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1 国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに 標記の国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期総 会が,2017 9 17 日から 22 日まで中国・無錫 InterContinental Hotel で開催された。3 年に 1 回開催されるこの総会では,理事会(Executive Committee)報告に加えて,六つの常設委員会 General Committee)と各期で特別に設けられる 専門家委員会(Specialist Committee)並びに一つ のグループ(Quality Systems Group)の活動報告 と事前に設定されたテーマに関するグループディス カッションが行われる。また今回の総会では Future of ITTC に関する Working Group の報告も あった。本報告では,今期の各委員会・グループで 活動して頂いた委員による活動内容をそれぞれ書い て頂いた。 ITTC に参加している機関は,六つの地区(北ヨー ロッパ,中央ヨーロッパ,南ヨーロッパ,東アジア, 太平洋島嶼,アメリカ)に分属している。総会は, 原則として各地区の持ち回りで開催される。今期は 東アジアであったが,3 年後の 2020 年総会は南 ヨーロッパに所属するフランス・ナントで開催され ることが既に決まっている。総会の主催責任者は理 事会議長でもあり,第 28 期の議長は,中国 CSSRC Zhenping Weng 博士であった。ちなみに六つの 地区から選ばれていた第 28 期の理事会メンバーは, Kourosh Koushan(北ヨーロッパ,ノルウェー), Paul Crossland(中央ヨーロッパ,連合王国), Fabio di Felice (南ヨーロッパ,イタリア),Baoshan Wu(東アジア,中国),Antonio Fernandes(アメ リカ,ブラジル)と柏木 正(太平洋島嶼,日本), さらに投票権はないが,主催責任者(Zhenping Weng),評議会議長(Gerhard Strasser),ITTC SecretaryAage Damsgaard)であった。理事は 2 6 年間務めて交代することが原則であり,6 の地区代表のうち,3 人(中央ヨーロッパ,東アジ ア,太平洋島嶼)が今期をもって交代した。理事会 ITTC の最終決定を行う責任ある立場にあるが, 殆どは評議会で議論された内容を最終承認すること が多く,実質的な議論や各技術委員会が行うべき活 動内容の決定と評価・支援は評議会のワーキンググ ループで行われている。 さて,今回の総会へは約 230 名の参加があった。総 会は殆どの参加者が宿泊していた InterContinental Hotel 内の広い会場で行われ,会場内のあらゆる準 備における心配りが十分になされていたので,居心 地の良い会議であった。日本からは 28 名の参加が あり,28 期の技術委員会委員だけでなく,評議会 メンバー,各機関代表など多くの参加を頂いた。全 員ではないが,日本からの主な参加者で撮った記念 写真を図 1 に示しておく。 総会初日の午後には評議会・理事会があり,その 後,会場に隣接する Kempinski Hotel でレセプショ ンが開催された。9 18 日の月曜日からは, Resistance Committee を皮切りに各技術委員会の 活動報告が行われるとともに,理事会で提案・企画 された三つのグループディスカッション(EEDI/ IACS, Manoeuvring in Waves, Combined CFD/ EFD Methods)も行われた。水曜日の蘇州へのバ スツアーはあいにくの雨であったが,夕食も Kempinski Hotel に用意されていたので楽しい交 流ができた。木曜日夜のバンケットは,太湖の畔に ある Taihu Hotel で開催され,中国の各種楽器の演 奏や伝統的な踊りなどが非常に華やかに挙行され た。最終日には,CSSRC へのテクニカルツアーも あり,実験研究施設の見学を行った。 概要の紹介が長くなったが,以下では第 28 期技 術委員会およびグループの活動報告を関係する各委 員から行って頂き,それを報告とさせて頂く。 1 日本からの主な参加者

国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 · 2020. 6. 9. · — 1 — 国際試験水槽委員会(ITTC)第28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに

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Page 1: 国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 · 2020. 6. 9. · — 1 — 国際試験水槽委員会(ITTC)第28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに

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国際試験水槽委員会(ITTC)第 28期活動報告

試験水槽委員会

1.はじめに

標記の国際試験水槽委員会(ITTC)第 28期総会が,2017年 9月 17日から 22日まで中国・無錫の InterContinental Hotelで開催された。3年に 1回開催されるこの総会では,理事会(Executive Committee)報告に加えて,六つの常設委員会(General Committee)と各期で特別に設けられる専門家委員会(Specialist Committee)並びに一つのグループ(Quality Systems Group)の活動報告と事前に設定されたテーマに関するグループディスカッションが行われる。 また今回の総会ではFuture of ITTCに関するWorking Groupの報告もあった。本報告では,今期の各委員会・グループで活動して頂いた委員による活動内容をそれぞれ書いて頂いた。

