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PHITS研究会 2011年8月23日@いばらき量子ビームセンター
材料損傷材料損傷DPADPA((Displacement Per Atom)Displacement Per Atom)計算方法の改良計算方法の改良
岩元洋介1、仁井田浩二2、沢井友次1
R M Ronningen3 Thomas Baumann3
1 JAEA , 2RIST, 3MSU/NSCL
R.M. Ronningen , Thomas Baumann
はじめに
新しいDPAモデルの組み込み
他の計算・実験結果との比較
応用例
1
用例
まとめ
はじめにはじめに
陽子・重イオン加速器の強度が増加するにつれて、構造材の照射損傷の予測が必要となる。
DPA (Displacement Per Atom):物質の原子あたりの平均はじき出し原子数
: はじき出し断面積DPA= t
: イオンビームのフラックスt : 照射時間
例えば、10 dpaは、物質のそれぞれの原子が、構造格子の中で、平均10回はじき出されることを意味する。
DPA数は、照射環境における異なる粒子、フラックスにより決まる
2
DPA数は、照射環境における異なる粒子、フラックスにより決まる
はじめにはじめに ~照射損傷計算~~照射損傷計算~
SRIM (Transport of Ions in Matter):
(1)輸送計算 (2)クーロン散乱
J.F. Ziegler, et al., The stopping and range of ions in matter (2008) see www.srim.orgSRIM (Transport of Ions in Matter):
SRIMSRIM
(1)輸送計算
(3)カスケード損傷近似
Eptarget (Z2, M2)
( )ク ン散乱
projectile
SRIMSRIM 近似
projectile (Z1, M1)target PKA(一次knock-on原子)
二次粒子により生成されるPKAによる損傷計算は考慮されていない。
SRIM コードは核反応が起きない低エネルギー領域で開発された。
テカ 粒子輸送 ドシ テムにおける デ が
PHITS MARS FLUKA MCNPX
モンテカルロ粒子輸送コードシステムにおけるDPAモデルが、それぞれ改良されている。
3
PHITS, MARS, FLUKA, MCNPX
はじめにはじめに ~旧バージョン~旧バージョンPHITSPHITSののDPADPAモデルの問題点~モデルの問題点~
(1)輸送計算
(3)カスケード損傷近似target (Z2, M2)
projectile
(3)カスケ ド損傷近似Ep
projectile (Z1, M1)
g ( 2, 2)
secondary particle
old PHITSold PHITS
secondary particle (Z’1, M’1) E’p
ク ロン散乱によるPKAが考慮されていない!ク ロン散乱によるPKAが考慮されていない!クーロン散乱によるPKAが考慮されていない!クーロン散乱によるPKAが考慮されていない!
320MeV/u 238U onto 1-mm Be
旧バージョン旧バージョンPHITSPHITSによる結果はによる結果は
4
旧 ジョン旧 ジョン による結果はによる結果は他のコードより1~2ケタ低い他のコードより1~2ケタ低い
はじめにはじめに
目的
クーロン散乱と核反応モデルを組み込んだDPAモデルをPHITSへ組み込むへ組み込む。
改良後のPHITSとSRIM、MARSによる計算結果及び実験データと比較する。
計算条件1 130 MeV/u 76Ge into W
入射粒子 入射エネルギー範囲 ターゲット
proton 3He 48Ca 1 MeV/u 1 GeV/u Cu W
1. 130 MeV/u Ge into W2.
5
proton, 3He , 48Ca 1 MeV/u ~ 1 GeV/u Cu, W
新しい新しいDPADPAモデルの組み込み~概要~モデルの組み込み~概要~
(3)カスケ ド損傷
(2)クーロン散乱
projectile
SRIMSRIM(1)輸送計算
(3)カスケード損傷近似
target PKA
NEW PHITSNEW PHITSEptarget (Z2, M2)
(2)ク ロン散乱
old PHITSold PHITS (3)カスケード損傷
projectile (Z1, M1) (2)クーロン散乱
secondary
old PHITSold PHITS ( )カ ケ ド損傷近似secondary particle
(Z’1, M’1) E’p target PKA
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(1)(1)輸送計算輸送計算 H. Iwase, K. Niita, T. Nakamura, J. Nucl. Sci. and Technol. 39 (2002) 1142-1151.
衝突距離は、Shenの公式による全断面積を用い衝突距離て計算される。
Ep
Shen’s formula
dEdESPAR model
SPARモデルは、3つの((速度),z) の範囲で、異なる手順で阻止能と飛程を計算する
核反応
異なる手順で阻止能と飛程を計算する。
核反応JQMD, JAM,Bertini
核反応は物理モデルJQMD JAM Bertiniを用いて核反応は物理モデルJQMD,JAM,Bertiniを用いてsecondary particles を生成する。
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(2) (2) クーロン散乱クーロン散乱原子力工学シリーズ 8 照射損傷 石野 栞 著東京大学出版会
projectilesecondary
Ep :運動エネルギー, (Z1, M1)
T: Projectileとsecondaryからターゲット原子への
target PKAT: Projectileとsecondaryからタ ゲット原子への移行エネルギー, (Z2, M2)
Projectileとsecondaryの偏向のみを計算するクーロン散乱は、/ を 古典的な散乱 論 述されるscreening functions f(t1/2)を用いて古典的な散乱理論で記述される。
無次元衝突パラメータ tThomas-Fermi =1.309, m=1/3, q=2/3
l無次元エネルギー:
8移行エネルギー:
large largeb small (impact parameter)
(3) (3) カスケード損傷近似カスケード損傷近似
損傷エネルギー
NRTモデルによる欠陥の数target PKA
カスケード損傷近似
NRTモデルによる欠陥の数
無次元衝突パラメ タ t を用いて積分
M.J. Norgett, M.T. Robinson and I.M. Torrens: Nucl. Engineering and Design, 33, 50 (1975).
