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Dell Solutions Vol.04 2012 April 8 千台以上のサーバを仮想化し 5,700万ドル以上のコストを削減  P3 戦略的買収で拡散した拠点を統合 2,000 台のラック型サーバを デルブレードサーバとEqualLogicにコンソリデーション  P4 iSCSI ストレージEqualLogic を導入し Microsoft Exchange の高可用性を実現  P5 デルユニファイド・コミュニケーションソリューションによって 業務生産性を高め、数百万ドルの設備コストを削減 P6 グリッドコンピューティングによって データベース環境を 30% 以上統合し、 2,000 万米ドルのコストを削減  P8 デルアセットリカバリサービスを採用し、 年間約 100万ポンド(453,600kg )の機器をリサイクル  P10 1 2 3 4 5 6 事例で見るデルのIT 効率化戦略

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Dell SolutionsVol.04|2012 April

8千台以上のサーバを仮想化し5,700万ドル以上のコストを削減  P3

戦略的買収で拡散した拠点を統合2,000台のラック型サーバをデルブレードサーバとEqualLogicにコンソリデーション  P4

iSCSIストレージEqualLogicを導入しMicrosoft Exchangeの高可用性を実現  P5

デルユニファイド・コミュニケーションソリューションによって業務生産性を高め、数百万ドルの設備コストを削減  P6

グリッドコンピューティングによってデータベース環境を30%以上統合し、2,000万米ドルのコストを削減  P8

デルアセットリカバリサービスを採用し、年間約100万ポンド(453,600kg)の機器をリサイクル  P10

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事例で見るデルのIT効率化戦略

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2

現状のIT環境を維持するための

IT投資

既存システムから

無駄や非効率性を

排除していくことで、

より多くの投資を

「維持管理」から「変革」へと

振り向けていくことが可能となります。

2

●システムの97%をx86に移行

●わずか2つのサーバイメージを使用(.Net/Windowsと Oracle/Linux)

●アプリケーション数を66%削減

企業の競争力強化のための戦略的IT投資

事例で見るデルのIT効率化戦略

競争力強化のための戦略的 IT投資

今日の企業および公共機関のIT部門は、大きな課題に直面しています。コストを管理し、運用コスト

を抑えながら、事業の変革と成長を持続するために、ITシステムの革新を追求していかなければ

ならないからです。

しかし、ほとんどの組織は、IT投資の約80%を運用とレガシー・システムの管理に費やしています。

したがって、新サービスの創出や既存システムの刷新といった、組織成長を促すためのIT投資は

わずか20%ほどしか利用できず、しかも、既存システムの維持運用にかかるコストも年々増加傾向

にあるというジレンマを抱えているのではないでしょうか。

デル自身も2008年の時点まで、IT投資の約80%をレガシー・システムの維持コストに費やしていま

した。そこに「標準化」「シンプル化」「自動化」「クラウド化」の4つのステップを実行することに

よって、戦略的 IT投資と維持コストの比率を「52% : 48%」に是正することができたのです。

この4つのステップを踏みながら、デルでは、8,000台以上のサーバを仮想化技術によって集約

し6,000サーバを撤去、1万種類のアプリケーションを3,000種類にまで削減。さらに、1台の

コンソールで13万台のプラットフォームを管理する体制を整えました。

次ページ以降、デルが自ら実践し効果を上げた IT効率化事例を紹介します。

48%

20%

80%

2008 現在

52%

●プライベートクラウド向けに自動化されたヘルプデスク

●クラウドベースの情報交換を通じて顧客との関係強化

クラウド化

●サーバのイメージ化と導入に要する期間を数日・数週間から数時間に短縮

●約1時間でクライアントシステムの再イメージ化をセルフサービスで実現

●わずか 1台のコンソールから13万台のサーバとクライアントを管理

自動化

●アプリケーションを

3 年間に渡り毎年25%削減

●複数の地域システムを単一のグローバル基盤に置き換え

●8 , 9 0 0 台以上のサーバを仮想化して6,000サーバを撤去

●全ての新規アプリケーションに対して「まず仮想化」

シンプル化標準化

デルは戦略的IT投資を20%から52%へ拡大

©2012 Dell Inc.※本文掲載の記事、写真、図表の無断転写を禁じます。※本誌掲載の記事において、日本では発表されていないDell製品の機能、サービスについて言及、説明している記述がある場合がありますが、ご了承ください。

●Compellent、KACE、EqualLogic、Latitude、OptiPlex、PowerConnect、PowerEdge、PowerVault、Precision、DELLロゴは、米国Dell Inc.の商標または登録商標です。●Intel、インテル、Intelロゴ、IntelInside、Intel Insideロゴ、Intel vPro、Intel vProロゴ、IntelCore、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Insideは、アメリカ合衆国およびその他の国におけるIntel Corporationの商標です。●Microsoft、Windows、Windows 7、Officeロゴ、Outlook、Excel、PowerPointは米国Microsoft Cor-porationの米国およびその他の国における登録商標です。●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。●本カタログに記載されている仕様は、2012年4月現在のものであり、予告なく変更される場合があります。最新の仕様については、弊社営業またはホームページにてご確認下さい。

デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエア東館20F Tel.044-542-4047 www.dell.com/jp

ユーザー導入事例ウェブサイトにて、他にも多くの事例をご覧いただけます。www.jp.dell.com/casestudies

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3

課題

事業拡大に伴うサーバ追加が招く、データセンタースペース

不足と、電源・冷却施設の限界、および管理プロセスの負担

改善が必要。

ソリューション

●効率的なデータセンター仮想化モデルを設計

●VMware vStorage シンプロビジョニングによるオーバー

プロビジョニングの回避

●将来のプライベートクラウド化に向けた自動化プロビジョ

ニングモデルの開発

導入システム

●インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス

(ICS)、VMware, PowerEdge R710、M710、

EqualLogic PS6010、PS6510

導入効果

●アプリケーション・ニーズの変化に応じて仮想化ストレージ

リソースを動的に調整でき、手動による運用の介助が

不要

●データセンターの大幅な省スペース化を達成

●アプリケーションの導入速度が90%向上●5,700万ドルのコスト削減を実現(ハードウェアの新規

購入、電源、冷却、不動産、管理費など)

デルITグループは、急速に拡大し、運用費もかさむ複雑

なITインフラストラクチャの管理とリソース活用の向上

に迫られていた。事業が拡大するたびに次々とサーバ

を追加したため、数年でデータセンターがスペース

不足に陥り、電源・冷却施設が限界に近付いていた。

性能と容量を強化する必要があったが、もうこれ以上、

電源、冷却、不動産、管理の負担を増やすことができない

状況だったのだ。

仮想化に向けた基盤作りに着手

デル ITグループは、これらの解決策としてデータセン

ターの仮想化を選択、サーバの仮想化から着手し、

VMware vSphere仮想化ソフトウェアを実行、仮想化

環境の共有ストレージにはEqualLogic™ を採用した。

具体的には、10~20台の物理ホストを一つの統合

グループとして仮想化サーバを導入。これまでのところ、

全世界のデルのデータセンターに合計6 7 0 台の

PowerEdge™ サーバと8,000台以上の仮想サーバが

導入された。

仮想化によって、インフラの密度は飛躍的に向上した。

PowerEdge R710およびM710サーバの高い処理

性能、メモリ容量、メモリ帯域幅により、1台の物理ホスト

で最大30ものアプリケーションが運用できるように

なった。

ストレージの提供にも様々な調整を加えることで、

ハードウェアの統合を促進し、購入費を抑えることが

可能となった。

「VMware vStorageシンプロビジョニングを採用

して、仮想論理ストレージ・ボリュームを作成し、それを

各アプリケーションに割り当てることで、ストレージ

容量のオーバー・サブスクライブに対応できます。

オーバー・サブスクライブ方式では、ストレージ領域に

実際のデータが書き込まれるまで、物理ストレージが

割り当てられることはありません。つまり、1ホストに

つき、より多くのVMが運用できるというわけです」

(ブルック)

