

100

200

300

100 200 300

40000

60000

80000

100000

40000 60000 80000100000

0

5

10

0 5 10

32

34

36

38

32 34 36 38

-5

0

5

-5 0 5

20

40

60

20 40 60

-8

-6

-4

-2

-8 -6 -4 -2

0

5000

10000

0 5000 10000

4

6

8

10

4 6 8 10

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

1000

2000

3000

1000 2000 3000

100000

150000

200000

250000

100000150000200000250000

0

2

4

6

0 2 4 6

40

42

44

40 42 44

0

10

20

0 10 20

20

40

60

20 40 60

0

10

20

0 10 20

10000

20000

30000

40000

10000 20000 30000 40000

2

4

6

2 4 6

55

Page 58: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Portugal

Spain

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

0

500

1000

0 500 1000

100000

150000

200000

250000

100000 150000 200000 250000

-2

0

2

4

-2 0 2 4

30

35

40

30 35 40

-8

-6

-4

-2

-8 -6 -4 -2

60

65

70

75

60 65 70 75

-10

-5

0

-10 -5 0

0

5000

10000

15000

0 5000 10000 15000

4

6

8

4 6 8

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

1000

2000

3000

4000

1000 2000 3000 4000

500000

1000000

1500000

500000 1000000 1500000

-5

0

5

-5 0 5

32

34

36

32 34 36

-10

-5

0

-10 -5 0

40

60

80

40 60 80

-10

-5

0

-10 -5 0

0

20000

40000

60000

0 20000 40000 60000

10

15

20

10 15 20

56

Page 59: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Sweden

Switzerland

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

1000

2000

3000

4000

1000 2000 3000 4000

150000

200000

250000

300000

150000200000250000300000

-2

0

2

4

-2 0 2 4

46

48

50

52

46 48 50 52

-10

-5

0

5

-10 -5 0 5

50

60

70

80

50 60 70 80

-5

0

5

10

-5 0 5 10

10000

15000

20000

10000 15000 20000

4

6

8

10

4 6 8 10

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

500

1000

1500

2000

500 1000 1500 2000

150000

200000

250000

300000

150000 200000 250000 300000

-2

0

2

4

-2 0 2 4

26

28

30

26 28 30

-4

-2

0

2

-4 -2 0 2

30

40

50

60

30 40 50 60

5

10

15

5 10 15

20000

30000

40000

20000 30000 40000

2

3

4

2 3 4

57

Page 60: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

UK

US

ODA支出と各種経済指標との関係

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

0

5000

10000

15000

0 5000 10000 15000

1000000

1500000

2000000

1000000 1500000 2000000

-2

0

2

4

-2 0 2 4

32

34

36

38

32 34 36 38

-10

-5

0

5

-10 -5 0 5

30

40

50

30 40 50

-4

-2

0

-4 -2 0

24000

26000

28000

30000

24000 26000 28000 30000

4

6

8

10

4 6 8 10

oda

gdp

rgdpg

taxr

govbalr

govdebtr

car

intres

unem

10000

20000

30000

10000 20000 30000

5000000

1.00e+07

1.50e+07

5000000 1.00e+07 1.50e+07

0

2

4

0 2 4

26

28

30

26 28 30

-5

0

5

-5 0 5

55

60

65

70

55 60 65 70

-6

-4

-2

0

-6 -4 -2 0

45000

50000

55000

60000

45000 50000 55000 60000

4

6

8

4 6 8

58

Page 61: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-5 時系列多変数相関係数

