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内陸型 海水魚陸上養殖システム
【養殖実施場所】 株式会社環境技術研究所 開発センター
群馬県前橋市六供町1133-1 http://spokon.net/
TEL 027-289-4511
株式会社環境技術研究所 代表取締役 嶋田 大和 前橋工科大学准教授 梅津 剛 1
テーマ:海から遠く離れた内陸で海水魚を養殖するには?
無限の海水が汲める海は 遠い・・・
①汚れた海水を
②きれいにして
③戻す
必然的に、水槽内の汚れた海水は、きれいにして、戻して使います。
では、汚れた海水を「きれい」に するためには どうすればよいのでしょうか。
淡水では、海水魚は飼えません。
飼育水槽で
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飼育水槽内の海水の汚れ
魚の糞
餌の食べ残し
魚の体表面のぬるぬる
魚の死骸
濁る! 色がつく。 変な 臭い・・・・
海水の水質が悪化
質としての汚れ、2大分別 •アンモニア •有機物(タンパク質や脂肪)
これらの除去、分解、無害化
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濾過、ろ過装置
2種類の濾過
その1 ゴミ(固体)を取る ろ過 (物理濾過)
その2 質を変える ろ過 (化学濾過)
アンモニアや有機物を分解してくれるものは 土壌や水中や大気中に存在する土壌菌
バクテリア (微生物)
バクテリアが水質を改善すること → 生物化学濾過
陸上での海水魚の養殖は、 汚れた水をきれいにするために
いくつかの ろ過装置をつかいます。
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海水魚の陸上養殖の基本装置
その1:飼育水槽(生簀)
その2:沈殿槽(沈めて糞や餌かすなどをまとめて排除)
その3:硝化槽(アンモニアと有機物の分解)
基本循環系
飼育水槽
沈殿槽
硝化槽 (好気処理槽、濾過槽)
エアレーションをして酸素もたっぷり与えます。 5
「海水魚の陸上養殖ならでは」の装置 その1
飼育水槽
沈殿槽
硝化槽
基本循環系
これだけでは済まない問題その1
→ 水中の微細な浮遊物の発生と蓄積
水が・・・いつの間にか、茶色
泡沫浮上分離装置
解決策
泡で微細なゴミを排除し、 水は透明感を回復
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「海水魚の陸上養殖ならでは」の大問題
飼育水槽
沈殿槽
硝化槽
基本循環系
これだけでは済まない問題
アンモニアは、 バクテリアが分解して硝酸になります。
・・・・硝酸は水中に蓄積し続けます。
+泡沫浮上分離装置
普通の解決策:海水の入れ替え
pHが下がる → アンモニアが分解されにくくなる → 飼育水が赤茶っぽくなる・・・ ↓ 魚が 弱る・・食欲が衰える。死亡率が上がる
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それなりの解決策:アルカリ剤ばんばん入れて中和でしのぐ (硝酸はまるっきり減ってないけどpHはなんとか維持)
「海水魚の陸上養殖ならでは」の装置 水換え無しにするには
飼育水槽
沈殿槽
硝化槽
基本循環系 アンモニアは分解されて、硝酸になり無限に蓄積
+泡沫浮上分離装置
解決策
バクテリアの中には、 水中の酸素が無くなると、
硝酸(NO3)から酸素(O)を奪って、 窒素(N)をガス(N2)にして気体にしてくれる、 ありがたい脱窒菌と呼ばれる種類がいます。
それを使って硝酸を分解し窒素を気体化して排除します。
脱窒菌はこの活動の際、
アルコールや糖類などの餌が必要です。
脱窒装置の付加
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(まとめ)無換水型海水魚陸上養殖システム
飼育水槽
沈殿槽
硝化槽
基本循環系
+泡沫浮上分離装置
脱窒装置
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余剰汚泥
乾燥後燃焼破棄
出荷や洗浄で失われる海水を補給。 年間全水量の20%程度
断熱化された室内で エアコンによる水温管理