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資料6
第2回マルチGNSSによる高精度測位技術の開発に関する委員会
マルチGNSS総プロ論点整理
平成23年12月19日国土地理院測地観測センター
1
主な論点
① 本プロジェクトでは、どのような解析システムを作るべきか
② 統合解析とは具体的に何か どのような技② 統合解析とは具体的に何か。どのような技術開発が必要か。見通しはどうか
③ どのようにL5を使うのか
④ オールジャパンのプロジェクトとするにはどう④ オ ルジャパンのプロジェクトとするにはどうすればよいか
⑤ そ 他 論点はな か⑤ その他の論点はないか
<方向性を議論。細部は次回までに詰める><方向性を議論。細部は次回までに詰める>
2011/12/19 GSI,Japan 2
①本プロジェクトでは、どのような解析システムを作るべきか(1)解析システムを作るべきか(1)
• 名前はまだない: マルチGNSS解析システム/測量ツール?名前はまだない: マルチGNSS解析システム/測量ツ ル?Multi‐GNSS Surveyors’ Tool(MGST), Satellite Surveying Tool(SST),GNSS Surveying Interface(GSI), Multi‐GNSS Positioning Library(MGPLIB)?y g , g y
• MADOCAとの違いJAXA:軌道・クロック推定(上)がメイン– JAXA:軌道・クロック推定(上)がメイン
– GSI: 局位置推定(下)がメイン
⇒ でも上は下を兼ねるのでは ?
MADOCA
軌道⇒ でも上は下を兼ねるのでは ?⇒ 下の道を究める!
• 上空視界が悪くても解が出る
GSIクロック
測量に• 上空視界が悪くても解が出る
• 巨大観測網(GEONET等)も解ける
• 測量計算に必要な量を出力 等
局位置 ⇒
RTKLIB(ライブラリー)
測量に最適化
測 計算 必要 を 等
<MADOCA, RTKLIBでまだできないこと>RTKLIB(ライブラリ )
2011/12/19 GSI,Japan 3
①本プロジェクトでは、どのような解析システムを作るべきか(2)解析システムを作るべきか(2)
• RTKLIBの使い方RTKLIBの使い方– ライブラリーとして利用(できるものはそのまま使う)
• プログラム本体は新規作成 RTKLIBモジュールを呼ぶ• プログラム本体は新規作成。RTKLIBモジュールを呼ぶ
– 単基線から複数基線モードへの拡張
基線間の相関を考慮するため 複数点デ タを同時• 基線間の相関を考慮するため、複数点データを同時処理(独立な二重差を作り、パラメータ推定)
RTKLIBのシンプルさを損ねないかRTKLIBのシンプルさを損ねないか
PPPなら、基線の設定は不要だが、精度面で不利それを克服できるPPP‐ARの実用化は ?それを克服できるPPP ARの実用化は ?
– パラメータ推定方法の変更(は必要か)
• カルマンフィルター ⇒ 最小二乗法カルマンフィルタ ⇒ 最小二乗法
2011/12/19 GSI,Japan 4
(参考)フィルタとLSQMの比較考
メリット デメリット
フィルタ • リアルタイム処理向き • 過収束を避けるために導入するシステムノイズにより、初期値とデータのみによる統計的処理はできない。
• データの飛びで発散しやすい• パラメータチューニングが重要
• 推定パラメータ数が計算機性能で制推定 ラ タ数 計算機性能 制約される
LSQM • 初期値とデータのみによる統計的処理が可能
• リアルタイム処理向きではない(できないわけではない)処理が可能
• データの飛びに強い(ただし飛びを除去しないと正解は得られない)
• 多くのパラメ タを推定できる(ただ
ないわけではない)
• 多くのパラメータを推定できる(ただし計算機資源次第)
• バッチシーケンシャル方式にすると準リアルタイムが可能
Copyright 2011 FUJITSU LIMITED
準リアルタイムが可能
5
①本プロジェクトでは、どのような解析システムを作るべきか(3)解析システムを作るべきか(3)
• 実現すべき機能実現すべき機能– 衛星: GPS, QZS, GLONASS(FDMA&CDMA),Galileoの統合解析
⇒ GPS3+GLO1でも解析可能に
– 周波数: 3波対応(L1,L2,L5)⇒ 電離層遅延の高度補正+アンビギュイティの早期決定
モード: Static Kinematic Rapid Static測量– モード: Static, Kinematic, Rapid Static測量RTK,ネットワーク型RTK(ローバー)PPP測位(リアルタイム、後処理) ← マルチGNSS化 ?