GDP 外貨準備 GDP成長率 租税負担率 財政収支 公的債務 経常収支 失業率Australia 0.6882 0.8769 -0.2763 0.3812 0.325 -0.4743 -0.6053 -0.5968Austria 0.7688 -0.5312 0.198 -0.2669 0.3115 0.091 0.6939 0.6967Belgium 0.7975 -0.6882 -0.0397 0.2753 0.3819 -0.8031 -0.6845 0.0218Canada 0.4379 0.009 -0.2192 -0.5534 -0.0492 -0.5892 -0.0057 -0.1494Denmark 0.8859 0.775 0.2566 0.7193 0.8589 -0.7531 0.3605 -0.7311Finland 0.3725 -0.1026 -0.435 -0.6342 0.25 -0.7761 -0.3747 -0.7034France 0.1143 -0.444 -0.3431 -0.3668 -0.485 -0.0002 -0.7625 0.1734Germany 0.4454 -0.3677 -0.0619 -0.4984 -0.2412 0.2412 0.7517 0.3643Greece 0.952 -0.8645 0.5157 -0.3981 -0.034 0.3935 -0.7161 -0.5525Ireland 0.9632 -0.8992 -0.6161 0.1107 -0.0495 -0.7223 -0.8604 -0.3913Italy 0.0605 -0.2685 -0.565 -0.4108 -0.4485 -0.5407 -0.6328 -0.6611Japan -0.2045 -0.2035 0.0984 0.1675 0.0694 -0.2243 -0.011 -0.2892Luxembourg 0.9761 0.8164 0.152 -0.5002 -0.5585 -0.3927 -0.046 0.8324Netherlands 0.861 -0.6143 -0.1795 -0.611 0.3049 -0.7364 0.7401 -0.2807New Zealand 0.7986 0.8621 -0.3653 0.6103 0.575 -0.6989 -0.8416 -0.7717Norway 0.9006 0.9258 -0.3634 0.7405 0.7125 0.8537 0.7166 -0.3426Portugal 0.4525 -0.5149 -0.3422 0.2407 0.0818 0.3396 -0.1579 0.2528Spain 0.8666 -0.7626 0.1939 0.8744 0.7231 -0.6827 -0.879 -0.683Sweden 0.6573 0.5763 0.1179 -0.1049 0.2745 -0.6427 0.482 -0.17Switzerland 0.7245 0.1984 0.3809 0.3513 0.3744 0.3899 0.7049 0.5759United Kingdom 0.8631 -0.1041 0.0761 0.5465 0.0975 -0.0764 -0.6255 -0.6088United States 0.7758 -0.4907 -0.1127 -0.4302 -0.2908 -0.3246 -0.7616 -0.0654(参考)pool 0.8295 0.4712 -0.1749 -0.3167 -0.2339 0.1824 -0.0809 -0.1155

ODAとの相関係数

59

Page 62: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-6 時系列重回帰分析GDP 租税 DW値成長率 負担率

Australia 0.002258** 0.033641*** -75.6081** -157.315*** none 26.68895*** -64.865*** none 0.9589 3.01Austria none none none -267.602*** 170.5586*** none none 469.7248*** 0.7322 2.28Belgium none none -81.6238*** -258.569*** none -37.7374*** none 219.7572*** 0.9337 3.21Canada 0.002816*** -0.1268*** none none none -49.7155*** none none 0.8378 2.34Denmark 0.006787*** none none 69.43829** none none none none 0.8281 1.04Finland 0.008261*** none none 76.39264** -62.3626*** none -23.787** -91.8758*** 0.9361 2.38France 0.003356*** none none none none none -1448.3*** 1251.411*** 0.8978 2.82Germany -0.00447*** none none 1155.721** none none 1272.12*** none 0.8158 2.49Greece 0.002636*** 0.0092* none none none none none -25.642** 0.9315 2.63Ireland  . -Italy none none -217.755* none -365.843*** 196.1962*** -963.62*** none 0.8408 1.7Japan none none none none none none none none 0 1.52Luxembourg 0.007814*** none none none 5.608119** none -4.6847** 35.58945*** 0.9916 2.05Netherlands 0.018891*** none none 125.6354* none 70.39346*** none none 0.8771 1.82New Zealand 0.001963*** none none 9.974313** none none -12.795** none 0.9108 2.05Norway 0.019301*** none none none none none -52.278*** 187.6989*** 0.9249 1.43Portugal none -0.08789*** -83.8058* -581.66*** 215.1825*** 50.46806** -101.95** none 0.7359 2.88Spain 0.00229*** none none none none none -277.75*** 156.2269*** 0.9347 1.93Sweden none 0.085654** none none none -71.6239*** none 265.4576*** 0.7772 1.69Switzerland 0.012708*** none none -199.901*** none none none none 0.7313 1.86UK 0.016131*** none -473.792*** 1087.921*** none none 718.952* 2224.758*** 0.9497 1.6US 0.002123*** -0.4738*** none none -1311.7*** none none none 0.8967 2.14(参考)pool 0.001517*** 0.013909*** -145.561** 55.06034*** -125.695*** -14.7272*** 59.3396** none 0.7507 -

