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○犯罪被害給付事務取扱要領の制定について(平成13年9月10日例規第36号)
[沿革] 平成20年3月例規第25号、8月第39号、21年11月第28号、23年11月第38号、26年12月第24
号、28年3月第11号、30年3月第16号、令和2年4月第17号改正
この度、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(昭和55年法律第36号。以下「法
」という。)の一部が改正されたことに伴い、犯罪被害給付事務取扱要領の制定につい
て(昭和59年1月例規第2号)を全部改正し、別記のとおり犯罪被害給付事務取扱要領
を定め、平成13年9月10日から実施することとしたので、実効の上がるよう適切に運用
されたい。
なお、犯罪被害給付事務取扱要領の制定について(昭和59年1月例規第2号)は、廃
止する。
記
1 改正の趣旨
法の改正に伴い、犯罪被害給付金の支給対象が拡大されたことから、犯罪被害者又
は第一順位遺族への適切な制度の教示を行うとともに、裁定時に事件主管課との協議
を実施すること等により、事務処理の適正化を図ることとした。
2 改正の要点
(1) 犯罪被害者又は第一順位遺族に対し、制度の教示を行うことを規定した。
(2) 申請書の受理に際し、十分な説明を行うとともに、不備があった場合は補正を求
めることとした。
(3) 裁定に当たっては、事務処理の適正化を図るため、事件主管課長と協議を行うこ
ととした。
別記
犯罪被害給付事務取扱要領
第1 趣旨
この要領は、犯罪被害給付制度の適正な運用を図るため、その事務手続について
必要な事項を定めるものとする。
第2 準拠
犯罪被害給付制度の事務については、次の各号に掲げるものによるほか、この要
領に定めるところによるものとする。
1 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年
法律第36号。以下「法」という。)
2 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行令(昭
和55年政令第287号。以下「令」という。)
3 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則(
昭和55年国家公安委員会規則第6号。以下「規則」という。)
4 犯罪被害給付制度事務処理要領の改正について(令和2年3月19日付け警察庁丙
給厚発第8号)
第3 事務取扱上の留意点
1 本制度に係る事務は、警察本部にあっては警務部県民サービス課において、警察
署にあっては県民サービス係において行うものとする。
2 事務処理に当たる者は、犯罪被害者又はその遺族の立場を理解し、法の趣旨に沿
って対応するとともに、当該事務が迅速かつ適切に行われるように努めなければな
らない。
3 事務処理に当たっては、関係所属との緊密な連携の下、徹底した調査及び資料の
収集を行い、事案の正確な把握に努めなければならない。
第4 事案の発生報告
警察署長(以下「署長」という。)は、法第2条第2項に規定する犯罪被害に該
当する可能性のある事案(以下「対象事案」という。)の発生を認知したときは、
犯罪被害給付対象事件発生報告書(別記様式第1)により速やかにその概要を警務
部県民サービス課長(以下「県民サービス課長」という。)を経て警察本部長(以
下「本部長」という。)に報告しなければならない。
第5 制度の教示等
1 署長は、対象事案の発生を認知した場合は、犯罪被害者又は法第5条の規定によ
り第一順位となる遺族(以下「第一順位遺族」という。)に対し、被害者の手引き、
広報用リーフレット等を交付するなどの方法により、犯罪被害給付制度について教
示するものとする。ただし、次に掲げる場合であって、犯罪被害者等給付金(法第
2条第7項に規定する犯罪被害者等給付金をいう。以下同じ。)が不支給となるこ
とが明らかなときは、この限りでない。
(1) 犯罪被害者又は第一順位遺族に規則第2条、第4条又は第5条に規定する不支
給事由があるとき。
(2) 法第7条の規定による調整により不支給となるとき。
(3) 法第8条の規定による調整により不支給となるとき。
2 署長は、1の場合において、犯罪被害者又は第一順位遺族に対して教示するに当
たり、その判断について疑義が生じたときは、速やかに県民サービス課長に報告し、
その対応について協議するものとする。
3 犯罪被害者等給付金の支給対象となる対象事案に係る犯罪被害者又は第一順位遺
族が県外に住所地を有するときは、県民サービス課長は、警察庁長官官房給与厚生
課犯罪被害者支援室及び当該住所地を管轄する都道府県警察の犯罪被害給付事務担
当課に事案の概要を通報するものとする。
第6 申請の受理
1 県民サービス課長又は署長は、法第10条第1項に基づき犯罪被害者又は第一順位
遺族(以下「申請者」という。)から、遺族給付金支給裁定申請書(規則様式第1
号)、重傷病給付金支給裁定申請書(規則様式第2号)又は障害給付金支給裁定申
請書(規則様式第3号)(以下「申請書」と総称する。)の提出を受けたときは、
必要事項の記載漏れ及び規則第16条、第17条又は第18条に規定する添付書類の有無
を確認した上で、申請書の受付欄に受付年月日及び受付番号を記入するものとする。