デルITグループは、将来に向け、自動化されたプロ

ビジョニング・モデルも開発。あるプロジェクトが完了

したら、今まで使っていたストレージを解放し、他の

用途に使えるようにする仕組みだ。使われていない

ストレージ容量がそのまま放置されることもなくなり、

活用率が飛躍的に向上した。

5,700万ドルのコスト削減

これまでのところデルは、仮想化のおかげで5,700万

ドル以上のコスト削減を実現している。ブルックは、

「ラック密度の高いブレード・サーバと最適化された

インフラにより、物理サーバを導入・運用していた頃に

比べ、1 台の開発用VMにつき、4年間で約15,000

ドルが削減できる見通しです。業務用VMも4年間で

平均約10,000ドルが削減できます。全社で総合すれ

ば、相当なコスト削減となるでしょう。同時に、既存の

アプリケーションも出来る限り仮想化しており、この

ペースでいけば、2010年末までにVM数が11,000台に

達し、9千万ドルのコストが削減できるでしょう」と語る。

デルで現在進行中の仮想化環境は、将来的にはプライ

ベートなクラウド・コンピューティング・インフラを整える

ための基盤になる。

「これまで、インフラを稼動し続けるためだけに使われ

ていた時間と経費が、仮想化によって大幅に節約できた

ため、今では、戦略的なプロジェクトにもっと時間が

割けるようになりました。デルは、社内 ITの合理化に

よって、高い競争力を磨き続け、今後も世界中のお客様

に革新的な製品をお届けしていきます」(ブルック)

多くの企業が競争力を保つのに欠かせないのはITの効率化である。IT環境を標準化し、管理を

シンプルにし、プロセスを自動化していけば、IT予算をもっと有意義に使える。

これまでシステムの維持費に使われていた大半の予算を成長のための戦略的な投資に回せるように

なるのだ。

8千台以上のサーバを仮想化し5,700万ドル以上のコストを削減

「開発用途の仮想マシンでは4年間で1台あたり15,000ドルが削減できる見込みです。業務用途では平均10,000ドルの削減が見込まれており、全社全体では大幅なコスト削減が期待できます」

米国デル ITグループ上級エンタープライズアーキテクト

マット・ブルック

Case Study デルの IT効率化戦略①

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戦略的買収で拡散した拠点を統合2,000台のラック型サーバをデルブレードサーバとEqualLogicにコンソリデーション

わずか2年間に3社もの企業を買収し、同時に各社の

大規模な顧客ベースとデータソースも手に入れたデル

のITインフラストラクチャは世界各国13拠点にまで

広がっていた。しかも、約2,000台ものラック型サーバ

が、内蔵または直接接続ストレージを採用していた。

これらの環境を、複数のプロセスと人員で管理して

いたため、基本的な IT管理業務でさえかなり複雑に

なっていた。

デルブレード・サーバとEqualLogicによる高速導入

そこでデルは、100台のPowerEdge M1000e

モジュラー・ブレード・エンクロージャに搭載した

PowerEdge M610ブレード・サーバ、EqualLogic

iSCSIストレージアレイ、PowerConnect™ スイッチ、

VMware仮想化ソフトウェアを使って、13拠点を6拠点

に統合する二ヵ年計画をまとめた。

デル・ブレード・サーバとEqualLogicストレージアレイ

は、迅速な導入を意識した設計となっている。ストレージ

にファイバチャネル(FC)ではなく、iSCSIを採用した

ことで、FC SANのエキスパートを雇用する人件費も

削除できた。

さらに、iSCSIなら、ストレージのプロビジョニングも

容易だ。EqualLogicの柔軟なシン・プロビジョニング

なら、見積もった容量ですぐに試験運用ができるうえ、

たとえその見通しが誤っていても、変更は自在だからだ。

また、サーバ上のデータのバックアップには、

EqualLogicのポイント・イン・タイム(一時点)のスナップ

ショット機能を採用することで、著しくシンプルになった。

EqualLogicに組み込まれたレプリケーション機能を

利用することで、拠点間のデータ転送が高速になり、

課題

数回にわたる買収の結果、データセンターが世界中に拡散。

業務効率を最大限に上げ、経費を削減するには、これらの

拠点の統合、システム管理の合理化、サーバ、ストレージ、

ネットワークアーキテクチャのアップデートが必要だった。

ソリューション

●デル・ブレード・サーバとEqualLogicで13拠点を6拠点

にコンソリデーション

●サーバ仮想化により、ハードウェア設置スペースをさらに

節約

導入システム

●EqualLogic PS6510E、PS6510X、PS6010E、

PS6010XV、PowerConnect M8024、

PowerEdge M610ブレードサーバ、

PowerEdge M1000eモジュラー・ブレード・

エンクロージャ、VMware

導入効果

●2年間で2,000台のラック型サーバをわずか100台の

PowerEdge M1000eブレード・エンクロージャに

コンソリデーション

●わずか数分でストレージをプロビジョニング

●データボリュームのレプリケーション時間が1/12に短縮。

24~30時間が2時間に●サーバの高速復旧:24~30時間がほんの数分に●データ保護に必要な管理者数を50%減●ストレージの自動的な階層化により性能を向上

●ポートとケーブルの必要数を半減

複製したファイルシステムの一貫性を保つのも容易に

なった。

「EqualLogicのレプリケーションは、データセンター

コンソリデーションに無くてはならないコンポーネント

です。データを別のデータセンターに移動したり、同じ

データセンター内でボリュームのコピーを作成したり

する必要性が生じても、EqualLogicのブロックレベル

レプリケーションが利用できるので、手動でファイルを

移動する必要はありません。」(クロケット)

アプリケーション性能の向上には、EqualLogicアレイ

の性能ロードバランシング(負荷分散)機能が大いに

役立った。これは、I/O処理を最も必要とするボリューム

データをより高性能なSAS ディスクトレイへ自動移行し、

あまりアクセスされなくなったボリュームデータを低

コストのSATAディスクにシフトしていく機能である。

シンプルかつ柔軟なインフラを実現

豊富なデルのテクノロジーでコンソリデーションを

円滑に進めながら、デルの環境は高い柔軟性を保って

いる。それと共に、今後もスムーズに拡張していける

よう、効率的なホスティング・インフラの基礎も固めて

きた。

「急速な事業拡大を遂げるなら、高額・複雑なインフラ

から早急に決別することが得策です。デルのテクノロ

ジーをデル社内にも活用したことで、迅速なコンソリ

デーション、コスト削減、データセンター管理の大幅な

シンプル化に成功しました。2年間というコンソリ

デーション期間を経ても、依然、成長率は50%ですが、

今後はグリーン ITという観点からも、より少数・より

省エネタイプのサーバを社内環境に採用していくつもり

です」と、米国デル上級システムエンジニアのデビット・

クロケットは結んでいる。

「デルのテクノロジーをデル社内にも活用し、迅速なコンソリデーション、コスト削減、データセンター管理の大幅なシンプル化に成功しました」

米国デル 上級システムエンジニア

デビッド・クロケット

新興市場をリードする少数精鋭のハイテク企業を獲得することは、大企業にとって新事業への参入

チャンスとなり、魅力的な投資となる。しかし残念ながら、こうした新進気鋭の企業は効率的なデータ

センター運用にまでなかなか手が回っていないのが実情だ。技術力のすべてが競争力を磨き続ける

ことに注がれるため、機器やプロセスは寄せ集め状態になってしまうのだ。

このような企業を買収する親会社は、往々にして洗練さに欠けるITインフラまで引き継ぐことになる。

Case Study デルの IT効率化戦略②

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iSCSIストレージEqualLogicを導入しMicrosoft Exchangeの高可用性を実現