*** 1%水準で有意 ** 5%水準で有意 * 10%水準で有意

all dropped because of estimability

公的債務 経常収支 失業率修正決定

係数GDP 外貨準備 財政収支

60

Page 63: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-7 時系列重回帰(対数変換)GDP 租税成長率 負担率

Australia 1.322*** 0.350** -0.088*** -0.202*** none 0.025*** -0.091*** none 0.93 2.62Austria 2.512*** none none none none none none none 0.599 1.14Belgium none none -0.071*** -0.199*** none -0.030*** none 0.170*** 0.936 2.79Canada 0.865*** -0.900*** none none none -0.022*** none none 0.824 2.27Denmark 0.545*** none none 0.044** none none none none 0.841 1.23Finland 1.695*** none none 0.102* -0.112*** none -0.040** -0.164*** 0.929 2.28France 0.611*** none none none none none -0.217*** 0.190*** 0.85 2.43Germany -1.345*** none none 0.142** none none 0.167*** none 0.814 2.2Greece 1.544*** none none none none none none none 0.895 2.14Ireland none none none none none none none none - -Italy none none -0.120*** -0.089** -0.124*** 0.076*** -0.345*** none 0.935 1.3Japan none none none none none none none none 0 1.45Luxembourg 1.594*** -0.218** none 0.081*** none none -0.037*** 0.223*** 0.994 2.55Netherlands none -0.294*** none none none none 0.067*** none 0.87 2.9New Zealand none none none 0.084** none -0.020*** -0.061* none 0.884 1.9Norway 1.180*** none none 0.142* none none -0.026** 0.189*** 0.882 1.31Portugal 4.967*** -0.549** none -0.908*** 0.252*** none none none 0.833 2.96Spain 1.056*** none none none none -0.012* -0.079** 0.068*** 0.919 2.29Sweden none 0.446** none none none -0.027*** none 0.098*** 0.749 1.81Switzerland 2.431*** none none -0.186*** none none none none 0.677 1.93United Kingdom1.201*** none none 0.290*** -0.123*** none none none 0.916 1.91United States none -1.449*** none none -0.095*** none -0.164*** none 0.885 1.88(参考)pool 0.892*** 0.140*** none 0.053*** -0.053*** -0.0083*** 0.057*** -0.054*** 0.893 -

*** 1%水準で有意 ** 5%水準で有意 * 10%水準で有意

修正決定係数

DW値lnGDP ln外貨準備 財政収支 公的債務 経常収支 失業率

61

Page 64: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図5-3 インパルス反応分析Australia

Austria

Belgium

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.04

.00

.04

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.04

.00

.04

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to D2LOGGDPDEF

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D2LOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D2LOGGDPDEF to D2LOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to D2LOGGDPDEF

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D2LOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D2LOGGDPDEF to D2LOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to DLOGODADEF

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to DLOGODADEF

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

62

Page 65: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Canada

Denmark

Finland

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to LOGODADEF

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to LOGODADEF

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

0.75

1.00

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to LOGODADEF

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

0.75

1.00

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to DLOGGDPDEF

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to LOGODADEF

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of DLOGGDPDEF to DLOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