ITTCに参加している機関は,六つの地区(北ヨーロッパ,中央ヨーロッパ,南ヨーロッパ,東アジア,太平洋島嶼,アメリカ)に分属している。総会は,原則として各地区の持ち回りで開催される。今期は東アジアであったが,3年後の 2020年総会は南ヨーロッパに所属するフランス・ナントで開催されることが既に決まっている。総会の主催責任者は理事会議長でもあり,第 28期の議長は,中国 CSSRCの Zhenping Weng博士であった。ちなみに六つの地区から選ばれていた第 28期の理事会メンバーは,Kourosh Koushan(北ヨーロッパ,ノルウェー),Paul Crossland(中央ヨーロッパ,連合王国),Fabio di Felice(南ヨーロッパ,イタリア),Baoshan Wu(東アジア,中国),Antonio Fernandes(アメリカ,ブラジル)と柏木 正(太平洋島嶼,日本),さらに投票権はないが,主催責任者(Zhenping Weng),評議会議長(Gerhard Strasser),ITTC Secretary(Aage Damsgaard)であった。理事は2期 6年間務めて交代することが原則であり,6人の地区代表のうち,3人(中央ヨーロッパ,東アジア,太平洋島嶼)が今期をもって交代した。理事会は ITTCの最終決定を行う責任ある立場にあるが,殆どは評議会で議論された内容を最終承認することが多く,実質的な議論や各技術委員会が行うべき活

動内容の決定と評価・支援は評議会のワーキンググループで行われている。さて,今回の総会へは約 230名の参加があった。総会は殆どの参加者が宿泊していた InterContinental Hotel内の広い会場で行われ,会場内のあらゆる準備における心配りが十分になされていたので,居心地の良い会議であった。日本からは 28名の参加があり,28期の技術委員会委員だけでなく,評議会メンバー,各機関代表など多くの参加を頂いた。全員ではないが,日本からの主な参加者で撮った記念写真を図 1に示しておく。

総会初日の午後には評議会・理事会があり,その後,会場に隣接する Kempinski Hotelでレセプションが開催された。9 月 18 日の月曜日からは,Resistance Committee を皮切りに各技術委員会の活動報告が行われるとともに,理事会で提案・企画された三つのグループディスカッション(EEDI/IACS, Manoeuvring in Waves, Combined CFD/EFD Methods)も行われた。水曜日の蘇州へのバスツアーはあいにくの雨であったが, 夕食もKempinski Hotelに用意されていたので楽しい交流ができた。木曜日夜のバンケットは,太湖の畔にある Taihu Hotelで開催され,中国の各種楽器の演奏や伝統的な踊りなどが非常に華やかに挙行された。最終日には,CSSRCへのテクニカルツアーもあり,実験研究施設の見学を行った。概要の紹介が長くなったが,以下では第 28期技

術委員会およびグループの活動報告を関係する各委員から行って頂き,それを報告とさせて頂く。

図 1 日本からの主な参加者

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テキストボックス
Page 2: 国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 · 2020. 6. 9. · — 1 — 国際試験水槽委員会(ITTC)第28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに

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 日本船舶海洋工学会誌 第 76 号(平成 30 年 1 月)

2.第 28期活動

2.1 Resistance Committee 田中寿夫(ジャパンマリンユナイテッド)本委員会は委員長の Dr. Thomas Fu(USA)をはじめとする 8名の委員で構成され,4回の委員会会合を経て最終報告を取りまとめた。総会では本会議初日に,欠席の Dr. Fuに代わり Secretaryを務めた Dr. Gregor Macfarlaneから,ACから示されたタスクの(1)抵抗分野における技術動向に関するレビュー(実験技術・外挿入法・新たなベンチマークデータ・CFDの応用),(2)Recommended Procedureの改訂,(3)模型尺度粗度のガイドライン策定,(4)非定常自由表面現象の解析,(5)波形計測,(6)Rapid prototypingによる模型粗度の評価,(7)不確さ解析のガイドライン作成,(8)乱流促進法のレビュー,(9)PIV等による詳細流場データの Validation/Verification,(10)PIVのベンチマークデータ収集と評価,(11)26期 ITTCで実施された持ち回り試験の最終評価,の各項目について報告を行い,さらに次期委員会におけるタスクについて提言したところ,すべて本会議において承認された。特記すべき事項としては,PIV・SPIV計測に関するベンチマークデータについて検討し,ケーススタディ・ 測定条件・ 測定パラメータの詳細をRecommended Procedureに反映させたことがあげられる(図 2)。改訂された PIVに関するRecommended Procedureでは,手順の詳細化・ベンチマークデータの ITTCデータベースへの収録(アップロード・ダウンロードの手順)などが示されており,このデータベースは ITTC参加機関からは随時参照可能となる予定である。また,「世界持ち回り試験」の