– 観測量: 二重位相差
– 推定パラメータ
• 衛星・受信機クロック 対流圏遅延・勾配 電離層遅延• 衛星・受信機クロック、対流圏遅延・勾配、電離層遅延
• 範囲外ネ ト ク型 の補正情報生成– ネットワーク型RTKの補正情報生成
– 衛星軌道推定2011/12/19 GSI,Japan 6
①本プロジェクトでは、どのような解析システムを作るべきか(4)解析システムを作るべきか(4)
• MADOCA開発との連携MADOCA開発との連携– 開発スケジュール
• MADOCA H23~H24開発 その後公開• MADOCA H23~H24開発。その後公開
• GSI H23設計→ H24~25開発→ H26改良・公開
⇒ ソ スコ ド共用はできるか ?⇒ ソースコード共用はできるか ?⇒ まずはRTKLIB拡張での連携
MADOCA 多基線解析MADOCA
RTKLIBファミリー
• MADOCA:多基線解析
• GSI:統合解析
ト
GSI軌道
クロック
• フォーマット– Binexサポート(GEONET用)
局位置 ⇒測量に最適化
2011/12/19 GSI,Japan 7
RTKLIB(ライブラリー)
②統合解析とは何か。どのような技術開発が必要か 見通しはどうか(1)開発が必要か。見通しはどうか(1)
• 統合解析統合解析
– 異なる衛星システム間でも二重位相差(DD)を生成し それらを観測量にパラメ タ推定できること成し、それらを観測量にパラメータ推定できること
• メリット
– GPS 3つ、GLO 1つのデータから解が出れば、上空視界がかなり悪い場所でも測量が可能に
• 現状(RTKLIB ver.2.4.1)GPS3+QZS1 可能– GPS3+QZS1 可能
– GPS3+GLO1 不可能(kinematicの場合)
– GPS3+GAL1 ? (衛星データなし)2011/12/19 GSI,Japan 8
(参考)高須氏とのメールのやり取り(1) (2011/12/7)
> RTKLIBでは、GPS3+GLO1しか見えない状況でも、測量は可能か?> RTKLIBでは、GPS3+GLO1しか見えない状況でも、測量は可能か?
キネマティックの条件では、現行のバージョンではできません。
理由は座標の初期値としてエポック毎の単独測位解を使っているからです。この制約のためGPS+QZSS+SBAS 4衛星またはGLO 4衛星以上が見えないエポックの測位解は得られませんGLO 4衛星以上が見えないエポックの測位解は得られません。
スタティックの条件では一度単独測位解が得られれば、後は 視衛星数 合計が を切 も そ 観測は有効 使われ後は可視衛星数の合計が4を切っても、その観測は有効に使われ、(条件が良ければ) FIX解も得られるはずです。
将来のバージョンでは、キネマティック解のTTFFの遅さを緩和するためと、一部利用者からの要望を受けて、“STOP and GO" モードの新設を検討しています。このモードでは上記の制約も緩和できると思います。
2011/12/19 GSI,Japan 9
検討して ます。 の ドでは 記の制約も緩和できると思 ます。
(参考)高須氏とのメールのやり取り(2) (2011/12/7)
> 現行GLOとGPSを組み合わせて単独測位をするのは、原理的に難しいか
難しくありませんし 衛星数が足りれば現状でも可能です難しくありませんし、衛星数が足りれば現状でも可能です。
ただし、GLONASSの放送暦の時系はGLONASSTですし、多くの受信機ではGPSとGLONASSの疑似距離間に受信機H/Wに起因するバイアスが存在しますGLONASSの疑似距離間に受信機H/Wに起因するバイアスが存在します。
従ってGPS+GLONASSの単独測位ではGGTO (GPS‐GLONASS Time Offset) + 受信機H/Wバイアスを未知パラメータとして追加推定するのが普通です。
従って、単独測位時に求めなければいけないバラメータ数は
座標×3 + 受信機クロック×1 + (GGTO+HWバイアス)×1 =5座標 受信機ク ック ( イア )となり、これから通常の場合の必要最小観測数は5となります。
ただ GPSのエフ メリスにはGPST UTC(USNO) GLONASSのエフ メリスにはただ、GPSのエフェメリスにはGPST‐UTC(USNO)、GLONASSのエフェメリスにはGLONASST‐UTC (SU) の補正係数が含まれますので、これを使えば数10nsの精度でGGTOの値は求まります。受信機のH/Wバイアスも (多分) 10nsのオーダでは安定なので 過去推定したH/WバイアスとGGTOを使ってGPS×3+GLO×1での単独測位は
2011/12/19 GSI,Japan 10
ので、過去推定したH/WバイアスとGGTOを使ってGPS×3+GLO×1での単独測位は不可能ではありません。
②統合解析とは何か。どのような技術開発が必要か 見通しはどうか(2)開発が必要か。見通しはどうか(2)
• GNSSが4つ見えても、PDOPが悪ければ使えGNSSが4つ見えても、PDOPが悪ければ使えないのではないか