63

Page 66: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

France

Germany

Italy

-.04

.00

.04

.08

.12

.16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

.16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

.00

.04

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(DLOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(DLOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(DLOGGDPDEF) to D(DLOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(DLOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(DLOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(DLOGGDPDEF) to D(DLOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.4

-.2

.0

.2

.4

.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.4

-.2

.0

.2

.4

.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

.5

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

64

Page 67: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Japan

Netherlands

New Zealand

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

65

Page 68: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

Norway

Sweden

Switzerland

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

.4

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

-.02

.00

.02

.04

.06

.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(DLOGGDPDEF)

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(DLOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(DLOGGDPDEF) to D(DLOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.1

.0

.1

.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(DLOGGDPDEF)

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(DLOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.03

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(DLOGGDPDEF) to D(DLOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

66

Page 69: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

UK

US

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.10

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

.04

.05

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.04

.00

.04

.08

.12

.16

.20

.24

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

.16

.20

.24

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGGDPDEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGODADEF)

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGGDPDEF) to D(LOGGDPDEF)

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of D(LOGODADEF) to LOGGDPDEF

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to D(LOGODADEF)

-.02

-.01

.00

.01

.02

.03

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to D(LOGODADEF)

-.05

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of D(LOGODADEF) to LOGGDPDEF

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to D(LOGODADEF)

-.2

-.1

.0

.1

.2

.3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.

67

Page 70: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-8  各国別インパルス反応の符号単期 G因果* 単期 G因果 累積 G因果 累積 G因果GDP→ODA ODA→GDP GDP→ODA ODA→GDP

Australia + X + X + X + XAustria +- ○ 0 X + ○ 0 XBelgium + X + ○ + X + ○Canada ー ○ + X ー ○ + XDenmark - X +- X ー X +- XFinland + ○ + 0 X + ○ + 0 XFrance + X - 0 X + X ー XGermany + X + 0 X + X + XItaly 0 X ー X 0 X ー XJapan + X + X + X + XNetherland + X ー + X + X ー XNew Zeala + ○ + X + ○ + XNorway - X +- X ー X + 0 XSweden 0 X +- ○ 0 X + ○Switzerlan -+ X -+ X ー X ー XUK + ○ +ー ○ + ○ + 0 ○US 0 ○ ー ○ + ○ ー ○

* グレンジャー因果関係の有意水準は0.25とした。

68

Page 71: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

図5-4 共和分関係に関する分析Denmark単位根検定 ODA あり 0.325

GDP あり 0.6818共和分検定 あり None 0.0239

At most 1 0.7137VEC

New Zealand単位根検定 ODA あり 0.8689

GDP あり 0.9937共和分検定 あり None 0.0158

At most 1 0.1255VEC

.00

.04

.08

.12

.16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to LOGODADEF

.00

.04

.08

.12

.16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to LOGGDPDEF

.010

.015

.020

.025

.030

.035

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to LOGODADEF

.010

.015

.020

.025

.030

.035

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to LOGODADEF

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to LOGGDPDEF

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to LOGODADEF

.00

.05

.10

.15

.20

.25

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to LOGODADEF

-.04

.00

.04

.08

.12

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGODADEF to LOGGDPDEF

.00

.02

.04

.06

.08

.10

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to LOGODADEF

.00

.02

.04

.06

.08

.10

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Response to Cholesky One S.D. Innovations

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to LOGODADEF

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGODADEF to LOGGDPDEF

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to LOGODADEF

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Accumulated Response of LOGGDPDEF to LOGGDPDEF

Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations

69

Page 72: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-9 各国の無償援助比率無償援助比率

Australia 1.000Austria 1.259Belgium 1.003Canada 1.028Denmark 1.020Finland 1.009France 0.983Germany 0.992Greece 0.993Ireland 1.000Italy 0.932Japan 0.749Luxembourg 1.000Netherlands 1.055New Zealand 1.000Norway 0.992Portugal 0.862Spain 0.788Sweden 0.997Switzerland 0.996United Kingdom 1.001United States 1.084