再解析が前期から持ち越した Taskとなっていたため,小型模型についてさらに分析を進めたものの,新たな知見は得られず,持ち回り試験結果の解析は今期を持って終了することとなった。次期 ITTC では Resistance Committee は

Propulsion Committeeと合併するが,本委員会関係では,抵抗低減の観点からの超撥水性物材料を含む表面状態が摩擦抵抗に及ぼす影響関する調査,CFD検証のためのベンチマークデータベース構築・ITTCウェブサイトにおける公開と継続的な改善の促進,などがタスクとして引き継がれる。

2.2 Propulsion Committee 大森拓也(ジャパンマリンユナイテッド)まず,技術動向が報告された。Unconventional

propulsorにおける尺度影響,弾性翼プロペラ等のトピックが取り上げられた。Recommended Procedure/Guidelineは 3軸船の推進性能試験手順・EEDI関連の荷重度変更試験実施法等,5件が提案され承認された。実機プロペラ表面粗度の現在の標準値は過大であるとの見解が示され,今後見直しが検討される見込みである。但し,実船相関係数の見直しを伴うため,会場から慎重な意見もあった。プロペラ単独試験(POT)におけるプロペラレ

イノルズ数の推奨最低値については,現状の Re(K)=2× 105より大きくすべき(少なくとも 3× 105)との見解が示された。前期から継続しているプロペラCFDの精度検証ベ

ンチマークスタディについては,tip rake propeller(図 3)の比較計算結果が報告された。模型スケールより実機スケールの方が計算実施機関による結果のばらつきは小さく,これは乱流遷移等の低レイノルズ数特有の現象が模型スケールでの CFD推定を難しいものにしていることを示しており興味深い。新しい実験技術として,MARINの提案する準定常 POTが紹介された。加減速によるヒステリシス

図 2 PIV Repository Access 図 3 ベンチマーク計算プロペラ P1727

Page 3: 国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 · 2020. 6. 9. · — 1 — 国際試験水槽委員会(ITTC)第28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに

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影響の評価等必要であるが,実用化できれば試験量の低減が可能になる。持ち回り推進性能試験をすべきとの意見や,プリスワール型省エネ装置の伴流尺度修正法整理の要望,実船相関係数 CAに関して質疑があった。

2.3 Manoeuvring Committee 古川芳孝(九州大学)本委員会は 9名の委員で活動を行った。主な活動としては,まず拘束模型試験(CMT)の手順書改訂のためのデータ収集を目的として実施したアンケートが挙げられる。ITTCの全参加機関の 45% から提出された回答の分析結果については,委員会報告に付録として収録した。一例として,図 4にCMTに用いられている模型船の船長の分布を示す。2016 年 4 月には,I T T C の三つの委員会(Seakeeping,Stability in Waves,PSS)とSHOPERA Projectが協力して“Joint Workshop on Manoeuvring in Waves”をロンドンにおいて開催した。さらに,本ワークショップにおける議論に基づき,“Specialist Committee on Manoeuvring in Waves”の設置を提案した。またベンチマークデータに関しては,SIMMAN 2014,MASHCON 2016,SHOPERA Projectにおいて公開された情報を収集・整理した。上記の他,操縦運動の推定に関する不確かさ解析や感度解析のサンプル作成,制限水域(浅水域,狭水域)における操縦運動に関する文献のレビュー,操縦性関係の各種手順書の改訂等に取り組んだ。

2.4 Seakeeping Committee 谷澤克治(海上技術安全研究所)SKC(Seakeeping Committee)はソウル大学の

Yonghwan Kim教授を委員長とする各国からの 9名の委員で構成され,3年間で 4回の会合を開催した。

今期も EEDI(Energy Efficiency Design Index)指標に含まれる波浪中船速低下係数 fw推定法の新規 Recommended Procedure(RP)の作成が一番のホットトピックスであった。fw推定法の RPはIMOにおいて EEDIの fw推定法として使われることを想定しておく必要があるため,精度検証が済んだ具体的な計算法を推奨することが求められていた。しかし第 27期から続く 6年間の議論を経てもまとまらず,最後には委員長の決断により,水槽試験,細長体理論,3次元パネル法,CFD等,種々の推定法(図 5)を網羅する RPが作成され,第 28期の RPとして提出された。

