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1 金型磨き加工の自動化を NC 工作機械上で実現 【使用上の注意】 ※磨き前の表面粗さが Ra1μm 以内であることをご確認ください。磨き前の表面粗さが細かい程、効 率の良い磨きを可能にします。 ※加工液は水溶性(ソリュブルタイプ)のみです。油性やエマルジョンタイプは、ダイヤモンド砥粒が油 膜で滑り、磨けないため使用出来ません。 ※砥石最小径はφ1(R0,5)ですので、それ以下の部分は磨けません。 主催:モノづくり推進会議/日刊工業新聞社 後援:経済産業省/日本商工会議所 機上ポリッシングツール(3 種類) 専用ラバーボンド砥石 ハイブリッドラビン ○径:φ1mm~φ30mm ○粒度:#60~#10000 ○砥粒:ダイヤモンド 使用説明書 マシニングセンタ等の NC 工作機械上で、ボールエンドミルなどの工具 で金属の表面を所定の形状に加工した後に、専用ラバーボンド砥石(ハ イブリッドラビン)を装着した機上ポリッシングツールに工具交換する ことにより、磨き加工の自動化を実現しました。 機上ポリッシングツールの特長は、上下ダンパー機能および円周方向ダ ンパー機能により、前加工の形状に砥石端面が倣うことができるため、 平面、三次元形状の自由曲面、立壁等の金型の磨き加工が可能です。 柳下技研株式会社 「機上ポリッシングツール」は柳下技研株式会社の登録商標です。(登録商標第 5724987 号) 機上ポリッシングツール (特許取得済み) 無人化 「機 械 部 品 賞」 金型磨きの 第 10 回 2013 年“超”モノづくり部品大賞 受 賞

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金型磨き加工の自動化を NC工作機械上で実現

【使用上の注意】

※磨き前の表面粗さが Ra1μm 以内であることをご確認ください。磨き前の表面粗さが細かい程、効

率の良い磨きを可能にします。

※加工液は水溶性(ソリュブルタイプ)のみです。油性やエマルジョンタイプは、ダイヤモンド砥粒が油

膜で滑り、磨けないため使用出来ません。

※砥石最小径はφ1(R0,5)ですので、それ以下の部分は磨けません。

主催:モノづくり推進会議/日刊工業新聞社

後援:経済産業省/日本商工会議所

機上ポリッシングツール(3種類)

専用ラバーボンド砥石

ハイブリッドラビン

○径:φ1mm~φ30mm

○粒度:#60~#10000

○砥粒:ダイヤモンド

使用説明書 マシニングセンタ等の NC 工作機械上で、ボールエンドミルなどの工具

で金属の表面を所定の形状に加工した後に、専用ラバーボンド砥石(ハ

イブリッドラビン)を装着した機上ポリッシングツールに工具交換する

ことにより、磨き加工の自動化を実現しました。

機上ポリッシングツールの特長は、上下ダンパー機能および円周方向ダ

ンパー機能により、前加工の形状に砥石端面が倣うことができるため、

平面、三次元形状の自由曲面、立壁等の金型の磨き加工が可能です。

柳下技研株式会社

「機上ポリッシングツール」は柳下技研株式会社の登録商標です。(登録商標第 5724987 号)

機上ポリッシングツール (特許取得済み)

無人化 「機 械 部 品 賞」

金型磨きの 第 10回

2013年“超”モノづくり部品大賞

受 賞

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目次

はじめに P.2

1.機上ポリッシングツール(本体とハイブリッドラビン)仕様 P.3~4

2.磨き基本データ P.5~7

3.磨き加工事例 P.8~12

4.お問合せの前に(Q&A 集) P.13~16

5.ご参考資料 P.17~19

6.お問い合わせシート P.20

はじめに

近年、金型磨きの自動化に取り組む企業が増えています。主な事由は次の 2 点です。

・金型製造工程の中に占める磨き工程の割合が高いことから、金型磨きの自動化によるコストの

低減、納期の短縮、品質の向上、および安定化が望まれています。

・一方、磨きの製造現場は、技能・技術者の高齢化や退職が加速しており、深刻な職人不足にさ

らされていて、人的な面からも磨きの自動化は焦眉の課題となっています。

貴社も明日から金型磨き加工の自動化に取り組みませんか。

これまでは手作業による磨きが主流

リューターによる磨き

へら・ミガキ棒(竹グシ等)

による磨き

金型磨きの加工の自動化を NC 工作機械上で実現

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1.機上ポリッシングツール(本体とハイブリッドラビン)仕様

