対象 16 市 16 パイロット村における

参加型現状分析ワークショップ実施

総括報告書

指導科目：チーフアドバイザー/組織強化 塙 暢昭

指導科目：業務調整/農村開発 和田 彩矢子

2009 年 10 月

目次

1. はじめに .............................................................................................................................................................. 3

2. PAPROSOC2 ........................................................................................................................................................ 3

3. ワークショップを実施する上での 2 つの目的と位置づけ ........................................................................... 3

4. パイロット村の選出について .......................................................................................................................... 4

5. パイロット村リストと基礎社会指標 .............................................................................................................. 4

6. ワークショップ手法 .......................................................................................................................................... 7

7. 結果 ...................................................................................................................................................................... 8

8. 住民コメント .................................................................................................................................................... 18

9. 教訓 .................................................................................................................................................................... 20

10. 結論 .................................................................................................................................................................. 21

1. はじめに

本報告書は、2009 年 2 月末～8 月末にかけて、プロジェクト対象 16 市の 16 パイロット村で実

施した計 64 のワークショップを総括する目的で作成されたものである。

16 パイロット村のワークショップの詳細については、各々報告書が作成されており、本報告書

はそれを総括し、新たに全体結果についての簡易分析を試みている。

実施したワークショップの手法は、数種の PRA ツールを使用（一部プロジェクトが開発）し、

住民によるニーズの抽出及びそれに対する簡易計画作りが平易に実施できるようデザインされ

ている。

本業務実施に当たっては、ソコヌスコ地域市持続的農村開発審議会アドバイザーたちの多大な

協力を得た。

2. PAPROSOC2 とは

PAPROSOC2 は、日本政府とメキシコ政府の間の協定によって実施されている二国間プロジェ

クトであり、日本側は JICA、メキシコ側はチアパス州政府農村開発局（SECAM）が実施主体

となって運営されている。

PAPROSOC2 の目指すものは、持続的農村開発法（LDRS）を尊重しつつ、そこに定められた市

持続的農村開発審議会（CMDRS）の活性化を、コミュニティ及び住民におけるプロジェクトサ

イクルの内在化を促すことによって支援することである。

3. ワークショップを実施する上での 2 つの目的と位置づけ

ワークショップは下記の 2 点を目的にデザインされ、実施された。

住民による農村開発のためのニーズの抽出を行うこと

ワークショップを実施しつつ、グループの組織強化を行うこと

4 つのワークショップは、現状分析、計画、実施、評価からなるプロジェクトサイクルの、現

状分析（最初の 3 回）と簡易計画（最後の 1 回）に相当する。

モニタリング評価

現状分析

計画実施

PAPROSOC2

サイクル 活動

1. 現状分析 - 3回のWS

2. 計画- 1回のWS（ニーズの抽出）- 市役所への支援要請

3. 実施- 未実施（公的支援プログラムの獲得）- プロジェクトはモニタリング

4.モニタリング評価- 未実施- 参加型評価

PAPROSOC 2

生活改善の考えを考慮したプロジェクト実施

プロセスへの支援

4. パイロット村の選出について

プロジェクトの対象は、16 市と広く、人数の限られるプロジェクトチームで従来のアンケート

調査によるパイロット村の選出過程を踏むことは不可能であること、市の農村振興課、市持続

的農村開発審議会（CMDRS）の存在を重視すべきであること、から市アドバイザーの支援のも

と CMDRS の場でパイロット村を選出してもらう方法を取った。

結果、上がってたパイロット村は国家人口審議会（CONAPO）の疎外指数（ﾒｷｼｺにおいて貧困

指数として用いられている）が全て｢高い｣、または「大変高い」とされる村が選定された。

5. パイロット村リストと基礎社会指標

下記の表の通り。

16 パイロット村の疎外指数

Localidad Población

% Población

de 15 años o

más analfabeta

% Población de

15 años o más sin primaria

completa

% Viviendas

sin drenaje ni

excusado

% Viviendas

sin energía

eléctrica

% Viviendas sin agua

entubada en

el ámbito de la vivienda

% Viviendas

con algún nivel de

hacinamiento

% Viviendas

con piso de

tierra

Índice de marginación

Grado de marginación

Municipio Acacoyagua 14 653 17.71 48.09 9.13 8.68 21.61 68.75 23.87 0.49133 Alto

Comunidad Piloto Los Amates 443 13.86 42.26 3.92 2.94 25.49 53.92 18.63 - 0.55310 Alto

Municipio Acapetahua 24 165 21.03 48.26 11.74 3.00 57.72 57.50 26.33 0.67995 Alto

Comunidad Piloto Laguna Seca 92 36.67 73.33 25.00 10.00 100.00 50.00 50.00 0.53502 Alto

Municipio Cacahoatán 40 975 17.68 39.03 3.48 4.27 17.94 61.27 17.21 0.09799 Alto

Comunidad Piloto El Platanar 693 15.00 53.66 1.49 2.24 18.05 67.91 17.29 - 0.27278 Alto

Municipio Escuintla 27 364 18.06 45.89 10.76 7.26 39.72 66.52 27.66 0.60238 Alto

Comunidad Piloto 4 de octubre No hay datos porque la comunidad fue creado para las familias fueron afectados por el Huracan Stan. Son de San Antonio Miramar y de San Juan Panama.

