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(第1部)

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臨 床 Ⅱ

(第1部)

一 般 演 題

看 護 部 門

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ①

透析室看護師としての末期がん患者との関わり

~家族とともに支えあう在宅療養~

壱岐病院 看護部(治療検査センター)

○長岡 美知孝 堤 真粧美 竹藤 弘美

1.はじめに

壱岐市の透析患者は 101名で、そのうち常時 15名程度が当院で透析を行っている。

そのうち 3割が他施設からの手術適応患者や急性期の治療が必要な患者を受け入れている。これま

で、がんを発症した透析患者の看護をおこなった経験はない。そこで、がん患者・家族に対する関わ

りから看護を振り返り、学んだことを報告する。

2.対象と方法

A 氏 57 歳

既往歴 平成 17 年 慢性糸球体腎炎のため透析導入。その後、市内の他施設にて維持透析

現病歴 平成 27 年 6 月初め 腰痛があり当院整形外科受診 骨転移を伴う末期がん(肝細胞がん C

型肝炎)の診断で当院に入院、入院後から当院で透析

平成 27 年 6 月中旬 他院にて放射線療法目的で転院

平成 27 年 7 月 疼痛コントロール、リハビリ目的で当院再入院

2 か月間入院。その後、外来透析となる。

退院支援をするにあたって参考文献の中から、がん患者の家族をとらえる視点 (1)「家族の持つ力」

(2)「家族の日常生活」(3)「病名・病状についての家族の認識」(4)「家族の取り組み」(5)「かかわり

を方向付けるもの」(6)「家族と医療従事者の関係」この6つのカテゴリーに分けて、今回は重要と考

えた(3)「病名・病状についての家族の認識」と(6)「家族と医療従事者の関係」に焦点をあてて看護を

分析した。

3.結果

(3)「病名・病状についての家族の認識」については、再入院後は、肝がんに対しての積極的治療はな

いと理解していたが、放射線治療ができたことに対する今後の期待を抱いていた。しかし、整形外

科医より「リハビリは転倒や骨折の可能性が高くなるから積極的に行わなくてよい」と言われたこ

とが本人の闘病意欲を低下させたと話される。

(6)「家族と医療従事者の関係」については、11 年間透析医療を受けていることから、「2日に1度病

院には通っていたのに」、「ずっと腰が痛いと言っていたのに」、と不信感をもっていた。入院当初は、

透析室を「狭くて息苦しい」、「他の透析患者に話が聞こえる。」などの発言がみられた。また、透析

があるから・・病院から離れられないと、マイナスの印象が伝わってきた。

今回は、(6)「家族と医療従事者の関係」の視点からそのかかわりを中心に「関係づくり」を述べる。

入院時に抱かれていた透析医療、スタッフに対する不信感が減り信頼が得られるようにするためには、

患者・家族との会話をすべて記録に残しスタッフ間の情報の共有を図った。効果的治療がないことや

リハビリを意欲的に取り組むことを否定された絶望感を知り、患者本人が透析時間中、妻が一人にな

る時間を見計らい感情が表出しやすい環境で話を聞くようにした。その結果、妻は時に涙するなど感

情を表すようになった。透析室内では他の患者に情報が漏れないように配慮し、極力透析室内の会話

を避けた。通常は、病棟スタッフに病室への送迎を依頼するが、患者本人と会話の時間をつくるため、

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ①

透析室スタッフが送迎をおこなった。患者・家族の結束力が患者の病状を好転させ、また、娘たちが

家事の手助けや相談相手となることで、付き添う妻の疲労回復になると考え、家族がそろう週末を自

宅で過ごす、試験外泊を提案した。外泊の移動時間は本人・家族の意向に沿って夜間に行い外泊を入

院2週目から毎週繰り返した。退院を想定し、継続できる社会資源についてSWから訪問看護の提案

はあったが、患者本人が周囲に病気のことを知られることを恐れサービスの利用は受け入れられなか

った。退院後の透析を本人の移動時の腰痛や体力の消耗を最小限にするため週に3回から2回に減ら

しコントロールすることを医師に提案し許可をえて実施した。スタッフに患者自ら日常会話をされる

ようになり、笑顔も見られるようになった。