1)機上ポリッシングツール本体

【概略図】

① 標準仕様(NX-TKP1030)大径砥石が装着できるように、ヘッドが交換(砥石チャック径φ3

orφ6)可能です。

② 小型コレットチャック仕様(NX-TKP0530S):周速が低くなる小径砥石を高速回転できるよう

に、スプリングコレットで芯ブレを抑えました。

③ 立壁用コレットチャック仕様(NX-YTP10):上下ダンパー機能に円周方向ダンパー機能を加

え、立壁の磨きも可能にした画期的新製品です。

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2)機上ポリッシングツール専用ラバーボンド砥石(ハイブリッドラビン) ●砥石径φ1(R0.5)~φ30(R15.0)、砥石番手#60~#10000

●常備在庫品は以下のとおりです。在庫状況はお気軽にお問合せ下さい。

←φ10 ストレート

φ10 R付→

φ1~φ6 R付

φ1~φ6 ストレート

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2.磨き基本データ(平面磨きテスト)

テスト概要:エンドミルで平面切削し、その面に機上ポリッシングを行い、磨き条件による表面

粗さを調べました。

・材料 SUS420J2(STAVAX) 硬度 HRC52

・加工機 マシニングセンタ (ファナック ロボドリル)

・加工液 水溶性研削液

・切削工具 超硬エンドミル Φ3 ボール R1.5

・磨き工具 機上ポリッシングツール:立壁用コレットチャック仕様

・磨き砥石 ハイブリッドラビン Φ3カップ型

番手:#60,#170,#320,#600,#1000,#3000,#5000,#8000,#10000

・表面粗さ測定 非接触微細形状測定機 ( Taylor Hobson Talysurf CCI600 )

Ra0.9nm

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① 切削加工(A~H)

A

H

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② 磨き加工 ア~ソ

③ 磨き加工 ①~⑱

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3.磨き加工事例

① 球面 R15

切削後 Ra335nm 磨き後 Ra31nm

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② 形状凸波型

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③ 形状ハート型

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④ 立壁 テーパ―角 1度

立壁用コレットチャック仕様による磨き

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4.お問合せの前に(Q&A集)

Q1 加工液について

A1 加工液は水溶性(ソリュブルタイプ)*のみで、油性やエマルジョンタイプは、ダイヤモンド

砥粒が油膜で滑り磨けないため不可です。加工液は冷却のためのもので、ドライも不可です。

セミドライ加工も極微量の油剤でも入っていれば、影響があるように考えます。これまでの使用

実績からタイユ株式会社製の透明型(ソリュブルタイプ)NC-21Kを推奨します。

http://www.taiyu-chem.co.jp/product/product01.html

また、加工液が変更出来ない場合、別置きミスト装置で少量の水溶性加工液*を加工点に噴射させ、

或いは滴下装置で少量の水溶性加工液*を加工点に滴下させ(加工点に残る程度 10~20mℓ)、こ

ぼれた液はワーク周りにウエスト等を敷いて吸収させる方法もあります。

Q2機械の保護について

A2長期的にみれば、砥石砥粒が機械摺動面へ、少なからず

悪影響を与えるかと思います。使用頻度にもよりますが、

生産にご使用の場合は、蛇腹の気密性を高めるなどの改造が

考えられます。なお、切削から磨きまでをワンチャックで

行う必要がない場合には、磨きには切削に使用するような

高精度な NC工作機械を必要としませんので、安価な NC工作

機械を磨き専用機として使用されることもお勧め致します。

また、加工液の変更が出来ない場合および防塵対策が施され

ていない場合には、マシニングセンタのテーブル上に水槽を

置いて、マシンの外で下方にタンクを置いて、水槽から

タンクに水を流して、タンクの上に切り屑・切り子の除去

シート(フィルター穴 10μm程度)を敷いて、ポンプで

循環させる方法もあります。(右写真)

Q3 「機上ポリッシングツール」標準仕様の”揺動範囲”について

A3 標準仕様(NX-TKP1030)の先端は偏心します。揺動範囲とはこの偏心の範囲を言い、偏心の範

囲は、NX-TKP1030は 0mm~2mmです。

揺動加工は次の A4に記載の光学製品(ミラー・レンズ)等の研磨加工に使用し、緩やかな曲率に

揺動機能を用い、遊星運動で磨きが行えます。揺動では軸心を大きめにずらすので使用回転数は

落として使用します。

なお、小型コレットチャック仕様(NX-TKP0530S)および立壁用コレットチャック仕様(NX-YTP10)