Comunidad Piloto San Antonio Miramar 228 12.23 53.24 6.52 10.87 100.00 56.52 26.09 0.08387 Alto

Comunidad Piloto San Juan Panamá 322 12.87 44.55 12.24 0.00 85.71 75.51 12.24 - 0.07690 Alto

Municipio Frontera Hidalgo 10 902 21.51 38.83 6.32 4.29 39.92 55.76 36.06 0.51555 Alto

Comunidad Piloto Santa Lucía Uno 364 31.96 48.39 30.00 13.75 98.73 68.75 82.28 0.68088 Muy alto

Municipio Huehuetán 30 450 19.43 41.33 17.01 4.88 62.04 63.67 30.54 0.58414 Alto

Comunidad Piloto Cantón Nexapa 331 16.83 40.20 54.93 8.45 100.00 77.46 52.11 0.28218 Alto

Municipio Huixtla 47 953 13.78 35.63 5.87 4.00 31.98 59.40 16.25 - 0.15054 Medio

Comunidad Piloto Cantón las Delicias 943 19.93 47.64 1.09 1.64 39.23 68.13 14.29 - 0.43602 Alto

Municipio Mapastepec 37 945 19.68 47.71 6.15 3.63 32.95 56.40 19.28 0.23328 Alto

Comunidad Piloto José Pantaleón Domínguez 381 19.43 58.29 5.33 6.67 9.33 58.67 14.67 - 0.36462 Alto

Municipio Mazatán 24 017 16.61 39.95 9.68 2.77 73.29 59.55 31.69 0.63410 Alto

Comunidad Piloto San Andrés Suyacal 296 14.50 40.41 10.81 0.00 100.00 62.16 25.68 - 0.24354 Alto

Municipio Metapa 4 806 18.86 34.20 6.27 3.21 32.00 53.73 26.36 0.12972 Alto

Comunidad Piloto Cacahoatales 467 19.93 41.14 14.85 3.96 100.00 66.34 38.61 - 0.07658 Alto

Municipio Villa Comaltitlán 26 414 20.30 45.65 12.04 5.85 54.92 67.44 30.05 0.77222 Alto

Comunidad Piloto El Escobo 718 29.78 43.58 28.77 10.27 93.84 68.49 43.84 0.23912 Alto

Municipio Suchiate 32 976 21.11 47.06 7.20 4.87 35.89 60.52 31.25 0.46102 Alto

Comunidad Piloto Simón Bolívar 72 24.49 48.98 5.56 5.56 93.75 61.11 82.35 0.23337 Alto

Municipio Tapachula 282 420 11.63 29.00 4.28 2.71 34.37 49.89 22.12 - 0.43732 Medio

Comunidad Piloto Ej. Hidalgo 659 22.41 46.93 1.79 3.57 35.71 42.86 25.60 - 0.54354 Alto

Municipio Tuxtla Chico 34 101 20.73 36.77 8.75 3.91 52.38 59.94 28.02 0.42653 Alto

Comunidad Piloto 15 de Abril 129 23.68 51.35 17.24 10.34 100.00 65.52 41.38 0.27216 Alto

Municipio Tuzantán 24 417 16.06 44.36 12.86 4.57 39.06 67.73 28.91 0.71145 Alto

Comunidad Piloto Guadalupe Victoria 722 19.01 47.87 18.18 3.79 23.66 69.70 29.55 - 0.13885 Alto

Municipio Unión Juárez 13 459 17.28 40.68 4.29 4.21 15.93 60.52 21.08 0.31096 Alto