課題

●メール・システムの高可用性と社員のメール・ボックス

容量の拡張、システム管理のシンプル化が不可欠

●メール・システムの管理コストと拡張性の限界

ソリューション

●Microsoft Exchangeサーバのストレージ合理化●メール・サーバの内蔵ディスクと直接接続ストレージ

(DAS)からの脱却●EqualLogicの集中管理とメール・システムのデプロイ

メントモデル標準化

導入システム

●Microsoft Exchange Server 2007、

PowerEdge、EqualLogic PS5000XV、

EqualLogic Host Integration Tools、

SAN HeadQuaters(SAN-HQ)

導入効果

●FCではなくiSCSIを採用したことにより、導入時間と

導入コストを大幅に削減

●ユーザーあたりのメール・ボックス容量が2倍●400台のメール・サーバで運用する15万メール・ボックス

のストレージを効率的に中央集中管理

●メール・サービスの高可用性の実現

データセンターの運用に、スタンドアロンのメール

ボックス・サーバと、直接接続またはサーバ内蔵の

ストレージを使い続けるのは、もはや、コストとスケーラ

ビリティ面に限界があった。

しかし、新しいソフトウェア/ストレージ/ネットワーク

技術をもってすれば、インフラ統合を進め、可用性を強化

し、コストを最小限に抑え、簡素化することができる。

デルの場合、社内電子メール・システムをMicrosoft

Exchange Server 2007にアップグレードしたときに

その機会が訪れ、世界中のデータセンターで電子

メール・アーキテクチャをシンプル化するプロジェクト

が発進した。

デル ITチームは、i SCS I SANストレージである

EqualLogicを採用し、高額なファイバ・チャネル

(FC)接続ストレージ・ネットワークを構築せずに、容量

を拡張し、管理の効率化を実現した。

デルシステムエンジニアIIIのブライアン K. トッテンは、

「iSCSIストレージを選んだおかげで、FCより導入

時間が短縮できただけでなく、デプロイメント・コスト

も大幅に削減できました」と話す。

現在デルでは、標準化されたデプロイメント・モデルが

整っており、これに従えば、世界中の新しい拠点で

Exchangeインフラが素早く立ち上げられる。これには、

電源容量や冷却装置の限られた小さなデータセンター

から、大規模なFCインストール環境のサポートまでが

含まれている。

トッテンによると、「長らくデル社内へのストレージ導入

に携わってきたが、これほど簡単だったのは初めて」

とのこと。

「EqualLogicの素晴らしさを私自身とチームが身を

もって体験したわけで、以来、世界中で運用を開始し、

ごく順調に稼動しています」(トッテン)

シンプルな管理と拡張

今やデルのExchangeインフラは、FC SANの専門

知識を持たないエンジニアでも、容易にメンテナンス

できるようになった。管理ソフトウェアの「EqualLogic

SAN HeadQuarters(SAN HQ)」は、性能データ

とその他の重要な情報をまとめて見やすくフォーマット

するため、システム管理者は、集中管理インターフェース

からアラートの監視、パフォーマンス履歴レポートの

取得、トレンド分析が行え、キャパシティ・プランニング

やトラブル・シューティングに有用だ。

また、M i c r o s o f tクラスタ連続レプリケーション

(CCR)を活用することで、メールボックスは、パッシブ

なExchangeサーバ・ノードにほんの数秒でフェール

オーバできるようにもなった。

ユーザーに行き渡る高可用性

現在、地域によっては、ユーザーのメール・ボックス容量

が2倍に増えており、電子メール・アーカイブ用PST

ファイルの使用量の削減が期待されている。

「社員達に、これまでよりはるかに大きなメール・ボックス

を提供することで、電子メールをPSTファイルに格納

せずとも、Exchangeサーバ内で維持できるように

なるでしょう」と、デルシステムエンジニア、アーサー・

ヘブラドは有望視している。

デルは、社内でMicrosoft® Exchangeをサポートするため、400台の専用サーバと150,000個もの

メールボックスを運用している。

この大規模な電子メール・ストレージ環境を合理化し、サーバの利用率を上げ、高可用性を実現し、

エンドユーザーのエクスペリエンスを向上することが課題となっていた。

「デル社内へのストレージ導入がこれほど簡単だったことはかつてありません。また、集中管理インターフェースから一括して全てのEqualLogicアレイを監視できるのは、大きな助けとなっています」