本当に天頂方向しか見えないところでは厳しい– 本当に天頂方向しか見えないところでは厳しい
– 部分的に低・中仰角の衛星が見えれば改善可能
– Staticでは、Kinematicよりも条件は緩和される
⇒ 今後シミュレーションで確認⇒ 今後シミュレ ションで確認
2011/12/19 GSI,Japan 11
②統合解析とは何か。どのような技術開発が必要か 見通しはどうか(2)開発が必要か。見通しはどうか(2)
• GNSSが4つ見えても、PDOPが悪ければ使えGNSSが4つ見えても、PDOPが悪ければ使えないのではないか
本当に天頂方向しか見えないところでは厳しい– 本当に天頂方向しか見えないところでは厳しい
– 部分的に低・中仰角の衛星が見えれば改善可能
– Staticでは、Kinematicよりも条件は緩和される
⇒ 今後シミュレーションで確認⇒ 今後シミュレ ションで確認
2011/12/19 GSI,Japan 12
(参考)銀座の上空視界/新周波数
N
1176.45MHz1227.60MHz
1278.75MHz 1575.42MHz
N 衛星が見える(空)
GPSのみ 衛星数 1~3機 ⇒ 高精度測位 不可
WE GPS
L5 L1L2
WE
60°30°
WE
GLONASS
L5 L1L260°
W
S
30°
衛星が見えない(建物)午後3 00
L3
S午後5:00
Galileo
E5 L1E6(商用)
S
N N
(建物)午後3:00
GPS+準天頂◇+グロナス○+ガリレオ△ 合計7~10機⇒可能
N
準天頂
L5 L1L2
WE WE WE準天頂衛星
:現行 :次世代/近代化
S S
60°30°
午後3:00
60°30°
S
午後5:00
2011/12/19
GSI,Japan 13
今後、GNSSから送信される予定の民生用測位信号の周波数帯(概要)
S
東京銀座 2013年7月21日の可視衛星
S
③どのようにL5を使うのか③どのようにL5を使うのか
• アンビギュイティは本当に早く解けるのかアンビギュイティは本当に早く解けるのか
– 先行研究ではどうなっているか
シミ レ シ ンではどうなるか– シミュレーションではどうなるか
– アルゴリズムはどうするか
• LAMBDA/MLAMBDA法(Chang et al.,2005)は3波対応?
• 電離層遅延の扱いはどうすれば良いか電離層遅延の扱いはどうすれば良いか
– 周波数の離れたL1+L5の組み合わせが標準か
は利用されなくなる ?– L2は利用されなくなる ?– 電離層遅延をパラメータ推定する方式のメリット ?
2011/12/19 GSI,Japan 14
④オールジャパンのプロジェクトとするにはどうすればよいかするにはどうすればよいか
• 本委員会からのフィードバック&バックアップ本委員会からのフィ ド ック& ックアップ
• 業務委託者(日立造船、NEC、富士通)間の協働
JAXA研究会との連携• JAXA研究会との連携
• 関連学会
– 公募情報の通知
– 学会発表(来春)
• アウトリーチ
– HP作成 http://www.gsi.go.jp/eiseisokuchi/gnss_main.htmlp g g jp g _
• 部外研究員の公募(H24年度)
– マルチGNSSによる測量の高度化に関する研究(〆 1/31)マルチGNSSによる測量の高度化に関する研究(〆 1/31)http://www.gsi.go.jp/REPORT/24bugai.html
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⑤その他の論点はないか⑤その他の論点はないか
• 前回委員会(2011年7月15日)の指摘事項前回委員会(2011年7月15日)の指摘事項– コアとなる人が必要 ⇒ 院内勉強会開始
商用ソフトとの関係 ⇒ 解析機能に限定– 商用ソフトとの関係 ⇒ 解析機能に限定(補正情報生成は範囲外)
– マルチパスの影響の軽減が必要 ⇒ 今後検討マルチパスの影響の軽減が必要 ⇒ 今後検討
– 軌道決定にも踏み込むべき ⇒ MADOCAで協力
• その他– 契約手続きのため業務期間が短くなることへの対応⇒ 来年度なるべく早期に手続き開始
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プロジェクトのチェックポイントプロジェクトのチェックポイント
• 期間内(平成23~26年)、予算内に、完成するか期間内(平成23 26年)、予算内に、完成するか
– 期間の途中でも成果は出せるか
• ビル街等での測量を常時実現できるか• ビル街等での測量を常時実現できるか
• 現地観測時間を半分にできるか
地殻変動量の提供時間を半分に短縮できるか– 地殻変動量の提供時間を半分に短縮できるか
• アジア地域等への国際展開に寄与できるか
– 国産の精密GNSS解析ソフトウェアを育てられるか
• 衛星測位の展開に対応できる人材を育てられるか
• オープンか
• オールジャパン(産・学・官)か• オールジャパン(産・学・官)か
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