Comunidad Piloto Eureka 362 29.54 52.54 5.33 0.00 8.11 54.67 8.22 - 0.29007 Alto

Fuente: Elaborado por PAPROSOC2 con las cifras de CONAPO

6. ワークショップ手法

選出された村すべてにプロジェクトスタッフが赴きワークショップ形式を実施した。

第一回目の訪問では、参加者に対し、今般実施する WS は、現状分析を重視し、ニーズの抽出を

村人の手で行うプロセスを学ぶことを目的とした WS であり、その後の活動支援のための予算を

約束するものではない点を確認した。

各村への訪問回数は 4 回。各回の主な内容は下記の通り。事前に日本専門家を中心に、1) 農民

が集中を継続できる時間→2時間が目処と判断、2) 住民があきずに参加でき、かつニーズの抽

出するために最低限必要な訪問回数→4回と判断、3）そのための PRA ツールの選定と開発、に

ついてプロジェクトスタッフで確認作業を行った。

PRA ツールについては、数ある中から、上記目的を達成するために最低限かつ有効と思われる

ツールを選択し、一部独自に開発もした。

ファシリテーターを務めるプロジェクトスタッフに対しては、ツールはツールであり、その使い

分けをするファシリテーター自身の姿勢によって結果は大きく左右される点を実施前、実施中、

再三にわたり繰り返すようにした。

WS の実施時期についても住民の時間帯を尊重し、住民が指定するようにした。

4つのワークショップの内容テーマ 内容

1 生活改善

生活改善プレゼンテーション（問いかけの多用とプロジェクトサイクルの重要性）

ゲームと振り返り 3つの改善グループ作業

2 現在将来地図 地元資源を重視した現在図 ゲームと振り返り 将来図（5年後）

3 幸せになるための条件

幸せとは？幸せでいるためには何が必要か（条件抽出）

条件のツリー作成（例：健康でいること、家族といること、等）

ゲームと振り返り

4 ニーズの抽出

3回の振り返り

支援を頼らずにできること、支援を仰がねばできないこと、を各グループで計画を立てる。

ゲームと振り返り

7. 結果

WS の数は 64（16 村 x4 回）であるが、これを 1 チームで対応するのは容易なことでなく、村の

都合からキャンセルもあり、村を訪れて WS が実施できないようなケースも多々あった。2 月最

終週に開始した終了までに 6 ヶ月を要した。

様々な困難もあったが、プロジェクトスタッフは、忍耐強くかつファシリテーターとしての認識

を失うことなく 64 回の WS をこなした。

現場でファシリテーターを経験したことのある方には、お分かりいただける思うが、64 回を 1

チームで実施するというのは並大抵のことではない。64 回という一言で表す以上に実施のため

のスタッフの苦労と努力があったことを明記したい。

7-1. ワークショップ実績と参加者の推移

(1) ワークショップ実施実績

6 ヶ月にわたる WS の実施実績は下記の表の通り。

2 月 27 日の Tuzantan 市の Guadalupe Victoria 村を皮切りに、9 月 22 日の Tapachula 市 Hidalgo 村

まで約 7 ヶ月をかけて WS が実施された。

途中、Mazatan 市、Tapachula 市でパイロット村の変更があった。Mazatan 市は、パイロット村の

グループ参加人数が尐なすぎたこと、Tapachula 市は、第 1 回 WS を終了してから継続を希望し

なかった、ことが理由であった。

ワークショップ実施実績

No. 市 村 WS WS No.1 Hora WS No.2 Hora WS No.3 Hora WS No.4 Hora

1 Tuzantan Gpe. Victoria 4 27/02/2009 10:00 20/03/2009 14:00 24/04/2009 14:00 12/06/2009 15:00

2 Huehuetan Nexapa 4 04/03/2009 15:00 26/03/2009 15:00 07/05/2009 14:00 11/06/2009 14:00

3 Cacahoatan El Platanar 4 06/03/2009 09:00 03/04/2009 9:00 12/05/2009 10:00 09/06/2009 10:00

4 Unión Juárez Eureka 4 06/03/2009 14:00 14/04/2009 14:00 17/06/2009 15:00 23/07/2009 11:00

5 Suchiate Simon Bolívar 4 19/03/2009 14:30 16/04/2009 14:30 26/05/2009 15:30 22/06/2009 15:30

6 Acacoyagua Los Amates 4 30/03/2009 16:00 21/05/2009 17:00 08/06/2009 17:00 06/07/2009 17:00

7 Huixtla Las Delicias 4 15/04/2009 10:00 26/05/2009 9:30 24/06/2009 11:00 29/07/2009 11:00

8 Escuintla 4 de Octubre 4 03/04/2009 10:00 05/05/2009 11:00 04/06/2009 10:00 03/07/2009 10:00

9 V.Comaltitlan El Escobo 4 27/03/2009 15:00 30/04/2009 15:00 05/06/2009 10:00 10/07/2009 10:00

10 Hidalgo Santa Lucía 4 13/04/2009 13:00 25/05/2009 13:00 24/06/2009 13:00 07/07/2009 14:00

11 Acapatahua Laguna Seca 4 01/04/2009 11:00 15/05/2009 15:00 03/06/2009 13:00 02/07/2009 13:00

12 Mapastepec Pantaleon de Dom. 4 21/04/2009 12:00 08/06/2009 13:00 26/06/2009 14:00 24/07/2009 14:00

13 Tapachula Hidalgo 4 26/08/2009 15:00 02/09/2009 15:00 17/09/2009 16:00 22/09/2009 16:00

14 Tuxtla Chico 15 de abril 4 12/08/2009 11:00 20/08/2009 11:00 25/08/2009 11:00 03/09/2009 11:00

15 Metapa Cacahuatales 4 30/06/2009 16:00 27/07/2009 16:00 03/08/2009 15:00 17/08/2009 16:00

16 Mazatan Suyakal 4 29/06/2009 14:00 30/07/2009 15:00 07/08/2009 15:00 10/08/2009 15:00

Total 64 No.1 16 No.2 16 No.3 16 No.4 16

出典: PAPROSOC2

(2) ワークショップ参加者数推移

第 1 回から第 4 回までの各村の参加者の推移は次の表の通り。

第 1 回に比して第 4 回の参加者が 4 村もある点が興味深い。

ワークショップ参加者数推移

市 パイロット村 参加者数

No.1/No.4(%) No.1 No.2 No.3 No.4

1 Tuzantan Gpe. Victoria 33 34 23 22 66.67%

2 Huehuetan Nexapa 9 10 7 8 88.89%

3 Cacahoatan El Platanar 18 18 22 29 161.11%

4 Unión Juárez Eureka 63 15 8 12 19.05%

5 Suchiate Simon Bolivar 22 16 11 12 54.55%

6 Acacoyagua Los Amates 18 10 15 12 66.67%