総会では本 RPに対し,fwは載貨重量や主機出力計算状態等を EEDIと整合させる必要がある。また,CFDやパネル法等は精度確認がとれておらず現状では推奨できないこと,海技研法では短波長の水槽試験を利用する方法に限定して推奨すべきとの討論が書面で提出された。この討論に対し,委員長から EEDIとの整合性をとることについては合意するとの回答があったが,計算法については波浪中馬力増加の RPと同様に現在使われている種々の計算法を併記する方針であると回答がなされた。IMOには今期の SKCが作成した RPを次期 SKCが EEDIとの整合性を取って提出することになると考えられる。今期の SKCでは他にもModel Scale Sloshing

Experimentの新規 RPの作成,Prediction of Global Wave Loadsの改訂,その他 RPの微修正を

図 5 抵抗成分を推定するための方法

図 4 CMTに用いられている模型船の船長の分布

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 日本船舶海洋工学会誌 第 76 号(平成 30 年 1 月)

行った。その他の活動として,耐航性能関連研究の State

of the Artの調査,新しい水槽施設の調査,Joint Workshop on Manoeuvring in Wavesの開催,ISSCとの Third Joint Workshop on Seakeepingの開催等を行った。

2.5 Ocean Engineering Committee 三上 隆(三井造船昭島研究所)今期のタスクは,(1)技術動向レビュー,(2)

Recommended Procedureの改訂の要否,(3)VIM Guideline完成,(4)不確かさ解析での定量化の継続,(5)海洋工学実験での風のモデル化,(6)近接多浮体の模型実験 GL作成,(7)不規則波中実験解析法推奨手順作成,(8)DPSにおけるスラスタ間干渉等の調査継続,(9)航跡波や静振に対する港内係留の調査,(10)4本柱に対する wave run-upベンチマークの継続,(11)海底資源掘削技術動向レビュー,と非常に盛り沢山であり,期間中,会則に記される 4回では不足で,合計 5回の会議が開催された。タスク 2では多くを更新・作成した。具体的に

は,浮体実験法(03.01),規則波中実験解析法(03.02),係留索短縮に関連した静的および動的ハイブリッド係留実験法(03.04と 03.05),DPS実験法(03.06)が更新され,VIM実験法(03.11),近接多浮体模型実験法(03.12),不規則波実験解析法(03.13)が新規に作成された(括弧内は文書番号下 4桁)。タスク 4に関連して,カナダ・メモリアル大学,

フランス・ナント工科大,ブラジル・リオデジャネイロ連邦大で近接 2浮体の実験がなされ,浮体間の間隙水水面変動が計測された(図 6)。不確かさを考慮しても線形計算との差が生じており,総会で

も指摘されたが,粘性影響であろうと推測している。詳細は 29期タスクの一つとして,CFDベンチマークを通して調査が実施される予定である。

2.6 Stability in Waves 片山 徹(大阪府立大学) 松田秋彦(水産工学研究所)波浪中船舶の復原性評価に関する包括的な最新技術のレビューを行い,特に実験や数値計算法に関する最新技術について調査するとともに,各種ベンチマークデータの整理・収集を行った。損傷船舶に関する水槽試験について,まずその内部浸水の挙動を計測する方法を整理し,熱線,サーボ式,音波式水面変位計を用いた多点計測法,画像解析法について紹介するとともに,これらの手法と数値計算を組み合わせて詳細な情報を得る試みについて紹介した。次に,自由航走を含む損傷船舶そのものの挙動に関する模型実験について調査し,装置の小型化などにより損傷区画を除く船内に計測器を搭載した実験的研究が本格化していることがわかった。さらに,損傷船の転覆および沈没に至るまでの時間(喪失時間)の定量的評価法に関する水槽試験および数値計算法について調査するとともに,その言葉の定義について再確認し,喪失時間に影響を及ぼすパラメータを整理した。損傷後の挙動は,様々な外乱によってランダムに生じる事象であり,その評価には不規則波毎に確率的に扱うことが重要であり,今後検討すべきとの結論に至った。波浪中船舶の復原性の関係する手順書 7.5-02-07-