には偏心機能はなく、高速回転を実現しています。

Q4 磨き後の面粗度 Raの限界値について

A4 固定砥粒であるハイブリッドラビンでは、平面以外でも材質や形状にもよりますが、#3000~

#5000を使用して面粗度 Ra10nm~5nmの実績があります。

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なお、光学部品等でこれ以下の面粗度が必要な場合には、遊離砥粒を用います。

【遊離砥粒を用いる具体的な加工方法】

ワークを機械テーブル上の水槽に入れ、遊離砥粒の液で満たします。

機上ポリッシングツールにフレキシブルアタッチメント(下写真)を装着して、先端にフェルト

などの研磨パッドをつけ、ツール軸を偏心させて主軸回転、荷重をかけながら磨きます。ゆるい

曲率なら、フレキシブルアタッチメントの自在とツールのバネによって、面にならって動きます。

イメージとしては、遊星運動みたいに円弧を描く手研磨と同じです。

Q5 機上ポリッシングツールにハイブリッドラビンを装着した場合のつかみ代はどのくらいでし

ょうか。=軸付け砥石のシャンク部(φ3)をどのくらいの長さチャッキングするのでしょうか。

A5 15mmです。

Q6 ハイブリッドラビン小径砥石φ1について

A6 φ1の小径砥石の場合、低めの番手(#320以下)は磨き加工に向いていません。

粗磨きの加工負荷に対して、小径φ1では耐久性が低く、磨きの効果があまり得られないようで

す。微細加工の鏡面化の場合は、小径エンドミルで細かく切削仕上げをすれば、φ1-#1000で磨

いた方が効率は良いようです。また、φ1はカップ型に成形できません。

Q7 ふちダレを起こしませんか(形状はしっかりと出せますか)

A7 起こします。機上ポリッシングツールではピン角の保持は難しいです。「磨き加工事例」の③

ハート型の様に、意匠用の場合はあまり気になりませんが、パンチ等、エッジが必要なものは、

円周の周りにヤトイやダミーワークを用い、食い込まないような工夫が必要です。

Q8 被加工材について

A8 被加工材は、超硬、HPM38、STAVAX、SKDなど多くの実績があります。しかしながら、銅・真

鍮・アルミニュウム、セラミック(アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、など)、テフロンとP