米国デル ITグループシステムエンジニア III

ブライアンK. トッテン

Case Study デルの IT効率化戦略③

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6

Case Study デルの IT効率化戦略④

デルユニファイド・コミュニケーションソリューションによって業務生産性を高め、数百万ドルの設備コストを削減

Microsoft Lync Server 2010(Microsoft Office

Communications Server 2007の後継版)が

リリースされると、デルの lTグループは、デルUCソリューションにLync Server 2010の新機能追加で

コスト削減できることに気づきました。インスタント

メッセージングに新たに追加された複数通信モードの

単一インターフェース統合によって、ユーザーの生産性

が改善され、いつでもどこでも仕事ができる柔軟な

ワークスタイルが可能になりました。

新しいボイスメール機能は、企業・政府機関にとって

コストのかかるPBXやボイスメールシステムに依存

していた状況に終止符を打ちました。

デルのITチームは、デルUCソリューションの刷新を

決定し、最初に社内でのアップグレードに着手しました。

デルの社内に設置されていたPBXとボイスメール

システムは耐用年数の終わりに近づいており、デルは

まもなく代替品を購入する必要があったからです。

Microsoft Lync Serverとデルの新しいハードウェアでデルUCソリューションを刷新

デルUCソリューションを刷新するために、デルITチーム

はMicrosoft Lync Server 2010に加えて最新

バージョンのMicrosoft Exchange Server、

Microsoft SharePoint Workspace、Microsoft

Office Outlook、Microsoft Officeを展開しました。

デルでは、インテル® Xeon® プロセッサー5600番台

を搭載したDell PowerEdge R710サーバと

PowerEdge M610ブレードサーバ上の仮想化された

環境でMicrosoft Lync Server 2010を稼働させま

した。前世代サーバを上回るメモリ容量をサポートする

PowerEdge R710サーバおよびM610サーバに

よって、運用管理者は仮想マシン(VM)の統合を最大限

に活用することができました。

これらのサーバは、前世代サーバと比較してI/O帯域

幅も広いため、堅牢なアプリケーションパフォーマンス

の実現につながりました。「業界標準のサーバは、多く

の場合、UCソリューションを含む独自開発システム

よりコストが低く、サポートも容易です」とデルの

Microsoft Exchangeソリューション製品マネー

ジャーであるケイシー・バーチは語っています。「デル

UCソリューションにデルのサーバを使用することに

よって、デル自身とデルのお客様の時間と費用を節約

できます」

サーバは、lTグループがUCソリューションを社内で

拡張するために必要な費用効率の高いスケーラビリ

ティを実現するDell EqualLogic iSCSIストレージ

アレイに接続されています。

「メンテナンスしづらい巨大なPBXシステムを撤去することで、劇的なコスト削減につながりました」

デル シニアシステムエンジニア

サッド・トラスラー

課題

コミュニケーションとコラボレーションのための新しい

ツールを導入して従業員の生産性を高め、費用がかかる

通信システムや外部サービスを排除することによって

コストを削減する。

ソリューション

デルのITグループは、Dell Unified Communications(UC)ソリューションを刷新。Microsoft® Lync™ Server2010を導入し、新しいDell PowerEdgeサーバとDellEqualLogicストレージを展開しました。

導入システム

サービス:●デルグローバル・インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス(GICS)●デルサポート

ハードウェア:●インテル® Xeon® プロセッサー5600番台搭載の

Dell PowerEdge R710サーバ●インテル® Xeon® プロセッサー5600番台搭載の

Dell PowerEdge M610ブレードサーバ●Dell EqualLogic iSCSIストレージアレイ

ソフトウェア:●Microsoft Lync Server 2010●Microsoft Exchange Server 2010●Microsoft SharePoint® Workspace 2010●Microsoft Office Outlook® 2010

導入効果

●大型で旧式のPBXシステムとボイスメール装置を撤去することによって大幅なコスト削減を実現

●ソフトウェアベースのエンタープライズボイスソリュー

ションにより、12,500名以上の従業員の生産性を高め、モビリティを改善

●外部サービスを減らすことによりWeb会議コストを削減●従業員自身で問題解決できるよう権限を委譲し、ヘルプ

デスクコストを削減●デルUCソリューションをお客様に展開するためのベストプラクティスを策定

コミュニケーション、コラボレーション、生産性の向上

デルの従業員は、あらゆるタイプのコミュニケー

ションツールをひとつのプラットフォームに統合

した新しいMicrosoft Lync Server 2010のユーザー

インターフェースに強い印象を受けました。

「Microsoft Lync Server 2010によって実現した

この変化により、ユーザビリティが実際に改善しま

した」とトラスラーは語っています。「重要なメッセージ

を見つけて、すばやく対応するのは以前よりもはるか

に容易になりました」。

デルの従業員は、コミュニケーションとコラボレー

ションの効率改善につながる新たなオプション機能

のメリットも享受しています。「今やインスタント

メッセージングが、チームのコミュニケーションの

主なツールになっています」とトラスラーは語って

います。「以前は、チームメンバーは主として電子メール

とボイスメールをコミュニケーションの手段として

使っていました。現在、チームメンバーはインスタント

メッセージングを使って互いに相手の状況を知り、

即座にコンタクトできます。これまでの多くのプロ

ジェクトはコーディネートに数時間を要していまし

たが、今は数分でコーディネートが終わります。その分、

我々はすぐに仕事に取り掛かり、プロジェクトを早く

完成させることができます」。

同時に、刷新されたソリューションでは従来型の

コミュニケーション方法を使用し続けることも可能

です。デルはMicrosoft Lync Server 2010を

12,500名以上の従業員のためのエンタープライズ・

テレフォニーソリューションとして利用しています。

デルは2007年に、企業・政府機関の従業員の生産性改善、モビリティの向上、コラボレーションの促進、

複数の通信モードの既存IPネットワークへの一本化によるコスト削減を支援するためのDell Unified

Communications(UC)ソリューションを開発しました。

このソリューションは、Microsoft Office Communications Server 2007を含む複数の

MicrosoftアプリケーションをDell PowerEdgeサーバに組み込むことにより、堅牢で確実に統合

されたソリューションを提供しています。デルはこのソリューションを社内で展開し、デルの従業員は

ユニファイド・コミュニケーションのメリットを実感することができました。

「デルのゴールは、1カ月当たり22,000件の会議を新会議システムに移行させることでした。しかしMicrosoft LyncServerの導入直後に、社内で250,000件以上のWeb会議をホスティングしていることがわかり、導入効果には目覚ましいものがありました」

デル シニアシステムエンジニア

サッド・トラスラー

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従業員は高品質の通話ができ、自身のコンピュータと

インターネット接続を使って事実上世界のどこから

でもPBXベースの電話に接続可能です。

設備投資と運用コストで数百万ドルの削減が可能

刷新されたソリューションは、ただちに(そして顕著に)

コスト削減のメリットを実現しました。「メンテナンス

しづらい巨大なPBXシステムを撤去しましたが、

これは劇的なコスト削減につながりました」とトラス

ラーは語っています。「同時に、ボイスメールシステム

のリプレースも回避しました。リプレースしていれば、

購入と保守に数百万ドル以上のコストが発生して

いたでしょう」。

デルUCソリューションに統合されたサポートを提供

デルUCソリューションを採用する企業・政府機関は、

シングルソースから提供される合理化されたサポート

を頼りすることができます。「デルUCソリューション

をご利用のお客様は、デルサービスに連絡するだけで、

ソリューション全体のサポートを受けることができます」

とバーチは語っています。「デルでは、『統合』という

言葉はサポートにもあてはまります」。

お客様にベストプラクティスを提供

デルのlTグループは、デルUCソリューションをまず社内

に導入した経験から、現在デルグローバル・インフラ

ストラクチャ・コンサルティング・サービス(GICS)を

通してお客様の導入事例に適用されている、一連の

ベストプラクティスを開発しました。デルGICSは、

ワークショップ、アセスメント、設計、導入を含む段階的

かつ体系的な手法を用いて、お客様のデルUCソリュー

ションの導入を支援します。コラボレーションを可能に

する堅牢なシステムを導入したデル自身の実績は、

ユーザーのコラボレーションを促進し生産性を高める

ソリューションの展開に関する重要な知識と経験を

GICSメンバーにもたらしました。

「デルは、Microsoft Global Gold Certified

Partnerとして、またMicrosoftユニファイド・コミュニ

ケーションソフトウェアの世界最大規模のディストリ

ビューターとして、この新しいテクノロジーに関する

お客様のプランニング、設計、導入、既存インフラストラ

クチャへの統合を支援できる立場にあります」とデルの

グローバル・コミュニケーション&コラボレーション事業

マネージングディレクターであるマイケル・プリチュラは

語っています。「UCソリューションの社内導入の成功

に基づいたデルの手法で、お客様にもよりよいメリット

を提供できるようになりました」。

「多くのプロジェクトはコーディネートに数時間を要していましたが、インスタントメッセージングが、チームの主なコミュニケーションツールとなり、今ではコーディネートは数分で終わります」