Td: はじき出しのしきいエネルギー. 例えば 30 eV for Cu、 90 eV for W
無次元衝突パラメータ t を用いて積分
損傷エネルギー = はじき出しカスケードにおいて、電子的損失によって、 弾き出し以外に使われる格子原子への転移エネルギーの影響を引き去ったもの。
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改良改良PHITSPHITSととSRIM,MARSSRIM,MARSとの比較との比較
MARS result: Courtesy Nikolai Mokhovy
改良PHITSはSRIM MARSの結果と良く 致する
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改良PHITSはSRIM,MARSの結果と良く一致する。クーロン散乱の寄与はDPAを計算するうえで大変重要である。
比較比較 : 20 : 20 MeVMeV/u /u ビーム(陽子、ビーム(陽子、33HeHe、、4848Ca) Ca)
PHITSの結果はSRIMの結果と良く 致する
物質中のビームの飛程は、原子核反応による平均自由距離より小さい。
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PHITSの結果はSRIMの結果と良く一致する。
比較比較 : 200 : 200 MeVMeV/u /u ビーム(陽子、ビーム(陽子、33HeHe、、4848Ca) Ca)
裾部でPHITSの結果がSRIMより大きい。
陽子 3He入射の場合 Secondaryにより生成するPKAのはじき出し断面積が
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陽子、 He入射の場合、Secondaryにより生成するPKAのはじき出し断面積が、増加する。
比較比較 : 800 : 800 MeVMeV/u /u ビーム(陽子、ビーム(陽子、33HeHe、、4848Ca) Ca)
飛程に到着する前に原子核反応が起こり、カーブはよく発達した飛程に到着する前に原子核反応が起こり、カ ブはよく発達したハドロニックカスケードの特徴をしめす。
SRIMのような projectileのみにより生成するPKAの損傷計算は
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SRIMのような、projectileのみにより生成するPKAの損傷計算は、核反応を起こす高エネルギー領域では、重大な過小評価を与える。
陽子入射に関する陽子入射に関するPHITSPHITSと他のデータとの比較と他のデータとの比較
20MeV以下の断面積に関して、projectileのPKAによるクーロン散乱の寄与による傾き“-1”がみられる。
20MeV以上では、secondaryのクーロン散乱の寄与が増加する。
高エネルギー領域の、データとの不一致は“自由欠陥生成効率”に依存する。
14A. Yu. Konobeyev, C.H.M. Broeders, U. Fischer, Proceedings of AccApp ‘07, 241 - 248.
高 ネルギ 領域の、デ タとの不 致は 自由欠陥生成効率 に依存する。(図は効率1)
自由欠陥生成効率の依存性自由欠陥生成効率の依存性
A. Yu. Konobeyev, et al., Proceedings of AccApp ‘07, 241 - 248.: 自由欠陥生成効率
損傷エネルギーが高いと効率は低い
15自由欠陥生成効率をいれると、実験データに近づく。照射研究側からのアプローチが必要
改良改良PHITSPHITSの応の応用例用例
低エネルギー ・ μmオーダー領域の照射損傷研究(原子炉、核融合炉)
高エネルギー ・ mオーダー領域の加速器構造材のDPA計算
500MeV proton
水銀
TRIM結果: 原子力安全システム研究所木下さんのご提供
全 粒子 広 ネ ギ 領域 極小から極大全 粒子 広 ネ ギ 領域 極小から極大(( ))サイズサイズ16
全ての粒子、広いエネルギー領域、極小から極大全ての粒子、広いエネルギー領域、極小から極大((um~mum~m))サイズサイズに対応できる材料損傷研究・評価で利用可能となった。に対応できる材料損傷研究・評価で利用可能となった。
まとめまとめ
PHITSのDPAモデルにおいて、核反応及びクーロン散乱の両方の寄与を含むように改良した。
130 MeV/u 76Ge into Wに関して、改良PHITSの結果はSRIMやMARSの結果と良く 致した
SRIMのような j til のみにより生成するPKAの損傷計算は 核反応を
結果と良く一致した。
SRIMのような、projectileのみにより生成するPKAの損傷計算は、核反応を起こす高エネルギー領域では、重大な過小評価を与える。
全ての粒子、広いエネルギー領域、極小から極大全ての粒子、広いエネルギー領域、極小から極大((um~mum~m))サイズサイズに対応できる材料損傷研究・評価で利用可能となったに対応できる材料損傷研究・評価で利用可能となったに対応できる材料損傷研究 評価で利用可能となった。に対応できる材料損傷研究 評価で利用可能となった。
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現在、論文の査読中。現在、論文の査読中。ソースソースtalls04.ftalls04.fににDPADPAルーチンがあります。興味がありましたら、ご覧ください。ルーチンがあります。興味がありましたら、ご覧ください。