4.考察

がん告知の視点から見ると、がん告知はがん患者家族と相互関係を基に、がん患者家族を支え、苦

悩を分かち合えるような看護関係を構築することの必要性が述べられている。そこで、がん患者・家

族と医療従事者の関係に着目し、関わりについて考察する。入院時の透析室の環境に対する不平・不

満の訴えは、病状を受け止める過程での恐怖心や不安と医療への不信感などが統合された結果の言動

と考えられる。夫の気持ちをスタッフに代弁する妻も同じであったと考えられる。しかし、関わりの

中で、患者・家族に対し訴えを傾聴し情報を共有することで、不安を表出しやすい環境を提供するこ

とができた。特に、互いの声が聞こえる狭い空間での透析治療は、患者にとって病気のことが他人に

知られる恐れ、不快・不安を抱かせた。患者・家族の気持ちを大事にし、透析室での会話を最小限に

し、病室での会話を心がけたことで会話が弾むようになり、関係性をより好転させたと考えられた。

5.まとめ

透析看護師が信頼関係を得るためには、日々のわずかな状態変化を見逃さず、訴えを聞き逃さない

ことが大切である。がん患者・家族と透析看護師との信頼関係の構築は退院支援につながった。

当院の透析室は少人数のスタッフが内視鏡室・放射線科業務を兼務する。限られた時間で患者家族の

ニーズを的確にとらえるために、有効な対策を常に模索しながら今後も患者・家族と真摯に向き合っ

ていきたい。

引用・参考文献

(1)がん患者の家族に対する看護師のかかわり 家族看護学研究 第 9 巻 第 1 号 2003 年

(2)終末期がん患者の緩和ケア 日本看護協会出版会 岩崎紀久子他 2009 年

【質疑応答】

○座長 :それでは、私のほうから 1つ質問をさせてください。

方法のところにありました、がん患者の家族をとらえる視点のところの 6つのカテゴリー

の中で、3と 6に焦点を当てた理由というのは何でしょうか。

○長岡 :ご質問ありがとうございます。

まず、がん患者さんを看護するにあたって、病状に対する家族の認識を看護師としては理

解することが大切だと思いました。その中で、透析室や医療に対する不満を患者さんの家

族が抱えていたので、まずはそれを何とか打開しなければいけないと思いました。そして、

まずは信頼関係を構築することが大切と思い、看護を行ってきました。

その中で、3 番と 6 番の関係がこの看護については重要と思い、分析を行いました。

○座長 :ありがとうございました。

ほかにご質問はありませんか。なければ、第1席を終了とさせていただきます。長岡さん、

ありがとうございました。お疲れさまでした。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ②

喫煙が制限された精神病患者の意識調査

~なぜ暴動は起こらなかったのか~

対馬病院 2 階病棟

○奥田 愛子 工藤 夏子

吉野 二三枝 齋藤 照恵

1.はじめに

2003年、健康増進法において受動喫煙の防止が規定されたことにより精神科医療機関でも禁煙が実

施されるようになった。A病院B病棟では、24時間自由な禁煙を続けていたが、「2015年新病院移転後

は、敷地内全面禁煙」と決定。患者からは「暴動が起きるよ」という発言があった。協議の結果、移

転直前に全面禁煙から1日3回の節煙となったが暴動は起きていない。患者の意識調査をして、レオン・

フェスティンガーにより提唱されている認知的不協和を基に分析することで、なぜ暴動は起こらなか

ったのか、受容までの心理的変化を明らかにしたのでここに報告する。

2.研究目的

患者が節煙を受容するまでの心理的変化を明確にする。

3.研究方法

1.後ろ向き研究

2. 対象:B病棟入院患者中同意した6名

3.期間:2015年8月~2016年5月

4.データー収集方法

2015年10月、インタビューガイドに沿って経時的構造化インタビューを行う。

5.データー分析方法

認知的不協和を基に分析する。

6.倫理的配慮

録音したインタビュー内容は研究後破棄する。

4.結果

インタビューの対象者は、男性5人、女性1人で全て統合失調症の患者。

「自由に吸えなくなると聞いた時」否認2人、不安1人、驚き2人、困惑1人。

「全く吸えないと聞いた時」否認2人、困惑3人、不安1人。

「1日3回吸えると聞いた時」は、受容6人。移転4ヶ月後受容2人、決断2人、欲望1人、無回答1人。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ②