デル シニアシステムエンジニア

サッド・トラスラー

運用展開だけで、IT部門の所要時間を250時間短縮

しました。こうした自動化機能は、デルUCソリュー

ションのお客様にとっても多大なメリットをもたらす

ことでしょう」。

Microsoft Lync Serverは、セキュリティ権限のきめ

細かい権限委譲を可能にすることによって、従業員用

通信機器のセットアップを合理化します。「以前であれ

ば、lTグループは電話チームに申請書を送って従業員

のソフトフォンをセットアップするよう依頼しなければ

なりませんでした。その申請書を受け取った電話チーム

は、別の申請書をITグループに送り返して、パスワード

を記入するよう要求しました」とトラスラーは語って

います。もしくは、他の無関係な複数のタスクへの

セキュリティアクセスを電話チームに与えなければ

いけませんでした。「今では、電話をセットアップする

ために必要な範囲に限定された権限を電話チームに

付与できます。そのためプロセスが大幅にスピード

アップしました。これは運用管理者にとっては時間の

短縮になり、従業員にとってはすぐに稼働できるように

なったのです」。

ヘルプデスクへの電話が減少

もう1つのうれしいメリットは、ヘルプデスクのコスト削減

です。刷新されたUCソリューションでは、ユーザーが

主導権を握ってユーザー自身の通信に関する問題の

診断と同僚の支援を行うことができます。「接続の問題

に遭遇した従業員は、ネットワーク接続に問題があるの

か、それとも利用可能な帯域幅が低すぎるのかなどを、

Lyncインターフェースを使って自分で判断することが

できます」とトラスラーは語っています。「従業員は、

別のコミュニケーション方法を選択できます。

それでもヘルプデスクに連絡する必要がある場合は、

問題をすばやく絞り込むのに役立つ情報を提供でき

ます。このように、自己診断機能が提供されていれば、

問題解決のスピードアップとヘルプデスクリソースの

削減につながります」。

デルでは、さまざまな問題の解決についても多くの

従業員が互いに助け合っています。「ユーザーがイン

スタントメッセージング経由で互いに助け合っている

ため、ヘルプデスクが扱う問題の数は減っています」

とトラスラーは語っています。「新しいインスタント

メッセージング機能を利用すれば、ユーザーは即座に

チームのメンバー全員をインターフェース上で確認

でき、すぐに会話を始めることができます。時には、同僚

とのチャットで、ヘルプデスクへの問い合わせや十数件

の電子メールが不要になることもあります」。

外部の電話サービスや電話会議サービスのニーズを低減

2007年にデルUCソリューションを初めて社内に

展開して以来、デルでは通信プロバイダーを使う

代わりにデルのデータネットワーク経由で長距離通話

を使用することによって大幅なコスト削減を実現して

います。今では、Microsoft Lync Serverとともに

導入された新たな会議機能によって外部の会議

サービスの必要性も低減しています。「以前は、かなり

高価なWeb会議システムを使っていました」とトラ

スラーは語っています。「デルのゴールは、1カ月当たり

22,000件の会議を新会議システムに移行させる

ことでした。しかしMicrosoft Lync Serverの導入

直後に、社内で250,000件以上のWeb会議をホス

ティングしていることがわかりました。導入効果には

目覚ましいものがあり、サードパーティベンダーへの

支払いをかなり削減しています。」

導入を加速し運用管理を合理化

Microsoft Lync Serverに含まれる自動化ツールは、

デルのITグループによる新しいソリューションの迅速

な導入に役立ちました。「Microsoft Lync Serverを

使うことで、自社環境の全体像を把握できます。次に、

自動化ツールは各サーバを監視して、あなたに代わっ

て構成を展開します」とトラスラーは語っています。

「以前はアプリケーションの展開にサーバ1台当たり

3~4時間必要でしたが、今は約45分あればできます。

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8

Case Study デルの IT効率化戦略⑤

「データベース環境を30%以上統合していますが、まだやることはあります。グリッドコンピューティング手法は、サーバとストレージの専有スペースの削減に途方もなく大きな影響を与えています」