04.1~7.5-02-07-04.5の内容を確認し,波浪中損傷船舶水槽試験手順書 7.5-02-07-04.2の目的に損傷船舶の挙動とその物理的根拠の理解を追記,パラメトリック横揺れの発生と振幅推定手順書 7.5-02-07-04.3には復原項と減衰項に非線形項を含む場合の解を追記,不規則波中損傷船舶の転覆計算手順書7.5-02-07-04.4では計算に要求される必要条件追記等の改定を提案し,すべて承認された。なお,7.5-02-07-04.3はガイドラインのままとし,次期委員会でプロシジャーへの変更を検討することとした。確率過程に関する不確かさ解析の方法について,確率過程における有義振幅と信頼区間決定手順書7.5-02-07-01.4および有義波高と周期の最頻値の決定手順書 7.5-02-07-01.5をこれまでの委員会の調査結果に基づいて新たに作成し,承認された。荒天中の復原性水槽試験について,推進器,舵および付加物の縮尺影響について調査するとともにその考慮の必要性の有無について整理した。図 6 近接 2浮体における間隙水面変動の振幅応答関数

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2.7 Energy Saving Methods 日夏宗彦(大阪大学) 高井通雄(住友重機械マリンエンジニアリング)本委員会では,(1)省エネ手法,装置,適用,

省エネ効果(EEDIへの影響も考慮)の系統的調査,(2)船舶に対する省エネ効果のメカニズムの解明,(3)空気潤滑,表面処理法を含めた摩擦抵抗低減法の調査,(4)風力エネルギーを利用した省エネ法の調査,(5)省エネ装置に関する CFD,模型試験法,尺度修正法のモニター,(6)実践スケールでの省エネ装置の試験データの収集,(7)省エネ効果を調べるための新しい水槽試験法に対するニーズ調査,の七つのタスクが与えられた。報告内容は,省エネ法を理解するうえで不可欠な

船舶の抵抗分離,自航要素の概説,プロペラ効率の成分(図 7),パッシブ,アクティブの両手法による摩擦抵抗低減法に関する系統的なレビューを行った。また過去の ITTCでも行われているが,省エネ手法の範疇の整理を再度議論し,新たなカテゴリー分類表を作成した。さらに,過去 3年程度の国際会議,論文集等をレビューし,最近の省エネ手法の動向を EEDIとの関連も含めて調査した。一方,近年,風力を船舶の省エネに利用する提案が見られることから,風力利用についてもレビューした。Energy Saving Device(ESD)の水槽試験結果についてレビュー結果が報告され,続いて CFDのESDへの応用についてのレビュー結果が報告された。近年 CFDの普及に伴い急速に広まっており,この分野の今後の持続的なモニタリングの重要性が認識された。一方,検証データの元となる実船データについてもレビュー結果が報告されたが,母数が少なく,ESDの実船性能推定精度の向上のためには,今後,より多くの実船結果の公表が待たれる。

本委員会では,摩擦抵抗低減手法による省エネ船舶に対する,尺度影響を考慮した模型船から実船へのパワーリングの一手法をガイドライン‘Resistance Test and Performance Prediction Method with Skin Frictional Drag Reduction Techniques’にまとめた。今後,各委員や設計部門の有識者等の意見を戴き,さらに更新していきたいと考えている。

2.8  Modelling of Environmental Conditions 藤原敏文(海上技術安全研究所)本委員会は,実海域を模擬した環境下での実験を行うために,波,風,流れをどのように発生させ,また組み合わせるか,計測結果をどのように解析・評価するかなどの調査・検討することを目的としている。委員は 7名でスタートしたが,所属組織内での異動等の影響により,3名が交代する状況があったが,何とか 1期目を終えることができた。委員会は 3年間に INSEAN(伊),サムソン重工(韓),MARIN(蘭),上海交通大(中)にて 4回開催した。実施した内容は,TORに基づき,最新の研究動向について調査し,報告書に取りまとめた。例えば波に関しては,1)Non-linear effects-analysis, control,2)Interactions with current and wind,3)D i s t r i b u t i o n o f e x t r e m e s,4)Wa v e grouping,5)Short-crested wave modelling,6)Deterministic generation of extreme waves等多岐に渡る。図 8は 2)項に関連して潮流影響による波の変形観測を行った事例である。その他,多方向不規則波スペクトルガイドライン

(Laboratory Modelling of Multidirectional-Irregular Wave Spectra, 7.5-02-07-01.1)について,近年提案された多方向不規則波スペクトルの情報を追記し,さらに近年の検討内容を含め改訂版を作成した。また,試験水槽での波に関するガイドライン(Laboratory Modelling of Waves: regular, irregular and extreme events)の作成を行った。ITTC(2002),The Specialist Committee on Waves 2002 Final Report and Recommendations to the 23rd ITTCや ITTC(1999),The Special Committee on Environmental Modelling Final Report and Recommendations to the 22nd ITTCを参考にした上,新たな情報を追加し,作成した。さらに,現状の水槽試験の実施状況を把握するためにアンケートを実施し,その結果を取りまとめ,報告書に記載した。ご興味のある方は参照頂きたい。この第 1期で全ての作業を終了することができ図 7 プロペラ効率の成分分離例