この場合において、警察署で受理するときは、県民サービス課長から指示された
受付番号を記載するものとする。
2 申請書に不備があった場合には、申請を受け付けた上で申請者に十分な説明を行
い、相当な期間を定めて補正を求めるものとする。
3 県民サービス課長又は署長は、申請書の記載内容が、次に掲げる事項に該当する
と判断した場合は、申請者に理由を十分に説明した上で申請書を受理しないものと
する。
(1) 申請書が提出された日が、法第10条第2項又は第3項に定める期間を経過して
いるとき。
(2) 申請に係る被害が、法第2条第2項に規定する犯罪被害に該当しないとき。
(3) 申請者が、法第4条に定める受給資格を有しないとき。
4 県民サービス課長又は署長は、申請書を受理したときは、遺族・重傷病・障害給
付金支給裁定申請受付報告書(別記様式第2)により、速やかに奈良県公安委員会
(以下「公安委員会」という。)に報告(署長は県民サービス課長を経由)すると
ともに県民サービス課長は、裁定申請に係る処理経過を処理簿(別記様式第3)に
記録しておくものとする。
第7 調査等
1 法第13条の規定に基づく調査等は、県民サービス課長が行うものとする。
2 県民サービス課長は、前記の調査を行うに当たって必要があるときは、署長に対
し、犯罪被害給付関係事項照会書(別記様式第4)により照会を行うものとする。
3 署長は、照会に対して適切な回答を行うため、事件主管課長の協力を求めること
ができる。この場合において、事件主管課長は事件の概要等について積極的に助言
を行い協力するものとする。
4 署長は、前記2の照会を受けたときは、速やかに必要な調査を行い、その結果を
犯罪被害給付関係事項回答書(別記様式第5。以下「回答書」という。)により回
答するものとする。
5 署長は、国又は他の都道府県公安委員会から照会を受けたときは、県民サービス
課長と協議の上、前記要領に準じて回答するものとする。
第8 検討票等の作成
1 県民サービス課長は、前記第7に規定する調査等により収集された資料に基づき、
検討調書(別添)及び給付金支給検討票(別記様式第6。以下「検討票等」という。
)を作成するものとする。
2 県民サービス課長は、裁定等に係る事務処理の適正を図るため、検討票等に基づ
き事件主管課長と協議を行うこととする。
第9 裁定等
1 県民サービス課長は、法第11条第1項に規定する公安委員会の裁定を受けようと
するときは、申請書とともに検討票等及び犯罪被害者等給付金支給裁定通知書(規
則様式第4号。以下「裁定通知書」という。)案を作成して、公安委員会に提出す
るものとする。
2 県民サービス課長は、申請者が正当な理由がなく、法第13条第1項の規定に基づ
く報告等を拒むなど適正な裁定を行うことができないと認められるときは、犯罪被
害者等給付金支給裁定申請却下通知書(規則様式第5号。以下「却下通知書」とい
う。)案を作成して、公安委員会に提出するものとする。
3 県民サービス課長は、法第12条第1項に規定する仮給付金を支給することが適当
であると認めるときは、仮給付金支給決定通知書(規則様式第6号。以下「決定通
知書」という。)案を作成して、公安委員会に提出するものとする。
第10 裁定通知書等の交付
県民サービス課長は、公安委員会の協議結果に基づき、裁定通知書、却下通知書、
又は決定通知書を作成して、速やかに申請者に交付するとともに申請受理から裁定
等に至るまでの経過を処理簿に記録しておくものとする。この場合において、裁定
通知書又は決定通知書を交付するときは、犯罪被害者等給付金支払請求書又は仮給
付金支払請求書(規則様式第7号)を併せて交付するものとする。
第11 損害賠償の申出の取扱い
県民サービス課又は署長は、規則第19条の規定により申請者から、犯罪被害を原
因として損害賠償を受けた旨の申し出があった場合は、速やかに公安委員会に報告
しなければならない。この場合において、署長は県民サービス課長を経由して報告
を行うものとする。
第12 審査請求事案の取扱い
1 県民サービス課長又は署長は、申請者から審査請求があったときは、速やかに公
安委員会に報告しなければならない。この場合において、署長は県民サービス課長
を経由して報告を行うものとする。
2 県民サービス課長は、審査請求の種別により、次により処理するものとする。
(1) 裁定についての審査請求
裁定についての審査請求は、国家公安委員会に対する審査請求のみについて認め
られることとなるので、当該審査請求書を国家公安委員会(警察庁長官官房を経
由)に送付することとする。
(2) 不作為についての審査請求
不作為についての審査請求は、国家公安委員会又は公安委員会に対する審査請
求のいずれの場合も認められることから、国家公安委員会に対する審査請求がな
された場合は、当該審査請求書を国家公安委員会(警察庁長官官房を経由)に送
付し、公安委員会に対する審査請求がなされた場合は、県民サービス課長が当該
事務処理を行うこととし、審査請求事案発生(終結)報告書(別記様式第7)に
より国家公安委員会(警察庁長官官房を経由)に報告することとする。
(3) 行政事件訴訟
裁定の取消しの訴えが提起されたとき(ただし、この訴訟は、当該裁定につい
ての国家公安委員会の裁定を経た後でなければ提起することができない。)は、
公安委員会に報告を行うとともに警務部監察課長に事務を引き継ぐものとする。
(別記様式省略)