デル センターオブエクセレンスデータベーステクノロジーストラテジスト

シュリーカーント・チンターラー

グリッドコンピューティングによってデータベース環境を30%以上統合し、2,000万米ドルのコストを削減

さまざまな業種の大手企業がそうであるように、デルはビジネスの遂行をデータベーステクノロジに依存

しています。合計数千ものOracleデータベースとMicrosoft SQL Serverデータベースを使って、

製造と流通からサービスや財務報告に至るすべてをサポートしています。データベースの多くは長期的に

機能するよう作成されていますが、わずか数カ月で終了する短期プロジェクト用のデータベースも

あります。そのため、デルデータベース事業チームは毎年数百のデータベースを新たに作成しています。

何年にもわたってデータベースが増え続けた結果、

デルのチームは一連の多様な課題に直面しました。

「2008年には、データベース用に使えるデータセンター

の物理的なスペースが不足しはじめました」と語る

のは、デルのデータベーステクノロジーストラテジスト

でありグリッドチームも管理しているシュリーカーント・

チンターラーです。

「当時、新しいデータベースはそれぞれサーバ上に

展開し、ストレージシステム上に専用ボリュームのプロ

ビジョニングを行っていました。それに加えて、開発、

システム統合テスト、品質保証、パフォーマンステスト

その他の目的のために、本稼働データベースひとつに

ついて最大6つの非本稼働データベースを展開しな

ければならないことも少なくありませんでした。合計

約10,000のOracleデータベースとMicrosoft SQL

Serverデータベースをそれぞれ別個のサーバ上で

稼働させ、そうしたサーバが複数のデータセンターに

またがって広がっていました。サーバの無秩序な増加

は、手に負えなくなっていました」。

物理的スぺースを消費するのに加えて、データベース

ひとつごとにサーバを1台用意する手法は電力、冷却、

管理に多額のコストを要する結果になりました。「データ

センター関連支出におけるデータベースサーバのコスト

は、1台あたり年間1,500米ドルに達します。当時は

数千のデータベースが稼働していたため、上記のコスト

を大幅に削減し、データセンターの効率化に向けた

戦略を実施する必要がありました」とチンターラーは

語っています。

新たなデータベースの展開を合理化する作業も不可欠

でした。「新しいデータベースを展開するたびに、

全ハードウェアコンポーネントについて承認とプロ

ビジョニングのプロセスを完全に実施しなければなり

ませんでした。そのため、新しいデータベースプロ

ジェクトの立ち上げには2カ月から3カ月必要でした」

とチンターラーは語っています。

「ビジネスの要求に敏感に対応できるようになるため

には、このプロセスをスピードアップする必要がありま

した」。

グリッドコンピューティングソリューションの導入

デルのチームは、グリッドコンピューティングソリュー

ションを導入するという意思決定を行いました。グリッド

コンピューティングは、さまざまなハードウェアコンポー

ネントやソフトウェアコンポーネントを1つにまとめ、

共有リソースを持つ単一の環境を作成しました。

「グリッド化手法の利用を通して、リソースを統合し

データベースの専有スペースを大きく縮小できること

がわかりました。」とチンターラーは語っています。

「同時に、1つのグリッドインフラストラクチャを作成

すれば柔軟性が高まり、データベースの新規立ち上げ

とリソースの回収を以前よりもはるかにスピーディに

実行できます」。

デルデータベース事業チームは、2008年に最初の

Oracle Gridを16ノードで展開しました。デルは現在、

Oracle Enterprise Edition Databaseソフトウェア、

Oracle Real Application Clusters(RAC)、

Oracle Automatic Storage Management(ASM)、Oracle Enterprise Manager(OEM)、

Oracle Enterprise Linux OSを含むOracleコン

ポーネントの組み合わせをOracleデータベースに使用

しています。Oracleソフトウェアは、無数のデータ

ベースがサーバ、ストレージ、ネットワーキングリソース

の同じ共有プールを利用できる統合されたインフラ

ストラクチャの作成を容易にします。

そのグリッド内に、データベースチームとグリッドチーム

のメンバーが階層型のOracleデータベース環境を1つ

構築し、これがアップグレードのシンプル化に役立って

います。「同じグリッド上で、3~4バージョンのOracleデータベースが稼働しています」とチンターラーは

語っています。「そのため、Oracle 10gのデータベース

をOracle 11gにアップグレードする必要がある場合

は、新しいソフトウェアのインストールや構成を行わな

くても、新バージョンでデータベースを立ち上げること

ができます」。

S Q L S e r v e rデータベースについては、現在は

Microsoft Windows 2008 R2 64ビット環境で

Microsoft SQL Server 2008 R2を使用しています。

以前は、グリッドインフラストラクチャを構成する際に各種

のMicrosoft SQL Serverテクノロジー(アクティブ

/パッシブクラスタリングとアクティブ/アクティブ

クラスタリングなど)を使用していました。

デルのハードウェアを基盤として構築

グリッド対応データベースは、デルのサーバとスト

レージ上のコンパクトなクラスタに展開されています。

グリッドプロジェクトの発足当初は担当チームが

Dell PowerEdge 6950サーバを選定し、その後は

PowerEdge M1000eモジュール型ブレードエン

クロージャに収納されているDell PowerEdge

M610およびM710ブレードサーバ上で標準化を行い

ました。「可能な場合はいつでもブレードサーバを採用

することによって、必要とするパフォーマンスを実現する

一方でインフラストラクチャ専有スペースの大幅な

削減に成功しました」とデルのLinuxコアエンジニア

であるスパイク・ホワイトは語っています。

「今では、インテル® Xeon® プロセッサー 5500シリーズから得られる処理パフォーマンスとメモリ容量

課題

複数のデータセンターにまたがって10,000以上のデータ

ベースを含む巨大なデータベース環境の柔軟性を改善し、

運用コストを削減し、管理を合理化する。

ソリューション

デルデータベース事業チームは、デルのサーバ、ストレー

ジ、ネットワーキングに基づき、グリッドコンピューティングを

利用して社内のOracleデータベースとMicrosoft®

SQL Server® データベースを統合する数年がかりのプロ

ジェクトを立ち上げました。

導入システム

サービス:●デルサービス

ハードウェア:●インテル® Xeon® プロセッサー5500シリーズ搭載Dell PowerEdge R710、R910、M610、M710およびM710HDサーバ●Dell PowerEdge M1000eモジュール型ブレードエンクロージャ●Dell EqualLogic iSCSIストレージアレイ

ソフトウェア:●Oracle Database●Microsoft SQL Server

導入効果

●グリッドベースのクラスタにリソースをプールすることに

よって、データベース環境を30%以上統合●プロジェクトの立ち上げを2~3カ月から5日未満に短縮●サーバ、ストレージ、データセンター施設に関するコスト

の削減と使用されていないデータベースからのリソース

回収により、2,000万米ドル以上の省コストを実現

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を使って、各Dell PowerEdgeブレードサーバ上で