7 Huixtla Las Delicias 12 10 9 12 100.00%

8 Escuintla 4 de Octubre 11 25 9 14 127.27%

9 Villa Comaltitlan El Escobo 13 25 15 12 92.31%

10 Frontera Hidalgo Santa Lucía 19 30 5 11 57.89%

11 Acapetahua Laguna Seca 22 14 15 10 45.45%

12 Mapastepec Pantaleon Domínguez 32 43 40 42 131.25%

13 Tapachula Ej.Hidalgo 5 6 5 5 100.00%

14 Tuxtla Chico 15 de abril 17 25 9 12 70.59%

15 Metapa Cacahuatales 11 14 10 10 90.91%

16 Mazatan San Andrés Suyakal 22 28 25 25 113.64%

Total 327 323 228 248 75.84%

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: de 16 comunidades p

(3) 参加者推移簡易分析

第 1 回から第 4 回のパイロット村ごとの参加者の推移をグラフにしたものは下記の通り。

第 4 回参加者の第 1 回参加者に対する割合は、全体平均で 75.84%である。通常第 1 回には、多

くの住民が何かしらの見返りに参加することが多いことから、WS の趣旨がそうでないことが判

明すれば次回から参加者が減尐していくのが通常の現象である。

第 1 回の参加者と最終回の参加者の割合であるが、他国で実施した同様の WS の経験からすれば

50～60％というのが良いところであるので、75％という数値は高いものと見ることができる。

詳細を見ると、Union Juarez 市の Eureka では第 1 回の参加者が 63 名となっており、これは村全

体に対して会合が召集されたことから、多くの参加者が WS の趣旨を知らずに来たことになる。

その後の Eureka のグループメンバーは 12～15 人で推移していることからすれば、最大 15 人と

見るのが現実的で、第 1 回の 63 人の欄にこの 15 人を入れて、計算してみると、16 村の全体平

均が 75％強から 88％に跳ね上がることを確認することができる。

この数字はきわめて高いといえる。

4 回の WS 参加者の推移

7-2．ワークショップ結果（内容）

各ワークショップから作成された成果品の総括リストは下記の通り。

成果品総括

Municipio Comunidad Piloto pres.

M.V.

mapas

(pres)

mapas

(futu)

condición

feliz

árbol de la

felicidad

planeación

1

(productivo)

planeación

2 (no

productivo)

planeación

3

(sin apoyo)

Tuzantan Gpe. Victoria 33 4 4 1 3 4 3 0

Huehuetan Nexapa 9 2 2 1 2 4 0 0

Cacahoatan El Platanar 18 3 3 1 3 5 0 5

Unión Juárez Eureka 63 3 3 1 2 4 0 5

Suchiate Simon Bolivar 22 3 3 1 2 5 0 0

Acacoyagua Los Amates 18 2 2 1 3 4 2 2

Huixtla Las Delicias 12 2 2 1 2 1 0 7

Escuintla 4 de Octubre 11 5 5 1 2 5 3 2

Villa Comaltitlan El Escobo 13 2 2 1 2 3 0 2

Frontera Hidalgo Santa Lucía 19 3 3 1 1 2 0 0

Acapetahua Laguna Seca 22 2 2 1 2 2 1 2

Mapastepec Pantaleon Domínguez 32 4 4 1 5 6 0 12

Tapachula Ej.Hidalgo 5 1 1 1 2 1 0 3

Tuxtla Chico 15 de abril 17 4 4 1 2 2 0 6

Metapa Cacahualates 11 2 2 1 2 2 0 4

Mazatan San Andrés Suyakal 22 5 5 1 3 2 3 5

総計 327 47 47 16 38 52 12 55

出典：PAPROSOC2(2009) 16 Informe de Desarrollo Participativo

0

10

20

30

40

50

60

70

No.1 No.2 No.3 No.4

Gpe. Victoria

Nexapa

El Platanar

Eureka

Simon Bolivar

Los Amates

Las Delicias

4 de Octubre

El Escobo

(1) 生活改善紹介と 3 つの改善

期間中、総計 327 人がパワーポイントによる生活改善紹介を受講した。

電気のない場所を想定し、垂れ幕を作成し、壁に張ったり、車に貼り付けたりして説明を行った。

生活改善ワークショップの様子

(2) 3 つの改善

お金を必要としない改善、お金を必要とする改善、お金を生み出す改善、についてグループ作業

を通じて参加者が抽出する作業。

3 つの改善 (例 :Las Delicias, Huixtla，2009 年 4 月 15 日)

お金を必要としない 必要とする 生み出す

有機肥料を作る

組織化をし、メンバーの意

識を高める

計画、作業、実施

何かをやろうという意識を

持つ

野菜の種をまく(chipilín,

hierva mora)

考えること、人の意見に耳

を傾ける

意思表示をする、意見を言

う

時間を守る

寛容になること、真摯でい

ること

家を建てる

ビニールハウスを建てる

雑貨屋を開く

苗床、健康、楽しむ

農地を整備する

種をまくこと

害虫の駆除

食糧、衣類

教育、交通費

有機肥料を売る

食べ物を売る

クレソンを売る

仕事を得る

牧畜をする

野菜

さとうきびやマンゴを売る

魚を売る

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: Las Delícias, Huixtla

(3) 現在の地図、将来図

47 の地域リソースに注目した地図が作成された。将来図については 5 年後を想定して描いても

らった。将来像は、現在図の上に、理想をポストイットで貼り付けていく。

マッピングは典型的な PRA ツールであり、平易なものであるが、ファシリテーターの姿勢によ

り最も結果が異なって来る。

現在の地図 (例:Eureka, Unión Juárez, 2009 年 7 月 23 日)

横は現在抱えている問題を列記してある

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: Eureka, Unión Juárez

将来図

公園、図書館、公衆電話、トルティー

ジャ屋、ネット、パン屋があって下水

が整備されている。

道に照明がある。

家具、事務用具の揃った公民館

公的サービスが整っている

保健センター

スーパーがある。

小学校が整備されている

幼稚園がある

衛星中学校

教会が整備されている。

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: Eureka, Unión Juárez

(4) 幸せであるための条件

16 村において幸せであるための条件がブレインストーミング形式で作成された。

幸せであるための条件(例:Guadalupe Victoria, Tuzantan, 2009 年 4 月 24 日)

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: Guadalupe Victoria, Tuzantan

