Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
半導体の生産性と性能向上に寄与する技術
図1 2本のパターンを平行に形成したもの(横から見た図)
図3 レジストを芯材としたSADPフロー
エッチングし、膜Aに転写する
芯材として使用したレジストを取り除く
酸化膜を堆積させる
酸化膜
膜B膜A
BARC(反射防止膜)
レジストを細くするレジストパターンを形成
1回目のパターン 2回目のパターン
1回目のパターンの間に2回目のパターンを形成し微細化を行う
図2 2本のパターンをクロスさせた場合(上から見た図)
1回目のパターン 2回目のパターン
+
写真のようにホールが形成される
レジスト
図1 2本のパターンを平行に形成したもの(横から見た図)
図3 レジストを芯材としたSADPフロー
エッチングし、膜Aに転写する
芯材として使用したレジストを取り除く
酸化膜を堆積させる
酸化膜
膜B膜A
BARC(反射防止膜)
レジストを細くするレジストパターンを形成
1回目のパターン 2回目のパターン
1回目のパターンの間に2回目のパターンを形成し微細化を行う
図2 2本のパターンをクロスさせた場合(上から見た図)
1回目のパターン 2回目のパターン
+
写真のようにホールが形成される
レジスト
「半導体用フォトレジスト」先端技術の開発
TOKのダブルパターニング技術
最先端機器の開発に欠かせない半導体のさらなる性能向上を目指して半導体用途はパソコンやサーバー向けからスマートフォンやタブレット端末、自動車向けへと拡大しています。健康・医療機器用データベースのクラウド化や安否確認システムの機能を持たせた自動販売機など、身の回りの電子機器をインターネットに繋げる動きは加速しており、インターネットに接続されている電子機器は現在の50億台から2015年には150億台へと増加する見込みです。東京応化グループは長年培ってきた先端技術を、材料および装置面の双方において合理的かつ独創的に統合しつつ、新たな社会的ニーズを見据えた事業展開を推進しています。
半導体の生産性と性能向上を目指し、回路線幅は20nm※クラスへと微細化が進展しています。このnmクラスのプロセスの製造において、ArF液浸露光装置を使用しても、解像できないレベルまできており、それを解決する新たな技術がダブルパターニング(以下DP)です。これまで一つのマスクを使用して1回の露光で作っていたパターンを、別のマスクを使用し2回の露光で作る新たなフォトリソグラフィ技術として注目されています。 DP技術とは、フォトリソグラフィ工程にて、まず目的とするパターンの半分を転写、加工したあと、再度フォトリソグラフィ工程を行い残りのパターンを形成し微細化を可能にする技術です。 DP技術にはいくつかの手法があります。例えば、フォトレジスト塗布⇒露光⇒現像⇒エッチングの通常の工程を2回繰り返すもの。また、1回目のフォトリソグラフィ工程(フォトレジスト塗布⇒露光⇒現像)で形成したパターンにフリージング材を塗布し、エッチング前に2回目のフォトリソグラフィ工程を行い別のパターンを形成してからエッチングを行うもの(エッチングは1回に省略)などがあります。 しかし、エッチングを2回行ったりフリージング材を用いたりする技術は、コストの増加や作業効率の低下などの課題が生じます。
「技術のたゆまざる研鑽」と「製品の高度化」へ向けた挑戦
※1nm(ナノメートル)は10億分の1m(メートル)。
17
図1 2本のパターンを平行に形成したもの(横から見た図)
図3 レジストを芯材としたSADPフロー
エッチングし、膜Aに転写する
芯材として使用したレジストを取り除く
酸化膜を堆積させる
酸化膜
膜B膜A
BARC(反射防止膜)
レジストを細くするレジストパターンを形成
1回目のパターン 2回目のパターン
1回目のパターンの間に2回目のパターンを形成し微細化を行う
図2 2本のパターンをクロスさせた場合(上から見た図)
1回目のパターン 2回目のパターン
+
写真のようにホールが形成される
レジスト
「技術のたゆまざる研鑽」と「製品の高度化」へ向けた挑戦
新プロセスの構築を目指して DP技術は、前述のように工程が複雑になり、かつプロセス時間が長くなる問題点があります。そこで、当社では工程の簡略化、それに伴う半導体製造コストの低減を目標に、DP技術の一つであるSADP(Spacer Aligned Double Patterning)の技術に着目し、新レジストを芯材として使用する新プロセスの構築に向け、東京エレクトロン(株)様と共同で研究開発を行っています。
この新プロセスは、レジストを芯材として用いるためコアパターン形成用の膜を新たに追加する必要がなく、従来のシングル露光方法でさらなる微細化が可能になります。 また、SADPよりさらなる微細化が可能なSAQP(Spacer Aligned Quadruple Patterning)のプロセス構築においても、レジストとプロセスの融合を図り、11nmの回路形成に大きく貢献しました。
SAQPを用いて形成した11nmhp
レジストの開発には、お客様のニーズに合ったエッチング耐性やラフネス※などの特性を考慮した設計を行う必要があります。中には、最先端技術であるゆえ与えられた情報量が少なく、お客様のニーズをある程度推測して設計を行わなければならない場合もあり、その推測がお客様のニーズと合致し評価をいただけたときは、お客様と一体となって作り出せたとの思いから、大きな喜びを感じます。 現在、私が研究開発を行っているSADPの重要テーマは「複雑なDP技術の工程を簡略化させること」にあり、工程を簡略化することで、より効率的な製造やコスト削減にもつながります。今後もユーザープロセスの構築を材料面からサポートする事で半導体産業のさらなる拡大・進展に貢献していきたいと考えています。
開発本部先端材料開発一部 専任研究員 本池直人
※ラフネス(Roughness):レジストパターンの粗さのこと。
VOICE:半導体産業への貢献 DP技術の工程を材料面でサポートすることが、私の使命です。
18