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患者教室 第2回目
病気や治療を知ること
• がんの治療
• 医療者とのコミュニケーション
医療者とのコミュニケーション
~症状について相談する~
~重要な方針を決める~
すれ違い ~症状を相談する~
吐気が続いてるんです
吐気止め増やしますか?
悪くなってるってことかな?薬で抑えるだけでいいの?検査しなくて大丈夫?薬使いすぎでは?
命や治療中止にかかわる症状じゃないな
薬いらないならそんなに困ってないのかな
じゃあ様子見ましょうか
いや、薬はいいです
なぜすれ違うのか
• 症状や心配は言わないと決して伝わらない• 何に困っているのか、心配しているか
上手に伝えられていない
• 医学的な説明は理解しにくい
• 医師は生命を守るための解決方法をまず考える
• 症状の原因がわからないことも少なくない
何を相談したいかをはっきりさせる
• 症状が強くて困っている
• 症状の原因が心配
• 悪くしないための生活上の注意を知りたい
• 今はいいが、どの程度になれば相談必要か
少し難しいときは、看護師や相談支援センターで事前に打ち合わせ
症状そのもので困っている場合
• 場所、程度、持続時間、どの程度の支障か
– 「普段はいいのですが横になると背中が
ひどく痛くて、夜も寝れないほどです」
• 対症療法に関すること
– 「前回もらった薬を使ったのですが1時間ほどしか効果がありませんでした」
– 「薬の効果はあったのですが眠気が強くって。続けても大丈夫でしょうか?」
症状の原因が心配な場合
• 「何が原因なんでしょうか?」だと「わかりません」で終わってしまうことも
• 心配していることをなるべく具体的に聞く
– 「病気が進んでいるサインなのかと心配になります。どうなんでしょうか?」
– 「この症状は我慢する(対症療法をする)だけで、いいんでしょうか?今後悪くなるとか、今さらに原因を突き止める検査をするとかの必要はないんですか?」
すれ違い ~症状を相談する~
薬を使っても吐き気が続います。がまんできる程度なのですが、このまま様子見てて病気が悪くなったりしませんか?
吐き気の原因は治療の副作用なので病気とは関係ありません。
ただあまり副作用でつらい思いをしすぎると治療が嫌になってしまうので、もう少し薬使っても大丈夫ですよ?
大した問題はありませんが、○○といったことがあれば教えてください
薬の副作用大丈夫ですか
上手なコミュニケーションは、上手に治療を受ける役に立ちます
すれ違い ~重要な方針を相談する~
残念ですが、これまでの治療が効いてないようです。次はA治療が考えられます。ただ、副作用を考えるとB治療もあります。
心配ならセカンドオピニオンで相談されては?
えー、、、どうしたらいいかわからない・・・
どのように方針を決めますか?
50%に有効 40%に有効効果
3%で命にかかわる 2%で命にかかわる副作用
80%に手のしびれ 50%で脱毛副作用
3か月、入院 6か月、仕事可能期間費用
途中でやめられない やめられる可逆性
などなど、人によって大切なポイントは違います
重要な方針相談での感想
• 気持ちが動揺して考えがまとまらない
• 医師に何を聞いたらいいかわからない
• 的外れなことを聞くと怒られるんじゃないか
• いつ質問していいかわからない
• ほかの人が良くする質問をおしえてほしい
重要な面談のコツ
• ある程度内容が予想できる場合–知りたいことを事前に書き出しておく
– メモで渡す(2,3個、短文で、看護師でもOK)
–信頼できる人に同席してもらう
–言いにくいことは誰かに代弁してもらう
• 全く準備のないお話を聞いた場合、少し整理の時間をもらう–概要を確認(状況、選択肢)
–時間の猶予を確認する
–看護師や相談支援センターで整理
事前準備のパンフレット
• よく聞かれる質問集
• 面談の前に見て考えを
整理
• がん情報センターHP
• 相談支援センターで
入手可能
パンフレットの内容(一部抜粋)
• 治療について–先生の勧める治療はどれですか?
–治療が効いているかどうか
• 生活について–仕事やほかの活動への影響はありますか?
• 今後のこと–治る可能性はありますか?
• その他– これを決めるのにどのくらい時間がありますか?
全てを聞く必要はありません自分にとって役立つ質問を選び、相談できたか確認に使ってください
パンフレットの感想
• こんなことを聞いていいのだと思えた
• 質問のイメージがつかめた
• 質問項目を見て、自分がこれらを知りたいのかどうかを確認、整理できた
• 事前にパンフレットを読んでいたため、医師の説明がだいたいわかった
医師への質問を遠慮されている方に
• 質問されるのが嫌な医師は少ない
–理解して方針を決めてもらいたいと思っています
• 質問するときのコツ
–どこまで理解しているか、なぜ質問するか伝える
– 「以前聞きましたが、○○がわかりませんでした」
– 「今後の治療を決めるのに大切だと思うので、もう一度教えてもらいたいのですが…」
医師への質問を遠慮されている方に
• 将来予測の質問は理由を添えるとよりよい
• セカンドオピニオンが嫌な医師は最近少ない
いつ歩けるようになりますか?
人それぞれです
来月○○の用事があるのですが、歩けますか?
歩けないときのために△△を手配しましょう
医師と上手に話し合うために
• 知りたくないことは聞かないこともできる
–医師は説明する義務があるが、細かいことや怖いことをほかの人に聞いてもらうことはできる
• ほかの医療従事者の力を借りる
–外来看護師、看護外来、相談支援センター
–何を相談すべきか事前にまとめる、説明されたことの理解を確認する、伝言を頼むなど
まとめ
• 上手に医師と相談できることは治療上も重要です
• 必要以上に医師に「気を遣う」必要はありませんが、上手に気持ちよく相談をするためのテクニックを知っていたほうが得です
• 相談支援センターなどサポーターを利用しましょう
• 医師も上手にコミュニケーションをとる勉強を始めています