70

Page 73: DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関 …DAC諸国のODA支出とGDPなどの経済指標との 相関・因果関係に関する分析: GDPはどこまでODA支出を説明できるか

表5-10 各国別1次ラグを含む回帰分析(無償)国名 gdp t値 grants(-1) t値 Ajt R-sq l-t gdpAustralia 0.0007 2.34 1.2075 6.88 0.8814 naAustria 0.0037 1.8 0.6194 2.2 0.5746 0.0097Belgium 0.0046 2.23 0.5009 2.02 0.7032 0.0092Canada 0.0012 2.45 0.8741 5.09 0.7339 0.0094Denmark 0.0027 1.21 0.6679 2.7 0.7557 0.0083Finland 0.0033 3.79 0.5783 4.48 0.7428 0.0078France 0.0014 1.45 0.9476 5.55 0.7356 0.0267Germany 0.0018 1.97 0.8526 4.38 0.7315 0.0123Greece 0.0021 3.26 -0.0338 -0.1 0.8927 0.0020Ireland  10 -0.0004 -0.4 1.4115 7.18 0.9741 naItaly 0.0017 1.51 0.4683 1.85 0.3095 0.0032Japan 0.0016 1.51 0.3224 1.16 0.2913 0.0024Luxembourg 0.0033 1.36 0.8089 3.31 0.9803 0.0171Netherlands 0.0017 1.11 0.9209 4.25 0.8636 0.0212New Zealand 0.0011 1.86 0.7496 3.66 0.8186 0.0042Norway 0.0034 1.69 0.8669 4.13 0.9139 0.0259Portugal 0.0018 2.54 0.1069 0.37 0.6677 0.0020Spain 0.0011 1.52 0.9256 3.72 0.9296 0.0149Sweden 0.0051 2.68 1.0095 5.73 0.8347 naSwitzerland 0.0027 1.44 0.6409 2.62 0.6166 0.0076United Kingdom 0.0016 1.79 1.1091 7.65 0.9463 naUnited States 0.0012 2.47 0.6782 3.77 0.8111 0.0036

BGT DAT 系列相関1 lag 2 lags 1 lag 2lags 25%水準 5%水準

Australia 0.6516 0.8256 0.6965 0.8764 なしAustria 0.6302 0.6408 0.6772 0.7259 なしBelgium 0.0875 0.1458 0.0936 0.1528 なしCanada 0.0556 0.1115 0.0502 0.1015 なしDenmark 0.1746 0.384 0.2071 0.4687 なしFinland 0.8654 0.6532 0.8845 0.7368 なしFrance 0.0546 0.0833 0.0489 0.0606 なしGermany 0.8904 0.9639 0.906 0.9756 なしGreece 0.1116 0.1528 0.1241 0.1284 なしIreland 10 0.593 0.1779 0.6432 0.2004 なしItaly 0.0764 0.0894 0.0784 0.0692 なしJapan 0.2708 0.4631 0.3203 0.5554 なしLuxembourg 0.509 0.6999 0.5647 0.7766 なしNetherlands 0.49 0.345 0.5464 0.4229 なしNew Zealand 0.1931 0.0695 0.2298 0.042 なしNorway 16 0.2982 0.461 0.3507 0.5531 なしPortugal 0.9173 0.5699 0.9291 0.6614 なしSpain 0.8025 0.6588 0.83 0.7416 なしSweden 0.0556 0.0934 0.0503 0.0748 なしSwitzerland 0.8021 0.952 0.8296 0.9675 なしUnited Kingdom 0.1328 0.197 0.1539 0.2281 なしUnited States 0.0204 0.0621 0.0078 0.0326 あり

BGT Breusch-Godfrey LM test for autocorrelationDAT Durbin's alternative test for autocorrelation

71