5.考察

認知的不協和とは、人は自分の信念やそれまでの行動内容とは矛盾する「新しい事実」を突きつ

けられると「不快な感情」を引き起こす。その結果どちらか一方を否定して矛盾を解消しようとす

る。

認知的不協和によって分析すると、患者は禁煙できんという信念、「自由に吸っている」という行動

内容と「自由に吸えない」「全く吸えない」という矛盾する事実を突きつけられ不快な感情を引き起

こした。更に新しい事実「1日3回吸えます」と方針が変わったことで「全く吸えないよりまし」と

信念や行動を変えた結果、暴動は起こらなかった。

6.結語

患者自身が自分の信念や行動を変えたことで暴動が起こらなかった。

Ⅵ.引用・参考文献

1)レオン・フェスティンガー:「認知的不協和理論」(1965) ISBN4-414-30210-2

2)ダメ人間の認知的不協和論 日本ダメ人間学会 http://www.fml.t.u-tokyo.ac.jp/Dame

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ②

【質疑応答】

○座長 :それでは、質疑応答に移らせていただきます。質問のある方はいらっしゃいませんか。

奥田さん、1日 3回吸えるということですけども、スタッフがそれに対してどのように関わ

りを持っているのかとか、どの時間帯でどういうふうにアプローチしているのか、というこ

とを教えていただけたらと思います。

○奥田 :1日 3回に持っていったのは、今までは 24時間吸っていたんですけど、勤務状況や体制によ

って夜中とかできないので、患者会を重ねて患者とスタッフと協議しながら、1日 3回のほ

うに持っていきました。

1日 3回も、朝の 10時半と昼の 14時、そして夕方の 16時に持っていって、1回の時間を 10

分間設けました。最初は患者からも夜中に吸いたい要求もあったりとか、1日 4回にしてほ

しいという問題もありましたけれど、今のところ 1日 3回で納得されて応じてくれています。

これでよろしいでしょうか。

○座長 :はい、ありがとうございます。

ほかに質問がないようでしたら、時間が迫っておりますので、これで終了させていただきた

いと思います。

奥田さん、ありがとうございました。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ③

不登校児のセンター玄関からの集団登校を試みて

長崎県立こども医療福祉センター 看護部

○中原 麻美 飛永 千恵美

1.はじめに

当センターの小児心療内科には、起立性調節障害で生活リズムが乱れ、不登校になって入院してく

る子どもが多い。そのような子どもに対する治療は、センター内で生活リズムを調整し、隣接してい

る特別支援学校への登校を促す形で進められる。

これまで、室内の渡り通路を通り、四季を感じることもなく登校していた。そのような姿をスタッフ

としては疑問を持っていた。そこで今回、敢えて廊下を使わず、センターから一旦外に出て日光を浴

び外の空気を吸いながら登校させることを試みた。そのような活動による子どもたちの行動と意識の

変化について報告する。

2.対象と方法

2015年 6月集団登校開始となった入院患者 14名を対象とした聞き取り調査と保護者への質問紙調査。

3.用語の定義

集団登校:朝 8:05を目標に子どもたちはスタッフステーションに集合。毎日のリーダーをあらか

じめ決めておき、リーダーの号令でスタッフステーションを 8:10までに出発する。看護師はセンタ

ーの玄関でそれを見送る。(体調不良などで時間までに集合できない子どもは、廊下を使って登校)

4.結果

1)昨年までは集合時間の 3~9分遅れが見られていた。しかし現在では、ほとんど遅れることはな

くなり、自然と集合時間には集まるようになった。

また、集合できていない児がいたら、ほかの児が呼びに行ってくれるようになりお互いを意識

し協力するようになった

2)児の聞き取り結果(H27年実施 14名中 14名回答)

「日光をあびるのが気持ちいい」「外が暑いと温度が分かった」「太陽の光を浴び元気になった」

など季節を感じる言葉が聞かれた。また「他人と話すようになった」「挨拶が出来るようになっ

た」「リーダーをすることで声かけが出来るようになった」という意見が聞かれた。

自分では特に変化はないと答えた児は6名いた。

3)保護者への質問紙調査(H27年実施 14名中 13名回収)