PSは、今のところ推奨できません。これらの材質にも対応出来る砥石の開発は継続しています。

Q9加工時間について

A9 前加工(切削)の状態によりますので、一概には言えません。前述の磨き加工事例を参考にし

て頂ければ幸いです。なお、ハイブリッドラビンの寿命(消耗度)ですが、Φ2(R1.0)の砥石で、

磨き加工事例②形状凸波型で 3個~4個磨けます。

Q10 Z 軸への差込量について

A10 平面や緩やかな曲面の加工で、φ3~6 のカップ砥石を使用した際は、~4mm まで差し込むこ

ともあります。差し込み量に比例して研磨荷重が大きくなるので、磨き効果は大きくなりますが、

フレキシブルアタッチメント

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砥石摩耗も大きくなります。

φ1~2の砥石ではすぐに摩耗してしまいますので注意が必要です。

また、曲率の大きい形状には差し込み量が大きいと追従しきれないこともあります。

磨き加工事例ではφ2の砥石で Z方向に 0.1mmの差し込みです。

次に、砥石粒度の違いでは、差込量はあまり気にしていません。差込量はワークの加工面積や形

状と砥石摩耗量に関係しています。弾性ゴム砥石の場合、切削工具や硬い砥石に比べ、摩耗量が

大きいので、通常の切削経路の NCプログラムでは、1パスの最初は当たりますが、すぐに摩耗で

砥石が減り、1パス内で当たらなくなります。本ツールの差込量は、その摩耗分を補充するため

です。

Q11 切削時のプログラムのままでよろしいですか

A11 切削時のプログラムを使用して、経験的に切削目の除去は、送りピッチ半分、送り速度半分

程度に落ち着きます。鏡面仕上げ(面粗度 Raで 50nm以下)を狙い、粒度を細かくした場合、さ

らに送り速度を落としています。また、ワーク面に穴や溝がある場合には、砥石がひっかかるた

め、加工プログラムを穴等避ける経路で作成する必要があります。

一方、研磨は一方向のみでなく、研磨目が十字になるよう、X走査線加工と Y走査線加工による

クロス、等高線加工とチョッピング加工によるクロスなど、方向を変えて磨くことも重要です。

Q12 磨きに影響を与える要因はなんですか

A12 磨きに影響を与える要因としては、金型の種類と材質と形状(磨き加工を行う面の種類には

大きく分けて平面、円弧、穴の側面、球面などがあります)、前加工方法(切削加工、研削加工、

放電加工)と加工機械の剛性と加工条件、などが考えられます。それぞれ磨く目的により、機上

ポリッシングツールの種類、ハイブリッドラビンの砥石径、砥石番手、砥石先端形状および磨き

加工条件(主軸回転数、送りピッチ、送り速度、差込量、磨き回数)が変わります。

Q13 機上ポリッシングツールの導入効果について

A13 機械加工により、手磨きによって生じるような金型表面の面粗度のバラツキがなくなり、品

質が安定します。夜間自動運転も可能で工期短縮が図れます。磨きに係る外注手配や熟練技術者

等の要員手配から解放されコスト削減が図れます。

Q14 砥石の先端形状について

A14 砥石の先端形状は、R付、ラジアス型、テーパー付など、ワークに合った形状を用います。

平面はカップ型で磨きます。

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Q15 ハイブリッドラビンのツルーイング方法について

A15 下記を参考にしてください。

① ストレート砥石

弊社から納入の新品砥石の端面は、ゴム型成形のままのため、表面に凹凸が残っていますので、

使用前に加工機上にてツルーイングを行い、砥石表面を整えてから使用下さい。

以下にツルーイング方法の一例をご紹介します。

・一般的なビト砥石(WA60) を平面に固定します。

・機上ポリッシングツールに装着したハイブリッドラビンを、下記条件でビト砥石にあてながら、

X 方向に動かし、平面に成形します。(図1参照) ツルーイング後、砥石表面の凹凸はなくな

ります。

② 成形砥石の加工方法

弊社から納入する R付砥石等などの成形砥石は、ツルーイング済みです。

お客様自身で成形する場合には、ホームページ http://yagishitagiken.sub.jp/ から動画をご

覧ください。回転工具(2万回転が目安)にダイヤモンド電着砥石または CBN 電着砥石を取り付

けて、ツルーイングを行います。砥石の回転数は太い砥石で 5 千回転~、細い砥石で 1 万回転が

目安です。

使用中に形状が崩れたり、目詰まりが生じたときは、上記と同様に行うか、

スポンジ研磨材のような物を磨きたい面に合わせて使用します。

<条件>

主軸回転数 5000 r/min

Z差込量 5mm

送り速度 F 100mm/min

移動距離 X 20mm x 4回

※更に、カップ型に成形するには、

砥石を固定してドリルで穴を空けます。

弊社から納入するカップ型砥石は、

ツルーイング済みです。

図1

「ツルーイング=砥石形状成形」、「ドレッシング=砥石目立て」

の意味で使用します。ツルーイングをすればドレッシングも同時

にできます。

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5.ご参考資料

① 表面粗さ

◎代表的な表面粗さの定義

(最新の JIS B 0601:2001 では、Rmaxが Rzに、Rzが Rzjisに変わっているので注意が必要です。)

◎算術平均粗さ(Ra)と従来の表記の関係

※上記2つの図表は、株式会社岩田製作所様の技術資料/技術データ 巻末 035から引用。

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② 金属等の硬度一覧表と硬度換算表

※上記図表は、「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイトから引用。http://www.toishi.info/metal/hardness.html

※上記図表は、株式会社バルテック様の「硬度換算表」から引用。http://www.valtech.to/photo/36112/data/koudo.html

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③ 砥石の粒度の規格について

上記の表示方法で、たとえば 16/20とあるのは、#16のふるいを通過し、#20のふるいに残る大

きさを表しています。この場合の砥石の粒度表示は「16」となります。

メッシュサイズに関しては、JISで粒度の表示方法、分級についての定めがあるため、おおむ

ね各メーカー共通しています。325以降の粒度についてはミクロンサイズで表記しますが、こち

らには JIS等で統一した規格はありません。メーカーにより、水力、風力、遠心分級等の方法で

選別します。

※上記図表は、「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイトから引用。http://www.toishi.info/faq/question-one/ryudo.html

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6.お問い合わせシート

下記にご記入の上、FAXしてください。ホームページ(http://yagishitagiken.sub.jp/)のお

問い合せフォームもご利用いただけます。

開発・製作 柳下技研株式会社

【問合せ先】

新倉工場 精密部品事業部 久保貴義

〒351-0111 埼玉県和光市下新倉 3-22-60

TEL:048-466-8372 FAX:048-466-8374

URL http://yagishitagiken.sub.jp/

E-mail:[email protected]

携帯電話 080-7758-7069

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