教育を受けていること

社交的であること

まごと一緒にいること

満足であること

家族が結束しているこ

と

花があること

尊敬されること

家族

近所と問題がないこ

と

安心でいること

お互いが助け合えるこ

と

健康でいること

問題を持たないこと

お金があること

家族と問題がないこと

おうむを飼うこと

子供たちといること

明るくしていること

家族と問題がないこと

働くこと

(5) 幸せの木

16 村において 38 の幸せの木が作成、分析された。

上記幸せでいるための条件の中から、最もカードの数が多かったもの、または住民がこれが一番

大事だと思うものを 2～3 選択肢、テーマごとにそのためには何が必要かを下に下につなげてい

ってもらう作業。

下記の例は健康でいるためには？を掘り下げたものだが、清潔でいること、運動をすること、安

全な食べ物を食べることの 3 つに枝が広がり、安全な食べ物を食べることから、購入するだけで

なく自分たちで栽培することまで出てきており、農村開発がセクターを越えた取り組みをしなけ

ればならないとの良い事例となっている。

例: 健康であるためには El Platanar, Cacahoatan (2009 年 5 月 12 日)

【分析】

(4)の通り、16 村において幸せの条件が、 ブレーンストーミングの形で抽出されたが、(5)の幸

せのツリー作成時点で各村は数ある幸せの条件から、どのようなテーマを選んだのだろうか。この

点は、住民が幸せであるための条件の中から、どの事項が優先度が高い、また重要である、と考え

たのか非常に興味深いので結果を分析してみる。

作成した幸せの木のテーマ一覧

1 Mapastepec Panta leon Estar unidos Trabajar en campo Trabajar en elhogar servir a los demas estar sanos

2 Acacoyagua Los Amates Vivir en paz estar sano Vivir mejor

3 Acapetahua Laguna Seca estar sano trabajar

4 Escuintla 4 de octubre Salud opitima trabajar unidos

5 Villa Comaltitlan El Escobo Salud Familia

6 Huixtla Las delicias trabajar para producir tener buen salud

7 Huehuetan Nexapa trabajo familia

8 Tuzantan G.Victoria estar sanos mi familia estar contento

9 Mazatan Suyakal familia tener trabajo salud

10 Tapachula Ej Hidalgo trabajo Amarse

11 Suchiate Simon bolivar salud estar con mi familia

12 Frontera Hidalgo Santa lucia salud

13 Tuxtla Chico 15 de abril amar a mi familia trabajo

14 Cacahuatan El platanar salud familia unida trabajar

15 Union Juarez Eureka salud estar con mi familia

16 Metapa Cacahoatales Tener trabajo Tener familia unida

La SALUD

Higiene

Aseo personal

Tener jabón shampoo, agua pasta dental

Ir de compras

Tener dinero

Tener trabajo

Buscar y Ganas de trabajar

Aseo del hogar

Jabón, agua, cloro, pino, trapeador

Hacer ejercicio y tomar suficiente agua

Buena alimentación

Comer frutas verduras, carnes,

cereales y tubérculos

Sembrar

Tener semillas

Ganas de trabajar

Comprar

Tener dinero

Tener trabajo

Buscar y Ganas de trabajar

Comer los tres tiempos

Tener buen

apetito

Combinar los alimentos

Capacitación para cocinar platillos

diferentes

Hacer solicitud para capacitación

salud 12 16 75%

familia 10 16 63%

trabajo 11 16 69%

最も選択されたのが多かったのは、健康であることで、16 村中 12 村(75％)がこのテーマを

選択している。続いて、仕事があること（同 16 村中 11 村 69％）、3 番目に家族といるこ

と（同 16 村中 10 村 63％）との結果であった。

この結果として興味深いのは、お金があること、を誰も選択していないことである。労働＝

お金との考え方もあるが、お金という言葉を使っていないところが興味深い。総じて言えば、

住民は、健康であって、家族との結束があって、仕事があるという 3 点が揃えば、幸せであ

ると考えていると分析できるのではないだろうか。

これを農村開発の言葉に置き換えると、BHN を満たす社会開発が実現し、家族の結束を促

す人間開発が実現し、仕事を得るという経済開発の 3 つの条件が揃えば、農村開発が実現す

るということができないだろうか。奇しくもこの考えは、当プロジェクトの考え方と合致す

る。

(6) 簡易計画策定

16 村から、52 の 1) 外からの支援が必要な農業関連ニーズ、12 の 2）外からの支援が必要な農

業外ニーズ、55 の 3) 自力で実施できるニーズ、がそれぞれ抽出された。

第 1～3 回の WS を振り返りながら、自分たちでできること（→インフラは村全体での取り組み

が必要であることから）を条件に、1) 外からの支援を必要とせずにできること、2) 外からの

支援がどうしても必要なこと、の 2 つに分けて、イ）なぜそれが必要なのか、ロ）なぜそれをす

るのか、ハ）実施するためには誰の責任でやるのか、二）そのために必要なもの、ホ）どう実施

するのか、ヘ）簡易実施スケジュール、に答える形で住民が作成する。

簡易計画(例：Suyakal, Mazatán, 2009 年 8 月 10 日作成)

Necesidad Por que lo

hacemos

Para que lo

hacemos Responsable Que necesitamos

Como lo

hacemos

Calendario

E F M A M J J A S O N D

Organización

Para poder

salir a

delante

Necesidad de

trabajar

Para

superación de

nosotros

Para poder

hacer mejor

las cosas

Nosotros Tener comunicación

y puntualidad

Invitación

para reunir el

grupo

Planear

Tomar un

acuerdo

Cultivo de Maíz

Por falta de

economía y

consumo

propio

Para

beneficio de

nuestra

familia

Para una

buena

alimentación

El grupo La tierra, la semilla,

insecticida, tractor

Organizarnos

Terreno

Terreno

Sacar y

sembrar

Fuente: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: San Andrés Suyakal, Mazatán