「傘がかわいい」と言われたと嬉しそうに話していた。こどもたちが「目が覚める」「自信につな

がっている」などの意見があった。

学校からの意見として、「学年を超えての交流があり楽しそうに下校する姿が見られた」「生徒

によっては、登校時間が守られるようになったのではと思う」そして、もともと忘れ物で、セ

ンターにすぐに戻ってきていたが、外から登校することで「簡単に行き来できない事がわかり

よい」など意見があった。距離の短さや実際の中学校の登校時間を考えると役に立つとはいい

がたいという意見もあった。

4)スタッフの変化

実施前は、「なぜ外からわざわざ登校しないといけないか」「朝の忙しいときに無理」「通学距離

の短さのため意味があるのか」「やる意味があるのか」という意見もあった。

今回の活動により、日々の子どもたちの表情や変化などに気づくことができ、子どもの成長を

喜び合えるチームとなった。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ③

5.考察

「不登校の中には、対人関係で適切に対応できない子ども、また過敏で、感受性の強い子どもがい

る。この種の子どもたちは、クラスメイトとの関わりが苦手であり、回避的である。これを克服する

には、実際の場面を想定して、練習をすることが望ましいのである」と園田らは言っている。

入院中の子どもたちは、いつか自宅に戻り家から学校に登校しなければならない。その円滑な移行

には、入院中の生活をできるだけ通常の自宅での生活に近づけることが必要である。

実際に、朝が苦手な子どもたちにとっては、この集団登校が朝から太陽を浴びることで体の覚醒度

を高め心身のリフレッシュにつながった。そして、対人関係の練習の場になり、楽しそうに話しなが

ら毎日登校できるようになった。スタッフとしても、児の普段見られない様子がわかり、他者とのか

かわりの中で今までできていなかったことが出来るようになりほめるきっかけにもなった。

6.まとめ

始めるきっかけは、ただ普通に朝の外は気持ちいいという感覚を味わってもらいたいという思いで

あった。朝から太陽の光を浴びることは、生活リズムの改善に効果があり覚醒度を高め、心身のリフ

レッシュにもつながった。

今回の活動を継続した結果、児の普段見られない様子がわかり、児のいい変化がチーム全体で共有で

きた。今後も登校に繋がるように取り組みたい。

引用・参考文献

園田順一ら:不登校の支援の現代的課題ー行動科学の立場からー,吉備国際大学,臨床心理相談研究

所紀要,第5号,1-22,2008

冨田和巳ら:小児心身医学の臨床 診断と治療社

【質疑応答】

○フロア:発表お疲れさまでした。

長崎県対馬病院の熊本と申します。1点質問させてください。

今、継続している中での新たな効果や、継続する上での問題点など、何かあったら教え

てください。

○中原 :ご質問ありがとうございます。

今継続してみて、夏休みとか春休みに一時退院をするという、長い期間家に帰ることがあ

ります。そのときに子どもたち同士でショッピングに行ったり、海に行ったりとか、仲間

で行動するようになった子どもたちが増えてきました。ふだん外に出ようという子どもた

ちは少ないですが、この活動をしていく中で、外に出て遊びたいという子どもたちが増え

たなぁということも最近あります。

問題点としては、毎日続けることというのがなかなかこの子たちは難しいので、入院し

間もない子どもは頑張ってやっていこうと、毎日頑張って登校しますが、頑張り過ぎて

徐々に疲れてしまったり、参加したくない授業は休んだり、定着することがなかなか今も

難しいなというのはあります。

○フロア:ありがとうございました。

○座長 :ほかにご質問はありませんか。

集団登校を行うということは、その集団の中での社会性を養うことにもつながっていくと

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ③

いうことを発表の中でもおっしゃっていましたけども、四季を感じてもらうという視点を

持って対策を練っていろいろされているということに、すごく興味を持ちました。本当に

お疲れさまでした。

ありがとうございました。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

褥瘡減少へ向けての取り組み

~皮膚・排泄ケア認定看護師との関わりを通して~

富江病院

○月川 郁子 石山 妙子 真鳥 睦子 大平 多恵子

佐野 佳惠 小宮 里美(長崎県五島中央病院)