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 日本船舶海洋工学会誌 第 76 号(平成 30 年 1 月)

ず,次期も継続して実施することとなった。作業内容としては,波に関して群波,砕波,波・風・流れの相互干渉影響等に関する情報を取りまとめながらガイドラインの改訂を行うこと,風,流れに関するガイドラインの作成等が要請されている。

2.9 Performance of Ships in Service 安川宏紀(広島大学) 山本虎卓(三井造船) 辻本勝(海上技術安全研究所)国際海事機関(IMO)にて,国際海運での GHG削減のため義務化された EEDI(エネルギー効率設計指標)に関する検討支援を最大のタスクとする,実運航性能に関する専門家委員会が 27期に引き続き設置された。委員数は 12名であり,委員会を 5回開催した。なお,IMO審議の関係があるため AC議長が最終回を除き毎回参加した。委員会では,EEDI,EEOIに関連する事項を取

り扱い,試運転実施・解析の ITTC推奨法(RP)の改訂審議,実船・模型船の相関係数に関するガイドライン作成,最低推進出力に関する動向のレビューなどを行った。試運転実施・解析法について,27期で作成した

ITTC推奨手法は実施法と解析法の 2部に分かれていたため,これを統一した上で,潮流修正に関するIterative法の導入,水温修正法への粗度影響項の導入,浅水修正法に Raven法を追加(図 9),波浪修正法の適用範囲の見直し,風が卓越する場合の航走方向の取扱い,風圧抵抗算定に CFD利用を可能とする等の改訂が行われた。また,主機出力修正法の EPMについては継続審議となった。実船・模型船相関係数については,試運転結果と

水槽試験結果をもとに,それらを導出する方法をガイドラインとして作成した。

この他,代表海象での船速低下係数(fw)の標準カーブに実船データの追加が行われ,耐航性委員会に提供された。本委員会は第 29期も実運航中船舶に関する専門

家委員会(Ships in Operation at Sea(委員長:Wang博士(中国))として 10名の委員で活動を行い,浅水修正法の検証と一つの方法への絞り込みを中心に,更なる試運転実施・解析法の検討の他,実船性能に関する技術動向の調査を行う。

2.10 Hydrodynamic Noise 佐藤 圭(三菱重工業)船舶から海中に放射される雑音について,生物環境の観点から規制化の動きがあり,EUを中心に各種調査や技術開発が行われている。本委員会は,このような背景のもと前期から継続して設置されたものである。主な活動内容は,特にプロペラからのキャビテーション雑音に注目した,1)規制・規則の動向調査,2)尺度影響の調査,3)数値予測法の調査,4)実船計測及び模型試験法のガイドライン改訂,5)ベンチマーク題材の調査である。また,実船計測及び模型試験法の不確かさについても文献調査や各研究機関へのアンケート調査を実施している。総会では,この結果として,カナダにおける静粛な船舶へのインセンティブ制定や,CFDや FW-H(Ffowcs Williams & Hawkings)法を中心とする数値解析法の進展,ベンチマークとして適した公開データの不足等が報告された。本委員会は第 29期も設置され,概ね今期と同様の活動を継続するとともに,新たに,本委員会で取りまとめたガイドラインの IMOへの情報提供を行う予定である。

図 8 潮流影響による波の変形観測

図 9  浅水修正の評価(水深喫水比= 2.78の場合:JBC船型)

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2.11  Hydrodynamic Modelling of Marine Renewable Energy Devices

村井基彦(横浜国立大学)本委員会では,海洋再生可能エネルギーの中で

も,潮流・海流発電,波浪発電,洋上風力発電について,発電事項毎に水槽実験において留意すべき点に関するガイドラインの改訂を行った。これら海洋再生可能エネルギーに関する構造物に関する水槽実験の多くは,既存の船舶海洋構造物用の実験水槽を用いているが,この 4~5年でみると国際的には海洋開発用の機器の実験を可能とする大水深で潮流発生可能な水槽も建造されており,実験施設としてのインフラの進化が窺える(図 10)。また,この数年で見ると,海洋再生可能エネルギーに関する開発動向は,実証実験ステージに進んだモノと,要素技術の成熟・改良に進んでいるモノなど,ガイドラインで示しているところの TRL3~6あたり(商用化の手前)で少し行き来している。結果として,実験模型なども必ずしも大型化をしておらず,実験目的に