(7) 学びを得るゲームの活用

各 WS では、グループ作業を通じて組織化及び組織強化のために必要な事項について学びを得る

ゲームを適用している。

ゲームは、単にリラックスするためのもの、何かしらの学びを得るためのもの、という 2 通りあ

るが、当プロジェクトでは後者を重視している。

各回で実施しているゲームについては、各村の報告書を参照願いたい。各ゲームには必ず何かの

学びが隠されており、終了後参加者と振り返る時間を設けている。

写真 1 ボトルと紐 写真 2．猫と犬

Tuzantan 市 Guadalupe Victoria 村 Huixtla 市 Las Decias 村

写真 3．風船 写真 4．列

Villa Comatitlan 市 El Escobo 村 Cacahuatan 市 El Platanar 村

7-3. 抽出されたニーズ

各村 4 回の WS を通じて抽出されたニーズの総括は、下記の通り。

No. Municipio Comunidad

Necesidades

Proyecto productivo Proyecto no productivo Proyecto sin apoyo publico

1 TUZANTAN GPE. VICTORIA ・Granja de pollos (2)

・Hortalizas, invernadero (2)

・Bloquera (2)

・Rosticeria

2 HUEHUETAN NEXAPA ・Granja de pollos (2)

・hortalizas (2)

3 CACAHOATAN EL PLATANAR

・Siembra de hortalizas

・Reposteria

・Vivero de flores

・Alfareria

・Corte y confección

・Limpieza de la calle

・Aseo de la comunidad

・Planear u Organizarse

・Granja de pollos

・Hortalizas

4 SUCHIATE SIMON BOLIVAR

・cultivo de platano orga.(2)

・borregos

・hortaliza

・semilla de pepino

5 ESCUINTLA 4 de octubre

・Hortaliza (3)

・Vivero de peses

・Buscar un mercado para vender

hortaliza

・Pavimentacion de la calle

・Escuelas

・Luz para el alumbrado de

calle

organizarse (2)

6 ACAPETAHUA LAGUNA SECA

・Hortalizas

・Cultivar (Granos,Fertilizantes y

herramientas)

・puente de camino ・organización

・limpieza de caminos (monte)

7 ACACOYAGUA AMATES

・Siembra de hortalizas (2)

・Granja de pollos

・Taller de costura.

・Componer las calles

・Mejorar la vivienda

・Canalización del río

・Limpieza de la calle

8 VILLA

COMALTITLAN EL ESCOBO

・Produccion de conejos

・Hortalizas

・Vivero de Iguana

・Preparar abonos organicos

・Limpieza de calle

9 HUIXTLA DELICIAS ・Abono organico

・Vivero de Hortariza(2)

・Cultivo de Hortariza(2)

・Hortariza Jitomate

・Floricultura

・Salud (estar sano)

10 UNION JUAREZ EUREKA

・Hortalizas(2)

・Capacitación de Hortalizas

・Capacitación de Costura

・Limpieza de la comunidad(2)

・Superarnos como grupo

・Organizar a los jovenes para

componer el campo de futbol

・Lugar especifico para trabajar

11 FRONTERA

HIDALGO SANTA LUCIA

・Mejoramiento de cultivo de maiz

・Crianza de borrego

・Organizacion

・Siembra de ajonjoli

12 MAPASTEPEC PANTALEON

DOMINGUEZ

・Elavoracion de producto de Café

・Renovacion de cafetal(5)

・Limpieza de calle(2)

・Limpieza de cafetal

・Barreras vivas

・Hortariza y Frijol (2)

・Sembrar maiz y frijol

・Organizarse(3)

・Abono organico

・Limpieza de hogar

13 MAZATAN SUYACAL ・Maquina de coser

・Capacitacion de alta costura

・Tienda Rural

(CONASUPO) (2)

・Compustura de calle

・Organizacion (3)

・Cultivo de Maiz

・Granja de pollos

14 METAPA METAPA

・Sistema de Riego para todo

cultivo del campo

・Mejorar el cultivo de maiz

・Limpieza de cocina

・Apoyarnos en el trabajo del

campo

・Unirnos más como grupo

・Empezar a trabajar en familia en

grupo

15 TUXTLA CHICO MIGUEL

HIDALGO ・Granja de pollo(2)

・Hortaliza

・Alimentacion(Sembrar tomate)

・Reforestacion

・Rambutan injertado

・Cosecha de Limon

・Limpiar la casa

16 TAPACHULA HIDALGO ・Ofertar productos de calidad

・Pensar antes de actuar

・Mejorar produccion de flores

・Producir la comida（Vivero de

mojarras）

出典: PAPROSOC2 (2009), Informe de Desarrollo Participativo: de 16 comunidades

8. 住民コメント

16 村の報告書には、WS 実施中に住民が発言したコメントがプロジェクトスタッフによって細やかに記

述されている。当プロジェクトは住民の意識の変化を促すことを目的としていることから、住民の発言

を重視している。

多くの住民の発言から主なものをポジティブなもの、ネガティブなものを合わせて、まとめたものを次

の欄に示しておく。

コメント集

総合

私達が本当に必要としているものが何かを分析でき、とても嬉しく感じている。（ｳﾆｵﾝ・ﾌｱﾚ

ｽ）

今日ここで活動したことは時間の無駄じゃない。向上したいメンバーだけが集まっているんだ

から。それは何より私達の生活を改善するためだ。今までこのようなﾜｰｸｼｮｯﾌﾟに参加したこと

は一度もなかった。感謝の心でいっぱいだ。これからもプロセスを学び、何のプロジェクトが

適当なのか決められるまで引き続き参加したい。(ｴｽｸｲﾝﾄﾗ)