1.はじめに

A病院は地域に根差した病院であるが高齢患者

が中心で、入院患者の平均年齢は 82.7 歳である

(平成 28 年 9 月 21 日現在)。

寝たきりの患者が多く褥瘡も一定数発生しており、

減少してきているがゼロにはならず、一旦できてし

まうとなかなか治癒しないのが現状である。

適した体圧分散マットの選択や栄養管理など、対

策は行いるがまだまだ不十分であることが予測でき

た。

今回、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN《ウォックナース》と略す)へ相談し、アドバイ

スを受ける機会を得た。

これまでのA病院における褥瘡の発生の問題点を抽出し、課題や対処方法の研修会を行い、スタッ

フの褥瘡に対する意識に変化が見られてきたので報告する。

2.対象と方法

対象:研究の意図を説明し、同意を得られたA病院看護師・看護補助者(30 名)

方法:①過去 2 年間の褥瘡対策委員会に報告された褥瘡患者の問題点を洗い出す。

②問題点を中心にした研修会の開催。当日参加出来なかったスタッフは、ビデオを撮影して

おき、後日DVDを見てもらう。

③研修会の前後に褥瘡に対する意識調査を行う。

3.倫理的配慮

①研究の意図を説明し、同意を得た。

②研究に参加しなくても何ら不利益は生じないことを説明し、アンケートを依頼した。

③アンケートの回答を持って、研究に同意を得られたと判断した。

④アンケート結果は、個人が特定されないように無記名とし、個人情報の管理に注意した。

4.過去 2 年間の褥瘡対策委員会記録の分析

平成 27 年 7 月から、WOCNによるアドバイスが開始された。

スライドはA病院における褥瘡対策委員会会議録資料に基づく褥瘡患者数である。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

A病院での褥瘡発生患者の自立度の分析結果および褥瘡発生部位とその割合のグラフである。

研修会を開催するにあたり、過去の褥瘡発生の主な原因を振り返った。

A病院では従来寝たきりの患者全員の体位変換、移

動にバスタオルを、おむつの横漏れ防止にはオムツの

ぐるぐる巻き、横シーツを使用していた。

これらの事からWOCNの指摘もあり、褥瘡発生

の主な原因は、除圧不足、バスタオルや横シーツの使

用、おむつの重ね使用による皮膚の浸軟・スキンケア

不足などがあげられ、

褥瘡予防の遅れと個々にあった適切な処置がなされ

ていなかった事が考えられた。

5.研修会

アンケート結果でも多かった項目についての内容

を中心に研修会を開催した。

背抜きの方法など実技も組み込まれた。

動けない患者を実際に体験することでギャッジアッ

プ時の同一体位がいかに苦痛か、〝背抜きをする″

というケア一つで除圧の効果を実感でき、『すーっと

して気持ちが良くなった』、『ツッパリ感が消えて楽

になった。』との感想が聞かれた。

次のスライドはWOCNの講義資料である。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

6.研修会の前後の褥瘡に対する意識調査結果

褥瘡に関するスタッフの興味が研修会の前後で変化

したかアンケートをとってみた。興味があるとした人

は研修会前には 83.4%いたが、研修会後には 89.3%に

若干だが増えていた。ここからは研修会を開催するこ

とで職員の意識にも変化が見られる可能性があると言

える。

しかし、これまで各々自分の考えでケア提供をして

いたが、研修会を行った事で具体的な予防策が理解

できるようになり、患者側に立ったケア提供が必要

である事が理解出来たという意見が多く聞かれた。

7.結果

お互いに声かけし、ケアを行う事で、発赤程度で直ぐに対処出来るようになった。

スライドはA病院における褥瘡新規発生率の動向を示したものである。

周知のとおり平成 26 年度診療報酬改定において褥瘡対策が必須条件となり、体圧分散マット等の

体制整備がなされた。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

4 つの期間(A,B,C,D)を比較してみた。

A:平成 25年 4月~6月

B:平成 26年 4月~6月

C:平成 27年 4月~6月

D:平成 27年 12月~平成 28年 2月

A と B A と C A と D

表に示したようにそれぞれ Fisher正確検定を行った。

体圧分散が有効であること、医師の介入、さらにWOCNの介入が褥瘡予防に有効である可能性が

示唆された。

8.考察

褥瘡予防は、看護師と看護補助者が情報を共有して統一したケアを行うことが不可欠である。

切手は、「褥瘡ケアは一人ではできない。同じ仲間を増やし、業務を分担して効率よくケアを行うよう

に知識や技術の共有化を図ろう。教育システムの構築で業務効率改善と質の向上が期待できる。」1)