無数の大規模データベースを稼働させています」。

ストレージについては、データベースチームは主として

デル/EMCストレージエリアネットワーク(SAN)を使用

していました。現在は、Dell EqualLogic iSCSIスト

レージ(Dell EqualLogic PS6010XV、PS6510X、

PS6010XVSアレイを含む)上で標準化を進めて

います。「過去には、Dell EqualLogicなどの費用効率

の高い iSCSIストレージはデータベースのヘビー

ユーザーが必要とする入出力パフォーマンスを提供

できないという見方がありました」とチンターラーは

語っています。「しかしテストの結果、自社データベース

に関してはDell EqualLogicシステムが従来のもの

に匹敵するか場合によっては上回るパフォーマンスを

実現できることが明確に示されました」。

Dell EqualLogic SANのピアアーキテクチャは、

すばやい拡張も可能にしています。「処理能力を追加

すると、ボリュームのバランス調整が自動的に行われ

ます」とデルのストレージエンジニアであるジョン・

ノーランは語っています。「そのため、ダウンタイムなし

で規模の拡張を迅速かつ容易に行うことができます」。

このように、ブレードサーバでグリッド手法を使用すると

ハードウェア統合の可能性は著しく拡大します。「以前

は、約300のデータベースをホスティングするために

一列全部の物理ラックが必要でした」とチンターラー

は語っています。「今は、同じ数のデータベースをDell

PowerEdgeブレードサーバを使うことによって1つ

のラックでサポートできます」

データベースチームには、本稼働環境でサーバ 1台

当たりのデータベースの件数を最大化する作業が残って

いますが、プロジェクト開始からの3年間でデルのデータ

ベースをすでに実質的に統合しました。「これまでに、

1,200件近いOracleデータベースを200台足らず

の物理サーバに統合しました。SQL Serverデータ

ベースについては、約220台のサーバを20台ちょうど

に統合しました」とチンターラーは語っています。

「全体としては、データベース環境を30%以上統合して

いますが、まだやることはあります。グリッドコンピュー

ティング手法は、データベース専有スペースの削減に

途方もなく大きな影響を与えています」。

プロジェクトのキックオフを3カ月から5日に短縮

柔軟性の高いリソースの共有プールを構築したデータ

ベースチームは、新たなデータベースプロジェクトを

以前よりもはるかに迅速に立ち上げることができる

ようになりました。「グリッドコンピューティングにより、

プロジェクトの展開を2~3カ月から5日未満に短縮しま

した」とデルのデータベース事業担当取締役のテリー・

メインは語っています。「以前は、プロジェクトが承認

されてからインフラストラクチャが完全にインストール

されるまで、2~3カ月必要でした。グリッドプログラム

の導入後は、インフラストラクチャがすでに利用可能に

なっていて、すぐにプロジェクトを開始できます。データ

ベースのプロビジョニングは短時間で実行できるよう

になり、2時間かからないこともあります。ビジネスの

要求に敏感に反応できるようになり、その一方で運用

管理に要する時間も大幅に短縮されました」。

使用されていないリソースを回収

自動化に対応できるようになったため、デルのチームは

使われなくなったリソースを回収できるようになりま

した。「以前は、短期プロジェクト用に作成したデータ

ベースが利用されているかどうか判断するよい方法が

ありませんでした」とチンターラーは語っています。

「今では、データベースの利用パターンを追跡する

自動化ユーティリティを使っています。60日以上何の

アクティビティも行われていないデータベースがある

場合は、チェック用の電子メールを送信してそのデータ

ベースがまだ必要とされているかどうかを調べます。

7日以内に返信がない場合は、そのデータベースを

シャットダウンします。データベースがどのように利用

されているか、そして誰が利用しているかについても、

つねにデータを収集しています。我々は、オーナーに

連絡してデータベースを引き続き必要としているか

どうかを定期的に確認することができます。データ

ベースの更新や保守をタイムリーに行うよう、オーナー

に管理責任を負わせることもできます。このように、

我々は自動化ツールを通してサーバの無秩序な増加

を終わらせようとしているのです」。

グリッドコンピューティングにより2,000万米ドルの省コストに成功

デルのチームは、グリッドコンピューティング環境で

サーバとストレージを統合することによって2,000万

米ドル以上の省コストに成功したと推定しています。

「Oracle環境とSQL環境の両方を結合した結果、

830万米ドル以上のサーバコストと360万米ドル以上

のストレージコストをグリッドコンピューティングによって

削減しました」とチンターラーは語っています。「さらに、

必要な電力、冷却能力、不動産が減ったために約200万米ドル、その後の1,200のデータベースの展開に要

したはずの時間とリソースを節約できたために730万

米ドルを削減しました。それに加えて、使用されていない

データベースを回収することで、25万米ドルを節約

しました。こうした省コストは、弊社の最終収益に対する

重要な寄与に相当します」。

グリッドコンピューティングソリューションをデルのお客様に提供

デルサービスは現在、デルのデータベースプロジェクト

から学んだ教訓に基づくグリッドコンピューティング

サービスを提供しています。デルのお客様のために、

デルサービスチームがインフラストラクチャの現状に

ついて評価を行い、最適規模の環境の設計に向けて

作業し、展開、移行、サポートを支援します。

「社内での導入を通して、グリッドコンピューティングが

大規模なデータベース環境に関して強力なポテンシャル

を持っていることを確認できました」とチンターラーは

語っています。「当然ですが、数千のデータベースや

その他のアプリケーションを持つ企業・政府機関で

なければグリッド手法からメリットを得られないという

ことはありません。十数件の独立したシステムをグリッド

環境に移行させるだけでも、実質的な俊敏性の向上、

IT管理の簡素化、コストの削減が可能です」。

「以前は、約300のデータベースをホスティングするためにサーバラックが複数必要でした。今は、Dell PowerEdgeブレードサーバを使うことによって、同じ数のデータベースを1つのラックでサポートできます」

デル センターオブエクセレンスデータベーステクノロジーストラテジスト

シュリーカーント・チンターラー

「グリッドコンピューティングにより、プロジェクトの展開を2~3カ月から5日未満に短縮しました・・・。ビジネスの要求に敏感に反応できるようになり、その一方で運用管理に要する時間も大幅に短縮されました」

デル データベース事業担当取締役

テリー・メイン

30%以上のデータベースインフラストラクチャを統合

データベースチームは、グリッド環境の設計とテストを

行う一方で、データベース統合の限界を探っていました。

「そのとき、予想以上に多くのデータベースインス

タンスを各ノードに配置できることがわかりました」

とチンターラーは語っています。「各サーバ上に配置

するデータベースの数は、利用可能なコアの数を上限

とするのが常識です。しかしこのテストでは、1台の

ブレードサーバ上でOracleデータベースを12~15インスタンス稼働させることができ、それでもプロ

セッサー利用率は20%を下回っていたのです。この

統合をさらに進めるために、各インスタンスに割り当て

るメモリの量を削減できることもわかりました」。

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事業の遂行を ITに頼っている他のすべての企業と

同様に、デル自身もこのジレンマに直面していました。

デルアセットリカバリサービスのリカバリマネージャー

であるデビッド・マシアスは次のように語っています。

「デルでは、古いデスクトップ、ワークステーション、

モニタ、ノートPCを継続的に廃棄しています。データ

センターの統合を進めるにつれて、大量のサーバ、

ストレージデバイス、スイッチ、その他の機器を大量に

撤去しています。当社が廃棄するコンポーネントの

多くは、まだ大きな価値があります。当社では、環境に

関して責任のあるかたちで機器を廃棄したいと考える

一方で、その価値を回収したいと考えていました」※1。

デルは、自社で使用していた機器が廃棄された後は

そこに保存されていた情報にアクセスできないよう

確実を期する必要がありました。デルの最高情報責任者

(CIO)兼デルサービスのバイスプレジデントである

ロビン・ジョンソンは、次のように指摘しています。

「自社の知的財産、従業員のデータ、お客様の情報を

保護するのは極めて重要なことです。機密性の高い

情報が漏洩すると、当社にとって多大な経済的影響が

生じるおそれがあります」。

デルでは、数年前から自社の廃棄対象IT資産を、お客様

から返送されたデルの使用済み機器を修理調整する

自社施設に送り込んできました。しかし、そのプロセス

は高いコストが発生していました。マシアスは当時を

振り返って次のように述べています。「社内でアセット

リカバリを行うには、数千平方フィートの床面積の作業

場、生産ライン装置、常勤従業員6名が必要でした。

デルのマネージャーは、アセットリカバリのコストを

削減する必要がある一方で、最高レベルの環境への

責任と安全な情報の保護を実現しなければなりません

でした」。

「デルは、2008年以来余剰となったシステムやコンポーネントの再販売から約200万米ドルの利益を得ました」※1

デル アセットリカバリサービスリカバリマネージャー

デビッド・マシアス

コンピュータ装置を最新モデルにアップグレードするとなると、企業の規模を問わず同じジレンマに

直面します。古い装置はどこへ処分すべきか?

埋立て処分という答えは間違っています。企業は、古い装置を廃棄し、電子廃棄物を最小限に留め、

機密性の高い情報のセキュリティを確保するシンプルで費用対効果の高い方法を必要としています。

データの保護と確実なコンプライアンスに寄与するデルアセットリカバリサービス

2007年に、デルは自社の廃棄対象IT資産処理をデル

アセットリカバリサービスに移管しました。アセット

リカバリサービスは、正常に機能するシステムの修理

調整と再販売、使用可能なハードウェアコンポーネント

の転売、その残りの資材(プラスチック、金属、ガラス

など)のリサイクルを行う手段を企業や政府機関に

提供しています。デルアセットリカバリサービスは、

デスクトップ、ノートPC、サーバからプリンタ、モニタ、

電話機に至るまで、デル製および他社製のさまざまな

機器を受け入れています。※2

デルその他の企業・政府機関にとって、アセットリカバリ

プロセスはトラックに荷物を積み込む場所へ機器が

運び込まれたときから始まります。マシアスの説明に

よれば、「機器の過半数が置かれているデルの本部で

は、自社の施設管理チームが IT資産を梱包し、デルの

トラックがそれらを現地の環境対策パートナーに配送

して、リカバリプロセスの次の段階に送り込みます。

お客様やデルの地域オフィスでは、クラス最高の物流

パートナーが訪問して機器を回収します。物流チーム

がバーコードを印刷したシールを各アイテムに貼り、

機器をパレットに載せて透明ビニールで収縮包装し、

トラックに積み込みます※3。そのトラックを物流チームが

運転して環境対策パートナーの施設に運び、各アイテム

をチェックインしシステムに記録します」。

デルアセットリカバリサービスを採用し、年間約100万ポンド(453,600kg)の機器をリサイクル

Case Study デルの IT効率化戦略⑥

課題

デルの使用済みPCを責任あるかたちでリサイクルし、

機密性の高い情報のセキュリティを確保し、耐用年数が

経過した機器のハードウェアから最大限の価値を回収し、

デルの企業ブランドイメージを守る。

ソリューション

デルアセットリカバリサービスは、使用済みのデルの IT

機器を環境に関して責任のあるかたちで廃棄し、機密性の

高い情報を保護し、ハードウェアから価値を回収し、デルの

ブランドを保護するためのカスタムビルトのソリューション

です。

導入システム

サービス:

●デルアセットリカバリサービス

導入効果

●2009年にはデルの米国オフィスで約100万ポンド

(453,600kg)のPCをリサイクル●機密性の高い企業情報および顧客情報を確実に保護

●コンポーネントの再販売により、過去2年間に200万米

ドル近い利益を実現※1

●グリーンイニシアティブに向けたデル内部でのコミット

メントを強化

「デルのアセットリカバリサービスにより、お客様が所有権を放棄したすべての機器は、データも含めてすべて適正に処分されます。当社では、IT資産の追跡を緊密に行うことにより、お客様のブランドとデルのブランドの両方についてセキュリティの確保と保護に寄与できると考えています」

デル アセットリカバリサービスリカバリマネージャー

デビッド・マシアス

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11

環境対策パートナーは、入荷するすべての機器をテスト

し、そのまま修理し転売するか、分解してコンポーネント

を再販売するか、または資材をリサイクルするかを

判断します。機密性の高い情報は、これら3つのシナリオ

のすべてにおいて十分に保護されます。マシアスは

次のように説明しています。「当社の環境対策パート

ナーは、正常に機能するすべてのハードドライブをオフ

サイトで3回上書きしてデータを消去します。ハード

ドライブがもはや正常に機能しない場合は、管理された

安全な環境で破壊されます。追加の保護策を必要とする

お客様には、パートナーをお客様のサイトに派遣して

ディスクワイプを実施し、機器がお客様の会社の構内を

出る前にすべての情報を消去することもできます」。

デルは、廃棄される機器を注意深く追跡管理すること

によって、デルのブランドと使用済み機器を廃棄する

デルのお客様のブランドの保護に役立てています。

「デルアセットリカバリサービスを利用すれば、お客様

が所有権を放棄したすべての機器がデータもすべて

含めて適正に処分されることを保証します」とマシアス

は語っています。「お客様の荷物積み出し場所で55個

のアイテムが回収されると、その55個が環境対策

パートナーの施設を通して確実に処理されるよう当社

のプロセスを使って管理します。IT資産を注意深く

追跡管理することによって、セキュリティを確保し、

お客様のブランドとデル自身のブランドの両方の保護

につながります」。

デルアセットリカバリサービスが200万米ドルの利益をデルにもたらす※1

アセットリカバリプロセスがデルにもたらした新たな

利益は、正しいことをするためのコストの支払いに

役立っています。マシアスによれば「デルは余剰となった

システムとコンポーネントの再販売によって2008年

以来約200万米ドルを得ています。デルは、デルアセット

リカバリサービスの物流コスト、データ破棄コスト、監査

費用、処理コストを支払ったうえで、処分活動から利益

を得ました」。同じように、デルアセットリカバリサービス

を利用して経済的なメリットを得ているデルのお客様

は少なくありません。「デルアセットリカバリサービス

を社内で利用することによって当社がコストを削減

したように、お客様も同じように大幅な省コストを実現

できます」とジョンソンは語っています。「回収した

機器のタイプと使用年数によっては、事業遂行の環境

インパクトを削減できると同時に、リカバリサービスの

利用コストを相殺したうえでエネルギー効率のよい

最新機器の購入に充てる資金が得られる場合もあり

ます」。

デルアセットリカバリサービスはビジネスのグリーン化へのコミットメントを支持します

デルアセットリカバリサービスの社内利用は、今では

デルの環境戦略における重要な構成要素の1つになり

ました。マシアスは次のように説明しています。「デル

は、米国ではエネルギー利用の約35%を、全世界では

26%を再生可能エネルギーでまかなっています。

世界で初めて全世界の個人顧客に無料のコンピュータ

リサイクルサービスを提供したメーカーでもあります。

デルアセットリカバリサービスは、電子廃棄物の埋立て

処分を回避する一方で、機器の処分に関する環境関連

の規制を満たすかまたはそれを上回る対応を可能に

しています。デルはお客様のために容易かつ費用対効果

の高い環境対策を実現することを約束しており、デル

アセットリカバリサービスはそうした約束の実行に向け

て大きく前進するうえでとても役に立っています」。

※1 機器の再販売や回収など、日本ですべてのサービスが利用できるとは限りません。

※2 日本のデルアセットリカバリサービスは、デル製のデスクトップ、ノートPC、サーバ、ストレージ、プリンタ、モニタ、スイッチなど、デル製の機器が対象となります。

※3 日本では、施設管理チームが IT資産を一カ所にまとめ、物流パートナーが訪問して機器を回収し、トラックに積み込みを行なう対応となります。

※4 日本では、機器を回収してから3カ月から6カ月後くらいに、環境対策パートナーが最終的な報告書を発行します。この報告書には、回収した各機器について明示されます。

追跡管理を通して、お客様は回収したIT資産に関する

報告書を受け取ることができ、資材が適正に回収され

リサイクルされたことが証明されます。この点について

マシアスは次のように説明しています。「機器を出荷

してから1カ月以内に、環境対策パートナーが最終的な

報告書(settlement report)を発行します。この報告書

には、出荷した各機器についてその状態と価値が明示

されます※4。環境対策パートナーは、廃棄証明書も

提出します。廃棄証明書には、正常に機能しない機器

が環境面に関して責任のある方法で処分され、ハード

ドライブが上書きされたかまたは破壊されたことが

明記されます」。

米国では、デルは年間約100万ポンド(453,600kg)の自社保有PCをリサイクル

デルアセットリカバリサービスは、IT機器と関連資材の

循環を維持し、埋立て処分を回避するのに役立ちます。

「デルアセットリカバリサービスは、お客様から回収した

IT資産に加えて2009年にはデルの米国オフィスから

出た約100万ポンド(453,600kg)のコンピュータ

を再販売またはリサイクルしました」とマシアスは

語っています。「つまり1 年間に約 1 0 0 万ポンド

(453,600kg)の機器を埋立て処分から救ったのです。

そしてこの量は、増え続けています。米国では、当社が

リサイクルしたアイテムの数が2008年の約35,000点

から2009年には約45,000点に増えました」。

デルのIT部門は引き続きインフラストラクチャの仮想化

と集約を進めているため、デルアセットリカバリサービス

を内部で利用することがますます重要になると思われ

ます。この点についてジョンソンは次のようにコメント

しています。「デルは、データセンターの仮想化を重要

なイニシアティブの1つとして進めています。仮想化を

通して集約を行う過程で、すでに大量の物理サーバを

廃棄しました。ただし、デルアセットリカバリサービスを

利用していますから、仮想化を通して得た環境面と

コスト面でのメリットが、古い機器を廃棄するときの

ように失われることはありません」。

「デルアセットリカバリサービスは、2009年にはお客様から回収したIT資産に加えてデルの米国オフィスから出た約100万ポンド(453,600kg)のコンピュータを再販売またはリサイクルしました。※1

つまり1年間に約100万ポンド(453,600kg)の機器を埋立て処分から救ったのです」

デル アセットリカバリサービスリカバリマネージャー

デビッド・マシアス

Page 12: Dell Solutions · Dell Solutions Vol.04|2012 April 8千台以上のサーバを仮想化し 5,700万ドル以上のコストを削減 P3 戦略的買収で拡散した拠点を統合

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