この活動プロセスから学べることは、時間はかかるけれど結果はより確実になる、ということ

だ。なぜなら何か活動を実施し始める前にいったん立ち止まって考えるプロセスがあるから

だ。(ｳｴｳｴﾀﾝ)

お互いへの尊敬。私の意見を他の人に聞いてもらいたいけれど、私も他の人の意見をじっくり

聞く必要があるわ。(ｳﾆｵﾝ・ﾌｱﾚｽ)

ﾜｰｸｼｮｯﾌﾟ１ 生活改善イントロ

(ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾃｰｼｮﾝの) 写真により学べたことは、日本人は結束し、ニーズを自分たちで発見し、

計画を立て何かをやってみたことで貧困から脱出し進歩したということだ。しかも常にフォ

ローアップをしており、プロジェクトサイクルは一度で終わるものでなく、ずっと続いてい

る。(ｱｶｺﾔｸﾞｱ)

すべてに関して結束力があるので、素晴らしい。組織力に感心した。誰かが畑仕事に行って

いる間に他の人が食事を担当したり、別の人が子供達の面倒を見ていたというような組織力

に。(ｱｶｺﾔｸﾞｱ)

何か実行する前にはじっくり計画を立てる必要があるということを学んだ。(ﾌﾛﾝﾃﾗ)

望むだけでは十分ではない。その望みをかなえるために熱心に活動することが重要だ。(ﾀﾊﾟﾁ

ｭﾗ)

私達はプロジェクトで失敗した経験がいくつかある。プロジェクトを実施する前に研修の受

講を考えてなかったからだ。プロジェクトをやるにはまず何よりも私達自身のﾒﾝﾀﾘﾃｨを見直

す必要がある。私達の考え方を変え、改善のためにｲﾆｼｱﾁﾌﾞを取る必要がある。(ﾂｻﾝﾀﾝ)

他の仲間と一緒に参加したから嬉しかった。（ｸﾞﾙｰﾌﾟﾜｰｸでは）5 人の男性の中で私一人が唯

一の女性だったけれど、怖くなかったし、差別もなかった。皆と意見を共有できたのでとて

も嬉しく感じた。(ｴｽｸｲﾝﾄﾗ)

学びのあるゲーム１ 紐

他の人の意見に耳を傾けることを学んだ。意見があるときには皆で分析するために共有しな

ければいけない。皆それぞれ違う考えをもっているので。(ｴｽｸｲﾝﾄﾗ)

(ｹﾞｰﾑを)達成するために皆で意見を統一し、結束し、知恵を使う事を学んだ。(ﾌﾛﾝﾃﾗ)

結果を出すために何度も何度もトライしなければいけなかったにも関わらず誰も怒らなかっ

た。(ﾄｩｸｽﾄﾗ・ﾁｺ)

(ｹﾞｰﾑ中に鉛筆から)外れてしまった紐は、まるで、ﾓﾁﾍﾞｰｼｮﾝが下がり、ｸﾞﾙｰﾌﾟから脱退して

しまう人を示唆しているみたいだ。結束力を維持するために、私達は皆でそういう人達を勇

気付ける必要があるね。(ﾂｻﾝﾀﾝ)

ﾜｰｸｼｮｯﾌﾟ 2 ﾏｯﾋﾟﾝｸﾞ

私達の集落にどんな資源があるかを考えるのはとても重要だった。皆で意見を交換しながら

地図を作った。存在することが当たり前すぎて中には資源と気付かなかったものまであった

が、集落には色々あると気付かされた。(ｽﾁｱﾃ)

今週は、前回のﾜｰｸｼｮｯﾌﾟで学んだことを何も実践しなかった。でも組織力を強化するため何

より基本的なことはｲﾆｼｱﾁﾌﾞを取ることだとわかっている。そうすることで私達がやろうとし

ている事全てにおいて、より良い結果をもたらすことができるだろう。(ﾒﾀﾊﾟ)

ﾁｱﾊﾟｽは豊かだ。ほとんどの人が実りの多い豊かな土地を持っている。しかし農産物を売るた

めの組織がない。それで安く買い叩かれているんだ。(ﾋﾞｼﾞｬ・ｺﾏﾙﾃｨﾄﾗﾝ)

学びのあるｹﾞｰﾑ 犬と猫

たくさん失敗した。でも失敗から成長していくものだ。(ｶｶﾜﾀﾝ)

実践する前に状況を分析することが重要だ。何事も競争と捉えてはいけない。時々ｸﾞﾙｰﾌﾟ内

でも、このｹﾞｰﾑでやってしまったように競争のように感じてしまい、戦ってしまうことがあ

る。(ｱｶﾍﾟﾀｳｱ)

とても楽しく、嬉しく感じた。このようにｹﾞｰﾑをするとリラックスでき、日常の問題を忘れ

ることができる。(ﾂｻﾝﾀﾝ)

ﾜｰｸｼｮｯﾌﾟ３ 幸せの木

幸せは向こうからはやってこない。私達の手で日常から活動しなければいけない。一歩一歩

幸せを求めていく必要がある。でもそれは私達自身がやるべきことだ。(ﾏﾊﾟｽﾃﾍﾟｯｸ)

幸せを手に入れたければ、まず健康であることを享受し、結束して働くことが大事だ。お金

は幸せのために一番大事なものではないんだな。勿論何らかの希望を達成するにはお金は必

要だけれど。(ｳｲｸｽﾄﾗ)