図 10  波浪発電のエネルギーのフロー概念図,波浪発電のアレイ実験,海流発電のアレイ実験

応じての一部機能の高度化の傾向がある。こうした背景も含めて,本委員会では波浪発電と潮流・海流発電に関する水槽実験についての不確かさ性に関するガイドラインを新たに提案している。これは,海洋エネルギー発電では PTO(Power Take Off)機構の性能評価は欠かせないが,模型レベルでの発電性能を検証するには各種のエネルギー散逸効果が相対的に大きくなることを踏まえる必要があることをベースにしている。とはいえ,まだ本格的な商用化が進んでいないことから,今後実施されていく実証実験も含め実機ベースでの運転を通して蓄積される知見やデータと水槽試験結果の突き合わせや,水槽実験の役割や可能性について整理することで,徐々に成熟し整理された議論がされていくと思われる。

2.12 Ice 金野祥久(工学院大学)Specialist Committee on Iceは氷海水槽試験技術に関する推奨手順やガイドラインを検討する委員会である。第 27期に引き続き 28期にも設置され,筆者が委員長を務めた。ヨーロッパを中心に当初 8名の委員で構成されていたが,転職による辞任が 1名,追加が 3名あり,最終的には 10名の委員で活動した。

Ice委員会からは,3ガイドラインの改訂(7.5-02-04-01 General Guidance and Introduction to Ice Model Testing,7.5-02-04-02.1 Resistance Test in Ice,7.5-02-04-02.2 Propulsion Tests in Ice)および 1ガイドラインの新設(7.5-02-07-01.3 Guidelines for Modelling of Complex Ice Environments)を提案し,いずれも総会で承認された。

27期以前の氷海水槽試験技術に関する推奨手順やガイドラインには整理が不十分な部分があった。例えば抵抗試験のガイドラインは Resistance Test in Level Iceという表題で,試験対象を平坦氷中の試験に限定していた。また平坦氷以外の氷況の実験手法を記した Tests in Deformed Iceというガイドラインがあったが,対象とする氷況が多年氷と堆積氷野(rubble field)に限定されていた。この状況を改善するため,27期から推奨手順とガイドラインの構造化を推し進めており,27期の時点で 7.5-02-04-02 Test Methods for Model Ice Propertiesを改訂し,Tests in Deformed Ice(平坦氷以外の氷況の実験手法)のガイドラインを削除していた。今回の 3ガイドラインの改訂および 1ガイドラインの追加により,ガイドラインの新しい構造の主要

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部分が完成したと考えている。新しい構造を図 11に示す。対象氷況と試験内容とを切り離し直交する関係を構成したのが変更の骨子である。

平坦氷の生成方法およびその性質の評価方法は,General Guidance and Introduction to Ice Model Testingおよび Test Methods for Model Ice Propertiesに記されている。これと Resistance Test in Ice,Propulsion Tests in Iceなど試験方法を定めた推奨手順とを組み合わせることで,平坦氷中の抵抗試験,自航試験などを実施できる。平坦氷でない氷況は Guidelines for Modelling of Complex Ice Environmentsに,その性質の評価方法とともに記される。これと試験方法の推奨手順とを組み合わせることで,たとえば堆積氷野中の抵抗試験などを実施できる。

28期委員会が提案したガイドラインでは氷脈(ridges),堆積氷野,小氷片密集水路(brash ice channel),割れ氷(pack ice),マネージドアイスをカバーしている。これ以外の氷況への対応は今後の課題として残されている。またManoeuvring Tests in Iceの推奨手順の見直しは 28期の活動期間中に実施できなかった。

28期には氷海中位置保持のベンチマーク試験の設計と提案も行われた。詳細は最終報告書に記載されている。本稿執筆時点では試験の設計だけが行われており,持ち回り試験の企画は立案されていないが,氷海中での海底資源開発の研究は盛んに行われているため,ベンチマーク試験の必要性も増すことが予想される。当委員会の試験方法案が役立つことを期待したい。

筆者は 27期と 28期の委員を務めたが,この間に海上技術安全研究所およびジャパン・マリン・ユナイテッド(株)の氷海技術研究者の皆様に多大なご助力をいただいた。この場を借りて御礼申し上げる。

2.13 Quality Systems Group 小林英一(神戸大学)Quality Systems Group は ITTC の Technical

Committee や Specialist Committee と並び設けられている活動グループで,ITTC Quality Manual や ITTC Procedureの作成・改訂・更新・確認などについてジェノヴ大学のMarco Ferrando教授を委員長として計 9名の委員で今期は主に次の事項について取り組んできた。(1)各委員会と連携して ITTC Recommended