と述べている。

A病院でも現在褥瘡の発生数はゼロにはならないが重症化するケースは少なくなっている。

今後もチームで取り組み継続していきたいと考える。

9.まとめ

知識と技術を共有することは褥瘡予防に効果がある。

今回は看護部スタッフ間でのケアの統一を中心に研修したが、他部門のスタッフもどんどん巻き込

んでいけるように働きかけたい。

今後は、治療方法に対する研修会の希望が多く、引き続きWOCNのアドバイスを受けながら褥瘡

減少に対して取り組んでいきたいと思う。

引用文献・参考文献

1)切手俊弘 「そこが知りたい!褥瘡ケアの「秘訣」30」p73 照林社

2)小宮里美 富江病院院内研修会「褥瘡勉強会」講義資料

3)切手俊弘 「はじめての褥瘡ケア 見る 看る わかるポイント㊿」照林社

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

【質疑応答】

○フロア:発表、お疲れさまでした。

長崎県対馬病院の熊本です。質問を 1 つさせてください。

認定看護師さんによるアドバイスを受けているということですけれども、どのくらいの頻

度で、どのような関わりをしているのか、具体的に教えてください。

○月川 :ご質問ありがとうございます。

WOCNさんは五島病院のほうに所属されておりまして、まず頻度ですが、月 1 回午後か

ら来院していただいております。

関わりについてですが、最初は偶然当院に消化管ストーマ造設の患者さんが複数おられて、

在宅フォローも相談しておりました。その後、褥瘡についても相談するようになって、月

1 回の来院されたときには褥瘡回診などをして、一緒に回っております。

一問一答などの質問用紙とか、メールなどを通じて相談したり、回答をいただいたりして

おります。

以上ですが、よろしいでしょうか。

○フロア:ありがとうございました。

○座長 :ほかにご質問はありませんか。

○フロア:発表、お疲れさまでした。

上対馬病院の武末と申します。少し教えていただきたいので質問をさせていただきます。

寝たきりの患者さんで、認定の看護師さんから本当にバスタオルが必要なんだろうかとか、

大きな巻きのオムツが必要なんだろうかというところで、そこのところも聞きたいのが 1

つです。

あとは、当院では以前までは仙骨部とか腸骨部の褥瘡が多かったのに対して、最近ではか

かとにできる褥瘡の患者さんが多いということで、その点について何かアドバイスがあり

ましたら教えていただきたいと思います。

○月川 :ご質問ありがとうございました。

私たちもオムツとかバスタオルについては、とるかとらないかということで結構もめたん

ですけど、やはり体重の重い患者さんとかはどうしてもとれないところがあって、一部分

ですが使用はしております。オムツのほうも、痩せている方は横漏れすることがあるので、

多少は使うこともあります。

腸骨部はそれで大分いいんですが、踵骨部では両方の足に別々に枕をすけたりする方法が

いいということをアドバイスをいただきました。すれないように早めにテープを張ったり

して予防しております。いかがでしょうか。

○フロア:ありがとうございました。

○座長 :ご質問ありがとうございました。ほかにはございませんか。

看護師と看護補助者とが情報を共有して統一したケアを行うということで、そういう目的

で研修を行っていて、研修風景もとても楽しそうでよかったなと思います。

私自身も院内の褥瘡委員会に属しておりますので、とても参考になりました。

発表、お疲れさまでした。

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臨床Ⅱ ●一般演題● 看護部門(第1部) ④

○座長 :それでは、時間となりましたので、これで看護部門第 1部を終了させていただきたいと思

います。

発表者及び共同研究者の皆様、お疲れさまでした。

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