私達のグループは老若男女ごっちゃで構成されている。そのことで、色んな意見が出てき

て、お互いに役立っている。(ﾋﾞｼﾞｬ・ｺﾏﾙﾃｨﾄﾗﾝ)

学びのあるｹﾞｰﾑ 3 風船

一人では色んな事を出来ない。しかし他の人と互いに助け合いながらであれば、色んな事も

達成できる。結束力が力になるものだ。(ﾏﾊﾟｽﾃﾍﾟｯｸ)

ｸﾞﾙｰﾌﾟとして互いに助け合うことができる。しかし私達が組織化していなく、結束力もなけ

れば互いに助け合うこともない。例えば今マヌエルさんが病気だよね。しかし彼の畑仕事を

手伝うために話し合いもしていない。今こそ私達が結束していることを表明しようじゃない

か。(ﾋﾞｼﾞｬ・ｺﾏﾙﾃｨﾄﾗﾝ)

どれも同じ風船。唯一の違いは大きいのも小さいのもあった、というだけ。(ｱｶｺﾔｸﾞｱ)

ﾜｰｸｼｮｯﾌﾟ 4 ニーズ抽出

私達自身によってﾆｰｽﾞを発見でき、実際私達が何を実行できるかが分かったのは嬉しい。(ｽﾁ

ｱﾃ)

ｸﾞﾙｰﾌﾟを作るのは簡単だ。でもｸﾞﾙｰﾌﾟとして活動することはとても難しい。というのは活動

する上で信頼感がないから。まずは自分自身に自信を持つことが大事だ。そのあとに他の人

への信頼感も持てるようになる。(ｳｲｸｽﾄﾗ)

学びのあるゲーム 4 目を閉じた状態での列

組織を作る上でコミュニケーションが重要だということを学んだ。(ﾏﾊﾟｽﾃﾍﾟｯｸ)

何も見えなかった。でも、見えないからこそ逆に集中でき、より色々考えることができた。

(ｳｲｸｽﾄﾗ)

もしﾘｰﾀﾞｰがうまく導いてくれなければ、皆で彼を助けることができる。必ずしもﾘｰﾀﾞｰでは

なく、ｸﾞﾙｰﾌﾟそのものがｲﾆｼｱﾁﾌﾞを取ることもできる。(ﾀﾊﾟﾁｭﾗ)

その他の興味深いコメント

集落の中には私達の活動を、また騙されているだけだ、時間の無駄だと批判する人もいる。

今支援はないが、最後には何か援助がもらえることを期待している。(ｱｶﾍﾟﾀｳｱ)

皆誰でも向上できるし、向上したいと思っている。しかし実行することに対して私達は非常

に怠け者だ。時にﾘｰﾀﾞｰは、個人に対する経済的ﾒﾘｯﾄだけを考えて、責任感のない人もいる。

(ｱｶｺﾔｸﾞｱ)

私達が分析して決定したﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄを、本当に実現できるよう切に願う。私達を見放さず、こ

のﾜｰｸｼｮｯﾌﾟへのフォローアップをしてもらいたいものだ。でなければこのﾜｰｸｼｮｯﾌﾟは何にも

役に立たない。結果が見えないから。(ﾏﾊﾟｽﾃﾍﾟｯｸ)

この集落は非常にまとまりがない。人々を励ましﾓﾁﾍﾞｰｼｮﾝを高めるのは非常に難しい。(ﾀﾊﾟﾁ

ｭﾗ)

出典：PAPROSOC2(2009)16 村の報告書より抽出

9. 教訓

WS の実施を通じて、下記の教訓が引き出された。

経済的支援は重要だがそれを必須条件としなくとも、生活改善を実施していきたいとの住民が存

在していることを確認できた。

幸せの条件が示すとおり、幸せであるためには、行政として農村開発を推進するためには、セク

ターを越えた取り組みが不可欠であることが実証された。

WS を実施するには、住民の時間の都合を重視することが必要。

ファシリテーターとしての忍耐力、許容力は WS を実施するために不可欠。

4 回の WS を実施する理想のタイミングは、週 1 度 X4 回＝1 ヶ月である。ただし、住民のレスポ

ンス次第では月 1 度 X 4 回＝4 ヶ月の場合もありうる。

ゲームの活用の有効性：学びを得るゲームは組織強化の過程で有効なツールであることを確認し

た。ただし、ファシリテーターとしてゲームの実施を最適なタイミングで実施せねばならない。

数村からは、4 回以降も WS 継続の希望があり、第 5、6 回の WS を実施している。この種の WS

へのニーズがあることを確認した。

10. 結論

(1) 2 つの目的

4WS を実施する目的は下記 2 点であったが、上記の結果から目的は達成されたものと見る。

住民による農村開発のためのニーズの抽出を行うこと

ワークショップを実施しながら、グループの組織強化を行うこと

(2) PAPROSOC2 チームとしての結論

この報告書及び 16 の各村の報告書を通じてわかるとおり、WS の実施を通じて、グループにおいて

プロジェクトサイクルの内在化の必要性に対する理解が進み、グループ内におけるコミュニケーシ

ョンが活性化した。

また実施した学びを得るゲームを通じ、意識変化が生じ、生活改善を理解するだけでなく実施に取

り組もうとする動きも見えてきている。

WS で多用したグループ作業により、住民間での協働の意識が芽生えつつある。

本 WS で取り組んだのは、プロジェクトサイクルのうち、現状分析と計画の部分であり、今後、実

施、評価を行い、サイクルが完結するまで引き続きプロジェクトとしてフォローしていく必要があ

る。

（了）