Procedures and Guidelines 更新と支援;三つのprocedureの削除,19個の新しいガイドラインの承認などを行った。(2)QSGに関連する ISO基準の注視と必要な取り込み;ISOでのUA(uncertainty certainty analysis)に関する基本的な考え方(基本方針策定,適用する組織との関連,実施,支援体制,評価,改善など)の整理と周知。(3)ITTC Symbols and Terminology List,ITTC Dictionary of Hydromechanicsの更新;九つの新たな symbol の定義。(4)UAに関し各委員会との連携,ISO情報の収集,実務的な手法の開発・提示・紹介;BIPM(国際度量衡局)- JCGM(計量関連国際ガイド合同委員会)が取り組んでいる UAと GUM(測定不確かさの表現)に関する諸検討のフォローと必要事項のとりこみ;船舶の傾斜試験結果について,UAの適用事例紹介および曳航水槽における実験の UAをタイプ A 評価(様々な不確かさの成分を観測値の統計解析(標準偏差)によって評価すること)することの解説と事例紹介。(5)ITTC wiki(http://www.ittcwiki.org)の更新;引用数の紹介など。(6)UA導入 ITTC機関のアンケート調査;13機関のみからの回答ではあるがある程度の傾向を把握(図 12)。そして当該グループからは今後に向け次の提言を行った。(1)ITTC Recommended Procedures and Guidelines,ITTC symbols and terminology list,ITTC dictionary of hydromechanics 等の継続的更新が必要である。(2)ITTC wiki の管理と充実が必要である。(3)UA に関する国際的な他機関(ISO,BIPM/JCGM)での取り組み,解析諸手法の開発状況の継続的フォローが必要である。

図 11  New structure of ice-related recommended procedures and guidelines

Page 9: 国際試験水槽委員会(ITTC)第 28 期活動報告 · 2020. 6. 9. · — 1 — 国際試験水槽委員会(ITTC)第28 期活動報告 試験水槽委員会 1.はじめに

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3.第 29期 ITTCの技術委員会

第 29期の技術委員会の構成と日本からの委員名を表 1に示している。日本は六つの地区のうち太平洋島嶼地区に属しているが,オーストラリア,インドネシア,マレーシア,インドも含まれており,第 29期では Hydrodynamic Noise, Hydrodynamic Modelling of Marine Renewable Energy Devices の各委員会にオーストラリアの AMC(Australian Maritime College)からも委員を出している(表1)。将来は他の国からも委員を出したいという希望が増えると考えられ,日本から推薦する委員との事前の調整が必要となるであろう。今期の日本からの委員の多くは新規であり,少し

世代交代が進んだように感じられる。第 29期では,日本からの委員のうち,Manoeuvring in Wavesの安川宏紀氏が,理事会によって委員会の委員長に任命された。評議会(Advisory Counsil)メンバーとして三井

造船昭島研究所が復帰したので,日本からの ACメンバーは,海上技術安全研究所,JMU,三菱重工業,東京大学,防衛省防衛装備庁,三井造船昭島研究所の 7機関となった。また,太平洋島嶼地区の理事も第 29期から海上技術安全研究所の宇都正太郎氏に交代することになった。

ITTCは,今後スイスに(形式的な)事務局を置く Legal entityとして登録されることが決まって

図 12 Survey results of uncertainty analysis

表 1 第 29期 ITTCの技術委員会とグループ

◇常設委員会(General Committees)委員会名 日本からの委員Resistance & Propulsion 犬飼泰彦

勝井辰博Manoeuvring 岸本 隆Seakeeping 箕浦宗彦

片山 徹Ocean Engineering 二瓶泰範Stability in Waves 松田秋彦

◇専門家委員会(Specialist Committees)Ships in Operation at Sea 山本虎卓

折原秀夫久米健一

Hydrodynamic Noise 佐藤 圭Ice 松沢孝俊Energy Saving Methods 日夏宗彦Modelling of EnvironmentalConditions

藤原敏文

Combined CFD/EFD Methods 日野孝則Manoeuvring in Waves 安川宏紀

◇グループ (Group)Quality Systems 北澤大輔

おり,それが実現されると,IMOや ISOなどの国際機関における国際ルールの策定においても,これまでのような単なる技術アドバイザーとしてのオブザーバー参加ではなく,意見を言える組織として関与することになる。そうなると,純粋な学術的な立場から,各国の利害が絡むやや政治的な意見を言う場面が多くなるのではないかと危惧される。日本の試験水槽に関する研究や業務に不利な決定がなされないよう,理事や評議会メンバーを中心として,言うべきことはしっかりと言い,学術的な貢献によって日本に対する信頼を落とすことの無いように努力して頂きたいと願っている。

第 27・28期太平洋島嶼地区理事 柏木 正(大阪大学)